JP2013091524A - フッ素原子を含むイオン性化合物またはフッ素原子を含むイオン性化合物含有組成物を包装してなる包装体 - Google Patents

フッ素原子を含むイオン性化合物またはフッ素原子を含むイオン性化合物含有組成物を包装してなる包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】加水分解を起こさないような環境下でフッ素原子を含むイオン性化合物を保存または移送することのできる包装体を見出す。
【解決手段】フッ素原子を含むイオン性化合物、またはフッ素原子を含むイオン性化合物を含有する組成物を包装材料で包装してなる包装体であって、前記包装材料が少なくとも1層の金属層を含むことを特徴とするイオン性化合物の包装体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素原子を含むイオン性化合物を保存安定性良好に包装した包装体に関する。
フルオロスルホニルイミドの塩等のフッ素原子を含むイオン性化合物は、電解質、燃料電池の電解液への添加物、選択的求電子フッ素化剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、近赤外線吸収色素、帯電防止剤、反応触媒等として有用であることが知られている(例えば、特許文献1)。
フッ素原子を含むイオン性化合物は、加水分解を受けてフッ酸を発生し易い。フッ酸は強酸であり、保存容器を侵すおそれがある。また、電池用途等では水の存在は悪影響をもたらすため、イオン性化合物中の水の存在量はできるだけ低減させなければならない。
国際公開第2009/123328号パンフレット
上記の通り、フッ素原子を含むイオン性化合物は水の存在によってフッ酸を発生するおそれがあるが、これらのイオン性化合物の保存あるいは移送の際に、どのような形態で保存・移送すればよいか、従来の技術はこのような問題に対し解決手段を与えていない。そこで本発明では、加水分解を起こさないような環境下でフッ素原子を含むイオン性化合物を保存または移送することのできる包装体を見出すことを課題として掲げた。
本発明は、フッ素原子を含むイオン性化合物、またはフッ素原子を含むイオン性化合物を含有する組成物を包装材料で包装してなる包装体であって、前記包装材料が少なくとも1層の金属層を含むことを特徴とするイオン性化合物の包装体である。
金属層が、アルミニウム層および/またはステンレス鋼層であることが好ましい。
また、イオン性化合物または組成物中の水分量が1000ppm以下であることも好ましい。
イオン性化合物が下記一般式(I)で表されるフルオロスルホニルイミドか、または下記一般式(I)で表されるフルオロスルホニルイミドを含有する組成物であることは、本発明の好ましい実施態様である。
Figure 2013091524
(式(I)中、Mは有機または無機カチオン、Xは有機基を表す。)
上記一般式(I)中、Mがアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンであること、XがFであり、MがLiであることは、いずれも本発明の好ましい実施態様である。
上記包装体は、50℃以下で保存されていることが好ましい。
本発明には、少なくとも1層の金属層を含む包装材料によって包装されてなり、水分量が1000ppm以下であるフッ素原子を含むイオン性化合物、または水分量が1000ppm以下であるフッ素原子を含むイオン性化合物含有組成物も包含される。
本発明によれば、フッ素原子を含むイオン性化合物の加水分解を可及的に抑制し、安定性良好にこれらのイオン性化合物を保存できる。
本発明の包装体は、フッ素原子を含むイオン性化合物あるいはこのイオン性化合物を含有する組成物が少なくとも1層の金属層を含む包装材料に包装されてなるものである。すなわち、本発明の包装体は、市場に流通している製品を意味している。
[包装材料と包装体]
本発明のフッ素原子を含むイオン性化合物またはこのイオン性化合物を含有する組成物(イオン性化合物含有組成物)を包装するための包装材料は、少なくとも1層の金属層を含むものである。この金属層によって、外部からの湿分や水の侵入を抑制する。金属層としては、アルミニウム層および/またはステンレス鋼層が好ましい。包装材料が可撓性を有する積層体の場合にはアルミニウム層を有する積層体が好ましく、アルミニウム層の両側を樹脂フィルムで保護した積層体から形成された密封可能な袋であることが好ましい。この場合において、使用可能な樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン;ポリスチレン等が挙げられる。包装材料がアルミニウム層を含む積層体である場合、何層からなるものであってもよく、3層以上が好ましい。
積層体としての全厚は特に限定されないが50μm〜200μmが好ましく、そのうち、アルミニウム層は5μm〜20μm程度が好ましい。アルミニウム層が薄すぎると膜強度が低下しピンホールのおそれがあり、厚すぎると膜の可撓性が低下し扱い難くなる。上記の積層体の製造は、アルミニウム箔に、適宜接着剤を介して樹脂フィルムを貼付する方法、樹脂を押出しながらアルミニウム箔に積層する方法、樹脂フィルムにアルミニウムを蒸着し、さらに樹脂フィルムを積層する方法等が挙げられ、特に限定されない。また、これらの積層体を密封する方法としては、袋に予め形成しておいたチャックを利用し、さらにヒートシールや超音波溶着等の手段を用いる。
また、フッ素原子を含むイオン性化合物またはイオン性化合物含有組成物をより大きなスケールで移送する場合は、上記積層体からなる袋が内蔵された段ボール箱やプラスチック製のケースを包装材料とすることができる。さらに、100kg以上の大スケールで移送する場合には、ステンレス鋼からなるドラム缶のような包装材料を採用することができる。
なお、防湿の観点からは、袋を何重にもして用いることが好ましく、それらの間に乾燥不活性ガスや乾燥空気を充填、あるいは真空にすることが好ましい。金属層の内側または外側には樹脂製袋や樹脂製容器、ガラス製容器を用いても良い。樹脂製袋や樹脂製容器に使用できる樹脂としては、フッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)等が挙げられ、2種以上の樹脂の積層体であってもよい。特に、フッ素原子を含むイオン性化合物またはこのイオン性化合物を含有する組成物(イオン性化合物含有組成物)が液体状の場合は、金属層の内側に、樹脂製容器やガラス製の容器を用いることが好ましい。
また、複数枚の袋によって保護された包装体をさらにドラム缶、段ボール箱、プラスチック製のケース等に入れて保存・移送することも、外部から袋が傷つけられてイオン性化合物が吸湿してしまうのを抑制できるため好ましい実施態様である。このような実施態様も本発明の包装体に含まれる。
