JP2015051805A - フルオロスルホニルイミドの包装体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フルオロスルホニルイミドが吸湿しない雰囲気とはどのような雰囲気なのかを見極め、そのような雰囲気下でフルオロスルホニルイミドを小分けして、小スケールの包装体を製造する方法を見出すとともに、静電気の発生を抑えて作業性を改善する。
【解決手段】
露点が−25℃以下の雰囲気下で、下記一般式(I)で表されるフルオロスルホニルイミドが貯蔵された貯蔵容器から、内容量が貯蔵容器よりも小さい包装容器へと、フルオロスルホニルイミドを小分けすることを特徴とするフルオロスルホニルイミドの包装体の製造方法である。

(式(I)中、Mは有機または無機カチオン、Xはフッ素または炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、フルオロスルホニルイミドを安定性良好に小分けした包装体を製造する方法に関する。
フルオロスルホニルイミドは、電解質、燃料電池の電解液への添加物、選択的求電子フッ素化剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、近赤外線吸収色素、帯電防止剤、反応触媒等として有用であることが知られている(例えば、特許文献1)。
フルオロスルホニルイミドは加水分解を受けてフッ酸を発生し易い。フッ酸は強酸であり、保存容器を侵すおそれがある。また、電池用途等では水の存在は悪影響をもたらすため、イオン性化合物中の水の存在量はできるだけ低減させなければならない。
本発明者が検討した結果、フルオロスルホニルイミド等のフッ素原子を有するイオン性化合物は、水分量を低減させた上で金属層を有する包装材料で包装すると、保存安定性良好に保存できることを見出し、既に出願した(特許文献2)。
国際公開第2009/123328号パンフレット 特開2013−91524号公報
ところで、本出願人がフルオロスルホニルイミドを製造販売するにあたり、取扱い上または設備上の理由によりフルオロスルホニルイミドの5kg入り目包装体や、2.5kg入り目包装体といった小スケールの包装体が要求されることがわかった。しかし、フルオロスルホニルイミドを実際にプラントで生産する場合は、例えば1バッチ当たり10kg以上のスケールで合成して、これを貯蔵容器に貯蔵しておくのが一般的であり、小スケールの包装体として販売するためには、小分けする必要が出てきた。
しかし、フルオロスルホニルイミドはフッ素原子の強い電子求引性に起因して分子の極性が高く、極めて吸湿し易い化合物であり、吸湿したフルオロスルホニルイミドを用いた電池はその性能が悪化するおそれがある。このため、従来は、給気露点−50℃以下のドライルーム内で小分けを行っていたが、このドライルームは高価格であり、商業生産時に使用することは困難であった。すなわち、より多くの小スケールの包装体を製造するにはドライルームを増設する必要があるが、高価なドライルームでは製品コスト上昇に繋がってしまう。また、給気露点−50℃以下のドライルーム内で小分け作業を行うと、室内の露点が低すぎるために静電気が発生し、フルオロスルホニルイミドが包装体等に付着して作業性が悪化する問題があった。
そこで本発明では、フルオロスルホニルイミドが吸湿しない雰囲気とはどのような雰囲気なのかを見極め、そのような雰囲気下でフルオロスルホニルイミドを小分けして、小スケールの包装体を製造する方法を見出すとともに、静電気の発生を抑えて作業性を改善することを課題として掲げた。
上記課題を解決した本発明は、露点が−25℃以下の雰囲気下で、下記一般式(I)で表されるフルオロスルホニルイミドが貯蔵された貯蔵容器から、内容量が貯蔵容器よりも小さい包装容器へと、フルオロスルホニルイミドを小分けすることを特徴とするフルオロスルホニルイミドの包装体の製造方法である。

