JP6247559B2 - エンジンの動弁駆動装置 - Google Patents

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本発明は、動弁機構を所定タイミングで動作させるタイミングチェーンとスプロケットとの間で発生する振動、騒音を低減させるようにしたエンジンの動弁駆動装置に関する。
一般に、4サイクルエンジンではクランク軸の回転数を1/2回転に減速してカム軸に伝達し、各気筒の吸気弁と排気弁とを所定に開閉動作させて、各気筒に対する吸排気を行っている。クランク軸とカム軸との間の動力の伝達を行う駆動力伝達媒体として、従来は、タイミングベルト(歯付ベルト)が多く採用されていた。しかし、最近では、エンジンの高性能化への対応、及びメンテナンスフリーの要請から、タイミングベルトよりも耐久性に優れた金属製ローラチェーン(タイミングチェーン)を採用するエンジンが増加している。
しかし、タイミングチェーンはクランク軸から駆動力をカム軸に伝達するものであるため、クランク軸とカム軸との双方に設けられているスプロケットと噛み合う際に、ローラがスプロケット歯に打撃されて音(チェーン音)が発生する。そして、このチェーン音が振動、騒音の原因となっている。
このチェーン音を低減するための対策として、例えば、特許文献1(特開2005−114080号公報)や 特許文献2(特開2011−220514号公報)には、タイミングチェーンとして採用するローラチェーン、或いはサイレントチェーンを、制振性に優れた合金体や鋼材(以下、「高振動減衰材」と総称する) を用いて形成することで、チェーン音の低減を図る技術が開示されている。
特開2005−114080号公報 特開2011−220514号公報
しかし、上述した文献に開示されている技術では、タイミングチェーンを構成するほぼ全ての部品を、高振動減衰材を用いて形成しているため高価であり、コスト高となってしまう問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、コストを抑制しつつ、タイミングチェーンがカム軸に設けたスプロケットに噛み合う際のチェーン音を有効に減衰させることのできるエンジンの動弁駆動装置を提供することを目的とする。
本発明は、クランク軸に設けられているクランクスプロケットと、カム軸に設けられているカムスプロケットと、前記クランクスプロケットと前記カムスプロケットの歯底部に係合するローラを有し、前記クランクスプロケットと前記カムスプロケットの間に巻装されるタイミングチェーンとを有するエンジンの動弁駆動装置において、前記タイミングチェーンのリンク数を前記カム軸が吸気弁を開弁させるタイミングと排気弁を開弁させるタイミングのクランク角間隔で進む前記ローラ数の整数倍に設定し、前記タイミングチェーンにおいて、前記カム軸が前記吸気弁を開弁させる際前記排気弁を開弁させる際に前記カムスプロケットに対して巻掛けが開始される位置の部品のみを高振動減衰材で形成した。
本発明によれば、タイミングチェーンの長さを少なくともカム軸が吸気弁と排気弁とを開弁させるタイミングのクランク角間隔で進むローラ数の整数倍に設定し、更に、このカム軸が吸気弁と排気弁とを開弁させる際にカムスプロケットに対してタイミングチェーンの巻掛けが開始される位置の部品を高振動減衰材で形成したので、吸気弁と排気弁とが開弁する際には、必ず高振動減衰材で形成した部品が、カムスプロケットの巻掛けを開始する位置で係合されるため、スプロケットとローラとが噛み合う際に発生するチェーン音を減衰させることができる。又、タイミングチェーン全体を高振動減衰材で形成する必要がないため、製品コストの低減を図ることができる。
動弁駆動装置を有する水平対向エンジンのチェーンカバーを外した状態の正面図 タイミングチェーンの要部拡大斜視図 スプロケットに噛み合っているタイミングチェーンの図2の水平断面平面図 カム位置と各気筒の行程及び筒内圧力変化を示すタイミングチャート
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1の符号1はエンジンであり、本実施形態では水平対向型4気筒ツインカムエンジンが示されている。尚、本実施形態で適用するエンジンは、水平対向型に限らず、V型、直列型であっても良い。