本発明の包装体は、上記包装材料によってフッ素原子を含むイオン性化合物またはイオン性化合物含有組成物が包装された状態のものを指す。本発明の包装体は、外部からの湿分や水の侵入を防ぐため、イオン性化合物の加水分解を抑制することができる。さらに、加水分解が抑制された結果、フッ酸の発生も抑制されるため、包装材料自体の劣化を防止することができ、イオン性化合物あるいはイオン性化合物含有組成物を、ほぼ包装直前の状態のまま保存・移送することができる。
本発明の包装体は、加水分解や熱分解を防ぐために、比較的低温で保存または移送することが望ましく、50℃以下で保存(移送)することが好ましく、より好ましくは40℃以下、さらに好ましくは30℃以下で保存(移送)することが好ましい。50℃を超えると加水分解や熱分解の進行が速まるため、猛暑時(特に車中)や熱帯地域での保存・移送は、50℃以下に冷却しながら行うことが好ましい。
[フッ素原子を含むイオン性化合物の包装方法]
フッ素原子を含むイオン性化合物が常温で粉体の場合は、包装作業は、樹脂製容器、袋またはドラム缶に粉体を装入し、これらの包装材料を密封する作業となる。吸湿性の高いイオン性化合物では、ドライルーム内で包装作業を行う。イオン性化合物中の水分含有量は1000ppm(質量基準;以下同じ)以下に調整した後、包装することが好ましい。より好ましくは800ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下、最も好ましくは100ppm以下である。初期水分が1000ppm以下であればF-やSO4 2-の発生が低減され、長期間の保存(移送)でもイオン性化合物の分解が抑制され、容器の腐食をも防止することができる。さらに初期水分が100ppm以下である場合、包装後に外部の湿分が包装体内部へ侵入することを抑制できれば、イオン性化合物の加水分解がほとんど起こらないことが本発明者等によって見出されている。従って、包装前のイオン性化合物が吸湿しないように、少なくとも、イオン性化合物の乾燥工程およびその後の包装工程は、閉鎖系(禁水系)で行うことが好ましい。もちろん合成工程や精製工程も、閉鎖系で行うことが望ましい。
具体的には、イオン性化合物を十分に乾燥して水分を1000ppm以下にした後、乾燥環境下のドライルームやグローブボックスで、得られたイオン性化合物を包装材料の中へ装入するとよい。装入後は、包装材料内部を乾燥空気や乾燥不活性ガスで満たしてから、または真空にしてシールすることが好ましい。また、本発明の包装材料の内部に、2重、3重の樹脂製袋を入れる場合は、上記のようにして最も内側の袋にイオン性化合物(またはイオン性化合物含有組成物)を封入し、この袋を次の袋の中に封入し、得られた2重の袋を、本発明の金属層を有する包装材料の中に乾燥空気や乾燥不活性ガスと共に封入する。2番目の袋にも乾燥空気や乾燥不活性ガスを封入してもよく、袋は4重以上にしても構わない。また、袋をドラム缶等に入れても構わない。乾燥環境下としては、露点を−50℃以下とすることが好ましい。より好ましくは、露点が−60℃以下である。なお、イオン性化合物(またはイオン性化合物含有組成物)を封入する際に、イオン性化合物(またはイオン性化合物含有組成物)の水分を1000ppm以下に維持できるのであれば、一時的に非乾燥環境での工程を有してもよい。
[フッ素原子を含むイオン性化合物を含有する組成物の包装方法]
フッ素原子を含むイオン性化合物含有組成物は、フッ素原子を有するイオン性化合物を含有していれば良く、他の組成を含有してもよい。内容物がフッ素原子を有するイオン性化合物を含有する組成物である場合には、組成物中のフッ素原子を有するイオン性化合物は3質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上、特に好ましくは10質量%以上である。他の組成は、溶媒、他のイオン性化合物、他の粉体等、特に限定されず用途に応じて適宜配合できる。フッ素原子を含むイオン性化合物が常温で粉体の場合は、溶媒に溶解させることで取扱いが容易になり、特に好ましい実施態様である。溶媒としては、非プロトン性溶媒を用いるのがより好ましい。具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒;ジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキソラン等のエーテル系溶媒;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のエステル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ系溶媒;スルホラン、3−メチルスルホラン、ジメチルスルホキシド等の硫黄系溶媒;N−メチルオキサゾリジノン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。また溶媒は乾燥溶媒や無水溶媒を用いることが好ましい。
組成物中の水分含有量を1000ppm以下に調整した後、包装することが好ましい。より好ましくは800ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下、最も好ましくは100ppm以下である。初期水分が1000ppm以下であればF-やSO4 2-の発生が低減され、長期間の保存(移送)でも組成物中のイオン性化合物の分解が抑制され、容器の腐食をも防止することができる。さらに初期水分が100ppm以下である場合、包装後に外部の湿分が包装体内部へ侵入することを抑制できれば、組成物中のイオン性化合物の加水分解がほとんど起こらない。従って、包装前のイオン性化合物含有組成物が吸湿しないように、少なくとも、イオン性化合物の乾燥工程、包装工程および他の組成との混合・溶解工程は、閉鎖系(禁水系)で行うことが好ましい。もちろん合成工程や精製工程も、閉鎖系で行うことが望ましい。
具体的には、イオン性化合物を十分に乾燥して水分を1000ppm以下にした後、乾燥環境下のドライルームやグローブボックスで、得られたイオン性化合物を他の成分と混合または溶解させて組成物としてから、包装材料の中へ装入するとよい。装入後は、包装材料内部を乾燥空気や乾燥不活性ガスで満たしてから、または真空にしてシールすることが好ましい。
[保存方法]
