JP2015059577A - チェーン伝動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転がり形式のチェーンガイドを用いたチェーン伝動装置の静粛性を向上させる。【解決手段】チェーン案内用の複数のローラ8が配置されたチェーンガイド6,7を有するチェーン伝動装置において、クランク軸1からの最大の加振周波数をωMAX(Hz)、チェーン5の単位長さ当たりの質量をρ(kg/m)、チェーン5の時間平均張力をT(N)としたときに、チェーン5の掛け渡し部分の接点間距離L(m)を、次の不等式(1)を満たすように設定する。【数1】【選択図】図1
Description
この発明は、主として、自動車エンジンのクランク軸の回転をカム軸に伝達するチェーン伝動装置に関する。
自動車エンジンは、クランク軸の回転を鉄製のタイミングチェーン(以下、単に「チェーン」という)を介してカム軸に伝達し、そのカム軸の回転により燃焼室のバルブを開閉する。
このようなカム軸駆動用のチェーン伝動装置として、エンジンのクランク軸に取り付けられたクランクスプロケットと、エンジンのカム軸に取り付けられたカムスプロケットと、前記クランクスプロケットと前記カムスプロケットの間に掛け渡されたチェーンと、そのチェーンのクランクスプロケットからカムスプロケットに向けて走行する部分を案内するように配置された弛み側チェーンガイドと、チェーンのカムスプロケットからクランクスプロケットに向けて走行する部分を案内するように配置された張り側チェーンガイドとを有するものが多く用いられる。
このようなチェーン伝動装置で使用される弛み側チェーンガイドや張り側チェーンガイドとして、チェーンの走行方向に沿って延びる案内面をチェーンに滑り接触させる形式のものが知られているが、この滑り形式のチェーンガイドは、チェーンに対する接触が滑り接触なので、チェーンの走行抵抗が大きく、トルクの伝達ロスが大きいという問題がある。
このような問題を解消するため、本願発明の発明者らは、チェーンの走行方向に沿って間隔をおいてチェーン案内用の複数のローラが配置されたチェーンガイドを提案している(特許文献1、2)。
このチェーンガイドは、チェーンに対する接触が転がり接触なので、チェーンの走行抵抗が小さく、トルクの伝達ロスが小さいという利点がある。
転がり形式のチェーンガイドを用いたときに、トルクの伝達ロスを低減させることが可能となるが、その反面、チェーンが振動しやすくなり、チェーンから大きな振動音が発生することがある。
そこで、この発明の発明者らは、チェーンの振動音の原因を調査したところ、チェーンガイドのローラと各スプロケットとの間のチェーンの掛け渡し部分や、チェーンガイドの隣り合うローラ間のチェーンの掛け渡し部分において、まっすぐに張り渡したチェーンが弦振動していることが分かった。この弦振動は、特に、弛み側チェーンガイドのローラとクランクスプロケットとの間のチェーンの掛け渡し部分において生じやすい。
このチェーンの弦振動が起きる原因は、次のように考えられる。すなわち、エンジンサイクルにおいて力を生じるのは燃焼行程のみであることから、エンジンのクランク軸で発生する回転力は一定ではなく、例えば4気筒エンジンの場合、クランク軸が1回転するごとに2回の回転変動が生じる。このクランク軸の回転変動がチェーンに伝わり、例えばクランク軸が7000回転/分で回転しているとき、チェーンは233Hzの周波数ωで加振される。この加振周波数ωは、クランク軸の回転数がゼロから最大回転数までの範囲で変化するとき、クランク軸の回転数に対応して変化する。そして、クランク軸からの加振周波数ωが、チェーンのまっすぐに張り渡した部分の固有周波数ω0に一致したときに、チェーンが共振し、振動音を発生するものと考えられる。
この発明が解決しようとする課題は、転がり形式のチェーンガイドを用いたチェーン伝動装置の静粛性を向上させることである。
上記課題を解決するため、この発明では、エンジンのクランク軸に取り付けられたクランクスプロケットと、エンジンのカム軸に取り付けられたカムスプロケットと、前記クランクスプロケットと前記カムスプロケットの間に掛け渡されたチェーンと、そのチェーンの走行方向に沿って間隔をおいてチェーン案内用の複数のローラが配置されたチェーンガイドとを有し、前記チェーンが、少なくとも1つの前記ローラと前記いずれかのスプロケットとの間をまっすぐに張り渡す掛け渡し部分を形成するチェーン伝動装置において、前記クランク軸からの最大の加振周波数をωMAX(Hz)、前記チェーンの単位長さ当たりの質量をρ(kg/m)、前記チェーンの時間平均張力をT(N)としたときに、少なくとも1箇所の前記掛け渡し部分のチェーンの接点間距離L(m)を、次の不等式(1)を満たすように設定した。
