JP3204562U - 鍵盤楽器の譜面押さえ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】譜面押さえを使用時と非使用時の2姿勢で安定させることができる鍵盤楽器の譜面押さえ構造を提供する。【解決手段】譜面押さえ20の回動軸部の被軸支部は、凹部により軸支される。譜面押さえ20は、使用時には押さえ棒31で譜面を前方から押さえる立設位置をとると共に、非使用時には倒設位置をとる。外周面21aには、軸心を中心とする円周方向における互いに異なる位置に、回動軸部の軸線方向に略平行な第1の平面25及び第2の平面27が形成される。第1の平面25、第2の平面27がそれぞれ、底片の当接面13cと面接触で当接することで、譜面押さえ20の倒設位置、立設位置が位置決めされる。【選択図】図5

Description

本考案は、鍵盤楽器の譜面押さえ構造に関する。
従来、鍵盤楽器において、譜面台に載置された譜面が閉じないように前方から押さえる譜面押さえが譜面台に設けられる。下記特許文献1の譜面押さえ構造では、鍵盤楽器の天面に配置した譜面台に譜面押さえが回動自在に設けられる。譜面押さえの回動軸部から延設される押さえ棒の使用時における起立角度は、ストッパ部との当接で規制される。回動軸部のブッシュが軸受け凹面によって適度に締め付けられることで、回動軸部の回動に対して常に抗力が発生する。これにより、押さえ棒を回動方向における任意の位置に保持させることが可能である。
特開2002−258832号公報
しかしながら、上記特許文献1の譜面押さえ構造では、回動軸部が譜面押さえの回転位置にかかわらずほぼ一定の力で付勢される。そのため、非使用時における倒設位置または使用時における立設位置から譜面押さえを回動させるときに発生する抗力が、回動途中の位置から譜面押さえを回動させるときの抗力とほぼ同じとなる。従って、譜面押さえが立設位置や倒設位置の2姿勢で安定して留まりにくい。ユーザにとっても、譜面押さえを立設位置や倒設位置に位置させたという感触を得にくく、すなわち、立設位置及び倒設位置での節度感が得られにくい。
本考案は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、譜面押さえを使用時と非使用時の2姿勢で安定させることができる鍵盤楽器の譜面押さえ構造を提供することにある。
上記目的を達成するために本考案の請求項1の鍵盤楽器の譜面押さえ構造は、軸支部(11c、12c)と、前記軸支部に軸支される回動軸部(21)、及び前記回動軸部から延設された延設部(31)を有し、使用時には譜面(7)を前方から押さえる立設位置をとると共に、非使用時には倒設位置をとる譜面押さえ(20)と、前記回動軸部の軸線方向に略平行で、前記回動軸部の外周面(21a)に対向する当接面(13c)と、を有し、前記回動軸部の前記外周面には、前記回動軸部の軸心(G)を中心とする円周方向における互いに異なる位置に、いずれも前記軸線方向に略平行な第1の平面(25)及び第2の平面(27)が形成され、前記第1の平面が前記当接面と面接触で当接することで前記譜面押さえの前記倒設位置が位置決めされ、前記第2の平面が前記当接面と面接触で当接することで前記譜面押さえの前記立設位置が位置決めされることを特徴とする。
好ましくは、前記回動軸部の前記外周面には、前記円周方向における前記第1の平面と前記第2の平面との間に凸曲面(26)が形成され、前記回動軸部の軸心(G)からの前記凸曲面の最大距離(R0)は、前記回動軸部の軸心からの前記第1の平面までの距離(R1)及び前記第2の平面までの距離(R2)のいずれよりも長い(請求項2)。好ましくは、前記凸曲面は、前記回動軸部の軸方向視において円弧状で、前記回動軸部の軸心からの距離が略一定である(請求項3)。好ましくは、前記円周方向における前記第1の平面と前記凸曲面との間、及び、前記第2の平面と前記凸曲面との間は、前記回動軸部の軸方向視においてR形状(r1、r2)で繋がっている(請求項4)。好ましくは、前記回動軸部の前記外周面は、前記立設位置と前記倒設位置との間の回動途中においては、前記当接面に対して線接触で当接する(請求項5)。なお、上記括弧内の符号は例示である。
本考案の請求項1によれば、譜面押さえを使用時と非使用時の2姿勢で安定させることができる。
請求項2によれば、使用時または非使用時と回動途中との操作感触の違いを明確にし、2姿勢での節度感を持たせることができる。請求項3、5によれば、譜面押さえの回動途中での抗力変化が小さく動作が円滑である。請求項4によれば、譜面押さえの使用時または非使用時の姿勢と回動行程との間の状態の移行が円滑になる。
