JP2015063158A - ハイブリッド車制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハイブリッド車制御装置91のHV−ECU10は、マイコン11及び監視部12を有し、車両の運転状態に基づいて複数の駆動力源の駆動力を統括的に制御する。エンジンECU20、第1MG−ECU30、第2MG−ECU40は、複数の駆動力源にそれぞれ対応し、駆動力源が発生する駆動力を制御する。監視部12は、マイコン11が異常であると判定したとき、専用信号線である起動信号線71の起動信号を遮断することにより、マイコン11の異常が発生したことをエンジンECU20等に通知する。当該通知を受けたエンジンECU20等は、少なくともマイコン異常の可能性があることを認識し、所定の異常時処置を実行する。
【選択図】図3
Description
また、特許文献1には、自己診断機能を有するマスターECU及び複数のスレーブECUを備える車両制御装置において、マスターECUとスレーブECUとを車内LANで接続し、自己診断の結果、異常が発生した情報を、車内LANを介して通信する技術が開示されている。
しかし、マスターECUからスレーブECUへの通知手段に通信線を用いた場合、通信による通知の遅れ等により、スレーブECUが直ちに適切な処置を取ることができず、その結果、駆動力異常の発生を防止することができないおそれがある。
マスターECUは、マイコン、及び、当該マイコンが正常であるか否かを監視する監視部を有し、車両の運転状態に基づいて複数の駆動力源が生成する駆動力を統括的に制御する。
スレーブECUは、複数の駆動力源に対応し、駆動力源が発生する駆動力を制御する。
監視部からの信号は、専用信号線を経由してスレーブECUに通知される。
したがって、従来技術のように、通知手段として通信線を用いる場合に比べ、駆動力異常の発生を好適に防止することができる。
或いは、監視部は、専用信号線による通知に加え、通信線を経由してマイコンが異常であるという情報をさらに通信し、通知を受けたスレーブECUは、専用信号線及び通信線からの情報の組合せによりマイコンの異常を判断することが好ましい。
これにより、状況に応じたより適切な処置をすることができる。
(共通の構成)
各実施形態のハイブリッド車制御装置が共通に適用されるハイブリッド車の駆動システムの一例について、図1を参照して説明する。図1に示すものは、いわゆるシリーズパラレルハイブリッド自動車である。図1にて一点鎖線で囲んだ部分が、本発明のハイブリッド車制御装置に該当する。
第2MG4は、第2インバータ44が変換した三相交流電力を用いて、力行動作によりトルクを出力する。第2MG4による駆動力は、プロペラ軸27、デファレンシャルギア機構29、車軸23を介して車輪24に伝達される。
エンジンECU20は、図示しないクランク角センサから入力されるクランク角信号等に基づいてクランク軸25のクランク角やエンジン回転速度等の情報を取得し、エンジン2の運転を制御する。
第1MG−ECU30及び第2MG−ECU40は、第1MG3及び第2MG4のロータ近傍に設けられた回転角センサからの電気角信号等に基づいて、昇圧コンバータ33及びインバータ34、44のスイッチング動作を制御することで、第1MG3及び第2MG4の通電を制御する。
ハイブリッド車制御装置と駆動力源との関係を一般化した模式図を図2に示す。駆動力を調停するHV−ECU10は、一般化すると「マスターECU」ということができる。また、駆動力源を制御するエンジンECU20、第1MG−ECU30及び第2MG−ECU40は、一般化すると「スレーブECU」ということができる。図2中、括弧書きとして、エンジンECU20、第1MG−ECU30及び第2MG−ECU40をそれぞれ(スレーブECU1)、(スレーブECU2)、(スレーブECU3)と示す。
要するに、ハイブリッド車制御装置は、1つのマスターECUと、複数のスレーブECUとから構成されている。
一方、駆動力を調停するHV−ECU10のマイコンが異常となった場合には、駆動力源を制御するスレーブECU20、30、40にその情報を緊急に通知し、通知を受けたスレーブECU20、30、40が直ちに適切な「異常時の処置」を取らなければ、駆動力異常が発生するおそれがある。
以下、HV−ECU10のマイコンの異常時に、マイコン異常をスレーブECU20、30、40に通知する具体的な構成について実施形態毎に説明する。複数の実施形態において実質的に同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本発明の第1実施形態によるハイブリッド車制御装置について、図3、図4を参照して説明する。第1実施形態のハイブリッド車制御装置91において、マスターECUとして車両の駆動力を調停するHV−ECU10は、マイコン11及び監視部12を有する。
マイコン11は、内部にCPU、ROM、I/O、及び、これらを接続するバスライン等を備えており、予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理や、専用の電子回路によるハードウェア処理により制御を実行する。
監視部12は、マイコン11が正常であるか否かを監視する。この監視には、周期監視(ウォッチドッグ)、演算監視、クロック監視等の周知技術を含む。
S01では、監視部12にてマイコン11が異常であるか判定する。マイコン11が正常であると判定された場合(S01:NO)、処理を終了する。一方、マイコン11が異常であると判定された場合(S01:YES)、S02へ移行する。
S03にて、通知を受けた各スレーブECUは、所定の異常時処置を実行する。例えば、HV−ECU10の指令に依らない自立運転に移行し、各スレーブECUが取得可能な情報に基づき、アイドル走行や緊急停止を行う。
本発明の第2実施形態によるハイブリッド車制御装置について、図5を参照して説明する。第2実施形態のハイブリッド車制御装置92は、専用信号線として、起動信号線71に加え、停止信号が送信される停止信号線72を含む。監視部12は、マイコン11の異常を判定したとき、停止信号線72を経由して停止信号を送信することにより、マイコン11の異常が発生したことをエンジンECU20等のスレーブECUに通知する。
