JP2015061895A - 延伸フィルム用ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】白色ポリエステルフィルムを溶融製膜するときに、共押出で表層に積層するだけで均一なギャップを確保でき、しかも製品とならなかった部分を回収して再利用することができる延伸フィルム用ポリエステル樹脂組成物を提供すること。【解決手段】多孔質シリカ粒子を0.1〜10質量%含有するポリエステル樹脂組成物であって、多孔質シリカ粒子は、その2次粒子径が10μm以上100μm以下で、0.1gf荷重負荷時の圧縮率が30%以上で、かつ0.05gf荷重負荷時の圧縮率が25%以下であり、リン化合物を、ポリエステルの全酸成分のモル数を基準として、リン元素量で50〜150mmol%含有している延伸フィルム用ポリエステル樹脂組成物により達成される。【選択図】なし

Description

本発明は、多孔質シリカ粒子を含有する延伸フィルム用ポリエステル樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、表面特性を改善するための表層を有する積層ポリエステルフィルムの製品にならなかった部分を、例えば該積層フィルムの芯層に再利用(以下、自己回収と称することがある)しても、回収工程中で該多孔質シリカ粒子を容易に解砕することができるので良好な製膜性が得られる、積層ポリエステルフィルムの表層用として特に好適な延伸フィルム用ポリエステル樹脂組成物に関するものである。
エッジライト型バックライトユニットにおいては、導光板と反射フィルムとが直接接触する構造となり、導光板と反射フィルムとが貼り付いてしまうと、貼り付いた部分の輝度が異常となり、輝度の面内バラツキが生じてしまうという問題がある。そこで、反射フィルムの表面にビーズを設け、導光板と反射フィルムとの間のギャップを一定に保ち、これらの貼り付きを防ぐことができる。このとき、比較的柔らかい素材からなる導光板が反射フィルムと接すると、反射フィルムや表面のビーズにより導光板が傷付けられるという問題がある。そこで、例えば特許文献1、2のように、エラストマー系のビーズを用いた塗膜層を備える反射シートの報告がある。
しかしながら、上記特許文献1,2のように柔らかいビーズを用いると、導光板の傷付きは抑制されるものの、近年求められるギャップ確保が達成できず、例えば比較的大きな応力が加わってしまうとギャップ確保ができずに、貼り付きが抑制できない場合がある。
また、近年、反射層としては白色ポリエステルフィルムが多く用いられている。この場合、上記のようなギャップを確保するのに適した傷つき防止層を塗布で設ける方法では、別途塗布の工程が必要であったり、白色ポリエステルフィルムを製膜する際に、製品とならなかった部分を回収して再利用できないなどの問題があった。
特開2003−92018号公報 特表2008−512719号公報
そこで、本発明の課題は、白色ポリエステルフィルムを溶融製膜するときに、共押出で積層するだけで均一なギャップを確保でき、しかも製品とならなかった部分を回収して再利用、特に自己回収することができる延伸フィルム用ポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決しようと鋭意研究した結果、特定の多孔質シリカ粒子をビーズとして使用することで適度なギャップを確保しつつ、再利用する場合には回収工程中で多孔質シリカ粒子が容易に解砕され、例えば共押出の相手側である白色ポリエステルフィルムに再利用できることを見出した。ただ、多孔質シリカは比表面積が大きく、含有するシラノール基の影響によるためか、熱劣化を引き起こしたり、ダイ筋などが発生するといった問題が潜在していた。
そこで、本発明者らはさらに研究を進め、多孔質シリカ粒子を特定量のリン化合物と併用することで、ポリエステル樹脂の劣化を抑制し、かつ色調に優れた延伸ポリエステル樹脂組成物を提供できることを見出し、本発明に到達した。
かくして本発明によれば、多孔質シリカ粒子を0.1〜10質量%含有するポリエステル樹脂組成物であって、
多孔質シリカ粒子は、その2次粒子径が10μm以上100μm以下で、0.1gf荷重負荷時の圧縮率が30%以上で、かつ0.05gf荷重負荷時の圧縮率が25%以下であること、そして
リン化合物を、ポリエステル樹脂の全酸成分のモル数を基準として、リン元素量で50〜150mmol%の範囲で含有している延伸フィルム用ポリエステル樹脂組成物が提供される。
