JP2015050832A - シャフト、シャフトの製造方法およびモータ - Google Patents

シャフト、シャフトの製造方法およびモータ Download PDF

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Abstract

【課題】第1のシャフトに対する第2のシャフトの適切な圧入状態を維持することができるシャフト、シャフトの製造方法およびモータを提供する。
【解決手段】直流モータのシャフトは第1および第2のシャフト31,32を有している。第1のシャフト31の一の端部に設けられた穴33に第2のシャフト32が圧入されることにより、第1および第2のシャフト31,32は相互に連結される。穴33の内周面には、第1のシャフト31の軸線を中心とする螺旋状の空気抜き溝41が設けられている。第2のシャフト32を穴33に圧入する際、第2のシャフト32により押される穴33の内部の空気は空気抜き溝41を通って外部に排出される。また、圧入が完了した後も、空気抜き溝41は第2のシャフト32と穴33の底部との間に形成される隙間を外部に連通させる状態に維持される。
【選択図】図5

Description

本発明は、シャフト、シャフトの製造方法およびモータに関する。
従来、動力を伝達するための回転部品として様々なシャフトが存在する。たとえば特許文献1には、太軸部および細軸部を有する段付きのシャフトが開示されている。当該シャフトは太軸部の端面に設けられた穴に細軸部の端部が圧入されてなる。
特開平9−25818号公報
特許文献1のものを含め細軸部が太軸部の穴に圧入されてなるシャフトには、つぎのような懸念があった。すなわち、細軸部が太軸部の穴に押し込まれるのに伴い穴の内部の空気は圧縮される。この圧縮された空気は圧入が完了した後も穴の内部に保持される。ここで、たとえばシャフトの雰囲気温度の上昇に伴い穴の内部の空気が膨張することが考えられる。この場合、膨張する空気に押されて細軸部が太軸部に対する抜け方向へ移動するおそれがある。
本発明の目的は、第1のシャフトに対する第2のシャフトの適切な圧入状態を維持することができるシャフト、シャフトの製造方法およびモータを提供することにある。
上記目的を達成し得るシャフトは、軸線方向に延びる非貫通の穴が一の端部に設けられている第1のシャフトと、前記穴にその底部との間に隙間を残して圧入される第2のシャフトと、を有し、前記穴の内周面または第2のシャフトの外周面には、第2のシャフトが前記穴に圧入された状態で前記隙間を外部に連通させる溝が設けられている。
この構成によれば、第2のシャフトを第1のシャフトの穴に圧入する際、第2のシャフトにより押される穴の内部の空気は溝を通って外部に排出される。このため、第2のシャフトを穴に円滑に押し込むことができる。また、当該圧入が完了した後においても穴の内部に圧縮された空気が密封された状態で残ることがない。このため、第1のシャフトに対する第2のシャフトの圧入状態が好適に維持される。
上記のシャフトにおいて、前記溝は第1または第2のシャフトの軸線方向に対して傾斜していることが好ましい。この構成によれば、溝は第2のシャフトに対して、その軸方向に沿った圧入長さの範囲において円周方向の異なる位置に存在することになる。このため、第2のシャフトを圧入する際に溝の内部に発生する空気圧は、第2のシャフトに対して、その軸方向に沿った圧入長さの範囲における円周方向の異なる位置で径方向の力として作用する。したがって、第2のシャフトは円周方向において、より均等な空気圧荷重および圧着作用(両シャフト間の締め代による径方向締結力)を受ける。これにより、第2のシャフトは第1のシャフトに対して傾斜が抑制された状態で圧入されるので、第1のシャフトに対する第2のシャフトの振れが抑制される。
上記のシャフトにおいて、前記溝は第1または第2のシャフトの軸線を中心とする螺旋状であってもよい。より高い傾斜抑制効果が得られる。
上記のシャフトにおいて、螺旋状の溝を採用する場合、前記溝は前記穴または第2のシャフトの円周方向に沿って1周以上することが好ましい。溝に沿う空気流れに対して、より高い傾斜抑制効果が得られるからである。
上記のシャフトにおいて、前記溝は一つであることが好ましい。溝を安価に形成できるからである。
