JP4888367B2 - スプロケットおよびエンジン - Google Patents

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Description

本発明は、スプロケットおよびエンジンに関する。
近年、車両用エンジンのバルブ駆動用動力伝動装置としては、従来の歯付ベルトを用いたベルト伝動装置に代えて、ローラチェーンおよびスプロケットを用いたローラチェーン伝動装置の採用が増加している。ローラチェーン伝動装置では、ローラチェーンとスプロケットとの噛み合い時に、チェーン打音が発生する。チェーン打音は、主として、ローラチェーンとスプロケットとの噛み合い時における強制力(ローラチェーンとスプロケットとの噛み合い時に発生する力)により発生すると考えられる。そこで、最近では、チェーン打音を低減させる技術が開発されてきている。
例えば特許文献1には、スプロケットの全ての歯部の回転軸方向の両側に、ローラチェーンとの噛み合い時の緩衝作用をなす一対の緩衝部を備えたスプロケットに関する技術が開示されている。特許文献2には、タイミングチェーンの軌道を規制するスプロケットにおいて、スプロケットの環状部の外周面との間に隙間を設けて配置された環状の弾性部材(緩衝部)を備えたスプロケットに関する技術が開示されている。特許文献3には、タイミングチェーンの軌道を規制するスプロケットにおいて、スプロケット本体(環状部)とタイミングチェーンとの間に環状の緩衝部を備えたプロケットに関する技術が開示されている。特許文献4には、スプロケットのボス部(環状部)の外周円筒面に環状のクッション体(緩衝部)を備えたスプロケットに関する技術が開示されている。
特許文献1〜特許文献4のいずれの技術においても、ローラチェーンとスプロケットとの噛み合い時における強制力が緩衝部によって緩められる。それにより、チェーン打音が全体的に低減される。
実用新案登録第3121313号公報 特開2007−9973号公報 特開2007−9972号公報 特開2000−337478号公報
近年、車両用のエンジンの音色を改善する要求が高くなってきている。しかしながら、特許文献1〜特許文献4のいずれの技術においても、チェーン打音を全体的に低減させることはできるが、所望の音を強調させることは困難である。
本発明は、所望の音を強調させることができるスプロケットおよびエンジンを提供することを目的とする。
本発明に係るスプロケットは、エンジンのタイミングチェーンに噛み合うスプロケットであって、環状部と、環状部の外周面に形成された複数の歯部と、環状部の外周面に対して、外周方向に一定間隔を有して断続的に配置された複数の緩衝部と、を備え、複数の緩衝部の個数は、エンジンの気筒数と同じであることを特徴とするものである。
本発明に係るスプロケットによれば、複数の緩衝部は、環状部の外周面に対して、外周方向に一定間隔を有して断続的に配置されている。それにより、スプロケットがタイミングチェーンと噛み合う場合には、タイミングチェーンとスプロケットとの噛み合い時の強制力は、断続的に緩衝される。その結果、緩衝部が配置された部位以外の部位とタイミングチェーンとの噛み合い時におけるチェーン打音が強調される。それにより、緩衝部の配置の間隔を適当に選択することにより、所望の音を強調させることができる。
また、n本(nは自然数)の気筒を有するエンジンの場合、爆発2次の音は、回転n次の音である。したがって、上記構成によれば、環状部がn本の気筒数を有するエンジンのタイミングチェーンに噛み合う場合には、タイミングチェーンとスプロケットとの間の強制力は、1サイクルあたりn回、断続的に緩衝される。その結果、タイミングチェーンとスプロケットとの間の強制力は、1サイクルあたりn回、相対的に大きくなる。それにより、回転n次の音を強調させることができることから、爆発2次の音を強調させることができる。
上記構成において、緩衝部は、歯部を挟むようにして配置された一対の緩衝片からなってもよい。上記構成において、環状部に嵌合すると共に複数の緩衝部を保持する保持部を備えていてもよい。この構成によれば、保持部によって緩衝部のスプロケットからの脱離が抑制される。その結果、スプロケットが保持部を備えていない場合に比較して、スプロケットの回転数を高くすることができることから、より高い周波数の音を強調させることができる。また、保持部によって緩衝部のガタツキが抑制されることから、緩衝部のガタツキによる雑音の発生が抑制される。また、緩衝部のスプロケットからの脱離が抑制されることにより、スプロケットの信頼性が向上する。
