JP2015052538A - ガス警報器、その制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサ素子の感度低下状態である“鈍化”を検出する。【解決手段】還元性ガス環境判定部43は、センサ抵抗値取得部41で得られた2つのセンサ抵抗値に基づいて、還元性ガス中であるか否かを判定する。高湿度環境判定部44は、ヒータ抵抗値取得部42で得られた2つのヒータ抵抗値に基づいて、高湿度環境下であるか否かを判定する。鈍化判定部45は、現在までに上記還元性ガス中であった累積時間と上記高湿度環境下であった累積時間とに基づいて、鈍化であるか否かを判定する。【選択図】 図8

Description

本発明は、ヒータによってセンサ素子を加熱した状態で当該センサ素子の抵抗値を測定することで、都市ガスなどのガス漏れを検知するガス警報器に関する。
ガス器具やガス配管からの都市ガス等のガス漏れを検知し、音声やブザーなどで警報を発し、ガス使用者にガス漏れを知らせるガス警報器が知られている。
ガス警報器は、ガスセンサなどのガス検知素子により検知対象ガスを検出し、検知対象ガスのガス濃度が所定値(閾値)を超えたら、警報音や警報表示により警報を行うようになっている。
ガス警報器においては、都市ガスやLPガスなどの検知対象ガスを検知するためにガスセンサが用いられている。ガスセンサは、例えばヒータ抵抗とセンサ抵抗を有する。センサ抵抗は、検知対象ガスとの反応によりその抵抗値が変化する。ヒータ抵抗によって加熱された状態のセンサ抵抗の抵抗値を測定することで、ガス検知を行っている。例えば、ガスセンサのヒータ抵抗に電圧を印加してその温度をたとえば400℃などの所定温度に加熱した状態にして、上記センサ抵抗の抵抗値の変化を測定することにより(実際にはこの抵抗値を示す電圧等を測定して抵抗値に換算する)、ガス検知を行っている。
ガスセンサのヒータ抵抗の温度を所定温度にする駆動方法には、直流電圧を印加する方法やパルス的に電圧を印加する方法があるが、特に電池で駆動する電池式ガス警報器では、消費電力を低減するために所定の駆動周期でヒータをパルス通電する方法が行われている。
また、コードレス化による取付性向上や機器小型化などの理由から、電池駆動によるガス警報器が望まれているが、検知対象ガスを検出するにあたりガスセンサのヒータ温度を400℃程度にしなければならず大きな電力が必要となっている。このため、ガス警報器の有効期限である5年間を電池で駆動できるように省電力でセンサ駆動を行うことが課題となっている。
電池式ガス警報器は、電池交換することなく、5年以上動作可能とすることが必要となる。この為、センサ駆動周期をある程度長くする必要がある。
また、特許文献1,2,3,4,5,6等に開示されている従来技術がある。
特許文献1の発明のガス検知装置は、支持基板上に、検出対象ガスとの接触により電気抵抗値が変化するガス検知層、及びガス検知層を加熱するヒータ層を形成したセンサ素子を有する。そして、ヒータ層への通電駆動を断続的に行って、ガス検知層の温度を低温状態と高温状態との間で変化させ、ガス検知層の温度が高温状態に変化したときのガス検知層の電気抵抗値に基づいて、検出対象ガスを検出する。
ガス検知層に隣接して設けられる絶縁層(SiO2など)などが経年劣化により絶縁破壊・絶縁不良を起こし、ヒータ層からガス検知層への熱伝導が良好に行われないなど、ガス検知層等からなるセンサ素子に異常を発生させることがある。特許文献1の発明は、この様な問題を解決するものである。
また、特許文献2の発明は、一つのパルス通電により加熱される一つのセンサ素子(ガス検知層)の電気抵抗値を用いて、検出対象ガスおよび湿度の検出を行い、装置構成の簡略化、消費電力の低減を図りつつ、より正確な湿度を検出できるようにするものである。すなわち、ヒータ層への通電を停止してから再度通電が開始されるまでのヒータ層通電停止時のガス検知層の電気的特性を用いて、検出対象ガスが含まれる被検出ガスの湿度を検出する。
また、特許文献3の発明は、半導体基板の空洞に薄膜ヒータをメタンの燃焼触媒で被覆した検知片と薄膜ヒータを補償用材料で被覆した補償片とを設け、これら検知片と補償片とを組み込んだブリッジ回路の出力によりメタンを検出する装置において、半導体基板の空洞にヒータ薄膜を設けた接触燃焼式メタンセンサに対して、ヒータ抵抗のドリフトを補正するものである。
また、特許文献4の発明は、間欠的にオン/オフ駆動又はハイ/ロー駆動されるヒータRHにより加熱されるセンサ素子RSを有する半導体式ガスセンサ21を用いて、単一種又は複数種のガスの濃度を検出するガス検出装置において、センサ素子RSが断線状態にある場合にはそれを確実に検出できるようにする。また、特許文献4には、加熱素子RHにハイ/ローの2段階の電圧が印加され、ローの期間中に、不完全燃焼検出用のCOガスの検出のために加熱素子RHが80℃程度に加熱され、また、ハイの期間中に、ガス漏れ検出用のメタンガスの検出のために加熱素子RHが400℃程度に加熱されること等が開示されている。
また、特許文献5の発明は、ヒータに直列に電流検出抵抗Rdを接続した構成とし、この電流検出抵抗Rdの両端電圧と抵抗値とに基づきヒータ電流を算出し、算出されたヒータ電流の変化に基づきガスセンサの異常を判定する。このガスセンサの異常は、ヒータの断線もしくはヒータの劣化等の異常である。
また、特許文献5には、パルス駆動方式で、1つのガスセンサを低温域(例えば、100℃)と高温域(例えば、400℃)とに周期的に交互に駆動させることにより、低温域で一酸化炭素ガス濃度を検出し、高温域でメタンガス濃度を検出することが開示されている。
また、特許文献6の発明は、電池式の一酸化炭素ガス警報器において、ガスセンサが高温高湿中に置かれる期間が増加するに従ってCO警報濃度が上昇する問題、すなわち高湿中でガスセンサの感度が劣化してしまう問題を、解決するものである。
特許文献6には、その図4に示す試験結果から、CO警報濃度が劣化したガスセンサは、ヒートアップを行ったときのセンサ抵抗(エアー中の抵抗)が大きく、両者の間に正の相関関係があることがわかる旨が開示されている。そして、これより、特許文献6の発明では、ガスセンサを定期的にヒートクリーニングし、ヒートアップ時におけるセンサ抵抗値を検出し、センサ抵抗値が初期センサ抵抗値の3〜5倍に変化した場合に、ガスセンサの感度が劣化したと判定する。
特開2009−210343号公報 特開2009−210342号公報 特開2012−63141号公報 特開2005−201681号公報 特開2001−235441号公報 特開2001−194330号公報
ここで、ガスセンサの異常に関しては、上記従来のセンサ素子の断線や絶縁層の雑縁破壊・絶縁不良以外にも、例えば“鈍化”が生じる場合がある。この“鈍化”は、ガスセンサの感度(=空気中のセンサ抵抗値/ガス中の抵抗値)が低下するものであり、ガスセンサが“鈍化”した場合、警報レベルのガス濃度になってもこれを検知できない。“鈍化”について、図10を参照して説明する。
図10は、センサ抵抗値−ガス濃度の関係図である。
ガスはCO(一酸化炭素)、H2(水素)、メタンについて、それぞれ、そのガス濃度の変化に応じたセンサ抵抗値の変化を示す。尚、このセンサ抵抗値は、例えばセンサ駆動の終了タイミング(例えば100ms経過時点)でのセンサ抵抗値である。
CO(一酸化炭素)、H2(水素)については、それぞれ一点鎖線で示す。一方、メタンに関しては、正常なガスセンサ(正常品)に関する特性は実線で示し、上記“鈍化”状態となっているガスセンサ(感度低下品)に関する特性は点線で示している。
図上一点鎖線で示すように、CO(一酸化炭素)、H2(水素)に関しては、ガス濃度が増加してもセンサ抵抗値は殆ど変化しない。一方、図上、実線や点線で示すように、メタンに関しては、センサが正常であっても“鈍化”であっても、ガス濃度が大きくなっていくとセンサ抵抗値は小さくなっていくという相関関係が見られる。しかし、任意のセンサ抵抗値に対応するガス濃度は、“感度低下品”は正常品よりも非常に大きくなる。
