JP6316072B2 - モータのヨーク、減速機付きモータ、モータのヨークの製造方法、及びモータケーシングの製造方法 - Google Patents

モータのヨーク、減速機付きモータ、モータのヨークの製造方法、及びモータケーシングの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、内周に永久磁石が配置されることで、永久磁石による磁気回路の一部を構成するモータのヨーク、減速機付きモータ、モータのヨークの製造方法、及びモータケーシングの製造方法に関するものである。
自動車の電装品などに使用される小型の直流ブラシモータのモータケーシングは、製造コストの低減のために多くの場合、1枚の磁性金属板を絞り加工することによって製造されている。この絞り加工されたモータケーシングには、例えば、内周に永久磁石が配置される筒状のヨークと、そのヨークの後端開口を閉塞する後部カバーと、そのヨークの前端開口の外周に設けられたフランジとが一体に備わっている。
一般的に、1枚の磁性金属板を絞り方向に延伸した際には、有底筒状の加工品形状の円周方向に圧縮応力、軸方向に引張応力が全体にわたってほぼ均一に発生する。そのため、得られる有底筒状の絞り加工品の板厚は、全周においてほぼ均等なものとなることが知られている。
ところで、モータケーシングに一体的に設けられた筒状のヨークの内周には、ステータマグネットとして複数の永久磁石が、ヨークの内周面に密着した状態で配置される。それにより、ヨークは、それら永久磁石による磁気回路の一部を構成する磁路形成部品として機能する。各永久磁石は、厚さ方向(モータとして組み立てられたときの径方向)に磁化されており、極性が逆に設定されたものが周方向に交互に並ぶようにヨークの内周に配置される。例えば、4極の場合は4つの永久磁石が、内周面のS極とN極が周方向に交互に並ぶように配置され、6極の場合は6つの永久磁石が、内周面のS極とN極が周方向に交互に並ぶように配置される。
これらの永久磁石をヨークの内周に周方向に沿って配置する際、隣り合う永久磁石の端部間には、極性が逆であるが故に適当な間隔を確保する必要がある。従って、その間隔が確保されていることにより、隣り合う永久磁石の端部間には、ヨークを通過する磁気回路が形成される。
この場合、全周連続するヨークには、磁気回路を形成する上で影響が大きい部分(以下、この部分を「磁気回路形成部」と呼ぶ)と、磁気回路を形成する上で影響が小さい部分(以下、この部分を「磁気回路非形成部」と呼ぶ)とが、周方向に交互に存在することになる。即ち、永久磁石が配置された部分のヨークは、磁気回路を形成する上で影響が小さい磁気回路非形成部となるが、永久磁石が配置されていない部分、つまり隣り合う永久磁石の端部間のヨークは、磁気回路を形成する上で影響が大きい磁気回路形成部となる。
ヨークが磁気回路(磁路)の一部を構成する場合、磁路の断面積を決めるヨークの厚みが充分に確保されていることが重要である。ヨークの厚みが充分に確保されていない場合は、ヨーク上の磁路が磁気飽和してしまい、モータの磁気特性が低下して、高トルク化の障害となるからである。
前述したように、絞り加工品よりなるモータケーシングのヨークは、一般的に、全周が同じ厚さで構成される。そのため、磁気特性の向上を追求しようと、磁気回路を形成する上で最も影響の高い磁気回路形成部に合わせてヨークの厚さ(以下、「板厚」または「肉厚」と言う)を決めると、全体が厚くなる。そして、磁気回路を形成する上で最も影響の少ない磁気回路非形成部の厚さが過剰になって板厚ロスになり、軽量化の妨げになるという問題がある。一方、軽量化のためにヨークの厚さを小さくすると、磁気回路形成部の磁気特性が悪化し、高トルク化の妨げになるという問題がある。
そこで、絞り加工の際のプレス絞り型に工夫を加えることにより、周方向における各部の絞り抵抗に差を生じさせ、それにより、ヨークの周方向における板厚に偏差(偏肉)を設ける技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4397503号公報
