JP2000166020A - ハイブリッド車の制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車の制御装置

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JP2000166020A
JP2000166020A JP10331542A JP33154298A JP2000166020A JP 2000166020 A JP2000166020 A JP 2000166020A JP 10331542 A JP10331542 A JP 10331542A JP 33154298 A JP33154298 A JP 33154298A JP 2000166020 A JP2000166020 A JP 2000166020A
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ecu
motor
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hev
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Tomoaki Nitta
智昭 新田
Hisashi Tanaka
寿 田中
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Fuji Heavy Industries Ltd
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K6/00Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units Informative references: mechanical gearings with secondary electric drive F16H3/72; arrangements for handling mechanical energy structurally associated with the dynamo-electric machine H02K7/00; machines comprising structurally interrelated motor and generator parts H02K51/00; dynamo-electric machines not otherwise provided for in H02K see H02K99/00
    • B60K6/20Arrangement or mounting of plural diverse prime-movers for mutual or common propulsion, e.g. hybrid propulsion systems comprising electric motors and internal combustion engines ; Control systems therefor, i.e. systems controlling two or more prime movers, or controlling one of these prime movers and any of the transmission, drive or drive units Informative references: mechanical gearings with secondary electric drive F16H3/72; arrangements for handling mechanical energy structurally associated with the dynamo-electric machine H02K7/00; machines comprising structurally interrelated motor and generator parts H02K51/00; dynamo-electric machines not otherwise provided for in H02K see H02K99/00 the prime-movers consisting of electric motors and internal combustion engines, e.g. HEVs
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイブリッド車の駆動系、或いは制御系に異
常が発生した場合、駆動輪への出力を制限しつつ安全且
つ確実に所定の目的地までの走行を可能とする。 【解決手段】 HEV_ECU20に、多重通信ライン
30,31とは別系統の、各制御系に信号を出力する信
号線20c〜20jを設ける。異常発生時に各制御系を
異常制御へ移行させるための指令及び動力停止のための
指令を信号線20d〜20jを介して各制御系に出力
し、また、HEV_ECU20に異常が発生したときT
/M_ECU24に異常時制御を行わせるべく、信号線
20cを介してHEV_ECU異常時信号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、エンジンと2つのモー
タとを併用するハイブリッド車の制御装置に関し、より
詳しくは駆動系或いは制御系に異常が発生した場合に
も、所定の目的地までの走行を可能とするハイブリッド
車の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等の車両においては、低公
害、省資源の観点からエンジンとモータとを併用するハ
イブリッド車が開発されており、このハイブリッド車で
は、発電用と動力源用との2つのモータを搭載すること
で動力エネルギーの回収効率向上と走行性能の確保とを
図る技術が多く採用されている。
【0003】例えば、特開平9−46821号公報に
は、ディファレンシャルギヤ等の差動分配機構による動
力分配機構を用いてエンジンの動力を発電機とモータ
(駆動用モータ)とに分配し、エンジンの動力の一部で
発電しながらモータを駆動して走行するハイブリッド車
が開示されており、また、特開平9−100853号公
報には、プラネタリギヤによってエンジンの動力を発電
機とモータ(駆動用モータ)とに分配するハイブリッド
車が開示されている。
【0004】しかしながら、上述の各先行技術において
は、低速時の駆動力の大半を駆動用モータに依存するた
め、駆動用に大容量の大型のモータが必要となるばかり
でなく、駆動輪で必要とするトルクに対する増幅機能を
電力に依存するため、バッテリー容量が十分でない場合
にも一定の走行性能を維持することのできる発電容量を
もった発電機が要求されることになり、コスト増の要因
となる。
【0005】また、車両においてはモータ(発電機)の
回転制御範囲を超えるような出力軸回転数の変化がある
ため、エンジン出力を発電機と駆動用モータとに分配す
るだけでは、駆動輪からの要求駆動力に対し、必ずしも
エンジン及びモータの制御を十分に最適化できるとは限
らない。
【0006】このため、本出願人は、先に、特願平10
−4080号において、エンジンの出力軸とシングルピ
ニオン式プラネタリギヤのサンギヤとの間に連結される
第1のモータ、上記プラネタリギヤのリングギヤに連結
される第2のモータ、上記プラネタリギヤのサンギヤと
キャリアとリングギヤの何れか2つを結合自在なロック
アップクラッチ等の連結機構、及び、上記プラネタリギ
ヤのキャリアに連結され、複数段あるいは無段階に切り
換え可能な変速比に応じて上記プラネタリギヤと駆動輪
との間で変速及びトルク増幅を行なう無段変速機等の動
力変換機構を備えたハイブリッド車を提案しており、こ
のハイブリッド車では、比較的低出力の2つのモータを
用いて駆動力の確保と動力エネルギーの回収効率向上を
達成するとともに、駆動輪からの要求駆動力に対してエ
ンジン及びモータ制御の最適化を実現することができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先に本
出願人が提案したハイブリッド車では、駆動輪からの要
求駆動力に対してエンジン及び2つのモータを最適に制
御するため、駆動系或いは制御系に異常が発生した場
合、異常個所によっては、駆動力のバランスがくずれ、
過剰な出力が駆動輪側に伝達される可能性があり、ま
た、正常なモータ或いはエンジンに過大な負担が掛かっ
てしまう。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、ハイブリッド車の駆動系或いは、制御系に異常が発
生した場合にも、駆動輪への出力を制限しつつ安全且つ
確実に所定の目的地までの走行を可能とするハイブリッ
ド車の制御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、第1の発明によるハイブリッド車の制御装置は、エ
ンジンの出力軸とシングルピニオン式プラネタリギヤの
サンギヤとの間に連結される第1のモータ、上記プラネ
タリギヤのリングギヤに連結される第2のモータ、上記
プラネタリギヤのサンギヤとキャリアとリングギヤの何
れか2つを結合自在な連結機構、及び、上記プラネタリ
ギヤのキャリアに連結され、複数段あるいは無限段に切
り換え可能な変速比に応じて上記プラネタリギヤと駆動
輪との間で変速及びトルク増幅を行なう動力変換機構を
備えたハイブリッド車の制御装置であって、上記ハイブ
リッド車の複数の制御系を統括して各制御系に制御指令
を出力すると共に、異常発生時に各制御系を異常時制御
へ移行させるための指令及び動力停止のための指令を出
力する第1の制御手段を備え、上記第1の制御手段は、
各制御系に制御指令を出力するための第1の信号系と、
異常発生時に各制御系に指令を出力するための、上記第
1の信号系とは別系統の第2の信号系と、を備えたこと
を特徴とする。
【0010】すなわち、第1の発明によるハイブリッド
車の制御装置では、上記第1の制御手段は、異常発生時
に各制御系を異常制御へ移行させるための指令及び動力
停止のための指令を上記第1の信号系とは別系統の上記
第2の信号系を介して各制御系に出力する。
【0011】また、第2の発明によるハイブリッド車の
制御装置は、上記第1の発明において、上記第1の制御
手段に異常が発生したとき、上記第1の制御手段とは別
系統の指令系統を介し、上記エンジンを停止させると共
に上記第1のモータを制御する制御系を低速定回転制御
に移行させ、且つ上記第2のモータを制御する制御系を
