以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成図である。図2は、ヘッドモジュールの概略構成図である。図3は、ヘッドモジュールの配置およびつなぎ目部分の説明図である。なお、以下の説明における上下方向は鉛直方向であり、図1の上下方向を示すものとする。
図1に示すように、第1の実施の形態に係るインクジェット印刷装置1は、インクジェットヘッド2と、インク循環部3と、制御部4とを備える。
インクジェットヘッド2は、図示しない搬送部により搬送される用紙PAにインクを吐出して画像を印刷する。インクジェットヘッド2は、6個のヘッドモジュール11A〜11Fを有する。なお、ヘッドモジュール11A〜11Fの符号におけるアルファベットの添え字(A〜F)を省略して総括的に表記することがある。
図1、図3に示すように、ヘッドモジュール11A〜11Fは、用紙PAの搬送方向(副走査方向)に直交する主走査方向に沿って千鳥配置されている。すなわち、6個のヘッドモジュール11A〜11Fは、主走査方向に沿って配列され、かつ、1つおきに副走査方向における位置をずらして配置されている。また、ヘッドモジュール11A〜11Fは、主走査方向に隣接するヘッドモジュール11どうしで一部が重なるように配置されている。すなわち、インクジェットヘッド2において、主走査方向に隣接するヘッドモジュール11どうしが重なる部分であるつなぎ目部分12A〜12Eが形成されている。
つなぎ目部分12Aは、ヘッドモジュール11A,11Bが互いに重なる部分である。つなぎ目部分12Bは、ヘッドモジュール11B,11Cが互いに重なる部分である。つなぎ目部分12Cは、ヘッドモジュール11C,11Dが互いに重なる部分である。つなぎ目部分12Dは、ヘッドモジュール11D,11Eが互いに重なる部分である(図10参照)。つなぎ目部分12Eは、ヘッドモジュール11E,11Fが互いに重なる部分である(図10参照)。なお、つなぎ目部分12A〜12Eの符号におけるアルファベットの添え字(A〜E)を省略して総括的に表記することがある。
図2、図3に示すように、ヘッドモジュール11は、インクチャンバ21と、2列のノズル列22U,22Dとを備える。
インクチャンバ21は、インク循環部3により供給されるインクを貯留する。インクチャンバ21内には、間仕切り21aが設けられている。間仕切り21aは、インクチャンバ21内を、用紙PAの搬送方向における上流側の領域31Uと、下流側の領域31Dとに仕切るものである。
領域31U,31Dは、共通の経路である後述の配管59から分配器55により分配されて供給される同一色のインクを貯留する。領域31U,31D内には、ピエゾ素子(図示せず)が配置されている。ピエゾ素子がドライバ(図示せず)により駆動されることで、ノズル列22U,22Dのノズル41からインクが吐出される。上流側の領域31Uは、請求項の第1の領域(または第2の領域)に相当する。下流側の領域31Dは、請求項の第2の領域(または第1の領域)に相当する。
ノズル列22U,22Dは、図3に示すように、それぞれ複数のノズル41からなる。ノズル列22U,22Dは、用紙PAの搬送方向に沿って互いに間隔を空けて配置されている。上流側のノズル列22Uは、請求項の第1のノズル列(または第2のノズル列)に相当する。下流側のノズル列22Dは、請求項の第2のノズル列(または第1のノズル列)に相当する。
ノズル41は、インクを吐出する。ノズル41は、ヘッドモジュール11の下面に開口している。上流側のノズル列22Uのノズル41は、インクチャンバ21の上流側の領域31Uに貯留されたインクを吐出する。下流側のノズル列22Dのノズル41は、インクチャンバ21の下流側の領域31Dに貯留されたインクを吐出する。各ノズル列22U,22Dにおいて、ノズル41は、主走査方向に沿って所定のピッチPで等間隔に配置されている。また、ノズル列22Uのノズル41とノズル列22Dのノズル41とが、主走査方向に半ピッチ(P/2)分だけずれるように配置されている。また、つなぎ目部分12においては、図3に示すように、ノズル列22Uのノズル41どうし、ノズル列22Dのノズル41どうしが、それぞれ主走査方向において同じ位置に配置されている。
インク循環部3は、インクを循環させつつ、インクジェットヘッド2にインクを供給する。インク循環部3は、上流タンク51と、下流タンク52と、インクボトル53と、ポンプ54と、分配器55と、集合器56と、ヒータ57と、冷却器58と、配管59〜62,63a,63b,64a,64bとを備える。
上流タンク51は、下流タンク52から送られるインクを貯留し、インクジェットヘッド2へとインクを供給する。
下流タンク52は、インクジェットヘッド2による吐出動作で消費されなかったインクを貯留する。また、下流タンク52は、インクボトル53から供給されるインクを貯留する。
インクボトル53は、インクジェット印刷装置1で印刷に用いるインクを保持している。インクボトル53は、下流タンク52へインクを供給する。
ポンプ54は、下流タンク52から上流タンク51へとインクを送る。ポンプ54は、下流タンク52と上流タンク51との間の配管61の途中に設けられている。
分配器55は、配管59を介して上流タンク51から供給されるインクを、ヘッドモジュール11A〜11Fのインクチャンバ21の領域31U,31Dに分配する。