上記のシャフトにおいて、前記溝は、第1または第2のシャフトの軸線に沿った前記溝の形成範囲の中間位置を含みかつ前記軸線に直交する仮想平面に対して面対称であることが好ましい。この構成によれば、仮想平面を境とする溝の一方側の部分と他方側の部分とに作用する空気の圧力が釣り合いやすい。
上記のシャフトにおいて、前記溝をその延びる方向に対する直交方向に切断したときの断面形状は、第1のシャフトの軸線側を底辺として開口する三角形状または第2のシャフトの軸線と反対側を底辺として開口する三角形状であることが好ましい。
この構成によれば、第1のシャフトの穴に第2のシャフトを圧入するとき、溝は穴または第2のシャフトの円周方向における両側に開きやすくなる。すなわち、溝の開口部分が第2のシャフトの外周面または穴の内周面に食いつきやすくなるので、第2のシャフトの外周面と穴の内周面とが密接した状態に保たれる。第1のシャフトに対する第2のシャフトの傾きを抑制する効果も期待できる。
上記目的を達成し得るモータは、動力伝達用の回転軸として上記のシャフトを有する。
この構成によれば、第1のシャフトに対する第2のシャフトの圧入状態が好適に維持されるモータが得られる。
上記目的を達成し得るモータは、動力伝達用の回転軸の一部として上記のシャフトにおける第1または第2のシャフトを有し、第1のシャフトの穴の内周面または第2のシャフトの外周面に前記溝が設けられている。
このように第1または第2のシャフトを有するモータを製品として出荷することもできる。モータが第1および第2のシャフトの一方のみを有する場合であれ、第1のシャフトの穴に第2のシャフトを圧入すれば上記のシャフトを有するモータを得ることができる。
上記のモータにおいて、動力伝達用の回転軸の一部として前記溝を有する第1または第2のシャフトを備える場合、これらに連結される第2または第1のシャフトは第1または第2のシャフトよりも硬度が高い金属材料からなることが好ましい。
第1および第2のシャフトのうち硬度が小さい方に溝が設けられる。このため、溝を形成しやすい。また、モータに設けられる第1または第2のシャフトよりも、これらに連結される第2または第1のシャフトの硬度の方が高い。このため、第1または第2のシャフトに対して第2または第1のシャフトを連結する際、これら第2または第1のシャフトには損傷が発生しにくい。
上記目的を達成し得るシャフトの製造方法は、軸線方向に延びる非貫通の穴が一の端部に設けられている第1のシャフトと、前記穴に圧入される第2のシャフトと、を有するシャフトの製造方法であって、前記穴の内周面または第2のシャフトの外周面に刃物を当てた状態で第1または第2のシャフトを回転させながらその軸線方向に送ることにより前記穴の内周面または第2のシャフトの外周面に第2のシャフトの前記穴に対する圧入深さよりも長い範囲にわたって螺旋状の溝を形成する第1の工程と、第2のシャフトを前記穴にその底部との間に隙間を残して圧入する第2の工程と、を有する。
この製造方法によれば、螺旋状の溝を簡単に形成できる。また、第2のシャフトを第1のシャフトの穴に圧入する際、第2のシャフトにより押される穴の内部の空気は溝を通って外部に排出される。このため、第2のシャフトを穴に円滑に押し込むことができる。また、当該圧入が完了した後においても穴の内部に圧縮された空気が密封された状態で残ることがない。このため、第1のシャフトに対する第2のシャフトの圧入状態が好適に維持される。
本発明によれば、第1のシャフトに対する第2のシャフトの適切な圧入状態を維持することができる。
一実施の形態のシャフトが使用されるモータの縦断面図。 (a)は一実施の形態における第1のシャフトの要部を示す縦断面図、(b)は一実施の形態のシャフトにおける第1のシャフトを穴側からみた側面図。 一実施の形態における空気抜き溝を示す第1のシャフトの斜視図。 一実施の形態における空気抜き溝の形成方法を示す第1のシャフトの縦断面図。 一実施の形態の圧入の様子を示す第1のシャフトの断面図。 他の実施の形態における第2のシャフトの正面図。 他の実施の形態における空気抜き溝を示す第1のシャフトの斜視図。 他の実施の形態における空気抜き溝を示す第1のシャフトの斜視図。 (a),(b)は、他の実施の形態における空気抜き溝を示す第1のシャフトの斜視図。 (a),(b),(c)は、他の実施の形態における空気抜き溝を示す第1のシャフトの斜視図。 他の実施の形態における空気抜き溝を示す第1のシャフトの斜視図。 (a),(b)は、それぞれ他の実施の形態における空気抜き溝の形状を示す図2(b)におけるZ部の拡大図。