ここで、例えばメタンのガス濃度が4000ppmを越えたらガス漏れ警報を発すべきものとした場合、図示の正常品の特性に基づいて4000ppmに対応する図示のセンサ抵抗値Pを、ガス漏れ判定の為の閾値に設定することになる。つまり、センサ抵抗値がP未満となったら、ガス漏れ発生と判定することになる。しかし、センサが“鈍化”している場合、図示の例ではセンサ抵抗値がP未満となったときにはメタンのガス濃度は10000ppmを越えており(20000ppm程度)、警報発生の報知が大幅に遅れることになる。
上記“鈍化”状態となったセンサは、元の正常な状態に戻ることはなく、よって交換等を行う必要がある。この為、センサが“鈍化”となったことを判別して、その旨を報知する機能が、ガス警報器に備えられることが要望されている。
しかしながら、上記特許文献1,2,3,4,5の従来技術では、ガスセンサが“鈍化”状態となっていることを検出することについては、何等考えられていない。
本発明の課題は、センサ素子と該センサ素子を加熱する為のヒータとを有するガスセンサを有するガス警報器に関して、センサ素子の感度低下状態である鈍化を検出することができるガス警報器、その制御装置等を提供することである。
本発明のガス警報器は、センサ素子と該センサ素子を加熱する為のヒータ抵抗とを有するガスセンサと、前記ヒータ抵抗を加熱制御して前記センサ素子の抵抗値を測定する制御部とを有するガス警報器であって、前記制御部は、下記の各手段を有する。
・前記ガスセンサの駆動開始から所定の第一時間経過した時点の前記センサ素子の抵抗値をセンサ抵抗値Aとして取得し、前記第一時間より長い第二時間経過した時点の前記センサ素子の抵抗値をセンサ抵抗値Bとして取得するセンサ抵抗値取得手段;
・前記駆動開始から所定の第三時間経過した時点の前記ヒータ抵抗の抵抗値をヒータ抵抗値Cとして取得し、前記第三時間より長い第四時間経過した時点の前記ヒータ抵抗の抵抗値をヒータ抵抗値Dとして取得するヒータ抵抗値取得手段;
・前記センサ抵抗値Aとセンサ抵抗値Bに基づいて還元性ガス中であるか否かを判定する還元性ガス環境判定手段;
・前記ヒータ抵抗値Cとヒータ抵抗値Dに基づいて高湿度環境であるか否かを判定する高湿度環境判定手段;
前記還元性ガス環境判定手段による判定結果、または/及び、前記高湿度環境判定手段による判定結果に基づいて、前記センサ素子の感度低下状態である鈍化となったか否かを判定する鈍化判定手段。
本発明のガス警報器、その制御装置等によれば、センサ素子と該センサ素子を加熱する為のヒータとを有するガスセンサを有するガス警報器に関して、センサ素子の感度低下状態である鈍化を検出することができる。
本例のガス警報器の構成図である。 センサ抵抗の特性を示す図である。 (a)、(b)は、ヒータ抵抗の特性を示す図である。 鈍化判定用データの一例である。 鈍化判定に係わる処理のフローチャート図(1/2)である。 鈍化判定に係わる処理のフローチャート図(2/2)である。 (a)は変形例1、(b)は変形例2のフローチャート図である。 本例のガス警報器の制御回路部の機能ブロック図である。 (a)はセンサ特性の概略イメージ、(b)はセンサ特性に応じた閾値の一例の概略を示す図である。 センサ抵抗値−ガス濃度の関係図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本例のガス警報器の構成図である。
図示のガス警報器10は、ガス器具やガス配管から漏れた都市ガスなどの可燃性ガスを検知して警報を発するガス漏れ警報器であって、特に電池を電源とする電池式ガス警報器である。
図示の例のガス警報器10は、ガスセンサ11、制御回路部12、警報部13、電池部15、昇圧回路部16、定電圧回路部17等を有し、更に負荷抵抗R、シャント抵抗R2、トランジスタスイッチSW1、トランジスタスイッチSW2等から成る図示の回路を有している。尚、以下、トランジスタスイッチSW1,トランジスタスイッチSW2は、省略して、スイッチSW1、スイッチSW2と記すものとする。また、更に図示の周囲温度検出部14等もあるが、これらについては本手法には関係ないので特に説明しない。
尚、上記ガス警報器10の構成自体は、従来と同じであってよく、例えば参考文献(特開2012-164094号公報)に記載の構成と同じであってよい。従来と異なるのは、制御回路部12の処理内容であり、これについては後に説明するものとし、特に図5、図6のフローチャート図や図8の機能ブロック図等を参照して説明する。
検知対象ガスを検出するガスセンサ11は、ガス濃度を検出するためのセンサ抵抗11aと、これを加熱するためのヒータ抵抗11bとを備える。既に従来で説明したように、センサ抵抗11aは周囲のメタンガス等の濃度に応じた抵抗値となるものであり、上記所定の駆動周期で行うガス漏れ検出処理の際には、ヒータ抵抗11bを例えば400℃等に加熱して、この状態でセンサ抵抗11aの抵抗値(抵抗値に相当する電圧値等)を測定することになる。尚、検知対象ガスは、基本的に都市ガス(メタンガス)である。他のガスであってもよいが、検知対象ガスの種類に応じたガスセンサを用いることになる。
電池部15は、本例では3ボルトの電源を供給し、昇圧回路部16で所定の電圧(例えば3.3(V)等)に昇圧されて、図1に示す回路全体に電力を供給する。すなわち、電池部15からの電力は、ガスセンサ11内のヒータ抵抗11bとセンサ抵抗11a、負荷抵抗R、シャント抵抗R2、スイッチSW1、SW2等からなるガス検出手段であるセンサ系回路に供給する。また、制御回路部12にも電池部15から電力供給している。
ここで、上記センサ系回路は、センサ抵抗11aと負荷抵抗RとスイッチSW2とが直列に接続された回路(第一の直列回路)と、スイッチSW1と定電圧回路部17とヒータ抵抗11bとシャント抵抗R2とが直列に接続された回路(第二の直列回路)から成る。これら各直列回路に対して上記3.3(V)等の電圧が印加される。
第一の直列回路に関しては、スイッチSW2がONのときには、上記印加電圧(3.3(V)等)がセンサ抵抗11aの抵抗値と負荷抵抗Rの抵抗値とに応じて分圧された電圧V1が、制御回路部12の図示の入力端子AD3に入力されることになる。負荷抵抗Rの抵抗値は任意でよいが固定であり、センサ抵抗11aの抵抗値が変化すると、電圧値V1が変化することになる。つまり、電圧値V1はセンサ抵抗11aの抵抗値(センサ抵抗値と呼ぶものとする)を示すものである。
ここで、上記の通り、センサ抵抗値は、周囲のメタンガスの濃度に応じて変化するが、更にセンサ駆動開始からしばらくの間は、安定せず、変化する。これは、後述するヒータ抵抗値に関しても同様である。本出願人は、後述する図2、図3のような実験結果等により、これらの抵抗値の変化の仕方が、雑ガス(特に還元性ガス)中や高湿度等の環境下では、他の環境下とは異なる特徴的なものとなることを発見した。
すなわち、実験等により後述する図2に示すように、上記センサ駆動開始から例えば100ms経過時までのセンサ抵抗値の変化の仕方が、CO(一酸化炭素)やH2(水素)等の雑ガス(還元性ガス)中では、清浄空気中やメタンガス中の場合とは異なることを発見した。
また、実験等により後述する図3に示すように、ヒータ抵抗11bの駆動時間に応じてヒータ抵抗11b自身の抵抗値(ヒータ抵抗値と呼ぶものとする)も変化するものであるが、この抵抗値の変化の仕方が、高湿度の環境下では、通常とは異なる特徴的なものとなることを発見した。
本手法では、センサ抵抗11aとヒータ抵抗11bに関する上記のようなセンサ特性を利用して、“鈍化”の判定を行う。詳しくは後述する。
また、第二の直列回路に関しては、スイッチSW1がONの状態で、上記定電圧回路部17によって任意の電圧がヒータ抵抗11b等に印加されることになる。尚、制御回路部12の出力端子OUT2から上記定電圧回路部17に制御信号が出力されて、上記定電圧回路部17の出力電圧が制御される。定電圧回路部17の出力電圧が変化することで、ヒータ抵抗11bの駆動時の温度が変化する。ここでは、従来と同様、ヒータ抵抗11bの駆動時温度が400℃程度になるように、定電圧回路部17の出力電圧が制御されるものとする。
