JP2015061389A - 挿入方法および挿入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】円環状に整列された複数の電気導体をステータコアの各スロットにそれぞれ効率良く確実に挿入する挿入方法および挿入装置を提供する。【解決手段】略頂点部分に設けられたターン部42と、ターン部42の両端に設けられた直線状の脚部41とからなる略U字形状のコイル要素40を、ステータコア60に円環状に並んだスロット61に挿入する挿入方法であって、複数のコイル要素40をターン部42が互いに違いに重ねあった状態で円環状に集合させ、集合体50を形成するコイル要素整列工程S3と、ターン部42を用いて集合体50を支持する支持工程S42と、集合体50とステータコア60とを接近させ、集合体50の各コイル要素40の脚部41をスロット61に挿入する挿入工程S45と、を含む。【選択図】図28

Description

本発明は、挿入方法および挿入装置に関する。より詳細には、略頂点部分に設けられたターン部とターン部の両端に設けられた直線状の脚部とからなる略U字形状の電気導体を、ステータコアに円環状に並んだスロットに挿入する挿入方法および挿入装置に関する。
回転電機のステータコイルは、例えば、次のようにして形成される。先ず、略U字状に成形した複数の電気導体を、円周方向に重ねながら円環状に整列させる。次いで、円環状に整列された各電気導体の脚部を、ステータコアに円環状に並んだ各スロットに挿入する。そして、隣接する脚部の端部同士を接続する。これにより、回転電機のステータコイルが形成される。
円環状に整列された各電気導体の脚部を、ステータコアに円環状に並んだ各スロットに挿入する技術として、略U字状の複数の電気導体を円筒状の治具の周囲に配置した後、その治具を上昇させることで、複数の電気導体をその先に配置されたステータコアのスロットに挿入する挿入装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−97791号公報
一方、複数の把持装置それぞれで把持して円環状に整列された複数の電気導体それぞれを下降させてステータコアの各スロットに挿入することが考えられている。この場合に、把持装置の電気導体の脚部に対する把持を解除すると電気導体が落下するおそれがある。また、把持装置の電気導体の脚部に対する把持を解除しないと電気導体がスロットに挿入できない課題が生じる。
本発明は上記課題を解決するためのものであり、その目的は、円環状に整列された複数の電気導体をステータコアの各スロットにそれぞれ効率良く確実に挿入する挿入方法および挿入装置を提供することにある。
(1) 略頂点部分に設けられたターン部(例えば、後述のターン部42)と、前記ターン部の両端に設けられた直線状の脚部(例えば、後述の脚部41)とからなる略U字形状の電気導体(例えば、後述のコイル要素40)を、コア(例えば、後述のステータコア60)に円環状に並んだスロット(例えば、後述のスロット61)に挿入する挿入方法であって、複数の前記電気導体を前記ターン部が互いに違いに重ねあった状態で円環状に集合させ、集合体(例えば、後述の集合体50)を形成する集合工程(例えば、後述のS3)と、前記ターン部を用いて前記集合体を支持する支持工程(例えば、後述のS42)と、前記集合体と前記コアとを接近させ、前記集合体の各電気導体の前記脚部を前記スロットに挿入する挿入工程(例えば、後述のS45)と、を含むことを特徴とする挿入方法。
(1)の発明によれば、集合工程で複数の電気導体をターン部が互いに違いに重ねあった状態で円環状に集合させて集合体を形成し、支持工程でターン部を用いて集合体を支持し、挿入工程で集合体とコアとを接近させて集合体の各電機導体の脚部をスロットに挿入する。
これにより、支持工程でターン部を用いて集合体を支持でき、その後に挿入工程で集合体とコアとを接近させて集合体の各電機導体の脚部をスロットに挿入できる。このように、支持工程でターン部を用いて集合体が支持でき、集合体の各電機導体の脚部が自由状態になる。
したがって、円環状に整列された複数の電気導体をコアの各スロットにそれぞれ効率良く確実に挿入できる。
(2) 前記支持工程では、前記ターン部に押圧部材(例えば、後述の押下部材311)を当接するとともにピン(例えば、後述のピン322)を挿入することで、前記ターン部を支持することを特徴とする(1)に記載の挿入方法。
(2)の発明によれば、支持工程でターン部に押圧部材を当接するとともにピンを挿入することで、ターン部を支持する。これにより、支持工程でターン部が支持されて集合体が支持でき、集合体の各電機導体の脚部が自由状態になる。
(3) 前記支持工程では、前記ターン部に前記押圧部材を当接した状態で前記ピンを挿入することを特徴とする(2)に記載の挿入方法。
(3)の発明によれば、支持工程でターン部に押圧部材を当接した状態でピンを挿入することで、押圧部材と相対距離を調整されたピンがターン部に最適に挿入できるとともに、ピン挿入時に集合体の形状を維持できる。
(4) 前記挿入工程では、前記ターン部の外周側を支持しながら挿入することを特徴とする(1)から(3)のいずれか1項に記載の挿入方法。
(4)の発明によれば、挿入工程でターン部の外周側を支持しながら挿入することで、挿入時の抵抗が生じても集合体の形状が維持できる。
(5) 略頂点部分に設けられたターン部(例えば、後述のターン部42)と、前記ターン部の両端に設けられた直線状の脚部(例えば、後述の脚部41)とからなる略U字形状の電気導体(例えば、後述のコイル要素40)を、コア(例えば、後述のステータコア60)に円環状に設けられたスロット(例えば、後述のスロット61)に挿入する挿入装置(例えば、後述のステータ製造装置1)であって、複数の前記電気導体を前記ターン部が互いに違いに重ねあった状態で円環状に集合させ、集合体(例えば、後述の集合体50)を形成する集合機構(例えば、後述の把持装置230)と、前記ターン部を用いて前記集合体を支持する支持機構(例えば、後述のピン突出機構320)と、前記支持機構に支持された前記集合体とコアとを接近させる押圧機構(例えば、後述のコイル要素押下機構310)と、を備えることを特徴とする挿入装置。
(5)の発明によれば、(1)の発明と同様な作用・効果を奏する。
(6) 前記押圧機構は、前記ターン部に当接する押圧部材(例えば、後述の押下部材311)を有し、前記支持機構は、前記押圧部材が当接した状態で前記ターン部に挿入されるピン(例えば、後述のピン322)を有することを特徴とする(5)に記載の挿入装置。
(6)の発明によれば、(3)の発明と同様な作用・効果を奏する。
(7) 前記押圧部材の外周部には、前記ターン部の外周側を支持する外周支持部(例えば、後述の環状突起311a)を有することを特徴とする(6)に記載の挿入装置。
(7)の発明によれば、(4)の発明と同様な作用・効果を奏する。
本発明によれば、円環状に整列された複数の電気導体をステータコアの各スロットにそれぞれ効率良く確実に挿入する挿入方法および挿入装置を提供できる。
本発明の実施形態に係るステータ製造装置を示す正面図である。 上記実施形態に係るステータ製造装置を示す側面図である。 上記実施形態に係るステータ製造装置を示す上面図である。 上記実施形態に係る複数の把持装置を示す図である。 上記実施形態に係る第1把持装置を示す図であり、図5(A)が一部透過上面図であり、図5(B)が一部透過側面図である。 上記実施形態に係る第2把持装置を示す図であり、図6(A)が一部透過上面図であり、図6(B)が一部透過側面図である。 上記実施形態に係る回転テーブルの上面状態を示す図である。 上記実施形態に係る矯正溝を外径側から見た斜視図である。 上記実施形態に係る駆動機構を示す側面図である。 上記実施形態に係るテーブル駆動装置を示す図である。 上記実施形態に係るコイル要素挿入装置を示す正面図である。 上記実施形態に係るピン突出機構を示す上面図である。 上記実施形態に係る誘導装置を示す斜視図である。 上記実施形態に係る誘導部、一対の第1拡開板および第2拡開板を示す斜視図である。 上記実施形態に係るステータ製造装置の動作を示すフローチャートである。 上記実施形態に係るステータコアを設置した状態を示す図である。 上記実施形態に係るコイル要素配置工程の動作を示すフローチャートである。 上記実施形態に係る第1把持装置がコイル要素を把持した状態を示す図である。 上記実施形態に係る第2把持装置がコイル要素を把持した状態を示す図である。 上記実施形態に係るコイル要素整列工程の動作を示すフローチャートである。 上記実施形態に係る複数のコイル要素を集合させて集合体を形成する図である。 上記実施形態に係る第1把持装置の上枝部を中心軸に向かって5°左側に矯正する状態を示す図である。 上記実施形態に係る第2把持装置の上枝部を中心軸に向かって5°左側に矯正する状態を示す図である。 上記実施形態に係る第1把持装置の上枝部を中心軸に向かって10°左側に矯正する状態を示す図である。 上記実施形態に係る第2把持装置の上枝部を中心軸に向かって10°左側に矯正する状態を示す図である。 上記実施形態に係るコイル要素が回動する前後の状態を示す図である。 上記実施形態に係る集合体が形成される状態を示す図である。 上記実施形態に係るコイル要素挿入工程の動作を示すフローチャートである。 上記実施形態に係る押下部材を下降させる状態を示す図である。 上記実施形態に係るピンを突出させる状態を示す図である。 上記実施形態に係る複数の把持装置でのコイル要素の把持を同時に解除する状態を示す図である。 上記実施形態に係る複数の把持装置を外径方向に後退させる状態を示す図である。 上記実施形態に係る集合体の各コイル要素の脚部をステータコアの各スロットに挿入する状態を示す図である。 上記実施形態に係るガイド板並びに一対の第1拡開板および第2拡開板の動作を説明するための図である。 上記実施形態に係るガイド板並びに一対の第1拡開板および第2拡開板の動作を説明するための図である。 上記実施形態に係るステータコアを下降させる状態を示す図である。 上記実施形態に係る誘導部を外径側に退避させる状態を示す図である。 上記実施形態に係るピンを内径方向に引込める状態を示す図である。 上記実施形態に係る集合体における各コイル要素の脚部をステータコアの各スロットに完全に挿入する状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