(式(I)中、Mは有機または無機カチオン、Xはフッ素または炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表す。)
また、本発明には、上記製造方法により包装されたフルオロスルホニルイミドの包装体も含まれる。
本発明では、露点−25℃以下の雰囲気であればフルオロスルホニルイミドがほとんど吸湿しないことを見出したので、より安価なドライルームで小分けを行えるようになり、製品コストへの跳ね返りを抑制することができた。また、従来よりも高い露点雰囲気下で作業することにより、静電気の発生を抑えて作業性を改善することができた。
本発明の包装体の製造方法は、露点が−25℃以下の雰囲気下で、上記一般式(I)で表されるフルオロスルホニルイミドが貯蔵された貯蔵容器から、内容量が貯蔵容器よりも小さい包装容器へと、フルオロスルホニルイミドを小分けすることを特徴とする。
後述する実施例で確認したように、露点−19.9℃の雰囲気下では、フルオロスルホニルイミドの水分量が1時間で1865ppmとなり、通常許容される水分含量1000ppmを遙かに超えてしまう。しかし、露点が−24.9℃の雰囲気下では、フルオロスルホニルイミドの水分量は、曝露前とほとんど変化がなかった。よって、本発明では、露点−25℃以下の雰囲気下で、小分けをすることとした。なお、この露点はフルオロスルホニルイミドが曝露される近辺(小分け作業が行われているところ)の露点の実測値であることが好ましい。ただし、小分け作業が行われているところの露点は測定しにくい。しかし、本発明者は、作業者の手元近辺(小分け作業が行われているところ)の露点は、ドライルームからの排気露点とほとんど変わらないことを確認しており、排気露点が−25℃以下であれば、本発明の範囲内とする。また、シミュレーションによって小分け作業が行われているところの露点が計算できる場合、その計算値が−25℃以下であれば、本発明の範囲内とする。
上記の通り、本発明の包装体の製造方法においては、露点が−25℃以下の雰囲気下で小分けを行う。このような雰囲気を形成できれば、どのようなドライルームを選択しても構わない。各種ドライルームが各社から販売されている。必要な作業者の人数、あるいは自動小分け装置の使用の有無(作業者の作業時間が減少するため露点の上昇が小さくなる)、必要なドライルームの広さ等を勘案して、ドライルームの仕様を決定すればよい。同じ大きさのドライルームであれば、給気露点が−50℃以下のドライルームに比べて、価格は1/4程度に抑制することができる。
小分けをする前の貯蔵容器には、10〜100kg程度のフルオロスルホニルイミドが貯蔵されているが、小分けをする前には、貯蔵容器も露点−25℃以下の雰囲気下に置いておく。なお、前記特許文献2に記載のように、フルオロスルホニルイミドは、水分量1000ppm以下で貯蔵することが好ましい。
本発明では、内容量10kg以下、例えば、10kg、5kg、2.5kg、1kg、500g、250g、100g、50g、20g、10g、5g、1g等の包装容器にフルオロスルホニルイミドを小分けする。小分けに関しては、作業者が行ってもよいし、自動小分け装置を用いてもよい。
小分けされたフルオロスルホニルイミドを入れる包装容器としては、少なくとも1層の金属層を含む包装材料から形成されていることが好ましい。この金属層によって、外部からの水分の侵入を抑制する。金属層としては、アルミニウム層および/またはステンレス鋼層が好ましい。包装材料が可撓性を有する積層体の場合にはアルミニウム層を有する積層体が好ましく、アルミニウム層の両側を樹脂フィルムで保護した積層体から形成された密封可能な袋を包装容器として用いることが好ましい。包装材料が可撓性を有さない場合は、例えば、ステンレス鋼製のドラム缶等の容器を用いることができる。
可撓性を有する包装材料の場合、使用可能な樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン;ポリスチレン等が挙げられる。包装材料がアルミニウム層を含む積層体である場合、何層からなるものであってもよく、3層以上が好ましい。
積層体としての全厚は特に限定されないが50μm〜200μmが好ましく、そのうち、アルミニウム層は5μm〜20μm程度が好ましい。アルミニウム層が薄すぎると膜強度が低下しピンホールのおそれがあり、厚すぎると膜の可撓性が低下し扱い難くなる。上記の積層体の製造は、アルミニウム箔に、適宜接着剤を介して樹脂フィルムを貼付する方法、樹脂を押出しながらアルミニウム箔に積層する方法、樹脂フィルムにアルミニウムを蒸着し、さらに樹脂フィルムを積層する方法等が挙げられ、特に限定されない。また、これらの積層体を密封する方法としては、袋に予め形成しておいたチャックを利用し、さらにヒートシールや超音波溶着等の手段を用いることが好ましい。
なお、防湿の観点からは、袋を何重にもして用いることが好ましく、それらの間に乾燥不活性ガスや乾燥空気を充填、あるいは真空にしてもよい。また、フルオロスルホニルイミドが直接接する容器は袋に限らず、ガラス製や樹脂製の容器を用いてもよい。そのような場合には、フルオロスルホニルイミドの吸湿を避けるため、前記金属層を有する積層体からなる袋の中に、ガラス製や樹脂製の容器を入れる必要がある。樹脂製容器に使用できる樹脂としては、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)等が挙げられ、2種以上の樹脂の積層体であってもよい。
また、複数枚の袋によって保護された包装体をさらにドラム缶、段ボール箱、プラスチック製のケース等に入れて保存・移送することも、外部から袋が傷つけられてフルオロスルホニルイミドが吸湿してしまうのを抑制できるため好ましい実施態様である。このような実施態様も本発明の包装体に含まれる。
小分け作業時には、フルオロスルホニルイミドの吸湿を避けるため、作業員はマスクおよび手袋を着用する。手首等から発する水分による吸湿を避けるには、手袋として肩まで覆うタイプのものが好ましい。また、異物混入による電池性能の悪化を避けるため、作業場所にパーティションを設けたり、作業人数を制約したりすることで、クラス10万以下のクリーン度を保つことが必要である。
本発明の包装体は、上記方法によってフルオロスルホニルイミドが包装容器に入れられた状態のものを指す。本発明の包装体は、外部からの水分の侵入を防ぐため、フルオロスルホニルイミドの吸湿を抑制することができ、ほぼ小分け直前の状態のままフルオロスルホニルイミドを保存・移送することができる。
本発明の包装体は、フルオロスルホニルイミドの加水分解や熱分解を防ぐために、比較的低温で保存または移送することが望ましく、50℃以下で保存(移送)することが好ましく、より好ましくは40℃以下、さらに好ましくは30℃以下で保存(移送)することが好ましい。50℃を超えると加水分解や熱分解の進行が速まるため、猛暑時(特に車中)や熱帯地域での保存・移送は、50℃以下に冷却しながら行うことが好ましい。
[フルオロスルホニルイミド]
本発明の包装体の製造方法に用いられる化合物は、下記一般式(I)で表されるフルオロスルホニルイミドである。