本発明の包装体は、加水分解や熱分解を防ぐために、比較的低温で保存または移送することが望ましく、50℃以下で保存(移送)することが好ましく、より好ましくは40℃以下、さらに好ましくは30℃以下で保存(移送)することが好ましい。50℃を超えると加水分解や熱分解の進行が速まるため、猛暑時(特に車中)や熱帯地域での保存・移送は、50℃以下に冷却しながら行うことが好ましい。保存温度を50℃以下に保つことにより、3カ月や6カ月など長期に亘り、F-やSO4 2-等の不織の要因となる分解生成物の発生を抑制することができる。特に、各種電気化学デバイスのイオン伝導性材料として用いる場合には、これらの分解生成物の含有量は4000ppm未満であることが好ましい。このためには、包装体の保存温度は50℃以下に保つことが好ましい。さらに好ましくは、分解生成物の含有量を1000ppm未満にすることであり、このためには30℃以下で保存する必要がある。
[フッ素原子を含むイオン性化合物]
本発明の包装体で、上記包装材料によって包装され、内容物となるのは、フッ素原子を有するイオン性化合物またはイオン性化合物含有組成物である。フッ素原子を有するイオン性化合物は空気中の湿分によって加水分解し、フッ酸を発生するため、保存や移送時の透湿を防ぐ必要がある。
フッ素原子を含むイオン性化合物としては、具体的には、LiCF3SO3、NaCF3SO3、KCF3SO3等のトリフルオロメタンスルホン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩;LiC(CF3SO23、LiN(CF3CF2SO22、LiN(CF3SO22、LiN(FSO22等のパーフルオロスルホン酸イミドのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩;LiPF6、NaPF6、KPF6等のヘキサルフルオロリン酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩;LiBF4、NaBF4等のテトラフルオロ硼酸塩;LiAsF6、LiSbF6、NaAsF6等のアルカリ金属塩;(C254NBF4、(C253(CH3)NBF4等のテトラフルオロ硼酸の第4級アンモニウム塩、(C254NPF6等の第4級アンモニウム塩;(CH34P・BF4、(C254P・BF4等の第4級ホスホニウム塩等が挙げられる。
フッ素原子を含むイオン性化合物としては、下記一般式(I)で表されるフルオロスルホニルイミド塩が本発明の包装対象として好適である。これらのフルオロスルホニルイミド塩は吸湿性が高い上、加水分解によってフッ酸に加えて硫酸も生成する可能性があり、確実に透湿を防止できる包装材料で包装する必要があるためである。なお、加水分解が起こったか否かは、フルオロスルホニルイミドの場合、フッ素イオンと硫酸イオンの定量(イオンクロマトグラフィー)で把握することができる。
Figure 2013091524
(式(I)中、Mは有機または無機カチオン、Xは有機基を表す。)
Xで表される有機基としては、ハロアルキル基、シアノ基、アルコキシ基、ニトロ基、水酸基、脂肪族基および芳香族基等が挙げられる。Xはフッ素または炭素数1〜6のフッ化アルキル基が好ましい。Xがフッ素であれば、上記式(I)はビス(フルオロスルホニル)イミド塩を示し、Xがフッ化アルキル基であれば、N−(フルオロスルホニル)−N−(フルオロアルキルスルホニル)イミド塩となる。また、「フルオロアルキル」とは、炭素数1〜6のアルキル基において、1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されたものを意味し、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が含まれる。
有機カチオンとしては、オニウムカチオンが好ましいものとして挙げられる。オニウムカチオンとしては、一般式(II);L+−Rs(式中、Lは、C、Si、N、P、SまたはOを表す。Rは、同一若しくは異なって、水素原子、フッ素原子、または、有機基であり、Rが有機基の場合、これらは互いに結合していてもよい。sは、2、3または4であり、元素Lの価数によって決まる値である。なお、L−R間の結合は、単結合であってもよく、また二重結合であってもよい。)で表されるものが好適である。
上記Rで示される「有機基」は、炭素原子を少なくとも1個有する基を意味する。上記「炭素原子を少なくとも1個有する基」は、炭素原子を少なくとも1個有してさえいればよく、また、ハロゲン原子やヘテロ原子等の他の原子や、置換基等を有していてもよい。具体的な置換基としては、例えば、アミノ基、イミノ基、アミド基、エーテル結合を有する基、チオエーテル結合を有する基、エステル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、カルバモイル基、シアノ基、ジスルフィド基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホニル基等が挙げられる。
一般式(II)で表されるオニウムカチオンとしては、具体的には下記一般式;
Figure 2013091524
(式中、Rは、一般式(II)と同様)で表されるものが好適である。このようなオニウムカチオンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、好ましいものとしては、下記のようなオニウムカチオンが挙げられる。
(1)下記一般式;
Figure 2013091524
で表される9種類の複素環オニウムカチオンの内の1種。
(2)下記一般式;
Figure 2013091524
で表される5種類の不飽和オニウムカチオンの内の1種。
(3)下記一般式;
Figure 2013091524
で表される10種類の飽和環オニウムカチオンの内の1種。
上記一般式中、R1〜R12は、同一若しくは異なって、水素原子、フッ素原子、または、有機基であり、有機基の場合、これらは互いに結合していてもよい。
(4)Rが、水素、C1〜C8のアルキル基、C6〜C12のアリール基、またはC7〜C13のアラルキル基である鎖状オニウムカチオン。中でも、一般式(II)において、LがNであるものが好ましい。