<ステータ製造装置の構成>
図1は、本実施形態に係るステータ製造装置1を示す正面図である。図2は、本実施形態に係るステータ製造装置1を示す側面図である。図3は、本実施形態に係るステータ製造装置1を示す上面図である。
ステータ製造装置1は、ステータコア搬送装置10と、コイル要素整列装置20と、コイル要素挿入装置30と、を含んで構成される。
ステータ製造装置1は、線状の電気導体から略U字状のコイル要素40を装置背面で成形し、成形された複数のコイル要素40をコイル要素整列装置20で円環状に配置し、円環状に配置した複数のコイル要素40をコイル要素整列装置20で円環状の径を縮径する方向に移動させることで集合させて集合体50を形成し、形成された集合体50における各コイル要素40の脚部41をコイル要素挿入装置30でステータコア60の各スロット61に挿入してステータを製造する。
ここで、電気導体としてのコイル要素40としては、回転電機のステータコア60の各スロット61にそれぞれ挿入され、互いの端部が接続されることでステータコイルを形成する回転電機用のコイル要素40が用いられる。
また、ステータコア60は、複数のスロット61を円環状に並べて有する。スロット61内には、内壁に張り付いて絶縁紙62が配設される。絶縁紙62は、コイル要素40とステータコア60との接触を回避させる。
ステータ製造装置1は、基台100上にステータコア搬送装置10を配置し、ステータコア搬送装置10の上方にコイル要素整列装置20を配置し、コイル要素整列装置20の中心部にコイル要素挿入装置30を配置してある。
基台100は、複数の柱状の基台脚部101と、これらの基台脚部101により支持された矩形の平板部102と、を有する。平板部102は、作業者の腰の高さに位置する。
次に、各装置を説明する。
<ステータコア搬送装置10の構成>
ステータコア搬送装置10は、ステータコア60の固定された治具70を、ステータ製造装置1の中央に設けられたコイル要素挿入装置30まで搬送するものである。
ステータコア搬送装置10は、水平方向搬送機構110と、昇降機構120と、を有する。
水平方向搬送機構110は、基台100の平板部102上でステータ製造装置1の正面左側端部からコイル要素挿入装置30の位置する中央までの範囲に延設される。
水平方向搬送機構110は、基台100の平板部102上でステータ製造装置1の正面左側端部からコイル要素挿入装置30の位置する中央まで敷設されたスライドレール111と、中央に矩形の孔を有しかつステータコア60の固定された治具70を載置してスライドレール111に係合して移動する搬送台112と、搬送台112をスライドレール111に係合させて水平方向に移動させるボールネジ機構113と、スライドレール111よりもステータ製造装置1の正面右側に配置されてボールネジ機構113を回転させるサーボモータ114と、を有する。
水平方向搬送機構110は、ステータ製造装置1の正面左側端部で、作業者が搬送台112上にステータコア60の固定された治具70を載置した後に、サーボモータ114に駆動された搬送台112をスライドレール111に係合させてステータ製造装置1の中央まで搬送する。また、水平方向搬送機構110は、治具70に固定されたままのステータコア60に複数のコイル要素40が挿入された後に、その治具70の載置された搬送台112をステータ製造装置1の中央から正面左側端部まで搬送する。
ここで、ステータコア60を固定する治具70は、ステータコア60を、縦穴を有する支持壁71で持ち上げた状態に保持する。これにより、治具70に固定されたステータコア60は、集合体50における各コイル要素40の脚部41が各スロット61に挿入されたときに、脚部41の先端を治具70に干渉させずに脚部を縦穴内に吊り下げた状態に維持できる。
昇降機構120は、ステータ製造装置1の中央で基台の平板部102の上下方向に延設される。
昇降機構120は、搬送台112に形成された孔の4隅に挿通されステータコア60の固定された治具70を、水平方向搬送機構110の搬送台112から上方へ押し出す4つのロッド121と、基台100の平板部102の下方で4つのロッド121の下端を固定する固定板122と、固定板122を上下方向に移動させるボールネジ機構123と、ボールネジ機構123を回転させるサーボモータ124と、を有する。
昇降機構120は、水平方向搬送機構110によってステータ製造装置1の中央に搬送された搬送台112上のステータコア60の固定された治具70を、サーボモータ124によって駆動されたボールネジ機構123の移動に応じて4つのロッド121でステータ製造装置1の中央に設けられたコイル要素挿入装置30まで上方に持ち上げる。また、昇降機構120は、4つのロッド121を下降させることで複数のコイル要素40が挿入されたステータコア60の固定された治具70を搬送台112に載置する。
<コイル要素整列装置20の構成>
コイル要素整列装置20は、複数のコイル要素40を円周方向に並ばせて中心軸C1に対して円環状に配置し、その後に円環状の径を縮径する方向に複数のコイル要素40を移動させることで集合させて集合体50を形成するものである。
コイル要素整列装置20は、2台のロボットアーム210a,210bと、回転テーブル220と、複数の把持装置230と、2つのスイッチ装置240と、を備える。さらに、コイル要素整列装置20は、4つの駆動機構250と、テーブル駆動装置260と、を備える。
図2、図3に示すように、2台のロボットアーム210a,210bは、ステータ製造装置1の背面側に配置された多関節アームであり、先端にコイル要素40を把持するハンド211を有する。
2台のロボットアーム210a,210bは、それぞれコイル要素40を把持する。
ここで、コイル要素40は、4本の直線状のコイル用平角線材から形成されたS字形状部の略中央部を捻りながら屈曲させることで、S字形状部を略頂点部分をターン部42に設けターン部42の両端に直線状の脚部41が設けられた山形形状に成形された略U字状のコイル要素である。コイル要素40は、ステータ製造装置1の背後に設置された2台のコイル成形装置270a,270bでそれぞれ成形される。
2台のロボットアーム210a,210bは、コイル要素40を2台のコイル成形装置270a,270bからそれぞれ把持し、回転テーブル220上の2箇所の配置ポイントP1,P2にそれぞれ供給・配置する。
回転テーブル220は、円環状に配置された複数の把持装置230を一体的に回転させる。
回転テーブル220は、中央に円孔221を有する円板状である。
回転テーブル220の中央にある円孔221は、ステータコア60の径に対応して、例えばステータコア60の径よりも若干大きな径に設定される。円孔221の下方には、ステータコア60が設置されるとともに、コイル要素整列装置20によって整列された複数のコイル要素40を集合させた集合体50における各コイル要素40の脚部41をステータコア60の各スロット61に挿入するためのコイル要素挿入装置30が配置される。これにより、コイル要素整列装置20で円環状に整列した集合体50における各コイル要素40の脚部41を、コイル要素挿入装置30によりステータコア60の各スロット61に挿入する。
図4は、本実施形態に係る複数の把持装置230を示す図である。
複数の把持装置230は、2台のロボットアーム210a,210bによって配置された各コイル要素40の一方の脚部41の下部を保持する。図4(A)に示すように、複数の把持装置230は、回転テーブル220上に円環状に配置される。より詳しくは、複数の把持装置230は、回転テーブル220上に放射状に延設されたスライドレール222にそれぞれ係合され、4つの駆動機構250(図3参照)の駆動力により径方向に移動可能である。
図4(B)に示すように、複数の把持装置230は、隣接する把持装置230の高さが円環の中心軸C1の軸線方向(高さ方向)に交互にずれて配置される。より詳しくは、スライドレール222によって複数の把持装置230が内径方向に前進して集合したときに、把持装置230同士が干渉しないように、中心軸C1の軸線方向に交互にずれて配置される。図4(B)では、図示右側に第1把持装置230aが示され、図示左側に第2把持装置230bが示される。
複数の把持装置230は、駆動機構250から駆動力を受けて移動する中心軸C1の軸線方向の高さが異なる2種類の第1把持装置230aと、第2把持装置230bと、から構成される。
第1把持装置230aの高さが高く、第2把持装置230bの高さが第1把持装置230aよりも低く、これら第1把持装置230aおよび第2把持装置230bが円周方向に交互に並んで配置される。
図3に示すように、第1把持装置230aは、ステータ製造装置1の正面右側の配置ポイントP1にて第1ロボットアーム210aからコイル要素40を受け取る。第2把持装置230bは、ステータ製造装置1の正面左側の配置ポイントP2にて第2ロボットアーム210bからコイル要素40を受け取る。
図4(A)に示すように複数の把持装置230は、隣接する把持装置230同士がリンク機構270で結合される。このリンク機構270により、第1把持装置230aに隣接する第2把持装置230bが第1把持装置230aに結合され、この第1把持装置230aに結合された第2把持装置230bが隣接する第1把持装置230aに結合される。このようにして隣接する複数の把持装置230同士が順次結合されることで、駆動機構250の駆動に従動する。
図5は、本実施形態に係る第1把持装置230aを示す図であり、図5(A)が一部透過上面図であり、図5(B)が一部透過側面図である。また、図6は、本実施形態に係る第2把持装置230bを示す図であり、図6(A)が一部透過上面図であり、図6(B)が一部透過側面図である。
ここで、複数の把持装置230を構成する第1把持装置230aおよび第2把持装置230bは、同一の基本構成であり、中心軸C1の軸線方向の高さが異なるだけの違いでしかない。このため、図5を参照して第1把持装置230aを例に挙げて説明し、図5に示す第2把持装置230bについては同一符合を付して説明を省略する。