(式(I)中、Mは有機または無機カチオン、Xはフッ素または炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表す。)
これらのフルオロスルホニルイミドは、電池の電解質として有用であるが、吸湿性が高く、本発明の製造方法を適用するのに適している。
Xはフッ素または炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。Xがフッ素であれば、上記式(I)はビス(フルオロスルホニル)イミド塩を示し、Xがフルオロアルキル基であれば、N−(フルオロスルホニル)−N−(フルオロアルキルスルホニル)イミド塩となる。また、「フルオロアルキル」とは、炭素数1〜6のアルキル基において、1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されたものを意味し、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が含まれる。これらの中でも、Xとしては、フッ素原子、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基が好ましい。
有機カチオンとしては、オニウムカチオンが好ましいものとして挙げられる。オニウムカチオンとしては、一般式(II);L+−Rs(式中、Lは、C、Si、N、P、SまたはOを表す。Rは、同一若しくは異なって、水素原子、フッ素原子、または、有機基であり、Rが有機基の場合、これらは互いに結合していてもよい。sは、2、3または4であり、元素Lの価数によって決まる値である。なお、L−R間の結合は、単結合であってもよく、また二重結合であってもよい。)で表されるものが好適である。
上記Rで示される「有機基」は、炭素原子を少なくとも1個有する基を意味する。上記「炭素原子を少なくとも1個有する基」は、炭素原子を少なくとも1個有してさえいればよく、また、ハロゲン原子やヘテロ原子等の他の原子や、置換基等を有していてもよい。具体的な置換基としては、例えば、アミノ基、イミノ基、アミド基、エーテル結合を有する基、チオエーテル結合を有する基、エステル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、シアノ基、ジスルフィド基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホニル基等が挙げられる。
一般式(II)で表されるオニウムカチオンとしては、具体的には下記一般式;
(式中、Rは、一般式(II)と同様)で表されるものが好適である。このようなオニウムカチオンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、好ましいものとしては、下記のようなオニウムカチオンが挙げられる。
(1)下記一般式;

で表される9種類の複素環オニウムカチオンの内の1種。
(2)下記一般式;

で表される5種類の不飽和オニウムカチオンの内の1種。
(3)下記一般式;

