JP2015057812A - プリント配線基板の製造方法、それに用いられる積層体、積層フィルム、及び非硬化性樹脂組成物並びに前記製造方法により得られるプリント配線基板 - Google Patents

プリント配線基板の製造方法、それに用いられる積層体、積層フィルム、及び非硬化性樹脂組成物並びに前記製造方法により得られるプリント配線基板 Download PDF

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Abstract

【課題】クラックや反りの発生を抑えることができるプリント配線基板の製造方法を提供すること。【解決手段】基板の表面に、硬化性樹脂層を介して非硬化性樹脂層を形成する工程、該非硬化性樹脂層側から、該非硬化性樹脂層及び前記硬化性樹脂層に凹部を形成する工程、前記非硬化性樹脂層表面及び前記凹部表面にめっき用触媒を付与する工程、前記非硬化性樹脂層をその表面のめっき用触媒と共に除去する工程、及び前記凹部表面に無電解めっきを施す工程、を含むことを特徴とするプリント配線基板の製造方法。【選択図】 図2

Description

本発明は、プリント配線基板の製造方法に関し、特に平坦な配線基板の製造が可能なプリント配線基板の製造方法、その方法に有利に使用することができる積層体、積層フィルム、及び非硬化性樹脂組成物並びに前記製造方法により得られるプリント配線基板に関する。
最近、携帯電話、ノートパソコン、カメラ等の最新デジタル機器のマザー配線基板においては、その小型化、薄型化に伴って、配線パターンの高密度化、微細化の要望が高まっている。
現在、実装技術としては、セミアディティブ法やフルアディティブ法による配線基板の製造方法が広く用いられている。
ビルドアップ工法で一般に使用されるセミアディティブ法では、例えば、基板に無電解銅めっき処理を施し、レジストで回路パターンを形成した後に、電気銅めっきを行うことにより銅の回路が形成される。
一方、フルアディティブ工法では、ブラインドビア(ビアホール)の形成された基板に触媒を付与した後、レジストで回路パターンを形成し、無電解銅めっき処理のみによって銅回路を形成する。
上記セミアディティブ法やフルアディティブ法では、基板を積層した場合、基板表面に突起した回路が形成されているため、その回路の凹凸に従って、基板間の樹脂の表面も小さな凹凸を有するようになることから、積層体の表面が平坦にならないとの問題がある。また、回路パターンにおけるラインの幅と、ライン間の空間の幅を小さくできないため、近年の配線パターンの高密度化には不利である。
一方、基板表面に突起した回路を形成しないトレンチ基板も知られている。その製造方法としては、一般に、基板表面にレーザーで、回路やビアホール等の凹部(孔又は溝)を形成し、その全面に無電解めっきの層、その上に電解めっきの厚い層を形成し、これにより凹部を埋め且つ基板全面に厚いめっき層を形成し、そして、その後凹部以外の領域のめっき層をエッチングや物理研磨により除去する方法が行われている。しかしながら、このようなめっき層のエッチングには多くの時間、エネルギーそしてコストがかかるとの問題がある。また、バフ研磨の場合、基板の歪みや伸びの発生や、断線してしまう場合がある。
さらに、特許文献1において、内層樹脂上面の内層導体回路上に絶縁樹脂を積層し、絶縁樹脂上に撥水性を有するコーティング樹脂を被覆形成し、そして、このコーティング樹脂を被覆した絶縁樹脂に、コーティング樹脂を貫通する貫通孔を形成し、絶縁樹脂に触媒を付与して貫通孔内にめっき金属を埋め込む方法が提案されている。この方法では、コーティング樹脂は絶縁樹脂の全表面を被覆し、コーティング樹脂表面には触媒が付着せず、形成された貫通孔内にのみ触媒が付着するようにされている。
特開2010−287862号
特許文献1に記載のプリント配線基板の製造方法では、撥水性のコ−ティング層が残存するため、下層の絶縁樹脂層のガラス転移温度(Tg)や熱膨張係数(CTE)との違いよって、コ−ティング層や絶縁樹脂層にクラックが発生したり、基板に反りが生じるなどの問題がある。また、このプリント配線基板の製造方法は、コーティング樹脂上に触媒が完全に付着しないようにすることが困難であり、貫通孔内にのみにめっき金属を埋め込むことは容易とは言えない。
従って、本発明は、クラックや反りの発生を抑えることができるプリント配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、トレンチ配線基板を容易に製造することができるプリント配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、上記製造方法に有利に使用することができる積層体及び積層フィルム、非硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
さらにまた、本発明は、上記製造方法により得られるプリント配線基板を提供することを目的とする。
上記目的は、
基板の表面に、硬化性樹脂層を介して非硬化性樹脂層を形成する工程、
該非硬化性樹脂層側から、該非硬化性樹脂層及び前記硬化性樹脂層に凹部を形成する工程、
前記非硬化性樹脂層表面及び前記凹部表面(壁面及び底面)にめっき用触媒を付与する工程、
前記非硬化性樹脂層をその表面のめっき用触媒と共に除去する工程、及び
前記凹部表面に無電解めっきを施す工程、
を含むことを特徴とするプリント配線基板の製造方法
により達成することができる。
なお、上記硬化性樹脂層は、非硬化性樹脂層の形成前に一般に硬化又は半硬化されているが、形成後硬化しても良い。
上記本発明のプリント配線基板の製造方法の好適態様を以下に列記する。
(1)非硬化性樹脂層が、アルカリ可溶性樹脂(アルカリ可溶性熱可塑性樹脂)を含む。(2)アルカリ可溶性樹脂がカルボキシル基を有する。特に、さらにヒドロキシル基を有することが好ましい。
(3)アルカリ可溶性樹脂がヒドロキシル基を有する。
(4)非硬化性樹脂層の除去をアルカリ現像により行う。
(5)凹部の形成をレーザーの照射により行う。
(6)前記非硬化性樹脂層が、レーザーの波長領域に吸収を有する増感剤を含む。
(7)前記非硬化性樹脂層が、撥水性の添加剤を含む。
上記目的は、
上記プリント配線基板の製造方法で得られるプリント配線基板により達成することができる。
さらに、上記目的は、
基板、
該基板の表面に形成された硬化した硬化性樹脂層、及び、
該硬化性樹脂層上に形成され、アルカリ可溶性樹脂を含む非硬化性樹脂層を有する
ことを特徴とするプリント配線基板形成用積層体;
フィルム、及び該フィルムの表面に形成され、アルカリ可溶性樹脂を含む非硬化性樹脂層を有する
ことを特徴とするプリント配線基板形成用積層フィルム;及び
上記プリント配線基板の製造方法において、前記非硬化性樹脂層を形成するために用いられ、アルカリ可溶性樹脂を含むことを特徴とする非硬化性樹脂組成物によっても達成することができる。
上記本発明のプリント配線基板形成用積層体、プリント配線基板形成用積層フィルム、及び非硬化性樹脂組成物についても、本発明のプリント配線基板の製造方法の好適態様を適用することができる。