集合器56は、ヘッドモジュール11A〜11Fで吐出動作により消費されなかったインクを、インクチャンバ21の領域31U,31Dから集める。集合器56により集められたインクは、配管60を介して下流タンク52へと流れる。
ヒータ57は、インク循環部3内で循環されるインクを加温する。ヒータ57は、上流タンク51と分配器55との間の配管59の途中に設けられている。
冷却器58は、インク循環部3内で循環されるインクを冷却する。冷却器58は、ヒートシンクおよびファン(いずれも図示せず)を有する。冷却器58は、下流タンク52と上流タンク51との間の配管61の途中に設けられている。
配管59は、上流タンク51と分配器55とを接続する。配管60は、集合器56と下流タンク52とを接続する。配管61は、下流タンク52と上流タンク51とを接続する。配管62は、インクボトル53と下流タンク52とを接続する。
配管63aは、分配器55とヘッドモジュール11のインクチャンバ21の上流側の領域31Uとを接続する。配管63bは、分配器55とヘッドモジュール11のインクチャンバ21の下流側の領域31Dとを接続する。配管64aは、ヘッドモジュール11のインクチャンバ21の上流側の領域31Uと集合器56とを接続する。配管64bは、ヘッドモジュール11のインクチャンバ21の下流側の領域31Dと集合器56とを接続する。配管63a,63b,64a,64bは、ヘッドモジュール11ごとに設けられている。
制御部4は、インクジェット印刷装置1全体の動作を制御する。制御部4は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。
制御部4は、印刷時において、上流側ノズル列用の吐出データおよび下流側ノズル列用の吐出データに基づき、ヘッドモジュール11A〜11Fのノズル列22U,22Dのノズル41からラインごとにインクを吐出して印刷を行うよう制御する。
上流側ノズル列用の吐出データは、印刷画像を形成するために上流側のノズル列22Uのノズル41から各画素に対して吐出するインクの液滴数(ドロップ数)を示すデータである。上流側ノズル列用の吐出データは、請求項の第1の吐出データ(または第2の吐出データ)に相当する。下流側ノズル列用の吐出データは、印刷画像を形成するために下流側のノズル列22Dのノズル41から各画素に対して吐出するドロップ数を示すデータである。下流側ノズル列用の吐出データは、請求項の第2の吐出データ(または第1の吐出データ)に相当する。
上記のように、上流側ノズル列用の吐出データ、下流側ノズル列用の吐出データは、それぞれ上流側のノズル列22U、下流側のノズル列22Dに対応するものとして生成されたものである。これに対し、制御部4は、各ヘッドモジュール11におけるインク吐出の動作により生じる領域21U,21Dの間のインクの温度差の拡大を抑制するように、各ヘッドモジュール11における上流側ノズル列用の吐出データおよび下流側ノズル列用の吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を制御して印刷を行う。
具体的には、制御部4は、各ヘッドモジュール11において、前のページのノズル列22U,22Dの印字率と、今回のページにおけるノズル列22U,22Dの印字率との間で、ノズル列22U,22Dの印字率の大小関係が逆になるように、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を制御する。
ただし、各ページの印刷において、つなぎ目部分12A〜12Eのなかに、後述する連続非吐出領域がないつなぎ目部分12が含まれる場合は、制御部4は、連続非吐出領域がないつなぎ目部分12を介して連続する複数のヘッドモジュール11からなる連動ヘッドモジュール群の各ヘッドモジュール11における吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を連動させて制御する。
具体的には、制御部4は、連動ヘッドモジュール群から1つの基準ヘッドモジュールを選定する。ここで、制御部4は、連動ヘッドモジュール群の各ヘッドモジュール11のノズル列22U,22Dの合計の印字率の累積値を用いて、基準ヘッドモジュールを選定する。
そして、制御部4は、基準ヘッドモジュールにおける、前のページのノズル列22U,22Dの印字率と、今回のページにおけるノズル列22U,22Dの印字率との間で、ノズル列22U,22Dの印字率の大小関係が逆になるように、基準ヘッドモジュールにおける吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を制御する。この際、制御部4は、連動ヘッドモジュール群の他のヘッドモジュール11における吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係も、基準ヘッドモジュールに連動して制御する。
ここで、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係の制御は、上流側ノズル列用の吐出データおよび下流側ノズル列用の吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を本来の対応関係とするか、本来とは逆の対応関係に入れ替えるかを制御するものである。