上記動力変換機構の変速位置とアクセル操作とに応じた
制御に移行させる第2の制御手段を備え、上記第1の制
御手段は、該第1の制御手段に異常が発生したとき、上
記第2の信号系を介して上記第2の制御手段に異常時信
号を出力することを特徴とする。
【0012】すなわち、第2の発明によるハイブリッド
車の制御装置では、上記第1の発明において、上記第1
の制御手段は、該第1の制御手段に異常が発生したと
き、上記第2の制御手段に異常時制御を行わせるべく、
異常時信号を上記第2の信号系を介して出力する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図面は本発明の実施の一形態に係
わり、図1は駆動制御系の構成を示す説明図、図2はH
EV_ECUを中心とする制御信号の流れを示す説明
図、図3はフェールセーフシステムの概念図、図4はH
EV_ECUのフェールセーフ機構を示す説明図、であ
る。
【0014】本発明におけるハイブリッド車は、エンジ
ンとモータとを併用する車両であり、図1に示すよう
に、エンジン1と、エンジン1の起動及び発電・動力ア
シストを担うモータA(第1のモータ)と、エンジン1
の出力軸1aにモータAを介して連結されるプラネタリ
ギヤユニット3と、このプラネタリギヤユニット3の機
能を制御し、発進・後進時の駆動力源になるとともに減
速エネルギーの回収を担うモータB(第2のモータ)
と、変速及びトルク増幅を行なって走行時の動力変換機
能を担う動力変換機構4とを基本構成とする駆動系を備
えている。
【0015】詳細には、プラネタリギヤユニット3は、
サンギヤ3a、このサンギヤ3aに噛合するピニオンを
回転自在に支持するキャリア3b、ピニオンと噛合する
リングギヤ3cを有するシングルピニオン式のプラネタ
リギヤであり、サンギヤ3aとキャリア3bとリングギ
ヤ3cのうち、本形態ではサンギヤ3aとキャリア3b
とが連結機構としてのロックアップクラッチ2によって
結合自在に形成されている。
【0016】また、動力変換機構4としては、歯車列を
組み合わせた変速機や流体トルクコンバータを用いた変
速機等を用いることが可能であるが、入力軸4aに軸支
されるプライマリプーリ4bと出力軸4cに軸支される
セカンダリプーリ4dとの間に駆動ベルト4eを巻装し
てなるベルト式無段変速機(CVT)を採用することが
望ましく、本形態においては、以下、動力変換機構4を
CVT4として説明する。
【0017】すなわち、本形態におけるハイブリッド車
の駆動系では、サンギヤ3aとキャリア3bとの間にロ
ックアップクラッチ2を介装したプラネタリギヤユニッ
ト3がエンジン1の出力軸1aとCVT4の入力軸4a
との間に配置されており、プラネタリギヤユニット3の
サンギヤ3aがエンジン1の出力軸1aに一方のモータ
Aを介して結合されるとともにキャリア3bがCVT4
の入力軸4aに結合され、リングギヤ3cに他方のモー
タBが連結されている。そして、CVT4の出力軸4c
に減速歯車列5を介してデファレンシャル機構6が連設
され、このデファレンシャル機構6に駆動軸7を介して
前輪或いは後輪の駆動輪8が連設されている。
【0018】この場合、前述したようにエンジン1及び
モータAをプラネタリギヤユニット3のサンギヤ3aへ
結合するとともにリングギヤ3cにモータBを結合して
キャリア3bから出力を得るようにし、さらに、キャリ
ア3bからの出力をCVT4によって変速及びトルク増
幅して駆動輪8に伝達するようにしているため、2つの
モータA,Bは発電と駆動力供給との両方に使用するこ
とができ、比較的小出力のモータを使用することができ
る。
【0019】また、走行条件に応じてロックアップクラ
ッチ2によりプラネタリギヤユニット3のサンギヤ3a
とキャリア3bとを結合することで、間に2つのモータ
A,Bが配置された、エンジン1からCVT4に至るエ
ンジン直結の駆動軸を形成することができ、効率よくC
VT4に駆動力を伝達し、或いは駆動輪8側からの制動
力を利用することができる。
【0020】本形態では、エンジン1と2つのモータ
A,Bからなるハイブリッド車の走行パターンは、トラ
ンスミッション入力軸から見た場合、以下に示す3つの
基本パターンに大別することができる。
【0021】(1)シリーズ・パラレル型走行 要求駆動力が小さいとき、ロックアップクラッチ2を解
放し、エンジン1によってモータAを発電機として駆動
し、主として、モータBで走行する。このとき、エンジ
ン1の駆動力の一部がプラネタリギヤユニット3のサン
ギヤ3aに入力され、リングギヤ3cのモータBの駆動
力と合成されてキャリア3bから出力される。
【0022】(2)パラレル型走行 要求駆動力が大きいとき、ロックアップクラッチ2を締
結してプラネタリギヤユニット3のサンギヤ3aとキャ
リア3bとを結合し、エンジン1の駆動力にリングギヤ
3cからモータBの駆動力を加算してキャリア3bから
出力し、エンジン1単独或いはエンジン1とモータBと
の双方のトルクを用いて走行する。
【0023】(3)制動力回生 減速時、ブレーキ制御と協調しながらモータBで制動力
を回生する。すなわち、ブレーキペダルの踏み込み量に
応じたブレーキトルクをモータBに回生トルクとブレー
キ機構による制御トルクとで協調して分担し、回生制動
を行う。
【0024】また、図示しないABS(アンチロックブ
レーキシステム)を装備する車両においては、減速時、
ABSと協調しながらモータBで制動力を回生する。す
なわち、ABS非作動時には、モータBに所定のトルク
指令を与えて回生ブレーキをかけるが、ABS作動時に
は、モータBコントローラ22にトルク0指令を与えて
モータBによる回生ブレーキを解除し、制御性の悪化を
防止する。
【0025】尚、ロックアップクラッチ2の結合・解放
時のプラネタリギヤユニット3を介したエンジン1及び
モータA,Bのトルク伝達や発電による電気の流れにつ
いては、本出願人が先に提出した特願平10−4080
号に詳述されている。
【0026】次に、ハイブリッド車の走行制御を行う制
御系(ハイブリッド制御システム)について説明する。
本形態におけるハイブリッド制御システムは、7つの電
子制御ユニット(ECU)を多重通信系で結合した構成
となっており、各ECUがマイクロコンピュータとマイ
クロコンピュータによって制御される機能回路とから構
成されている。
【0027】各ECUを結合する多重通信系としては、
高速通信に対応可能な通信ネットワークを採用すること
が望ましく、例えば、車両の通信ネットワークとしてI
SOの標準プロトコルの一つであるCAN(Controller
Area Network)等を採用することができる。
【0028】具体的には、システム全体を統括するハイ
ブリッドECU(HEV_ECU)20を中心とし、モ
ータAを駆動制御するモータAコントローラ21、モー
タBを駆動制御するモータBコントローラ22、エンジ
ン1を制御するエンジンECU(E/G_ECU)2
3、ロックアップクラッチ2及びCVT4の制御を行う
トランスミッションECU(T/M_ECU)24、バ
ッテリ10の電力管理を行うバッテリマネージメントユ
ニット(BAT_MU)25が第1の多重通信ライン3
0でHEV_ECU20に結合され、ブレーキ制御を行
うブレーキECU(BRK_ECU)26が第2の多重
通信ライン31でHEV_ECU20に結合されてい
る。
【0029】HEV_ECU20は、ハイブリッド制御
システム全体の制御を行うものであり、ドライバの運転
操作状況を検出するセンサ・スイッチ類、例えば、図示
しないアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル
ペダルセンサ(APS)11、図示しないブレーキペダ
ルの踏み込みによってONするブレーキスイッチ12、
変速機のセレクト機構部13の操作位置がPレンジ又は
NレンジのときにONし、Dレンジ,Rレンジ等の走行
レンジにセットされているときにOFFするインヒビタ
スイッチ14等が接続されている。
【0030】そして、HEV_ECU20では、各セン
サ・スイッチ類からの信号や各ECUから送信されたデ
ータに基づいて必要な車両駆動トルクを演算して駆動系
のトルク配分を決定し、図2に示すように、多重通信に
よって各ECUに制御指令を送信する。
【0031】尚、HEV_ECU20には、車速、エン
ジン回転数、バッテリ充電状態等の車両の運転状態を表
示する各種メータ類や、異常発生時に運転者に警告する
ためのウォーニングランプ等からなる表示器27が接続
されている。この表示器27は、T/M_ECU24に
も接続され、後述するように、HEV_ECU20に異
常が発生したとき、T/M_ECU24によって異常表
示がなされる。
【0032】一方、モータAコントローラ21は、モー
タAを駆動するためのインバータを備えており、基本的
に、HEV_ECU20から多重通信によって送信され
るサーボON/OFF指令や回転数指令によってモータ
Aの定回転数制御を行う。また、モータAコントローラ
21からは、HEV_ECU20に対し、モータAのト
ルク、回転数、及び電流値等をフィードバックして送信
し、更に、トルク制限要求や電圧値等のデータを送信す
る。
【0033】モータBコントローラ22は、モータBを
駆動するためのインバータを備えるものであり、基本的
に、HEV_ECU20から多重通信によって送信され
るサーボON/OFF(正転、逆転を含む)指令やトル
ク指令(力行、ABS作動時のトルク0を含む回生)に
よってモータBの定トルク制御を行う。また、モータB
コントローラ22からは、HEV_ECU20に対し、
モータBのトルク、回転数、及び電流値等をフィードバ
ックして送信し、更に、電圧値等のデータを送信する。
【0034】E/G_ECU23は、基本的にエンジン
1のトルク制御を行うものであり、HEV_ECU20
から多重通信によって送信される正負のトルク指令、燃
料カット指令、エアコンON/OFF許可指令等の制御
指令、及び、実トルクフィードバックデータ、車速、イ
ンヒビタスイッチ14による変速セレクト位置(P,
N,D,Rレンジ位置)、APS11の信号によるアク
セル全開データやアクセル全閉データ、ブレーキスイッ
チ12のON,OFF状態、ABSを含むブレーキ作動
状態等に基づいて、図示しないインジェクタからの燃料
噴射量、ETC(電動スロットル弁)によるスロットル
開度、A/C(エアコン)等の補機類のパワー補正学
習、燃料カット等を制御する。
【0035】また、E/G_ECU23では、HEV_
ECU20に対し、エンジン1の制御トルク値、燃料カ