また、本発明のプリント配線基板の製造方法により、基板、及び、該基板の表面に、(該基板表面と接触しない側の表面に)凹部が形成された硬化した硬化性樹脂層を有し、前記硬化性樹脂層の凹部に無電解めっきのみでめっき金属が埋め込まれていることを特徴とするプリント配線基板が得られる。
本発明のプリント配線基板の製造方法は、基板に順に設けられた硬化性樹脂層及び非硬化性樹脂層の、非硬化性樹脂層側から、非硬化性樹脂層及び硬化性樹脂層に凹部を形成し、めっき用触媒を付与した後、非硬化性樹脂層と共にめっき用触媒を除去し、残っためっき用触媒を有する凹部表面に無電解めっきを施すことにより、容易にトレンチ配線基板等の平坦な配線基板を得ている。即ち、本発明のプリント配線基板の製造方法は、アルカリ水溶液等で除去可能な非硬化性樹脂層を用いることにより、配線やビアホール(via hole)となる凹部のみに無電解めっきを施すことができる。従って、本発明のプリント配線基板の製造方法は、非硬化性樹脂層が残存しないので、硬化性樹脂層にクラックが発生すること、基板に反りが生じることを抑制することができる。また、短時間、低エネルギー、さらに低コストでトレンチ配線基板等の平坦な配線基板を作製することができる優れた製造方法である。
図1には、プリント配線基板の製造方法の一例の前半の工程が示されている。 図2には、図1のプリント配線基板の製造方法の続く工程が示されている。
以下、本発明のプリント配線基板の製造方法、この製造方法により得られるプリント配線基板、並びにこの製造方法に有利に用いられるプリント配線基板形成用積層体、プリント配線基板形成用積層フィルム及び非硬化性樹脂組成物について説明する。
本発明のプリント配線基板の製造方法を、図1及び図2を参照しながら説明する。
(積層工程)
透明フィルム11とその上に設けられた非硬化性樹脂層12及び硬化性樹脂層13からなる積層体を用意する。この積層体を、導電層(導体回路)14が設けられた基板15のその導電層14に、硬化性樹脂層13と導電層14が接触するように載置し、押圧する(工程(1))。この押圧後、透明フィルム11を除去し、工程(2)で示されるような、基板15、導電層14、硬化性樹脂層13及び非硬化性樹脂層12がこの順で積層された積層体を得る。
上記の非硬化性樹脂層12及び硬化性樹脂層13の形成に、透明フィルム11とその上に設けられた非硬化性樹脂層12及び硬化性樹脂層13からなら積層体を用いたが、硬化性樹脂層13が設けられた透明フィルム11と非硬化性樹脂層12が設けられた透明フィルム11とを用いて、順に貼り付けることによって得ることもできる。また、非硬化性樹脂層12及び硬化性樹脂層13を、それぞれ各層形成用塗布液を用いて、スクリーン印刷、カーテンコーター、スピンコーター、ディップコーター、ロールコーターなどにより塗布、乾燥することにより形成することもできる。また、透明フィルム11上に、非硬化性樹脂層12および硬化性樹脂層13をそれぞれ塗布し、溶剤を蒸発させたドライフィルムを貼り付け(ラミネート)することにより形成することもできる。樹脂層12、13の形成方法は限定されず、上記の塗布乾燥とラミネートを組み合わせても良い。
(硬化工程)
硬化性樹脂層13の形成、乾燥後、硬化性樹脂層13を、例えば約140〜200℃の温度で30〜90分間、加熱して熱硬化させることにより、樹脂絶縁層を形成することができる。硬化度合としては、半硬化でも完全硬化でも良い。
(レーザー加工工程)
工程(2)で得られた、基板15、導電層14、硬化性樹脂層13及び非硬化性樹脂層12がこの順で積層された積層体に、非硬化性樹脂層12の上からレーザーを照射して配線パターン、ビアホール等を形成するための凹部16(図では、配線パターン用凹部16T,ビアホール用凹部16Vが示されている)を形成する(工程(3))。
レーザーにより凹部16T,16Vを形成する場合、レーザーとしては、微小孔を形成するために一般的に使用されている種々のものを用いることができる。例えば、COレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等;アルゴンレーザー、ヘリウム−ネオンレーザー等の気体レーザー;サファイアレーザー等の固体レーザーを挙げることができる。その他に色素レーザー、半導体レーザー、自由電子レーザー等を用いてもよい。UV−YAGレーザーや、エキシマレーザーの光源の発振波長は、180〜600nmの範囲が好ましく、COレーザーの発振波長は、9.4〜10.6μmが好ましい。特に、スミアが残存しにくく、タクトタイムを短縮できるため、UV−YAGレーザー、Nd−YAGレーザー、エキシマレーザー等が好ましく、形成する凹部16T,16Vの大きさによって変更させることが望ましい。
凹部16T,16Vの大きさは、アスペクト比、直径の大きさ、深さのそれぞれに関して特定の範囲に限定されるものではない。
(デスミア工程・超音波工程)
レーザー加工により生じたスミアを除去することが好ましい(デスミア)。デスミアは、湿式でも乾式でも良い。乾式法としては、例えば、真空中でのプラズマエッチング法のほか、高圧・低圧・メタルハライドランプ、キセノンなどの紫外線ランプ照射装置などが挙げられる。ついで乾式法の場合、超音波処理を行って完全にスミアを除去することが好ましい。湿式法としては、市販品の過マンガン酸溶液を用いる方法などが挙げられる。
(簡易除去工程)
レーザー加工では、非硬化性樹脂層の凹部側の端部が突き出した状態で残る場合がある。その場合、簡易的な除去方法により、その突き出した状態の端部を除去することが好ましい。除去液としては、下記除去工程で使用するものを用いることができるが、時間や温度を調整して下記除去方法よりも簡易的に実施する。なお、この工程は、触媒を付与する工程の後に実施してもよい。
(触媒付与工程)
積層体の非硬化性樹脂層12側の表面は、非硬化性樹脂層12の表面と凹部16T,16Vの表面(即ち、壁面と底面)とからなっており、これらの非硬化性樹脂層12の表面と凹部16V,16Tの表面(即ち、積層体の非硬化性樹脂層12側の表面)にめっき用触媒を付与し、めっき用触媒層17を形成する(工程(4))。例えば、2価のパラジウムイオンを含む塗布液をスプレー等で塗布、乾燥することによって形成する方法や、前記のイオンを含む溶液に浸漬し触媒層17を形成する方法がある。
(除去工程)
次いで、硬化性樹脂層13上の非硬化性樹脂層12を除去する。非硬化性樹脂層12を除去すると、非硬化性樹脂層12上のめっき用触媒層17も一緒に除去される。これにより、凹部16T,16Vの表面(即ち、壁面と底面)のみにめっき用触媒層17が残る(工程(5))。非硬化性樹脂層12の除去は、例えば、非硬化性樹脂層12の合成樹脂に、カルボキシル基を有する樹脂等を用いてアルカリ水溶液で除去することにより行うことができる。或いは、有機溶剤による除去によっても行うことができる。アルカリ水溶液による除去の場合、デスミア工程を省略し、スミア除去と非硬化性樹脂層12の除去を同時に行うこともできる。非硬化性樹脂層を形成するための非硬化性樹脂組成物は、アルカリ水溶液に可溶なアルカリ可溶性樹脂を含むことが好ましい。