図5に示すように、第1把持装置230aは、リンク機構270に取り付けられる本体231と、本体231の先端側に取り付けられる一対の爪232g1,232g2が設けられた上枝部232と、を有する。
本体231は、断面矩形の棒状部材であり、底面にスライドレール222に係合する凹部形状で径方向に並んだ2つのスライドガイド231aと、基端側上面に設けられて把持装置230aの重量バランスを整合する重量部231bと、重量部231bの上端部に設けられたローラ231cと、重量部231bよりも先端側に隣接したバネ用ポスト231dと、先端側上面から上方に向けて延出された円環状の中心軸C1と平行な回動軸231eと、バネ用ポスト231dと回動軸231eとの間に配置されて上枝部232の可動範囲を規定するブッシュ231fと、が設けられる。
バネ用ポスト231dは、中心軸C1に向かって左側かつ先端方向に延出してバネ233を固定する固定片231d1を有する。
上枝部232は、回動軸231eの上端に取り付けられ、先端側に延在する。上枝部232は、基端側に配置されたバネ用ポスト232aと、下面にブッシュ231fが遊嵌するブッシュ231fの径よりも大きい穴232bと、先端側下面で上下方向にスライド自在に下方に延出されて把持装置230aの移動径路上に位置するピン232cと、基端側上面で回動自在に保持された鈍角に折れたレバー232dと、レバー232dの先端側の上面に径方向に進退可能に保持されたL字部材232eと、L字部材232eを基端側に付勢するバネ232fと、一対の爪232g1,232g2と、が設けられる。
本体231と上枝部232との間には、バネ233が介装される。バネ233は、上枝部232のバネ用ポスト232aと本体231のバネ用ポスト231dとの間に保持されることで、把持したコイル要素40を円環状の中心軸C1と平行な回動軸231eを中心に所定角度回動する方向とは反対方向に付勢するように、上枝部232を中心軸C1に向かって右側に付勢する。これにより、上枝部232が円環状の中心軸C1と平行な回動軸231eを中心に中心軸C1に向かって10°右に傾く(図24参照)。
ピン232cは、上下方向にスライド自在な軸部232c1と、軸部232c1の外周を囲い上枝部232に上端が固定されるホルダ232c2と、軸部232c1を下方に付勢する図示しないバネと、から構成される。
レバー232dは、鈍角に折れ曲がった中央部232d1で上枝部232の円周方向に離間して設けられた2つの突出片に固定された軸を介して上枝部232に取り付けられる。レバー232dは、基端部232d2と先端部232d3に回転自在なローラをそれぞれ有する。レバー232dは、中央部232d1よりも先端部232d3を上昇させると先端部232d3が基端側に後退し、中央部232d1よりも先端部232d3を下降させると先端部232d3が先端側に前進する。
L字部材232eは、上枝部232の上面に配置されて上枝部232に沿って径方向に移動する本片232e1と、本片232e1の基端部で上方に突出してスイッチ装置240から伝達されたレバー232dの作用を受けて本片232e1を移動させる短片232e2と、から構成される。本片232e1には、上枝部232に固定されたボルトを挿通して本片232e1の径方向の可動範囲を規定する2つの孔を有する。本片232e1の2つの孔の間には、下方に突出して上枝部232の凹部内に配置されるバネ用ポストが設けられる。これにより、バネ232fがバネ用ポストを基端側に引っ張ってL字部材232eが基端側に付勢される。本片232e1の先端部の下面には、基端側から先端側に中心軸C1に向かって右に傾斜した長穴232hを有する。
一対の爪232g1,232g2は、上枝部232に一体化された固定爪232g1と、上枝部232から分離した可動爪232g2と、から構成される。可動爪232g2は、上枝部232の先端で可動爪232g2よりも一回り大きい形状に切り欠かれた凹部内に配置される。固定爪232g1と可動爪232g2とは、円周方向かつ水平方向に延在する2つの軸を固定爪232g1および可動爪232g2の円周方向かつ水平方向に延設された孔に配置することで、連結される。可動爪232g2には、L字部材232eの長穴232h内に配置されて移動可能な断面円形の突起232iが設けられる。
可動爪232g2は、レバー232dの先端部232d3が上昇してL字部材232eがバネ232fによって基端側に付勢されると、L字部材232eの長穴232hが基端側に移動して可動爪232g2の突起232iが長穴232hの中心軸C1に向かって右に寄った先端側に配置される。これにより、可動爪232g2が長穴232hの左壁面に押圧されて一対の爪232g1,232g2のチャック機構が挟持状態となり、コイル要素40の一方の脚部41が挟持できる。このとき、把持装置230は、レバー232dが中央部232d1よりも先端部232d3を上昇させた状態でL字部材232eの短片232e2に固定されるため、チャック機構の挟持状態を維持できる。
一方、可動爪232g2は、レバー232dの先端部232d3が下降してL字部材232eがバネ232fに抗して先端側に移動すると、L字部材232eの長穴232hが先端側に移動して可動爪232g2の突起232iが長穴232hの中心軸C1に向かって左に寄った基端側に配置される。これにより、可動爪232g2が長穴232hの右壁面に押圧されて一対の爪232g1,232g2のチャック機構が開放状態となり、コイル要素40の一方の脚部41が解放できる。このとき、把持装置230aは、レバー232dが中央部232d1よりも先端部232d3を下降させた状態でL字部材232eの短片232e2に固定されるため、チャック機構の開放状態を維持できる。
図4(A)に示すように、リンク機構270は、棒状の板状部材271と、ボルト272と、で構成される。リンク機構27057では、2つの板状部材271の一端が把持装置230の後端に回動可能に接続される。また、板状部材271の他端がボルト272よりも一回り大きい孔を有する。この孔にボルト272の軸部が挿通され、板状部材271の孔とボルト272の頭部との間に隙間が確保された状態で、ボルト272が隣接する把持装置230に接続された板状部材271の孔にも挿通される。これにより、複数の板状部材271がギザギザ状に連結されて円環状に一回りしたリンク機構270が構成される。
このため、複数の把持装置230は、4つの駆動機構250の駆動力をそれぞれ受けた4つの把持装置230の径方向への移動に従動し、リンク機構270を介して径方向へ移動可能である。より詳細には、4つの駆動機構250が外径方向に駆動力を受ける把持装置230を移動させる場合には、リンク機構270の板状部材271が円周方向に傾き、複数の把持装置230が外径方向に移動する。また、4つの駆動機構250が内径方向に駆動力を受ける把持装置230を移動させる場合には、板状部材271が径方向に傾き、複数の把持装置230が内径方向に移動する。これにより、リンク機構270は、連結状態を維持したまま、複数の把持装置230に4つの駆動機構250の駆動力を伝達する。
図7は、本実施形態に係る回転テーブル220の上面状態を示す図である。
回転テーブル220の上面には、複数のスライドレール222と、複数の矯正溝223と、が形成される。
複数のスライドレール222は、回転テーブル220の上面に複数の把持装置230の数と同数敷設され、径方向に放射状に延在する。ここで、図5(B)に示すように、第1把持装置230aのスライドレール222に係合する2つのスライドガイド231aは、互いが離間する。一方、図6(B)に示すように、第2把持装置230bのスライドレール222に係合する2つのスライドガイド231aは、互いが隣接する。これにより、複数の把持装置230を内径方向に移動させた場合に、隣接する把持装置230のスライドガイド231a同士が干渉せず、複数の把持装置230を密に集合させることが可能である(図27参照)。
複数の矯正溝223は、回転テーブル220の上面に複数のスライドレール222それぞれの内径側に形成され、複数の把持装置230が内径方向に集合する手前で把持装置230の上枝部232のピン232cがガイドされるものである。すなわち、複数の矯正溝223は、複数の把持装置230が内径方向に集合する場合に隣接する把持装置230同士の干渉が生じない位置で上枝部232を中心軸C1に向かって10°左側に矯正する。複数の矯正溝223は、複数のスライドレール222と同数円周方向に並び、円環状に形成される。
図8は、本実施形態に係る矯正溝223を外径側から見た斜視図である。
矯正溝223は、スライドレール222の中心軸C1に向かう延長線上に形成されて中心軸C1に向かって上昇して中心軸C1側程幅が狭まる傾斜面223aと、傾斜面223aに対して中心軸C1に向かって右側の側壁であって中心軸C1に向かいつつ径方向に対して傾斜して中心軸C1側程傾斜面223aの幅を狭め、把持装置230の上枝部232を中心軸C1に向かって10°左側に矯正する規制壁面223bと、傾斜面223aに対して中心軸C1に向かって左側に形成されて傾斜面223aの最も低い位置と同じ高さで規制壁面223bよりも中心軸C1側まで形成された等幅の底面223cと、から構成される。
ここで、底面223cに対して中心軸C1に向かって左側には、中心軸C1に向かって左側に位置する他の矯正溝223の規制壁面223bを構成する盛り上がった盛部223dが設けられる。
底面223cは、集合した複数の把持装置230を外径方向に後退させてバネ233の付勢が盛り上がって傾斜した傾斜面223aの規制から解放されて上枝部232が中心軸C1に向かって10°右側に付勢されるときに、隣接する把持装置230同士の干渉が生じない径方向長さを有する。
このような複数の矯正溝223を設けることで、複数の把持装置230がより内径方向に集合し易くなり、コイル要素整列装置20の小型化が図れる。
図2に示すように、2つのスイッチ装置240は、把持装置230のレバー232dの基端部232d2を押下するものである。