以下、シャフトをモータに適用した一実施の形態を説明する。
<モータの概略構成>
図1に示すように、直流モータ11は、筒状の固定子12、ならびに固定子12の内部にシャフト13を介して回転可能に支持される電機子14および整流子15を有している。固定子12の内部には整流子15に摺接する図示しない複数個のブラシが設けられる。
固定子12は、円筒状のヨークハウジング21、およびヨークハウジング21の内周面に固定された複数個の永久磁石22を備えている。ヨークハウジング21は、有底筒状のフロントハウジング23、およびフロントハウジング23の開口部を閉塞する有底筒状のエンドハウジング24を有している。
シャフト13は動力伝達用の回転軸である。シャフト13は、フロントハウジング23のボス23aおよびエンドハウジング24のボス24aにそれぞれ設けられた軸受25,26を介してヨークハウジング21に対して回転可能に支持されている。シャフト13の第1の端部13aはフロントハウジング23の内部に位置している。シャフト13の第2の端部13bは、エンドハウジング24を貫通して外部へ突き出ている。第2の端部13bには、動力伝達用の部材としてたとえば歯車27が固定されている。
電機子14は、シャフト13の外周面に嵌った状態で固定された鉄心28、および鉄心28に巻装されたエナメル被覆の巻線29を備えてなる。鉄心28は複数枚の電磁鋼板が積層されることにより円柱状をなしている。
整流子15は、シャフト13の外周面に嵌った状態で固定されている。整流子15は鉄心28よりもエンドハウジング24に近い位置に設けられている。整流子15は図示しない円筒状の絶縁体の周面に図示しない複数個の整流子片が固定されてなる。これら整流子片には巻線29が適宜に接続される。
<シャフト>
つぎに、シャフトの構成を詳細に説明する。
図1に示すように、シャフト13は第1および第2のシャフト31,32を有している。第1のシャフト31の外径φ1は第2のシャフト32の外径φ2よりも大きく設定されている。第1のシャフト31はヨークハウジング21の内部に収容されている。第1のシャフト31の2つの端部はそれぞれ軸受25,26を介して回転可能に支持されている。第1のシャフト31のエンドハウジング24に収容される部分の端面31aには、円筒状の穴33が設けられている。穴33の内径は第2のシャフト32の外径φ2よりも少し小さく設定される。穴33はエンドハウジング24の底壁に設けられた孔24bから外部に露出する。第2のシャフト32は穴33に圧入されることにより第1のシャフト31に連結されている。第2のシャフト32において第1のシャフト31と反対側の端部は、シャフト13の第2の端部13bでもあって、孔24bを介してエンドハウジング24の外部に突出している。
第1および第2のシャフト31,32はいずれも金属材料により形成されている。ただし、第2のシャフト32には第1のシャフト31よりも硬度が高い金属材料を使用することが好ましい。たとえば第1のシャフト31には機械構造用炭素綱鋼材(S45C)、第2のシャフト32には高炭素クロム軸受鋼鋼材(SUJ2)を使用してもよい。この場合、第2のシャフト32にはニードルベアリングの転動体として使用される既成のニードルを採用することも可能である。
図2(a)に示すように、穴33は底部33a、開口部33b、これらをつなぐ圧入部33cの3つの部分に分けられる。底部33aは底に向かうにつれて内径が小さくなる三角錐状をなしている。開口部33bは底部33aと反対側へ向かうにつれて内径が大きくなる円錐台状をなしている。圧入部33cは開口部33bを介して第2のシャフト32が圧入される部分である。圧入部33cは円筒状をなし、その内周面には螺旋状の空気抜き溝41が設けられている。空気抜き溝41は穴33の中心軸Oに沿った方向における圧入部33cの全長にわたっている。空気抜き溝41の中心軸Oに沿った方向における2つの端部はそれぞれ底部33aおよび開口部33bに開放されている。