(めっき工程)
続いて、この残った凹部16T,16Vのめっき用触媒層17に無電解めっき層18を形成するため、例えば、積層体全体を無電解めっき液に浸漬する。こうして、表面にめっき用触媒層17及び無電解めっき層18を有する凹部16T,16Vが得られる(工程(6))。
以上から明らかなように、本発明の製造方法では、アルカリ現像等で除去可能な非硬化性樹脂層を用いることにより、配線パターンやビアホール(via hole)となる凹部のみにめっき用触媒層を形成することができ、これによりこれらの凹部のみに無電解めっきを施すことができる。従って、本発明の製造方法は、極めて容易にトレンチ配線基板等の平坦な配線基板を作製することができる。即ち、本発明の製造方法は、短時間、低エネルギー、さらに低コストでトレンチ配線基板を作製することができる優れた製造方法であると言うことができる。
また、本発明の製造方法により、余分なめっき皮膜を、物理研磨、エッチング等によって除去する必要がなくなり、エッチング等による断線等を防止することができる。特に、例えば、高速信号を扱うプリント配線基板や、配線密度の高いプリント配線基板にあっては、エッチング等によって断線やショートの原因をもたらし易くなり、余分なめっき皮膜を形成させてしまうことは、作業的、経済的観点からも好ましくない。その点においても、本発明の製造方法を用いることによって、配線基板表面にめっき皮膜が形成されることを抑制できるので、高速信号を扱うプリント配線基板や配線密度の高いプリント配線基板であっても、信頼性向上させた製造が可能となる。
さらに、大きなサイズ、例えば510×610mmの基板においては、基板の反り等の影響により、基板表面を均一に研磨したりすることや、エッチングすることが困難となるけれども、このような基板に対しても、本発明の製造方法を適用することによって、余分に付着しためっき金属を取り除く必要はなくなり、余分な設備を設ける必要もなく、作業効率や生産性も向上して、均一な表面を有する良好な配線基板を製造することができる。
上記図1及び図2の各工程の断面図においては、基板の一方の面のみ図示されているが、両側の面に対して同様の処理を行うことができることは言うまでもない。また、上記工程を繰り返すことによって、さらに多層構造を有する多層プリント配線基板を製造することもできる。
基板15は、一般に電気的絶縁性を有する樹脂からなり、配線パターンとなる導電層(導体回路)14がその表面に貼着した構造となっている。
基板15に使用される樹脂は、特に限定されるものではなく周知のものを用いることができる。なお、この基板15を底面(ベース)とし、片面だけに層を積層して多層プリント配線基板を形成してもよく、基板15の両面から、絶縁層(例、上記基板)及び導電層をさらに積層して多層プリント配線基板を形成するようにしてもよい。
前記基板としては、予め回路形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板の他、紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、ガラス布−エポキシ樹脂、ガラス−ポリイミド、ガラス布/不繊布−エポキシ樹脂、ガラス布/紙−エポキシ樹脂、合成繊維−エポキシ樹脂、フッ素樹脂・ポリエチレン・ポリフェニレンエーテル,ポリフェニレンオキシド・シアネートエステル等の複合材を用いた全てのグレード(FR−4等)の銅張積層板、ポリイミドフィルム、PETフィルム、ガラス基板、セラミック基板、ウエハ板等を用いることができる。
導電層14は、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン等の金属箔、又はこれらの合金箔、例えばアルミニウム青銅、リン青銅、黄青銅等の銅合金;或いはステンレス、アンバー、ニッケル合金、スズ合金等から構成され、これら金属箔等を単層あるいは複数層に積層したもの、無電解や電解めっきにより単層あるいは複数層形成したものを使用することができる。特に、めっき密着性、導電性、コスト等の観点から、銅又は銅合金を使用することが好ましい。
基板15に積層する硬化性樹脂層13は、特に限定されるものではなく周知のものを使用することができる、硬化性樹脂層は、熱硬化性及び光硬化性でもよいが、熱硬化性が好ましい。
本発明の硬化性樹脂層13に用いられる熱硬化性樹脂としては、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体等のアミノ樹脂、ブロックイソシアネート化合物、シクロカーボネート化合物、エポキシ化合物、オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂、ビスマレイミド、カルボジイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂等の公知の熱硬化性樹脂を使用することができる。特に、分子中に複数の環状エーテル基および環状チオエーテル基(以下、環状(チオ)エーテル基と略す)の少なくとも何れか1種を有する熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂は、必要により、硬化剤が使用されるが、エポキシ化合物等の環状エーテル基を有する熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、シアネートエステル樹脂、水酸基をアセチル化などでキャッピングされた活性エステル樹脂、側鎖にカルボキシル基や水酸基、活性エステル構造を有するシクロオレフィンポリマーや、前述した硬化性樹脂の一部に水酸基、カルボキシル基、活性エステル構造を有する環状エーテル基と反応する置換基を有する硬化剤と共に使用される。
上記の分子中に環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性樹脂は、分子中に3、4または5員環の環状(チオ)エーテル基のいずれか一方または2種類の基を複数有する化合物であり、例えば、分子内に複数のエポキシ基を有する化合物、分子内に複数のオキセタニル基を有する化合物、分子内に複数のチオエーテル基を有する化合物、すなわちエピスルフィド樹脂等を挙げることができる。なかでもエポキシ化合物であるエポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ化合物(エポキシ樹脂)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートとの共重合エポキシ樹脂、エポキシ変性のポリブタジエンゴム誘導体、CTBN変性エポキシ樹脂、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、フェニル−1,3−ジグリシジルエーテル、ビフェニル−4,4’−ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールまたはプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、フェノキシ樹脂等が挙げられる。