ところが、絞り加工で特定部分の肉厚を増加させる場合、肉厚の増加に加工上の制限がある。とりわけ磁極数が多くなると、その分、偏肉箇所が多くなり、絞り加工が困難になる。
また、絞り型から加工品を排出するときに焼き付きを起こしやすい。また、絞り加工は、何工程も経て最終製品を得るものであるが、特定部分の肉厚を増加させるために工程数を増やさなくてはならず、コスト高になりやすい等の問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、絞り加工による問題を排除し、コストの上昇を抑制しながら、必要な量だけ板厚に変化を持たせることができ、その結果、軽量化を図りながら、モータの高トルク化に貢献することのできるモータのヨーク、減速機付きモータ、モータのヨークの製造方法、及びモータケーシングの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るモータのヨークは、筒状をなしており、内周に配置される永久磁石の位置に対応して、周方向に交互に、前記永久磁石の磁気回路を形成する上での影響が大きい磁気回路形成部と、前記永久磁石の磁気回路を形成する上での影響が小さい磁気回路非形成部とが存在するモータのヨークにおいて、板厚の厚い厚肉部と板厚の薄い薄肉部とを丸める方向に交互に配置した磁性金属板を丸めて、内周面または外周面のうちの一方の周面が真円筒面とされた筒状体を形成し、その筒状体を、磁性金属よりなる円筒体の内周面または外周面に、前記真円筒面を前記内周面または外周面に密着させた状態で巻き付けて二重構造に形成し、前記厚肉部が配置された部分で前記磁気回路形成部を構成すると共に前記薄肉部が配置された部分で前記磁気回路非形成部を構成したことを特徴とする。
このように構成することで、筒状体に丸める前の磁性金属板の状態のときに、単純な平板塑性加工法により板厚に変化を持たせておくだけで、筒状体に丸めた状態において、周方向に必要な量だけの板厚変化を持たせることができる。従って、その筒状体を、別に作製した円筒体の内周面または外周面に巻き付けて二重構造にすることにより、板厚変化を持ったヨークを構成することができる。即ち、磁気回路形成部は、磁気回路を形成する上で必要充分な板厚に設定することができるし、磁気回路非形成部は、板厚のロスを無くした薄さに設定することができる。
本発明に係るモータのヨークは、筒状をなしており、内周に配置される永久磁石の位置に対応して、周方向に交互に、前記永久磁石の磁気回路を形成する上での影響が大きい磁気回路形成部と、前記永久磁石の磁気回路を形成する上での影響が小さい磁気回路非形成部とが存在するモータのヨークにおいて、磁性金属よりなる円筒体の内周面または外周面の少なくとも一方に部分的に追加磁性金属部材を接合することで、当該接合部分を他の部分よりも実質的な肉厚が大なる部分として形成し、前記追加磁性金属部材を接合した実質的な肉厚が大なる部分で前記磁気回路形成部を構成すると共にそれ以外の部分で前記磁気回路非形成部を構成したことを特徴とする。
このように構成することで、追加磁性金属部材を必要な箇所に接合するだけで、周方向に必要な量だけの板厚変化を持たせることができる。即ち、磁気回路形成部は、磁気回路を形成する上で必要充分な板厚に設定することができるし、磁気回路非形成部は、板厚のロスを無くした薄さに設定することができる。
本発明に係るモータのヨークは、ヨークの内周に配置される前記永久磁石の極数が4極以上とされ、その極数と同数個の前記磁気回路形成部及び前記磁気回路非形成部が設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、4極以上のモータにおいて、軽量化を図りながら高トルク化を実現することができる。