例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラヘプチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、メトキシエチルジエチルメチルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ジメチルジステアリルアンモニウム、ジアリルジメチルアンモニウム、2−メトキシエトキシメチルトリメチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロエチル)アンモニウム等の第4級アンモニウム類、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、ジブチルメチルアンモニウム等の第3級アンモニウム類、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジブチルアンモニウム等の第2級アンモニウム類、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ブチルアンモニウム、ヘキシルアンモニウム、オクチルアンモニウム等の第1級アンモニウム類、N−メトキシトリメチルアンモニウム、N−エトキシトリメチルアンモニウム、N−プロポキシトリメチルアンモニウムおよびNH4等のアンモニウム化合物等が挙げられる。これら例示の鎖状オニウムカチオンの中でも、アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムおよびジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムが好ましい鎖状オニウムカチオンとして挙げられる。
上記(1)〜(4)のオニウムカチオンの中でも好ましいものは、下記一般式;
Figure 2013091524
(式中、R1〜R12は、上記と同様である。)で表される5種類のオニウムカチオンおよび上記(4)の鎖状オニウムカチオンである。上記R1〜R12は、水素原子、フッ素原子、または、有機基であり、有機基としては、直鎖、分岐鎖または環状の炭素数1〜18の飽和または不飽和炭化水素基、炭化フッ素基等が好ましく、より好ましくは炭素数1〜8の飽和または不飽和炭化水素基、炭化フッ素基である。これらの有機基は、水素原子、フッ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子や、アミノ基、イミノ基、アミド基、エーテル基、エステル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルバモイル基、シアノ基、スルホン基、スルフィド基等の官能基を含んでいてもよい。より好ましくは、R1〜R12は、水素原子、フッ素原子、シアノ基およびスルホン基等のいずれか1種以上を有するものである。なお、2以上の有機基が結合している場合は、当該結合は、有機基の主骨格間に形成されたものでも、また、有機基の主骨格と上述の官能基との間、あるいは、上記官能基間に形成されたものであってもよい。
前記式(I)中のMが無機カチオンのときは、アルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンが好適である。アルカリ金属としては、Li、Na、Kが挙げられ、アルカリ土類金属としては、Ca、Mgが挙げられる。より一般的な化合物は、MがLiのリチウムフルオロスルホニルイミドである。
[フルオロスルホニルイミド塩の製造方法]
上記フルオロスルホニルイミド塩は、以下に説明する方法により製造することが推奨される。
反応溶媒の存在下で、クロロスルホニルイミドまたはその塩をフッ素化する工程(フッ素化工程)、前記フッ素化工程で生成したフルオロスルホニルイミドのカチオンを所望のカチオンと交換する工程(カチオン交換工程)を含む方法が好ましい。まず、フッ素化工程から説明する。
[フッ素化工程]
フッ素化工程では、クロロスルホニルイミドまたはその塩のフッ素化反応を行う。出発原料となるクロロスルホニルイミドは、市販のものを使用してもよく、また、公知の方法で合成したものを用いてもよい。
クロロスルホニルイミドを合成する方法としては、例えば、塩化シアンに無水硫酸を反応させた後、生成物(クロロスルホニルイソシアネート)とクロロスルホン酸とを反応させる方法、アミド硫酸と塩化チオニルとを反応させた後、さらにクロロスルホン酸を反応させる方法(以上、ビス(クロロスルホニル)イミドの合成方法);クロロスルホニルイソシアネートとフッ化アルキルスルホン酸またはフルオロスルホン酸とを反応させる方法(N−(クロロスルホニル)−N−(フルオロアルキルスルホニル)イミド、または、N−(クロロスルホニル)−N−(フルオロスルホニル)イミドの合成方法);等が挙げられる。
次いで、クロロスルホニルイミドのフッ素化反応を行う。なお、フッ素化反応のタイミングは特に限定されず、クロロスルホニルイミド(プロトン体)のフッ素化反応を行う態様;クロロスルホニルイミドのカチオン交換反応を行った後、クロロスルホニルイミド塩のフッ素化反応を行う態様;のいずれの態様であってもよい。
上記クロロスルホニルイミド(プロトン体)またはその塩(以下、クロロスルホニルイミド類と言う)をフッ素化する方法としては、フッ素化剤(AsF3、SbF3)を使用して、クロロスルホニルイミド類をハロゲン交換する方法、KFやCsF等の1価カチオンのイオン性フルオリドをフッ素化剤として用いて、ジ(クロロスルホニル)イミドをフッ素化する方法や、クロロスルホニルイミド類を、アルカリ金属のフッ化物や、第11族〜第15族、第4周期〜第6周期の元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むフッ化物(好ましくはCuF2、ZnF2、SnF2、PbF2およびBiF3等)と反応させる方法が挙げられる。第11族〜第15族、第4周期〜第6周期の元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むフッ化物(好ましくはCuF2、ZnF2、SnF2、PbF2およびBiF3等)を用いてジ(クロロスルホニルイミド)をフッ素化する方法が、反応収率の面では好ましい。また、KF、LiF、NaF等アルカリ金属のフッ化物をフッ素化剤としてジ(クロロスルホニルイミド)をフッ素化する方法では、フルオロスルホニルイミドのアルカリ金属塩を一段階で得ることができるため好ましい。
フッ素化工程では、反応溶媒として、非プロトン性溶媒を用いるのが好ましい。具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒;ジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、4−メチル−1,3−ジオキソラン等のエーテル系溶媒;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のエステル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ系溶媒;スルホラン、3−メチルスルホラン、ジメチルスルホキシド等の硫黄系溶媒;N−メチルオキサゾリジノン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。フッ素化反応を円滑に進行させる観点からは極性溶媒を使用することが推奨され、上記例示の溶媒の中でも、エステル系溶媒および/またはニトリル系溶媒が好ましく、特に、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルが好ましい。なお、精製時の作業性からは、沸点が低く、水と2層状態を形成し得る溶媒が好ましい。