スイッチ装置240は、把持装置230と別体であり、押下部材241と、駆動部242と、支持フレーム243と、を有する。押下部材241は、回転テーブル220から上方に離間し、2台のロボットアーム210a,210bがコイル要素40を配置する2箇所の配置ポイントP1,P2付近であって、当該コイル要素40を把持する第1把持装置230aおよび第2把持装置230bのレバー232dの基端部232d2の直上に配置される。駆動部242は、図示しないピストンを用いて押下部材241を下降させる。支持フレーム243は、押下部材241を上下方向にスライド可能に支持するとともに、押下部材241を上位置に保持するよう上方に付勢するバネを有する。
2つのスイッチ装置240は、2台のロボットアーム210a,210bがコイル要素40を2台のコイル成形装置270a,270bからそれぞれ把持して回転テーブル220上の2箇所の配置ポイントP1,P2に配置すると、コイル要素40を第1把持装置230aおよび第2把持装置230bのそれぞれが把持するように第1把持装置230aおよび第2把持装置230bのレバー232dの基端部232d2を押下する。これにより、2つのスイッチ装置240は、レバー232dおよびレバー232dに従動してL字部材232eを操作し、配置ポイントP1,P2に位置する第1把持装置230aおよび第2把持装置230bがコイル要素40を把持する。
スイッチ装置240は、把持装置230とは別体であり、かつ、L字部材232eを操作するため、把持装置230が個別に駆動源を有さずにコイル要素40を把持できる。このため、把持装置230が安価で簡易な小型の構成になる。
4つの駆動機構250は、複数の把持装置230に対して駆動力を付与するものである。
図3に示すように、4つの駆動機構250は、回転テーブル220の外側であって基台100の平板部102上に設けられた支持テーブル103の四隅に配置される。
図9は、本実施形態に係る駆動機構250を示す側面図である。
図9に示すように、駆動機構250は、支持台251と、支持台251に支持されたボールネジ機構252と、ボールネジ機構252を駆動するサーボモータ253と、ボールネジ機構252に並列されたスライドレール254と、ボールネジ機構252およびスライドレール254に取り付けられたプレート255と、を有する。
プレート255は、下方に向かって凹む凹部256を有する。凹部256は、凹みを円周方向に連続させ両端で開放される。凹部256は、後退した把持装置230の重量部231bの上端部に設けられたローラ231cに嵌合することで、把持装置230と駆動機構250とが連結される。これにより、駆動機構250の駆動力が、複数の把持装置230に伝達される。このように駆動機構250は、径方向の直線動作のみを実施する。
図10は、本実施形態に係るテーブル駆動装置260を示す図である。
図10に示すように、テーブル駆動装置260は、回転テーブル220の下面に設置される。回転テーブル220は、下面に複数の把持装置230の数に合わせて円周方向に刻まれた歯224を有する。テーブル駆動装置260は、回転テーブル220の下面の複数の歯224に噛合する歯を有するギア機構261と、このギア機構261を駆動するサーボモータ262と、を有する。
テーブル駆動装置260は、2台のロボットアーム210a,210bから第1把持装置230aおよび第2把持装置230bへのコイル要素40の受け渡しが完了すると、サーボモータ262を駆動して回転テーブル220の下面の歯224を2つだけずらす。これにより、回転テーブル220の2箇所の配置ポイントP1,P2に、コイル要素40の把持が完了した第1把持装置230aおよび第2把持装置230bのそれぞれから1つ空けた未だコイル要素40を把持しない同種の把持装置230a,230bを配置する。
このように2箇所の配置ポイントP1,P2は、一方が第1把持装置230aにコイル要素40を把持させるものであり、他方が第2把持装置230bにコイル要素40を把持させるものである。
ここで、サーボモータ262を駆動して回転テーブル220の下面の歯224を1つずらす度に、4つの駆動機構250のプレート255の凹部256に嵌合したローラ231cが、回転テーブル220の回転に伴う把持装置230の円周方向の移動に合わせて凹部256から円周方向に移動し、ローラ231cと凹部256との嵌合が解除される。そして、このローラ231cを有する把持装置230が4つの駆動機構250から移動する。
さらに、これら4つの駆動機構250から移動する把持装置230に隣接する把持装置230が4つの駆動機構250に移動する。そして、4つの駆動機構250に移動する把持装置230のローラ231cが、回転テーブル220の回転に伴う把持装置230の円周方向の移動に合わせて凹部256に円周方向から入り込み、ローラ231cと凹部256とが嵌合する。
<コイル要素挿入装置の構成>
コイル要素挿入装置30は、集合体50における各コイル要素40の脚部41をステータコア60の各スロット61に挿入するものである。
図11は、本実施形態に係るコイル要素挿入装置30を示す正面図である。
コイル要素挿入装置30は、コイル要素押下機構310と、ピン突出機構320と、レバー押下機構330と、誘導装置340と、を有する。さらに、コイル要素挿入装置30は、コイル要素押下機構用シリンダ機構350と、2つのレバー押下機構用シリンダ機構360と、4つのレバー押下機構用ガイド機構370と、を有する。
コイル要素押下機構310は、コイル要素整列装置20によって複数のコイル要素40を集合させた集合体50を、ステータコア60の位置する下方へ押し下げるものである。
コイル要素押下機構310は、押下部材311と、押下部材311の上面に固定された下円環部312と、下円環部312の上面に上方に延設された複数の支持柱313と、複数の支持柱313の上端に接続された上円板部314と、上円板部314に挿通され押下部材を内周側からガイドするガイド柱315と、を有する。
押下部材311は、集合体50の径と同径を含む円環状であり、下面の外周側で下方に突出して集合体50における各コイル要素40のターン部42の外周側を外径側から支持する環状突起311aを有する。
コイル要素押下機構310は、コイル要素押下機構用シリンダ機構350に接続される。
コイル要素押下機構用シリンダ機構350は、ステータ製造装置1の中央に配置された円筒状のシリンダ351と、シリンダ351内を往復動可能に設けられた図示しないピストンと、ピストンに接続されたロッド352と、ロッド352の先端に設けられた円板部353と、を有する。
円板部353は、下面をコイル要素押下機構310の上円板部314の上面に接続される。
コイル要素押下機構310は、コイル要素整列装置20によって複数のコイル要素40を集合させて集合体50を形成した後に、コイル要素押下機構用シリンダ機構350のピストンを駆動してロッド352を下方へ移動させ、押下部材311を下降させる。これにより、下降する押下部材311の下面は、集合体50における各コイル要素40のターン部42に接触して集合体50を押し下げる。
図12は、本実施形態に係るピン突出機構320を示す上面図である。
ピン突出機構320は、コイル要素押下機構310で押し下げる集合体50を、複数の把持装置230が把持を解除した後に落下を防止するものである。
ピン突出機構320は、集合体50の径よりも小径となる円板状のピン突出部321と、ピン突出部321から中心に対して90°ごとに離間して突没可能な4つのピン322と、ピン突出部321の上面からコイル要素押下機構310の上円板部314まで上方に延設された複数の支持柱323と、複数の支持柱323の途中に設けられてコイル要素押下機構310のガイド柱315に外周をガイドさせるガイド部材324と、を有する。
4つのピン322は、外径方向に突出すると集合体50における所定のコイル要素40におけるターン部42の下側に当接し、ターン部42を押下部材311とで挟み込み、ターン部42の形状を利用して下側から支持して集合体50を支持可能である。
ピン突出部321は、ピン322が集合体50における所定のコイル要素40におけるターン部42の下側に当接する所定のタイミングで突出するようコイル要素押下機構310の押下部材311と相対距離を調整され、押下部材311の下面に対して集合体50におけるコイル要素40のターン部42の縦幅に合せて低く配置される。
ピン突出機構320は、コイル要素押下機構310によって集合体50を押し下げる場合に、下降するピン突出部321から所定のタイミングで4つのピン322を外径方向に同時に突出する。これにより、4つのピン322は、集合体50における複数のコイル要素40の脚部41の間に入り込み、所定のコイル要素40のターン部42の下側に当接し、集合体50を下から支持する。
レバー押下機構330は、複数の把持装置230のレバー232dの先端部232d3を同時に押下し、複数の把持装置230のコイル要素40の把持を同時に解除するものである。
レバー押下機構330は、複数の押下ピン331と、下面に複数の押下ピン331を下方に向けた状態で支持する円環部332と、を有する。
複数の押下ピン331は、円環部332の下面に複数の把持装置230の数と同数設けられ、回転テーブル220上の内周側に集合して位置する複数の把持装置230のレバー232dの先端部232d3の直上に円周方向に並んで配置される。
複数の押下ピン331は、第1把持装置230aのレバー232dの先端部232d3を押下する押下ピンが円環部332から短く、第2把持装置230bのレバー232dの先端部232d3を押下する押下ピン331が円環部332から長く、これら複数の押下ピン331が交互に円周方向に並ぶ。押下ピン331は、レバー232dの先端部232d3を押下時に各把持装置230のL字部材232eの短片232e2に衝突しないように内径側壁を短片232e2の平面に合わせて平坦に構成される。
レバー押下機構330は、2つのレバー押下機構用シリンダ機構360および4つのレバー押下機構用ガイド機構370に接続される。
2つのレバー押下機構用シリンダ機構360は、ステータ製造装置1の正面に対して左右にそれぞれ1つ配置される。