ットの実施、燃料噴射量に対する全開増量補正の実施、
エアコンのON,OFF状態、図示しないアイドルスイ
ッチによるスロットル弁全閉データ等をHEV_ECU
20にフィードバックして送信すると共に、エンジン1
の暖機要求等を送信する。
【0036】T/M_ECU24は、HEV_ECU2
0から多重通信によって送信されるCVT4の目標プラ
イマリ回転数、CVT入力トルク指示、ロックアップ要
求等の制御指令、及び、E/G回転数、アクセル開度、
インヒビタスイッチ14による変速セレクト位置、ブレ
ーキスイッチ12のON,OFF状態、エアコン切替許
可、ABSを含むブレーキ作動状態、アイドルスイッチ
によるエンジン1のスロットル弁全閉データ等の情報に
基づいて、ロックアップクラッチ2の締結・解放を制御
すると共にCVT4の変速比を制御する。
【0037】また、T/M_ECU24からは、HEV
_ECU20に対し、車速、入力制限トルク、CVT4
のプライマリプーリ回転数、及びセカンダリプーリ回転
数、ロックアップ完了、インヒビタスイッチ14に対応
する変速状態等のデータをフィードバックして送信する
と共に、CVT4の油量をアップさせるためのE/G回
転数アップ要求、低温始動要求等を送信する。
【0038】BAT_MU25は、いわゆる電力管理ユ
ニットであり、バッテリ10を管理する上での各種制
御、すなわち、バッテリ10の充放電制御、ファン制
御、外部充電制御等を行い、バッテリ10の残存容量、
電圧、電流制限値等のデータや外部充電中を示すデータ
を多重通信によってHEV_ECU20に送信する。ま
た、外部充電を行う場合には、コンタクタ9を切り換え
てバッテリ10とモータAコントローラ21及びモータ
Bコントローラ22とを切り離す。
【0039】BRK_ECU26は、HEV_ECU2
0から多重通信によって送信される回生可能量、回生ト
ルクフィードバック等の情報に基づいて、必要な制動力
を演算し、ブレーキ系統の油圧を制御するものであり、
HEV_ECU20に対し、回生量指令(トルク指
令)、車速、油圧、ABSを含むブレーキ作動状態等を
フィードバックして送信する。
【0040】以上のハイブリッド制御システムにおいて
は、駆動系或いは制御系異常発生に対処するため、多重
通信系を介した異常監視及び異常発生時の処理に加え、
多重通信系とは別系統の異常監視系及び異常発生時の処
理のための信号系を備えており、本発明に係わる第1の
制御手段の機能をHEV_ECU20によって実現する
とともに、HEV_ECU20の異常発生時には、第2
の制御手段の機能をT/M_ECU24によって実現す
る。
【0041】そして、HEV_ECU20を中心として
構成されるフェールセーフシステムにより、異常発生
時、走行不可のときには車両を安全に停止させ、また、
走行可能なときには、多重通信系及び多重通信系とは別
系統の信号系を併用して駆動系の出力制限を行って必要
最低限の走行性を確保する。
【0042】多重通信系を介した異常監視は、主とし
て、各ECUの自己診断機能による診断結果をシステム
を統括するHEV_ECU20で集中的に管理すること
で行われる。各ECUの自己診断機能としては、ウォッ
チドッグタイマによるECU自体の診断に加え、センサ
の出力値そのものの監視による断線や短絡発生の診断、
制御データとセンサ出力値との整合性のチェック、アク
チュエータへの印加電圧や出力電流値によるアクチュエ
ータ系の断線や短絡発生の診断等がある。
【0043】例えば、モータAコントローラ21,モー
タBコントローラ22の自己診断では、各々に備えたウ
ォッチドッグタイマによるモータA制御システム、モー
タB制御システム自体の異常検出に加え、モータA,B
の駆動電流の検出値等からモータA,Bやセンサ系の異
常を検出することが可能である。
【0044】また、E/G_ECU23の自己診断で
は、自己のウォッチドッグタイマによるエンジン制御シ
ステム自体の異常検出に加え、例えば、電動スロットル
弁の制御値とセンサによって検出した実スロットル開度
との整合性、HEV_ECU20から受け取ったAPS
11のアクセル開度データに基づくエンジン制御値と実
スロットル開度や実エンジン回転数との整合性等によ
り、センサ系やアクチュエータ系の異常を検出すること
が可能である。
【0045】また、T/M_ECU24の自己診断で
は、自己のウォッチドッグタイマによる変速制御システ
ム自体の異常検出に加え、例えば、プライマリプーリ4
bの回転数を検出するセンサの出力値とセカンダリプー
リ4dの回転数を検出するセンサの出力値とに基づき算
出される実変速比と、CVT4の変速比制御値との整合
性等から、変速比制御弁等の異常や回転数を検出するセ
ンサの異常等を検出することが可能である。
【0046】また、BAT_MU25の自己診断では、
自己のウォッチドッグタイマによるバッテリ管理システ
ム自体の異常検出に加え、例えば、バッテリ10の電圧
を検出するセンサの出力値やバッテリ10からの出力電
流を検出するセンサからの出力値等に基づいて、バッテ
リ10の異常やコンタクタ9の異常を検出することが可
能である。
【0047】さらに、BRK_ECU26の自己診断で
は、自己のウォッチドッグタイマによるブレーキ制御シ
ステム自体の異常検出に加え、例えば、ブレーキ系統の
油圧を検出するセンサの出力値や車輪速を検出するセン
サの出力値等に基づいて、油圧制御弁や、その他のブレ
ーキアクチュエータの異常を検出することが可能であ
る。
【0048】HEV_ECU20では、各ECUでの自
己診断によって異常が検出され、多重通信によって異常
通達を受けたとき、或いは、所定のECUからの定期的
な通信が実行されないとき、或いは、多重通信によって
各ECUに送信した制御指令と各ECUからフィードバ
ックされた制御データとが整合しないとき等には、その
ECUが異常であるとして他のECUに異常発生を通達
し、後述する停止制御や異常時制御によって各ECUの
動作を規制すると共に、信号線20bを介して表示器2
7に異常発生を表示して運転者に故障発生を知らせる。
【0049】例えば、多重通信系としてCANを採用す
る場合、各ECUが制御指令やフィードバックを行うた
め一定時間毎に送信されるデータフレームとは別に、各
ECUが制御異常を知らせるためのデータフレームを用
い、メッセージの優先順位に対応し、且つメッセージの
内容を識別するためのアイデンティファイアに続き、エ
ラー発生を示すエラーフラグとエラー内容を示すエラー
番号とを有するデータフィールドを送信することで、多
重通信系を介した異常通達を行う。
【0050】この異常発生を知らせるためのデータフレ
ームは、各ECUからの異常発生時の送信、すなわちラ
ンダム周期での送信の他、システム始動時及び定期的な
システム診断時にHEV_ECU20から各ECUの自
己診断結果を要求するリモートフレームに応答して、各
ECUから送信される。
【0051】一方、多重通信系とは別系統の信号系を併
用した異常監視は、主として、制御量を決定するための
パラメータを検出するセンサ類やアクチュエータへの制
御出力を検出するセンサ類を対象として行う。
【0052】本形態においては、図3に示すように、エ
ンジン1の電動スロットル弁の開度を検出するETCス
ロットルセンサ15の信号をE/G_ECU23及びH
EV_ECU20の双方に入力し、E/G_ECU23
とHEV_ECU20との双方で制御データとETCス
ロットルセンサ15の出力値との整合性をチェックして
異常を監視する。
【0053】例えば、E/G_ECU23では、自己診
断によりAPS11の出力値とETCスロットルセンサ
15の出力値との整合性をチェックし、アクセルペダル
を踏み込んだにも拘わらずスロットル弁が逆向きに作動
した等の異常を検出する。また、HEV_ECU20で
は、E/G_ECU23から多重通信系を介して受信し
たアイドルスイッチによるスロットル弁全閉データに対
し、ETCスロットルセンサ15の出力値が整合してい
るか否かをチェックし、アイドルスイッチ或いはAPS
11の異常、さらには、電動スロットル弁の作動異常等
を検出する。
【0054】また、コンタクタ9からモータAコントロ
ーラ21への電力ライン32に設けたモータAコントロ
ーラ21の電流センサ16の信号をモータAコントロー
ラ21及びHEV_ECU20の双方に入力し、モータ
Aコントローラ21では電流センサ16の出力値に基づ
いて自己診断を行い、HEV_ECU20では、モータ
Aコントローラ21から多重通信を介してフィードバッ
クされるモータAの電流値と電流センサ16の出力値と
の整合性をチェックして異常を監視する。
【0055】同様に、コンタクタ9からモータBコント
ローラ22への電力ライン32に設けたモータBコント
ローラ22の電流センサ17の信号をモータBコントロ
ーラ22及びHEV_ECU20の双方に入力し、モー
タBコントローラ22では電流センサ17の出力値に基
づいて自己診断を行い、HEV_ECU20では、モー
タBコントローラ22から多重通信を介してフィードバ
ックされるモータBの電流値と電流センサ17の出力値
との整合性をチェックして異常を監視する。
【0056】さらに、システムを統括するHEV_EC
U20に異常が発生した場合に対処するため、T/M_
ECU24によってHEV_ECU20の異常を監視す
ると共に、HEV_ECU20による異常監視結果をT
/M_ECU24において記憶・保持するようにしてお
り、HEV_ECU20における自己診断によって異常
が検出された場合、多重通信によってHEV_ECU2
0からT/M_ECU24へ異常通達を行うとともに、
図4に示すように、多重通信系とは別系統の信号線20
cを介してHEV_ECU20からT/M_ECU24
へ異常時信号を出力するようにしている。
【0057】T/M_ECU24は、HEV_ECU2
0に異常が発生し、多重通信により異常通達を受信した
とき、或いは、HEV_ECU20から多重通信系とは
別系統の信号線20cで異常時信号を受けたときには、
HEV_ECU20に代って後述する停止制御或いは異
常時制御を行い、表示器27に異常発生を表示して運転
者に警告を行う。
【0058】次に、多重通信系とは別系統の信号線によ
る異常発生時の出力制限のための保護機能について説明
する。この保護機能は、基本的にHEV_ECU20と
T/M_ECU24とによる2系統の信号系を用いて実
現するようにしており、本形態では、モータAコントロ
ーラ21、モータBコントローラ22、E/G_ECU
23を制御するための信号系、モータA,Bを駆動する