(硬化剤)
硬化剤としては、フェノール樹脂、ポリカルボン酸およびその酸無水物、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂等が挙げられる。硬化剤は1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記フェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、Xylok型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、クレゾール/ナフトール樹脂、ポリビニルフェノール類、フェノール/ナフトール樹脂、α−ナフトール骨格含有フェノール樹脂、トリアジン含有クレゾールノボラック樹脂等の従来公知のものを、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリカルボン酸およびその酸無水物は、一分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物およびその酸無水物であり、例えば(メタ)アクリル酸の共重合物、無水マレイン酸の共重合物、二塩基酸の縮合物等の他、カルボン酸末端イミド樹脂等のカルボン酸末端を有する樹脂が挙げられる。
上記シアネートエステル樹脂は、一分子中に2個以上のシアネートエステル基(−OCN)を有する化合物である。シアネートエステル樹脂は、従来公知のものをいずれも使用することができる。シアネートエステル樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂、アルキルフェノールノボラック型シアネートエステル樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールF型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールS型シアネートエステル樹脂が挙げられる。また、一部がトリアジン化したプレポリマーであってもよい。
上記活性エステル樹脂は、一分子中に2個以上の活性エステル基を有する樹脂である。活性エステル樹脂は、一般に、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物との縮合反応によって得ることができる。中でも、ヒドロキシ化合物としてフェノール化合物またはナフトール化合物を用いて得られる活性エステル化合物が好ましい。フェノール化合物またはナフトール化合物としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。
また、硬化剤として、脂環式オレフィン重合体を用いてもよい。脂環式オレフィン重合体の製造方法の具体例としては、(1)カルボキシル基および/またはカルボン酸無水物基(以下、「カルボキシル基等」と称する)を有する脂環式オレフィンを、必要に応じて他の単量体と共に重合する方法、(2)カルボキシル基等を有する芳香族オレフィンを、必要に応じて他の単量体と共に重合して得られる(共)重合体の芳香環部分を水素化する方法、(3)カルボキシル基等を有しない脂環式オレフィンと、カルボキシル基等を有する単量体とを共重合する方法、(4)カルボキシル基等を有しない芳香族オレフィンと、カルボキシル基等を有する単量体とを共重合して得られる共重合体の芳香環部分を水素化する方法、(5)カルボキシル基等を有しない脂環式オレフィン重合体にカルボキシル基等を有する化合物を変性反応により導入する方法、もしくは、(6)前記(1)〜(5)のようにして得られるカルボン酸エステル基を有する脂環式オレフィン重合体のカルボン酸エステル基を、例えば加水分解等によりカルボキシル基に変換する方法等が挙げられる。
このような熱硬化性樹脂(特に分子中に複数の環状チオエーテル基を有する熱硬化性樹脂)の配合量は、硬化剤の官能基1当量に対して、0.6〜2.5当量が好ましい。配合量が0.6以上の場合、耐アルカリ性に優れる。一方、2.5当量以下の場合、塗膜の強度が向上する。より好ましくは、0.8〜2.0当量である。
本発明の硬化性樹脂には、1分子内に複数のイソシアネート基を有する化合物、及び1分子内に複数のブロック化イソシアネート基を有する化合物を加えることができる。このような1分子内に複数のイソシアネート基またはブロック化イソシアネート基を有する化合物としては、ポリイソシアネート化合物、またはブロックイソシアネート化合物等を挙げることができる。なお、ブロック化イソシアネート基とは、イソシアネート基がブロック剤との反応により保護されて一時的に不活性化された基であり、所定温度に加熱されたときにそのブロック剤が解離してイソシアネート基が生成する。上記ポリイソシアネート化合物、またはブロックイソシアネート化合物を加えることにより硬化性および得られる硬化物の強靭性を向上する。
このような1分子内に複数のイソシアネート基またはブロック化イソシアネート基を有する化合物の配合量は、硬化性樹脂層の組成物全体の0.1〜50質量%が好ましい。配合量が0.1質量%以上の場合、十分な塗膜の強靭性が得られる。一方、50質量%以下の場合、保存安定性が向上する。より好ましくは、1〜30質量%である。
本発明の非硬化性樹脂層12の樹脂は、アルカリ除去に適していることから、アルカリ可溶性樹脂としてのカルボキシル基含有樹脂又はフェノール系樹脂が好ましい。特に、容易にアルカリ除去ができることから、カルボキシル基及びヒドロキシル基を含有する樹脂が好ましい。特にカルボキシル基含有樹脂の場合、炭酸ナトリウムなどの弱アルカリにでも容易に溶解させることができ好ましい。
上記ヒドロキシル基含有樹脂として、フェノール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が挙げられる。フェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、Xylok型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、クレゾール/ナフトール樹脂、ポリビニルフェノール類、フェノール/ナフトール樹脂、α−ナフトール骨格含有フェノール樹脂、トリアジン含有クレゾールノボラック樹脂等の従来公知のものを、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。ポリビニルアセタール樹脂として、特にポリビニルブチラール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、電気化学工業(株)製、電化ブチラール4 0 0 0 -2 、5 0 0 0 -A 、60 0 0 -C 、6 0 0 0 -E P 、積水化学工業( 株) 製エスレックB H シリーズ、B X シリーズ、K S シリーズ、B L シリーズ、B M シリーズ等が挙げられる。レーザー加工時の耐熱性の観点から、ヒドロキシル基含有樹脂は、フェノール樹脂であることが好ましい。