本発明によれば、均一なギャップの確保と回収フィルムの再利用が可能な多孔質シリカ粒子を含有しつつ、色相の優れたポリエステル樹脂であると共に、多孔質シリカ粒子起因の熱劣化を抑制し製膜時にダイ筋発生を抑制された延伸フィルム用ポリエステル樹脂組成物を提供することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、下記のポリエステル樹脂に、後述する特定の多孔質シリカ粒子を含有しており、以下詳述する。
[ポリエステル樹脂]
本発明におけるポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸成分とジオール成分とからなるポリエステル樹脂を用いることが好ましい。このジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等に由来する成分を挙げることができる。ジオール成分としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール等に由来する成分を挙げることができる。かかる成分からなるポリエステルのなかでも芳香族ポリエステルが好ましく、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエチレンテレフタレートはホモポリマーであってもよいが、フィルムを1軸あるいは2軸に延伸する際に結晶化が抑制されて延伸性、製膜性が良好となる点から、共重合ポリマーが好ましい。共重合成分としては、上記のジカルボン酸成分やジオール成分が挙げられるが、耐熱性と製膜性の両立という観点から、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。共重合成分の割合は、ポリエステルの全ジカルボン酸成分100モル%を基準として、例えば1〜20モル%、好ましくは2〜18モル%、さらに好ましくは3〜15モル%、特に好ましくは7〜11モル%である。共重合成分の割合をこの範囲とすることによって、製膜性の向上効果に優れる。また、熱寸法安定性に優れる。
(リン化合物)
本発明においては、上記のポリエステル樹脂に、ポリエステル樹脂の全酸成分のモル数を基準として、リン元素量で50〜150mmol%の範囲で含有している必要がある。リン化合物の含有量としては、リン化合物の量が多ければより色相や熱安定性が増加するが、添加量が多すぎると重合反応時に触媒を失活させ、重合反応時間が大幅に遅延する、もしくは目的の固有粘度まで達しないなど問題が生じる恐れがある。リン化合物の量の好ましい下限は、60mmol%、さらに70mmol%、他方上限は120mmol%、さらに90mmol%である。
具体的なリン化合物としては、化合物中にリン元素を有するものであれば特に限定されず、例えば、リン酸、亜リン酸、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニルエステル、リン酸モノメチルエステル、リン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸、フェニルホスホン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸ジエチルエステル、リン酸アンモニウム、トリエチルホスホノアセテート、メチルジエチルホスホノアセテートなどを挙げることができ、これらのリン化合物は二種以上を併用してもよい。これらの中でも、リン酸トリメチルエステル、トリエチルホスホノアセテート、メチルジエチルホスホノアセテートが好ましい。
なお、リン化合物の添加時期は、ポリエステル樹脂製造の第一反応であるエステル交換反応またはエステル化反応が実質的に終了してから第二反応である重縮合反応の初期の間に行なうことが好ましく、添加は一度に行ってもよいし、2回以上に分割して行ってもよい。
(多孔質シリカ粒子)
本発明における多孔質シリカ粒子は、2次粒径が10μm以上、100μm以下であることが必要である。これにより導光板とフィルムとの間隔を一定に保ち、これらが貼り付くことを良好に抑制できるとともに、自己回収原料を用いた場合を含め、製膜時の延伸性が良好となる。2次粒径が小さすぎると、白色反射フィルムが導光板に部分的に密着し易くなる傾向にある。このような観点から、2次粒径は、好ましくは12μm以上、より好ましくは14μm以上、さらに好ましくは15μm以上、特に好ましくは16μm以上である。他方、大きすぎる場合は、延伸性に劣る傾向にあり、また回収性に劣る傾向にあり、すなわち自己回収後フィルムの製膜性に劣る傾向にある。また、粒子が脱落し易くなる傾向にあり、脱落が生じるとバックライトユニットにおいては白点欠点となる。このような観点から、2次粒子径は、好ましくは95μm以下、より好ましくは90μm以下、さらに好ましくは85μm以下、特に好ましくは80μm以下、最も好ましくは30μm以下である。