制御回路部12は、ガス警報器10全体の動作を制御するマイコン(CPU等)であり、不図示の内蔵メモリに予め記憶されているプログラムを実行することにより、既存のガス漏れ検知処理や、後述する図5、図6に示すフローチャートの“鈍化”判定処理等を実行する。
制御回路部12は、出力端子OUT1、OUT2、OUT3,入力端子AD1,AD2,AD3等を有している。出力端子OUT1はスイッチSW1のベースに接続しており、出力端子OUT1からの出力信号によってスイッチSW1をON/OFF制御する。出力端子OUT3はスイッチSW2のベースに接続しており、出力端子OUT3からの出力信号によってスイッチSW2をON/OFF制御する。尚、出力端子OUT2については既に説明してある。
また、入力端子AD3についても既に説明してある。入力端子AD1には定電圧回路部17の出力電圧が入力され、入力端子AD2にはヒータ抵抗11b−シャント抵抗R2間の電圧V2が入力される。つまり、入力端子AD1、AD2に入力される電圧の差が、ヒータ抵抗11bに印加される電圧を意味することになる。また、電圧V2は、シャント抵抗R2に印加される電圧を意味することになる。
尚、これら入力端子AD1,AD2,AD3には、入力端子だけでなく、当該入力端子に入力されるアナログ信号(電圧値V1,V2等)をディジタル値に変換する機能(ADコンバータ)も含まれているものとする。よって、制御回路部12は、例えば、入力端子AD3を介して、電圧値V1のディジタル値を取得することになる。
また、制御回路部12は、既存の機能により、上記取得した電圧値V1をセンサ抵抗11aの抵抗値に換算することやメタンガス濃度に換算すること等が、行えるものである。これらについては、既存機能であるので、特に詳細には説明しない。尚、同様に、既存の機能により、例えば上記入力端子AD1,AD2に入力される電圧値等に基づいて、ヒータ抵抗11bを求めること等もできる。
警報部13は、警報音出力部13a、警報表示部13b、外部警報出力部13cを備える。警報音出力部13aは、警報音等の音を発する構成であり、例えばスピーカやブザーなどで構成される。警報音出力部13aは、制御回路部12からの制御に基づいて、音声メッセージや電子音でガス漏れ状態を報知する。警報表示部13bは、LED(発光ダイオード)等で構成されており、警報時にはLEDを点滅や点灯させて警報状態をLEDで表示させてガス漏れ状態を報知する。外部警報出力部13cは、警報時にはガスメータや集中監視盤等の外部機器へ警報信号の出力を行う。
制御回路部12は、ガスセンサ駆動時には、出力端子OUT1、OUT3からの出力によってスイッチSW1およびスイッチSW2をオンすることで、ガスセンサ11(そのヒータ抵抗11b、センサ抵抗11a)、負荷抵抗R等からなる上記センサ系回路に電力供給させて動作させる。
制御回路部12は、基本的には従来の既存のガス漏れ検知の為の定期的な動作を繰り返し実行している。すなわち、センサ駆動周期Ta、センサ駆動時間Tbでガスセンサ11を駆動することで、定周期Ta毎のガス検知を行う。一例として例えば、センサ駆動周期Ta=45秒、センサ駆動時間Tb=100ms(ミリ秒)で、ガスセンサ11を駆動するものとする。具体的には制御回路部12の内部タイマ(不図示)による制御に基づいてセンサ駆動周期Ta毎に以下の動作を実行する。
上記センサ駆動周期Taによるセンサ駆動タイミングになる毎に、制御回路部12は、出力端子OUT1、OUT3からの出力によってスイッチSW1とスイッチSW2をオンすることで、上記第一の直列回路と第二の直列回路とに所定の電圧を印加する。ヒータ抵抗11bは定電圧回路部17の出力電圧を制御することで例えば400℃等に加熱させる。制御回路部12は、上記センサ駆動タイミングから100ms経過したときに(つまり、センサ駆動時間Tbの最後に)、AD3端子からガスセンサ出力(電圧V1)を読み込みする。勿論、その直後にセンサ駆動は終了する。
このように制御回路部12は、入力端子AD3を介してガスセンサ11のセンサ出力(電圧値V1;センサ抵抗11aの抵抗値に相当)を検出し、例えばセンサ出力が所定のガス濃度(警報基準濃度)に対応する閾値を超えたか否かを判定することにより、ガス漏れ検出を行う。尚、制御回路部12は、出力電圧V1をガス濃度やセンサ抵抗値に換算してそれに応じた閾値と比較する処理を行うことで、上記ガス漏れ検出を行うものであってもよい。これも既存の機能であり特に説明しないものとする。
ここで、本手法では、例えば上記ガスセンサ駆動の際に、センサ駆動開始から100ms経過したときだけでなく、上記センサ駆動開始から例えば30〜40ms程度経過したときにも上記電圧V1の読み込みを行う。そして、これら100ms経過時の電圧V1と30〜40ms程度経過時の電圧V1とに基づいて、周囲に雑ガス(COやH2等)がある環境であるか否かを判定する。換言すれば、センサ駆動中の任意のタイミングとセンサ駆動終了時とに、それぞれ電圧V1を読込んで、これらに基づいて雑ガス中であるか否かを判定する。但し、この例に限らない。詳しくは後述する。
また、本手法では、更に、例えば上記ガスセンサ駆動の際に、ヒータ抵抗11bの抵抗値を測定する。これは、後述する理由により、例えばセンサ駆動開始から例えば15〜30ms程度経過したときと100ms経過したときに、それぞれ、そのときのヒータ抵抗11bの抵抗値を測定する。そして、これら100ms経過時のヒータ抵抗11bの抵抗値と20ms経過時のヒータ抵抗11bの抵抗値とに基づいて、高湿度の環境下にあるか否かを判定する。換言すれば、センサ駆動中の任意のタイミングとセンサ駆動終了時に、それぞれヒータ抵抗値を測定して、これらに基づいて高湿度であるか否かを判定する。但し、この例に限らない。詳しくは後述する。
ここで、上記ヒータ抵抗11bの抵抗値の測定は、例えば上記参考文献(特開2012-164094号公報)に記載のように、ヒータの電圧値、電流値を測定することで実現する。すなわち、制御回路部12は、ヒータ抵抗11bの両端に印加される電圧値(ヒータ電圧値)を読み込む。具体的には、入力端子AD1に入力される電圧値から入力端子AD2に入力される電圧値を減算して得られる値を、上記ヒータ電圧値とする。また、制御回路部12は、シャント抵抗R2に印加される電圧値(入力端子AD2に入力される電圧値)から、電流値を算出する。尚、シャント抵抗R2の抵抗値は、予め登録されている。この電流値と上記ヒータ電圧値から、ヒータ抵抗11bの抵抗値を算出する。
ここで、図2、図3に、実験により得られたセンサ特性を示す。
図2はセンサ抵抗11aの特性、図3はヒータ抵抗11bの特性を示す。
図2は、ヒータ駆動時のセンサ抵抗11aの抵抗値の経時変化を示す。ここでは、ヒータ駆動開始から100ms経過時までのセンサ抵抗11aの抵抗値(センサ抵抗値)の変化を示す。周囲環境が、清浄空気中、CO(50ppm)、H2(1000ppm)、CH4(1000ppm)のそれぞれについて、上記センサ抵抗値の変化を測定した結果を示す。
図示のように、清浄空気中と、周囲にメタンガス(CH4)がある環境では、センサ抵抗11aの抵抗値(センサ抵抗値)は、ヒータ駆動開始から100ms経過するまでの間、低下し続けている。最初は比較的急激に低下し、その後は緩やかに低下するが、低下し続けていることに変わりは無い。よって、開始から100ms経過時までの間のセンサ抵抗値のなかで、最後の(100ms経過時の)センサ抵抗値が最小となっている。
一方、周囲に雑ガス(特にCOやH2等の還元性ガス)がある環境では、図示のように、センサ抵抗11aの抵抗値は、ヒータ駆動開始から30〜40ms程度経過した時点で最小となる。すなわち、センサ抵抗11aの抵抗値は、ヒータ駆動開始から30〜40ms程度経過するまでの間は(比較的急激に)低下していき、その後は100ms経過時まで緩やかに増加していく。