レバー押下機構用シリンダ機構360は、円筒状のシリンダ361と、シリンダ361内を往復動可能に設けられた図示しないピストンと、ピストンに接続されたロッド362と、ロッド362の先端に設けられた押圧部363と、を有する。
4つのレバー押下機構用ガイド機構370は、2つのレバー押下機構用シリンダ機構360よりも中心側であって、ステータ製造装置1の両側面においてレバー押下機構用シリンダ機構360を挟むように配置される。このように4つのレバー押下機構用ガイド機構370を配置することで、2つのレバー押下機構用シリンダ機構360からの駆動力で円環部332ががたつかず、複数の押下ピン331が複数の把持装置230のレバー232dの先端部232d3を同時に押下げられるように設定される。
レバー押下機構用ガイド機構370は、円筒状のホルダ371と、ホルダ371内を往復動可能に設けられたロッド372と、ロッド372の上端に設けられたクッション373と、を有する。
2つのレバー押下機構用シリンダ機構360の押圧部363と4つのレバー押下機構用ガイド機構370のロッド372とは、レバー押下機構330の円環部332の上面に接続される。
レバー押下機構330は、ピン突出機構320によってピン322を突出させて集合体50をピン322で支持した後に、レバー押下機構用シリンダ機構360のピストンを駆動してロッド362を下方へ移動させ、下降する複数の押下ピン331で複数の把持装置230のレバー232dの先端部232d3を同時に押下する。これにより、複数の把持装置230は、コイル要素40の把持を同時に解除する。
図13は、本実施形態に係る誘導装置340を示す斜視図である。
誘導装置340は、コイル要素押下機構310によって押し下げられる集合体50における各コイル要素40の脚部41をステータコア60の各スロット61に挿入するものである。誘導装置340は、回転テーブル220の内径側および回転テーブル220の下方に連続して配置される。
誘導装置340は、支持部341と、内周ガイド342と、ガイド板343と、スライド機構344と、誘導部345と、一対の第1拡開板346と、第2拡開板347と、円弧状ガイド348と、を備える。
支持部341は、円環状のフレームからなり、誘導部345を支持するスライド機構344を支持する。
図11に示すように、内周ガイド342は、ガイド柱315から下方に延設され、ピン322を上下方向に挿通したまま移動可能にするスリット342aを有して支持部341の中心部に円筒状に形成される。内周ガイド342の下端は、ステータコア搬送装置10の昇降機構120によって上昇させたステータコア60を当接させて固定するストッパーを兼ねる。内周ガイド342の外周には、円環状に整列された複数のコイル要素40を集合させた集合体50が当接する。
図13に示すように、ガイド板343は、内周ガイド342の外周に設けられ、一対の第1拡開板346および第2拡開板347とともにステータコア搬送装置10の昇降機構120によって上昇させたステータコア60の各スロット61に差し込まれる。
ガイド板343は、内周ガイド342の下部に形成された傾斜面(下方ほど外径方向に傾斜する面)に接続される。これにより、ガイド板343は、内周ガイド342の下端よりも下方に斜行して延出される。ガイド板343は、スロット61の内側短辺に対応して設けられる。
図1、図2に示すように、スライド機構344は、4分割された誘導部345を構成する円周方向に複数に分割された分割誘導部のそれぞれを、径方向に移動させるものである。
スライド機構344は、4つのシリンダ機構と、複数の分割誘導部ごとに設けられた2つのスライドピンと、これらスライドピンの基端(径方向外側端)を連結する連結部と、連結部の下面側に設けられて隣接する連結部同士を結合するリンク機構と、を有する。
4つのシリンダ機構は、円周方向に等間隔で配置される。
シリンダ機構は、支持部に支持された円筒状のシリンダと、シリンダ内を往復動可能に設けられたピストンと、ピストンに接続されたロッドと、ロッドの先端に設けられて連結部に接続する接続部と、を有する。シリンダ機構の駆動力は、接続部、連結部およびリンク機構を介して2つのスライドピンに伝達される。
2つのスライドピンは、複数の分割誘導部ごとに設けられ、その先端が各分割誘導部に接続される。スライドピンが上下に並んで設けられる。これらスライドピンは、いずれも基端(径方向外側端)同士が連結部で連結される。2つのスライドピンは、シリンダ機構の駆動力を受けて径方向にスライドすることで、各分割誘導部を径方向に移動させる。
より詳しくは、スライド機構344の中心軸C1に向かう駆動力を受けるときには、各スライドピンは内径方向にスライドする。これにより、各分割誘導部は、内径方向に前進して集合する。
また、スライド機構344の外径方向に向かう駆動力を受けるときには、各スライドピンはバネの付勢力に抗して外径方向にスライドする。これにより、各分割誘導部は、外径方向に後退して離散する。
スライド機構344によって誘導部345が水平方向における内外径方向にのみスライド自在であることで、誘導部345の構成が簡略化される。
誘導部345は、コイル要素押下機構310によって下降する集合体50における各コイル要素40の脚部41を、ステータコア60の各スロット61に誘導するものである。
誘導部345は、円環状に設けられ、円周方向に4つに分割される。誘導部345には、分割誘導部の位置をスライド機構344の位置から上方にずらす支持部が設けられる。
図14は、本実施形態に係る誘導部345、一対の第1拡開板346および第2拡開板347を示す斜視図である。
誘導部345は、先端側(内径方向)に、挿入方向(下方)とは逆方向に拡開するテーパ構造345aを有する。
また、誘導部345のテーパ構造345aの下方には、テーパ構造345aごとに、一対の第1拡開板346と、第2拡開板347と、が設けられる。一対の第1拡開板346は、ステータコア60の断面矩形状のスロット61の長辺に対応して設けられる。また、第2拡開板347は、スロット61の外側短辺に対応して設けられる。
誘導部345のテーパ構造345aは、分割誘導部の先端面345bから突出した断面矢印状の突出部345cが隣接することで形成される。より詳しくは、突出部345cの上部側面345c1,345c2は、下方に向かうに従い互いに離隔するように斜行し、互いに隣接する突出部345cの上部側面345c1,345c2により、テーパ構造345aが形成される。
一対の第1拡開板346および第2拡開板347は、誘導部345の先端から挿入方向(下方)に延出される。ここで、突出部345cの下部側面345d1,345d2は、下方に向かうに従い互いに離隔するように斜行するため、互いに隣接する突出部345cの下部側面345d1,345d2により、突出部345cの下部においても、挿入方向(下方)とは逆方向に拡開するテーパ構造が形成される。
一対の第1拡開板346は、突出部345cの下部側面345d1,345d2に接続されて、これら下部側面345d1,345d2に沿って下方に延出する。すなわち、一対の第1拡開板346は、下端側(下方)に向かうに従い互いに近接するように、それぞれ挿入方向に対して斜行して延出される。
同様に、第2拡開板347も、下端側(下方)に向かうに従いスロット中心に近接するように、挿入方向に対して斜行して延出される。第2拡開板347は、誘導部345の先端面下部に形成された傾斜面(下方ほど内径方向に傾斜する面)に接続される。図13に示すように、第2拡開板347は、内周ガイド342のガイド板343と対になって、下端側(下方)に向かうに従い互いに近接する。
また、これらガイド板343および拡開板346,347は、撓むことで、その下端側が拡開可能に形成される。互いの間隔は、下端側ではステータコア60の各スロット61内に配設された絶縁紙62の幅よりも狭く形成され、上端側ではコイル要素40の脚部41の幅よりも広く形成される。
これらガイド板343および拡開板346,347は、ステータコア搬送装置10の昇降機構120によって上昇させたステータコア60を内周ガイド342の下端に当接させたときに、下端部をステータコア60の各スロット61に差し込める長さに形成される(図16参照)。
図1、図2に示すように、円弧状ガイド348は、誘導部345の支持部341の下側に4分割された誘導部345ごとに設けられる。円弧状ガイド348は、ステータコア60の固定された治具70をステータコア搬送装置10の昇降機構120が上昇させたときに、ピストンを駆動してロッドを内径方向に移動させ、円弧状ガイド348でステータコア60の外周に当接する。これにより、一対の第1拡開板346および第2拡開板347がステータコア60のスロット61に差し込めるように分割誘導部の位置が微調整される。
<ステータ製造装置1の動作>
次に、本実施形態に係るステータ製造装置1の動作について説明する。
図15は、本実施形態に係るステータ製造装置1の動作を示すフローチャートである。
図15に示すように、ステータ製造装置1は、ステータコア設置工程S1と、コイル要素配置工程S2と、コイル要素整列工程S3と、コイル要素挿入工程S4と、を実施する。
次に、各工程を説明する。
<ステータコア設置工程S1>
ステータコア設置工程S1では、ステータコア60の固定された治具70をステータ製造装置1の所定の位置に設置する。
始めに、作業者が、ステータコア60の固定された治具70を、ステータ製造装置1の正面左側端部で搬送台112に載置し、図示しない製造開始ボタンを押下する。
製造開始ボタンの押下後に、ステータ製造装置1が始動する。そして、ステータ製造装置1は、水平方向搬送機構110のサーボモータ114によってボールネジ機構113を駆動して搬送台112を水平方向に移動させる。これにより、ステータコア60の固定された治具70の載置された搬送台112がステータ製造装置1の正面左側端部から中央までスライドレール111上を移動する。
図16は、本実施形態に係るステータコア60を設置した状態を示す図である。
次に、ステータ製造装置1は、昇降機構120のサーボモータ124によってボールネジ機構123を駆動して4つのロッド121を上昇させる。これにより、ステータコア60の固定された治具70が4つのロッド121に押し上げられる。ステータコア60の固定された治具70を押し上げる4つのロッド121は、ステータコア60の上面を誘導装置340の内周ガイド342の下端に当接させた位置で停止する。