本発明に係る減速機付きモータは、上記に記載のモータのヨークと、前記モータのヨーク内に回転自在に設けられたアーマチュアと、前記アーマチュアの回転軸に連結された減速機構と、を備えたことを特徴とする。
このように構成することで、軽量で高出力な減速機付モータを提供できる。
本発明に係るモータのヨークの製造方法は、筒状をなしており、内周に配置される永久磁石の位置に対応して、周方向に交互に、前記永久磁石の磁気回路を形成する上での影響が大きい磁気回路形成部と、前記永久磁石の磁気回路を形成する上での影響が小さい磁気回路非形成部とが存在するモータのヨークの製造方法において、長方形平板状の磁性金属板の一方の板面を平坦面とし他方の板面を非平坦面とすることで、前記磁性金属板の長手方向に沿って交互に板厚の厚い厚肉部と板厚の薄い薄肉部とが並んだ板厚変化を持つブランク材を形成し、そのブランク材を丸め型により長手方向に沿って筒状に丸めて合わせ部を接合することにより、前記平坦面で形成される内周面または外周面の一方を真円筒面、前記非平坦面で形成される内周面または外周面の他方を非真円筒面となし、それにより、前記厚肉部で前記磁気回路形成部を構成すると共に前記薄肉部で前記磁気回路非形成部を構成することを特徴とする。
このように構成することで、筒状に丸める前の磁性金属板(ブランク材)の状態のときに、単純な平板塑性加工法により容易に板厚に充分な変化を持たせておくことができる。その塑性加工の際に、筒状に丸められた状態で真円筒面となる側を、丸める前の磁性金属板の状態のときに平坦面として構成しておくことができる。従って、その平坦面となる一方の板面を基準として他方の板面を成形することにより、容易に板厚に変化を持たせることができる。その結果、筒状に丸めた状態において、周方向に必要な量だけの板厚変化を持たせることができる。即ち、磁気回路形成部は、磁気回路を形成する上で必要充分な板厚に設定することができるし、磁気回路非形成部は、板厚のロスを無くした薄さに設定することができる。
本発明に係るモータのヨークの製造方法は、筒状をなしており、内周に配置される永久磁石の位置に対応して、周方向に交互に、前記永久磁石の磁気回路を形成する上での影響が大きい磁気回路形成部と、前記永久磁石の磁気回路を形成する上での影響が小さい磁気回路非形成部とが存在するモータのヨークにおいて、長方形平板状の磁性金属板の一方の板面を平坦面とし他方の板面を非平坦面とすることで、前記磁性金属板の長手方向に沿って交互に板厚の厚い厚肉部と板厚の薄い薄肉部とが並んだ板厚変化を持つブランク材を形成し、そのブランク材を丸め型により長手方向に沿って筒状に丸めて合わせ部を接合することにより、前記平坦面で形成される内周面または外周面の一方を真円筒面、前記非平坦面で形成される内周面または外周面の他方を非真円筒面となした筒状体を形成し、その筒状体を、磁性金属よりなる円筒体の内周面または外周面に、前記真円筒面を前記内周面または外周面に密着させた状態で巻き付けて二重構造に形成し、前記厚肉部が配置された部分で前記磁気回路形成部を構成すると共に前記薄肉部が配置された部分で前記磁気回路非形成部を構成することを特徴とする。
このように構成することで、筒状体に丸める前の磁性金属板(ブランク材)の状態のときに、単純な平板塑性加工法により容易に板厚に充分な変化を持たせておくことができる。その塑性加工の際に、筒状に丸められた状態で真円筒面となる側を、丸める前の磁性金属板の状態のときに平坦面として構成しておくことができる。従って、その平坦面となる一方の板面を基準として他方の板面を成形することにより、容易に板厚に変化を持たせることができる。その結果、筒状体に丸めた状態において、周方向に必要な量だけの板厚変化を持たせることができ、その筒状体を、別に用意した円筒体の内周面または外周面に巻き付けて二重構造にすることにより、板厚変化を持ったヨークを構成することができる。即ち、磁気回路形成部は、磁気回路を形成する上で必要充分な板厚に設定することができるし、磁気回路非形成部は、板厚のロスを無くした薄さに設定することができる。