ための電源やインジェクタを駆動するための電源をON
/OFFするための信号系、コンタクタ9の開閉を行う
ための信号系を備えている。
【0059】モータAコントローラ21、モータBコン
トローラ22、E/G_ECU23を制御するための信
号としては、HEV_ECU20から出力される異常時
制御信号と、T/M_ECU24から出力される異常時
制御信号とがあり、図3に示すように、モータAコント
ローラ21には、HEV_ECU20から出力される異
常時制御信号を反転した信号とT/M_ECU24から
出力される異常時制御信号を反転した信号との論理和を
出力するロジック回路21aによって異常時制御信号が
与えられる。
【0060】また、モータBコントローラ22には、H
EV_ECU20から出力される異常時制御信号を反転
した信号とT/M_ECU24から出力される異常時制
御信号を反転した信号との論理和を出力するロジック回
路22aによって異常時制御信号が与えられ、E/G_
ECU23には、HEV_ECU20から出力される異
常時制御信号がロジック回路23aで反転されて入力さ
れる。
【0061】本形態においては、HEV_ECU20か
ら出力される異常時制御信号、T/M_ECU24から
出力される異常時制御信号は、異常無しの状態では共に
ハイレベル、異常発生時に共にローレベルである。
【0062】従って、モータAコントローラ21では、
HEV_ECU20から出力される異常時制御信号とT
/M_ECU24から出力される異常時制御信号との少
なくとも一方がローレベル(異常発生時)になると、ロ
ジック回路21aを介してモータAコントローラ21で
は異常時制御信号がハイレベルとなり、多重通信による
制御データの如何に拘わらず、所定の回転数(例えば、
300rpm程度)の定回転数制御に移行する。
【0063】また、モータBコントローラ22では、H
EV_ECU20から出力される異常時制御信号とT/
M_ECU24から出力される異常時制御信号との少な
くとも一方がローレベル(異常発生時)になると、ロジ
ック回路22aを介してモータBコントローラ22では
異常時制御信号がハイレベルとなり、多重通信による制
御データの如何に拘わらず、所定のトルク(例えば、3
00rpm程度)の定トルク制御に移行する。
【0064】この場合、モータBコントローラ22に
は、インヒビタスイッチ14からの信号とアクセルペダ
ルの踏み込み・開放によってON,OFFするアクセル
スイッチ18からの信号とが直接入力されるようになっ
ており、モータBコントローラ22自身に直接入力され
るインヒビタスイッチ14による変速操作位置や、アク
セルスイッチ18による運転者の発進操作情報に応じて
モータBを定トルク運転することにより、異常発生時の
リンプホームのための走行を可能とする。
【0065】また、E/G_ECU23では、HEV_
ECU20から出力される異常時制御信号がローレベル
(異常発生時)となり、ロジック回路23aを介してE
/G_ECU23へハイレベルの異常時制御信号が入力
されると、多重通信によるE/G制御データの如何に拘
わらず、所定の回転数を目標値とする定回転数制御に移
行する。
【0066】次に、モータA,Bを駆動するための電
源、インジェクタを駆動するための電源をON/OFF
するための信号としては、モータAコントローラ21へ
の制御電源21bに対する電源ON信号、モータBコン
トローラ22への制御電源22bに対する電源ON信
号、E/G_ECU23へのインジェクタ電源23bに
対するインジェクタ電源停止信号があり、各信号がHE
V_ECU20とT/M_ECU24とからそれぞれ出
力される。
【0067】制御電源21bは、モータAコントローラ
21内の制御部とは独立してモータAコントローラ21
内に内蔵したロジック回路21cによって制御され、こ
のロジック回路21cでは、HEV_ECU20から入
力される電源ON信号とT/M_ECU24から入力さ
れる電源ON信号との論理和を取り、さらにイグニッシ
ョンスイッチからの信号IGとの論理積を出力する。
【0068】同様に、制御電源22bは、モータBコン
トローラ22内の制御部とは独立してモータBコントロ
ーラ22内に内蔵したロジック回路22cによって制御
され、このロジック回路22cは、HEV_ECU20
から入力される電源ON信号とT/M_ECU24から
入力される電源ON信号との論理和を取り、さらにイグ
ニッションスイッチからの信号IGとの論理積を出力す
る。
【0069】また、インジェクタ電源23bは、E/G
_ECU23内に内蔵されており、イグニッションスイ
ッチからの信号IGと、HEV_ECU20から出力さ
れるインジェクタ電源停止信号を反転した信号と、T/
M_ECU24から出力されるインジェクタ電源停止信
号を反転した信号との論理積を出力するロジック回路2
3c(同じくE/G_ECU23内に内蔵された)によ
って制御され、E/G_ECU23内の制御部とは独立
して作動する。
【0070】尚、ロジック回路21a,21c及び制御
電源21b、ロジック回路22a,22c及び制御電源
22b、ロジック回路23a,23c及びインジェクタ
電源23bは、それぞれ、モータAコントローラ21、
モータBコントローラ22、E/G_ECU23に内蔵
せずとも良い。
【0071】本形態では、HEV_ECU20から出力
される制御電源21bに対する電源ON信号及び制御電
源22bに対する電源ON信号は、異常無しの状態では
ハイレベル、異常発生時にローレベルとなる。また、T
/M_ECU24から出力される制御電源21bに対す
る電源ON信号及び制御電源22bに対する電源ON信
号は、HEV_ECU20が正常の状態ではローレベル
のままであり、HEV_ECU20に異常が発生し、モ
ータA、モータBを運転させる場合に、ハイレベルとな
る。
【0072】すなわち、制御電源21b,制御電源22
bは、HEV_ECU20に異常が発生していない通常
の場合、イグニッションスイッチからの信号IGがハイ
レベル(イグニッションスイッチON)、且つ、HEV
_ECU20からの電源ON信号がハイレベル(異常無
し)のとき、ロジック回路21c,22cの出力がハイ
レベルとなって制御電源21b,22bがONされ、モ
ータA,Bの運転が可能となる。
【0073】また、イグニッションスイッチからの信号
IGがハイレベルの状態で、HEV_ECU20に異常
が発生してHEV_ECU20からの電源ON信号がロ
ーレベル(異常有り)になった場合には、T/M_EC
U24からの電源ON信号によってモータA,Bの運転
・停止を制御可能となる。
【0074】すなわち、ロジック回路21c,22cへ
のイグニッションスイッチからの信号IGがハイレベル
且つHEV_ECU20からの電源ON信号がローレベ
ルの状態では、T/M_ECU24からの電源ON信号
がローレベルのとき、ロジック回路21c,22cの出
力がローレベルとなって制御電源21b,22bがOF
FされてモータA,Bが停止し、T/M_ECU24か
らの電源ON信号がハイレベルのときには、ロジック回
路21c,22cの出力がハイレベルとなって制御電源
21b,22bがONされ、モータA,Bの運転が可能
となる。
【0075】尚、イグニッションスイッチからの信号I
Gがローレベル(イグニッションスイッチOFF)にな
ったときには、当然ながら制御電源21b,22bは電
源OFFとなる。
【0076】一方、HEV_ECU20から出力される
インジェクタ電源停止信号、T/M_ECU24から出
力されるインジェクタ電源停止信号は、本形態では、異
常無しの状態でローレベル、異常発生時にハイレベルと
なる。
【0077】従って、イグニッションスイッチからの信
号IGがハイレベル(イグニッションスイッチON)、
且つ、HEV_ECU20からのインジェクタ電源停止
信号とT/M_ECU24からのインジェクタ電源停止
信号との双方がローレベル(異常無し)のとき、ロジッ
ク回路23cの出力がハイレベルとなってインジェクタ
電源23bがONされる。
【0078】また、イグニッションスイッチからの信号
IGがローレベル(イグニッションスイッチOFF)、
或いは、HEV_ECU20からのインジェクタ電源停
止信号とT/M_ECU24からのインジェクタ電源停
止信号との少なくとも一方がハイレベル(異常有り)に
なると、ロジック回路23cの出力がローレベルとなっ
てインジェクタ電源23bがOFFされ、インジェクタ
が非作動となって燃料噴射が停止し、エンジン1が停止
する。
【0079】次に、コンタクタ9の開閉を行うための信
号としては、HEV_ECU20から出力されるコンタ
クタ制御信号と、T/M_ECU24から出力されるコ
ンタクタ制御信号とがあり、双方のコンタクタ制御信号
とイグニッションスイッチからの信号IGとが入力され
るHEV_ECU20に内蔵したロジック回路20aの
出力により、コンタクタ9がBAT_MU25内の制御
部とは独立して開閉制御される。
【0080】ロジック回路20aは、HEV_ECU2
0から出力されるコンタクタ制御信号と、T/M_EC
U24から出力されるコンタクタ制御信号を反転した信
号との論理和を取り、さらにイグニッションスイッチか
らの信号IGとの論理積を出力するものである。尚、ロ
ジック回路20aは、HEV_ECU20に内蔵せずと
も良い。
【0081】本形態では、HEV_ECU20から出力
されるコンタクタ制御信号は、コンタクタ9をONさせ
る場合にハイレベル、コンタクタ9をOFFさせる場合
にローレベルとなり、また、T/M_ECU24から出
力されるコンタクタ制御信号は、コンタクタ9をONさ
せる場合にローレベル、コンタクタ9をOFFさせる場
合にハイレベルとなる。
【0082】通常、T/M_ECU24から出力される
コンタクタ制御信号は、HEV_ECU20が正常の状
態ではハイレベル(コンタクタOFF)であり、この状
態でイグニッションスイッチからの信号IGがハイレベ
ル(イグニッションON)且つHEV_ECU20から
のコンタクタ制御信号がハイレベルのとき、ロジック回
路20aの出力がハイレベルとなり、コンタクタ9がO
Nする。
【0083】また、イグニッションスイッチからの信号
IGがハイレベルの状態で、HEV_ECU20に異常
が発生した場合には、HEV_ECU20からのコンタ
クタ制御信号がローレベルとなり、T/M_ECU24
からの制御信号によってコンタクタ9の開閉制御が可能
となる。すなわち、イグニッションスイッチからの信号
IGがハイレベルでHEV_ECU20からのコンタク