ここで、ステータコア60の固定された治具70を4つのロッド121で押し上げる途中で、ステータ製造装置1は、誘導装置340のシリンダ機構のピストンを駆動してロッドを内径方向に移動させ、円弧状ガイド348でステータコア60の外周に当接する。これにより、一対の第1拡開板346および第2拡開板347の位置が微調整され、ガイド板343と一対の第1拡開板346および第2拡開板347とが位置合わせされる。そして、誘導装置340のガイド板343並びに一対の第1拡開板346および第2拡開板347の下端部が、ステータコア60の絶縁紙62を配設されたスロット61に差し込まれる。
図13に示すように、ステータコア60のスロット61内に配設された絶縁紙62の挿入側(上側)の端部は、スロット61から若干はみ出す。このため、ステータコア60の固定された治具70を4つのロッド121で押し上げるとともに円弧状ガイド348がステータコア60の外周に当接することで、ガイド板343並びに一対の第1拡開板346および第2拡開板347の下端部は、ステータコア60のスロット61内に配設された絶縁紙62間に挿入された状態となる。
<コイル要素配置工程S2>
コイル要素配置工程S2では、複数のコイル要素40を円周方向に並ばせて円環状に配置する。
図17は、本実施形態に係るコイル要素配置工程S2の動作を示すフローチャートである。
図17に示すように、ステップS21において、ステータ製造装置1は、第1ロボットアーム210aにコイル要素40をコイル成形装置270aから把持させ、回転テーブル220上の配置ポイントP1に配置させる(図3参照)。
配置ポイントP1では、第1把持装置230aの一対の爪232g1,232g2の間の開放状態のチャック機構にコイル要素40を挿入する。
図18は、本実施形態に係る第1把持装置230aがコイル要素40を把持した状態を示す図である。
ステップS22において、ステータ製造装置1は、スイッチ装置240のピストンを駆動して押下部材241で配置ポイントP1に存在する第1把持装置230aのレバー232dの基端部232d2を押下する。これにより、図18(A),(B)に示すように、第1把持装置230aがコイル要素40を把持する。
より詳細には、スイッチ装置240の押下部材241が第1把持装置230aのレバー232dの基端部232d2を押下すると、レバー232dの先端部232d3が上昇してL字部材232eがバネ232fによって基端側に付勢される。これにより、L字部材232eの長穴232hが基端側に移動して可動爪232g2の突起232iが長穴232hの中心軸C1に向かって右に寄った先端側に配置される。そして、可動爪232g2が長穴232hの中心軸C1に向かって左壁面に押圧されて一対の爪232g1,232g2のチャック機構が挟持状態となり、コイル要素40の一方の脚部41が把持される。
また、スイッチ装置240の押下部材241は、レバー232dの基端部232d2を押下した後に、バネの付勢によって上方に退避する。押下部材241の退避後、第1把持装置230aは、レバー232dが中央部232d1よりも先端部232d3を上昇させた状態でL字部材232eの短片232e2に固定されるため、チャック機構が挟持状態に維持される。
このように、スイッチ装置240の作用を短片232e2で受けて本片232e1を移動させることで、本片232e1が固定爪232g1に沿って移動して可動爪232g2を動かす。このように、本片232e1の直線動作を一対の爪232g1,232g2の把持力に変換できる。このため、ステータ製造装置1は、単純な動作を繰り返すだけでコイル要素40を円環状に並べて配置できる。また、第1把持装置230aおよびスイッチ装置240が安価で簡易な小型の構成になる。
ステップS23において、ステータ製造装置1は、第2ロボットアーム210bにコイル要素40をコイル成形装置270bから把持させ、回転テーブル220上の配置ポイントP2に配置させる(図3参照)。
配置ポイントP2では、第2把持装置230bの一対の爪232g1,232g2の間の開放状態のチャック機構にコイル要素40を挿入する。
図19は、本実施形態に係る第2把持装置230bがコイル要素40を把持した状態を示す図である。
ステップS24において、ステータ製造装置1は、スイッチ装置240のピストンを駆動して押下部材241で配置ポイントP2に存在する第2把持装置230bのレバー232dの基端部232d2を押下する。これにより、図19(A),(B)に示すように、第2把持装置230bがコイル要素40を把持する。
より詳細には、スイッチ装置240の押下部材241が第2把持装置230bのレバー232dの基端部232d2を押下すると、レバー232dの先端部232d3が上昇してL字部材232eがバネ232fによって基端側に付勢される。これにより、L字部材232eの長穴232hが基端側に移動して可動爪232g2の突起232iが長穴232hの中心軸C1に向かって右に寄った先端側に配置される。そして、可動爪232g2が長穴232hの中心軸C1に向かって左壁面に押圧されて一対の爪232g1,232g2のチャック機構が挟持状態となり、コイル要素40の一方の脚部41が把持される。ここで、第2把持装置230bは、第1把持装置230aよりも中心軸C1の軸線方向の高さが低いため、コイル要素40の一方の脚部41のより下端部を把持する。
また、スイッチ装置240の押下部材241は、レバー232dの基端部232d2を押下した後に、バネの付勢によって上方に退避する。押下部材241の退避後、第2把持装置230bは、レバー232dが中央部232d1よりも先端部232d3を上昇させた状態でL字部材232eの短片232e2に固定されるため、チャック機構が挟持状態に維持される。
このように、スイッチ装置240の作用を短片232e2で受けて本片232e1を移動させることで、本片232e1が固定爪232g1に沿って移動して可動爪232g2を動かす。このように、本片232e1の直線動作を一対の爪232g1,232g2の把持力に変換できる。このため、ステータ製造装置1は、単純な動作を繰り返すだけでコイル要素40を円環状に並べて配置できる。また、第2把持装置230bおよびスイッチ装置240が安価で簡易な小型の構成になる。
ステップS24の処理後では、バネ233によって、複数の把持装置230それぞれがコイル要素40を円環状の中心軸C1と平行な回動軸231eを中心に中心軸C1に向かって10°右側に回動する前の状態となるように付勢される。このため、複数のコイル要素40それぞれが円環状の中心に向かって移動しながら、円環状の中心軸C1と平行な回動軸231eを中心に回動できる。
ステップS25において、ステータ製造装置1は、テーブル駆動装置260のサーボモータ262を駆動して回転テーブル220の下面の歯224を2つだけずらす。これにより、回転テーブル220の2箇所の配置ポイントP1,P2に、コイル要素40の把持が完了した第1把持装置230aおよび第2把持装置230bのそれぞれから1つ空けた未だコイル要素40を把持しない同種の把持装置230a,230bを配置する。
このとき、回転テーブル220の下面の歯224を1つずらす度に、回転テーブル220の2箇所の配置ポイントP1,P2とは異なる位置の、4つの駆動機構250のプレート255の凹部256に嵌合したローラ231cが、回転テーブル220の回転に伴う把持装置230の円周方向の移動に合わせて凹部256から円周方向に移動し、ローラ231cと凹部256との嵌合が解除される。そして、このローラ231cを有する把持装置230が4つの駆動機構250から移動する。
さらに、4つの駆動機構250から移動する把持装置230に隣接する把持装置230が4つの駆動機構250に移動する。そして、4つの駆動機構250に移動する把持装置230のローラ231cが、回転テーブル220の回転に伴う把持装置230の円周方向の移動に合わせて凹部256に円周方向から入り込み、ローラ231cと凹部256とが嵌合する。
ステップS26において、ステータ製造装置1は、回転テーブル220が1回転したか否か判定する。ステップS26で回転テーブル220が1回転したと肯定判定された場合には、複数のコイル要素40が円環状に配置されたため、コイル要素配置工程S2を終了する。ステップS26で回転テーブル220が未だ1回転しないと否定判定された場合には、ステップS21に移行する。
このように、コイル要素配置工程S2では、第1把持装置230aおよび第2把持装置230bにコイル要素40を把持させるステップS21〜S24と、複数の把持装置230を一体的に回転させて未だコイル要素40を把持しない他の把持装置230を、コイル要素40を把持する配置ポイントP1,P2に配置するステップS25と、を繰り返すことによって、複数のコイル要素40を円環状に配置する。
これにより、複数の把持装置230が円環状に並んだ回転テーブル220で把持装置230を回転させることで、ロボットアーム210a,210bでコイル要素40を同じ配置ポイントP1,P2に供給して把持装置230に把持させながら複数のコイル要素40を円環状に並べて配置できる。
したがって、安価で簡易な小型の構成によって、単純な動作を繰り返すだけで、複数のコイル要素40それぞれを複数の把持装置230それぞれで把持できる。
<コイル要素整列工程S3>
コイル要素整列工程S3では、複数のコイル要素40を集合させて集合体50を形成する。
図20は、本実施形態に係るコイル要素整列工程S3の動作を示すフローチャートである。図21は、本実施形態に係る複数のコイル要素40を集合させて集合体を形成する図である。
図20に示すように、ステップS31において、ステータ製造装置1は、4つの駆動機構250のサーボモータ253を駆動してスライドレール254に取り付けられたプレート255を内径方向に移動させる。これにより、複数の把持装置230に対して駆動力を付与し、複数の把持装置230を円環状の中心軸C1に向かって前進させる。これにより、円環状に配置された複数のコイル要素40は、図21(A)の状態から図21(B)の状態のように円環状の径を縮径される。