本発明に係るモータケーシングの製造方法は、前記モータのヨークの製造方法にて作製した筒状のヨークの後端に、モータ軸の後端を回転自在に支持する軸受の嵌合支持部を有する後部カバーを接合し、前記ヨークの前端に、減速機のケーシングに連結するための外向きフランジを接合してモータケーシングを作製することを特徴とする。
このように構成することで、ヨークに必要な板厚変化を持たせたヨークを有するモータケーシングを容易に製造することができる。
本発明によれば、絞り加工による問題を排除し、コストの上昇を抑制しながら、必要な量だけ板厚に変化を持たせたヨークを得ることができる。従って、軽量化を図りながら、モータの高トルク化に貢献することができる。
本発明の実施形態におけるヨーク(モータケーシング)を使用した減速機付きモータの外観側面図である。 本発明の概要を説明するための図で、(a)は比較のために示す従来のヨークの磁気回路の説明図、(b)は本発明のヨークの磁気回路を誇張して示す説明図である。 本発明の第1実施形態におけるヨーク及びヨークを含むモータケーシングの説明図で、(a)は図1のA−A矢視断面に相当する断面図、(b)はヨークの板厚変化を誇張して示すイメージ図である。 本発明の第2実施形態におけるヨーク及びヨークを含むモータケーシングの説明図で、(a)は図1のA−A矢視断面に相当する断面図、(b)はヨークの板厚変化を誇張して示すイメージ図である。 (a)〜(d)は前記第1実施形態におけるヨークと第2実施形態におけるヨークの製造方法及びそのヨークを用いたモータケーシングの製造方法の説明図である。 (a)は図5中のブランク材の拡大図、(b)はその一部の板厚変化が分かるように示す拡大側面図である。 本発明の第3実施形態におけるヨーク及びヨークを含むモータケーシングの説明図で、(a)は図1のA−A矢視断面に相当する断面図、(b)はヨークの板厚変化を誇張して示すイメージ図である。 本発明の第4実施形態におけるヨーク及びヨークを含むモータケーシングの説明図で、(a)は図1のA−A矢視断面に相当する断面図、(b)はヨークの板厚変化を誇張して示すイメージ図である。 本発明の第5実施形態のヨーク及びヨークを含むモータケーシングの説明図で、(a)は外観斜視図、(b)はヨークの板厚変化を誇張して示す断面図である。 本発明の第6実施形態におけるヨーク及びヨークを含むモータケーシングの説明図で、図1のA−A矢視断面に相当する断面図である。 本発明の第7実施形態におけるヨーク及びヨークを含むモータケーシングの説明図で、図1のA−A矢視断面に相当する断面図である。 本発明の第8実施形態におけるヨーク及びヨークを含むモータケーシングの説明図で、図1のA−A矢視断面に相当する断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、実施形態におけるヨーク(モータケーシング)を使用した減速機付きモータの外観側面図である。この減速機付きモータの外観は後述する各実施形態に共通しており、まず、この減速機付きモータについて簡単に述べる。
(減速機付きモータ)
この減速機付きモータ1は、例えば、自動車に搭載されるワイパ駆動装置として用いられるものであって、電動モータ2と、この電動モータ2の回転出力を減速して出力軸6から取り出す減速機構部3と、を組み合わせた構造になっている。電動モータ2と減速機構部3は、電動モータ2のモータケーシング2Aの前端に設けられたフランジ12を、減速機構部3のケーシング4の端部に設けられたフランジ5にボルトで結合することにより一体化されている。
電動モータ2のモータケーシング2Aは、内周にステータマグネットとしての永久磁石が配置される筒状(主に円筒状であるが、角筒状であってもよい)のヨーク10と、その筒状のヨーク10の後端開口を閉塞するように設けられた後部カバー11と、そのヨーク10の前端開口の外周に設けられた前述の外向きフランジ12と、を一体に備えるものとして構成されている。