タ制御信号がローレベルのとき、T/M_ECU24か
らのコンタクタ制御信号がハイレベルでコンタクタ9が
OFFし、T/M_ECU24からのコンタクタ制御信
号がローレベルでコンタクタ9がONする。
【0084】ここで、図4に示すように、HEV_EC
U20は多重通信ライン30,31とは別系統の信号線
20c〜20jを備え、モータAコントローラ21、モ
ータBコントローラ22、E/G_ECU23を制御す
るための信号を信号線20h,20i,20gを介し
て、モータA,Bを駆動するための電源やインジェクタ
を駆動するための電源をON/OFFするための信号を
信号線20e,20f,20dを介して、コンタクタ9
の開閉を行うための信号を信号線20jをを介して、各
ロジック回路に出力するようになっている。またHEV
_ECU20は、自身のフェールセーフ処理によってH
EV_ECU系に異常が検出された場合に信号線20c
を介してT/M_ECU24に異常信号を出力するよう
になっている。従って、HEV_ECU20は、駆動
系、或いは制御系の異常を検出した場合には、多重通信
ライン30,31とは異なる信号線(c〜j)を介して
各ECUに信号を出力し、各ECUの出力制限を確実に
行うことができる。
【0085】以下、多重通信系及び多重通信系とは別系
統の信号系を用いたHEV_ECU20及びT/M_E
CU24によるフェールセーフ処理について説明する。
尚、以下に説明する処理は、HEV_ECU20及びそ
の周辺システム系(HEV_ECU系)、モータAコン
トローラ21及びその周辺システム系(モータAコント
ローラ系)、モータBコントローラ22及びその周辺シ
ステム系(モータBコントローラ系)、E/G_ECU
23及びその周辺システム系(エンジン制御系)、T/
M_ECU24及びその周辺システム系(変速機制御
系)、BAT_MU25及びその周辺システム系(バッ
テリマネージメント系)の異常の有無に応じた処理であ
り、BRK_ECU26及びその周辺系に異常が発生し
た場合には、運転者に警告を発すると共に回生制動を禁
止する。
【0086】先ず、HEV_ECU20においてHEV
_ECU20自身の自己診断機能によりHEV_ECU
系に異常が発生していないか調べ、HEV_ECU系に
異常が検出された場合には、T/M_ECU24へ多重
通信によってHEV_ECU系の異常発生を通達すると
ともに、多重通信系とは別系統のT/M_ECU24へ
の異常時信号をローレベルにし、HEV_ECU系の異
常を通達する。尚、この場合には、T/M_ECU24
がHEV_ECU20に代って異常時の処理を行うこと
になるが、これについては後述する。
【0087】一方、HEV_ECU20の自己診断によ
ってHEV_ECU系に異常が検出されていない場合に
は、モータAコントローラ系、モータBコントローラ
系、バッテリマネージメント系、エンジン制御系、変速
機制御系の異常の有無に応じ、走行不可の場合には、以
下に説明する停止制御(1)を実行して車両を安全に停
止させ、走行可能な場合には、以下に説明する異常時制
御(1),(2),(3),(5),(6),(7),
(8)を選択的に実行してリンプホーム機能を実現す
る。
【0088】ここで、車両が走行可能か否かは、プラネ
タリギヤユニット3を中心とする駆動系の構成を考慮
し、故障部位に応じて判断することができる。すなわ
ち、ロックアップクラッチ2、CVT4は、機構的に、
変速機制御系に異常が発生した場合、それぞれ、クラッ
チ解放、変速比一定に固定されるため、エンジン1とモ
ータAとの少なくとも一方で反力を受けることが可能で
あれば、モータBの駆動力を有効な走行駆動力として駆
動輪に伝達することができる。また、モータBが使用不
可であっても、エンジン1とモータAとの少なくとも一
方が使用可能で且つ、変速機制御系が正常でロックアッ
プクラッチ2を直結にすることが可能であれば、エンジ
ン1及びモータAの双方或いは一方の駆動力を有効に駆
動輪に伝達することができる。
【0089】従って、エンジン制御系、モータAコント
ローラ系、モータBコントローラ系、変速機制御系に対
し、それぞれの異常・正常状態を表す事象を、E/G、
MA、MB、T/Mとし、各事象の値が1のとき正常、
0のとき異常とすると、以下の合成事象の値を評価する
ことで走行可能か否かを判別することができる。合成事
象の値が1のときには走行可、値が0のときには走行不
可である。
【0090】 (E/G ∪ MA)×(MB ∪ T/M) バッテリマネージメント系の異常は、モータA及びモー
タBへの正常な電力供給ができないことからモータAコ
ントローラ系とモータBコントローラ系との双方が異常
であることと等価であり、エンジン制御系、モータAコ
ントローラ系、モータBコントローラ系、変速機制御
系、及び、バッテリマネージメント系の5つの系におけ
る異常発生の組み合わせを整理すると、以下の(a)〜
(d)のNG条件が成立するときには走行不可、それ以
外のときには、走行可となる。
【0091】(a)少なくともエンジン制御系及びモー
タAコントローラ系が異常 (b)少なくともエンジン制御系及びバッテリマネージ
メント系が異常 (c)少なくともモータBコントローラ系及び変速機制
御系が異常 (d)少なくともバッテリマネージメント系及び変速機
制御系が異常 従って、異常発生の場合、上述の(a)〜(d)のNG
条件の何れかに該当するときには走行不可として停止制
御を行い、該当しないとき、リンプホームのための異常
時制御を行うことになる。
【0092】次に、停止制御(1)と異常時制御
(1),(2),(3),(5),(6),(7),
(8)について説明する。
【0093】停止制御(1)では、HEV_ECU20
からの多重通信により他のECUに異常を通達して異常
発生を知らせ、インジェクタ電源23bを制御するロジ
ック回路23cに対するインジェクタ電源停止信号をハ
イレベルの信号とし、多重通信系とは別系統の信号系で
インジェクタ電源停止を指令する。これにより、ロジッ
ク回路23cの出力がローレベルとなってインジェクタ
電源23bがOFFされ、インジェクタからの燃料噴射
が停止されてエンジン1が停止する。
【0094】また、HEV_ECU20は、モータAコ
ントローラ21の制御電源21bを制御するロジック回
路21cに対する電源ON信号をローレベルの信号とし
て電源OFFを指令し、更にモータBコントローラ22
の制御電源22bを制御するロジック回路22cに対す
る電源ON信号をローレベルの信号として電源OFFを
指令する。これにより、ロジック回路21c,22cの
出力がローレベルとなり、制御電源21b,22bがO
FFとなってモータA,Bが停止される。
【0095】さらに、HEV_ECU20は、コンタク
タ9を開閉制御するロジック回路20aに対するコンタ
クタ制御信号をローレベルにし、ロジック回路20aの
出力をローレベルにしてコンタクタ9をOFFにしてバ
ッテリ10とモータAコントローラ21及びモータBコ
ントローラ22とを切り離す。
【0096】また、HEV_ECU20は、モータAコ
ントローラ21のロジック回路21aに対する異常時制
御信号を正常時のハイレベルの信号とし、同様に、モー
タBコントローラ22のロジック回路22aに対する異
常時制御信号を正常時のハイレベルの信号とする。
【0097】そして、HEV_ECU20は、表示器2
7に異常発生を表示して運転者に異常を通達し、多重通
信によりT/M_ECU24へロックアップクラッチ2
をOFF(解放)にする制御指令とCVT4の変速比を
所定の変速比(中立値)とする変速比指令とを与える。
【0098】すなわち、走行不能の異常が発生した場
合、単に車両を停止させるのではなく、システムが突然
正常に復帰した場合をも想定し、車両を停止させるため
の処理を行うと同時に、正常復帰時に直ちに各制御系が
正常の制御状態となるようにしているため、正常復帰時
に急激な発進等の不慮の事態が発生することを未然に回
避することができる。
【0099】次に、異常時制御(1)は、エンジン制御
系のみに異常が発生した場合に実行される処理であり、
異常発生時に、プラネタリギヤユニット3における反力
をモータAに分担させてモータBの駆動力による走行を
確保することで、リンプホーム機能を実現する。
【0100】異常時制御(1)では、HEV_ECU2
0からの多重通信により他のECUに異常を通達してエ
ンジン制御系に異常が発生したことを知らせ、インジェ
クタ電源23bを制御するロジック回路23cに対する
インジェクタ電源停止信号を停止指令を示すハイレベル
の信号としてエンジン1を停止させ、正常に復帰した場
合の不具合を未然に防止するとともに、表示器27に異
常発生を表示して運転者に異常を通達する。
【0101】また、HEV_ECU20は、多重通信に
よりT/M_ECU24へロックアップクラッチ2をO
FF(解放)にする制御指令を与え、モータAコントロ
ーラ21のロジック回路21aに対する異常時制御信号
をローレベルにし、ロジック回路21aからモータAコ
ントローラ21にハイレベルの異常時信号を与えてモー
タAコントローラ21を低速定回転(例えば、300r
pm程度)の異常時制御に移行させる。
【0102】さらに、HEV_ECU20は、インヒビ
タスイッチ14、APS11の出力に基づき、多重通信
によりモータBコントローラ22にトルク指令を与え
る。
【0103】これにより、プラネタリギヤユニット3の
リングギヤ3cに結合されたモータBの駆動力をキャリ
ア3bから出力する際、サンギヤ3aのモータAで受け
ることのできる反力によってキャリア3bからの出力が
制限されるため、異常発生時に過度な出力を抑えて電気
エネルギーの消耗を抑え、確実に所定の目的地(例えば
修理工場等)へ車両を安全に移動させることができる。
【0104】次に、異常時制御(2)は、エンジン制御
系とモータBコントローラ系とが異常である場合に実行
される処理であり、異常発生時にモータAのみによる走
行を確保してリンプホーム機能を実現する。
【0105】異常時制御(2)では、HEV_ECU2
0からの多重通信により他のECUに異常を通達してエ
ンジン制御系及びモータBコントローラ系に異常が発生
したことを知らせ、インジェクタ電源23bを制御する
ロジック回路23cに対するインジェクタ電源停止信号
を停止指令を示すハイレベルの信号としてエンジン1を
停止させる。
【0106】また、HEV_ECU20は、モータBコ
ントローラ22の制御電源22bを制御するロジック回
路22cに対する電源ON信号をローレベルの信号とし
て制御電源22bをOFFさせ、モータBを停止させ、