フッ素化反応の終了は、例えば、19F−NMR等で確認することができる。すなわち、反応の進行によりフッ素に由来するケミカルシフトにピークが出現し、さらに、そのピークの相対強度(積分値)が増大する。したがって、19F−NMRにより反応の進行状態を追跡しながら、フッ素化反応の終了を確認すればよい。なお、反応時間が長すぎる場合には、副生物の生成が顕著となるので、目的物のピークの相対強度が最大となる時点(例えば、反応の開始から0.5時間〜24時間程度)でフッ素化反応を終了するのが好ましい。
[カチオン交換工程]
次に、カチオン交換工程について説明する。クロロスルホニルイミド類またはフルオロスルホニルイミドまたはその塩(以下、フルオロスルホニルイミド類と言う場合がある)を、前記式(I)のMを含む塩と反応させることで、カチオン交換することができる。例えば、フルオロスルホニルイミドのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、あるいはオニウム塩は、高温で溶融させたり、あるいは、適当な有機溶媒に溶解させることで、各種電気化学デバイスのイオン伝導体材料として使用することができる。
アルカリ金属を含む塩としては、LiOH,NaOH,KOH,RbOH,CsOH等の水酸化物、Li2CO3,Na2CO3,K2CO3,Rb2CO3,Cs2CO3等の炭酸塩、LiHCO3,NaHCO3,KHCO3,RbHCO3,CsHCO3等の炭酸水素塩、LiCl,NaCl,KCl,RbCl,CsCl等の塩化物、LiF,NaF,KF,RbF,CsF等のフッ化物、CH3OLi、EtOLi等のアルコキシド化合物、および、EtLi、BuLiおよびt−BuLi(尚、Etはエチル基、Buはブチル基を示す)等のアルキルリチウム化合物等のアルカリ金属塩が挙げられる。
アルカリ土類金属を含む塩としては、Mg、Ca、Sr、Baの水酸化物、フッ化物、炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩およびホウ酸塩が挙げられる。
また前記式(I)のMがオニウムカチオンの場合、フルオロスルホニルイミド類を、上記オニウムカチオンのハロゲン化物、水酸化物、炭酸化物および炭酸水素化物等を反応させることで、カチオン交換することができる。
カチオン交換工程で使用可能な溶媒としては、上記フッ素化工程で例示したものが挙げられる。
カチオン交換工程の実施時期は特に限定されるものではなく、状況に応じて任意の段階で実施することができる。例えば、フッ素化工程前に実施してもよく、また、フッ素化工程後に実施してもよいが、フッ素化工程の後に行うことが好ましい。
またカチオン交換工程の実施回数も限定されず、1回、または2回以上繰り返し実施してもよい。例えば、1回のカチオン交換工程により、クロロスルホニルイミド類またはフルオロスルホニルイミド類のカチオンをMで示される所望のカチオンに交換してもよい。
なお、フッ素化工程、カチオン交換工程のいずれにおいても、反応溶液に含まれるフルオロスルホニルイミド塩の濃度は、1質量%〜70質量%とするのが好ましい。濃度が高すぎる場合には、反応が不均一になるおそれがあり、一方、低すぎる場合には、1バッチあたりの生産性が低く経済的でないからである。より好ましくは3質量%〜60質量%であり、さらに好ましくは5質量%〜50質量%である。
[濃縮工程]
濃縮工程は、カチオン交換工程後の反応溶液から溶媒を除去して、生成したフルオロスルホニルイミド塩(以下、単にフルオロスルホニルイミドという)の溶液を濃縮する工程である。本発明では、(1)反応溶液中にガスをバブリングする方法(バブリング法)、および/または、(2)薄膜蒸留法により、濃縮工程を実施することが好ましい。
本発明において、濃縮工程とは、得られたフルオロスルホニルイミド溶液(反応溶液)から一部の溶媒を留去することに加えて、目的物であるフルオロスルホニルイミドが固体として得られるまで反応溶液から溶媒を留去することも含む。したがって、濃縮工程で得られる生成物は、フルオロスルホニルイミドの濃縮液、フルオロスルホニルイミドの固体(粉体)、または、フルオロスルホニルイミドの一部が固体状態で存在する濃縮液(スラリー状の溶液)である。
まず、(1)バブリング法を採用する濃縮工程について説明する。バブリング法では、反応溶液にガスを流通させることにより蒸発面積を増大させられるので、反応溶媒の蒸発が促進され、速やかに、反応溶液から反応溶媒を除去することができる。この場合、濃縮工程に使用できる反応装置は、反応溶液中にガスを導入する手段、反応溶媒を系外へ排出する手段を備えた装置であればよく、特に限定されない。例えば、槽型反応器、減圧可能な槽型反応器等が挙げられる。
反応溶液に流通(バブリング)させるガスとしては、ヘリウム、窒素、アルゴン等の不活性ガス、乾燥空気、およびこれらの混合ガス等が使用できる。製品品質および安全性の観点からは、窒素ガスが好ましい。反応溶液へのガスの流通量は、反応溶液中のフルオロスルホニル化合物の濃度に応じて適宜決定すればよいが、例えば、フルオロスルホニルイミドの溶液1gあたり0.001mL/分〜10000mL/分とするのが好ましい。より好ましくは0.005mL/分〜1000mL/分であり、さらに好ましくは0.05mL/分〜100mL/分である。なお、反応溶媒の蒸発を促進する観点からは、反応溶液に供給したガスの気泡が、より小さな径となるようにするのが好ましい。なお、気泡を形成する手段は特に限定されず、例えば、供給ガスをガラスフィルター等のフィルターに通過させることで気泡を形成してもよいし、微細ガス発生装置等のガス発生装置を使用してもよい。
次に、(2)薄膜蒸留法を採用する濃縮工程について説明する。薄膜蒸留法とは、被処理液の薄膜を形成し、これを加熱して、被処理液に含まれる成分を蒸発分と非蒸発分とに分離する方法である。したがって、薄膜蒸留法を採用する濃縮工程では、薄膜蒸留により、カチオン交換工程後の反応溶液から溶媒を分離し、フルオロスルホニルイミド溶液を濃縮する。
この場合、濃縮工程は、薄膜蒸留器を使用して実施する。薄膜蒸留器としては、反応溶液の薄膜を形成する手段、形成された薄膜を加熱する手段、蒸発分(反応溶媒)を回収する手段、非蒸発分(フルオロスルホニルイミド)を回収する手段を備えた装置であればよい。また、薄膜蒸留器から抜き出された濃縮液を再び薄膜蒸留器に戻す循環手段を備えていてもよい。これにより、繰り返し濃縮を行うことができる。
