JP2015058406A - 貴金属担持装置及びこれを用いた貴金属担持方法 - Google Patents

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【課題】本発明は、貴金属溶液による基材のセル詰まりやコート量のばらつきを抑制することができる貴金属担持装置を提供することを課題とする。【解決手段】基材固定部材16a、貴金属溶液12を保持する保持部材13及び吸引部材14を備える、基材11へ貴金属を担持させる貴金属担持装置1であって、該基材11は、端部A11aに開口部を有する孔15を複数備え、該孔15は他方の端部B11bの開口部と連通しており、該保持部材13は、該基材固定部材16aと分離可能であって、該基材固定部材16aと接触した際に該端部A11aにおいて該孔15と空間的に接続されており、該保持部材13は、貴金属溶液12との接液部13cがめっき処理されており、該吸引部材14は、該基材11の端部B11bにおいて該孔15と空間的に接続されていることを特徴とする貴金属担持装置1。【選択図】図1

Description

本発明は、触媒の製造において基材へ貴金属を担持するための貴金属担持装置、及びこれを用いた貴金属担持方法に関する。
従来、排ガス浄化用触媒を製造する際には、貴金属溶液の槽中に、コート層を有する基材(担体)を浸漬することによって、コート層に貴金属を担持させていた。しかしながらこのような製造方法を用いた場合、コート工程における基材への貴金属担持量にばらつきが生じる等の問題があった。
例えば特許文献1には、少なくとも一方の端部Aに開口を有する孔を複数備え、前記孔は他方の端部Bと連通する基材へ貴金属を担持させる貴金属担持装置であって、前記貴金属及び増粘剤を含む貴金属溶液を前記端部Aに所定量供給する供給部材と前記端部Aに供給された前記貴金属溶液を前記端部Bから吸引することで、前記孔の表面に該貴金属溶液を伸展させる吸引部材とを備えることを特徴とする装置が記載されている。特許文献1によれば、当該貴金属担持装置により貴金属の担持を行った場合、孔の表面のコート層における吸着速度の影響等を受けにくく、基材に担持される貴金属量を容易に調整することができるため、ロット間での貴金属担持量のばらつきを低減することができることが記載されている。
しかしながら、従来のような貴金属担持装置を使用して基材へ貴金属を担持させた場合、吸引により所望のコート幅に達した後にも保持部材の壁面にスラリー状の貴金属溶液が残ってしまい、これによりコート量のばらつきが生じ、また、吸引完了後に保持部材下部に溜まったスラリーが垂れて基材最外周部にセル詰まりが発生するという問題が依然としてあった。このことは、吸引方式をルーツブロア方式とした場合に顕著であった。ルーツブロア方式を用いた場合、高静圧の吸引によりターボブロア方式よりも短時間でのコートが可能となり、タクト短縮による生産性向上が図れるが、吸引時間の短縮により保持部材壁面にさらに多くのスラリーが残存するためである。
また、従来の貴金属担持装置は保持部材に超高分子ポリエチレン等の素材を用いているため、高粘度のスラリーを使用した場合にこれを弾く力が弱く、保持部材表面上にスラリーが多く残るという問題もあった。
よって、保持部材へのスラリーの残存によるセル詰まりやコート量のばらつきを抑制するためのさらなる改良が必要とされていた。
特開2008−302304号公報
よって、本発明は、貴金属溶液による基材のセル詰まりやコート量のばらつきを抑制することができる貴金属担持装置、及びこれを用いた貴金属担持方法を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、保持部材と基材固定部材を分離可能な形状とし、さらに保持部材に特定の表面処理を行うことにより、上記目的を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は以下を包含する。
(1)基材固定部材、貴金属溶液を保持する保持部材及び吸引部材を備える、基材へ貴金属を担持させる貴金属担持装置であって、
該基材は、端部Aに開口部を有する孔を複数備え、該孔は他方の端部Bの開口部と連通しており、
該保持部材は、該基材固定部材と分離可能であって、該基材固定部材と接触した際に該端部Aにおいて該孔と空間的に接続されており、