このエンジン1のシリンダブロック2は左右(LH,RH)バンク2a,2bに分割されており、その下部にオイルパン2cが取付けられている。更に、この両バンク2a,2bの合せ面にクランク軸1aが配設され、一方、この各バンク2a,2bの頂部にLHシリンダヘッド3a、RHシリンダヘッド3bが設けられており、各シリンダヘッド3a,3b内に動弁室(図示せず)が形成されている。
又、図1の右下に示すように、本実施形態では、#1〜#4気筒が正面から後方へ順に配列され、そのうち、#1,#3気筒がRHバンク2bに配列され、#2,#4気筒がLHバンク2aに配列されている。更に、各気筒のピストンはコネクティングロッドを介してクランク軸1aに連設されており、その点火順序が、#1→#3→#2→#4の等間隔燃焼に設定されている。
各バンク2a,2bの動弁室には、各気筒の吸気ポートと排気ポートとを開閉する吸気弁と排気弁とが各気筒に対応して設けられていると共に、各吸気弁と各排気弁とを所定のクランク角で開閉動作させる吸気カム軸6L,6Rと排気カム軸7L,7Rとが配設されている。
一方、エンジン1の前部にはチェーン室4が設けられており、このチェーン室4の前面がチェーンカバーで覆われている。尚、図1にはチェーンカバーを外した状態が示されている。
このチェーン室4に、各バンク2a,2bにそれぞれ配設されている吸気カム軸6L,6R、排気カム軸7L,7Rの軸端に軸着されている吸気カムスプロケット8L,8R、排気カムスプロケット9L,9R、及び、クランク軸1aの軸端に軸着されているクランクスプロケット5が所定に配設されている。このクランクスプロケット5とLHシリンダヘッド3a側の吸気カムスプロケット8L及び排気カムスプロケット9LとにLHタイミングチェーン10Lが巻装されており、このLHタイミングチェーン10Lを介して、LHシリンダヘッド3a側の各カム軸6L,7Lがクランク軸1aに同期して回転駆動される。
更に、このLHタイミングチェーン10Lは、クランクスプロケット5の下方に配設されている二枚歯からなる第1のアイドラスプロケット11、クランクスプロケット5と吸気カムスプロケット8Lとの間に配設されている第2のアイドラスプロケット12、及び、第2のアイドラスプロケット12の下方に配設されているウォータポンプ13に軸着されているポンプスプロケット13aに巻装されており、このLHタイミングチェーン10Lを介してウォータポンプ13が回転駆動される。
一方、第1のアイドラスプロケット11と、RHシリンダヘッド3b側の吸気カムスプロケット8L,8R及び排気カムスプロケット9L,9RとにRHタイミングチェーン10Rが巻装されている。そして、LHタイミングチェーン10Lによりクランク軸1aに連動して回転駆動される第1のアイドラスプロケット11の回転が、RHタイミングチェーン10RによってRHシリンダヘッド3b側の各カムスプロケット8L,8R,9L,9Rに伝達される。これにより、クランク軸1aに対しRHシリンダヘッド3b側の各カム軸6L,6R,7L,7Rが、クランク軸1aに同期して回転駆動される。
尚、本実施形態では、クランク軸1aが、図1の正面視で時計回り方向へ回転するように設定されており、従って、各タイミングチェーン10L,10Rはクランク軸1aに同期して同方向へ回転する。
この各タイミングチェーン10L,10Rは、ローラチェーンであり、その構成を図2、図3に示す。同図に示すように、環状に対向配設された複数のインナリンクプレート10aと、この各列のインナリンクプレート10aの外側に、隣接する2つのインナリンクプレート10aに重ねるように配設されたアウタリンクプレート10bと、それぞれの対向するインナリンクプレート10a相互の長手方向に貫通されて両端をアウタリンクプレート10bに固定されたピン10cとを有している。更に、この各タイミングチェーン10L,10Rは、上述したピン10cに貫通されて、その両端がアウタリンクプレート10bの対向面にて抜け止めされているブッシュ10dと、このブッシュ10dに挿通されて、その両端がインナリンクプレート10aの対向面にて抜け止めされている回動自在なローラ10eとを有している。
そして、LHタイミングチェーン10Lが、各スプロケット5,12,8L,9L.13a,11に巻き掛けられた状態では、各スプロケット5,12,8L,9L.13a,11の各歯21の間に存在するU字形状の歯底部にローラ10eが係合され、各スプロケット5,12,8L,9L.13a,11の歯21がインナリンクプレート10aとローラ10eとによって囲まれている歯係合枠部10fに係合される。