正常に復帰した場合の不具合を未然に回避するため、モ
ータBコントローラ22のロジック回路22aに対する
異常時制御信号を正常時のハイレベルの信号とし、表示
器27に異常発生を表示して運転者に異常を通達する。
【0107】そして、異常時制御(2)によるエンジン
制御系及びモータBコントローラ系に対する処理の後、
HEV_ECU20がAPS11の出力に基づき、多重
通信によりモータAコントローラ21に回転数指令を与
えてモータAを定回転で運転させるモータA制御を行っ
て、以下のT/M制御指令によってモータAの駆動力の
駆動輪への伝達を制御する。
【0108】このT/M制御指令は、HEV_ECU2
0がAPS11の出力に基づいてアクセルペダルONか
否か、すなわち運転者が図示しないアクセルペダルを踏
み込んで車両を走行させようとしているか否かを調べ、
アクセルペダルONでないとき、すなわち、車両停止の
ときには、HEV_ECU20からの多重通信によりT
/M_ECU24へロックアップクラッチ2をOFF
(解放)にする制御指令を与える。一方、アクセルペダ
ルがONのときには、ブレーキスイッチ12がONか否
かを調べ、ブレーキスイッチ12がONのときには、H
EV_ECU20からの多重通信によりT/M_ECU
24へロックアップクラッチ2をOFF(解放)にする
制御指令を与え、ブレーキスイッチ12がOFFのとき
は、多重通信によりT/M_ECU24へロックアップ
クラッチ2をON(締結)にする制御指令を与える。
【0109】すなわち、モータAのみの駆動力を用いて
走行する場合には、プラネタリギヤユニット3での反力
分担が無いため、ロックアップクラッチ2を締結してプ
ラネタリギヤユニット3のサンギヤ3aとキャリア3b
とを直結にしてモータAの駆動力を直接CVT4に入力
する。また、ブレーキングによる車両減速時、或いは車
両停止時には、ロックアップクラッチ2を解放してサン
ギヤ3aとキャリア3bとの結合を解除してモータAの
回転を継続し車両を減速或いは停止する。ここで、ロッ
クアップクラッチ2やCVT4の各プーリ4b、4dを
作動するための油圧を供給するための図示しないオイル
ポンプが設けられており、このオイルポンプは、モータ
A及びエンジン1により駆動される(但し、このときに
は、エンジン1は燃料供給が停止されており、モータA
による空転状態にある)。従って、モータAの回転を止
めることなく、車両を減速或いは停止することで、オイ
ルポンプの作動を継続し、車両の再加速時、或いは発進
時にロックアップクラッチ2を直ちに締結可能とする。
この異常時制御(2)においても、過度な出力を抑えて
電気エネルギーの消耗を防止し、確実に修理工場等へ車
両を移動させることができる。
【0110】異常時制御(3)は、エンジン制御系と変
速機制御系とが異常である場合、或いは、変速機制御系
のみが異常の場合に実行される処理であり、異常発生時
に、プラネタリギヤユニット3における反力をモータA
に分担させてモータBの駆動力による走行を確保し、リ
ンプホーム機能を実現する。
【0111】異常時制御(3)では、HEV_ECU2
0からの多重通信により他のECUに異常を通達し、エ
ンジン制御系及び変速機制御系での異常発生、或いは、
変速機制御系での異常発生を知らせると、インジェクタ
電源23bを制御するロジック回路23cに対するイン
ジェクタ電源停止信号を停止指令を示すハイレベルの信
号としてエンジン1を停止させる。
【0112】また、HEV_ECU20は、コンタクタ
9を開閉制御するロジック回路20aに対するコンタク
タ制御信号をハイレベルとしてロジック回路20aの出
力をハイレベルにし、コンタクタ9をONしてバッテリ
10とモータAコントローラ21及びモータBコントロ
ーラ22とを接続する。
【0113】さらに、HEV_ECU20は、モータA
コントローラ21の制御電源21bを制御するロジック
回路21cに対する電源ON信号をハイレベルの信号と
し、制御電源21bをONさせてモータAの運転を可能
とし、モータBコントローラ22の制御電源22bを制
御するロジック回路22cに対する電源ON信号をハイ
レベルの信号とし、制御電源22bをONさせてモータ
Bの運転を可能とする。
【0114】また、走行時には、モータBの駆動力をプ
ラネタリギヤユニット3を介してCVT4に出力する際
の反力をモータAで受けるため、HEV_ECU20か
らモータAコントローラ21のロジック回路21aに対
する異常時制御信号を異常時のローレベルにし、ロジッ
ク回路21aからハイレベルの異常時信号をモータAコ
ントローラ21に与えてモータAコントローラ21を低
速定回転制御に移行させる。
【0115】さらに、HEV_ECU20は、モータB
コントローラ22のロジック回路22aに対する異常時
制御信号を異常時のローレベルとし、ロジック回路22
aからハイレベルの異常時信号をモータBコントローラ
に与えてモータBコントローラ22自身に接続されてい
るインヒビタスイッチ14からの信号とアクセルスイッ
チ18からの信号に応じてモータBの定トルク制御を実
行させる。
【0116】そして、HEV_ECU20は、表示器2
7に異常発生を表示して運転者に異常を通達し、モータ
Bコントローラ系が正常に復帰した場合の不慮の事態が
発生することを未然に防止するため、多重通信によりT
/M_ECU24へロックアップクラッチ2をOFF
(解放)にする制御指令とCVT4の変速比を所定の変
速比(中立値)とする変速比指令とを与える。
【0117】この異常時制御(3)では、前述の異常時
制御(1)と同様、電気エネルギーの消耗を防止しつ
つ、モータAで反力を受けてモータBの駆動力によって
走行し、所定の目的地までの安全な走行を確保でき、且
つ、変速機制御系の異常に対してCVT4の変速比を一
定とし、正常復帰時の不具合発生を未然に防止する。
【0118】次に、異常時制御(5)は、モータAコン
トローラ系のみが異常である場合に実行される処理であ
り、異常発生時に、モータBの駆動力をプラネタリギヤ
ユニット3を介して出力する際の反力をエンジン1で受
け、モータBの駆動力による走行を確保してリンプホー
ム機能を実現する。
【0119】異常時制御(5)では、HEV_ECU2
0からの多重通信により他のECUに異常を通達してモ
ータAコントローラ系に異常が発生したことを知らせ、
モータAコントローラ21の制御電源21bを制御する
ロジック回路21cに対する電源ON信号をローレベル
の信号として制御電源21bをOFFさせ、モータAを
停止させる。
【0120】また、モータAコントローラ系が正常に復
帰した場合の不具合を未然に回避するため、モータAコ
ントローラ21のロジック回路21aに対する異常時制
御信号を正常時のハイレベルの信号とし、表示器27に
異常発生を表示して運転者に異常を通達する。
【0121】さらに、HEV_ECU20は、多重通信
によりT/M_ECU24へロックアップクラッチ2を
OFF(解放)にする制御指令を与え、E/G_ECU
23のロジック回路23aに対する異常時制御信号を異
常時のローレベルの信号とする。この異常時制御信号を
受けてロジック回路23aからハイレベルの信号がE/
G_ECU23へ入力されると、E/G_ECU23で
は、エンジン1を低速定回転(例えば、目標アイドル回
転数による一定回転数)に制御し、モータBの反力を与
えるとともに、図示しないオイルポンプを駆動してCV
T4の油圧を確保する。
【0122】そして、HEV_ECU20は、インヒビ
タスイッチ14、APS11の出力に基づき、多重通信
によりモータBコントローラ22にトルク指令を与え
る。
【0123】これにより、モータBの駆動力をプラネタ
リギヤユニット3を介して出力する際の反力をエンジン
1で受け、モータBの駆動力によって走行することがで
き、異常発生時の過度な出力を制限して電気エネルギー
の消耗を防止しつつ、確実に修理工場等へ車両を移動さ
せることができる。
【0124】しかも、モータAコントローラ系が正常に
復帰した場合を考慮し、予めモータAコントローラ21
を正常制御が可能な状態としてあるため、モータBの反
力を適正に受けることができ、走行駆動力が急激に変化
することがなく、正常復帰時の不具合を未然に回避する
ことができる。
【0125】また、異常時制御(6)は、エンジン制御
系は正常であるものの、モータA,Bが使用不可の場合
(モータAコントローラ系とモータBコントローラ系と
が共に異常の場合、或いは、バッテリマネージメント系
が異常の場合)に実行される処理であり、異常発生時に
エンジン1のみの駆動力による走行を確保し、リンプホ
ーム機能を実現する。
【0126】異常時制御(6)では、HEV_ECU2
0からの多重通信により他のECUに異常を通達し、モ
ータAコントローラ系及びモータBコントローラ系が異
常、或いはバッテリマネージメント系が異常であること
を知らせて、モータAコントローラ21の制御電源21
bを制御するロジック回路21cに対する電源ON信号
をローレベルの信号として制御電源21bをOFFさせ
てモータAを停止させ、モータBコントローラ22の制
御電源22bを制御するロジック回路22cに対する電
源ON信号をローレベルの信号として制御電源22bを
OFFさせ、モータBを停止させる。
【0127】また、HEV_ECU20は、コンタクタ
9を開閉制御するロジック回路20aに対するコンタク
タ制御信号をローレベルにし、ロジック回路20aの出
力をローレベルにしてコンタクタ9をOFFにしてバッ
テリ10とモータAコントローラ21及びモータBコン
トローラ22とを切り離す。
【0128】さらに、システムが正常に復帰した場合に
不慮の事態が発生することを未然に回避するため、HE
V_ECU20は、モータAコントローラ21のロジッ
ク回路21aに対する異常時制御信号を正常時のハイレ
ベルの信号とし、同様に、モータBコントローラ22の
ロジック回路22aに対する異常時制御信号を正常時の
ハイレベルの信号とする。そして、表示器27に異常発
生を表示して運転者に異常を通達する。
【0129】また、異常時制御(6)による処理が済む
と、次に、前述のT/M制御指令と同様の処理を実行
し、HEV_ECU20からアクセルペダルのON,O
FF状態、ブレーキスイッチ12のON,OFF状態に
応じてロックアップクラッチ2のON,OFFをT/M
_ECU24へ指令すると共に、ロックアップクラッチ
2のON,OFFに応じ、以下のE/G制御指令を実行
する。
【0130】すなわち、ロックアップクラッチ2がON
のときには、HEV_ECU20からAPS11の出力