この様なセンサ特性より、ヒータ駆動開始から例えば30ms経過時のセンサ抵抗値(Rt1と記す)と、100ms経過時のセンサ抵抗値(Rt2と記す)とに基づいて、現在、周囲に雑ガス(COまたはH2)がある環境下であるか否かを判定できる。すなわち、図2に示す特性によれば、例えば、これら2種類のセンサ抵抗値の比(Rt1/Rt2)が、清浄空気中やメタンガス(CH4)がある環境では‘1’以上となるはずであり、周囲に雑ガス(COやH2)がある環境では少なくとも‘1’未満(図示の例では0.5未満など)となるはずである。よって、例えば閾値を0.5等とし、上記「Rt1/Rt2」が閾値未満であったなら周囲に雑ガス(COまたはH2)がある環境下であると判定する。
尚、上記30ms経過時は一例であり、例えば30〜40msの範囲内の任意のタイミングであってよい。但し、30〜40msの範囲内に限定するものではなく、また、100ms経過時(センサ駆動終了時)に限定するものでもなく、上記2回のセンサ抵抗値測定タイミングは、図2等のセンサ特性に応じて雑ガス中であるか否かを判定できるものであれば、何でも良い。
また、上記閾値の決定に関しては、上記の実験をCOやH2のガス濃度を変えて更に行った結果も用いて、開発者等が適宜決定してもよい。すなわち、図2の例では、COのガス濃度を50ppmとしているが、これ以外のガス濃度(30ppmや70ppm等)でも同様の実験によりセンサ抵抗値の特性を測定して、これら実験結果に基づいて、開発者等が上記閾値を適宜決定してよい。H2に関しても同様である。また、これに伴って、COやH2のガス濃度が、どの程度以上であれば“雑ガス中である(還元性ガス中である)”と見做すのかについても、開発者等が適宜決定してよい。
そして、周囲に雑ガス(COまたはH2)がある環境下であると判定した場合には、雑ガス中累積時間Tpを更新する。例えば上記ガスセンサ駆動毎に上記雑ガス中か否かの判定を行う構成とした場合、仮にセンサ駆動周期を45秒とした場合には、Tp=Tp+45により、雑ガス中累積時間Tpを更新する。尚、雑ガス中累積時間Tpは、ガス警報器10を設置した時点から現在までの間に、当該ガス警報器10が雑ガス中にあったトータルの時間を意味する。
尚、上記判定処理は、周囲に雑ガスがあるか否かを判定するためのものであり、清浄空気中であるかメタンガス(CH4)中であるかを判定するものではない。メタンガスの有無に関しては、別途、既存の判定処理により判定することになる。
尚、上記雑ガス中か否かの判定処理は、ガスセンサ駆動毎に(ガス検知処理実行毎に)行う例に限らない。例えばセンサ駆動を10回行う毎に判定処理を1回行うようにしてもよい。この場合には、例えば、Tp=Tp+450により、雑ガス中累積時間Tpを更新することになる。
尚、ガスセンサ駆動毎に、上記100ms経過時のセンサ抵抗値Rt2を用いて、従来通りのガス検知処理も行っている。
尚、ガスセンサ駆動中は、スイッチSW1,SW2の両方ともON状態にしている。
図3(a)は、ヒータ駆動時のヒータ抵抗11bの抵抗値の経時変化を示す。ここでは、ヒータ駆動開始から100ms経過時までのヒータ抵抗11bの抵抗値(ヒータ抵抗値)の変化を示す。ここでは、相対湿度が50(%RH)、70(%RH)、80(%RH)、90(%RH)のそれぞれの環境下で、ヒータ抵抗値を測定した結果を示す。
図示のように、駆動開始直後や60ms〜100ms経過時に関しては、相対湿度によるヒータ抵抗値の違いは、殆ど見られない。しかし、駆動開始から15ms〜30ms程度経過した時点に関しては、高湿度(80%や90%)中のヒータ抵抗値は、低湿度(50%)中のヒータ抵抗値に比べて、歪み(ヒータ抵抗値の低下)が見られる。
この様なセンサ特性により、例えばセンサ駆動開始から20ms経過時のヒータ抵抗値(Rt3と記す)と、100ms経過時のヒータ抵抗値(Rt4と記す)を計測して、これら2種類のヒータ抵抗値の比(Rt3/Rt4)を求める。図3(a)に示す特性により、このヒータ抵抗比(Rt3/Rt4)は、高湿度(80%や90%等)中と低湿度(50%等)中とでは、明らかに異なることになる。
尚、上記20ms経過時は一例であり、例えば15〜30msの範囲内の任意のタイミングであってよい。但し、15〜30msの範囲内に限定するものではなく、また、100ms経過時(センサ駆動終了時)に限定するものでもなく、上記2回のヒータ抵抗値測定タイミングは、図3(a)等のセンサ特性に応じて高湿度であるか否かを判定できるものであれば、何でも良い。
ここで、図3(b)に、上記ヒータ抵抗比(Rt3/Rt4)と相対湿度(%RH)との関係を示す実験結果を示す。
図示の例では、相対湿度が低湿度(例えば70(%RH)以下など)であればヒータ抵抗比(Rt3/Rt4)はほぼ0.9以上となるが、高湿度(80%RH以上など)ではヒータ抵抗比(Rt3/Rt4)は低下している。高湿度(80%RH以上など)であってもヒータ抵抗比(Rt3/Rt4)が高い(0,9以上など)データも少なくないが、その逆に、ヒータ抵抗比(Rt3/Rt4)が0.88以下の場合には相対湿度は必ず80(%RH)以上であることが分かる。
これより、例えば、閾値を0.88とし、ヒータ抵抗比(Rt3/Rt4)が閾値未満である場合には、高湿度環境下にあるものと判定する。
但し、これは一例であり、この例に限らない。例えば実際には各ガス警報器10毎にバラツキがあるので、各ガス警報器10毎に基準値を取得させて、この基準値と予め設定される所定値(例えば0.03等)とを用いて、例えば「閾値=基準値−所定値」により閾値を算出して登録するようにしてもよい。上記基準値は、例えば設置時の初期設定作業の際に、作業員が湿度を測定して低湿度(例えば50%以下)であることを確認したうえで基準値の決定・登録処理を指示する。この指示に応じて、ガス警報器10は、上記ヒータ抵抗比を求める動作を行って、このヒータ抵抗比を上記基準値とする。つまり、各警報器10毎に、低湿度環境下で実測したヒータ抵抗値を、上記基準値とする。そして、この基準値を用いて上記のように閾値を算出・登録する。尚、図3(b)の例の場合、基準値は0,91程度となるものと考えられる。
また、上記説明では相対湿度80%や90%等を高湿度と見做しているが、この例に限るものではない。どの程度の相対湿度以上であれば高湿度と見做すのかは、開発者が適宜決めて、それに応じた閾値を決定すればよい。同様に、低湿度の定義も、開発者が適宜決めてよい。
そして、上記判定処理で高湿度環境下にあるものと判定した場合には、高湿度中累積時間Tqを更新する。これは、例えば上記雑ガス中累積時間Tpと同様に、例えば上記センサ駆動毎に上記高湿度中か否かの判定を行う構成とした場合、仮にセンサ駆動周期を45秒とした場合には、Tq=Tq+45により、高湿度中累積時間Tqを更新する。尚、高湿度中累積時間Tqは、ガス警報器10を設置した時点から現在までの間に、当該ガス警報器10が高湿度環境下にあったトータルの時間を意味する。尚、これより、TpとTqの初期値は例えば‘0’とする。
尚、上記高湿度中か否かの判定処理は、センサ駆動毎に(ガス検知処理実行毎に)行う例に限らない。例えばセンサ駆動10回行う毎に判定処理を1回行うようにしてもよい。この場合には、例えば、Tq=Tq+450により、高湿度中累積時間Tqを更新することになる。
そして、一例としては、例えば、上記現在の雑ガス中累積時間Tpと高湿度中累積時間Tqとの組み合わせに基づいて、“鈍化”判定を行う。これは、予め設定されている例えば図4に示す鈍化判定用データを用いて行う。但し、この例に限らず、例えば雑ガス中累積時間Tpに基づいて“鈍化”判定を行ってもよいし、高湿度中累積時間Tqに基づいて“鈍化”判定を行ってもよい。尚、当該“鈍化”判定処理は、上記雑ガス中累積時間Tpと高湿度中累積時間Tqの両方とも更新が行われなかった場合には実行されないものとする。
例えば実験などに基づいて、図4に示す鈍化判定用データが得られている。
鈍化判定用データは、基本的には、雑ガス中累積時間Tpの値と高湿度中累積時間Tqの値との組み合わせに応じて“鈍化”となるか否かを示すものである。横軸が高湿度中累積時間Tq(min)、縦軸が雑ガス中累積時間Tpである。そして、斜線で示す領域が、TpとTqとに応じて鈍化となることを示している。