同様に、RHタイミングチェーン10Rが、各スプロケット11,12,8L,9L.13a,11に巻き掛けられた状態では、各スプロケット5,12,8L,9L.13a,11の各歯21の間に存在するU字形状の歯底部にローラ10eが係合され、各スプロケット5,12,8L,9L.13a,11の歯21がインナリンクプレート10aとローラ10eとによって囲まれている歯係合枠部10fに係合される。
ところで、本実施形態による水平対向型4気筒エンジン1は点火順序が#1→#3→#2→#4の等間隔燃焼であるため、燃焼サイクルが180[CA°(クランク角)]毎の位相で繰り返される。
従って、図4に示すように、#1気筒の圧縮下死点(吸気下死点)を、0[CA°]として、#1気筒の燃焼サイクルを基準に、他の気筒の燃焼サイクルを示した場合、膨張行程初期における筒内圧の急上昇が180[CA°]毎に発生するため、クランク軸1aの回転速度は、おおよそ180[CA°]の周期で増速される。一方、同図に示すように、各気筒の吸気弁(IN)は排気行程終了間際に開弁され、一方、排気弁(EX)は膨張行程終了間際に開弁される。
一般に、点火時期制御では、図4に示すように、筒内圧(燃焼圧)のピーク値を圧縮上死点後、ほぼ一定のクランク角となるように点火時期を制御している(MBT制御)。従って、各気筒のクランク軸1aの回転速度が急増速されるタイミングは、圧縮上死点経過後、ほほ一定のクランク角となる。又、各気筒の吸気弁の開弁タイミングが排気上死点前の一定のクランク角に設定されており、同様に、各気筒の排気弁の開弁タイミングも排気下死点前の一定のクランク角に設定されている場合、当然、吸気弁の開弁タイミングは排気上死点後、一定のクランク角となり、一方、排気弁の開弁タイミングは排気上死点前、一定のクランク角となる。
各気筒の燃焼サイクルは180[CA°]の位相で繰り返される。その際、左バンク2a(右バンク2b)では、#1気筒(#2気筒)が膨張行程の所定クランク角において燃焼ピークを迎えた後、排気行程へ移行する前に排気弁が開弁し、この排気行程から吸気行程へ移行する前に吸気弁が開弁する。又、#1気筒(#2気筒)が排気行程のとき#3気筒(#4気筒)が膨張行程となり、この膨張行程の所定クランク角で燃焼圧のピークとなる。そして、その後、排気行程へ移行する前に排気弁が開弁し、この排気行程から吸気行程へ移行する前に吸気弁が開弁する。従って、左バンク2a(右バンク2b)では#1,#3気筒(#2,#4気筒)の燃焼圧がピークとなるタイミングのクランク角間隔が、おおよそ180[CA°]であり、又、#1,#3気筒(#2,#4気筒)の吸気弁の開弁を開始するタイミングのクランク角間隔が180[CA°]、排気弁の開弁を開始するクランク角間隔が180[CA°]となる。
クランクスプロケット5が180[CA°]回転する際にタイミングチェーン10L(10R)が進むローラ数は、当然、クランクスプロケット5の歯数Ncの半分である(Nc/2)。一方、左バンク2a(右バンク2b)では、#1,#3気筒(#2,#4気筒)の吸気弁の開弁を開始するタイミングのクランク角間隔が180[CA°]であり、このときのタイミングチェーン10L(10R)が進む歯数Niは、カム軸6L(6R)がクランク軸1aの1/2の回転数で回転するため、当然、吸気カムスプロケット8L(8R)の歯数Niの1/4である(Ni/4)。
同様に、#1,#3気筒(#2,#4気筒)の排気弁の開弁を開始するタイミングのクランク角間隔が180[CA°]であるため、このときのタイミングチェーン10L(10R)が進む歯数Neも、当然、排気カムスプロケット9L(9R)の歯数Neの1/4、すなわち、クランクスプロケット5の歯数Ncの半分に相当する(Nc/2=Ne/4)。
従って、タイミングチェーン10L(10R)のリンク数をクランクスプロケット5の歯数Ncの1/2の整数倍に設定すれば、クランクスプロケット5では、燃焼圧のピークとなるクランク角で、常に、クランクスプロケット5の歯数Ncの1/2毎に配設されている特定のローラ10eを、巻き掛けが開始される位置(クランク巻掛開始点)PL1で係合させることができる。