で表される10種類の飽和環オニウムカチオンの内の1種。
上記一般式中、R1〜R12は、同一若しくは異なって、水素原子、フッ素原子、または、有機基であり、有機基の場合、これらは互いに結合していてもよい。
(4)Rが、水素、C1〜C8のアルキル基、C6〜C12のアリール基、またはC7〜C13のアラルキル基である鎖状オニウムカチオン。中でも、一般式(II)において、LがNであるものが好ましい。
例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラヘプチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、メトキシエチルジエチルメチルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ジメチルジステアリルアンモニウム、ジアリルジメチルアンモニウム、2−メトキシエトキシメチルトリメチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロエチル)アンモニウム等の第4級アンモニウム類、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジブチルメチルアンモニウム等の第3級アンモニウム類、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジブチルアンモニウム等の第2級アンモニウム類、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ブチルアンモニウム、ヘキシルアンモニウム、オクチルアンモニウム等の第1級アンモニウム類、N−メトキシトリメチルアンモニウム、N−エトキシトリメチルアンモニウム、N−プロポキシトリメチルアンモニウムおよびNH4等のアンモニウム化合物等が挙げられる。これら例示の鎖状オニウムカチオンの中でも、アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムおよびジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムが好ましい鎖状オニウムカチオンとして挙げられる。
上記一般式(1)〜(4)のオニウムカチオンの中でも好ましいものは、下記一般式;
(式中、R1〜R12は、上記と同様である。)で表される5種類のオニウムカチオンおよび上記(4)の鎖状オニウムカチオンである。上記R1〜R12は、水素原子、フッ素原子、または、有機基であり、有機基としては、直鎖、分岐鎖または環状の炭素数1〜18の飽和または不飽和炭化水素基、炭化フッ素基等が好ましく、より好ましくは炭素数1〜8の飽和または不飽和炭化水素基、炭化フッ素基である。これらの有機基は、水素原子、フッ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子や、アミノ基、イミノ基、アミド基、エーテル基、エステル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルバモイル基、シアノ基、スルホン基、スルフィド基等の官能基を含んでいてもよい。より好ましくは、R1〜R12は、水素原子、フッ素原子、シアノ基およびスルホン基等のいずれか1種以上を有するものである。なお、2以上の有機基が結合している場合は、当該結合は、有機基の主骨格間に形成されたものでも、また、有機基の主骨格と上述の官能基との間、あるいは、上記官能基間に形成されたものであってもよい。
前記式(I)中のMが無機カチオンのときは、アルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンが好適である。アルカリ金属としては、Li、Na、Kが挙げられ、アルカリ土類金属としては、Ca、Mgが挙げられる。より一般的な化合物は、MがLiのリチウムフルオロスルホニルイミドである。
以下、実験例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実験例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実験例1
乾燥空気ライン(給気1)、加湿ライン(給気2)、排気ラインの3ラインを備えたグローブボックス内の3箇所(給気1、作業場所、排気)に露点計を設置し、露点の推移をオンタイムでモニタリングした。給気1と給気2のバランスを調整し、作業場所露点を所定の露点に調整した。作業場所露点が十分に安定したことを確認した後、予めアルミラミネート袋に封入してグローブボックス内の作業場所に入れておいた水分量16ppmのリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)の袋を開封し、作業場所に均等に薄く広げた。このように所定の露点下に暴露したLiFSIを所定時間で回収し、水分量をカールフィッシャー電量滴定装置(AQ−2000;平沼産業社製)で測定したところ、表1の結果となった。
実験例2
西部技研社製の設計露点−35℃のドライルームを前日から稼働させ、充分に乾燥させた。小分け作業を行う場所の作業前の露点は−79℃であった。作業者2人が入室すると、作業場所の露点が−44℃まで上昇した。なお、ドライルームには、予め、LiFSIを20kg貯蔵した貯蔵容器を入れておいた。前日から開封して乾燥させておいたラミジップ(登録商標;生産日本社製)AL−24(34cm×24cm×7cmのスタンドタイプ;12μmのポリエチレンテレフタレート/15μmの接着用ポリエチレン/7μmのアルミニウム箔/20μmの接着用ポリエチレン/60〜80μmのポリエチレンからなる5層構造の積層フィルムで構成された袋;チャック付き)に、樹脂製カップを用いてLiFSIを2.5kg電子天秤で秤量して入れた。チャックを閉じた後、ラミジップの上端を二度ヒートシールして密封し、小分け包装体を作製した。この包装体を、サイズの大きなラミジップAL−30L(42cm×30cm×6cm)に入れ、上端を二度ヒートシールして密封した。作業中に静電気によってLiFSIが包装袋に付着することはなかった。LiFSIの水分量を、カールフィッシャー電量滴定装置(AQ−2000;平沼産業社製)で測定したところ、作業の前後で変化はなかった。
本発明では、露点−25℃以下の雰囲気であればフルオロスルホニルイミドがほとんど吸湿しないことを見出したので、より安価なドライルームで小分けを行えるようになり、製品コストへの跳ね返りを抑制することができた。また、従来よりも高い露点雰囲気下で作業することにより、静電気の発生を抑えて作業性を改善することができた。よって、本発明で得られる包装体は、各種電気化学デバイスのイオン性化合物等の流通形態として有用である。

Claims (2)

  1. 露点が−25℃以下の雰囲気下で、下記一般式(I)で表されるフルオロスルホニルイミドが貯蔵された貯蔵容器から、内容量が貯蔵容器よりも小さい包装容器へと、フルオロスルホニルイミドを小分けすることを特徴とするフルオロスルホニルイミドの包装体の製造方法。

    (式(I)中、Mは有機または無機カチオン、Xはフッ素または炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表す。)
  2. 上記製造方法により包装されたことを特徴とするフルオロスルホニルイミドの包装体。
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