上記構成において、保持部は、複数の緩衝部を挟むことによって保持する一対の保持片を含んでいてもよい。上記構成において、保持部は、剛性を有しておりかつ環状部にしまり嵌め状態で嵌合していてもよい。この構成によれば、保持部が環状部にしまり嵌め状態で嵌合していることにより、保持部は、緩衝部を保持するのみならず、環状部に対しても環状部の内径方向に対する締め付け力を与える。その結果、環状部の剛性が高くなる。したがって、保持部がしまり嵌め状態で嵌合されていない場合に比較して、スプロケットの回転数を高くすることができることから、より高い周波数の音を強調させることができる。
上記構成において、環状部は、歯部との肉厚差によって形成された肩部を有し、肩部には、保持部と嵌合する溝部が形成されていてもよい。この構成によれば、保持部を溝部に嵌合させることができる。それにより、溝部が形成されていない場合に比較して、緩衝部を保持する保持力を高めることができる。その結果、緩衝部のスプロケットからの脱離が抑制されることから、より高い周波数の音を強調させることができる。
本発明に係るエンジンは、複数の気筒を有するエンジンであって、タイミングチェーンと、タイミングチェーンに噛み合いながら回転するスプロケットと、を備え、スプロケットは、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のスプロケットであることを特徴とするものである。本発明に係るエンジンによれば所望の音を強調することができる。
本発明によれば、所望の音を強調させることができるスプロケットおよびエンジンを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の実施例1に係るクランクスプロケット22およびクランクスプロケット22が用いられるエンジン200について説明する。まずは、エンジン200について説明する。図1は、エンジン200の模式図である。エンジン200は複数の気筒を有するエンジンである。本実施例においては、6本の気筒を有するV型のエンジン(V6エンジン)をエンジン200の一例として説明する。
エンジン200は、右バンク11(図1において向かって左側)と、左バンク12(図1において向かって右側)と、を有している。本実施例においては、エンジン200は、右バンク11および左バンク12にそれぞれ3つの気筒を有している。各気筒には、それぞれピストン(図示せず)が配置されている。各ピストンは、それぞれコンロッド(図示せず)によってクランクシャフト20に連結されている。各ピストンの往復運動は、コンロッドを介してクランクシャフト20の回転運動に変換される。
クランクシャフト20の一端には、クランクスプロケット22が挿嵌されている。クランクスプロケット22の詳細については、後述する。なお、クランクスプロケット22の歯部の個数は、特に限定されないが、本実施例においては18である。
右バンク11の各気筒は、図示しない各ポート(吸気ポートおよび排気ポート)を有している。各気筒の吸気ポートには、吸気バルブ(図示せず)が配置されている。各気筒の排気ポートには、排気バルブ(図示せず)が配置されている。そして、右バンク11には、吸気バルブを開閉駆動させるための右バンク吸気カム(図示せず)と、右バンク吸気カムを回転させる右バンク吸気カムシャフト30と、が配置されている。また、右バンク11には、排気バルブを開閉駆動させるための右バンク排気カム(図示せず)と、右バンク排気カムを回転させる右バンク排気カムシャフト33と、が配置されている。
左バンク12の各気筒は、吸気ポート(図示せず)と排気ポート(図示せず)とを有している。各気筒の吸気ポートには、吸気バルブ(図示せず)が配置されている。各気筒の排気ポートには、排気バルブ(図示せず)が配置されている。そして、左バンク12には、吸気バルブを開閉駆動させるための左バンク吸気カム(図示せず)と、左バンク吸気カムを回転させる左バンク吸気カムシャフト40と、が配置されている。また、左バンク12には、排気バルブを開閉駆動させるための左バンク排気カム(図示せず)と、左バンク排気カムを回転させる左バンク排気カムシャフト43と、が配置されている。