ステップS32において、ステータ製造装置1は、更に4つの駆動機構250のサーボモータ253を駆動してスライドレール254に取り付けられたプレート255を内径方向に移動させる。そのときに、複数の把持装置230が円環状の中心軸C1に向かって集合する手前で、把持装置230の上枝部232のピン232cを矯正溝223にガイドする。これにより、複数の把持装置230が円環状の中心軸C1に向かって前進しながら、複数の把持装置230の上枝部232が円環状の中心軸C1と平行な回動軸231eを中心に中心軸C1に向かって10°左側に矯正される。図21(C)に示すように、矯正された上枝部232は、把持するコイル要素40を円環状の中心軸C1と平行な回動軸231eを中心に中心軸C1に向かって10°左側に矯正して内周ガイド342に当接させる。
ピン232cが矯正溝223にガイドされ、コイル要素40を把持した上枝部232を回動させることで、複数のコイル要素40それぞれが円環状の中心に向かって移動しながら、円環状の中心軸C1と平行な回動軸231eを中心に回動する。
これにより、複数のコイル要素40が円環状の中心軸C1と平行な回動軸231eを中心に中心軸C1に向かって10°左側に回動したため、回動しない状態よりも複数のコイル要素40を配置した円環状の径がより小さくなり、かつ、隣接するコイル要素40同士の干渉が回避される。
したがって、複数のコイル要素40の一方の脚部41を把持して整列させるときに、整列直前で隣接するコイル要素40の脚部41同士が干渉しない。
図22は、本実施形態に係る第1把持装置230aの上枝部232を中心軸C1に向かって5°左側に矯正する状態を示す図である。図23は、本実施形態に係る第2把持装置230bの上枝部232を中心軸C1に向かって5°左側に矯正する状態を示す図である。
図22、図23に示すように、第1把持装置230aおよび第2把持装置230bの上枝部232のピン232cが矯正溝223にガイドされると、ピン232cが傾斜面223a上を乗り上がって行くとともに規制壁面223bによって中心軸C1に向かって左側に矯正される。
図24は、本実施形態に係る第1把持装置230aの上枝部232を中心軸C1に向かって10°左側に矯正する状態を示す図である。図25は、本実施形態に係る第2把持装置230bの上枝部232を中心軸C1に向かって10°左側に矯正する状態を示す図である。
図24、図25に示すように、ピン232cが矯正溝223にガイドされたまま第1把持装置230aおよび第2把持装置230bが更に中心軸C1方向に移動すると、ピン232cが規制壁面223bによって中心軸C1に向かって10°左側に矯正されて傾斜面223aから底面223cに落下する。これにより、第1把持装置230aおよび第2把持装置230bは、上枝部232を中心軸C1に向かって10°左側に矯正した状態を維持し、把持するコイル要素40を中心軸C1に向かって10°回動させて集合する。このとき、上枝部232および本体231を径方向に沿って真っ直ぐに連結した状態とし、隣接する把持装置230同士が干渉することなく集合できる。
図26は、本実施形態に係るコイル要素40が回動する前後の状態を示す図である。
このように、複数のコイル要素40のそれぞれは、円環状の径を縮径する方向に複数のコイル要素40を移動させることで、複数のコイル要素40を略頂点部分に設けられたターン部42が互い違いに重ねあった状態で整列する。このときに、図26(A)に示す回動前状態から図26(B)に示す回動後状態のように、円環状の中心軸C1と平行な回動軸231eを中心に中心軸C1に向かって10°左側に回動した状態で配置される。
図27は、本実施形態に係る集合体50が形成される状態を示す図である。
図27に示すように、複数のコイル要素40におけるターン部42が互い違いに重ねあった状態となる円環状であり、かつ、内径側で内周ガイド342に当接した集合体50が形成される。
<コイル要素挿入工程>
コイル要素挿入工程S4では、集合体50における各コイル要素40の脚部41をステータコア60の各スロット61に挿入する。
図28は、本実施形態に係るコイル要素挿入工程S4の動作を示すフローチャートである。
図29は、本実施形態に係る押下部材311を下降させる状態を示す図である。
図29に示すように、ステップS41において、ステータ製造装置1は、コイル要素押下機構用シリンダ機構350のピストンを駆動してコイル要素押下機構310の押下部材311を下降させ、押下部材311の下面を集合体50に当接させる。
図30は、本実施形態に係るピン322を突出させる状態を示す図である。
図30に示すように、ステップS42において、ステータ製造装置1は、下降させた押下部材311の下面が集合体50に当接すると、ピン突出機構320のピン322を突出させる。これにより、4つのピン322は、外径方向に突出し、集合体50における所定のコイル要素40のターン部42の下側に当接し、ターン部42を押下部材311とで挟み込み、ターン部42の形状を利用して下側から支持することで集合体50が支持される。そして、ターン部42を下側から支持することで集合体50が支持されるため、集合体50の各コイル要素40の脚部41が自由状態になる。
下降させた押下部材311の下面が集合体50に当接するときに、ピン突出機構320のピン322を突出させることで、ピン322は、集合体50における所定のコイル要素40のターン部42の下側に当接する最適なタイミングで突出する。
このとき、下降させた押下部材311の下面が集合体50に当接することで、押下部材311の下面の環状突起311aが集合体50における各コイル要素40のターン部42の外周側を外径側からガイドする。このように、4つのピン322が外径方向に突出するときに、押下部材311の下面の環状突起311aが集合体50における各コイル要素40のターン部42を外径側からガイドした状態であるため、突出するピン322が集合体50を外径側に押圧しても集合体50の形状が維持できる。
図31は、本実施形態に係る複数の把持装置230でのコイル要素40の把持を同時に解除する状態を示す図である。
図31に示すように、ステップS43において、ステータ製造装置1は、2つのレバー押下機構用シリンダ機構360のピストンを駆動してレバー押下機構330の複数の押下ピン331を下降させ、複数の押下ピン331で複数の把持装置230のレバー232dの先端部232d3を同時に押下する。これにより、複数の把持装置230は、コイル要素40の把持を同時に解除する。
より詳細には、複数の押下ピン331で複数の把持装置230のレバー232dの先端部232d3を同時に押下すると、レバー232dの先端部232d3が下降してL字部材232eがバネ232fに抗して先端側に移動する。これにより、L字部材232eの長穴232hが先端側に移動して可動爪232g2の突起232iを長穴232hの中心軸C1に向かって左に寄った基端側に配置させる。そして、可動爪232g2が長穴232hの右壁面に押圧されて一対の爪232g1,232g2のチャック機構が開放状態となり、コイル要素40の一方の脚部41が解放される。
複数の押下ピン331が複数の把持装置230のレバー232dの先端部232d3を同時に押下した後に、ステータ製造装置1は、2つのレバー押下機構用シリンダ機構360のピストンを駆動してレバー押下機構330の複数の押下ピン331を上昇させる。複数の押下ピン331を上昇させたとき、複数の把持装置230は、レバー232dが中央部232d1よりも先端部232d3を下降させた状態でL字部材232eの短片232e2に固定されるため、チャック機構が開放状態に維持される。
そして、集合体50は、押下ピン331の下面の環状突起331aに集合体50における各コイル要素40のターン部42を外径側からガイドされるとともに、4つのピン322によって支持される。
図32は、本実施形態に係る複数の把持装置230を外径方向に後退させる状態を示す図である。
図32に示すように、ステップS44において、ステータ製造装置1は、4つの駆動機構250のサーボモータ253を駆動してスライドレール254に取り付けられたプレート255を外径方向に移動させることで、複数の把持装置230に対して駆動力を付与し、複数の把持装置230を外径方向に後退させて離散させる。
このとき、複数の把持装置230のピン232cは、矯正溝223の底面223cに配置されて傾斜面223aの側壁に矯正された状態から矯正溝223から外径方向に抜けると、バネ233の付勢によって上枝部232が本体231に対して中心軸C1に向かって右に傾いた状態に復帰する。このように、複数の把持装置230が矯正溝223で矯正された状態を途中まで維持しながら外径方向に後退させることで、集合した複数の把持装置230が外径方向に後退するときに隣接する把持装置230同士の干渉が生じない。
図33は、本実施形態に係る集合体50における各コイル要素40の脚部41をステータコア60の各スロット61に挿入する状態を示す図である。
図33に示すように、ステップS45において、ステータ製造装置1は、下降させる押下部材311で集合体50を下降させることで、集合体50における各コイル要素40の脚部41をガイド板343並びに一対の第1拡開板346および第2拡開板347にガイドさせてステータコア60の各スロット61に挿入する。
すなわち、ガイド板343並びに一対の第1拡開板346および第2拡開板347の下端部は、ステータコア設置工程S1で設置されたステータコア60の内部に絶縁紙62の配設されたスロット61に既に挿入された状態である。そして、下降させる押下部材311で集合体50を下降させると、集合体50における各コイル要素40の脚部41がガイド板343並びに一対の第1拡開板346および第2拡開板347にガイドされる。これにより、集合体50における各コイル要素40の脚部41が絶縁紙62を巻き込まずにステータコア60の各スロット61に挿入される。
図34は、本実施形態に係るガイド板343並びに一対の第1拡開板346および第2拡開板347の動作を説明するための図であり、誘導部345を内径方向から見たときの図である。