図2(b)に示すように、第1のシャフト31を穴33の開口部33b側からみたとき、空気抜き溝41の開口部33bに対する開放端はV字状をなしている。すなわち、空気抜き溝41をその延びる方向に対して直交する方向に沿って切断したときの断面形状は、穴33の中心軸O側を底辺として開口する三角形状をなしている。
図3に示すように、空気抜き溝41のピッチPは圧入部33cの中心軸Oに沿う方向における長さと同じである。ここで、ピッチPとは空気抜き溝41が圧入部33cの内周を一周するときの中心軸Oに沿う方向における距離をいう。このため、空気抜き溝41は圧入部33cの底部33aとの境界Paから開口部33bとの境界Pbまでの間において圧入部33cの内周を1周する。
なお、図2(a)に示すように、空気抜き溝41は、穴33における中心軸Oに沿った空気抜き溝41の形成範囲の中間位置を含みかつ中心軸Oに直交する仮想平面Hに対して面対称である。
<シャフトの製造方法>
つぎに、シャフト13の製造方法を説明する。ここでは前提として、空気抜き溝41が形成されていない穴33を有する第1のシャフト31を加工対象であるワークWとする。シャフト13を製造するに際しては、まずワークWの穴33の内周面に空気抜き溝41が形成される。
図4に示すように、ワークWと切削バイトなどの刃物51とを中心軸Oに沿う方向において対向させる。また、形成する空気抜き溝41の深さに応じて刃物51の切り込み深さを調節する。当該切り込み深さは、たとえばワークWの半径方向における刃物51と穴33の位置関係の調節を通じて設定される。ちなみに、刃物51はたとえば図示しない加工装置の刃物台に、ワークWは加工装置のチャックに固定される。
この状態でワークWを一定速度で回転させながら中心軸Oに沿って刃物51に近づく方向へ一定速度で送る。この動作を通じて、刃物51の刃先により穴33の内周面に螺旋状の溝が切削される。当該溝が第2のシャフト32の穴33に対する圧入深さDよりも長い範囲、すなわち開口部33bと圧入部33cとの境界Pbから圧入部33cと底部33aとの境界Paまでの範囲にわたって形成されたとき、空気抜き溝41の形成が完了する。これにより、第1のシャフト31が得られる。この後、刃物51を穴33から抜き出す。また、得られた第1のシャフト31を加工装置のチャックから取り外す。
つぎに、第1のシャフト31の穴33に第2のシャフト32を圧入する。たとえば図示しない圧入装置のベッドに第1のシャフト31を穴33が上を向くように取り付ける。また、圧入装置におけるベッドの上方に設けられるチャックに第2のシャフト32を固定する。そして第2のシャフト32が第1のシャフト31に対して同軸になるように位置決めしたうえで、第2のシャフト32を第1のシャフト31の穴33に上方から押し込む。第2のシャフト32はその内端面が圧入部33cと底部33aとの境界Paの付近に位置するまで穴33に押し込まれる。穴33の内部には、第2のシャフト32の内端面と穴33の内面(内周面および内底面)とで囲まれた、底部33aを含む空間(隙間)が形成される。以上でシャフト13の製造が完了する。
<空気抜き溝の作用>
つぎに、空気抜き溝41の作用を説明する。
図5に白抜きの矢印A1で示されるように、第1のシャフト31の穴33に第2のシャフト32を圧入する際、第2のシャフト32が穴33に押し込まれるのに伴い穴33の内部の空気は第2のシャフト32が押し込まれる方向(圧入方向)へ押される。図5に矢印A2で示されるように、第2のシャフト32の押込みに伴い穴33の内部の空気は空気抜き溝41、正確には空気抜き溝41と第2のシャフト32の外周面との間に形成される螺旋状の空間を通って外部に排出される。すなわち、穴33の内部の空気が強く圧縮されることがない。このため、第2のシャフト32を穴33に押し込む際、第2のシャフト32の圧入方向と反対方向へ空気の弾性力が大きく作用することはない。したがって、第2のシャフト32は穴33に対して円滑に押し込まれる。
また、空気抜き溝41は螺旋状である。このため、圧入の際、穴33の内部から空気抜き溝41に押し出される空気の圧力は、空気抜き溝41に沿って第2のシャフト32の外周面に対して均等に作用する。すなわち、空気抜き溝41を通る空気の圧力は螺旋状に流れることによって分散されるので、第2のシャフト32に対して片寄って作用しにくい。