ここで「前記チェーンが、少なくとも1つの前記ローラと前記いずれかのスプロケットとの間をまっすぐに張り渡す掛け渡し部分を形成する」とは、ローラとスプロケットの間を張り渡すチェーンの掛け渡し部分において、チェーンと接触する他のローラ等が存在しないことを意味する。これは、チェーンガイドのローラをチェーンに接触させた使用状態において、スプロケットと、当該スプロケットから最も近くかつチェーンと接触するローラとを結ぶ共通接線と同義である。
上記のように接点間距離Lの大きさを設定すると、上記の不等式(1)を満たすチェーンの掛け渡し部分の固有周波数ω0が、クランク軸からの最大の加振周波数ωMAXよりも大きい値となるため、クランク軸からの加振周波数ωが固有周波数ω0に一致するおそれがなくなる。そのため、チェーンの共振を防止して、チェーンの振動音を抑えることが可能となる。
詳しく説明する。まず、チェーンの固有周波数ω0は、次式(2)で求められる。ここで、nは振動モードの次数を表わす1以上の任意の自然数、Lはチェーンの掛け渡し部分の接点間距離(m)、Tはチェーンの時間平均張力(N)、ρはチェーンの単位長さ当たりの質量(kg/m)である。
そして、上記の式(1)を満たすように接点間距離Lの大きさを設定したとき、上記の式(2)により得られる固有周波数ω0は、全ての振動モードにおいて、次式(3)を満たす値となる。
すなわち、チェーンの固有周波数ω0は、クランク軸からの最大の加振周波数ωMAXよりも常に大きい値となる。そのため、クランク軸からの加振周波数ωがゼロから最大値ωMAXまでの範囲で変化するとき、加振周波数ωが固有周波数ω0に一致することはない。したがって、チェーンの共振を防止して、チェーンの振動音を抑えることが可能となる。
上記チェーン伝動装置は、前記チェーンの前記クランクスプロケットから前記カムスプロケットに向けて走行する部分を案内するように配置された弛み側チェーンガイドを前記チェーンガイドとして有するとき、その弛み側チェーンガイドのクランクスプロケット側の端部のローラと前記クランクスプロケットとの間のチェーンの掛け渡し部分が、特に共振しやすく、チェーンの振動音を生じやすい。そこで、前記チェーンガイドのローラと前記各スプロケットとの間のチェーンの掛け渡し部分のうち、少なくとも、弛み側チェーンガイドのクランクスプロケット側の端部のローラと前記クランクスプロケットとの間のチェーンの掛け渡し部分において、上記の不等式(1)を満たすようにチェーンの接点間距離Lを設定すると好ましい。このようにすると、特に共振しやすい上記チェーンの掛け渡し部分について共振を防止することができるので、チェーンの振動音を効果的に抑えることが可能となる。
また、前記チェーンガイドのローラと前記各スプロケットとの間のチェーンの掛け渡し部分のうちの、すべての箇所の掛け渡し部分において、上記の不等式(1)を満たすようにチェーンの接点間距離Lを設定するとより好ましいものとなる。このようにすると、チェーンガイドのローラと各スプロケットとの間のすべてのチェーンの掛け渡し部分で共振を防止することができるので、チェーンの振動音をきわめて効果的に抑えることが可能となる。
また、エンジンのクランク軸に取り付けられたクランクスプロケットと、エンジンのカム軸に取り付けられたカムスプロケットと、前記クランクスプロケットと前記カムスプロケットの間に掛け渡されたチェーンと、そのチェーンの走行方向に沿って間隔をおいてチェーン案内用の複数のローラが配置されたチェーンガイドとを有するチェーン伝動装置において、前記クランク軸からの最大の加振周波数をωMAX(Hz)、前記チェーンの単位長さ当たりの質量をρ(kg/m)、前記チェーンの時間平均張力をT(N)としたときに、前記チェーンガイドの隣り合うローラ間のチェーンの掛け渡し部分のうちの、少なくとも1箇所の掛け渡し部分において、次の不等式(4)を満たすようにチェーンの接点間距離P(m)を設定すると好ましい。
このようにすると、上記不等式(4)を満たす掛け渡し部分で共振を防止して、チェーンの振動音を効果的に抑えることが可能となる。