電動モータ2は、いわゆる直流ブラシモータであって、モータケーシング2Aの内部にステータマグネットとしての永久磁石(図1では不図示)を配置し、その内部に回転軸92を備えたアーマチュア91が回転自在に設けられている。そして、回転軸92の少なくとも後端を不図示の軸受で回転自在に支持し、アーマチュアコイルにコンミテータ93を介して不図示のブラシから電流を供給するようになっている。
(ヨークと永久磁石の関係)
モータケーシング2Aの筒状のヨーク10の内周には永久磁石が配置されている。
図2は、本発明の概要を説明するための図で、(a)は比較例として示す従来のヨークの磁気回路の説明図、(b)は本発明のヨークの磁気回路を誇張して示す説明図である。なお、図2(a)、図2(b)は、ヨークと永久磁石の関係をモータの軸方向から見て示している。
図2(a)、図2(b)に示すように、複数の永久磁石20は、ヨーク10の周方向に一定ピッチで配列され、ヨーク10の内周面に密着して配置されている。各永久磁石20は、厚さ方向(モータの径方向)の両端面(内周面と外周面)に磁極が位置するように着磁されており、隣り合う永久磁石20は極性が逆に設定されている。即ち、隣り合う永久磁石20のうち、一方の永久磁石20は、内周面がN極、外周面がS極に着磁され、他方の永久磁石20は、外周面がN極、内周面がS極に着磁されている。従って、隣り合う永久磁石20のモータ周方向における端部間には、図2(a)、図2(b)中の矢印で示すような、ヨーク10を通過する磁気回路が形成される。
(磁気回路形成部と磁気回路非形成部)
全周連続するヨーク10には、永久磁石20の配置位置に応じて、磁気回路を形成する上での影響の大きい磁気回路形成部10aと、磁気回路を形成する上での影響が小さい磁気回路非形成部10bとが周方向に交互に存在する。即ち、隣り合う永久磁石20の端部間に相当するヨーク10上の部位は、永久磁石20の磁気回路を形成する上での影響が最も大きい部分であり、この部分が磁気回路形成部10aに相当する。また、永久磁石20が配置されたヨーク10上の部位は、磁気回路を形成する上での影響が小さい部分であり、この部分が磁気回路非形成部10bに相当する。
(ヨークが全周均等な板厚である場合の問題)
図2(a)に比較例を示すように、従来のヨーク10は全周の板厚(肉厚)が均等であったので、磁気回路形成部10aの性能に注目してヨーク10の板厚を決めると、磁気回路非形成部10bで板厚が厚すぎるロスが生じる問題があった。また、軽量化のために磁気回路非形成部10bに注目してヨーク10の板厚を決めると、磁気回路形成部10aで板厚不足による磁気特性悪化が生じる問題があった。
(本発明のヨークの概要)
そこで、本発明では、図2(b)に示すように、必要な部分だけ、つまり、磁気回路形成部10aだけヨーク10の板厚を厚くした厚肉部15を設け、他の部分、つまり、磁気回路非形成部10bはヨーク10の板厚を薄くすることで、軽量化と磁気特性向上の両立を図るようにしている。
以下、個別に各実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図3は、本発明の第1実施形態におけるヨーク及びモータケーシングの説明図で、(a)は図1のA−A矢視断面に相当する断面図、(b)はヨークの板厚変化を誇張して示すイメージ図である。
図3(a)に示す第1実施形態のヨーク100は、図1に示したモータケーシング2Aのヨーク10として利用されるものである。ヨーク100の後端には、図示しないモータ軸の後端を回転自在に支持する軸受14のホルダ(嵌合支持部)13を有する後部カバー11が接合されている。