また、多孔質シリカ粒子は1次粒子が凝集した凝集粒子であることが好ましく、その1次粒径は、0.01μm以上であることが好ましく、また5μm以下であることが好ましい。これと上述の2次粒径範囲を同時に満たすことによって、自己回収原料を用いた際の製膜性の向上効果をさらに高めることができる。1次粒径が小さ過ぎると、凝集粒子の強度が弱くなりすぎる傾向があり、そのために十分な大きさの2次粒径を得ることが難しくなる。かかる観点から、1次粒径は、より好ましくは0.02μm以上、さらに好ましくは0.03μm以上、特に好ましくは0.05μm以上である。他方、大きすぎる場合は、自己回収原料の製造時において2次粒子が破壊されたとしても、依然として比較的粒径の大きな粒子が残存することになり、回収後の製膜性の向上効果が低くなる傾向にある。かかる観点から、より好ましくは4μm以下、さらに好ましくは3μm以下、特に好ましくは2μm以下、最も好ましくは1μm以下である。
さらに本発明における多孔質シリカ粒子は、ポリエステル樹脂製造段階及び、フィルム製膜の段階で十分なギャップを得ることが出来る程度の2次粒子径を維持できる程度の解砕強度を持ち、回収の段階では解砕される最適な強度である必要があり、0.05gfの荷重を負荷した時の圧縮率(0.05gf圧縮率)は25%以下である。好ましくは20%以下、最も好ましく15%以下である。この圧縮率が上限を超える場合には、フィルム製膜の段階で多孔質シリカ粒子が解砕してしまい十分なギャップを得るのが難しくなる。
他方、多孔質シリカ粒子を回収時に解砕する観点から、0.1gf荷重を負荷した時の圧縮率(0.1gf圧縮率)は30%以上の必要がある。0.1gf圧縮率が高ければ回収の際に粒子が解砕されやすく、好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上である。この圧縮率が下限未満となると、回収されたフィルム中の粒子の解砕が進まずに、自己回収原料として再利用する際にフィルムの製膜性を損ないやすくなる。
なお、圧縮率は、島津製作所製微小圧縮試験MCTM−200を用い、略平均粒子径の粒子を選んで荷重負荷速度0.0725gf/秒の条件で圧縮試験を行い、n=5で測定して平均値を算出した。
かかる多孔質シリカ粒子のポリエステル樹脂組成物における含有量は、ポリエステル樹脂組成物の質量を基準として、0.1〜10質量%の範囲であることが必要である。含有量が少なすぎると、得られる白色反射フィルムの表面凹凸が少なく、導光板との間隔を一定に保つことができなくなる。よって、さらに好ましくは1質量%以上、特に好ましくは2質量%以上である。他方、多すぎると、製膜時の生産性が悪化したり、得られたフィルムの機械強度が不十分となる傾向にある。さらに、自己回収時の粒子量が多くなり、回収率を上げることが困難となるため問題となる。よって、さらに好ましくは8質量%以下、特に好ましくは7質量%以下である。
(その他の成分)
本発明のポリエステル樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、その他の成分、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、ワックス、ボイド形成剤とは異なる粒子や樹脂等を含有することができる。
(ポリエステル樹脂組成物の製造方法)
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、ポリエステル樹脂の製造段階で多孔質シリカ粒子を添加しても、ポリエステル樹脂を製造後に多孔質シリカ粒子を溶融混練してもよいが、特に前者の方法が、製造段階での多孔質粒子の解砕を少なくできるので好ましい。すなわち、例えばポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートである場合では、テレフタル酸ジメチルまたはテレフタル酸とエチレングリコールとのエステル交換反応またはエステル化反応後、重縮合反応によってポリエチレンテレフタレートを製造する段階で多孔質シリカ粒子を添加する方法が好ましい。ここでの多孔質シリカ粒子の添加方法としては、多孔質シリカ粒子をエチレングリコールに分散させたスラリーの状態で添加するのが好ましい。スラリー中における多孔質シリカ粒子の含有量としてはスラリーに対して1〜20質量%であることが好ましい。
本発明における多孔質シリカ粒子は、その粒子径が大きく沈降性を持つことから、スラリーの取扱いが難しく、20質量%を超える高濃度であると粘性が極端に高くなってゲル状となる傾向がある。よって、上記の観点より好ましくは5〜15質量%、より好ましくは7〜12質量%のスラリーを用いることである。また、スラリー添加の時期については、エステル化反応またはエステル交換反応の初期に添加することも可能であるが、一般にシリカ粒子を添加することで発生する増粘効果がエステル交換反応またはエステル化反応初期に添加することにより増大するので、結果としてポリエステル樹脂自体の固有粘度が低くなる傾向がある。このことから、スラリー添加はエステル化反応またはエステル交換反応が終了してから、重縮合反応を開始するまでに添加することが好ましい。