に基づいて、多重通信によりE/G_ECU23へトル
ク指令を与え、エンジン1の駆動力を直接CVT4に出
力させる。一方、ロックアップクラッチ2がOFFのと
きには、HEV_ECU20からE/G_ECU23の
ロジック回路23aに対する異常時制御信号を異常時の
ローレベルの信号としてロジック回路23aからハイレ
ベルの信号をE/G_ECU23へ与え、エンジン1を
低速定回転(例えば、目標アイドル回転数による一定回
転数)の制御に移行させ、エンジン回転数の上昇を抑え
る。
【0131】異常時制御(6)では、モータA,Bが使
用不可の異常発生時にもロックアップクラッチ2のO
N,OFFを適切に制御してエンジン1の駆動力を有効
に使用し、所定の目的地まで安全に車両を移動させるこ
とができる。
【0132】次に、異常時制御(7)は、モータAコン
トローラ系と変速機制御系とが異常の場合に実行される
処理であり、異常発生時に、モータBの駆動力をプラネ
タリギヤユニット3を介して出力する際の反力をエンジ
ン1で受け、モータBの駆動力による走行を確保し、リ
ンプホーム機能を実現する。
【0133】異常時制御(7)では、HEV_ECU2
0からの多重通信により他のECUに異常を通達してモ
ータAコントローラ系及び変速機制御系が異常であるこ
とを知らせると、インジェクタ電源23bを制御するロ
ジック回路23cに対するインジェクタ電源停止信号を
ローレベルの信号としてインジェクタ電源23bをON
させ、インジェクタを駆動して燃料噴射を実施させてエ
ンジン1を運転させる。
【0134】また、HEV_ECU20は、コンタクタ
9を開閉制御するロジック回路20aに対するコンタク
タ制御信号をハイレベルとしてロジック回路20aの出
力をハイレベルにし、コンタクタ9をONしてバッテリ
10とモータAコントローラ21及びモータBコントロ
ーラ22とを接続する。
【0135】さらに、HEV_ECU20は、モータA
コントローラ21の制御電源21bを制御するロジック
回路21cに対する電源ON信号をローレベルの信号と
して制御電源21bをOFFさせ、モータAを停止させ
ると、モータBコントローラ22の制御電源22bを制
御するロジック回路22cに対する電源ON信号をハイ
レベルの信号として制御電源22bをONさせ、モータ
Bの運転を可能とする。
【0136】また、HEV_ECU20は、E/G_E
CU23のロジック回路23aに対する異常時制御信号
を異常時のローレベルの信号とし、ロジック回路23a
からハイレベルの信号をE/G_ECU23に与え、エ
ンジン1を低速定回転(例えば、目標アイドル回転数に
よる一定回転数)で制御させると、モータBコントロー
ラ22のロジック回路22aに対する異常時制御信号を
異常時のローレベルとしてロジック回路22aからモー
タBコントローラ22へハイレベルの信号を与え、モー
タBコントローラ22自身に接続されているインヒビタ
スイッチ14からの信号とアクセルスイッチ18からの
信号に応じてモータBの定トルク制御を実行させる。
【0137】そして、HEV_ECU20は、表示器2
7に異常発生を表示して運転者に異常を通達し、多重通
信によりT/M_ECU24へロックアップクラッチ2
をOFF(解放)にする制御指令と、CVT4の変速比
を所定の変速比(中立値)とする変速比指令とを与え
て、システムが正常に復帰した場合の急激な発進等を未
然に防止する。
【0138】異常時制御(7)では、モータAコントロ
ーラ系の異常に対し、エンジン1で反力を受けてモータ
Bの駆動力によって走行することにより、電気エネルギ
ーの消耗を防止しつつ所定の目的地までの安全な走行を
確保でき、且つ、変速機制御系の異常に対してCVT4
の変速比を一定とし、正常復帰時の不具合発生を未然に
防止することができる。
【0139】次に、異常時制御(8)は、モータBコン
トローラ系のみが異常の場合に実行される処理であり、
異常発生時にエンジン1とモータAとを併用した走行を
確保し、リンプホーム機能を実現する。
【0140】異常時制御(8)では、HEV_ECU2
0からの多重通信により他のECUに異常を通達し、モ
ータBコントローラ系に異常が発生したことを知らせ、
モータBコントローラ22の制御電源22bを制御する
ロジック回路22cに対する電源ON信号をローレベル
の信号として制御電源22bをOFFさせ、モータBを
停止させる。
【0141】また、HEV_ECU20は、モータBコ
ントローラ22のロジック回路22aに対する異常時制
御信号を正常時のハイレベルの信号として出力し、モー
タBコントローラ系が正常に復帰した場合に不慮の事態
が発生することを未然に回避し、表示器27に異常発生
を表示して運転者に異常を通達する。
【0142】そして、異常時制御(8)による処理が済
むと、次に、前述のT/M制御指令と同様の処理を実行
し、HEV_ECU20からアクセルペダルのON,O
FF状態、ブレーキスイッチ12のON,OFF状態に
応じてロックアップクラッチ2のON,OFFをT/M
_ECU24へ指令する。
【0143】また、HEV_ECU20は、T/M_E
CU24への制御指令処理と並行してE/G・モータA
制御指令による処理を実行し、E/G・モータA制御指
令でAPS11の出力に基づき、E/G_ECU23へ
多重通信を介してトルク指令を与えると共に、モータA
コントローラ21へ多重通信を介して回転数指令を与え
る。
【0144】これにより、走行時には、ロックアップク
ラッチ2を締結してプラネタリギヤユニット3のサンギ
ヤ3aとキャリア3bとを結合してエンジン1とモータ
Aとによる駆動力を直接CVT4に出力する。また、ブ
レーキングによる車両減速時、或いは、車両停止時に
は、ロックアップクラッチ2を解放してエンジン1及び
モータAの回転を継続し車両を減速或いは停止する。こ
こで、ロックアップクラッチ2やCVT4の各プーリ4
b、4dを作動するための油圧を供給するための図示し
ないオイルポンプが設けられており、このオイルポンプ
は、モータA及びエンジン1により駆動される。従っ
て、エンジン1及びモータAの回転を止めることなく、
車両を減速或いは停止することで、オイルポンプの作動
を継続し、車両の再加速時、或いは発進時にロックアッ
プクラッチ2を直ちに締結可能とする。
【0145】異常時制御(8)では、モータBコントロ
ーラ系の異常に対し、ロックアップクラッチ2のON,
OFFを適切に制御してエンジン1及びモータAの駆動
力を直接CVT4に出力して走行することができ、異常
発生時の過度な出力を制限して所定の目的地まで車両を
安全に移動させることができる。
【0146】一方、HEV_ECU20によるフェール
セーフ処理に対し、T/M_ECU24では、システム
を統括するHEV_ECU20自体に異常が発生した場
合に対処するため、以下に説明するフェールセーフ処理
を並行して実行するようにしており、HEV_ECU2
0に異常が発生した場合、HEV_ECU20に代って
T/M_ECU24が異常時処理を行う。
【0147】この場合、HEV_ECU20では、HE
V_ECU系の異常を検出すると、以下の(1)〜
(8)に示す処理を順次行うようになっており、T/M
_ECU24は、自身のフェールセール処理によってH
EV_ECU系の異常を検出した場合、多重通信系とは
別系統の信号系を介して車両停止或いは異常時制御を実
現する。
【0148】(1)多重通信によりT/M_ECU24
へ異常を通達する。
【0149】(2)T/M_ECU24への異常時信号
を、所定時間(例えば、100msec)以上の間、ロ
ーレベル(異常有り)とする。
【0150】(3)インジェクタ電源23bを制御する
ロジック回路23cに対するインジェクタ電源停止信号
をハイレベル(電源停止)とする。
【0151】(4)コンタクタ9を開閉制御するロジッ
ク回路20aに対するコンタクタ制御信号をローレベル
(コンタクタOFF)とする。
【0152】(5)モータAコントローラ21の制御電
源21bを制御するロジック回路21cに対する電源O
N信号をローレベル(電源OFF)とする。
【0153】(6)モータBコントローラ22の制御電
源22bを制御するロジック回路22cに対する電源O
N信号をローレベル(電源OFF)とする。
【0154】(7)モータAコントローラ21のロジッ
ク回路21aに対する異常時制御信号をハイレベル(非
異常時)とする。
【0155】(8)モータBコントローラ22のロジッ
ク回路22aに対する異常時制御信号をハイレベル(非
異常時)とする。
【0156】以下、T/M_ECU24によるフェール
セーフ処理について説明する。フェールセーフ処理で
は、自己診断によって変速機制御系に異常が発生してい
ないかを調べ、異常が発生している場合、多重通信によ
りHEV_ECU20へ異常を通達する。また、変速機
制御系が正常である場合、HEV_ECU20から多重
通信系を介して通達されてT/M_ECU24自体で記
憶・保持している現在までの異常発生状況を調べ、異常
発生状況に応じた処理を行う。
【0157】すなわち、変速機制御系、エンジン制御
系、モータAコントローラ系、モータBコントローラ
系、及び、バッテリマネージメント系が全て正常である
場合、或いは、変速機制御系、モータAコントローラ
系、モータBコントローラ、及び、バッテリマネージメ
ント系が正常でエンジン制御系が異常である場合に、H
EV_ECU系が異常であるか否かを調べ、HEV_E
CU系が正常である場合には、HEV_ECU20から
の指令に基づく前述した異常時制御(1)を実行し、H
EV_ECU系が異常の場合には、少なくとも変速機制
御系、モータAコントローラ系、及び、モータBコント
ローラ系が正常であるためモータBを走行駆動源として
使用可能と判断し、以下の異常時制御(4)を実行する
ことで、エンジン1を停止させてモータAで反力を受
け、モータBで走行させる処理をHEV_ECU20に
代ってT/M_ECU24が実行する。
【0158】また、変速機制御系とエンジン制御系とが
正常で、モータAコントローラ系、モータBコントロー
ラ系、バッテリマネージメント系の何れかが異常である
場合、或いは、変速機制御系とモータAコントローラ系
とが正常でエンジン制御系とモータBコントローラ系と
が異常である場合に、HEV_ECU系が異常であるか
否かを調べ、HEV_ECU系が正常である場合には、
HEV_ECU20からの指令に基づく前述した異常時
制御(6)或いは(2)を実行し、HEV_ECU系が
異常の場合には、駆動系の状態如何によっては走行でき
る可能性があるものの、HEV_ECU系の異常によっ