右バンク吸気カムシャフト30には、第1右バンク吸気カムスプロケット31と、第2右バンク吸気カムスプロケット32と、が挿嵌されている。第1右バンク吸気カムスプロケット31および第2右バンク吸気カムスプロケット32は、それぞれ、右バンク吸気カムシャフト30と同じ周期で回転する。第1右バンク吸気カムスプロケット31および第2右バンク吸気カムスプロケット32としては、ローラチェーンと噛み合う周知のスプロケットを用いることができる。第2右バンク吸気カムスプロケット32の歯部の個数は、第1右バンク吸気カムスプロケット31の歯部の個数の2倍である。本実施例においては、第2右バンク吸気カムスプロケット32の歯部の個数は36であり、第1右バンク吸気カムスプロケット31の歯部の個数は18である。
右バンク排気カムシャフト33には、右バンク排気カムスプロケット34が挿嵌されている。右バンク排気カムスプロケット34は、右バンク排気カムシャフト33と同じ周期で回転する。右バンク排気カムスプロケット34としては、周知のスプロケットを用いることができる。右バンク排気カムスプロケット34の歯部の個数は、第1右バンク吸気カムスプロケット31の歯部の個数と同じである。本実施例においては、右バンク排気カムスプロケット34の歯部の個数は、18である。
左バンク吸気カムシャフト40には、第1左バンク吸気カムスプロケット41と、第2左バンク吸気カムスプロケット42と、が挿嵌されている。第1左バンク吸気カムスプロケット41および第2左バンク吸気カムスプロケット42は、それぞれ、左バンク吸気カムシャフト40と同じ周期で回転する。第1左バンク吸気カムスプロケット41および第2左バンク吸気カムスプロケット42としては、周知のスプロケットを用いることができる。第2左バンク吸気カムスプロケット42の歯部の個数は、第1左バンク吸気カムスプロケット41の歯部の個数の2倍である。本実施例においては、第2左バンク吸気カムスプロケット42の歯部の個数は36であり、第1左バンク吸気カムスプロケット41の歯部の個数は18である。
左バンク排気カムシャフト43には、左バンク排気カムスプロケット44が挿嵌されている。左バンク排気カムスプロケット44は、左バンク排気カムシャフト43と同じ周期で回転する。左バンク排気カムスプロケット44としては、周知のスプロケットを用いることができる。左バンク排気カムスプロケット44の歯部の個数は、第1左バンク吸気カムスプロケット41の歯部の個数と同じである。本実施例においては、左バンク排気カムスプロケット44の歯部の個数は、18である。
右バンク11と左バンク12との間には、アイドラスプロケット50が配置されている。アイドラスプロケット50は、タイミングチェーン60の走行軌道を規制する機能を有する。アイドラスプロケット50は、回転軸52に挿嵌されている。アイドラスプロケット50としては、周知のスプロケットを用いることができる。アイドラスプロケット50の歯部の個数は、クランクスプロケット22の歯部の個数と同じである。本実施例においては、アイドラスプロケット50の歯部の個数は18である。
クランクスプロケット22、第2右バンク吸気カムスプロケット32、アイドラスプロケット50および第2左バンク吸気カムスプロケット42には、タイミングチェーン60が巻き掛けられている。具体的には、タイミングチェーン60は、クランクスプロケット22、第2右バンク吸気カムスプロケット32および第2左バンク吸気カムスプロケット42に、タイミングチェーン60の走行軌道の内側から巻き掛けられている。また、タイミングチェーン60は、アイドラスプロケット50に、タイミングチェーン60の走行軌道の外側から巻き掛けられている。
タイミングチェーン60としては、周知のローラチェーンを用いることができる。例えば、タイミングチェーン60としては、一対のローラと、一対のローラのそれぞれの両端に接続された一対のプレート、とを備えるリンクが複数曲折可能に連結されたローラチェーンを用いることができる。
第1右バンク吸気カムスプロケット31および右バンク排気カムスプロケット34には、右バンク用カムチェーン70が巻き掛けられている。右バンク用カムチェーン70としては、周知のローラチェーンを用いることができる。
第1左バンク吸気カムスプロケット41および左バンク排気カムスプロケット44には、左バンク用カムチェーン80が巻き掛けられている。左バンク用カムチェーン80としては、周知のローラチェーンを用いることができる。
エンジン200においては、例えばクランクシャフト20が時計回りに回転すると、クランクスプロケット22も時計回りに回転する。その結果、タイミングチェーン60は、図1の矢印の方向に走行する。タイミングチェーン60が走行すると、第2右バンク吸気カムスプロケット32、アイドラスプロケット50および第2左バンク吸気カムスプロケット42が回転する。