ここで、図示の斜線で示す領域を参照すれば分かるように、雑ガス中累積時間Tpが仮に‘0’であったとしても鈍化となる場合が有り得る。つまり、高湿度中累積時間Tqが非常に大きい場合である。同様に、高湿度中累積時間Tqが仮に‘0’であったとしても鈍化となる場合が有り得る。つまり、雑ガス中累積時間Tpが非常に大きい場合である。従って、鈍化判定は、上記のように、一例としては、雑ガス中累積時間Tpと高湿度中累積時間Tqとの組み合わせを用いるが、この例に限らず、雑ガス中累積時間Tp単体、あるいは、高湿度中累積時間Tq単体に基づいて、鈍化判定を行うこともできる。
尚、名称は変わっているが、図示の還元性ガス履歴Tpが雑ガス中累積時間Tpに相当し、高湿履歴Tqが高湿度中累積時間Tqに相当するものである。
図示のように、基本的には、雑ガス中累積時間Tpと高湿度中累積時間Tqの両方が、ある程度以上の値とならない限り、鈍化は生じない可能性が高い。つまり、仮に雑ガス中累積時間Tpが400000(min)以下であるならば、高湿度中累積時間Tqが100000や150000(min)程度では、鈍化とはならない可能性が高い。その逆に、高湿度中累積時間Tqが仮に50000(min)以下であるならば、雑ガス中累積時間Tpが800000や1400000(min)程度では、鈍化とはならない可能性が高い。
但し、上記の通り、高湿度中累積時間Tqが非常に大きい場合(例えば350000(min以上)や、雑ガス中累積時間Tpが非常に大きい場合(例えば1800000(min以上)の場合には、鈍化と成り得る。
尚、図示の斜線で示す領域は、必ず鈍化となることを意味するものではない。本出願の発明者等が、実験結果等に基づいて、鈍化となる可能性が高いと見做したものを、図示の斜線で示す領域で表している。従って、鈍化と判定されたからといって、そのときに必ず鈍化となっているわけではない。しかしながら、鈍化となる可能性が高いのであるから、近いうちに鈍化となるかもしれない。よって、鈍化の警報報知を行って、センサ等を交換する等の対応を行わせたほうが、より安全であると考えられる。
“鈍化”判定処理は、例えば現在の雑ガス中累積時間Tpの値と高湿度中累積時間Tqの値との組み合わせに応じた図4のマッピングデータ上の座標が、上記斜線で示す領域中である場合には、“鈍化”と判定する。例えば、雑ガス中累積時間Tpが250000(min)程度で且つ高湿度中累積時間Tqが60000(min)程度であった場合には、“鈍化”と判定されることになる。
尚、鈍化判定用データは、例えば、雑ガス中累積時間Tpと高湿度中累積時間Tqとの組み合わせ全てについて、“鈍化”であるか“正常”であるかが登録されているものであってもよい。但し、この例に限らず、図4に示す例のように、TpとTqの値をマッピング上の座標に変換して、この座標が上記斜線で示す領域中にあるか否かによって鈍化判定を行うものであってもよい。この場合、各座標毎に“鈍化”であるか“正常”であるかが登録されているものであっても構わない。勿論、これらの例に限らず、他の方法であっても構わない。
但し、既に述べたように、“鈍化”判定処理は、必ずしも雑ガス中累積時間Tpと高湿度中累積時間Tqとの組み合わせに基づくものとは限らない。例えば図4に示す例では、高湿度中累積時間Tqが非常に大きい場合(例えば350000(min)以上)である場合には、雑ガス中累積時間Tpの値に関係なく(たとえ‘0’であっても)、鈍化と見做してよいことになる。つまり、高湿度中累積時間Tqのみで鈍化判定することも出来ることになる(Tq単独の鈍化判定と言える)。例えば、「高湿度中累積時間Tq≧350000(min)」である場合には“鈍化”と判定するようにしてもよい。同様に、図4に示す例では、雑ガス中累積時間Tpが非常に大きい場合(例えば1750000(min)以上)である場合には、高湿度中累積時間Tqの値に関係なく(たとえ‘0’であっても)、鈍化と見做してよいことになる。つまり、雑ガス中累積時間Tpのみで鈍化判定することも出来ることになる(Tp単独の鈍化判定と言える)。例えば、「雑ガス中累積時間Tp≧1750000(min)」である場合には“鈍化”と判定するようにしてもよい。
図5、図6は、上記“鈍化”判定に係わる処理のフローチャート図(1/2、2/2)である。これは、1つの処理を2つの図面に分けて示しているのであり、図5等と記す場合もあるものとする。
尚、図5等に示す処理例における各数値は、上述した説明で用いた具体例を用いたものであり、一例に過ぎず、この例に限るものではない。
図5等に示す処理例では、まず、センサ駆動開始からの経過時間が20ミリ秒(ms)となったら(ステップS11、YES)、そのときのヒータ抵抗値である上記ヒータ抵抗値Rt3を測定する(ステップS12)。これは、20ミリ秒経過時点の入力端子AD1、AD2への入力電圧に基づいて、ヒータ抵抗値Rt3を算出することになる。
続いて、センサ駆動開始からの経過時間が30ミリ秒となったら(ステップS13、YES)、そのときのセンサ抵抗値である上記センサ抵抗値Rt1を測定する(ステップS14)。これは、例えば、30ミリ秒経過時点の電圧V1をセンサ抵抗値に換算するものである。
その後、センサ駆動開始からの経過時間が100ミリ秒となったら(ステップS15、YES)、そのときのセンサ抵抗値である上記センサ抵抗値Rt2を測定すると共に、そのときのヒータ抵抗値である上記ヒータ抵抗値Rt4を測定する(ステップS16)。
そして、上記測定した各抵抗値Rt1、Rt2、Rt3、Rt4と、予め設定されている各閾値や上記鈍化判定用データ等に基づいて、下記の処理を行うことで“鈍化”となったか否かを判定する。
すなわち、まず、センサ抵抗値比(Rt1/Rt2)が所定の第1閾値未満であるか否かを判定する(ステップS17)。第1閾値は、例えば上記‘0.5’等であるが、この例に限らない。
センサ抵抗値比(Rt1/Rt2)が所定の第1閾値未満である場合には(ステップS17,YES)、雑ガス(還元性ガス)中であると判定して、雑ガス中累積時間Tpを更新する(ステップS18)。更新方法については、既に一例を述べてある。
続いて、ヒータ抵抗値比(Rt3/Rt4)が所定の第2閾値未満である場合には(ステップS19,YES)、高湿度であると判定して、高湿度中累積時間Tqを更新する(ステップS20)。更新方法については、既に一例を述べてある。尚、第2閾値は、例えば上記‘0.88’等であるが、この例に限らない。
そして、上記ステップS17、S19の判定が両方ともNOの場合には(ステップS21,YES)、Tp、Tqのどちらも更新されていないので、鈍化の判定を行う必要はなく、そのまま処理を終了する。
一方、上記ステップS17、S19の少なくとも一方は判定がYESの場合には(ステップS21,NO)、Tp、Tqの少なくとも一方は更新されていることになるので、現在のTp、Tqの値に基づいて、鈍化判定を行う(ステップS22)。
鈍化判定方法は、既に述べたように様々な方法があってよく、例えば一例としては、図4に示す例の鈍化判定用データを用いて、現在のTpの値とTqの値との組み合わせに応じて、鈍化であるか否かを判定する。
但し、この例に限らず、例えば上述したように、現在のTpの値に基づいて鈍化判定してもよいし、現在のTqの値に基づいて鈍化判定してもよい。これは、例えば、現在のTpの値が予め設定された所定値(第1所定値とする)以上である場合には、鈍化と判定する。同様に、例えば、現在のTqの値が予め設定された所定値(第2所定値とする)以上である場合には、鈍化と判定する。尚、仮に図4に示す例を用いる場合には一例としては例えば、上記第1所定値の一例が上記1750000(min)であり、上記第2所定値の一例が上記350000(min)であると考えても良いが、勿論、これらの例に限らない。
また、ステップS22の鈍化判定は、上記各種鈍化判定処理(TpとTqとの組み合わせによる鈍化判定、またはTp単独の鈍化判定、あるいはTq単独の鈍化判定)の何れか1つを実行するものであってもよいし、何れか2つ以上を実行するものであってもよい。何れか2つ以上を実行する方法は、例えば、まず最初にTp単独または/及びTq単独の鈍化判定を行い、鈍化ではないと判定された場合には、更に、TpとTqとの組み合わせによる鈍化判定を行う方法であってよいが、この例に限らない。