また、リン化合物を添加する方法は、リン化合物を単独で添加してもよく、エチレングリコール等のジオール成分に溶解させた状態または分散させた状態で添加してもよい。ただし、エチレングリコール等のジオール成分を多量に用いて添加すると、ポリエステルの解重合(ポリエステル主鎖の切断反応)が進行してしまうため、ジオール成分は少量とすることが好ましい。
このようにして、多孔質シリカ粒子およびリン化合物を含有させた後、所望とする固有粘度になるまで、重縮合反応を行えばよい。
このようにして得られた本発明のポリエステル樹脂組成物は、さらにそれ自体公知の方法によりシート状に押出し、さらに製膜方向、幅方向またはそれらの両方向に延伸することで延伸フィルムとされる。なお、本発明のポリエステル樹脂組成物単独で延伸フィルムとしても良いが、冒頭で述べたとおり、白色ポリエステルフィルムを溶融製膜するときに、共押出で該白色ポリエステルフィルムの表層に積層するだけで均一なギャップを確保でき、しかも製品とならなかった部分を回収して再利用することができることから、共押出し積層フィルムに用いられることが好ましい。なお、共押出しの方法自体は、それ自体公知の方法が採用できる。
以下、実施例をもって、本発明をさらに説明する。なお、実施例中の物性や特性は、下記の方法にて測定または評価した。
(1)固有粘度
得られたポリエステル樹脂の固有粘度はP−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いてポリマーを溶解して、遠心分離にてポリマー分を分離し、35℃で測定して求めた。
(2)灰分
サンプル10gをるつぼに入れ、電気炉を用いて500℃×6時間加熱処理し、その残渣のみの重量を測定して、灰分として多孔質シリカ粒子の含有量を求めた。
(3)荷重圧縮率
島津製作所製微小圧縮試験MCTM−200を用い、略平均粒子径の粒子を選んで荷重負荷速度0.0725gf/秒の条件で圧縮試験を行い、n=5で測定して平均値を算出した。
(4)多孔質シリカ粒子の2次粒子径
日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用い、倍率1000倍にて観察し、粒子100個任意に粒径測定し、その平均値から2次粒子径(ds)を求めた。なお、球状以外の場合は(長径+短径)/2にて求めた。ここで短径は、長径に垂直方向の最大径を指す。
(5)熱劣化特性
ポリエステル樹脂組成物をビーカーに投入し、窒素充填下で290℃、1時間保持した後、溶融樹脂組成物をプレート化し、カラーマシンにて色相b値を測定し、1時間当たりの色相変化率を下記の通り分類した。なお、カラーマシンとしては日本電色製カラーメーター(ZE2000)をもちいて測定した。
◎:0以上5未満
○:5以上10未満
×:10以上
(6)製膜延伸性
ポリエステル樹脂組成物を、その融点(Tm:℃)+20℃に加熱された押出機にて溶融後、ダイスよりシート状に成形した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを75℃に予熱し、低速ローラーと高速ローラーの間で15mm上方より800℃の表面温度の赤外線ヒーター1本にて加熱しながら長手方向(縦方向)に延伸し、120℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向(横方向)に延伸した。その後テンター内で200℃の温度で熱固定を行い、二軸延伸ポリエステルフィルムを得る際の製膜安定性を観察し、下記基準で評価した。
◎:3時間以上安定に製膜できる。
○:1時間以上安定に製膜できる。
△:1時間で1度切断が生じた。
×:1時間以内に複数回切断が発生し、安定な製膜ができない。
(7)解砕率評価
ポリエステル樹脂組成物(組成物1)を上記(6)の製膜性試験で製膜したフィルムを、その融点(Tm)+20℃に加熱された2軸押出機にて450rpmの回転数にて溶融混練押出し、水冷バスで冷却後、ペレタイザーでチップ化して疑似回収ポリマーを得た。
そして、前記組成物1と上記疑似回収ポリマーとを、それぞれ290℃で溶融させ、ガラス棒の先端より吹き出し、風船フィルムを作成し、日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用い、倍率500倍にて粒子100個任意に粒径測定し10μm以上の粒子の個数を測定した。元の組成物1に対する、回収ポリマー中の10μmの粒子の減少整率を解砕率として算出した。