この発明のチェーン伝動装置は、クランク軸からの加振周波数ωがゼロから最大値ωMAXまでの範囲で変化するとき、不等式(1)を満たすように接点間距離Lの大きさを設定したチェーンの掛け渡し部分において、クランク軸からの加振周波数ωがチェーンの固有周波数ω0に一致することがない。したがって、チェーンの振動音が抑えられ、高い静粛性を得ることが可能である。
図1に、この発明の実施形態のチェーン伝動装置を示す。このチェーン伝動装置は、エンジンのクランク軸1に取り付けられたクランクスプロケット2と、カム軸3に取り付けられたカムスプロケット4と、クランクスプロケット2とカムスプロケット4の間に掛け渡されたチェーン5を有し、このチェーン5を介してクランク軸1の回転をカム軸3に伝達し、そのカム軸3の回転により燃焼室のバルブ(図示せず)を開閉する。
エンジンが作動しているときのクランク軸1の回転方向は一定(図では右回転)であり、このときチェーン5は、クランクスプロケット2からカムスプロケット4に向けて走行する部分(図では左側の部分)が弛み側となり、カムスプロケット4からクランクスプロケット2に向けて走行する部分が(図では右側の部分)が張り側となる。そして、チェーン5のクランクスプロケット2からカムスプロケット4に向けて走行する部分を案内するように弛み側チェーンガイド6が配置され、チェーン5のカムスプロケット4からクランクスプロケット2に向けて走行する部分を案内するように張り側チェーンガイド7が配置されている。
弛み側チェーンガイド6は、チェーン5の走行方向に沿って間隔をおいて配置されたチェーン案内用の複数のローラ8と、これらのローラ8を支持するガイドベース9と、このガイドベース9をカム軸3側の端部を中心に揺動可能に支持する支点軸10と、各ローラ8がチェーン5に押し付けられる方向にガイドベース9を押圧するチェーンテンショナ11とを有する。
張り側チェーンガイド7は、チェーン5の走行方向に沿って間隔をおいて配置されたチェーン案内用の複数のローラ8と、これらのローラ8を支持するガイドベース9とを有する。このガイドベース9は、ボルト等の固定手段によって固定されている。
ここで、チェーン5は、弛み側チェーンガイド6のクランクスプロケット2側の端部のローラ8とクランクスプロケット2との間をまっすぐに張り渡す掛け渡し部分(図のL1に対応する部分、すなわちローラ8とスプロケット2の共通接線)を形成している。ここで、チェーン5がローラ8とスプロケット2の間をまっすぐに張り渡す掛け渡し部分を形成しているとは、ローラ8とスプロケット2の間を張り渡す掛け渡し部分において、チェーン5に接触する他のローラ8等が存在しないことを意味する。
同様に、弛み側チェーンガイド6のカムスプロケット4側の端部のローラ8とカムスプロケット4との間をまっすぐに張り渡す掛け渡し部分(図のL2に対応する部分)を形成し、張り側チェーンガイド7のクランクスプロケット2側の端部のローラ8とクランクスプロケット2との間をまっすぐに張り渡す掛け渡し部分(図のL3に対応する部分)を形成し、張り側チェーンガイド7のカムスプロケット4側の端部のローラ8とカムスプロケット4との間をまっすぐに張り渡す掛け渡し部分(図のL4に対応する部分)を形成している。
図2に示すように、ローラ8は、ガイドベース9に固定されたローラ軸12と、各ローラ軸12の外周に装着した転がり軸受13とを有する。転がり軸受13は、外輪14と、外輪14の内側に組み込まれた複数の転動体15と、これらの転動体15を保持する保持器16とからなり、外輪14がチェーン5に接触している。ここで、転動体15は、円筒ころまたは針状ころであり、外輪14は、鋼板をカップ状に絞り加工したシェル形外輪である。弛み側チェーンガイド6のローラ8と張り側チェーンガイド7のローラ8は、同一の構成である。
なお、この実施形態では、チェーン5の走行抵抗を小さくするために、転がり軸受13の外輪14が直接チェーン5に接触する構成のローラ8を採用し、ローラ8の慣性モーメントを最小限に抑えているが、これにかえて、チェーン5に接触する樹脂製や金属製の案内部材を外輪14に装着したローラ8を採用することも可能である。また、ローラ8を回転可能に支持する軸受として、滑り軸受を採用することも可能である。
ところで、チェーン5に転がり接触するローラ8をもつ転がり形式のチェーンガイドを用いると、そのようなローラ8をもたない滑り形式のチェーンガイドを用いたときと比較して、トルクの伝達ロスを低減させることが可能となるが、その反面、チェーン5が振動しやすくなり、チェーン5から大きな振動音が発生するおそれがある。