前記カルボキシル基含有樹脂及びその酸無水物は、一分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物及びその酸無水物であり、例えば(メタ)アクリル酸の共重合物、無水マレイン酸の共重合物、二塩基酸の縮合物などの他、カルボン酸末端イミド樹脂等のカルボン酸末端を有する樹脂が挙げられる。市販品としては、BASFジャパン社製のジョンクリル(商品群名)、サートマー社製のSMAレジン(商品群名)、新日本理化社製のポリアゼライン酸無水物、DIC社製のV−8000、V−8002等のカルボン酸末端ポリイミド樹脂等の従来公知のものを、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、ヒドロキシル基含有樹脂とカルボキシル基含有樹脂は併用して用いてもよい。
前記のようなカルボキシル基含有樹脂は、バックボーン・ポリマー(ポリマー主鎖)の側鎖に多数のカルボキシル基を有するため、希アルカリ水溶液による除去が可能になる。
また、前記カルボキシル基含有樹脂の酸価は、40〜200mgKOH/gの範囲が好ましく、さらに45〜120mgKOH/gの範囲が好ましい。カルボキシル基含有樹脂の酸価が40mgKOH/g以上の場合、希アルカリ水溶液による除去が容易になる。一方、200mgKOH/g以下の場合、湿式のデスミア耐性に優れる。
また、前記カルボキシル基含有樹脂の重量平均分子量Mwは、樹脂骨格により異なるが、一般的にポリスチレン換算で2,000〜150,000、さらには5,000〜100,000の範囲が好ましい。重量平均分子量が2,000以上の場合、タックフリーに優れる。一方、重量平均分子量が150,000以下の場合、アルカリ現像性に優れる。
非硬化性樹脂層12のカルボキシル基含有樹脂の配合量は、非硬化性樹脂層の組成物全体の60〜100質量%、好ましくは80〜100質量%の範囲が適当である。
他の材料としては、撥水剤等の公知の添加剤を加えることができる。撥水剤としては、撥水剤等の公知の添加剤を加えることができる。撥水剤としては、Si系、F系化合物を含むシリコーン系添加剤やフッ素系添加剤が挙げられる。撥水剤を加えることで、表層部への触媒の付与を抑制できるうえ、非硬化性樹脂層12の除去工程の際に表層部の触媒付着量がすくないため、確実なパラジウムの除去を行うことができる。また、他の添加剤として、消泡剤及び/又はレベリング剤を配合することにより、表面平滑性の劣化を防止し、ボイドやピンホールによる層間絶縁性の劣化も防止することができる。消泡剤及び/又はレベリング剤の具体例としては、市販されている非シリコーン系の破泡性ポリマー溶液からなる消泡剤としてビックケミー・ジャパン(株)製のBYK(登録商標)−054、−055、−057、−1790などが挙げられ、シリコーン系の消泡剤としてはビックケミー・ジャパン(株)製のBYK(登録商標)−063、−065、−066N、−067A、−077及び信越化学(株)製のKS−66(商品名)などが挙げられる。フッ素系添加剤としてはDIC社のメガファックシリーズ、メガファックRS、F−554、F−557などが挙げられる。このような消泡剤及び/又はレベリング剤の配合量は、非硬化性樹脂層12の合計100質量部に対して、10重量部以下、好ましくは0.01〜5重量部が適当である。
また、非硬化性樹脂層12へ添加する他の材料として、レーザー光源の吸収助剤となる増感剤などを加えることができる。増感剤は、前記(レーザー加工工程)で述べたレーザーの光源の発振波長に吸収のある材料であることが好ましい。光源の発振波長での吸収の評価方法は、紫外可視分光光度計及び積分球装置やIRスペクトル測定を行うことで吸収の確認を行うことができる。紫外可視分光光度計の場合、ガラス板上に非硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥させたガラス基板を用い、IRスペクトルの場合、KBr板上に塗布、乾燥させた基板について、それぞれの吸収波長を測定することができる。光源にUV−YAGやエキシマレーザーを用いた場合、180〜600nmの範囲で、紫外線可視分光光度計にて測定した吸光度が、0.1〜1.0の範囲であることが好ましく、0.3〜0.8の範囲であることがより好ましい。また、光源にCOレーザーを用いた場合、9.4〜10.6μmの範囲で、IRスペクトルにて測定した吸光度が、5〜95%の範囲であることが好ましい。上記範囲にすることで、レーザーによるダメージを抑えることが可能で、非硬化性樹脂層の凹部側の端部が突き出した状態を抑制することが可能となる。増感剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物、キサントン化合物、及び第3級アミン化合物等を挙げることができる。
ベンゾイン化合物の具体例を挙げると、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルである。
アセトフェノン化合物の具体例を挙げると、例えば、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンである。
アントラキノン化合物の具体例を挙げると、例えば、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンである。
チオキサントン化合物の具体例を挙げると、例えば、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンである。
ケタール化合物の具体例を挙げると、例えば、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールである。
ベンゾフェノン化合物の具体例を挙げると、例えば、ベンゾフェノン、4−ベンゾイルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−エチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−プロピルジフェニルスルフィドである。