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル100質量部とエチレングリコール65質量部の混合物を精留塔、留出コンデンサを備えた反応槽に仕込み150℃以下で撹拌し溶解させた。その後、酢酸マンガン0.04質量部と三酸化アンチモン0.04質量部を添加し、撹拌しながら140℃から240℃に昇温しながらエステル交換反応させた後、リン酸トリメチルをリン元素量として0.008質量部(全酸成分のモル数を基準として50mmol%)となるように添加し、5分間撹拌した。その後、2次粒子径が15μmで0.05gf荷重時の圧縮率が21%、0.1gf荷重時の圧縮率が40%である多孔質シリカ粒子A(東ソー・シリカ株式会社製AY−603)を10質量%分散させたエチレングリコールスラリーを得られるポリエステル樹脂組成物に対して多孔質シリカ粒子が3.0質量%含有するようにエステル交換反応槽へ添加し、その後過剰なエチレングリコールを反応系外へ流出させ、重合反応槽へ移送した。移送後、反応槽内を240℃から290℃まで高真空のもと徐々に重縮合反応を行い、最終内温が290℃まで昇温し反応を終了させ、固有粘度0.64、融点が256℃のポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[実施例2]
リン酸トリメチル添加量をリン元素量として0.013質量部(80mmol%)に変更した以外は、実施例1と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[実施例3]
リン酸トリメチル添加量をリン元素量として0.018質量部(110mmol%)に変更した以外は、実施例1と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[実施例4]
リン酸トリメチル添加量をリン元素量として0.024質量部(150mmol%)に変更した以外は、実施例1と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[実施例5]
エチレングリコールスラリーの添加量を、多孔質シリカ粒子Aの含有量が7質量%となるように変更した以外は、実施例2と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[実施例6]
エチレングリコールスラリーの添加量を、多孔質シリカ粒子Aの含有量が10質量%となるように変更した以外は、実施例2と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[実施例7]
エチレングリコールスラリーの添加量を、多孔質シリカ粒子Aの含有量が10質量%となるように変更した以外は、実施例3と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[実施例8]
エチレングリコールスラリーの添加量を、多孔質シリカ粒子Aの含有量が10質量%となるように変更した以外は、実施例4と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[実施例9]
エチレングリコールスラリーの添加量を、多孔質シリカ粒子Aの含有量が7質量%となるように変更し、リン化合物をトリエチルホスホノアセテート(80mmol%)に変更した以外は、実施例2と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[実施例10]
テレフタル酸ジメチル100質量部とエチレングリコール65質量部の混合物を精留塔、留出コンデンサを備えた反応槽に仕込み150℃以下で撹拌し溶解させた。その後、酢酸マンガン0.04質量部と三酸化アンチモン0.04質量部を添加し、撹拌しながら140℃から240℃に昇温しながらエステル交換反応させた後、リン酸トリメチル0.009質量部を添加し、5分間撹拌した。その後、2次粒子径が15μmの多孔質シリカ粒子A(東ソー・シリカ株式会社製AY−603)を10質量%分散させたエチレングリコールスラリーを得られるポリエステル樹脂組成物に対して多孔質シリカ粒子が3.0質量%含有するようにエステル交換反応槽へ添加し、その後過剰なエチレングリコールを反応系外へ流出させ、重合反応槽へ移送した。移送後、反応槽内を240℃から290℃まで高真空のもと徐々に重縮合反応を行い、最終内温が290℃まで昇温し反応を終了させ、固有粘度0.61、融点が256℃のポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[実施例11]