薄膜を形成する方法も特に限定されず、流下式、遠心式、攪拌式、回転式、ブレード式、上昇式等、従来公知の方法はいずれも採用することができる。具体的な薄膜蒸留器としては、例えば、「短行程蒸留装置」(UIC GmbH 社製)、「ワイプレン(登録商標)」、「エクセバ(登録商標)」(以上、株式会社神鋼環境ソリューション製)、「コントロ」、「傾斜翼コントロ」、「セブコン(登録商標)」(以上、株式会社日立プラントテクノロジー製)、「ハイエバオレータ(登録商標)」(株式会社櫻製作所製)、「薄膜蒸留器」、「ビスコン」、「フィルムトルーダー」(以上、木村化工機株式会社製)、「Hi−Uブラッシャー」、「エバリアクター」、「リカバリー」(以上、関西化学機械製作株式会社製)、「NRH」(日南機械株式会社製)、「エバポール(登録商標)」(株式会社大河原製作所製)等が挙げられる。
また、フルオロスルホニルイミドの濃縮効率を一層高めるため、薄膜蒸留器内にガスを流通させながら濃縮工程を実施してもよい。ガスとしては、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いるのが好ましく、より好ましくは窒素である。
薄膜蒸留法による濃縮工程におけるその他の条件は特に限定されない。例えば、薄膜蒸留器内への反応溶液の供給速度は、使用する装置のサイズや、反応溶液中のフルオロスルホニルイミドの濃度に応じて適宜決定すればよい。
また、フルオロスルホニルイミドの濃縮効率を一層高めるため、バブリング法、薄膜蒸留法のいずれを採用する場合も、反応溶液を加熱しながら濃縮工程を行ってもよい。加熱温度は、使用する反応溶媒に応じて適宜設定すればよいが、フルオロスルホニルイミドのの分解を抑制する観点からは、30℃以上、150℃以下とするのが好ましい。より好ましい温度は50℃以上であり、より好ましくは120℃以下である。温度が低すぎると反応溶媒の除去効率が得られず、一方、温度が高すぎるとフルオロスルホニルイミドが分解してしまうおそれがある。
バブリング法、薄膜蒸留法のいずれを採用する場合も、効率のよい濃縮工程を実施する観点からは、減圧下で濃縮工程を行ってもよい。減圧度をコントロールすることによって、低温であっても効率よく反応溶媒を除去でき、また、熱によるフルオロスルホニルイミドの分解も防ぐことができる。減圧度は反応溶媒の種類に応じて適宜調整すればよく特に限定はされないが、例えば、40kPa以下とするのが好ましい。より好ましくは15kPa以下であり、さらに好ましくは5kPa以下である。
なお、反応溶媒の量が多い場合は、濃縮工程の前に、一部の反応溶媒を除去しておいてもよい。フルオロスルホニルイミドと溶媒との相互作用が顕著になって反応溶液から反応溶媒の除去が困難になるのは、フルオロスルホニルイミドに対する反応溶媒の量が150質量%以下となる時点からであるので、可能な限り反応溶液量を低減しておくことで、効率よく濃縮工程が実施できるからである。また、濃縮工程は、反応溶液を攪拌しながら実施してもよい。濃縮工程では、上記バブリング法、薄膜蒸留法の両方を順に実施してもよく(実施の順序は特に限定されない)、また、いずれか一方を単独で実施してもよい。なお、フルオロスルホニルイミドの熱分解を防ぐ観点からは、より短時間で濃縮工程を実施できる薄膜蒸留法が好ましい。
濃縮工程における加熱によるフルオロスルホニルイミドの分解を防ぐ観点からは、上記バブリング法、薄膜蒸留法のいずれを採用する場合も、濃縮工程で加えられる熱量は、フルオロスルホニルイミド1gあたり1,000,000J以下とするのが好ましく、より好ましくは500,000J以下であり、さらに好ましくは100,000J以下である。なお、上記熱量には、濃縮工程に供する前に一部の反応溶媒を除去するために反応溶液に与えられる熱量は含まれない。
本発明では、濃縮工程で反応溶液に与えられた熱量を、フルオロスルホニルイミドに与えられた熱量とする。なお、上記熱量は、濃縮工程で使用する装置の消費電力(装置メーカーの公称値を参照すればよい)、反応溶液に含まれるフルオロスルホニルイミドの量および加熱時間に基づいて求めればよく、具体的には、濃縮工程で反応溶液に与えられた熱量を算出し、これを、フルオロスルホニルイミド1gあたりに与えられた熱量に換算すればよい。
[乾燥、粉体化工程]
濃縮工程で得られたフルオロスルホニルイミド濃縮液は、そのまま製品とすることもできるが、保存時の安定性を高め、また、製品の流通を容易にするため、フルオロスルホニルイミドを粉体化してもよい(粉体化、乾燥工程)。なお、濃縮工程で、固体状態のフルオロスルホニルイミドを得た場合には、得られた固体をそのまま乾燥装置で乾燥してもよく、また、フルオロスルホニルイミドが可溶な溶媒に溶解させた後、乾燥、粉体化工程に供してもよい。
フルオロスルホニルイミドを乾燥し、粉体化する方法は特に限定されず、(1)フルオロスルホニルイミドが析出するまで上記濃縮工程を継続し、これを分離し、乾燥して粉体化する方法、(2)濃縮工程で得られた濃縮液をそのまま、あるいは、必要により30℃以下に冷却しながら静置して、フルオロスルホニルイミドを析出させ、これを分離し、乾燥して粉体化する方法、(3)濃縮液に溶媒を添加してフルオロスルホニルイミドを析出させ、これをろ別して分離し、乾燥して粉体化する方法、等が挙げられる。
次いで、傾斜法、遠心分離法、濾過法等により、析出したフルオロスルホニルイミドを反応溶媒等から分離し、乾燥させる。フルオロスルホニルイミドの乾燥方法は特に限定されず、従来公知の乾燥装置が使用できる。乾燥時の温度は0℃〜100℃とするのが好ましい。より好ましくは10℃以上、さらに好ましくは20℃以上であり、より好ましくは80℃以下、さらに好ましくは60℃以下である。
また、フルオロスルホニルイミドの乾燥は、乾燥装置にガスを供給しながら行ってもよい。使用可能なガスとしては、濃縮工程で使用したものが挙げられるが、例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガスや乾燥空気が挙げられる。
上記方法により得られたフルオロスルホニルイミドは、必要に応じて純度をさらに向上させるための精製工程に供してもよい。精製工程としては、従来公知の精製方法はいずれも採用可能である。精製工程は低水分または無水溶媒を用い、乾燥した雰囲気で行うことが好ましい。
以下、実験例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実験例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[NMR測定]
19F−NMRの測定は、Varian社製の「Unity Plus−400」を使用して行った(内部標準物質:トリフルオロメチルベンゼン、溶媒:重アセトニトリル、積算回数:16回)。
[ICP発光分光分析法]