そして、“鈍化”したと判定された場合には(ステップS23,YES)、例えば、その旨を警報部13によりランプ表示や音声等によって報知する(ステップS24)。
これによって、ガス警報器10の修理や交換が行われることで、警報レベルのガス漏れがあってもこれを検知できないという事態が生じることを回避できる。
尚、上記ステップS17やS19の判定処理は、一例であり、例えばこれらの処理と実質的に同じと見做せる処理であっても構わない。例えば、上記センサ抵抗値比を“Rt2/Rt1”とするならば、上記第1閾値は例えば‘2’等となることになり、センサ抵抗値比が第1閾値以上である場合に、雑ガス(還元性ガス)中であると判定することになる。これは、上記高湿度であるか否かの判定処理に関しても同様であり、上記ヒータ抵抗値比を“Rt3/Rt4”とするならば、上記第2閾値もこれに応じた値を設定することになり、判定処理もヒータ抵抗値比が第2閾値以上である場合に高湿度と見做すことになる。このように、上記判定処理を閾値以上とするか閾値未満とするかは本質的なことではない。また、同様に、例えば、“閾値以上の場合”と“閾値を越えた場合”とは同義であると見做してよいし、“閾値未満の場合”と“閾値以下の場合”とは同義であると見做してよい。
同様に、上記説明では、センサ抵抗値やヒータ抵抗値を用いていたが、この例に限らず、これらと実質的に同じと見做せるデータを用いるものであっても構わない。例えば、センサ抵抗値の代わりに、センサ出力(電圧V1)をそのまま用いるようにしてもよい。勿論、その場合には、閾値は電圧V1に応じた値となる。勿論、この例に限らず、センサ抵抗値の代わりに、電圧V1から求めたガス濃度を用いるようにしてもよい。また、これより、“センサ抵抗値”は、センサ抵抗値に限るものではなく、上記センサ抵抗値と実質的に同じと見做せるものも含まれるものと見做してよい。
ヒータ抵抗値に関しても同様にして、実質的にヒータ抵抗値と同じと見做せるデータを用いるものであっても構わない。そして、“ヒータ抵抗値”は、ヒータ抵抗値に限るものではなく、上記ヒータ抵抗値と実質的に同じと見做せるものも含まれるものと見做してよい。
鈍化判定処理は、上述した図5、図6に係る一実施例に限らない。以下、他の実施例(変形例1、変形例2)について説明する。
図7(a)は変形例1の処理フローチャート図である。
図7(b)は変形例2の処理フローチャート図である。
尚、変形例1、変形例2は、何れも、まず図5の処理を行うという点では、上述した一実施例と同様である。つまり、変形例1は、まず、図5の処理を行い、引き続き図7(a)の処理を行うものである。変形例2は、まず、図5の処理を行い、引き続き図7(b)の処理を行うものである。尚、図5の処理については既に述べているので、ここでは説明は省略するものとする。
ここで、上記図6等に係る一実施例では、上述したように、Tpまたは/及びTqに基づいて、鈍化判定を行うものであった。つまり、高湿度中であった累積時間Tqと、雑ガス中であった累積時間Tpとを、それぞれ個別にカウントして、これらTp、Tqの組み合わせ、あるいは何れか一方を用いて、鈍化判定を行うものであった。
これに対して、変形例1は、「高湿度中且つ雑ガス中であった累積時間Tr」をカウントして、このTrに基づいて鈍化判定を行うものである。例えば、上記Trが所定時間(第3所定値と言う)以上である場合には“鈍化”と判定する。尚、この方法では、例えば「高湿度中であるが雑ガス中ではない」場合や、その逆に「雑ガス中であるが高湿度中ではない」場合には、上記Trは更新されないことになる。
尚、上記図6等に係る一実施例の場合は、例えば「高湿度中であるが雑ガス中ではない」場合には、高湿度中累積時間Tqは更新されるが、雑ガス中累積時間Tpは更新されないことになる。「雑ガス中であるが高湿度中ではない」場合には、Tpは更新されるが、Tqは更新されないことになる。
また、変形例2は、上記変形例1と上記図6等に係る一実施例とを組み合わせたものである。
以下、まず、図7(a)に示す変形例1の処理例について説明する。
上記の通り、図7(a)の処理の前に、図5の処理を実行して上述したセンサ抵抗値Rt1、Rt2と、ヒータ抵抗値Rt3、Rt4とを測定している。そして、図7(a)の処理では、まず、これら測定した各抵抗値Rt1、Rt2、Rt3、Rt4と、予め設定されている各閾値とを用いて、図示のステップS31.S32の判定処理を行う。尚、これらステップS31、S32の判定処理自体は、上記図6のステップS17、S19の判定処理と同じであってよく、以下、簡単に説明する。
すなわち、まず、センサ抵抗値比(Rt1/Rt2)が所定の第1閾値未満であるか否かを判定する(ステップS31)。つまり、雑ガス(還元性ガス)中であるか否かを判定する。第1閾値については上記ステップS17等で説明している。センサ抵抗値比(Rt1/Rt2)が第1閾値未満である場合には(ステップS31,YES)、つまり雑ガス(還元性ガス)中であると見做せる場合には、更に、ヒータ抵抗値比(Rt3/Rt4)が所定の第2閾値未満であるか否かを判定する(ステップS32)。
ヒータ抵抗値比(Rt3/Rt4)が第2閾値未満である場合には(ステップS32,YES)、つまり高湿度環境であると見做せる場合には、ステップS33、S34の処理を実行する。すなわち、「雑ガス(還元性ガス)中であり、且つ、高湿度環境中である」と見做せる場合のみ、上記「高湿度中且つ雑ガス中であった累積時間Tr」を更新して(ステップS33)、当該更新後のTrの値を用いて鈍化判定を行う(ステップS34)。
ステップS34の鈍化判定方法は、例えば予め設定される所定時間(上記第3所定値)を用いて、例えば更新後のTrの値が第3所定値以上である場合には(ステップS34,YES)、鈍化であると見做して、所定の警報報知等を行う(ステップS35)。
尚、上記ステップS33におけるTrの更新方法は、上記TpやTqの更新方法と略同様であってよく、例えば、仮にセンサ駆動周期を45秒とした場合には、Tr=Tr+45により、「高湿度中且つ雑ガス中であった累積時間Tr」を更新するが、この例に限らない。例えば、センサ駆動を10回行う毎に鈍化判定処理を1回行う場合には、Tr=Tr+450により更新する。
次に、以下、図7(b)に示す変形例2の処理例について説明する。
上記の通り、図7(b)の処理の前に、図5の処理を実行して上述したセンサ抵抗値Rt1、Rt2と、ヒータ抵抗値Rt3、Rt4とを測定している。そして、図7(b)の処理では、これら測定した各抵抗値Rt1、Rt2、Rt3、Rt4と、予め設定されている各閾値とを用いて、基本的には、図示のステップS41、S42、S43、S44、S45、S46,S47,S51の処理を実行する。
ここで、これらステップS41、S42、S43、S44、S45、S46,S47,S51の処理は、上記図6のステップS17、S18、S19,S20,S21,S22,S23、S24の処理と同じであってよく、これらの説明は省略する。
但し、図6の処理ではステップS23の判定がNOであった場合(TpやTqに基づく判定では鈍化ではないと判定された場合)、そのまま処理を終了した。これに対して、変形例2では、ステップS23と略同様の処理であるステップS47の判定がNOであった場合、ステップS48,S49,S50の処理を実行する。
ここで、ステップS48,S49,S50の処理は、実質的に、上記図7(a)のステップS31〜S34の処理と略同様と見做してよい。すなわち、ステップS49は上記ステップS33と同じであってよく、ステップS50は上記ステップS34と同じであってよい。また、ステップS48は、実質的に、上記ステップS31及びステップS32と見做してよい。すなわち、ステップS48は、上記ステップS41とステップS43の両方とも判定YESであった場合に、判定YESと成って上記ステップS49、S50を実行させるものであり、これは実質的に、上記図7(a)におけるステップS31及びS32の処理に相当する。