第2右バンク吸気カムスプロケット32が回転すると、右バンク吸気カムシャフト30が回転する。右バンク吸気カムシャフト30が回転すると、第1右バンク吸気カムスプロケット31が回転する。第1右バンク吸気カムスプロケット31が回転すると、右バンク用カムチェーン70が走行する。右バンク用カムチェーン70が走行すると、右バンク排気カムスプロケット34が回転する。右バンク排気カムスプロケット34が回転すると、右バンク排気カムシャフト33が回転する。
第2左バンク吸気カムスプロケット42が回転すると、左バンク吸気カムシャフト40が回転する。左バンク吸気カムシャフト40が回転すると、第1左バンク吸気カムスプロケット41が回転する。第1左バンク吸気カムスプロケット41が回転すると、左バンク用カムチェーン80が走行する。左バンク用カムチェーン80が走行すると、左バンク排気カムスプロケット44が回転する。左バンク排気カムスプロケット44が回転すると、左バンク排気カムシャフト43が回転する。
以上のようにして、クランクシャフト20の動力は、右バンク吸気カムシャフト30、右バンク排気カムシャフト33、左バンク吸気カムシャフト40および左バンク排気カムシャフト43に伝達される。それにより、右バンク11および左バンク12にそれぞれ配置された吸気バルブおよび排気バルブが駆動される。
また、第1右バンク吸気カムスプロケット31および第1左バンク吸気カムスプロケット41の歯部の個数は、クランクスプロケット22の歯部の個数の2倍である。したがって、クランクシャフト20が2回転(720°)することにより、吸気バルブおよび排気バルブは、それぞれ開閉動作を1回行う。
続いて、クランクスプロケット22の詳細について説明する。図2は、クランクスプロケット22の模式的正面図である。図3は、図2のA−A線断面図である。また、図3には、タイミングチェーン60のリンク(ローラ61およびローラ61の両端に配置された一対のプレート62)が併せて図示されている。なお、タイミングチェーン60のリンクは、点線で図示されている。また、図2の寸法と図3の寸法とは、厳密に一致してはいない。
図2および図3に示すように、クランクスプロケット22は、環状部101と、環状部101の外周に等ピッチで配置された複数の歯部102と、緩衝部110,112と、ストッパーリング120,122と、を備える。
環状部101は、回転軸としてのクランクシャフト20に挿嵌されるための挿嵌孔103が形成された環状形状を有している。環状部101の材質としては、例えば鋼を用いることができる。環状部101の回転方向は、図2に図示されている。
図2および図3に示すように、歯部102は、環状部101の外周面に等ピッチで複数配置されている。本実施例においては、歯部102の個数は18である。歯部102のピッチは、タイミングチェーン60と噛み合うことができれば特に限定されない。歯部102の材質としては、例えば鋼を用いることができる。また、歯部102の肉厚(回転軸方向の厚さ)は特に限定されない。本実施例においては、歯部102の肉厚は環状部101の肉厚に比較して小さい。それにより、環状部101には、肩部105が形成されている。
緩衝部110,112は、環状部101の外周面に対して、外周方向に一定間隔を有して断続的に配置されている。本実施例においては、緩衝部110,112はそれぞれ、隣接する2つの歯部102を、回転軸方向から挟むようにして配置されている。なお、歯部102の回転軸方向の両側面にそれぞれ配置された一対の緩衝部110,112を、一対の緩衝片と称する。そして、一対の緩衝片は、隣接する一対の緩衝片同士の間に1個の歯部102が配置されるようにして、環状部101の外周面に対して6個配置されている。つまり、一対の緩衝片の個数は、エンジン200の気筒数と同じである。また、隣接する一対の緩衝片同士の間隔は、一定である。
クランクスプロケット22においては、タイミングチェーン60のローラ61とクランクスプロケット22との噛み合い時に、タイミングチェーン60のプレート62に一対の緩衝片が当接する。それにより、クランクスプロケット22の一対の緩衝片が配置された部位とタイミングチェーン60との噛み合い時における強制力は、緩衝される。
一対の緩衝片としては、タイミングチェーン60との噛み合い時の強制力を緩衝できる程度の弾性を有する弾性部材であれば特に限定されない。例えば、一対の緩衝片としては、ウレタンゴム、ニトリルゴム等を用いることができる。