そこで、この実施形態のチェーン伝動装置では、チェーン5の振動音を抑制するために、弛み側チェーンガイド6のローラ8とクランクスプロケット2の間のチェーン5の掛け渡し部分のチェーン5の接点間距離L1、弛み側チェーンガイド6のローラ8とカムスプロケット4の間のチェーン5の掛け渡し部分の接点間距離L2、張り側チェーンガイド7のローラ8とクランクスプロケット2の間のチェーン5の掛け渡し部分の接点間距離L3、張り側チェーンガイド7のローラ8とカムスプロケット4の間のチェーン5の掛け渡し部分の接点間距離L4のそれぞれを、次の不等式(1)を満たすL(m)の範囲に設定している。
上記式(1)では、クランク軸1からの最大の加振周波数をωMAX(Hz)、チェーン5の単位長さ当たりの質量をρ(kg/m)、チェーン5の時間平均張力をT(N)としている。チェーン5の時間平均張力は、クランク軸1の回転数が0から最大値まで変化するときの各々の回転数における、チェーン5の張力を時間で平均化した値のうち、最大の値としている。また、各接点間距離L1〜L4を設定するにあたり、ローラ8とチェーン5の接点は、ローラ8の中心を通ってチェーン5に対して垂直な線とチェーン5との交点であり、各スプロケット2,4とチェーン5の接点は、各スプロケット2,4の中心を通ってチェーン5のまっすぐに張り渡した部分に対して垂直な線とチェーン5との交点である。
4気筒エンジンの場合、クランク軸1が1回転するごとに2回の回転変動が生じ、このクランク軸1の回転変動がチェーン5に伝わって、チェーン5が加振される。そのため、エンジン作動中に、クランク軸1の回転数がゼロから7000回転/分(約116.6回転/秒)までの範囲で変化するとき、チェーン5は、ゼロから233.3Hzまでの範囲で変化する周波数ωで加振される。このとき、クランク軸1からの最大の加振周波数ωMAXは233.3Hzである。さらに、チェーン5の単位長さ当たりの質量ρが0.35(kg/m)、チェーン5の時間平均張力Tが300(N)のとき、これらの値を上記の式(1)にあてはめると、L<0.0627となる。つまり、チェーン5の掛け渡し部分の接点間距離Lを62.7(mm)よりも小さく設定すればよい。
このように接点間距離L1〜L4の大きさを設定することにより、弛み側チェーンガイド6のローラ8とクランクスプロケット2の間のチェーン5の掛け渡し部分(接点間距離L1に対応する部分)、弛み側チェーンガイド6のローラ8とカムスプロケット4の間のチェーン5の掛け渡し部分(接点間距離L2に対応する部分)、張り側チェーンガイド7のローラ8とクランクスプロケット2の間のチェーン5の掛け渡し部分(接点間距離L3に対応する部分)、張り側チェーンガイド7のローラ8とカムスプロケット4の間のチェーン5の掛け渡し部分(接点間距離L4に対応する部分)のそれぞれにおいて、固有周波数ω0が、クランク軸1からの最大の加振周波数ωMAXよりも大きい値となり、この結果、クランク軸1からの加振周波数ωが固有周波数ω0に一致するおそれがなくなる。そのため、チェーン5の共振を防止して、チェーン5の振動音を抑えることが可能となる。
同様の理由により、弛み側チェーンガイド6の隣り合うローラ8間のチェーン5の掛け渡し部分(図では、隣り合うローラ8間をまっすぐに張り渡すチェーン5の掛け渡し部分のうちすべての箇所の掛け渡し部分)の接点間距離P(m)も、次の不等式(4)を満たすように設定されている。張り側チェーンガイド7の隣り合うローラ8間のチェーン5の掛け渡し部分の接点間距離も同様である。
このように接点間距離Pの大きさを設定することにより、弛み側チェーンガイド6および張り側チェーンガイド7の隣り合うローラ8間のすべての掛け渡し部分で共振を防止することができるので、チェーン5の振動音をきわめて効果的に抑えることが可能となる。
以上のように、この実施形態のチェーン伝動装置は、クランク軸1からの加振周波数ωがゼロから最大値ωMAXまでの範囲で変化するとき、チェーンガイドのローラ8と各スプロケットとの間のすべてのチェーン5の掛け渡し部分において、クランク軸1からの加振周波数ωがチェーン5の固有周波数ω0に一致することがない。したがって、チェーン5の振動音がきわめて効果的に抑えられ、高い静粛性を得ることが可能である。
上記実施形態では、弛み側チェーンガイド6において、クランクスプロケット2側の端部のローラ8とカムスプロケット4側の端部のローラ8の2つのローラ8が、クランクスプロケット2またはカムスプロケット4との関係から不等式(1)を満たす例を示したが、少なくとも1つのローラ8がクランクスプロケット2またはカムスプロケット4との関係から不等式(1)を満たせばよい。張り側チェーンガイド7においても同様である。