多孔質シリカ粒子Aを多孔質シリカ粒子B(富士シリシア化学株式会社製キャリアクトP−10)に変更した以外は、実施例10と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[実施例12]
多孔質シリカ粒子Aを多孔質シリカ粒子C(富士シリシア化学株式会社製キャリアクトP−10を風力分級機で30μm以上を除去した粉体)に変更した以外は、実施例10と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[実施例13]
多孔質シリカ粒子Aを多孔質シリカ粒子D(グレースジャパン株式会社製C812)に変更した以外は、実施例10と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[実施例14]
エチレングリコールスラリーの添加量を、多孔質シリカ粒子Aの含有量が7質量%となるように変更した以外は、実施例10と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[比較例1]
リン酸トリメチル添加量をリン元素量として0.005質量部(34mmol%)に変更した以外は、実施例1と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[実施例15]
リン化合物をリン酸に変更した以外は、実施例1と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[比較例2]
エチレングリコールスラリーの添加量を、多孔質シリカ粒子Aの含有量が10質量%となるように変更した以外は、比較例1と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[比較例3]
エチレングリコールスラリーの添加量を、多孔質シリカ粒子Aの含有量が12.5質量%となるように変更した以外は、実施例2と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[比較例4]
多孔質シリカ粒子Aを多孔質シリカ粒子E(東ソー・シリカ株式会社製BY−001)に変更した以外は、実施例10と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[比較例5]
多孔質シリカ粒子Aを多孔質シリカ粒子F(水澤化学株式会社製P−78D)に変更した以外は、実施例10と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
[比較例6]
多孔質シリカ粒子Aを多孔質シリカ粒子G(東ソー・シリカ株式会社製BY−001)に変更した以外は、実施例10と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。なお、製膜試験で得られた二軸延伸フィルムは、凝集粒子が解砕されて十分な突起が形成されなかったことから、解砕率評価は行わなかった。
[比較例7]
多孔質シリカ粒子Aを多孔質シリカ粒子H(東ソー・シリカ株式会社製ER−100)に変更した以外は、実施例10と同様にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂組成物を得た。得られたポリエステル樹脂組成物の評価結果は表1に示す。
Figure 2015061895
本発明のポリエステル樹脂組成物は、多孔質シリカ粒子を含有していても多孔質シリカ粒子起因の熱劣化が抑制されているので、製膜時のダイ筋発生が抑制され、色相にも優れた延伸フィルムを得ることができる。しかも均一ギャップの確保と回収フィルムの再利用、特に自己回収が可能なので、液晶表示装置の反射板の表面に設ける傷つき防止層などに好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. 多孔質シリカ粒子を0.1〜10質量%含有するポリエステル樹脂組成物であって、
    多孔質シリカ粒子は、その2次粒子径が10μm以上100μm以下で、0.1gf荷重負荷時の圧縮率が30%以上で、かつ0.05gf荷重負荷時の圧縮率が25%以下であること、そして
    リン化合物を、ポリエステル樹脂の全酸成分のモル数を基準として、リン元素量で50〜150mmol%の範囲で含有していることを特徴とする延伸フィルム用ポリエステル樹脂組成物。
  2. 延伸フィルムが共押出によって積層された積層延伸フィルムであって、表層用に用いられる請求項1記載の延伸フィルム用ポリエステル樹脂組成物。
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