第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、監視部12は、起動信号線71及び停止信号線72の両方を経由してマイコン異常をスレーブECU20、30、40に通知してもよい。この場合、通知を受けたスレーブECU20、30、40は、起動信号線71及び停止信号線72からの情報の組合せによりマイコン11の異常であることを判断することができる。この複数の信号の組合せによる判断については、第3実施形態で詳しく説明する。
次に、本発明の第3実施形態によるハイブリッド車制御装置について、図6〜図8を参照して説明する。第3実施形態のハイブリッド車制御装置93は、専用信号線である起動信号線71の他に、通信規格に準拠した通信線8を有している。通信線8は、HV−ECU10とエンジンECU20等のスレーブECUとの間に接続されている。
監視部12は、マイコン11の異常を判定したとき、起動信号線71の起動信号を遮断すると共に、通信線8を経由してマイコン異常情報をスレーブECUに通信する。なお、起動信号の遮断に代えて、第2実施形態のように、停止信号線72に停止信号を送信してもよい。
S06では、専用信号線及び通信線からの情報より、図8の判断表を参照して異常状態を判断する。図8の表によると、専用信号線からの情報と通信線からの情報とが共に正常のとき「正常」、専用信号線からの情報が正常で通信線からの情報が異常のとき「通信異常」、専用信号線からの情報が異常で通信線からの情報が正常のとき「信号異常」、専用信号線からの情報と通信線からの情報とが共に異常のとき「マイコン異常」と判断される。
このように、第3実施形態では、専用信号線及び通信線の情報を組み合わせて、異常状態を特定することができる。したがって、異常状態の内容に応じて最適な処置を選択することができる。
本発明のハイブリッド車制御装置が適用されるハイブリッド車の駆動システムは、上記実施形態で例示したシリーズパラレルハイブリッド自動車に限らず、シリーズハイブリッド自動車又はパラレルハイブリッド自動車でもよい。
また、ハイブリッド車を構成する複数の駆動力源は、エンジンと2つのモータジェネレータの構成に限らない。例えばエンジンと1つのモータジェネレータでもよい。さらに、エンジンは、ガソリンエンジンに限らず、ディーゼルエンジン、気化燃料エンジン等であってもよい。或いは、エンジンに換えて燃料電池を用いてもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
11・・・マイコン、 12・・・監視部(8)
2 ・・・エンジン(駆動力源)、
3 ・・・第1MG(駆動力源)、
4 ・・・第2MG(駆動力源)、
20・・・エンジンECU(スレーブECU)、
30・・・第1MG−ECU(スレーブECU)、
40・・・第2MG−ECU(スレーブECU)、
71・・・起動用信号線(専用信号線)、 72・・・停止用信号線(専用信号線)
91、92、93・・・ハイブリッド車制御装置。
Claims (5)
- 複数の駆動力源(2、3、4)を備えるハイブリッド車に搭載され、車両の駆動力を制御するハイブリッド車制御装置(91、92、93)であって、
マイコン(11)、及び、当該マイコンが正常であるか否かを監視する監視部(12)を有し、車両の運転状態に基づいて前記複数の駆動力源が生成する駆動力を統括的に制御するマスターECU(10)と、
前記複数の駆動力源に対応し、前記駆動力源が発生する駆動力を制御する複数のスレーブECU(20、30、40)と、
前記監視部からの信号が前記スレーブECUに通知される専用信号線(71、72)と、
を備え、
前記監視部は、前記マスターECUの前記マイコンが異常であると判定したとき、前記専用信号線を経由する信号の送信又は非送信に基づいて、前記マイコンの異常を前記スレーブECUに通知し、
当該通知を受けた前記スレーブECUは、少なくとも前記マイコンの異常の可能性があることを認識し、所定の異常時処置を実行することを特徴とするハイブリッド車制御装置。 - 前記専用信号線は、起動信号が送信される起動信号線(71)を含み、
前記監視部は、前記マスターECUの前記マイコンが異常であると判定したとき、前記起動信号線を経由して送信されている前記起動信号を遮断することにより、前記マイコンの異常を前記スレーブECUに通知することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車制御装置(91)。 - 前記専用信号線は、停止信号が送信される停止信号線(72)を含み、
前記監視部は、前記マスターECUの前記マイコンが異常であると判定したとき、前記停止信号線を経由して前記停止信号を送信することにより、前記マイコンの異常を前記スレーブECUに通知することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車制御装置(92)。 - 前記専用信号線は、起動信号が送信される起動信号線、及び、停止信号が送信される停止信号線を含み、
前記監視部は、前記マスターECUの前記マイコンが異常であると判定したとき、前記起動信号線及び前記停止信号線を経由して前記マイコンの異常を前記スレーブECUに通知し、
前記スレーブECUは、前記起動信号線及び前記停止信号線からの情報の組合せにより前記マイコンの異常を判断することを特徴とする請求項2又は3に記載のハイブリッド車制御装置(92)。 - 前記監視部は、前記マスターECUの前記マイコンが異常であると判定したとき、通信規格に準拠した通信線(8)を経由して前記スレーブECUに前記マイコンが異常であるという情報をさらに通信し、
前記スレーブECUは、前記専用信号線及び前記通信線からの情報の組合せにより前記マイコンの異常を判断することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のハイブリッド車制御装置(93)。
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