又、上述したように、#1,#3気筒(#2,#4気筒)の吸気弁が開弁を開始するタイミングのクランク角間隔、及び排気弁が開弁を開始するタイミングのクランク角間隔は共に、180[CA°]であるため、この場合も、タイミングチェーン10L(10R)のリンク数をクランクスプロケット5の歯数Ncの1/2の整数倍に設定すれば、吸気カムスプロケット8L(8R)に対する巻掛けが開始される位置(吸気カム巻掛開始点)PL2(PR2)で、常に、特定のローラ10eを係合させることができる。同様に、排気カムスプロケット9L(9R)に対する巻掛けが開始される位置(排気カム巻掛開始点)PL3(PR3)で、常に、特定のローラ10eを係合させることができる。
更に、燃焼圧のピークも膨張行程開始直後のクランク角であり、吸排気弁(吸気弁と排気弁との総称)の開弁時期と近似しているため、クランク巻掛開始点PL1を吸排気弁の開弁タイミングに設定した場合、LHタイミングチェーン10Lのリンク数(全体の長さ)を、ローラ数がクランクスプロケット5の歯数Ncの1/2の整数倍となるように設定する。更に、クランク巻掛開始点PL1から吸気カム巻掛開始点PL2までのローラ数、及び、吸気カム巻掛開始点PL2から排気カム巻掛開始点PL3までのローラ数、及び、排気カム巻掛開始点PL3からクランク巻掛開始点PL1までのローラ数を、全てクランクスプロケット5の歯数Ncの1/2の整数倍となるように設定する。
これにより、各スプロケット5,8L,9Lの巻掛開始点PL1〜PL3で係合するローラ10eを、常に、クランクスプロケット5の歯数Ncの1/2のローラ数の整数倍に特定することができる。
一方、RHタイミングチェーン10Rは、そのリンク数(全体の長さ)を、ローラ数がクランクスプロケット5の歯数Ncの1/2の整数倍となるように設定し、更に、排気カム巻掛開始点PR3から吸気カム巻掛開始点PR2までのローラ数をクランクスプロケット5の歯数Ncの1/2の整数倍となるように設定すれば、各スプロケット9R,8Rの巻掛開始点PR3,PR2で係合するローラ10eを、常に、クランクスプロケット5の歯数Ncの1/2のローラ数の整数倍に特定することができる。
尚、RHタイミングチェーン10Rがクランクスプロケット5に巻掛けられて、このクランクスプロケット5から直接駆動力が入力されている場合は、そのクランク巻掛開始点を仮にPR1とすると、クランク巻掛開始点PR1から排気カム巻掛開始点PR3までのローラ数もクランクスプロケット5の歯数Ncの1/2の整数倍となるように設定する。
タイミングチェーン10Lとクランクスプロケット5とが噛み合う際に発生する打撃音(チェーン音)は、クランク軸1aの回転速度が急激に増速される際に発生するものであり、一方、タイミングチェーン10L(10R)と各スプロケット8L,9L(8R,9R)とが噛み合う際に発生する打撃音(チェーン音)は、カム軸6L,7L(6R.7R)が吸排気弁を開弁させる際に増大する負荷がタイミングチェーン10L(10R)に印加されるために発生するものである。
従って、LHタイミングチェーン10Lでは、全体のリンク数、巻掛開始点PL1−PL2間のローラ数、巻掛開始点PL2−PL3のローラ数、及び巻掛開始点PL3−PL1間のローラ数を、全てクランクスプロケット5の歯数Ncの1/2のローラ数の整数倍に設定する。一方、LRタイミングチェーン10Rでは、全体のリンク数、及び巻掛開始点PL3−PL2間のローラ数を、クランクスプロケット5の歯数Ncの1/2のローラ数の整数倍に設定する。
そして、例えば、吸気カムスプロケット8L(8R)では、吸気弁が開弁する際のクランク角において、吸気カム巻掛開始点PL2(PR2)に位置する、すなわち、吸気カムスプロケット8L(8R)との係合を開始するタイミングチェーン10L(10R)のローラ10eを特定し、当該、ローラ10eを基準として、クランクスプロケット5の歯数Ncの1/2のローラ数を1ピッチとして、各ピッチのローラ10e、或いは、当該ローラ10eを支持する部品を高振動減衰材(制振合金)で形成する。
この高振動減衰材(制振合金)は、外部から加えられた機械的振動エネルギを材料内部の各種変形エネルギに変換、消費させる制振性に優れた材料であり、例えば、特開2010−209466号公報に開示されているように、球状黒鉛鋳鉄に代表される複合型、サイレンタロイに代表される強磁性型、マグネシューム合金に代表される転移型、マンガンをベースとする双晶型が知られている。
上述した特定部位のローラ10e等を高振動減衰材で形成することで、クランクスプロケット5の回転速度が増速される際にクランク巻掛開始点PL1におおよそ位置するローラ10e、吸気弁を開弁させる際の負荷の増大により吸気カムスプロケット8L(8R)が減速される際に巻掛開始点PL2(PR2)に位置するローラ10e、及び、排気弁を開弁させる際の負荷の増大により排気カムスプロケット9L(9R)が減速される際に巻掛開始点PL3(PR3)に位置するローラ10e、或いは、これら各ローラ10eを支持する部材は、必ず高振動減衰材で形成されたものとなる。