また、空気抜き溝41は第2のシャフト32に対して、その軸方向に沿った圧入長さの範囲において円周方向の異なる位置に存在することになる。このため、第2のシャフト32を圧入する際に空気抜き溝41の内部に発生する空気圧は、第2のシャフト32に対して、その軸方向に沿った圧入長さの範囲における円周方向の異なる位置で径方向の力として作用する。したがって、第2のシャフト32は円周方向に一様な空気圧荷重および圧着作用(第1のシャフト31と第2のシャフト32との間の締め代による径方向締結力)を受ける。これにより、第2のシャフト32は第1のシャフト31に対して傾斜が抑制された状態で圧入されるので、第1のシャフト31に対する第2のシャフト32の振れが抑制される。
また、圧入が完了した後、穴33の内部に圧縮空気が密封された状態で残ることもない。このため、たとえばシャフト13の雰囲気温度の上昇に伴い穴33の内部の空気が膨張する場合であれ、当該膨張する空気による上昇する穴33の内部における圧力は、空気抜き溝41を介して外部に開放される。このため、膨張した空気の圧力によって、穴33に圧入された第2のシャフト32が第1のシャフト31に対する抜け方向へ移動するおそれはない。第1のシャフト31に対する第2のシャフト32の適切な圧入状態が維持される。
<実施の形態の効果>
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)第1のシャフト31の穴33の内周面に空気抜き溝41を設けた。このため、穴33に第2のシャフト32を圧入する際、第2のシャフト32により押される穴33の内部の空気は空気抜き溝41を通って外部に排出される。したがって、第2のシャフト32を穴33に円滑に押し込むことができる。また、圧入完了後においても穴の内部に圧縮された空気が密封された状態で残ることがない。このため、第1のシャフト31に対する第2のシャフト32の圧入状態が好適に維持される。
(2)空気抜き溝41は螺旋状である。このため、第2のシャフト32を穴33に圧入する際、空気抜き溝41に作用する空気の圧力が分散される。したがって、第2のシャフト32は圧入に際して空気の圧力の影響を受けにくい。第2のシャフト32が第1のシャフト31に対して傾斜することも抑制される。ちなみに、空気抜き溝41を第2のシャフト32の円周方向に1周以上設けることによって、より顕著な効果が得られる。
(3)空気抜き溝41は仮想平面Hを基準とする面対称である。中心軸Oに沿う方向において、仮想平面Hを境とする空気抜き溝41の一方側の部分と他方側の部分とに作用する空気の圧力が釣り合いやすい。
(4)単一の空気抜き溝41を設けた。複数の空気抜き溝41を設ける場合に比べて、溝の形成が簡単である。このため、製造コストが低減される。
(5)空気抜き溝41の断面形状は、中心軸O側を底辺として開口する三角形状である。このため、第2のシャフト32を穴33に圧入するとき、空気抜き溝41は穴33の内周面に沿った両側に開きやすい。空気抜き溝41の開口部分が第2のシャフト32の外周面に食いつきやすくなるので、第2のシャフト32の外周面と穴33の内周面とが密接した状態に保たれる。第1のシャフト31に対する第2のシャフト32の傾き(振れ)を抑制する効果も期待できる。
(6)第2のシャフト32は第1のシャフト31よりも硬度が高い金属材料により形成されている。そして第2のシャフト32よりも硬度が低い第1のシャフト31の穴33に空気抜き溝41が形成されている。このため、空気抜き溝41を形成しやすい。また、第2のシャフト32を穴33に押し込む際、第2のシャフト32は損傷しにくい。
(7)製品仕様などにより要求されるシャフト13の長さは異なる。この点、本例では第1のシャフト31に連結される第2のシャフト32の長さを変更することによりシャフト13のトータル長さを自在に調節することができる。このため、製品仕様などに応じて、長さの異なる複数種のシャフト、あるいは長さの異なるシャフトを有する複数種のモータを管理する必要はない。
(8)本例は既成のモータにおける穴33を持たない出力軸にも適用することができる。たとえば第1のシャフトとしてのモータ出力軸に穴33を後加工し、当該穴33に対して第2のシャフトとしての既成のピンあるいはニードルを圧入する。このようにすれば、出力軸の長さに対するバリエーションに対して柔軟に、かつ安価に対応することができる。