図34(A)に示すように、誘導部345は、挿入方向とは逆方向に拡開するテーパ構造345aを有するため、コイル要素40の脚部41の位置と誘導部345との位置が多少ずれても、コイル要素40の脚部41がガイド板343並びに一対の第1拡開板346および第2拡開板347の間に確実に誘導される。
次いで、図34(B)に示すように、ガイド板343並びに一対の第1拡開板346および第2拡開板347の間にコイル要素40の脚部41が挿入される。
次いで、図34(C)に示すように、コイル要素40の脚部41がガイド板343並びに一対の第1拡開板346および第2拡開板347の下端にまで挿入されると、ガイド板343並びに一対の第1拡開板346および第2拡開板347の下端側が拡開する。これにより、絶縁紙62の端部間が拡開され、この状態で、コイル要素40の脚部41がスロット61に挿入される。
図35は、本実施形態に係るガイド板343並びに一対の第1拡開板346および第2拡開板347の動作を説明するための図であり、スロット61付近の平面図である。
図35(A)に示すように、予めスロット61内に絶縁紙62が配置される。
そして、図35(B)に示すように、誘導部345が前回のステータ製造の終了時に集合すると、スロット61上に誘導部345が配置される。このとき、ガイド板343並びに一対の第1拡開板346および第2拡開板347は、その下端側の間隔が狭い。
次いで、図35(C)に示すように、誘導部345により誘導されてコイル要素40の脚部41がガイド板343並びに一対の第1拡開板346および第2拡開板347の間に挿入されると、これらガイド板343並びに一対の第1拡開板346および第2拡開板347の下端側が拡開されることで、絶縁紙62の端部が拡開される。
以上のようにして絶縁紙62の端部が拡開され、コイル要素40の脚部41がスロット61に確実に挿入される。
ここで、図33に示すように、集合体50における各コイル要素40の脚部41がステータコア60の各スロット61に挿入されるとき、押下部材311の下面の環状突起311aが集合体50における各コイル要素40のターン部42の外周部を外径側からガイドする。このように、押下部材311の下面の環状突起311aが集合体50における各コイル要素40のターン部42の外周側を外径側からガイドしながら集合体50における各コイル要素40の脚部41をステータコア60の各スロット61に挿入するため、ガイド板343並びに一対の第1拡開板346および第2拡開板347の下端側が拡開するときに挿入時の抵抗が生じても集合体50の形状が維持できる。
図36は、本実施形態に係るステータコア60を下降させる状態を示す図である。
図36に示すように、ステップS46において、ステータ製造装置1は、昇降機構120の4つのロッド121を下降させつつ押下部材311で集合体50を下降させることで、脚部41が各スロット61に挿入されたステータコア60も下降させる。これにより、ガイド板343並びに一対の第1拡開板346および第2拡開板347の下端部が、下降するステータコア60から抜けて露出する。
図37は、本実施形態に係る誘導部345を外径側に退避させる状態を示す図である。
図37に示すように、ステップS47において、ステータ製造装置1は、ガイド板343並びに一対の第1拡開板346および第2拡開板347の下端部が下降するステータコア60から抜けて露出すると、シリンダ機構のピストンを駆動して誘導部345を外径方向にスライドさせることで、誘導部345を集合体50の下降軌跡範囲から外径側に退避させる。
図38は、本実施形態に係るピン322を内径方向に引込める状態を示す図である。
図38に示すように、ステップS48において、ステータ製造装置1は、集合体50を支持するために突出したピン322を内径方向に引込める。これにより、集合体50は、押下部材311の下面の環状突起311aに集合体50における各コイル要素40のターン部42を外径側からガイドされるとともに、各脚部41をステータコア60の各スロット61に挿入された状態となる。
図39は、本実施形態に係る集合体50における各コイル要素40の脚部41をステータコア60の各スロット61に完全に挿入する状態を示す図である。
図39に示すように、ステップS49において、ステータ製造装置1は、昇降機構120の4つのロッド121を固定しつつ下降させる押下部材311で集合体50を下降させることで、集合体50における各コイル要素40の脚部41をステータコア60の各スロット61に完全に挿入する。
このとき、押下部材311は、外径方向に退避した誘導部345の内径側を下降する。
以上により、複数のコイル要素40の脚部41をステータコア60の各スロット61に挿入したステータが製造される。
その後、ステータ製造装置1は、ステータコア60の固定された治具70を押し上げた昇降機構120の4つのロッド121を下降させることで、ステータコア60の固定された治具70を搬送台112に載置する。さらに、ステータコア60の固定された治具70の載置された搬送台112をステータ製造装置1の中央から正面左側端部まで搬送する。最後に、作業者は、ステータ製造装置1の正面左側端部に到達した搬送台112に載置されたステータコア60の固定された治具70をステータ製造装置1から取り出す。
また、ステータ製造装置1は、ステータコア60の固定された治具70の載置された搬送台112をステータ製造装置1の正面左側端部まで搬送した後に、シリンダ機構のピストンを駆動して誘導部345を内径方向にスライドさせることで、誘導部345を未だ円弧状ガイド348がステータコア60の外周に当接しない位置まで内径側に前進させ、一対の第1拡開板346および第2拡開板347の下端部を次回のステータコア60のスロット61に挿入可能に待機させる。
本実施形態に係るステータ製造装置1によれば、以下の効果が奏される。
(1)コイル要素整列工程S3で複数のコイル要素40におけるターン部42が互いに違いに重ねあった状態で円環状に集合させて集合体50を形成し、支持工程S42でターン部42を用いて集合体50を支持し、挿入工程S45で集合体50とステータコア60とを接近させて集合体50における各コイル要素40の脚部41をスロット61に挿入する。
これにより、支持工程S42でターン部42を用いて集合体50を支持でき、その後に挿入工程S45で集合体50とステータコア60とを接近させて集合体50における各コイル要素40の脚部41をスロット61に挿入できる。このように、支持工程S42でターン部42を用いて集合体50が支持でき、集合体50の各コイル要素40の脚部41が自由状態になる。
したがって、円環状に整列された複数のコイル要素40を下降させてステータコア60の各スロット61にそれぞれ効率良く確実に挿入できる。
(2)支持工程S42でターン部42に押下部材311を当接するとともにピン322を挿入することで、ターン部42を下側から支持する。これにより、支持工程S42でターン部42が下側から支持されて集合体50が支持でき、集合体50の各コイル要素40の脚部41が自由状態になる。
(3)支持工程S42でターン部42に押下部材311を当接した状態でピン322を挿入することで、押下部材311と相対距離を調整されたピン322がターン部42に最適に挿入できるとともに、ピン322挿入時に集合体50の形状を維持できる。
(4)挿入工程S45でターン部42の外周側を支持しながら挿入することで、挿入時の抵抗が生じても集合体50の形状が維持できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
例えば上記実施形態では、電気導体として回転電機用の略U字状のコイル要素を用いたが、電気導体であれば特に限定されない。
1…ステータ製造装置(挿入装置)
40…コイル要素(電気導体)
41…脚部
42…ターン部
50…集合体
60…ステータコア(コア)
61…スロット
310…コイル要素押下機構(押圧機構)
311…押下部材(押圧部材)
320…ピン突出機構(支持機構)
322…ピン

Claims (7)

  1. 略頂点部分に設けられたターン部と、前記ターン部の両端に設けられた直線状の脚部とからなる略U字形状の電気導体を、コアに円環状に並んだスロットに挿入する挿入方法であって、
    複数の前記電気導体を前記ターン部が互いに違いに重ねあった状態で円環状に集合させ、集合体を形成する集合工程と、
    前記ターン部を用いて前記集合体を支持する支持工程と、
    前記集合体と前記コアとを接近させ、前記集合体の各電気導体の前記脚部を前記スロットに挿入する挿入工程と、を含むことを特徴とする挿入方法。
  2. 前記支持工程では、前記ターン部に押圧部材を当接するとともにピンを挿入することで、前記ターン部を支持することを特徴とする請求項1に記載の挿入方法。
  3. 前記支持工程では、前記ターン部に前記押圧部材を当接した状態で前記ピンを挿入することを特徴とする請求項2に記載の挿入方法。
  4. 前記挿入工程では、前記ターン部の外周部を支持しながら挿入することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の挿入方法。
  5. 略頂点部分に設けられたターン部と、前記ターン部の両端に設けられた直線状の脚部とからなる略U字形状の電気導体を、コアに円環状に設けられたスロットに挿入する挿入装置であって、
    複数の前記電気導体を前記ターン部が互いに違いに重ねあった状態で円環状に集合させ、集合体を形成する集合機構と、
    前記ターン部を用いて前記集合体を支持する支持機構と、
    前記支持機構に支持された前記集合体とコアとを接近させる押圧機構と、を備えることを特徴とする挿入装置。
  6. 前記押圧機構は、前記ターン部に当接する押圧部材を有し、
    前記支持機構は、前記押圧部材が当接した状態で前記ターン部に挿入されるピンを有することを特徴とする請求項5に記載の挿入装置。
  7. 前記押圧部材の外周部には、前記ターン部の外周側を支持する外周支持部を有することを特徴とする請求項6に記載の挿入装置。


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