一実施の形態に係る譜面押さえ構造が適用される鍵盤楽器の外観斜視図である。 譜面押さえユニットの斜視図(図(a))、分解図(図(b))である。 譜面押さえユニットの側面図(図(a))、上面図(図(b))である。 図3(b)のA−A線に沿う断面図(図(a))、譜面押さえの回動軸部の模式的な側面図(図(b))である。 ケース体に対する譜面押さえの回動の遷移を示す断面図(図(a)〜(c))である。
以下、本考案の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本考案の一実施の形態に係る譜面押さえ構造が適用される鍵盤楽器の外観斜視図である。鍵盤楽器本体1は、白鍵及び黒鍵から成る鍵盤部2、音量、音色の調整や特殊効果用等の各種操作子が設けられたパネル部3、及び天板4等を有する。天板4には譜面受け部5及び譜面板6が設けられる。楽器本体1の演奏者側を前方と称する。譜面板6は、天板2の上面に設けられ、斜め後方に傾斜して起立できるようになっている。譜面受け部5は、天板2の上面における譜面板6のやや前方に設けられている。譜面受け部5は、譜面板6の横幅とほぼ同じ長さ、すなわち譜面受け部5の鍵並び方向における略全長に亘る長さに形成される。図示は省略するが、譜面受け部5は、天板2をえぐった逆三角の溝状に形成され、その前側の斜面である底面5aは、起立した譜面板6と略直角を成している。演奏時に譜面7が使用される際は、譜面7の背面を譜面板6で受けると共に、譜面7の下縁を譜面受け部5の底面5aで受ける。
譜面受け部5には、本実施の形態の譜面押さえ構造の主要部を成す譜面押さえユニット100が設けられている。譜面押さえユニット100(100L、100R)は、左右対称の構成で左右対称の位置に一対設けられている。以下では、代表して譜面押さえユニット100Rの構成を説明する。左右の譜面押さえユニット100を特に区別しない限り、譜面押さえユニット100と記す。
図2(a)、(b)はそれぞれ、譜面押さえユニット100Rの斜視図、分解図である。図3(a)、(b)はそれぞれ、譜面押さえユニット100Rの側面図、上面図である。図4(a)は、図3(b)のA−A線に沿う断面図である。
譜面押さえユニット100は、ケース体10と譜面押さえ20とから成る。譜面押さえ20はケース体10に対して軸心G(図3(b)、図4(a)等)を中心として回動自在に支持され、使用時には譜面7を前方から押さえる立設位置をとると共に、非使用時には倒設位置をとる。譜面押さえ20は、図2(a)、図3(a)では立設位置にあり、図3(b)、図4(a)では倒設位置にある。
譜面押さえ20、ケース体10はそれぞれ、樹脂等で一体に形成される。譜面押さえ20は回動軸部21を有し、回動軸部21には、軸心G方向(軸心Gに平行な方向)に突出した被軸支部22(22A、22B)が形成される(図4(a)等)。回動軸部21からは、長い側の延設部として押さえ棒31が延設されると共に、押さえ棒31とは反対方向に延設される短い側の延設部として突出部32が形成される(図2(b))。使用時には、譜面押さえ20が立設位置となって、押さえ棒31が譜面7を押さえる役割を果たす。
ケース体10は、前側の第1片11と後側の第2片12と底側の底片13とを有する。第1片11と第2片12とは略平行であり、これらが一対の板状部を成す。譜面押さえ20がケース体10に組み付けられたとき、第1片11及び第2片12の面方向は軸心Gに対して略垂直である。底片13も板状であり、第1片11及び第2片12は底片13に対して略垂直である。ケース体10はまた、譜面受け部5に取り付けられるためのフランジ部15、16を長手方向の端部に有する。フランジ部15、16には、取り付け穴17、18が形成されている。フランジ部15、16は取り付け穴17、18を介して譜面受け部5に螺着固定される。