弛み側チェーンガイド6のクランクスプロケット2側の端部のローラ8とクランクスプロケット2との間のチェーン5の掛け渡し部分(接点間距離L1に対応する部分)において、上記の不等式(1)を満たすようにチェーン5の接点間距離Lを設定すると好ましい。なぜなら、弛み側チェーンガイド6のクランクスプロケット2側の端部のローラ8とクランクスプロケット2との間のチェーン5の掛け渡し部分が、特に共振しやすく、チェーン5の振動音を生じやすいため、この部分について共振を防止すれば、チェーン5の振動音を効果的に抑えることが可能となるからである。
長期の使用によりチェーン5が伸びることを考慮して、弛み側チェーンガイド6のクランクスプロケット2に最も近いローラ8(すなわち弛み側チェーンガイド6のクランクスプロケット2側の端部のローラ8)を初期段階では敢えてチェーン5に接触させないような設計とすることがある。この設計では、チェーン5の伸びに伴い、弛み側チェーンガイド6がチェーン5の伸びを吸収する方向に揺動することにより、弛み側チェーンガイド6のクランクスプロケット2に最も近いローラ8がチェーン5と接触する。この場合、クランクスプロケット2に最も近いローラ8は、初期段階においてチェーン5に接触していないが、チェーン5が伸びた段階を考慮して、クランクスプロケット2に最も近いローラ8とクランクスプロケット2との間のチェーン5の掛け渡し部分が不等式(1)を満たせば良い。
また、上記実施形態では、チェーン5に対する接触部分がローラ8のみであって、チェーン5に滑り接触する部分が存在しない完全転がり形式のチェーンガイド6,7を用いたものを例に挙げて説明したが、この発明は、チェーン5に転がり接触するローラ8と、チェーン5に滑り接触するシューとを併用したハイブリッド形式のチェーンガイドを用いたチェーン伝動装置にも適用することができる。すなわち、ハイブリッド形式のチェーンガイドを用いた場合においても、クランクスプロケット2とカムスプロケット4のうち少なくとも一方のスプロケットとローラ8との間をチェーン5でまっすぐに張り渡した部分が存在すれば、そのうち少なくとも1箇所の張り渡し部分において、上記不等式(1)を満たすように接点間距離Lを設定すればよい。
1 クランク軸
2 クランクスプロケット
3 カム軸
4 カムスプロケット
5 チェーン
6 弛み側チェーンガイド
7 張り側チェーンガイド
8 ローラ
2 クランクスプロケット
3 カム軸
4 カムスプロケット
5 チェーン
6 弛み側チェーンガイド
7 張り側チェーンガイド
8 ローラ
Claims (4)
- エンジンのクランク軸(1)に取り付けられたクランクスプロケット(2)と、
エンジンのカム軸(3)に取り付けられたカムスプロケット(4)と、
前記クランクスプロケット(2)と前記カムスプロケット(4)の間に掛け渡されたチェーン(5)と、
そのチェーン(5)の走行方向に沿って間隔をおいてチェーン案内用の複数のローラ(8)が配置されたチェーンガイド(6,7)とを有し、
前記チェーン(5)が、少なくとも1つの前記ローラ(8)と前記いずれかのスプロケット(2,4)との間をまっすぐに張り渡す掛け渡し部分を形成するチェーン伝動装置において、
前記クランク軸(1)からの最大の加振周波数をωMAX(Hz)、前記チェーン(5)の単位長さ当たりの質量をρ(kg/m)、前記チェーン(5)の時間平均張力をT(N)としたときに、少なくとも1箇所の前記掛け渡し部分のチェーン(5)の接点間距離L(m)が次の不等式(1)
- 前記チェーン(5)の前記クランクスプロケット(2)から前記カムスプロケット(4)に向けて走行する部分を案内するように配置された弛み側チェーンガイド(6)を前記チェーンガイドとして有し、
その弛み側チェーンガイド(6)のクランクスプロケット(2)側の端部のローラ(8)と前記クランクスプロケット(2)との間のチェーン(5)の掛け渡し部分が、上記の不等式(1)を満たす少なくとも1箇所の前記掛け渡し部分に含まれている請求項1に記載のチェーン伝動装置。 - 前記チェーンガイド(6,7)のローラ(8)と前記各スプロケット(2,4)との間のチェーン(5)の掛け渡し部分のうちの、すべての箇所の掛け渡し部分が上記の不等式(1)を満たす請求項1または2に記載のチェーン伝動装置。
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