ストッパーリング120,122は、一対の緩衝片を歯部102に挟持させる一対の保持片としての機能を有する。ストッパーリング120,122は、環状形状を有する剛性部材からなる。例えば、ストッパーリング120,122の材質としては、鋼を用いることができる。
また、環状部101の肩部105には、ストッパーリング120,122と嵌合する溝部としての環状溝104が形成されている。ストッパーリング120,122はそれぞれ、環状溝104にしまり嵌め状態で嵌合されている。なお、しまり嵌め状態での嵌合とは、環状溝104に嵌合される前のストッパーリング120,122の内径に比較して、環状溝104に嵌合された状態のストッパーリング120,122の内径の方が大きくなる状態で、ストッパーリング120,122が環状溝104に嵌合されていることをいう。
本実施例に係るエンジン200のクランクスプロケット22によれば、一対の緩衝片は、環状部101の外周面に、外周方向に対して一定の間隔を有して断続的に配置されている。それにより、タイミングチェーン60とクランクスプロケット22との噛み合い時の強制力は、断続的に緩衝される。その結果、一対の緩衝片が配置された部位以外の部位とタイミングチェーン60との噛み合い時におけるチェーン打音が強調される。それにより、一対の緩衝片の配置の間隔を適当に選択することにより、所望の音を強調させることができる。
続いて、一対の緩衝片の配置の周期とエンジン200の音色との関係について説明する。まず、ここで、エンジン200の爆発n次の音と回転n次の音について説明する。爆発n次の音とは、爆発の周期のn倍の周波数に相当する音をいう。回転n次の音とは、エンジン200の回転周期のn倍の周波数に相当する音をいう。なお、nは自然数である。
例えば、4気筒エンジンの場合、1サイクルすなわちクランクシャフト20の2回転当たり、4回の爆発が生じる。したがって、クランクシャフト20の1回転当たり2回の爆発が生じる。つまり、4気筒エンジンの場合、爆発1次の音は回転2次の音である。したがって、4気筒エンジンの場合、爆発2次の音は回転2次の2倍である回転4次の音である。同様に、6気筒エンジンの場合、爆発2次の音は回転6次の音である。8気筒エンジンの場合、爆発2次の音は回転8次の音である。つまり、n本の気筒を有するエンジン200において、爆発2次の音は回転n次の音である。
なお、爆発1次の音は、運転者にとって一般に「騒音」として聞こえる。一方、爆発2次の音は、運転者にとっていわゆる「軽快感ある音」として聞こえる。したがって、爆発2次の音は、爆発1次の音に比較して、運転者にとって好ましいと感じられる音である。
本実施例に係るエンジン200のクランクスプロケット22によれば、一対の緩衝片の個数は、エンジン200の気筒数(6本)と同じ個数(6個)である。それにより、タイミングチェーン60とクランクスプロケット22との間の強制力は、1サイクルあたりn回、断続的に緩衝される。その結果、タイミングチェーン60とクランクスプロケット22との間の強制力は、1サイクルあたりn回、相対的に大きくなる。それにより、回転n次の音を強調させることができることから、爆発2次の音を強調させることができる。
また、本実施例に係るエンジン200のクランクスプロケット22によれば、保持部としてのストッパーリング120,122を備えている。それにより、一対の緩衝片のクランクスプロケット22からの脱離が抑制される。その結果、クランクスプロケット22がストッパーリング120,122を備えていない場合に比較して、クランクスプロケット22の回転数を高くすることができることから、より高い周波数の音を強調させることができる。また、一対の緩衝片のガタツキが抑制されることから、一対の緩衝片のガタツキによる雑音の発生が抑制される。また、一対の緩衝片のクランクスプロケット22からの脱離が抑制されることにより、クランクスプロケット22の信頼性が向上する。
また、本実施例に係るエンジン200のクランクスプロケット22によれば、ストッパーリング120,122は、環状部101にしまり嵌め状態で嵌合している。それにより、ストッパーリング120,122は、一対の緩衝片を保持するのみならず、環状部101に対しても環状部101の内径方向に対する締め付け力を与える。その結果、環状部101の剛性が高くなる。したがって、ストッパーリング120,122がしまり嵌め状態で嵌合されていない場合に比較して、クランクスプロケット22の回転数を高くすることができることから、より高い周波数の音を強調させることができる。