底片13の第1端部13aはフランジ部15に接続され、第1端部13aの反対側の第2端部13bはフランジ部16に接続されている(図2、図3)。従って、底片13はフランジ部15、16に両持ち支持されている。ケース体10は樹脂等の弾性を有する部材で成り、底片13は板状であるので、底片13は両持ちバネとして機能する。また、第1片11、第2片12の、各々の長手方向における略中央部には、上方に切り欠いて凹部11c、12cが形成されている。これら凹部11c、12cは、譜面押さえ20の被軸支部22A、22Bを軸支する軸支部となる。第1片11の第1端部11a及び第2片12の第1端部12aはフランジ部15に接続され、第1片11の第2端部11b及び第2片12の第2端部12bはフランジ部16に接続されている。一方、第1片11における第1端部11aと第2端部11bとの間は底片13に接続されておらず、第2片12における第1端部12aと第2端部12bとの間も底片13に接続されていない。すなわち、第1片11と底片13との間、及び第2片12と底片13との間には、それぞれスリットSが形成されている(図2、図3(a))。これにより、第1片11、第2片12及び底片13は各々、凹部11c、12c付近で各々の板厚方向に撓みやすくなっている。第2端部11bと第2端部12bとは接続部14で接続されている。
譜面押さえ20の回動軸部21の外周面21aの詳細な形状については図4(b)で説明するが、外周面21aの概略の基本形状は軸心Gを中心とする略円弧状である。図3(a)、図4(a)に示すように、被軸支部22の外形は円形であり、回動軸部21の外接円の外形よりも小さい。凹部11c、12cの曲率は回動軸部21の被軸支部22の曲率とほぼ同じである。譜面押さえ20がケース体10に軸支される際には、第1片11及び第2片12により回動軸部21が軸心G方向に挟まれる。さらに、回動軸部21の被軸支部22A、22Bの外周面がそれぞれ凹部11c、12cに摺接すると共に、回動軸部21の外周面21aが底片13に摺接する。底片13の上面のうち外周面21aに対向当接する領域を特に当接面13cと記す。当接面13cは軸心Gに略平行である。被軸支部22Aの端面には、軸心Gより下方において第1テーパ面23、第2テーパ面24が連接形成されている。凹部11c、12cに被軸支部22A、22Bを組み付ける際、テーパ面24、23があることで、被軸支部22を凹部11c、12cに係合させる際、被軸支部22を第1片11と第2片12との間に挿入しやすくなっている。被軸支部22には貫通穴28が形成されている。
図4(b)は、譜面押さえ20の回動軸部21の模式的な側面図である。回動軸部21の外周面21aの側面視(回動軸部21の軸方向視)の形状は、上述したように概ね円弧状であるが、厳密には一部に平坦な形状を有している。すなわち、外周面21aには、軸心Gを中心とする円周方向における互いに異なる位置に、第1の平面25及び第2の平面27が形成されている。第1の平面25及び第2の平面27はいずれも、回動軸部21の軸線方向(軸心G方向)に略平行な平坦面である。また、円周方向における第1の平面25と第2の平面27との間は凸曲面26で接続されている。また、側面視において、円周方向における第1の平面25と凸曲面26との間はR形状r1で繋がっており、第2の平面27と凸曲面26との間はR形状r2で繋がっている。
凸曲面26は、側面視において、外周面21aに外接する仮想円に沿った円弧状曲面である。従って、軸心Gから凸曲面26までの距離R0は略一定である。平面25、27の形状は、外周面21aに外接する仮想円を平坦に切り欠いた形状に相当する。従って、軸心Gから凸曲面26の最大距離(距離R0)は、軸心Gから第1の平面25までの距離R1及び第2の平面27までの距離R2のいずれよりも長い。ところで、突出部32の下方には平坦面33が形成されている。平坦面33は第2の平面27と略平行である。
かかる構成において、譜面押さえ20をケース体10に組み付けるには、被軸支部22Aの第2テーパ面24が下になる姿勢にして、回動軸部21を第1片11と第2片12との間に挿入する。スリットSが形成されているので、第1片11と第2片12は互いに開く方向へ容易に撓み、しかも、テーパ面24、23があることで、被軸支部22が第1片11と第2片12との間に容易に受け入れられる。被軸支部22が凹部11c、12cに係合すると共に、回動軸部21の外周面21aが底片13の当接面13cに当接すると、回動軸部21がケース体10に回動自在に軸支された状態となる。
底片13と凹部11c、12cとの位置及び形状の関係については、底片13が、弾性変形によって、回動軸部21の外周面21aを回動軸部の軸線方向に略直交する方向(軸心Gに直交する方向)へ、譜面押さえ20の回動の全行程において付勢するように設計される。この付勢力により、譜面押さえ20の回動に対して摩擦による抗力が発生する。底片13は両持ちで支持された板バネであるので、小さな変形ストロークで譜面押さえ20の回動に対する抗力を発生させることができる。