本来の対応関係での印刷において図4のように印刷されるとすると、本来とは逆の対応関係では、図5のように印刷される。
図4、図5において、ドット66uは、上流側のノズル列22Uのノズル41から吐出されたインクにより用紙PAに形成されたドットを示す。ドット66dは、下流側のノズル列22Dのノズル41から吐出されたインクにより用紙PAに形成されたドットを示す。ノズル列22U,22Dは同一色のインクを吐出するため、ドット66u,66dは同一色のドットである。
印刷時には、上流側のノズル列22Uのノズル41からインクが吐出され、用紙PAに1ライン分のドット66uが形成された後、このドット66uと同一ライン上にドット66dが形成されるようなタイミングで、下流側のノズル列22Dからインクが吐出される。このようにして、搬送される用紙PAに、ラインごとに印刷画像が形成される。
図4、図5に示すように、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を入れ替えても、同様の印刷画像が形成される。ただし、印刷画像が半ピッチ(P/2)分だけ主走査方向にシフトする。このため、インクジェット印刷装置1において、隣接するヘッドモジュール11間で吐出データと第1および第2のノズル列との対応関係が逆になると、つなぎ目部分12で印刷画質の低下が生じるおそれがある。
例えば、つなぎ部分12Aで図6のようなインク吐出が行われるとする。ここで、吐出データとノズル列22U,22Dとの本来の対応関係(入れ替えなし)で印刷する場合、2つのヘッドモジュール11から主走査方向の同じ位置に重複してインクを吐出しないように、使用するノズル41が決定される。図6の例では、つなぎ部分12Aで印字する5列のうち、図中左から1〜3列目まではヘッドモジュール11Aからインク吐出し、4,5列目はヘッドモジュール11Bからインク吐出する。
これに対し、ヘッドモジュール11Aのみ、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を入れ替えることで、ヘッドモジュール11Aの吐出内容のみがシフトする。例えば、図6に示すように、ヘッドモジュール11Aの吐出内容が図中右方向に半ピッチ分シフトし、ヘッドモジュール11Bの吐出内容はシフトしない。この場合、4列目にヘッドモジュール11A,11Bの両方からインクが吐出される。このため、4列目の印字結果において、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係の入れ替えなしの場合より、ドットが大きくなる。この結果、印刷画質が低下する。
また、例えば、ヘッドモジュール11Bのみ、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を入れ替えるとする。この場合、ヘッドモジュール11Bの吐出内容のみがシフトする。例えば、図7に示すように、ヘッドモジュール11Bの吐出内容が図中右方向に半ピッチ分シフトし、ヘッドモジュール11Aの吐出内容はシフトしない。この場合、4列目にはヘッドモジュール11A,11Bのいずれからもインクが吐出されなくなる。
このため、入れ替えなしの場合における2〜4列目の連続した吐出ありの部分に対応する、入れ替えを行った場合の3〜5列目において、4列目の吐出がなくなる。この結果、印刷画質が低下する。
図6、図7に示したように、隣接する2つのヘッドモジュール11のうちの一方のみで、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を入れ替えると、印刷画質の低下が生じることがある。
ただし、つなぎ目部分12において、連続非吐出領域がある場合は、上述のような印刷画質の低下が軽減される。連続非吐出領域は、吐出データと第1および第2のノズル列との本来の対応関係(入れ替えなし)での印刷において主走査方向に沿って連続する複数のノズルが非吐出となる領域である。
例えば、図8に示すように、吐出データと第1および第2のノズル列との対応関係の入れ替えなしで印刷した場合に、2列目と3列目とが非吐出(吐出なし)であるとする。この部分が連続非吐出領域に該当する。また、1列目はヘッドモジュール11Aによりインク吐出され、4列目はヘッドモジュール11Bによりインク吐出されるとする。
これに対し、ヘッドモジュール11Aのみ、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を入れ替えることで、ヘッドモジュール11Aの吐出内容のみが図中右方向に半ピッチ分シフトしたとする。この場合、図8に示すように、入れ替えなしの場合は、2,3列目の2列が吐出なしの印字結果であるのに対し、入れ替えにより、吐出なしが3列目の1列のみになっている。すなわち、吐出なしの列が1列減少している。
また、図8の例において、ヘッドモジュール11Bのみ、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を入れ替えると、2〜4列目の3列が吐出なしになる。すなわち、吐出なしの列が1列増加する。