この場合、上述したように、高振動減衰材は、機械的振動エネルギを材料内部の各種変形エネルギに変換、消費させる材料であるため、ローラ10eを高振動減衰材で形成する必要はなく、ローラ10eを支持し、このローラ10eから機械的振動が伝達されるブッシュ10d、ピン10c、インナリンクプレート10a、アウタリンクプレート10bの各構成部品の何れかを高振動減衰材で形成しても良い。これらの部品を高振動減衰材で形成することで、制振性が向上し、LHタイミングチェーン10Lがスプロケット5,8L,9Lに噛み合う際に発生するチェーン音、及び、RHタイミングチェーン10Rがスプロケット8R,9Rに噛み合う際に発生するチェーン音を有効に減衰させることができ、騒音、振動を低減させることができる。尚、最小部品で最も効率の良い制振性能を得ようとした場合は、上述した特定部位において噛み合う際の打撃を直接受けるローラ10eを高振動減衰材で形成することが好ましい。
以下に、上述した特定部位の各部品を高振動減衰材とする際に、コストを抑制しつつ、噛み合う際のチェーン音を効率良く減衰させることのできる組み合わせを好ましい順に示す。
(1)ローラ10e
(2)ローラ10e+両側インナリンクプレート10a
(3)ローラ10e+両側インナリンクプレート10a+両側アウタリンクプレート10b
(4)(1)〜(3)の何れか+ブッシュ10d
(5)(4)+ピン10c
尚、上述した特定部位の部品を高振動減衰材とするに際しての好ましい組み合わせは、スプロケットと噛み合う際に打撃を直接受ける部位に最も近い順に設定したものである。又、この場合、タイミングチェーン10L,10Rの構成は、図3に示したものに限定されることはなく、例えば、ブッシュ10dが省略されているタイミングチェーン10L,10Rでは、(4)は省略される。
このように、本実施形態によれば、左右バンク2a,2bを有する水平対向型エンジン、或いはV型エンジンにおいて、点火順序が、#1→#3→#2→#4の等間隔燃焼に設定されている場合、各タイミングチェーン10L,10Rのリンク数、及び、各巻掛開始点間のローラ数をクランクスプロケット5の歯数Ncの1/2のローラ数の整数倍に設定することで、クランクスプロケット5の回転速度が燃焼により増速される位置、及び各カムスプロケット8L,9L(8R,9R)が吸排気弁の開弁開始タイミングにより減速される位置において、巻掛が開始されるローラ10eがクランクスプロケット5の歯数Ncの1/2のピッチ毎に特定することができる。
従って、この特定部位のローラ10e等の構成部品を、選択的に高振動減衰材とすることで、タイミングチェーン10L,10R全体を高振動減衰材とした場合と同等の制振性能を得ることができ、チェーン音を良好に低減させることができる。
又、タイミングチェーン10L,10Rの高振動減衰材とする部位は、クランクスプロケット5の歯数Ncの1/2のピッチ毎のローラ10e等の部品のみとしたので、タイミングチェーン10L,10R全体を高振動減衰材とした場合に比し、製品コストを大幅に低減させることができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限るものではなく、例えば、エンジンはツインカム型に限らず、シングルカム型に適用することも可能である。この場合、図1に示すカム軸6L,7L(6R,7R)の何れかが省略されるが、燃焼タイミング、吸排気弁の開弁タイミングは同じであるため、各タイミングチェーン10L,10Rのリンク数、及び、各巻掛開始点間のローラ数をクランクスプロケット5の歯数Ncの1/2のローラ数の整数倍に設定する点に変更はない。
又、採用するエンジンは水平対向型、或いはV型の4気筒エンジンに限らず、左右バンクを有する4サイクル2気筒エンジン、6気筒以上のエンジンであっても良く、或いは4サイクル単気筒エンジン、4サイクル直列複数気筒エンジンであっても良い。この場合、4サイクルエンジンでは、4行程1サイクルであるため、単気筒エンジン、及び2気筒等間隔燃焼エンジンは、上述した実施形態が適用される。