この様に、ステップS48,S49,S50の処理は、「雑ガス(還元性ガス)中であり、且つ、高湿度環境中である」と見做せる場合(ステップS48,YES)、上記「高湿度中且つ雑ガス中であった累積時間Tr」を更新して(ステップS49)、当該更新後のTrの値を用いて鈍化判定を行うものである(ステップS50)。そして、ステップS50で鈍化であると判定された場合には(ステップS50,YES)、上記ステップS35と同様の警報報知処理を行う(ステップS51)。ステップS48またはS50の判定がNOの場合には、そのまま本処理を終了する。
上述したように、本手法では、基本的に、高湿度中であるか否かの判定や、雑ガス(還元性ガス)中であるか否かの判定に基づいて、鈍化判定を行う。これは、例えば、ガス警報器10が、高湿度中にあった累積時間(高湿履歴)Tqと、雑ガス中にあった累積時間(還元性ガス履歴)Tpとの組み合わせに応じて、鈍化判定を行う。これは、例えば、これらTp、Tqの組み合わせと図4の例のような鈍化判定用データを用いて、鈍化判定を行う。あるいは、Tp単独で鈍化判定を行ってもよいし、Tq単独で鈍化判定を行ってもよい。あるいは、「高湿度中且つ雑ガス中」であった累積時間Trに基づいて、鈍化判定を行ってもよい。
図8は、本例のガス警報器10の制御回路部12に相当する制御部40の機能ブロック図である。
制御部40は、ガス警報器10全体の動作を制御するマイコン(CPU等)であり、不図示の内蔵メモリに予め記憶されているプログラムを実行することにより、上記図5、図6の処理や、図8に示す各種機能部の処理機能を実現できる。
本例のガス警報器10は、センサ素子31aと該センサ素子31aを加熱する為のヒータ抵抗31bとを有するガスセンサ31と、制御部40を有する。制御部40は、ヒータ抵抗31bを加熱制御してセンサ素子31aの抵抗値を測定する機能などを有する。従来より、このセンサ抵抗値(それに応じた上記電圧値V1)等に基づいてメタンガス等のガス濃度を測定し、以ってガス漏れ警報を行うか否かを判定していたが、更に図示の各機能を有する。尚、ガスセンサ31とそのセンサ素子31aとヒータ抵抗31bは、上記図1のガスセンサ11とそのセンサ抵抗11aとヒータ抵抗11bに相当するものと見做してよい。
図示の例の制御部40は、センサ抵抗値取得部41、ヒータ抵抗値取得部42、還元性ガス環境判定部43、高湿度環境判定部44、鈍化判定部45、鈍化判定用データ記憶部46等を有する。
センサ抵抗値取得部41は、ガスセンサ31の駆動開始から所定の第一時間経過した時点の上記センサ素子31aの抵抗値と、前記第一時間より長い第二時間経過した時点の前記センサ素子31aの抵抗値とを測定して、これらをセンサ抵抗値A、センサ抵抗値Bとする。尚、例えばセンサ抵抗値Aは上記Rt1に相当し、センサ抵抗値Bは上記Rt2に相当すると見做しても構わない。
尚、既に述べたように、“センサ抵抗値”は、センサ抵抗値に限るものではなく、実質的にセンサ抵抗値と同等のものであれば何でも良い。また、上記第二時間経過した時点は、例えばセンサ駆動終了時点であり、上記の一例では駆動開始から100ms経過時点であるが、この例に限らない。また、上記第一時間経過した時点は、例えばセンサ駆動中の任意の時点であり、上記一例では駆動開始から30ms経過時点であるが、この例に限らない。但し、第一時間、第二時間は、例えば図2に示すようなセンサ特性に応じて、還元性ガス中である場合とそれ以外の場合とで、センサ抵抗値比等に明確な違いが生じるような時点とすることが望ましい。
ヒータ抵抗値取得部42は、センサ駆動開始から所定の第三時間経過した時点のヒータ抵抗31bの抵抗値と、この第三時間より長い第四時間経過した時点のヒータ抵抗31bの抵抗値とを測定して、これらをヒータ抵抗値C、ヒータ抵抗値Dとする。尚、例えばヒータ抵抗値Cは上記Rt3に相当し、ヒータ抵抗値Dは上記Rt4に相当すると見做しても構わない。
尚、既に述べたように、“ヒータ抵抗値”は、ヒータ抵抗値に限るものではなく、実質的にヒータ抵抗値と同等のものであれば何でも良い。また、上記第四時間経過した時点は、例えばセンサ駆動終了時点であり、上記の一例では駆動開始から100ms経過時点であるが、この例に限らない。また、上記第三時間経過した時点は、例えばセンサ駆動中の任意の時点であり、上記一例では駆動開始から20ms経過時点であるが、この例に限らない。但し、第三時間は、例えば図3に示すようなセンサ特性に応じて、高湿度環境下である場合と低湿度環境下である場合とで、ヒータ抵抗値に明確な違いが生じるような時点とすることが望ましい。
還元性ガス環境判定部43は、上記センサ抵抗値Aとセンサ抵抗値Bに基づいて還元性ガス中であるか否かを判定する。
高湿度環境判定部44は、上記ヒータ抵抗値Cとヒータ抵抗値Dに基づいて高湿度環境であるか否かを判定する。
鈍化判定部45は、基本的に、上記還元性ガス環境判定部43による判定結果、または/及び、上記高湿度環境判定部44による判定結果に基づいて、センサ素子31aの感度低下状態である“鈍化”となったか否かを判定する。すなわち、還元性ガス中であるか否かの判定結果や、高湿度環境であるか否かの判定結果に基づいて、鈍化の判定を行う。
上記基本に基づく鈍化判定方法は、様々であるが、例えば、現在までに還元性ガス中であったトータル時間である還元性ガス中累積時間、または/及び、現在までに高湿度環境下であったトータル時間である高湿度環境累積時間に基づいて、鈍化判定を行う。
すなわち、例えば、還元性ガス中累積時間と高湿度環境累積時間との組み合わせに基づいて、鈍化判定を行う。これは例えば、これら2種類の累積時間と、上記鈍化判定用データに基づいて、鈍化判定する。この方法では、鈍化判定用データ記憶部46も用いる。すなわち、鈍化判定用データ記憶部46は、予め上記還元性ガス中累積時間と高湿度環境累積時間の各組み合わせ毎に、鈍化であるか正常であるかが登録された鈍化判定用データ(例えば図4に一例を示してある)を記憶する。上記鈍化判定部45は、現在の還元性ガス中累積時間と高湿度環境累積時間との組み合わせに基づいて、上記鈍化判定用データを用いて、鈍化であるか否かの判定を行う。
但し、このような2種類の累積時間の組み合わせに基づく判定方法に限るものではなく、各累積時間単独で鈍化判定を行ってもよい。これは、例えば、上記鈍化判定用データに基づいて予め設定される所定の閾値(所定値)等を用いて、鈍化判定する。すなわち、例えば、現在の還元性ガス中累積時間が、上記第1所定値以上である場合には、鈍化と判定する。同様に、現在の高湿度環境累積時間が、上記第2所定値以上である場合には、鈍化と判定する。
また、上記のように、還元性ガス中と高湿度環境中とを個別に扱う例に限らず、例えば、現在までに「還元性ガス中、且つ、高湿度中」の状況下であったトータル時間である上記累積時間Trに基づいて、鈍化判定を行うものであってもよい。
すなわち、例えば、不図示の鈍化環境累積時間更新部を、更に有するものであってもよい。この鈍化環境累積時間更新部は、例えば、上記還元性ガス環境判定部43によって還元性ガス中であると判定され且つ上記高湿度環境判定部44によって高湿度環境であると判定された場合に、現在までに「還元性ガス中且つ高湿度中」の状況にあったトータル時間を示す鈍化環境累積時間を更新するものである。そして、この場合の上記鈍化判定部45は、現在の上記鈍化環境累積時間に基づいて、上記鈍化判定を行うものである。
上記のように、鈍化判定方法は、様々な方法があってよいが、上述したように基本的に、還元性ガス中であるか否かの判定結果や、高湿度環境であるか否かの判定結果に基づいて、鈍化の判定を行うものである。
尚、上記「または/及び」における“/”は、“または”や“あるいは”を意味している。従って、例えば上述した「上記還元性ガス環境判定部43による判定結果、または/及び、上記高湿度環境判定部44による判定結果に基づいて」とは、「“上記還元性ガス環境判定部43による判定結果、または、上記高湿度環境判定部44による判定結果に基づいて”、あるいは“上記還元性ガス環境判定部43による判定結果、及び、上記高湿度環境判定部44による判定結果に基づいて”」を意味することになる。