該保持部材は、貴金属溶液との接液部がめっき処理されており、
該吸引部材は、該基材の端部Bにおいて該孔と空間的に接続されている
ことを特徴とする貴金属担持装置。
(2)上記(1)に記載の貴金属担持装置を用いた貴金属担持方法であって、
(a)貴金属を含む貴金属溶液を保持部材を介して端部Aに供給し、端部Aに供給された貴金属溶液を端部Bから吸引することで、孔の表面に貴金属溶液を伸展させる工程、及び
(b)保持部材を基材固定部材から分離する工程
を含む、上記方法。
本発明の貴金属担持装置によれば、触媒の製造において基材へ貴金属を担持する際にセル詰まりやコート量のばらつきを抑制することができる。
図1は、本発明の貴金属担持装置の一実施形態を示す図である。 図2は、従来の貴金属担持装置を示す図である。 図3は、表面粗さと耐水接触角の測定方法を説明する図である。 図4は、実施例1の装置及び比較例1の装置を用いて基材に貴金属を担持させた後の保持部材及び吸引部材へのスラリー付着量を示すグラフである。 図5(a)は、保持部材の接液部の表面粗さRmaxと保持部材へのスラリー付着量との関係を示すグラフであり、図5(b)は、保持部材の接液部の表面の耐水接触角と保持部材へのスラリー付着量との関係を示すグラフである。 図6は、実施例1の装置と比較例1の装置を用いた場合の貴金属担持触媒の生産個数と基材へのコート量との関係を示すグラフである。 図7は、(a)実施例1の装置と(b)比較例1の装置を用いて貴金属を担持させた後の基材最外周部の写真である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の基材へ貴金属を担持させる貴金属担持装置(以下、本発明の装置ともいう)は、基材固定部材、貴金属溶液を保持する保持部材及び吸引部材を備える。
上記基材は、端部Aに開口部を有する孔を複数備え、該孔は他方の端部Bの開口部と連通している。基材の材料は、触媒の基材(担体)として用いることができるものであれば特に限定されず、例えば、セラミックス等の耐熱性材料を挙げることができる。基材の形状としては、軸方向に貫通孔が形成された複数のセルからなるハニカム形状のモノリス基材、基材の軸方向の両端部において、各端部から他方の端部に向けて延びる孔が複数形成されており、各孔の側壁に形成される細孔を通して各孔が連通するフィルター基材等を挙げることができる。基材は、耐熱合金を用いた厚さ数十μmの平板及び波板を交互に積層して巻き回して形成されるメタル基材であってもよい。
上記基材は上記基材固定部材により固定される。基材固定部材としてはゴムチャック等を用いることができる。
上記保持部材は、基材固定部材と分離可能であって、基材固定部材と接触した際に端部Aにおいて孔と空間的に接続されている。ここで、保持部材が基材固定部材と端部Aにおいて孔と空間的に接続されているとは、保持部材に保持された貴金属溶液を端部Aにおける孔の開口部から孔内に吸引可能なように保持部材と基材固定部材が接触していることを意味する。保持部材を基材固定部材から分離した場合、吸引中においても貴金属溶液(スラリー状)に対して外力がかからなくなるため、保持部材下部に付着したスラリーが基材の最外周部に垂れることによりセル詰まりが発生することを防ぐことができる。また、保持部材が基材固定部材と分離可能であることにより、段替え時の洗浄作業が容易になり、洗浄時間を短縮することができる。保持部材は、吸引中においても保持部材内の風速が0m・sとなることができる程度に分離可能であることが好ましい。例えば、基材固定部材により固定される基材の端部Aと20mm〜60mm分離させることが好ましい。保持部材は、保持部材を基材から分離させるための機構、例えばシリンダーと連結されていてもよい。さらに、保持部材は、保持部材を基材固定部材から上昇させて分離した後に基材上部から移動させるための機構、例えばロータリーアクチュエーターと連結されていてもよい。保持部材を基材上部から移動させることにより、保持部材に残存する貴金属溶液が基材の端部Aへ垂れることを防ぐことができる。