一方、3気筒エンジンでは、各気筒の燃焼サイクルが240[CA°]の位相で繰り返されるため、ある気筒の吸気弁が開弁した後、60[CA°]経過後に次の気筒の排気弁が開弁し、更に、その後のおおよそ60[CA°]経過後に次の気筒の燃焼圧がピークとなる。従って、
Nc/(180[CA°]/60[CA°])
の歯数に対応するローラ数の整数倍に、上述した各値を設定すると共に、当該ローラ数毎に位置するローラ10e等の部品を高振動減衰材とする。
一方、6気筒以上のエンジンでは、720[CA°]/#nの位相で、各気筒の1サイクルが繰り返される。従って、
Nc・720[CA°]/#n
の整数倍に上述した各値を設定すると共に、当該ローラ数毎に位置するローラ10e等の部品を高振動減衰材とすることになる。
1…エンジン、
1a…クランク軸、
5…クランクスプロケット、
6L,6R…吸気カム軸、
7L,7R…排気カム軸、
8L,8R…吸気カムスプロケット、
9L,9R…排気カムスプロケット、
10L…LHタイミングチェーン、
10R…RHタイミングチェーン、
10a…インナリンクプレート、
10b…アウタリンクプレート、
10c…ピン、
10d…ブッシュ、
10e…ローラ、
Ne,Ni…歯数、
PL1…クランク巻掛開始点、
PL2,PR2…吸気カム巻掛開始点、
PL3,PR3…排気カム巻掛開始点

Claims (8)

  1. クランク軸に設けられているクランクスプロケットと、
    カム軸に設けられているカムスプロケットと、
    前記クランクスプロケットと前記カムスプロケットとの歯底部に係合するローラを有し、前記クランクスプロケットと前記カムスプロケットとの間に巻装されるタイミングチェーンと
    を有するエンジンの動弁駆動装置において、
    前記タイミングチェーンのリンク数前記カム軸が吸気弁を開弁させるタイミングと排気弁を開弁させるタイミングのクランク角間隔で進む前記ローラ数の整数倍に設定し、
    前記タイミングチェーンにおいて、前記カム軸が前記吸気弁を開弁させる際前記排気弁を開弁させる際に前記カムスプロケットに対して巻掛けが開始される位置の部品のみを高振動減衰材で形成した
    ことを特徴とするエンジンの動弁駆動装置。
  2. 前記タイミングチェーンにおいて、更に前記クランクスプロケットに対して前記タイミングチェーンの巻掛けが開始される位置と前記カムスプロケットに対して前記タイミングチェーンの巻掛けが開始される位置間のリンク数が前記ローラ数の整数倍に設定されている
    ことを特徴とする請求項1記載のエンジンの動弁駆動装置。
  3. カム軸が吸気カム軸と排気カム軸であり、該各カム軸に吸気カムスプロケットと排気カムスプロケットとが設けられており、
    前記タイミングチェーンにおいて、前記吸気カムスプロケットに対して前記タイミングチェーンの巻掛けが開始される位置と前記排気カムスプロケットに対して前記タイミングチェーンの巻掛けが開始される位置間のリンク数が前記ローラ数の整数倍に設定されている
    ことを特徴とする請求項1或いは2に記載のエンジンの動弁駆動装置。
  4. 前記高振動減衰材で形成される前記部品は前記ローラである
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジンの動弁駆動装置。
  5. 前記高振動減衰材で形成される前記部品は、前記ローラと該ローラの両側を支持するインナリンクプレートである
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジンの動弁駆動装置。
  6. 前記高振動減衰材で形成される前記部品は、前記ローラと該ローラの両側を支持するインナリンクプレートと該インナリンクプレートを支持するアウタリンクプレートである
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジンの動弁駆動装置。
  7. 前記高振動減衰材で形成される前記部品として前記ローラを回転自在に支持するブッシュを更に有する
    ことを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載のエンジンの動弁駆動装置。
  8. 前記高振動減衰材で形成される前記部品として前記ブッシュを支持するピンを更に有する
    ことを特徴とする請求項7記載のエンジンの動弁駆動装置。
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