しかしながら、吐出なしの列が1列だけ増減しても、人の目には判別できない程度の変化であり、印刷画質はほとんど低下しない。
また、連続非吐出領域がある場合は、一方のヘッドモジュール11のみ、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を入れ替えても、図6のような吐出の重なりの発生は抑えられる。
このように、つなぎ目部分12に連続非吐出領域がある場合は、当該つなぎ目部分12を介して隣接する2つのヘッドモジュール11どうしで吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係が異なっていても、印刷画質への影響は小さい。これに対し、つなぎ目部分12に連続非吐出領域がない場合は、当該つなぎ目部分12を介して隣接する2つのヘッドモジュール11どうしで吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係が異なっていると、図6、図7の例のように、印刷画質が低下する。
そこで、前述のように、制御部4は、連続非吐出領域がないつなぎ目部分12を介して連続する複数のヘッドモジュール11からなる連動ヘッドモジュール群の各ヘッドモジュール11における吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を連動させて制御する。一方、連続非吐出領域があるつなぎ目部分12を介して隣接するヘッドモジュール11間では、制御部4は、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を独立して制御する。
次に、インクジェット印刷装置1の動作について説明する。
図9は、インクジェット印刷装置1の動作を説明するためのフローチャートである。図9のフローチャートの処理は、インクジェット印刷装置1に印刷データが入力されることにより開始となる。印刷データには、上流側ノズル列用の吐出データおよび下流側ノズル列用の吐出データが含まれる。
図9のステップS1において、制御部4は、印刷するページの吐出データに基づき、今回のページの印刷において、連続非吐出領域がないつなぎ目部分12があるか否かを判断する。
連続非吐出領域がないつなぎ目部分12があると判断した場合(ステップS1:YES)、ステップS2において、制御部4は、連動ヘッドモジュール群から基準ヘッドモジュールを選定する。
ここで、例えば、図10に示すような印字領域70A〜70Cを有するページに対して、つなぎ目部分12Cに連続非吐出領域がないとする。この場合、連続非吐出領域がないつなぎ目部分12Cを介して連続するヘッドモジュール11C,11Dが、連動ヘッドモジュール群を構成する。したがって、この場合、制御部4は、ヘッドモジュール11C,11Dから基準ヘッドモジュールを選定する。基準ヘッドモジュールを選定する手順については後述する。
なお、例えば、つなぎ目部分12Cおよびつなぎ目部分12Eに連続非吐出領域がない場合、ヘッドモジュール11C,11Dが1つの連動ヘッドモジュール群を構成し、ヘッドモジュール11E,11Fが他の連動ヘッドモジュール群を構成する。また、例えば、つなぎ目部分12Cおよびつなぎ目部分12Dに連続非吐出領域がない場合、ヘッドモジュール11C,11D,11Eが連動ヘッドモジュール群を構成する。
次いで、ステップS3において、制御部4は、各ヘッドモジュール11における吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を決定する。
具体的には、制御部4は、連動ヘッドモジュール群に含まれない各ヘッドモジュール11については、当該ヘッドモジュール11における前のページのノズル列22U,22Dの印字率と、今回のページにおけるノズル列22U,22Dの印字率との間で、ノズル列22U,22Dの印字率の大小関係が逆になるように、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を決定する。
なお、今回の印刷が1ページ目の場合は、吐出データとノズル列22U,22Dとの本来の対応関係に決定する。すなわち、上流側ノズル列用の吐出データに基づき上流側のノズル列22Uからインクを吐出させ、下流側ノズル列用の吐出データに基づき下流側のノズル列22Dからインクを吐出させるように対応関係を決定する。
連動ヘッドモジュール群については、制御部4は、基準ヘッドモジュールにおける、前のページのノズル列22U,22Dの印字率と、今回のページにおけるノズル列22U,22Dの印字率との間で、ノズル列22U,22Dの印字率の大小関係が逆になるように、基準ヘッドモジュールにおける吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を決定する。この際、制御部4は、連動ヘッドモジュール群の他のヘッドモジュール11における吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係も、基準ヘッドモジュールに連動させる。