上記保持部材は、貴金属溶液との接液部がめっき処理されている。これにより、通常スラリー状である貴金属溶液の保持部材への付着を抑制することができる。また、このような表面処理により、保持部材に汚れが付着しにくく簡単なすすぎ工程のみで洗浄作業を完了させることができる。当該効果を発揮させる観点から、めっき処理により、保持部材の接液部の表面粗さRmaxを1.5μm以下とすることが好ましく、0.5μm〜1.5μmとすることが特に好ましい。また、当該効果を発揮させる観点から、めっき処理により、保持部材の接液部の耐水接触角を90°以上とすることが好ましく、90°〜120°とすることが特に好ましい。上記のような表面粗さ及び耐水接触角を提供することが可能なめっき処理に用いる材料としては、具体的には、ニッケルテフロン、クロム、ニッケルクロム、テフロン、ニッケル及び亜鉛等が挙げられる。ニッケルテフロンメッキとは、無機系材料(ニッケル)に有機系材料(テフロン(ポリテトラフルオロエチレン))を分散させて母材を表面処理する技術である(テフロンの濃度は20〜25体積%)。
上記貴金属溶液としては、貴金属が錯体を形成して溶媒に溶解したもの、貴金属又は貴金属化合物の微粒子を溶媒に混合したもの等が挙げられる。貴金属溶液に含まれる貴金属としては、白金、パラジウム及びロジウムから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
上記吸引部材は、基材の端部Bにおいて孔と空間的に接続されている。ここで、吸引部材が基材と端部Bにおいて孔と空間的に接続されているとは、端部Aに供給された貴金属溶液を端部Bから吸引可能なように吸引部材と基材が接触していることを意味する。吸引部材は、減圧装置と接続されていてもよく、減圧装置としては、翼を回転させて吸引するターボ形送風機を備えるもの(ターボブロア方式)、真空タンク内を減圧させて吸引する容積形送風機を備えるもの(ルーツブロア方式)を挙げることができる。ターボブロア方式は、吸引時間の制御及び風量の制御が可能である点で好ましく、ルーツブロア方式は、吸引時間を短縮でき、消費電力が小さい(ターボブロア方式の1/3)点で好ましい。本発明の装置の吸引部材においては、ターボブロア方式を用いることが、ルーツブロア方式と比較して吸引時間を長くすることが可能であり、これにより、セル詰まりをさらに防止することができる点で好ましい。
本発明の装置は、貴金属溶液を保持部材を介して端部Aに所定量供給する供給部材をさらに備えていてもよい。
本発明は、本発明の装置を用いた基材への貴金属担持方法(以下、本発明の方法ともいう)にも関する。本発明の方法は、
(a)貴金属を含む貴金属溶液を保持部材を介して端部Aに供給し、端部Aに供給された貴金属溶液を端部Bから吸引することで、孔の表面に貴金属溶液を伸展させる工程、及び
(b)保持部材を基材固定部材から分離する工程
を含む。
本発明の方法の工程(a)において、基材の端部Aに供給された貴金属を含む貴金属溶液は、端部Aから端部Bへ吸引されることで、孔の表面に伸展される。貴金属溶液が余った場合には、端部Bから排出される。本工程において、端部Aに供給された貴金属溶液を端部Bに吸引するタイミングは特に限定されず、例えば、端部Aに貴金属溶液が供給されている際に同時に吸引を行ってもよいし、端部Aに貴金属溶液が所定量供給された後に吸引を行ってもよい。
本発明の方法の工程(b)において、保持部材は基材固定部材から分離される。分離するタイミングは、吸引中であっても、吸引終了後であってもよいが、保持部材と貴金属溶液との間に強いせん断力をかけることが可能となり、これにより、セル詰まりをさらに防止することができる点で、吸引中に行うことが好ましい。
本発明の方法は、さらに工程(c)として、吸引部材を基材から分離する工程を含んでいてもよい。工程(c)は、工程(b)の前に行ってもよく、工程(b)の後に行ってもよいが、吸引による力を損なうことなく基材内に伝えることができ、効率的である点で、工程(b)の後に行うことが好ましい。
図1に本発明の装置の一実施形態が示されている。
貴金属担持装置1は、モノリス基材11を固定する基材固定部材16aと、モノリス基材11の一方の端部11aに貴金属溶液12を所定量保持する保持部材13と、その貴金属溶液12を、モノリス基材11の他方の端部11bから吸引する吸引部材14とからなる(図1(a)参照)。
貴金属担持装置1は、端部A11aに貴金属溶液12を所定量供給する供給部材17を備えていてもよい。