下記例で得られたフルオロスルホニルイミド塩0.1gを超純水9.9gと混合した濃度1質量%の水溶液を測定試料とし、マルチタイプICP発光分光分析装置(島津製作所社製「ICPE−9000」)を使用した。
実験例1
〔フッ素化工程〕
攪拌装置を備えたパイレックス(登録商標)製反応容器A(内容量10L)に、窒素気流下で酢酸ブチル1800gを加え、ここに200g(934mmol)のビス(クロロスルホニル)イミドを室温(25℃)で滴下した。
得られたビス(クロロスルホニル)イミドの酢酸ブチル溶液に、室温で、フッ化亜鉛101g(982mmol、ビス(クロロスルホニル)イミドに対して1.05当量)を一度に加え、これが完全に溶解するまで室温で6時間攪拌した。
〔カチオン交換工程1−アンモニウム塩の合成〕
攪拌装置を備えたパイレックス(登録商標)製反応容器B(内容量10L)に、25質量%アンモニア水540g(7928mmol、ビス(クロロスルホニル)イミドに対して8.49当量)を加えた。アンモニア水の攪拌下、室温で、反応容器Bに、反応容器Aの反応溶液を滴下して加えた。反応溶液の滴下終了後、攪拌を停止し、水層と酢酸ブチル層の2層に分かれた反応溶液から、塩化亜鉛などの副生物を含む水層を除去し、有機層として、アンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドの酢酸ブチル溶液を得た。得られた有機層を試料として、19F-NMR(溶媒:重アセトニトリル)測定を行った。得られたチャートにおいて、内部標準物質として加えたトリフルオロメチルベンゼンの量、及び、これに由来するピークの積分値と、目的生成物に由来するピークの積分値との比較から、有機層に含まれるアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドの粗収量を求めた(756mmol)。
19F-NMR(溶媒:重アセトニトリル):δ56.0
〔カチオン交換工程2−リチウム塩の合成〕
得られた有機層に含まれるアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミドに対して、リチウムの量が2当量となるように、15質量%の水酸化リチウム水溶液242g(Liとして1516mmol)を加え、室温で10分間攪拌した。その後、反応溶液から水層を除去して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの酢酸ブチル溶液を得た。
得られた有機層を試料とし、ICP発光分光分析法により、フルオロスルホニルイミドのアンモニウムカチオンがリチウムイオンに交換されていることを確認した。また、有機層中のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド濃度は7質量%であった(収量:127g、収率:73%)。
なお、フルオロスルホニルイミドの濃度は、得られた有機層を試料として、19F-NMR(溶媒:重アセトニトリル)測定を行い、測定結果のチャートにおいて、内部標準物質として加えたトリフルオロメチルベンゼンの量、および、これに由来するピークの積分値と、目的生成物に由来するピークの積分値との比較から求めた。
[濃縮工程]
カチオン交換工程で得られたリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド溶液をロータリーエバポレーター(「REN−1000」、IWAKI社製)に加えて、減圧下で溶媒を留去し、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド溶液282gを得た(濃度:45質量%)。
次いで、ガス導入管と減圧装置を備えたロータリーエバポレーター(「REN−1000」、IWAKI社製)に、45質量%の濃度のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの酢酸ブチル溶液200gを入れたフラスコ(容量:500mL)を装着した。フラスコ内の液中に500mL/分で窒素ガスを吹き込みながら、60℃に設定した恒温水槽で加熱しながら回転を開始させた(100rpm)。次いで、装置内を933Paまで徐々に減圧し、12時間濃縮工程を行った。得られた溶液の濃度は72質量%であった。濃縮工程で加えられた熱量は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド1gに対して、72,000Jであった。
[粉体化、乾燥工程]
得られた濃縮液125gに、トルエン125gを加えて、25℃で1時間静置し、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)の固体を析出させた。得られた固体をろ取し、これを50℃で真空乾燥することで、乾燥LiFSI(粉体)を得た(収量:68g、収率:76%(濃縮工程より))。
実験例2
上記実験例1で得られた乾燥LiFSIの水分量を、カールフィッシャー電量滴定装置(AQ−2000;平沼産業社製)で測定したところ、含水率は86ppmであった。また、フッ素イオン(F-)および硫酸イオン(SO4 2-)を、イオンクロマトグラフィーシステム(ICS−3000;日本ダイオネクス社製)で定量した。F-は37ppm、SO4 2-は3ppmであった。
露点が−50℃以下(相対湿度0.157%以下)の乾燥空気雰囲気下のドライルームで、数十個の高密度ポリエチレン製ボトル(NALGENE(NALGENE社の登録商標);スクリュー栓付き)に乾燥LiFSIを30gずつ封入した。
上記ボトルの複数個を、ドライルームの外へ持っていき、スクリュー栓を開けて強制的に吸湿させた。5分後および10分後にスクリュー栓を閉めた後、ドライルームに戻し、激しく振盪した。このLiFSIの水分量を測定したところ、378ppm、1332ppmになっていた。
乾燥LiFSIを入れたボトル、上記吸湿後のボトルを、それぞれ、ラミジップ(登録商標;生産日本社製)ALに入れてヒートシールした。なお、ラミジップは、12μmのポリエチレンテレフタレート/15μmの接着用ポリエチレン/7μmのアルミニウム箔/20μmの接着用ポリエチレン/60〜80μmのポリエチレンからなる5層構造の積層フィルムで構成された袋である。
これらの試料を25℃、40℃、50℃、60℃で保存した。F-、SO4 2-の1カ月後、3カ月後、6カ月後の定量結果を表1に示す。
Figure 2013091524