例えば、基準ヘッドモジュールにおける吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を、本来とは逆の対応関係に決定したとする。すなわち、基準ヘッドモジュールについて、上流側ノズル列用の吐出データに基づき下流側のノズル列22Dからインクを吐出させ、下流側ノズル列用の吐出データに基づき上流側のノズル列22Uからインクを吐出させるように対応関係を決定したとする。この場合、制御部4は、連動ヘッドモジュール群における他のヘッドモジュールについても、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を、本来とは逆の対応関係に決定する。
ステップS1において、連続非吐出領域がないつなぎ目部分12がない、すなわち、すべてのつなぎ目部分12において、連続非吐出領域があると判断した場合(ステップS1:NO)、ステップS3において、制御部4は、各ヘッドモジュール11における吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を決定する。
具体的には、制御部4は、各ヘッドモジュール11について、当該ヘッドモジュール11における前のページのノズル列22U,22Dの印字率と、今回のページにおけるノズル列22U,22Dの印字率との間で、ノズル列22U,22Dの印字率の大小関係が逆になるように、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を決定する。
ステップS3の後、ステップS4において、制御部4は、印刷を実行する。具体的には、制御部4は、図示しない搬送部により用紙PAを搬送させつつ、上流側ノズル列用の吐出データおよび下流側ノズル列用の吐出データに基づき、各ヘッドモジュール11のノズル列22U,22Dからインクを吐出させる。ここで、制御部4は、ステップS3で決定した各ヘッドモジュールにおける吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係に応じて、ノズル列22U,22Dのノズル41からインクを吐出させる。これにより、用紙PAに画像が印刷される。
次いで、ステップS5において、制御部4は、全ページの印刷が終了したか否かを判断する。全ページの印刷は終了していないと判断した場合(ステップS5:NO)、制御部4は、ステップS1に戻る。全ページの印刷が終了したと判断した場合(ステップS5:YES)、制御部4は、動作を終了する。
次に、上述した図9のステップS2における基準ヘッドモジュールを選定する手順について、図11のフローチャートを参照して説明する。
図11のステップS11において、制御部4は、連動ヘッドモジュール群に含まれる各ヘッドモジュール11から、累積印字率が上位の2つのヘッドモジュール11を抽出する。ヘッドモジュール11の累積印字率は、印刷開始からのノズル列22U,22Dの合計の印字率の累積値である。
次いで、ステップS12において、制御部4は、ステップS11で抽出した2つのヘッドモジュール間の累積印字率の差が閾値以上であるか否かを判断する。
累積印字率の差が閾値以上であると判断した場合(ステップS12:YES)、ステップS13において、制御部4は、累積印字率が最大のヘッドモジュール11を、基準ヘッドモジュールとして選定する。
ステップS12において、累積印字率の差が閾値未満であると判断した場合(ステップS12:NO)、ステップS14において、制御部4は、ステップS11で抽出した2つのヘッドモジュールのうち、今回の印刷対象のページにおけるノズル列22U,22D間の印字率の差が大きい方のヘッドモジュール11を、基準ヘッドモジュールとして選定する。
例えば、各ヘッドモジュール11におけるページごとの累積印字率が図12に示すものであるとする。ここで、4ページ目において、ヘッドモジュール11C,11D間のつなぎ目部分12Cに連続非吐出領域がない、すなわちヘッドモジュール11C,11Dが連動ヘッドモジュール群を構成するとする。また、6ページ目において、ヘッドモジュール11E,11F間のつなぎ目部分12Eに連続非吐出領域がない、すなわちヘッドモジュール11E,11Fが連動ヘッドモジュール群を構成するとする。また、8ページ目において、ヘッドモジュール11A,11B間のつなぎ目部分12Aに連続非吐出領域がない、すなわちヘッドモジュール11A,11Bが連動ヘッドモジュール群を構成するとする。また、累積印字率の差が閾値は5(%)であるとする。
4ページ目においては、前のページ(3ページ目)までのヘッドモジュール11Cの累積印字率80(%)とヘッドモジュール11Dの累積印字率50(%)との差が閾値5(%)以上である。そして、ヘッドモジュール11Cの方がヘッドモジュール11Dより累積印字率が大きい。このため、ヘッドモジュール11Cが基準ヘッドモジュールとなる。
6ページ目においては、前のページ(5ページ目)までのヘッドモジュール11Eの累積印字率87(%)とヘッドモジュール11Fの累積印字率100(%)との差が閾値5(%)以上である。そして、ヘッドモジュール11Fの方がヘッドモジュール11Eより累積印字率が大きい。このため、ヘッドモジュール11Fが基準ヘッドモジュールとなる。
8ページ目においては、前のページ(7ページ目)までのヘッドモジュール11Aの累積印字率155(%)とヘッドモジュール11Bの累積印字率139(%)との差が閾値5(%)以上である。そして、ヘッドモジュール11Aの方がヘッドモジュール11Bより累積印字率が大きい。このため、ヘッドモジュール11Aが基準ヘッドモジュールとなる。