モノリス基材11は、端部A11aから端部B11bに向けて貫通孔15が形成された複数のセルにより構成されている。
保持部材13は、モノリス基材11の端部A11aに被さって、供給部材17より供給された貴金属溶液12を端部A11a上に保持する。保持部材13は、第一部材13a及び第二部材13bからなり、貴金属溶液12に接する第二部材13b表面の接液部13cにはめっき処理が施されている。第一部材13a及び第二部材13bの材料は同一であっても異なっていてもよい。保持部材13は、シリンダーBに接続されたロータリーアクチュエーターAを備えていることが好ましい。シリンダーBにより保持部材13を上昇させることができる(図1(c)参照)。また、ロータリーアクチュエーターAにより、上昇させた保持部材13をモノリス基材11の上部から移動させることができる(図1(d)参照)。
吸引部材14は、内部空間14bを有する基材受け部14aと、内部空間14bと配管14dを介して繋がる図示しない減圧装置と、配管14dの開閉を行うバルブ14cとを備えていていることが好ましい。基材受け部14aは、モノリス基材11を挿入可能な開口が形成されている。この開口にモノリス基材11を挿入すると、基材受け部14aとモノリス基材11の側面との間に隙間がなくなるように密着し、端部B11bが内部空間14bに到達する。
この状態でバルブ14cを開放すると、内部空間14bが減圧されることで、端部A11a上に保持された貴金属溶液12が、貫通孔15から端部B11b方向に吸引される(図1(b)参照)。なお、この貴金属担持装置1においては、各端部A11a及びB11bを入れ替えても同様に操作できる。
本発明の装置を用いた場合、従来の、保持部材と基材固定部材が一体となっており、保持部材の表面に本発明のような表面処理が施されていない貴金属担持装置(図2参照)と比較して、貴金属溶液による基材のセル詰まりやコート量のばらつきを抑制することができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
<貴金属溶液の調製>
(1)純水:640g
(2)アルミナ粉末:500g
(3)セリウム−ジルコニウム酸化物:382g
(4)アルミナ水和物:15g
上記(1)〜(4)の材料を混合した後、酢酸によりpHを4.0に調整し、続いて湿式粉砕を行った。その後、アルミナ粉末を、スラリー固形物(上記(2)〜(4))に対して10wt%添加した。添加後、スラリーの全固形分(新たに添加したアルミナを含む)は50wt%となった。
<基材への貴金属の担持>
モノリス基材を吸引部材に設置後、基材側面をゴムチャックで固定した。
シリンダーにより保持部材を下降させて基材端部Aに設置し、スラリーを投入した。保持部材には、高粘度スラリーが付着しにくく、スラリーを弾く力が強いニッケルテフロン(三和メッキ工業社製、商品名:無電解ニッケルめっき)によりめっき処理を施した。
次に、バルブを開放して内部空間を減圧し、端部A上に保持された貴金属溶液を貫通孔に吸引した。貴金属溶液は、吸引により貫通孔において端部Aから端部Bまで拡がり、その一部が端部Bから排出された。
吸引途中でシリンダーにより保持部材を基材端部Aから25mm上昇させ、その後、ロータリーアクチュエーターを回転させて、基材上部から保持部材を移動させた。セルの貫通孔全域にわたって貴金属を担持させることができた。
[比較例1]
保持部材がSUS304 2B(日東金属工業社製、商品名:SUS304 2B)のみからなり、保持部材とゴムチャックが一体となっている従来の装置を用いた。
保持部材にスラリーを投入した。次に、バルブを開放して内部空間を減圧し、基材の端部上に保持された貴金属溶液を貫通孔に吸引することにより、貫通孔に貴金属を担持させた。
[比較例2]
保持部材がSUS304 2B(日東金属工業社製、商品名:SUS304 2B)のみからなること以外は実施例1と同様の装置を用いて、実施例1と同様にして、貫通孔に貴金属を担持させた。
[比較例3]
保持部材が超高分子ポリエチレン(細川樹脂社製、商品名:超高分子ポリエチレン)のみからなること以外は実施例1と同様の装置を用いて、実施例1と同様にして、貫通孔に貴金属を担持させた。
[比較例4]
保持部材がテフロン樹脂(ハクスイ工業社製、商品名:テフロン樹脂)のみからなること以外は実施例1と同様の装置を用いて、実施例1と同様にして、貫通孔に貴金属を担持させた。