第3級アミン化合物の具体例を挙げると、例えば、エタノールアミン化合物、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物、例えば、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(日本曹達社製ニッソキュアーMABP)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製EAB)などのジアルキルアミノベンゾフェノン、7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オン(7−(ジエチルアミノ)−4−メチルクマリン)等のジアルキルアミノ基含有クマリン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製カヤキュアーEPA)、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル(インターナショナルバイオ−シンセエティックス社製Quantacure DMB)、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル(インターナショナルバイオ−シンセエティックス社製Quantacure BEA)、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル(日本化薬社製カヤキュアーDMBI)、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(Van Dyk社製Esolol 507)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製EAB)である。
このような増感剤化合物の配合量としては、前記非硬化性樹脂組成物100質量部(2種以上を使用する場合にはそれらの合計量)に対して、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下の割合が適当である。
前述のように、凹部(16T,16V等)は、非硬化性樹脂層12を貫通し、硬化性樹脂層13を部分的又は完全に貫通するように形成される。凹部(16T,16V等)とは、基板15の表裏両面の両導電層を電気的に接合可能とするためのビアホール或いは配線パターンを形成するトレンチを表す。即ち、ビアホール16Vは、硬化性樹脂層13に、非硬化性樹脂層12を貫通して、基板15の導電層14を露出させるように形成される。そして、形成されたビアホール16Vに無電解めっきが施されて、導電層14に導通可能となる。また、トレンチ15Tは、延びた溝、及び局部的なビアで、非硬化性樹脂層12を貫通し、硬化性樹脂層13の途中まで形成され、導電層14とは導通接続されずに、回路パターンを形成する。
本発明の製造方法では、無電解めっき処理により凹部16T,16V内にめっき金属を埋め込むことにより、導電層14と配線基板表面とが導通可能になるとともに、配線パターンが形成される。そのために、本発明では、積層体の非硬化性樹脂層12側の表面である、非硬化性樹脂層12の表面と凹部16T,16Vの表面(即ち、壁面と底面)にめっき用触媒を塗布し、めっき用触媒層17を形成する。
そのために、所定のめっき前処理を施すことが好ましい。前処理は、前記した乾式又は湿式のデスミア処理、超音波洗浄等の公知の方法を利用することができる。
非硬化性樹脂層12の表面と凹部16T,16Vの表面に対するめっき用触媒の付与は、特に限定されるものではないが、例えば、2価のパラジウムイオン(Pd2+)を含有した触媒液を用いて行うことができる。触媒液の組成として、例えば、Pd濃度が100〜300mg/Lの塩化パラジウム(PdCl・2HO)と、Sn濃度が10〜20g/Lの塩化第一スズ(SnCl・2HO)と、150〜250mL/Lの塩酸(HCl)を含有する混合溶液を用いることができる。これにより、めっき用触媒層17を形成することができる。
めっき用触媒の付与は、触媒液中に基板を、例えば、温度30〜40℃の条件で3〜10分間浸漬させて、まずPd−Snコロイドを基板1の表面に吸着させる。次に、常温条件下で、50〜100mL/Lの硫酸又は塩酸からなるアクセレータ(促進剤)に基板1を浸漬して触媒の活性化を行う。この活性化処理によって、錯化合物のスズが除去され、パラジウム吸着粒子となり、最終的にパラジウム触媒として、無電解めっき処理による金属めっきの析出を促進させるようになる。
上記のようにして形成されためっき用触媒層17を有する非硬化性樹脂層12は、希アルカリ水溶液(例えば、0.3〜3wt%炭酸ソーダ水溶液)により除去される。
このとき、除去方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等によることができる。また、除去液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)、アンモニア、アミン類等のアルカリ水溶液を用いることができる。
本発明のプリント配線基板中の硬化性樹脂層13の膜厚は、5〜180μmが好ましい。非硬化性樹脂層12の膜厚は、1〜10μmが好ましく、1〜5μmの範囲がより好ましい。1μm以上の場合、ドライデスミア時と前現像時の耐性を向上させることができる。10μm以下の場合、レーザー加工によるトレンチ形成やVia形成、また除去が容易になる。
次に、めっき用触媒層17を有する凹部16T,16Vの表面に無電解めっき層18を形成し、プリント配線基板の回路を形成する。めっき用触媒層17の上に無電解めっき処理により無電解めっき層18を形成する。無電解めっき層18は凹部16T,16Vの空隙部をすべて埋めるように形成される。
無電解めっき処理においても用いられる無電解めっき液は、特に限定されないが、例えば水溶性第二銅(合金)塩や水溶性ニッケル(合金)塩等の水溶性金属塩を主成分として、ホルムアルデヒド及び/又はパラホルムアルデヒド、グリオキシル酸又はその塩、次亜リン酸又はその塩、ジメチルアミノボラン等の1種以上の還元剤と、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム及び/又は酒石酸ナトリウムカリウム等の錯化剤を含有するとともに、少なくとも1種の硫黄系有機化合物を含有する無電解めっき液を用いることができる。
また、本発明の製造方法は、ビルドアップ工法による高密度多層配線基板の製造にのみ適用されるものではなく、例えば、ウエハレベルCSP(Chip SizエポキシPackageまたはChip ScaleエポキシPackage)、あるいはTCP(Tape Carrier Package)等における
多層配線層の製造工程にも適用することができる。
以下、本発明の具体的な実施例、比較例の基板の作製フローおよび評価方法について説明する。
<硬化性樹脂層(A層)、非硬化性樹脂層(B層)用組成物(インキ)作製>
表1に記載の配合に従って、実施例に記載の材料をそれぞれ配合混練し、熱硬化性樹脂組成物を調製した。表中の値は、特に断りが無い限り、質量部である。
<硬化性樹脂層(A層)形成用ドライフィルムの作製>
キャリアフィルムとして、38μmの厚みのPETフィルム上に、熱硬化性樹脂組成物を、アプリケーターを用いて塗布し、その後、熱風循環式乾燥路にて90℃/10min乾燥しドライフィルムを作製した。熱硬化性樹脂層の厚みは乾燥後、約20μm、フィルム中の溶剤量が0.3〜3.0wt%になるように塗布量を調整した。その後、得られた
ドライフィルムを所定のサイズにスリット加工を行った。
<硬化性樹脂層(A層)のラミネート、硬化>
銅厚5μmでパッドが形成されている両面プリント配線基板を用意し、メック社CZ−8101を使用して前処理を行った。次いで、名機社真空ラミネーターMVLP−500を用いてプリント配線基板上の表裏にドライフィルムをラミネートし、熱硬化性樹脂層を備えるプリント配線基板を得た。ラミネート条件は温度80℃、圧力5kg/cm/60secでおこなった。ついで、キャリアフィルムを剥離し、熱風循環式乾燥炉にて180℃/30min熱硬化し、両面に硬化した硬化性樹脂層(A層)を有する両面プリント配線基板を得た。