図5(a)、(b)、(c)は、ケース体10に対する譜面押さえ20の回動の遷移を示す断面図である。特に図5(a)、(b)、(c)はそれぞれ、譜面押さえ20が立設位置、回動行程途中の位置、倒設位置にある状態を示している。図5(a)に示すように、譜面押さえ20の第2の平面27が当接面13cに面接触で当接することで、譜面押さえ20の立設位置が位置決めされる。なお、立設位置となるとき、突出部32の平坦面33も底片13に面接触で当接し、立設位置が一層安定して規制される。一方、図5(c)に示すように、譜面押さえ20の第1の平面25が当接面13cに面接触で当接することで、譜面押さえ20の倒設位置が位置決めされる。これにより、ケース体10は、譜面押さえ20を、使用時(立設位置)と非使用時(倒設位置)の2姿勢(2位置)で節度感を持って安定支持する。なお、平坦面33は、譜面押さえ20が立設位置を超えてさらに起立方向へ負荷が加わった場合に初めて底片13に当接する構成としてもよい。
また、図5(b)に示すように、譜面押さえ20は、立設位置と倒設位置との間の回動途中においては、当接面13cに対して凸曲面26が線接触で当接する。凸曲面26は、軸心Gからの距離が略一定の円弧状であるので、譜面押さえ20の回動途中での抗力変化が小さく動作が円滑である。また、R形状r1、r2の存在により、立設位置または倒設位置と、回動途中の行程との間の動作の遷移が円滑になっている。
ところで、図5(c)に示すように、譜面押さえ20は、倒設位置においては、押さえ棒31がほぼ水平姿勢となり、押さえ棒31の下側となる面の位置は第1片11、第2片12の上面位置よりも低い。しかも、押さえ棒31の先端は第1片11の第1端部11a及び第2片12の第1端部12aより右方に位置する。従って、倒設位置においては、押さえ棒31は、第1片11の第1端部11aと第2片12の第1端部12aとの間に介在する(図3(b))。これにより、第1片11と第2片12との間の空間が押さえ棒31の収容スペースとして利用される。
本実施の形態によれば、両持ちで支持される底片13が板バネとして機能し、弾性変形によって、譜面押さえ20の回動軸部21の外周面21aを軸線方向に略直交する方向へ付勢する。これにより、底片13の小さな変形ストロークで、譜面押さえ20の回動に対する抗力を発生させて、譜面押さえ構造をコンパクトにすることができる。特に、底片13は譜面押さえ20の回動の全行程において外周面21aを付勢するので、安定した抗力を発生させると共に、メカノイズを抑制することができる。また、回動軸部21の被軸支部22を軸支する軸支部(凹部11c、12c)は、回動軸部21を軸線方向に挟む一対の板部材(第1片11と第2片12)に形成されるので、メカノイズを抑制すると共に、構成を簡単にすることができる。
また、第1片11の両端部(端部11a、11b)及び第2片12の両端部(端部12a、12b)はいずれも底片13に接続されているので、軸支部の剛性が確保される。その一方、第1片11及び第2片12と底片13との間にそれぞれスリットSが形成されているので、第1片11、第2片12及び底片13は独自に板厚方向への撓み変形を許容される。そのため、軸支部の剛性と板バネとしての撓みやすさとを確保することができる。例えば、第1片11、第2片12の弾性変形により回動軸部21の軸支のための組み付け作業がやりやすくなり、底片13の適度の弾性変形により回動軸部21に対する付勢機能を適切に発揮できる。
また、第1片11及び第2片12の各両端部のうち第1片11及び第2片12の一方の端部(端部11b、12b)同士は接続部14で接続される一方、他方の端部(端部11a、12a)同士は接続されておらず開放されていて、倒設位置の押さえ棒31が、第1片11の第1端部11aと第2片12の第1端部12aとの間に介在する。これにより、接続部14により軸支部の剛性を確保すると共に、押さえ棒31の収容スペースを確保してコンパクト化に資することができる。さらに、底片13を両持ちで支持する支持部となるフランジ部15、16を含め、第1片11、第2片12及び底片13が同一部材で一体に形成されるので、部品点数を少なくすると共に、構成を簡単にすることができる。
本実施の形態によればまた、回動軸部21の外周面21aの第1の平面25、第2の平面27がそれぞれ、底片13の当接面13cと面接触で当接することで、譜面押さえ20の倒設位置、立設位置が位置決めされる。これにより、譜面押さえ20を使用時と非使用時の2姿勢で安定させることができる。