<表面粗さの測定方法>
表面粗さは以下の方法で測定した(図3(a)参照)。
(1)接液部の表面を3Dカメラを用いて撮影した。
(2)表面の凹凸を数値化した。
(3)ある長さLにおける最大高さ(Max)及び最小高さ(Min)を測定した。
(4)最大高さと最小高さとの差(Max−Min)を表面粗さRmaxとした。
<耐水接触角の測定方法>
耐水接触角は以下の方法で測定した(図3(b)参照)。
(1)測定素材を水平に置き、水を定量滴下した。
(2)水滴の背面に分度器を設置した。
(3)真横から水滴と接液部の表面が形成する角度θを測定し、θの値を耐水接触角とした。
図4に、実施例1の装置及び比較例1の装置を用いて基材に貴金属を担持させた後の保持部材及び吸引部材へのスラリー付着量を示す。図4より、実施例1の装置を用いた場合、保持部材及び吸引部材へのスラリー付着量が38%減少したことがわかる。比較例1および2のスラリー付着量を比較すると、保持部材と基材固定部材とを分離型とすることによる抑制効果は18%であり、表面処理による抑制効果は20%であることがわかった。
図5(a)に、保持部材の接液部の表面粗さRmaxと保持部材へのスラリー付着量との関係を示す。図5(a)より、表面処理部の表面粗さが小さい、すなわち表面が平滑であることにより、保持部材へのスラリー付着量が減少したことがわかる。これは特にニッケルを用いたことによる効果と考えられる。図5(b)に、保持部材の接液部の表面の耐水接触角と保持部材へのスラリー付着量との関係を示す。図5(b)より、表面処理部の耐水接触角を大きくすることにより、保持部材へのスラリー付着量が減少したことがわかる。これは特にテフロンを用いたことによる効果と考えられる。また、ニッケルテフロンメッキの膜厚は5μm〜20μm程度であった。
図6に、実施例1の装置と比較例1の装置を用いた場合の貴金属担持触媒の生産個数と基材へのコート量との関係を示す。図6より、実施例1の装置を用いた場合には、生産開始時から安定したコート量を維持することができるのに対して、比較例1の装置を用いた場合、生産開始時にコート量が低下することがわかる。これは保持部材へのスラリー付着によるものと考えられる。
図7に、実施例1の装置(a)と比較例1(b)の装置を用いて貴金属を担持させた後の基材最外周部の写真を示す。実施例1の装置を用いた場合にセル詰まりが抑制されることがわかる。
本発明の装置により得られる貴金属担持触媒は、自動車のエンジン等から排出される排ガスに含まれる有害物質を浄化するための排ガス浄化用触媒として使用することができる。
1、2:貴金属担持装置
11、21:基材
11a、21a:端部A
11b、21b:端部B
12、22:貴金属溶液
13、23:保持部材
13a:第一部材
13b:第二部材
13c:接液部
14、24:吸引部材
14a、24a:基材受け部
14b、24b:内部空間
14c、24c:バルブ
14d、24d:配管
15、25:孔
16a、26a:基材固定部材
16b、26b:固定部材
17、27:供給部材
A:ロータリーアクチュエーター
B:シリンダー

Claims (2)

  1. 基材固定部材、貴金属溶液を保持する保持部材及び吸引部材を備える、基材へ貴金属を担持させる貴金属担持装置であって、
    該基材は、端部Aに開口部を有する孔を複数備え、該孔は他方の端部Bの開口部と連通しており、
    該保持部材は、該基材固定部材と分離可能であって、該基材固定部材と接触した際に該端部Aにおいて該孔と空間的に接続されており、
    該保持部材は、貴金属溶液との接液部がめっき処理されており、
    該吸引部材は、該基材の端部Bにおいて該孔と空間的に接続されている
    ことを特徴とする貴金属担持装置。
  2. 請求項1に記載の貴金属担持装置を用いた貴金属担持方法であって、
    (a)貴金属を含む貴金属溶液を保持部材を介して端部Aに供給し、端部Aに供給された貴金属溶液を端部Bから吸引することで、孔の表面に貴金属溶液を伸展させる工程、及び
    (b)保持部材を基材固定部材から分離する工程
    を含む、上記方法。
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