JP2015060114A - 鍵盤装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鍵盤装置を大型化させることなく、鍵の回転半径を大きくすることができるようにし、タッチが良く、小型な鍵盤装置を実現可能とする。
【解決手段】打鍵により回転動作する鍵20と、鍵20の回転動作を検出するスイッチ72と、鍵20を支持するフレーム30とを具備する。鍵20はベアリングを介してフレーム30に支持され、ベアリングは円弧形状をなす内輪及び外輪と、転動体(玉)52を収容した短冊板形状の保持器51とよりなり、前記円弧の中心Cは鍵20の後方において鍵20の外に位置され、内輪(内輪部)24が鍵20の後端に形成され、外輪(外輪部)31がフレーム30の後端に形成される。
【選択図】図1

Description

この発明は電子鍵盤楽器用の鍵盤装置に関する。
図4はこの種の鍵盤装置の従来例として、特許文献1に記載されている構成を示したものである。図4中、11は鍵ユニットを示し、12はフレーム、13は基板、14はスイッチを示す。
スイッチ14は基板13上に取り付けられており、基板13はねじ15によってフレーム12に固定されている。鍵ユニット11はフレーム12の後端部12aにねじ16により固定されている。
鍵ユニット11は鍵本体部11aとヒンジ部11bとアクチュエータ11cとを備え、鍵本体部11aを押鍵すると、ヒンジ部11bが変形して鍵本体部11aは傾動する。押鍵量が一定の押鍵量を超えると、鍵本体部11aの裏面に形成されているアクチュエータ11cがスイッチ14を押し、これにより発音が制御されるものとなっている。図4中、一点鎖線は鍵本体部11aが傾動した状態を示す。
特開2009−244557号公報
上述したように、従来の鍵盤装置の鍵(鍵ユニット)は後端側にヒンジ部を備えた構造となっており、このヒンジ部が変形することによって回転動作(傾動動作)が可能とされていた。
また、このようなヒンジ支持構造に替え、フレームに支点を形成し、その支点と係合する凹部等の係合部を鍵の後端に形成して、フレームに設けた支点を中心として鍵が回転動作するような構成も従来の鍵盤装置において採用されている。
一方、回転半径が大きい鍵盤は鍵の後方側を押しても重くならず、タッチが良いとされているが、従来においては鍵の回転中心は鍵の外形内に位置し、鍵の回転半径は鍵の奥行によって決まるため、鍵の回転半径を大きくしようとすると鍵盤全体の奥行が大きくなり、鍵盤装置が大型になってしまうといった問題があった。
この発明の目的はこの問題に鑑み、鍵盤装置を大型化させることなく、鍵の回転半径を大きくすることができるようにし、よってタッチが良く、小型に構成することができる鍵盤装置を提供することにある。
請求項1の発明によれば、打鍵により回転動作する鍵と、鍵の回転動作を検出するスイッチと、鍵を支持するフレームとを具備する鍵盤装置において、鍵はベアリングを介してフレームに支持され、ベアリングは円弧形状をなす内輪及び外輪と、転動体を収容した短冊板形状の保持器とよりなり、前記円弧の中心は鍵の後方において鍵の外に位置され、内輪が鍵の後端に形成され、外輪がフレームの後端に形成されているものとされる。
請求項2の発明では請求項1の発明において、外輪の周方向両端に保持器を抜け止めする凸部が形成されているものとされる。
請求項3の発明では請求項1又は2の発明において、ベアリングにラジアル荷重を与え、かつ鍵を復帰動作させる板ばねがフレームと鍵との間に架設されているものとされる。
この発明によれば、鍵盤装置を大型化させることなく、鍵の回転半径を大きくすることができ、よってタッチが良く、小型な鍵盤装置を実現することができる。
この発明による鍵盤装置の一実施例を示す断面図。 図1の部分拡大図。 図1に示した鍵盤装置の各部構成を示す分解斜視図。 鍵盤装置の従来例を示す側面図。
この発明の実施形態を図面を参照して実施例により説明する。
図1はこの発明による鍵盤装置の一実施例の断面構造を示したものであり、図2はその要部を拡大して示したものである。また、図3は鍵盤装置を各部に分解して示したものである。鍵盤装置は電子鍵盤楽器に用いられるものであり、所要数の白鍵及び黒鍵を有するものであるが、ここでは1つの白鍵部分を示して説明する。
白鍵をなす鍵20は前後方向に延伸された本体部21と、本体部21の前端側において本体部21から下方に突出形成された一対のストッパ部22と、ストッパ部22の後ろ側において本体部21から下方に突出形成されたアクチュエータ部23とを備え、さらに本体部21の後端側にベアリングの内輪をなす内輪部24が形成された構成となっている。