また、図示しない9ページ目において、ヘッドモジュール11A,11Bが連動ヘッドモジュール群を構成するとする。この場合、前のページ(8ページ目)までのヘッドモジュール11Aの累積印字率177(%)とヘッドモジュール11Bの累積印字率176(%)との差が閾値5(%)未満である。
この場合、9ページ目におけるヘッドモジュール11Aのノズル列22U,22D間の印字率の差と、ヘッドモジュール11Bのノズル列22U,22D間の印字率の差とを比較する。ここで、例えば、9ページ目におけるヘッドモジュール11Aのノズル列22U,22D間の印字率の差が5(%)、ヘッドモジュール11Bのノズル列22U,22D間の印字率の差が20(%)とする。この場合、ノズル列22U,22D間の印字率の差が大きいヘッドモジュール11Bが、基準ヘッドモジュールとなる。
ここで、上述のような吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係の制御とは異なり、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を固定して印刷を行うと、ノズル列22U,22Dにおける印字率の差により、領域31U,31D間でインクの温度差が生じることがある。
例えば、ノズル列22U,22D間で印字率の偏りが大きいページを連続して多数印刷したとする。この場合、図13に示すように、連続印刷時間の経過とともに領域31U,31D間のインクの温度差が拡大する。そして、上流側の領域31Uのインクの温度が適正温度範囲(T1〜T2)の上限温度T2を超えるおそれがある。領域31Uのインクの温度が上限温度T2を超えると、例えば、上流側のノズル列22Uから吐出されたインクの飛翔状態が不安定になって印刷画質が低下するおそれがある。
これに対し、上述のように、前のページのノズル列22U,22Dの印字率と、今回のページにおけるノズル列22U,22Dの印字率との間で、ノズル列22U,22Dの印字率の大小関係が逆になるように制御すれば、ノズル列22U,22D間で印字率を分散させることができる。これにより、図14のように、領域31U,31D間でインクの温度差はほとんど生じず、図13で領域31Uのインクの温度が上限温度T2を超えた連続印刷時間Aになっても、領域31U,31Dのインクの温度は適正温度範囲内に維持される。
以上説明したように、インクジェット印刷装置1では、制御部4は、各ヘッドモジュール11におけるインク吐出の動作により生じる領域21U,21D間のインクの温度差の拡大を抑制するように、各ヘッドモジュール11における上流側ノズル列用の吐出データおよび下流側ノズル列用の吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を制御して印刷を行う。
具体的には、制御部4は、各ヘッドモジュール11において、前のページのノズル列22U,22Dの印字率と、今回のページにおけるノズル列22U,22Dの印字率との間で、ノズル列22U,22Dの印字率の大小関係が逆になるように、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を制御する。
これにより、各ヘッドモジュール11で領域31U,31D間で大きなインクの温度差が生じてインクの温度が適正温度範囲を逸脱することを低減できる。このため、適正温度範囲内のインク温度で印刷可能な時間が縮小することを抑制できる。この結果、インクの温度が適正温度範囲を逸脱することによる印刷画質の低下を抑制できる。
また、制御部4は、各ページの印刷において、つなぎ目部分12A〜12Eのなかに、連続非吐出領域がないつなぎ目部分12が含まれる場合は、連動ヘッドモジュール群の各ヘッドモジュール11における吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を連動させて制御する。
具体的には、制御部4は、連動ヘッドモジュール群から1つの基準ヘッドモジュールを選定する。そして、制御部4は、基準ヘッドモジュールにおける、前のページのノズル列22U,22Dの印字率と、今回のページにおけるノズル列22U,22Dの印字率との間で、ノズル列22U,22Dの印字率の大小関係が逆になるように、基準ヘッドモジュールにおける吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を制御する。この際、制御部4は、連動ヘッドモジュール群の他のヘッドモジュール11における吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係も、基準ヘッドモジュールに連動して制御する。
これにより、隣接するヘッドモジュール11間で吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係が逆になることによるつなぎ目部分における印刷画質の低下を抑制できる。
したがって、インクジェット印刷装置1によれば、つなぎ目部分12での印刷画質の低下を抑えつつ、インクの温度が適正温度範囲を逸脱することによる印刷画質の低下を抑制できる。