<非硬化性樹脂層(B層)の形成>
<DF式>
キャリアフィルムとして、38μmの厚みのPETフィルム上に、非硬化性樹脂組成物を、アプリケーターを用いて塗布し、その後、熱風循環式乾燥炉にて90℃/10min乾燥しドライフィルムを作製した。非硬化性樹脂層の厚みは乾燥後、約3μm、フィルム中の溶剤量が0.3〜15wt%になるように塗布量を調整した。その後、得られたドライフィルムを所定のサイズにスリット加工を行い、非硬化性樹脂組成物のドライフィルムを得た。次いで、両面に硬化した硬化性樹脂層を有する両面プリント配線基板上に、名機社真空ラミネーターMVLP−500を用いてプリント配線基板上の表裏にドライフィルムをラミネートした。次いで、表裏のPETフィルムを剥離し、非硬化性樹脂層(B層)を表裏に備えるプリント配線基板を得た。ラミネート条件は温度100℃、圧力5kg/cm/60secでおこなった。
<塗布式>
両面に硬化した硬化性樹脂層を有する両面プリント配線基板上に、ファーネス社ロールコーターを用いて表裏同時に非硬化性樹脂組成物を塗布し、その後、熱風循環式乾燥炉にて90℃/10min乾燥を行い、表裏に非硬化性樹脂層を有する両面プリント配線基板を得た。非硬化性樹脂組成物の厚みは乾燥後、約3μmとなるように塗布量を調整した。
<比較例4の非硬化性樹脂層(ポリイミドシート)の形成>
銅厚5μmでパッドが形成されている両面プリント配線基板を用意し、メック社CZ−8101を使用して前処理を行った。その後、熱硬化性樹脂組成物のドライフィルムを、名機社MVLP−500にて配線基板上の表裏に、前記の条件にてラミネートした。その後、PETフィルムを剥離し、表裏に熱硬化性樹脂層を有する両面プリント配線基板を得た。次いで、市販品の東洋紡社透明ポリイミドフィルムタイプHM(厚み6.0μm)を、前記の両面プリント配線基板上に名機社真空ラミネーターMVLP−500を用いてラミネートし、次いで熱風循環式乾燥炉にて180℃/60min熱硬化し、表裏にユーピレックスが形成された両面配線基板を得た。ラミネート条件は、温度120℃、圧力5kg/cm/60secでおこなった。
<トレンチの形成(Via、ライン)>
前記の方法にて、硬化した硬化性樹脂層13上に非熱硬化性樹脂層12が形成された両面プリント配線基板について、日立ビアメカニクス社エキシマレーザーLE−1A(光源XeCl:308nm、出力150W、ラインビームスキャン37.5mm幅)を用い、2種類のクロムマスクを用いトレンチパターンのビアおよびラインの形成を行った。まずは、パッド上まで到達するビアを形成するためにレーザー照射を行った。ビアサイズはトップ50μm、ボトム40μmとなるようにラインビームスキャンを行った。次いで、マスクを交換し、溝幅10μm、深さ10μmのラインを形成した。ラインの深さは熱硬化性樹脂層12の表面からの深さのことである。
<レーザー加工性評価>
前記の方法にて、トレンチパターン(ラインおよびビア)を形成した基板について、パターン部のライン、ビア形状を光学顕微鏡にて観察し、以下の判断基準に従い評価を行った。
◎:トレンチの形成が設計どおりで、その端部も突き出しがなく綺麗な状態。
○:トレンチの端部の非硬化性樹脂層が溶融、端部が突き出した状態がわずかに観察された。
△:トレンチの端部の非硬化性樹脂層が溶融、端部が突き出した状態が観察された。
<B層の吸光度>
非硬化性樹脂組成物を、ガラス板上にスピンコーターを用いて塗布し、次いで90℃/10min乾燥し、ガラス板状に非硬化性樹脂層を形成した。非硬化性樹脂層の厚みは、乾燥後で5μmになるように調整を行った。吸光度の測定は、紫外可視分光光度計及び積分球装置を用い、非硬化性樹脂組成物を塗布したガラス板と同一のガラス板で、500〜200nmにおける吸光度ベースラインを測定した。次いで、非硬化性樹脂層を有するガラス板の吸光度を測定し、ベースラインから乾燥塗膜単独の吸光度を算出した。目的の波長は、レーザーの光源(エキシマレーザー、光源XeCl:308nm)と同じ波長(308nm)の数値を確認した。評価結果を表2に示す。
<デスミア処理>
<過マンガン酸デスミア(湿式法)>
レーザー加工にてトレンチパターン形成を行った両面プリント配線基板について、過マンガン酸デスミア水溶液にてビア底残渣除去およびトレンチ内部のスミアの除去処理を行った。
薬液はロームアンドハース社、過マンガン酸水溶液MLB−213(70℃/5min)であり、次いで還元MLB−216(50℃/5min)処理行いスミア除去を行った。
<プラズマデスミア(乾式法)>
トレンチパターン形成を行った両面プリント配線基板について、マーチ社プラズマ照射装置AP−1000を用い、ビア底残渣除去およびトレンチ内部のスミアの除去処理を行った。条件はガス:酸素、真空度150mtorr、出力500Wにて3min照射とした。ついで(株)石井表記製の超音波洗浄機IUS24にてスミアの完全な除去を行った。条件は出力800W、速度0.5m/min、処理時間2minとした。
<触媒付与>
デスミア処理によりスミアを除去した後、以下の触媒付与プロセス(上村工業(株)製のスルカップシリーズ)を用い、基板の表層およびトレンチ形成部へ触媒の付与を行った。詳細条件は下記に記すとおり。
クリーナーコンディショナー(スルカップPCK−120−I、60℃/5min)
ソフトエッチ(アディディブMSE−7、25℃/2min)
硫酸洗浄(室温/1min)
プレディップ(スルカップPED−104、25℃/1min)
アクチベーター(スルカップAT−105およびPED104の混合液、30℃/8min)
<パラジウム付着の評価>
前記の方法にて、非硬化性樹脂層の表層部およびトレンチ部分に触媒を付与させた基板について、目視および光学顕微鏡にてパラジウムの付着の評価を行った。判断基準は下記に示すとおり。
◎:非硬化性樹脂層の表層部が透明で、トレンチ形成部分が黒色に見えた。これにより、トレンチ形成部分にのみパラジウムが付着していることがわかる。
○:非硬化性樹脂層の表層部および、トレンチ形成部分が黒色に見えた。これにより、トレンチ形成部分以外にもパラジウムが付着していることがわかる。
<B層の除去性>
触媒付与を行った基板について、非硬化性樹脂層(B層)の表層部の触媒を取り除くため、非硬化性樹脂層(B層)の除去を行った。除去液は3wt%の各アルカリ水溶液(炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム)にて、スプレー圧0.2MPa、60secの条件にて除去処理を行った。除去後、光化学顕微鏡にて表層部の観察を行い、下記基準に従い評価を行った。
◎:炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液ともに除去が可能であった
○:水酸化ナトリウム水溶液の場合のみ除去が可能であった。