上記還元性ガス環境判定部43は、例えば、上記センサ抵抗値Aとセンサ抵抗値Bとの比を、予め設定される所定の第一閾値と比較することで、還元性ガス環境下であるか否かを判定する。例えば一例としては、“センサ抵抗値A/センサ抵抗値B”が第一閾値未満である場合には、還元性ガス環境下であると判定するが、上記の通り、この例に限らない。
また、上記高湿度環境判定部44は、ヒータ抵抗値Cとヒータ抵抗値Dとの比を、予め設定される所定の第二閾値と比較することで、高湿度環境下であるか否かを判定する。例えば一例としては“ヒータ抵抗値C/ヒータ抵抗値D”が第二閾値未満である場合には、高湿度環境下であると判定するが、上記の通り、この例に限らない。
本例のガス警報器10によれば、センサ素子と該センサ素子を加熱する為のヒータとを有するガスセンサを有するガス警報器に関して、センサ素子の感度低下状態である鈍化を検出することができる。
図9(a)はセンサ特性の概略イメージ、図9(b)はセンサ特性に応じた閾値の一例の概略を示す図である。
図9(a)には、還元性ガス濃度が比較的高い場合と比較的低い場合、湿度が比較的高い場合と低い場合とで、4種類の組み合わせに関して、それぞれ、例えば駆動開始から100ms程度経過するまでの間のセンサ抵抗値、ヒータ抵抗値の波形を示す。すなわち、還元性ガス濃度が“高”で湿度が“低”の場合と、還元性ガス濃度が“高”で湿度が“高”の場合と、還元性ガス濃度が“低”で湿度が“低”の場合と、還元性ガス濃度が“低”で湿度が“高”の場合の4つの場合について、それぞれ、例えば駆動開始から100ms程度経過するまでの間のセンサ抵抗値、ヒータ抵抗値の波形を示す。
尚、図9(a)において、正常時とは異なる波形である場合には、正常時の波形を点線で併記するものとする。
図9(a)に示す概略例では、還元性ガス濃度が比較的高い場合には、湿度の高低はあまり関係なく、センサ抵抗値の波形が歪む(正常時よりも低下する部分がある)。一方、
湿度が比較的高い場合には、還元性ガス濃度の高低はあまり関係なく、ヒータ抵抗値の波形が歪む(正常時よりも低下する部分がある)。
尚、図9(b)については特に説明しないが、判定の為のデータサンプリングタイミングは、上述した例に限らず、例えば駆動終了タイミング(100ms経過時など)と、駆動開始から10ms〜90msの範囲内の任意のタイミングであってよい。尚、図9(b)に示す例えばR10msは、駆動開始から10ms経過時点の抵抗値を意味する。他の同様の記述も、これと同様の意味である。
また、2回目のデータサンプリングタイミングは、上記駆動終了タイミング(100ms経過時など)に限るものではない。センサ駆動中において、任意の第1のタイミングと、この第1のタイミングより後の第2のタイミングとの2回、データサンプリングを行って、このサンプリングデータに基づいて例えば上記ステップS17〜S20の判定を行うものであってよい。尚、データサンプリングとは、例えば上記入力端子AD1,AD2,AD3に入力される電圧値を取得し、以ってセンサ抵抗値やヒータ抵抗値を得るものである。
また、データサンプリング回数は、2回に限らず、3回以上であっても構わない。
3つ以上のデータを用いる場合、上記ステップS17〜S20の判定の代わりに、3つ以上のデータに基づく判定(還元性ガスありや高湿度の判定など)を行うことになるが、これについての具体例は特に示さないものとする。
10 ガス警報器
11 ガスセンサ
11a センサ抵抗
11b ヒータ抵抗
12 制御回路部
13 警報部
13a 警報音出力部
13b 警報表示部
13c 外部警報出力部
15 電池部
16 昇圧回路部
17 定電圧回路部
R 負荷抵抗
R2 シャント抵抗
SW1 トランジスタスイッチ
SW2 トランジスタスイッチ
40 制御部
41 センサ抵抗値取得部
42 ヒータ抵抗値取得部
43 還元性ガス環境判定部
44 高湿度環境判定部
45 鈍化判定部
46 鈍化判定用データ記憶部

Claims (9)

  1. センサ素子と該センサ素子を加熱する為のヒータ抵抗とを有するガスセンサと、前記ヒータ抵抗を加熱制御して前記センサ素子の抵抗値を測定する制御部とを有するガス警報器であって、
    前記制御部は、
    前記ガスセンサの駆動開始から所定の第一時間経過した時点の前記センサ素子の抵抗値をセンサ抵抗値Aとして取得し、前記第一時間より長い第二時間経過した時点の前記センサ素子の抵抗値をセンサ抵抗値Bとして取得するセンサ抵抗値取得手段と、
    前記駆動開始から所定の第三時間経過した時点の前記ヒータ抵抗の抵抗値をヒータ抵抗値Cとして取得し、前記第三時間より長い第四時間経過した時点の前記ヒータ抵抗の抵抗値をヒータ抵抗値Dとして取得するヒータ抵抗値取得手段と、
    前記センサ抵抗値Aとセンサ抵抗値Bに基づいて還元性ガス中であるか否かを判定する還元性ガス環境判定手段と、
    前記ヒータ抵抗値Cとヒータ抵抗値Dに基づいて高湿度環境であるか否かを判定する高湿度環境判定手段と、
    前記還元性ガス環境判定手段による判定結果、または/及び、前記高湿度環境判定手段による判定結果に基づいて、前記センサ素子の感度低下状態である鈍化となったか否かを判定する鈍化判定手段と、
    を有することを特徴とするガス警報器。
  2. 前記鈍化判定手段は、現在までに前記還元性ガス中であったトータル時間である還元性ガス中累積時間と、現在までに前記高湿度環境であったトータル時間である高湿度環境累積時間との組み合わせに基づいて、前記鈍化判定を行うことを特徴とする請求項1記載のガス警報器。
  3. 予め前記還元性ガス中累積時間と前記高湿度環境累積時間の各組み合わせ毎に、鈍化であるか正常であるかが登録された鈍化判定用データを記憶する鈍化判定用データ記憶手段を更に有し、
    前記鈍化判定手段は、前記現在までの還元性ガス中累積時間と高湿度環境累積時間との組み合わせに基づいて、前記鈍化判定用データを用いて、前記鈍化判定を行うことを特徴とする請求項2記載のガス警報器。
  4. 前記鈍化判定手段は、現在までに前記還元性ガス中であったトータル時間である還元性ガス中累積時間に基づいて、前記鈍化判定を行うことを特徴とする請求項1記載のガス警報器。
  5. 前記鈍化判定手段は、現在までに前記高湿度環境であったトータル時間である高湿度環境累積時間とに基づいて、前記鈍化判定を行うことを特徴とする請求項1記載のガス警報器。
  6. 前記還元性ガス環境判定手段によって前記還元性ガス中であると判定され且つ前記高湿度環境判定手段によって前記高湿度環境であると判定された場合に、現在までに還元性ガス中且つ高湿度中の状況にあったトータル時間を示す鈍化環境累積時間を更新する鈍化環境累積時間更新手段を更に有し、
    前記鈍化判定手段は、現在の前記鈍化環境累積時間に基づいて、前記鈍化判定を行うことを特徴とする請求項1記載のガス警報器。
  7. 前記還元性ガス環境判定手段は、前記センサ抵抗値Aとセンサ抵抗値Bとの比を、予め設定される所定の第一閾値と比較することで、前記還元性ガス中であるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のガス警報器。
  8. 前記高湿度環境判定手段は、前記ヒータ抵抗値Cとヒータ抵抗値Dとの比を、予め設定される所定の第二閾値と比較することで、前記高湿度環境であるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のガス警報器。
  9. 前記第二時間経過した時点と前記第四時間経過した時点は何れも前記センサ駆動の終了時点であり、前記第一時間経過した時点と前記第三時間経過した時点は前記センサ駆動の途中の任意の各時点であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のガス警報器。
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