て確実な走行制御ができないため走行不可とし、以下の
停止制御(2)を実行して車両を安全に停止させる。
【0159】停止制御(2)では、HEV_ECU20
が自身のフェールセーフ処理によってHEV_ECU系
の異常を検出した場合にHEV_ECU20が代わって
T/M_ECU24から多重通信により他のECUに異
常を通達し、インジェクタ電源23bを制御するロジッ
ク回路23cに対するインジェクタ電源停止信号をハイ
レベルとしてエンジン1を停止させる。
【0160】また、T/M_ECU24は、モータAコ
ントローラ21の制御電源21bを制御するロジック回
路21cに対する電源ON信号をローレベルの信号とし
て制御電源21bをOFFさせ、モータAを停止させ、
モータBコントローラ22の制御電源22bを制御する
ロジック回路22cに対する電源ON信号をローレベル
の信号として制御電源22bをOFFさせ、モータBを
停止させる。
【0161】さらに、T/M_ECU24は、コンタク
タ9を開閉制御するロジック回路20aに対するコンタ
クタ制御信号をローレベルとしてロジック回路20aの
出力をローレベルにし、コンタクタ9をOFFにしてバ
ッテリ10とモータAコントローラ21及びモータBコ
ントローラ22とを切り離す。
【0162】また、システムが正常に復帰した場合に不
慮の事態が発生することを未然に回避するため、T/M
_ECU24は、モータAコントローラ21のロジック
回路21aに対する異常時制御信号を正常時のハイレベ
ルの信号とし、さらに、モータBコントローラ22のロ
ジック回路22aに対する異常時制御信号を正常時のハ
イレベルの信号とする。
【0163】そして、T/M_ECU24は、表示器2
7に異常発生を表示して運転者に異常を通達し、システ
ムが正常に復帰した場合に不慮の事態が発生することを
未然に回避するため、ロックアップクラッチ2をOFF
(解放)にすると共に、CVT4の変速比を所定の変速
比(中立値)に固定する。
【0164】これにより、システムを統括するHEV_
ECU系に異常が発生し、且つ、モータA,Bの正常な
制御が不能である場合にも、車両を停止させて安全を確
保することができる。しかも、エンジン1を停止させて
モータA,Bをバッテリ10から切り離し、ロックアッ
プクラッチをOFFにしてCVT4の変速比を中立値に
固定することで、HEV_ECU系が正常に復帰して機
能が回復した場合にも、HEV_ECU20が通常の状
態に戻すような急激な制御動作を起こすことが無く、予
測しないような不慮の事態が発生することを未然に回避
することができる。
【0165】一方、異常時制御(4)は、HEV_EC
U20が自身のフェールセーフ処理によってHEV_E
CU系の異常を検出された場合に、HEV_ECU20
に代わってT/M_ECU24から多重通信により他の
ECUに異常を通達すると、インジェクタ電源23bを
制御するロジック回路23cに対するインジェクタ電源
停止信号をハイレベルとしてエンジン1を停止させる。
【0166】また、T/M_ECU24は、コンタクタ
9を開閉制御するロジック回路20aに対するコンタク
タ制御信号をローレベルとし、HEV_ECU20から
のローレベルのコンタクタ制御信号に対してロジック回
路20aの出力をハイレベルとすることで、コンタクタ
9をONしてバッテリ10とモータAコントローラ21
及びモータBコントローラ22とを接続する。
【0167】さらに、T/M_ECU24は、モータA
コントローラ21の制御電源21bを制御するロジック
回路21cに対する電源ON信号をハイレベルの信号と
し、HEV_ECU20からのローレベルの電源ON信
号に対してロジック回路21cの出力をハイレベルと
し、制御電源21bをONさせてモータAの運転を可能
とする。
【0168】また、T/M_ECU24は、モータBコ
ントローラ22の制御電源22bを制御するロジック回
路22cに対する電源ON信号をハイレベルの信号と
し、HEV_ECU20からのローレベルの電源ON信
号に対してロジック回路22cの出力をハイレベルとし
て制御電源22bをONさせ、モータBの運転を可能と
する。
【0169】さらに、T/M_ECU24は、モータA
コントローラ21のロジック回路21aに対する異常時
制御信号を異常時のローレベルにし、HEV_ECU2
0からのハイレベルの異常時制御信号に対してロジック
回路21aの出力をハイレベルとしてモータAコントロ
ーラ21に与え、モータAコントローラ21を低速定回
転制御に移行させる。
【0170】また、T/M_ECU24は、モータBコ
ントローラ22のロジック回路22aに対する異常時制
御信号を異常時のローレベルとし、HEV_ECU20
からのハイレベルの異常時制御信号に対してロジック回
路22aの出力をハイレベルとしてモータBコントロー
ラ22に与え、モータBコントローラ22自身に接続さ
れているインヒビタスイッチ14からの信号とアクセル
スイッチ18からの信号に応じてモータBの定トルク制
御を実行させる。
【0171】そして、T/M_ECU24は、表示器2
7に異常発生を表示して運転者に異常を通達し、ロック
アップクラッチ2をOFF(解放)にすると共に、CV
T4の変速比を所定の変速比(中立値)に固定し、T/
M_ECU24自身の異常時制御を停止する。
【0172】この異常時制御(4)では、システムを統
括するHEV_ECU系に異常が発生しても、モータ
A、モータBの駆動力が使用可能である限り、所定の目
的地へ車両を安全に移動させることが可能であり、しか
も、エンジン1を停止させ、ロックアップクラッチをO
FFにしてCVT4の変速比を中立値に固定すること
で、HEV_ECU系が正常に復帰して機能が回復した
場合にも、HEV_ECU20が通常の状態に戻すよう
な急激な制御動作を起こすことが無く、予測しないよう
な不慮の事態が発生することを未然に回避することがで
きる。
【0173】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、第
1の制御手段は、異常発生時に各制御系を異常制御へ移
行させるための指令及び動力停止のための指令を上記第
1の信号系とは別系統の第2の信号系を介して各制御系
に出力し、また、上記第1の制御手段に異常が発生した
とき、上記第2の制御手段に異常時制御を行わせるべ
く、異常時信号を上記第2の信号系を介して出力するの
で、ハイブリッド車に異常が発生した場合にも、駆動輪
への出力を制限しつつ安全且つ確実に所定の目的地まで
の走行を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】駆動制御系の構成を示す説明図
【図2】HEV_ECUを中心とする制御信号の流れを
示す説明図
【図3】フェールセーフシステムの概念図
【図4】HEV_ECUのフェールセーフ機構を示す説
明図
【符号の説明】
1 …エンジン 2 …ロックアップクラッチ(連結機構) 3 …プラネタリギヤユニット(シングルピニオン式プ
ラネタリギヤ) 3a…サンギヤ 3b…キャリア 3c…リングギヤ 4 …ベルト式無段変速機(動力変換機構) A …第1のモータ B …第2のモータ 20 …HEV_ECU(第1の制御手段) 20c〜20j …信号線(第2の信号系) 24 …T/M_ECU(第2の制御手段) 30,31 …多重通信ライン(第1の信号系)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G093 AA05 AA06 AA07 AA16 BA09 BA10 BA12 BA24 CB01 CB05 CB07 CB14 DA06 DB06 DB11 DB15 DB20 EA03 EA05 EB00 EB02 EB03 FB02 FB05 5H115 PA08 PA09 PA11 PC06 PG04 PI16 PI22 PI29 PO02 PO17 PU01 PU24 PU25 PU27 PU28 PV09 QA01 QE01 QE10 QE12 QE13 QI04 QI07 QI12 QN03 QN09 RB08 RE01 RE02 RE03 RE05 RE06 SE04 SE05 SE06 SE08 SE09 SE10 TB01 TE02 TE03 TE05 TE06 TI02 TI05 TI06 TO04 TO12 TO13 TO21 TO23 TO26 TO30 TR03 TR04 TR05 TR06 TR08 TR19 TU20 TZ01 TZ02 TZ07 UB05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの出力軸とシングルピニオン式
    プラネタリギヤのサンギヤとの間に連結される第1のモ
    ータ、上記プラネタリギヤのリングギヤに連結される第
    2のモータ、上記プラネタリギヤのサンギヤとキャリア
    とリングギヤの何れか2つを結合自在な連結機構、及
    び、上記プラネタリギヤのキャリアに連結され、複数段
    あるいは無限段に切り換え可能な変速比に応じて上記プ
    ラネタリギヤと駆動輪との間で変速及びトルク増幅を行
    なう動力変換機構を備えたハイブリッド車の制御装置で
    あって、 上記ハイブリッド車の複数の制御系を統括して各制御系
    に制御指令を出力すると共に、異常発生時に各制御系を
    異常時制御へ移行させるための指令及び動力停止のため
    の指令を出力する第1の制御手段を備え、 上記第1の制御手段は、各制御系に制御指令を出力する
    ための第1の信号系と、異常発生時に各制御系に指令を
    出力するための、上記第1の信号系とは別系統の第2の
    信号系と、を備えたことを特徴とするハイブリッド車の
    制御装置。
  2. 【請求項2】 上記第1の制御手段に異常が発生したと
    き、上記第1の制御手段とは別系統の指令系統を介し、
    上記エンジンを停止させると共に上記第1のモータを制
    御する制御系を低速定回転制御に移行させ、且つ上記第
    2のモータを制御する制御系を上記動力変換機構の変速
    位置とアクセル操作とに応じた制御に移行させる第2の
    制御手段を備え、 上記第1の制御手段は、該第1の制御手段に異常が発生
    したとき、上記第2の信号系を介して上記第2の制御手
    段に異常時信号を出力することを特徴とする請求項1に
    記載のハイブリッド車の制御装置。
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