×:表層部に非硬化性樹脂層の残渣がみられた。
非硬化性樹脂層(B層)の除去をおこなった基板について、次いで上村工業(株)製スルカップシリーズの無電解銅めっき液を使用しトレンチ部分への選択銅めっき処理を行った。まずは、除去後の基板をアクセレーター(スルカップAL−106、25℃/3min)処理を行い、次いで高速無電解銅めっき(スルカップELC−SP)を用い、トレンチ部分を銅めっきにて完全にフィルドした。
<基板表面へのめっき析出>
トレンチ部分を完全に無電解銅めっきにてフィルドした基板について、表層部など余分な部分に銅めっきが析出していないか評価を行うため、光学顕微鏡観察および反射電子像観察を行い、下記基準に従い評価を行った。
○:トレンチ部分(ライン、ビア)以外に銅めっきの析出がみられない
×:トレンチ部分(ライン、ビア)以外に銅めっきの析出がみられた。
<熱硬化性特性評価:Tg、CTE>
熱硬化性樹脂層(A層、190℃/60min硬化させた)および市販品のポリイミドシート(B層用)の厚み50μmのシートについて、3mm幅、長さ10mmの短冊状に切り出しを行い、JIS−C−6481に記載のTMA法(引っ張り法)にて、ガラス転移温度TgおよびCTE測定(熱膨張係数)の評価をおこなった。昇温速度は5℃/min、Tg以下の熱膨張係数の評価をおこなった。熱膨張係数は、温度範囲25℃から100℃の平均熱膨張係数、単位はppmとした。結果を表2に示す。
<クラック耐性>
トレンチ部分を完全に無電解銅めっきにてフィルドした基板について、冷熱サイクル特性評価をおこなった。処理条件は、−65℃で30min、150℃で30minを1サイクルとして、熱履歴を加え2000サイクル加えた。処理後、表層部分を封止し精密切断機にて、ビア部分およびライン部分の断面観察を光学顕微鏡にて行った。評価方法については、下記基準に従いおこなった。観察パターン数は100穴。
○:有底ビア、ライン部分の銅と硬化性樹脂層間にデラミの発生なし。
×:有底ビア、ライン部分の銅と硬化性樹脂層間にデラミが発生。発生箇所は、硬化性樹脂層とイミド層の界面付近で観察された。
Figure 2015057812
Figure 2015057812
実施例1は、前述の実施例、比較例の基板の作製フロー及び表2に記載のように実施した。
実施例2は、実施例1において、B層の組成の配合比及びデスミアの処理方法のみを変更した以外同様に実施した。
実施例3は、実施例1において、B層の組成の配合比及び積層方法を変更のみを変更した以外同様に実施した。
実施例4は、実施例1において、B層の処方の添加剤をKS-66に変更した以外同様に実施した。
実施例5は、実施例1において、B層の組成を変更した以外同様に実施した。
実施例6は、実施例1において、A層の組成を変更した以外同様に実施した。
実施例7は、実施例1において、A層の組成を変更した以外同様に実施した。
比較例1は、実施例1において、B層を設けず、それに伴う処理を行わなかった以外同様に実施した。
比較例2は、実施例6において、B層を設けず、それに伴う処理を行わなかった以外同様に実施した。
比較例3は、実施例7において、B層を設けず、それに伴う処理を行わなかった以外同様に実施した。
比較例4は、特許文献1の方法に準じて実施した。
以下に、各層に使用した材料について説明する。
熱硬化性樹脂層(硬化前の絶縁樹脂層):A層
1)エポキシ樹脂
Figure 2015057812
2)硬化剤
Figure 2015057812
3)熱可塑性樹脂
Figure 2015057812
4)ゴム状粒子
Figure 2015057812
5)難燃剤
Figure 2015057812
6)無機充填剤
Figure 2015057812
7)硬化促進剤
Figure 2015057812
8)有機溶剤
Figure 2015057812
コーティング層(非硬化性樹脂層):B層
Figure 2015057812
有機溶剤:シクロヘキサノン、上記と同じ。
(比較例4)
Figure 2015057812
上記観察の結果、実施例1〜7では、基板表面のめっき析出はなく、トレンチ、ビアホールにも均一にめっきが形成され、凹部が埋まっていた。比較例1〜3はコーティング層(B層)が存在しないことから、樹脂層の表面の触媒が除去されないため、銅めっきが析出した。特許文献1の方法による比較例4では、絶縁樹脂層(A層)と残存するコーティング層(B層)の熱的特性が異なるため、耐熱性が劣っていた。
11 透明フィルム
12 非硬化性樹脂層
13 熱硬化性樹脂層
14 導電層
15 基板
16T,16V 凹部
17 めっき用触媒層
18 無電解めっき層

Claims (9)

  1. 基板の表面に、硬化性樹脂層を介して非硬化性樹脂層を形成する工程、
    該非硬化性樹脂層側から、該非硬化性樹脂層及び前記硬化性樹脂層に凹部を形成する工程、
    前記非硬化性樹脂層表面及び前記凹部表面にめっき用触媒を付与する工程、
    前記非硬化性樹脂層をその表面のめっき用触媒と共に除去する工程、及び
    前記凹部表面に無電解めっきを施す工程、
    を含むことを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
  2. 前記非硬化性樹脂層が、アルカリ可溶性樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント配線基板の製造方法。
  3. 前記非硬化性樹脂層が、レーザーの波長領域に吸収を有する増感剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のプリント配線基板の製造方法。
  4. 前記非硬化性樹脂層が、撥水性の添加剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリント配線基板の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のプリント配線基板の製造方法で得られるプリント配線基板。
  6. 基板、及び、
    該基板の表面に、凹部が形成された硬化した硬化性樹脂層を有し、
    前記硬化性樹脂層の凹部に無電解めっきのみでめっき金属が埋め込まれている
    ことを特徴とするプリント配線基板。
  7. 基板、
    該基板の表面に形成された硬化した硬化性樹脂層、及び、
    該硬化性樹脂層上に形成され、アルカリ可溶性樹脂を含む非硬化性樹脂層を有する
    ことを特徴とするプリント配線基板形成用積層体。
  8. フィルム、及び
    該フィルムの表面に形成され、アルカリ可溶性樹脂を含む非硬化性樹脂層を有する
    ことを特徴とするプリント配線基板形成用積層フィルム。
  9. 請求項1に記載のプリント配線基板の製造方法において、前記非硬化性樹脂層を形成するために用いられ、アルカリ可溶性樹脂を含むことを特徴とする非硬化性樹脂組成物。
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