また、環状部101の肩部105には、溝部としての環状溝104が形成されている。それにより、ストッパーリング120,122を環状溝104に嵌合させることができる。それにより、環状溝104が形成されていない場合に比較して、一対の緩衝片を保持する保持力を高めることができる。その結果、一対の緩衝片のクランクスプロケット22からの脱離が抑制されることから、より高い周波数の音を強調させることができる。
なお、本実施例において、クランクスプロケット22が一対の緩衝片を備えていたが、これに限られない。例えば、図1に示すアイドラスプロケット50が、一対の緩衝片を備えていてもよい。アイドラスプロケット50もタイミングチェーン60に噛み合うスプロケットであり、クランクシャフト20と同じ周期で回転するからである。あるいは、クランクスプロケット22およびアイドラスプロケット50の両方が、一対の緩衝片を備えていてもよい。
また、クランクスプロケット22およびアイドラスプロケット50の両方が、一対の緩衝片を備えている場合には、クランクスプロケット22の一対の緩衝片の配置の間隔は、アイドラスプロケット50の一対の緩衝片の配置の間隔と同じであることが好ましい。さらに、タイミングチェーン60は、クランクスプロケット22の一対の緩衝片が配置された部位以外の部位と、アイドラスプロケット50の一対の緩衝片が配置された部位以外の部位と、に同時に噛み合うことがより好ましい。この場合、所望の音色をより強調させることができるからである。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
図1は、実施例1に係るエンジンの模式図である。 図2は、クランクスプロケットの模式的正面図である。 図3は、図2のA−A線断面図である。
符号の説明
11 右バンク
12 左バンク
20 クランクシャフト
22 クランクスプロケット
31 第1右バンク吸気カムスプロケット
32 第2右バンク吸気カムスプロケット
34 右バンク排気カムスプロケット
41 第1左バンク吸気カムスプロケット
42 第2左バンク吸気カムスプロケット
44 左バンク排気カムスプロケット
50 アイドラスプロケット
60 タイミングチェーン
61 ローラ
62 プレート
101 環状部
102 歯部
103 挿嵌孔
104 環状溝
105 肩部
110,112 緩衝部
120,122 ストッパーリング
200 エンジン

Claims (7)

  1. エンジンのタイミングチェーンに噛み合うスプロケットであって、
    環状部と、
    前記環状部の外周面に形成された複数の歯部と、
    前記環状部の外周面に対して、外周方向に一定間隔を有して断続的に配置された複数の緩衝部と、を備え
    前記複数の緩衝部の個数は、前記エンジンの気筒数と同じであることを特徴とするスプロケット。
  2. 前記緩衝部は、前記歯部を挟むようにして配置された一対の緩衝片からなることを特徴とする請求項1記載のスプロケット。
  3. 前記環状部に嵌合すると共に前記複数の緩衝部を保持する保持部を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスプロケット。
  4. 前記保持部は、前記複数の緩衝部を挟むことによって保持する一対の保持片を含むことを特徴とする請求項記載のスプロケット。
  5. 前記保持部は、剛性を有しておりかつ前記環状部にしまり嵌め状態で嵌合していることを特徴とする請求項3または請求項4記載のスプロケット。
  6. 前記環状部は、前記歯部との肉厚差によって形成された肩部を有し、
    前記肩部には、前記保持部と嵌合する溝部が形成されていることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載のスプロケット。
  7. 複数の気筒を有するエンジンであって、
    タイミングチェーンと、
    前記タイミングチェーンに噛み合いながら回転するスプロケットと、を備え、
    前記スプロケットは、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のスプロケットであることを特徴とするエンジン
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