<他の実施の形態>
なお、前記実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
・図6に示すように、第2のシャフト32の外周面に螺旋状の空気抜き溝42を設けてもよい。この場合、空気抜き溝42は少なくとも穴33に対する第2のシャフト32の圧入長さにわたる範囲に設けることが好ましい。また、図示はしないが空気抜き溝42は第2のシャフト32の全長にわたって設けてもよい。また、これらの場合には穴33の内周面には空気抜き溝41を設けなくてもよい。ちなみに、空気抜き溝42の断面形状は、たとえば第2のシャフト32の中心軸Oと反対側を底辺として開口する三角形状であってもよい。
・図7に示すように、螺旋状の空気抜き溝41に代えて、たとえば第1のシャフト31の軸線に沿って平行に延びる直線状の空気抜き溝43を設けてもよい。
・図8に示すように、螺旋状の空気抜き溝41に代えて、たとえば曲線状の空気抜き溝44を設けてもよい。空気抜き溝44は穴33の中心軸Oに沿って延び、かつ穴33の円周方向において緩やかに湾曲する。ただし、空気抜き溝41は中心軸Oに対してねじれの位置にある。
・図9(a),(b)に示すように、螺旋状の空気抜き溝41のピッチPは圧入部33cの中心軸Oに沿う方向における長さと異ならせてもよい。たとえば図9(a)に示すように、螺旋状の空気抜き溝41のピッチPは圧入部33cの中心軸Oに沿う方向における長さLの1/2に設定してもよい。また図9(b)に示すように、螺旋状の空気抜き溝41のピッチPは圧入部33cの中心軸Oに沿う方向における長さLの1/3に設定してもよい。
・図10(a),(b),(c)に示すように、螺旋状の空気抜き溝41、直線状の空気抜き溝43および曲線状の空気抜き溝44はそれぞれ複数設けてもよい。図10(a)〜図10(c)では、それぞれ2本の空気抜き溝41,43,44を設ける場合を例示するところ、3本、4本またはそれ以上の空気抜き溝41,43,44を設けてもよい。
・図11に示すように、二巻き以上の螺旋状の空気抜き溝を設ける場合、当該空気抜き溝の螺旋のピッチは一定でなくてもよい。図11に示される例では、空気抜き溝45の螺旋の巻数は3巻き強である。空気抜き溝45における底部33a側の一巻き目および二巻き目はそれぞれ同一のピッチP1であるのに対し、三巻き目はピッチP1よりも長いピッチP2である。ちなみにこの場合、先の図2および図3に示される空気抜き溝41と異なり、空気抜き溝45は圧入部33cの軸線方向の中心を含みかつ当該軸線に直交する仮想平面Hを基準とする面対称にはならない。
・図12(a),(b)に示すように、第1のシャフト31を穴33の開口部33b側からみたときの空気抜き溝41の形状は三角形状でなくてもよい。たとえば図12(a)に示すように四角形状でもよいし、図12(b)に示すように半円状でもよい。
・本例ではシャフト13の適用先として直流モータ11を例に挙げたが、ブラシレスモータあるいは交流モータなど他のタイプのモータに適用してもよい。
・モータの用途は問わない。たとえば車両であれば、電動パーキングブレーキ(EPB)用のモータ、電動パワーステアリングモータ、電子スロットルモータ、ワイパ駆動用のモータなど、種々の用途がある。
・第2のシャフト32の外径φ2を第1のシャフト31の外径φ1よりも大きく設定してもよい。この場合、穴33は第1のシャフト31に代えて第2のシャフト32の一の端部に設ける。そして第1のシャフト31の一の端部を第2のシャフト32の穴33に圧入する。この場合においても、空気抜き溝41は穴33の内周面に設けてもよいし、第2のシャフト32の外周面に設けてもよい。
・シャフト13をモータに適用する場合、第1のシャフト31と第2のシャフト32との関係を逆にしてもよい。すなわち、第2のシャフト32をヨークハウジング21の内部に収容する。そして、第1のシャフト31の穴33を第2のシャフト32の端部に圧入する。第1のシャフト31の穴33と反対側の端部は、ヨークハウジング21の外部に突出する。また、この場合においても、空気抜き溝41は穴33の内周面に設けてもよいし、第2のシャフト32の外周面に設けてもよい。