内輪部24は本体部21の幅方向(左右方向)において互いに対向して本体部21から後方及び下方に突出するように形成された一対の側板部25の後端に位置して、それら側板部25を連結するように形成されている。内輪部24は鍵20の後方において鍵20の外に位置する中心(中心軸)Cを中心とする円弧形状をなすものとされている。
内輪部24の外周面(本体部21側の面)には周方向に延伸する溝24aが形成されている。また、内輪部24には長円形状をなす2つの逃げ穴24bが貫通形成されている。なお、内輪部24の上端側において本体部21との間には左右が側板部25で蓋されてなる開口26が形成されており、内輪部24の溝24aが形成されている外周面の上端は開放されている。
ストッパ部22はL字形状をなすものとされており、その先端側に位置するL字の一辺の上面22a及び下面22bによってそれぞれストッパ面が構成されている。アクチュエータ部23は幅方向両面が図3に示したようにくりぬかれた形状とされており、上端側の背面にはV字状の切り欠き23aが形成されている。切り欠き23aの幅方向中央にはリブ23bが設けられている。
フレーム30の後端には鍵20の内輪部24と対向してベアリングの外輪をなす外輪部31が形成されている。外輪部31は中心Cを中心とする円弧形状をなす。外輪部31の内周面には周方向に延伸する溝31aが形成されている。また、外輪部31の内周面の周方向両端には凸部31b,31cが突出形成されている。なお、この例では外輪部31の内周面に2本のボス31dが突出形成されている。これらボス31dは鍵20の後方に配置される基板等の部品の取り付けに使用されるもので、必ずしも全ての鍵20に対応してフレーム30に設ける必要はない。
外輪部31はフレーム30の上下に開放された枠状をなす中央枠部32の後端に突出形成された支持板部33に支持されている。フレーム30は上述した中央枠部32、支持板部33、外輪部31に加え、さらにガイド部34と左右方向に延伸された第1、第2及び第3のレール部35、36、37を備えている。
ガイド部34は板状とされて中央枠部32の前端から突出形成されており、このガイド部34の前端側の上下にそれぞれ第1のレール部35及び第2のレール部36が位置されている。第3のレール部37は外輪部31の下端に後方に突出して位置されている。第1のレール部35の下面、第2のレール部36の上面及び第3のレール部37の上面にはそれぞれフェルト41、42及び43が配置されている。
鍵20の内輪部24とフレーム30の外輪部31との間に挟み込まれるベアリングの保持器51は短冊板形状とされ、内輪部24及び外輪部31に沿うように湾曲されている。ベアリングの転動体は玉52とされ、この例では保持器51にポケット51aが6つ形成されて6個の玉52が保持器51に収容されるものとなっている。なお、ポケット51aは短冊板形状をなす保持器51の長手方向両端に3つずつ形成され、保持器51の長手方向中間部分には2つの穴51bが形成されている。
フレーム30の外輪部31に形成されている2本のボス31dは保持器51の2つの穴51bに挿通され、保持器51は外輪部31と鍵20の内輪部24との間に挟み込まれる。鍵20はその内輪部24が保持器51を挟んで外輪部31の内周側に位置するようにフレーム30に取り付けられる。外輪部31に形成されている2本のボス31bは内輪部24に形成されている2つの逃げ穴24bにそれぞれ位置され、これにより内輪部24は外輪部31に対して回転可能とされている。なお、保持器51は外輪部31の周方向両端に形成されている凸部31b,31cによって抜け止めされる。
上述したように、この例ではフレーム30の外輪部31と鍵20の内輪部24と玉52を収容した保持器51とによってベアリングが構成されており、鍵20はベアリングを介してフレーム30に支持されて回転動作可能とされている。
板ばね61はベアリングにラジアル荷重を与え、かつ鍵20を復帰動作させる機能を有するもので、フレーム30と鍵20との間に架設される。
フレーム30の中央枠部32の後端側の内面の上半部には、1本の突条32aが上下方向に延伸して形成され、下半部には突条32aと互い違いとされて2本の突条32bが上下方向に延伸して形成されており、これら突条32aの下端と突条32bの上端とによって側方から見てV字状をなす係止部32cが形成されている。板ばね61の一端はこの係止部32cに挿入されて係止される。
一方、板ばね61の他端は鍵20のアクチュエータ部23に形成されている切り欠き23aに挿入されて係止される。板ばね61の他端の幅方向中央には切り欠き61aが形成されており、この切り欠き61aにアクチュエータ部23の切り欠き23aに存在するリブ23bは位置される。