また、インクジェット印刷装置1では、インクの温度に与える影響の大きい印字率を用いることで、領域31U,31D間でインクの温度差が生じることを効率よく抑制できる。
また、インクジェット印刷装置1では、制御部4は、累積印字率を用いて、連動ヘッドモジュール群から基準ヘッドモジュールを選定する。ここで、連動ヘッドモジュール群では、基準ヘッドモジュール以外のヘッドモジュール11は、基準ヘッドモジュールに連動して吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係が制御される。このため、基準ヘッドモジュール以外のヘッドモジュール11では、ページ間でノズル列22U,22D間の印字率の大小関係が逆になるとは限らない。このため、基準ヘッドモジュール以外のヘッドモジュール11では、領域21U,21D間のインクの温度差が拡大し、領域21U,21Dの一方のインクが適正温度範囲の上限温度に近づく可能性がある。したがって、連動ヘッドモジュール群では、最もインクの温度が高くなっているヘッドモジュール11を、基準ヘッドモジュールとすることが適切である。そこで、インクジェット印刷装置1では、インクの温度に与える影響の大きい累積印字率を用いることで、基準として適切な基準ヘッドモジュールを容易に選定できる。
なお、上記実施の形態では、前のページのノズル列22U,22Dの印字率と、今回のページにおけるノズル列22U,22Dの印字率との間で、ノズル列22U,22Dの印字率の大小関係が逆になるように、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を制御したが、前のページのノズル列22U,22Dの印字率にかえて、前のページまでのノズル列22U,22Dのそれぞれの累積の印字率を用いてもよい。
すなわち、前のページまでのノズル列22U,22Dのそれぞれの累積の印字率と、今回のページにおけるノズル列22U,22Dの印字率との間で、ノズル列22U,22Dの印字率の大小関係が逆になるように、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を制御してもよい。
この場合の吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係の制御について、図15の例を用いて説明する。
図15(a)は、各ヘッドモジュール11における前のページ(3ページ目)までのノズル列22U,22Dのそれぞれの累積の印字率の例を示している。図15(b)は、ヘッドモジュール11ごとの今回のページ(4ページ目)における上流側ノズル列用の吐出データおよび下流側ノズル列用の吐出データの印字率の例を示している。図15(c)は、前のページまでのノズル列22U,22Dのそれぞれの累積の印字率に対して今回のページのノズル列22U,22Dの印字率の大小関係が逆になるように入れ替えた後の今回のページの印字率を示している。
また、ここで、4ページ目において、ヘッドモジュール11C,11D間のつなぎ目部分12Cに連続非吐出領域がない、すなわちヘッドモジュール11C,11Dが連動ヘッドモジュール群を構成するとする。ここで、3ページ目までのヘッドモジュール11Cの累積印字率が70+68=138(%)である。また、3ページ目までのヘッドモジュール11Dの累積印字率が65+60=125(%)である。そして、それらの差が閾値5(%)以上である。このため、累積印字率が大きいヘッドモジュール11Cが基準ヘッドモジュールとなる。この場合、ヘッドモジュール11Cが入れ替え処理の対象となり、ヘッドモジュール11Dはそれに連動して処理される。
図15(a),(b)では、すべてのヘッドモジュール11A〜11Fにおいて、3ページ目までのノズル列22U,22Dのそれぞれの累積の印字率も4ページ目におけるノズル列22U,22Dの印字率も、ノズル列22Uの方がノズル列22Dより大きい。このため、4ページ目では、図15(c)に示すように、すべてのヘッドモジュール11A〜11Fにおいて、図15(b)に対して、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を入れ替える。
また、制御部4は、すべてのヘッドモジュール11において、上流側ノズル列用の吐出データおよび下流側ノズル列用の吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を所定の印刷単位ごとに入れ替える制御を行ってもよい。印刷単位は、例えば、1ページとすることができる。
所定の印刷単位で吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を入れ替える制御を行えば、ノズル列22U,22D間で印字率を分散させることができる。これにより、インクジェットヘッド2で領域21U,21D間で大きなインクの温度差が生じてインクの温度が適正温度範囲を逸脱することを低減できる。このため、適正温度範囲内のインク温度で印刷可能な時間が縮小することを抑制できる。この結果、インクの温度が適正温度範囲を逸脱することによる印刷画質の低下を抑制できる。
また、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を所定の印刷単位で入れ替えるのみの制御であるため、制御部4に与える負荷が少ない処理により、領域31U,31D間のインクの温度差を抑制できる。