初期の水分量が86ppmであったボトルでは、25℃では加水分解はほとんど進行しなかったが、保存温度が高くなるにつれて、F-およびSO4 2-量が徐々に増大した。保存温度が60℃になるとSO4 2-量の増加が大きくなった。この傾向は、初期の水分量が378ppmのボトルでも認められた。初期の水分量が1332ppmであったボトルでは、25℃での保存時は3カ月までは加水分解はほとんど進行しなかったが、6カ月後では各イオンの顕著な増大が認められた。また、40℃〜60℃での保存では、1カ月後からF-、SO4 2-量が急激に増大した。ただし、1カ月後以降はF-、SO4 2-量の増加は緩やかになり、1000ppm〜2000ppm程度の値を保っている。これは、加水分解によって水分が消費された結果、1カ月経過後はほとんど加水分解が進行しなかったものと考えられる。
比較実験例1
実験例1で得られた乾燥LiFSI(含水率は86ppm)30gを、それぞれ大洋社製PE袋(100μm)、および山本製作所社製PET/PEラミネート袋(16/40μm)中に入れて、ヒートシールして密封し、室温23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室にて保管した。2週間後、開封して水分量を測定したところ、それぞれ37157ppmおよび59782ppmに吸湿していた。LiFSIの外観は粉体ではなく、両袋内で潮解しスラリー状となっていた。
実験例3
-量206ppm、SO4 2-量11ppm、水分量645ppmのLiFSIを入れたボトルも、上記ラミジップALに入れてヒートシールし、25℃、40℃、50℃、60℃で、1カ月、3カ月、6カ月保存した。
Figure 2013091524
表2に、実験例2〜3のF-量、SO4 2-量の増加量を示す。水分量を1000ppm以下、保存温度を50℃以下に保つことにより、F-量、SO4 2-量の増加量を4000ppm以下に抑えることができる。
実験例4
実験例1において、水酸化リチウムの代わりに水酸化ナトリウムを用いて同様の方法で、ナトリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(NaFSI)を得た(74g)。
実験例5
実験例1において、水酸化リチウムの代わりに水酸化カリウムを用いて同様の方法で、カリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(KFSI)を得た(80g)。
実験例6
実験例1の[カチオン工程2−リチウム塩の合成]と同様にして得られたリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド溶液1814g(LiFSIを127g含有)に、エチルメチルイミダゾリウムブロマイド130gを超純水130gに溶解した水溶液を加えた。水層を分液により除去し、有機層を超純水130gで2回分液洗浄した。得られた有機層を、ロータリーエバポレーター(「REN−1000」、IWAKI社製)に入れ、減圧下で溶媒を留去し、エチルメチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(EMImFSI)溶液を得た(106g)。
実験例7
実験例4〜6で得られたNaFSI、KFSIおよびEMImFSIの保存実験を行った。NaFSIについてはボトル中の初期の水分量が85ppmのものと1409ppmのものを、KFSIについてはボトル中の初期の水分量が82ppmのものと653ppmのものを、EMImFSIについてはボトル中の初期の水分量が10ppmのものを用意した。保存温度は、25℃、50℃、60℃とし、1カ月保存した。F-量、SO4 2-量の測定値を、表3(NaFSI)、表4(KFSI)、表5(EMImFSI)に、F-量、SO4 2-量の初期値からの増加量を、表6(NaFSI)、表7(KFSI)に示す。EMImFSIは、各温度で1カ月保存しても、F-量、SO4 2-量は増加しなかったので、増加量の表は省略した。
Figure 2013091524
Figure 2013091524
Figure 2013091524
Figure 2013091524
Figure 2013091524
本発明の包装体は、吸湿性の高いフッ素原子を含むイオン性化合物の吸湿を可及的に抑制できるため、市場に流通している間に加水分解が進行してイオン性化合物が劣化することがない。また、イオン性化合物(またはイオン性化合物含有組成物)の初期の水分量を所定量以下にすることで、保存・移送中のイオン性化合物の加水分解を抑制することができる。そして、加水分解が抑制された結果、フッ酸の発生も抑制されるため、包装材料自体の劣化を防止することができ、イオン性化合物(またはイオン性化合物含有組成物)を、ほぼ包装直前の状態のまま保存・移送することができる。さらに、イオン性化合物(またはイオン性化合物含有組成物)の水分量を極めて少ないまま包装しているので、本発明のイオン性化合物をリチウム電池等の各種電池に用いても、水による電池への悪影響を抑制できる。従って、各種電気化学デバイスのイオン性化合物等として有用である。

Claims (10)

  1. フッ素原子を含むイオン性化合物、またはフッ素原子を含むイオン性化合物を含有する組成物を包装材料で包装してなる包装体であって、前記包装材料が少なくとも1層の金属層を含むことを特徴とするイオン性化合物の包装体。
  2. 金属層が、アルミニウム層および/またはステンレス鋼層である請求項1に記載の包装体。
  3. イオン性化合物または組成物中の水分量が1000ppm以下である請求項1または2に記載の包装体。
  4. イオン性化合物が下記一般式(I)で表されるフルオロスルホニルイミドであるか、または下記一般式(I)で表されるフルオロスルホニルイミドを含有する組成物である請求項1〜3のいずれかに記載の包装体。
    Figure 2013091524
    (式(I)中、Mは有機または無機カチオン、Xは有機基を表す。)
  5. 上記一般式(I)中、Mがアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンである請求項4に記載の包装体。
  6. 上記一般式(I)において、XがFであり、MがLiである請求項5に記載の包装体。
  7. 50℃以下で保存されている請求項1〜6のいずれかに記載の包装体。
  8. 少なくとも1層の金属層を含む包装材料によって包装されてなり、水分量が1000ppm以下であることを特徴とするフッ素原子を含むイオン性化合物。
  9. 少なくとも1層の金属層を含む包装材料によって包装されてなり、水分量が1000ppm以下であることを特徴とするフッ素原子を含むイオン性化合物含有組成物。
  10. 50℃以下で保存することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の包装体の保存方法。
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