板ばね61はこのようにしてフレーム30と鍵20との間に架設され、架設された状態で上方に向かって凸をなす湾曲形状をなし、これにより鍵20に対して上方偏倚力を与えると共にベアリングにラジアル荷重を与えるものとなっている。板ばね61は例えばばね性を有するステンレス製とされる。鍵20は板ばね61によるラジアル荷重によってフレーム30から外れることなく、回転軌道となるフレーム30の外輪部31に沿って回転する。
鍵20の回転中心はCであり、鍵20を打鍵すると鍵20は鍵20の後方において鍵20の外に位置する中心Cを回転中心として回転動作する。鍵20が回転動作することによってフレーム30の下に配置されている基板71に実装されているスイッチ72は鍵20のアクチュエータ部23によって押され、鍵20の回転動作がスイッチ72によって検出される。これにより、発音が制御される。
鍵20の回転動作における下限は鍵20のストッパ部22の下面22bがフェルト42に突き当たることによって規定され、一方、打鍵解除による鍵20の復帰位置はストッパ部22の上面22aがフェルト41に突き当たることによって規定される。なお、フェルト43には鍵20の回転動作により鍵20の内輪部24の下端に後方に向かって突出形成されている突出部24cが突き当たるものとなっている。
フレーム30のガイド部34は鍵20の一対のストッパ部22の間に位置し、鍵20のアクチュエータ部23はフレーム30の中央枠部32内に位置している。このような構成により、回転動作時に鍵20はフレーム30によって良好に案内されるものとなっている。
上記のような構成を有する鍵盤装置によれば、鍵20は鍵20の後方において鍵20の外形の外に位置する中心Cを回転中心として回転動作するものとなっているため、従来のような鍵の外形内に回転中心を有するものに比し、鍵20の奥行を大きくすることなく、鍵20の回転半径Rを大きくすることができる。例えば、従来においては鍵の回転半径は230mm程度が限界であったのに対し、この例では鍵20の回転半径Rを300mm以上とすることも容易である。よって、この例によれば、小型でタッチの良い鍵盤装置を実現することができる。
加えて、鍵20の回転半径Rを大きくすることができるため、鍵20に取り付ける錘81を軽くしても大きな慣性モーメントを得ることができ、この点で鍵盤装置の軽量化も実現することができる。
なお、上述した例では保持器51は単体で湾曲形状をなすものとしているが、保持器51はPOM(ポリオキシメチレン(ポリアセタール))やPA(ポリアミド(ナイロン))等の樹脂製とされ、厚さは1mm程度とされるため、例えば単体では湾曲していない平板状とし、外輪部31と内輪部24との間に挟み込むことによって湾曲させるようにすることもできる。
20 鍵 21 本体部
22 ストッパ部 22a 上面
22b 下面 23 アクチュエータ部
23a 切り欠き 23b リブ
24 内輪部 24a 溝
24b 逃げ穴 24c 突出部
25 側板部 26 開口
30 フレーム 31 外輪部
31a 溝 31b,31c 凸部
31d ボス 32 中央枠部
32a,32b 突条 32c 係止部
33 支持板部 34 ガイド部
35 第1のレール部 36 第2のレール部
37 第3のレール部 41,42,43 フェルト
51 保持器 51a ポケット
51b 穴 52 玉
61 板ばね 61a 切り欠き
71 基板 72 スイッチ
81 錘

Claims (3)

  1. 打鍵により回転動作する鍵と、前記鍵の回転動作を検出するスイッチと、前記鍵を支持するフレームとを具備する鍵盤装置であって、
    前記鍵はベアリングを介して前記フレームに支持され、
    前記ベアリングは円弧形状をなす内輪及び外輪と、転動体を収容した短冊板形状の保持器とよりなり、
    前記円弧の中心は前記鍵の後方において前記鍵の外に位置され、
    前記内輪が前記鍵の後端に形成され、前記外輪が前記フレームの後端に形成されていることを特徴とする鍵盤装置。
  2. 請求項1記載の鍵盤装置において、
    前記外輪の周方向両端に前記保持器を抜け止めする凸部が形成されていることを特徴とする鍵盤装置。
  3. 請求項1又は2記載の鍵盤装置において、
    前記ベアリングにラジアル荷重を与え、かつ前記鍵を復帰動作させる板ばねが前記フレームと前記鍵との間に架設されていることを特徴とする鍵盤装置。
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