また、すべてのヘッドモジュール11において、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を所定の印刷単位ごとに入れ替えるので、隣接するヘッドモジュール11間で吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係が逆になることによるつなぎ目部分における印刷画質の低下を回避できる。
(第2の実施の形態)
図16は、第2の実施の形態に係るインクジェット印刷装置の概略構成図である。図17は、第2の実施の形態におけるヘッドモジュールの概略構成図である。
図16、図17に示すように、第2の実施の形態に係るインクジェット印刷装置1Aは、図1のインクジェット印刷装置1に対し、ヘッドモジュール11に温度センサ32U,32Dを追加した構成である。
温度センサ32U,32Dは、それぞれインクチャンバ21の領域31U,31Dにおけるインク温度を検出する。温度センサ32U,32Dは、請求項の温度検出部に相当する。
インクジェット印刷装置1Aでは、制御部4は、連動ヘッドモジュール群の各ヘッドモジュール11において温度センサ32U,32Dが検出するインクの温度を用いて、基準ヘッドモジュールを選定する。具体的には、制御部4は、連動ヘッドモジュール群において、温度センサ32U,32Dにより最も高い温度が検出されたヘッドモジュール11を、基準ヘッドモジュールに選定する。
次に、インクジェット印刷装置1Aにおける吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係の制御について、図18のフローチャートを参照して説明する。図18のフローチャートの処理は、各ヘッドモジュール11に対して、印刷されるページごとに行われるものである。
図18のステップS21において、制御部4は、今回のページにおける処理対象のヘッドモジュール11の各ノズル列22U,22Dの印字率を算出する。具体的には、制御部4は、今回のページにおける処理対象のヘッドモジュール11に対応する上流側ノズル列用の吐出データにおける印字率と、下流側ノズル列用の吐出データにおける印字率とを算出する。
次いで、ステップS22において、制御部4は、処理対象のヘッドモジュール11のインクチャンバ21の領域31Uにおけるインク温度Tuを温度センサ32Uから取得する。また、制御部4は、領域31Dにおけるインク温度Tdを温度センサ32Dから取得する。
次いで、ステップS23において、制御部4は、領域31U,31D間のインク温度差|Tu−Td|が閾値以上であるか否かを判断する。
インク温度差|Tu−Td|が閾値以上であると判断した場合(ステップS23:YES)、ステップS24において、制御部4は、Tu>Tdであるか否かを判断する。
Tu>Tdであると判断した場合(ステップS24:YES)、ステップS25において、制御部4は、上流側のノズル列22Uが下流側のノズル列22Dよりも、印字率が小さくなるように、処理対象のヘッドモジュール11における吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を決定する。
ステップS24において、Tu≦Tdであると判断した場合(ステップS24:NO)、ステップS26において、制御部4は、上流側のノズル列22Uが下流側のノズル列22Dよりも、印字率が大きくなるように、処理対象のヘッドモジュール11における吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を決定する。
ステップS23において、インク温度差|Tu−Td|が閾値未満であると判断した場合(ステップS23:NO)、ステップS27において、制御部4は、本来の吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を維持する。
すべてのヘッドモジュール11A〜11Fに対して、上述のように吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を決定すると、制御部4は、決定した対応関係に基づき、印刷を実行する。
以上説明したように、第2の実施の形態では、制御部4は、温度センサ32U,32Dにより検出されたインク温度Tu,Tdと、印字率とを用いて、吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係を制御する。これにより、領域31U,31D間のインクの温度差を高い精度で制御できる。
また、制御部4は、検出されたインクの温度を用いて、基準ヘッドモジュールを選定する。ここで、前述のように連動ヘッドモジュール群では、最もインクの温度が高くなっているヘッドモジュール11を、基準ヘッドモジュールとすることが適切である。第2の実施の形態では、検出されたインクの温度を用いることで、連動ヘッドモジュール群における吐出データとノズル列22U,22Dとの対応関係の制御の基準として適切な基準ヘッドモジュールを容易に選定できる。
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合せてもよい。