また、外周面21aには、円周方向における第1の平面25と第2の平面27との間に凸曲面26が形成され、軸心Gから凸曲面26の最大距離(距離R0)は、軸心Gから第1の平面25までの距離R1及び第2の平面27までの距離R2のいずれよりも長い。これにより、使用時または非使用時と回動途中との操作感触の違いを明確にし、2姿勢での節度感を持たせることができる。しかも、側面視において凸曲面26は円弧状で、軸心Gからの距離が略一定であるので、譜面押さえ20は、立設位置と倒設位置との間の回動途中においては、当接面13cに対して凸曲面26が線接触で当接する。これにより、譜面押さえ20の回動途中での抗力変化が小さく動作が円滑である。また、凸曲面26が底片13と接触しているときに比べて、第1の平面25または第2の平面27が底片13と接触しているときには底片13の変形が小さい。このため、底片13の塑性変形を抑制することができるという効果もある。なお、外周面21aと当接面13cとが線接触で当接するようにする観点に限れば、凸曲面26の形状は例示に限られず、曲率も問わない。あるいは、線接触で当接するように構成する場合でも、線接触は軸線に平行であることは必須でない。なお、凸曲面26は当接面13cに線接触で当接する形状であることは必須でない。
また、側面視において、円周方向における第1の平面25と凸曲面26との間はR形状r1で繋がっており、第2の平面27と凸曲面26との間はR形状r2で繋がっているので、譜面押さえ20の使用時または非使用時の姿勢と回動行程との間の状態の移行が円滑になる。
なお、譜面押さえ20を使用時と非使用時の2姿勢で安定させることに限れば、底片13は両持ちで支持されることは必須でなく、片持ちの板ばねであってもよい。
なお、譜面押さえユニット100L、100Rは、左右対称としたが、これらを同一構成とし、使用時の左右の向きを問わない構成としてもよい。以上、本考案をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本考案はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この考案の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本考案に含まれる。
11 第1片、 12 第2片、 13 底片、 13c 当接面、 20 譜面押さえ、 21 回動軸部、 21a 外周面、 22 被軸支部、 11c、12c 凹部(軸支部)、 G 軸心、 25 第1の平面、 27 第2の平面、 26 凸曲面、 31 押さえ棒(延設部)、 R0、R1、R2 距離、 r1、r2 R形状

Claims (5)

  1. 軸支部と、
    前記軸支部に軸支される回動軸部、及び前記回動軸部から延設された延設部を有し、使用時には譜面を前方から押さえる立設位置をとると共に、非使用時には倒設位置をとる譜面押さえと、
    前記回動軸部の軸線方向に略平行で、前記回動軸部の外周面に対向する当接面と、を有し、
    前記回動軸部の前記外周面には、前記回動軸部の軸心を中心とする円周方向における互いに異なる位置に、いずれも前記軸線方向に略平行な第1の平面及び第2の平面が形成され、
    前記第1の平面が前記当接面と面接触で当接することで前記譜面押さえの前記倒設位置が位置決めされ、前記第2の平面が前記当接面と面接触で当接することで前記譜面押さえの前記立設位置が位置決めされることを特徴とする鍵盤楽器の譜面押さえ構造。
  2. 前記回動軸部の前記外周面には、前記円周方向における前記第1の平面と前記第2の平面との間に凸曲面が形成され、前記回動軸部の軸心からの前記凸曲面の最大距離は、前記回動軸部の軸心からの前記第1の平面までの距離及び前記第2の平面までの距離のいずれよりも長いことを特徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器の譜面押さえ構造。
  3. 前記凸曲面は、前記回動軸部の軸方向視において円弧状で、前記回動軸部の軸心からの距離が略一定であることを特徴とする請求項2に記載の鍵盤楽器の譜面押さえ構造。
  4. 前記円周方向における前記第1の平面と前記凸曲面との間、及び、前記第2の平面と前記凸曲面との間は、前記回動軸部の軸方向視においてR形状で繋がっていることを特徴とする請求項2または3に記載の鍵盤楽器の譜面押さえ構造。
  5. 前記回動軸部の前記外周面は、前記立設位置と前記倒設位置との間の回動途中においては、前記当接面に対して線接触で当接することを特徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器の譜面押さえ構造。

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