・モータは製品として第2のシャフト32を含まなくてもよい。第2のシャフト32が取り付けられていない状態でモータを製品として出荷することもできる。第2のシャフト32はユーザにより適宜取り付けられる。また、前述のように、第1のシャフト31と第2のシャフト32との関係を逆にした構成を採用する場合、モータは製品として第1のシャフト31を含まなくてもよい。第1のシャフト31が取り付けられていない状態でモータを製品として出荷することもできる。第1のシャフト31はユーザにより適宜取り付けられる。
・シャフト13の適用先はモータに限らない。径が異なる2つのシャフトを圧入により連結する場合、本例における第1のシャフト31と第2のシャフト32との連結構造は有効である。シャフト13を製品として出荷してもよい。
11…直流モータ、31…第1のシャフト、32…第2のシャフト、33…穴、41,42,43,44,45…空気抜き溝、51…刃物。

Claims (11)

  1. 軸線方向に延びる非貫通の穴が一の端部に設けられている第1のシャフトと、
    前記穴にその底部との間に隙間を残して圧入される第2のシャフトと、を有し、
    前記穴の内周面または第2のシャフトの外周面には、第2のシャフトが前記穴に圧入された状態で前記隙間を外部に連通させる溝が設けられているシャフト。
  2. 請求項1に記載のシャフトにおいて、
    前記溝は、第1または第2のシャフトの軸線方向に対して傾斜しているシャフト。
  3. 請求項1または請求項2に記載のシャフトにおいて、
    前記溝は、第1または第2のシャフトの軸線を中心とする螺旋状であるシャフト。
  4. 請求項3に記載のシャフトにおいて、
    前記溝は、前記穴または第2のシャフトの円周方向に沿って1周以上するシャフト。
  5. 請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のシャフトにおいて、
    前記溝は一つであるシャフト。
  6. 請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のシャフトにおいて、
    前記溝は、第1または第2のシャフトの軸線に沿った前記溝の形成範囲の中間位置を含みかつ前記軸線に直交する仮想平面に対して面対称であるシャフト。
  7. 請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載のシャフトにおいて、
    前記溝をその延びる方向に対する直交方向に切断したときの断面形状は、第1のシャフトの軸線側を底辺として開口する三角形状または第2のシャフトの軸線と反対側を底辺として開口する三角形状であるシャフト。
  8. 動力伝達用の回転軸として請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載のシャフトを有するモータ。
  9. 動力伝達用の回転軸の一部として請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載のシャフトにおける第1または第2のシャフトを有し、第1のシャフトの穴の内周面または第2のシャフトの外周面に前記溝が設けられているモータ。
  10. 請求項9に記載のモータにおいて、
    第1または第2のシャフトに連結される第2または第1のシャフトは、第1または第2のシャフトよりも硬度が高い金属材料からなるモータ。
  11. 軸線方向に延びる非貫通の穴が一の端部に設けられている第1のシャフトと、前記穴に圧入される第2のシャフトと、を有するシャフトの製造方法であって、
    前記穴の内周面または第2のシャフトの外周面に刃物を当てた状態で第1または第2のシャフトを回転させながらその軸線方向に送ることにより前記穴の内周面または第2のシャフトの外周面に第2のシャフトの前記穴に対する圧入深さよりも長い範囲にわたって螺旋状の溝を形成する第1の工程と、
    第2のシャフトを前記穴にその底部との間に隙間を残して圧入する第2の工程と、を有するシャフトの製造方法。
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