このヨーク100は、4極モータのヨークで、略円筒状をなしている。ヨーク100は、内周に等ピッチで配置される4つの永久磁石20の位置に対応して、周方向に交互に、永久磁石20の磁気回路を形成する上での影響が大きい磁気回路形成部10aと、永久磁石20の磁気回路を形成する上での影響が小さい磁気回路非形成部10bと、を有している。4つ(4極)の永久磁石20が円周方向に90°ピッチで配置されるため、磁気回路形成部10aと磁気回路非形成部10bもそれぞれ4つ存在する。
例えば、1つの磁気回路形成部10aの位置を円周方向における0°の位置とすると、他の3つは、90°、180°、270°の位置にある。また、磁気回路非形成部10bは、それら磁気回路形成部10aの間に位置している。
また、このヨーク100は、板厚の厚い厚肉部111と板厚の薄い薄肉部112とを丸める方向に交互に配置した長方形平板状の磁性金属板(ブランク材)110を、丸めて略円筒状に形成することにより構成されている。厚肉部111の板厚をtaとし、薄肉部112の板厚をtbすると、ta、tbの関係はta>tbである。そして、図3(b)のイメージ図に肉厚の変化を誇張して示すように、厚肉部101(111)で磁気回路形成部10aを構成すると共に、薄肉部102(112)で磁気回路非形成部10bを構成している。厚肉部101(111)と薄肉部102(112)との間は、滑らかに板厚が変化している。
なお、図3においては、後述する製造方法の説明との関係から、丸める前の長方形平板状の磁性金属板(ブランク材)110の段階の厚肉部と薄肉部を、それぞれ符号「111」と「112」で表し、筒状に丸めたヨーク100の段階での厚肉部と薄肉部を、それぞれ符号「101」と「102」で表している。薄肉部102(112)を通常肉厚部とみると、厚肉部101(111)は、偏肉部と言うことができる。
ここで、この実施形態のヨーク100では、長方形平板状の磁性金属板(ブランク材)110を略円筒状に丸めるときに、内周面が真円筒面100Aとなり、外周面が非真円筒面100Bとなるように丸めている。真円筒面100Aとは、軸線方向から見たとき真円になっている周面のこと、また、非真円筒面100Bとは、軸線方向から見たとき非真円になっている(真円になっていない)周面のことである。
内周面が非真円筒面となり、外周面が真円筒面となるように、磁性金属板(ブランク材)110を丸めることもできる。次にその実施形態を挙げる。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態におけるヨーク及びモータケーシングの説明図で、(a)は図1のA−A矢視断面に相当する断面図、(b)はヨークの板厚変化を誇張して示すイメージ図である。
図4(a)に示す第2実施形態のヨーク200と、図3(a)に示した第1実施形態のヨーク100の違いは、第1実施形態のヨーク100では、内周面が真円筒面100A、外周面が非真円筒面100Bとなっているのに対し、第2実施形態のヨーク200では、図4(b)のイメージ図に肉厚の変化を誇張して示すように、内周面が非真円筒面200B、外周面が真円筒面200Aとなっていることである。
それ以外の点、即ち、厚肉部201(111)で磁気回路形成部10aが構成されると共に、薄肉部202(112)で磁気回路非形成部10bが構成されている点や、厚肉部201(111)と薄肉部202(112)との間で滑らかに板厚が変化している点などは、第1実施形態のヨーク100と同じである。
以上の第1実施形態のヨーク100や第2実施形態のヨーク200によれば、円筒状に丸める前の磁性金属板(ブランク材)110の状態のときに、単純な平板塑性加工法(圧延やプレス等)により板厚に変化を持たせておくことだけで、筒状に丸めた状態において、周方向に必要な量だけの板厚変化を持たせることができる。即ち、磁気回路形成部10aは、磁気回路を形成する上で必要充分な板厚taに設定することができるし、磁気回路非形成部10bは、板厚のロスを無くした薄さの板厚tbに設定することができる。
また、内周面または外周面のいずれかを真円筒面100A、200Aとして構成しているので、筒状に丸められた状態で真円筒面100A、200Aとなる側を、丸める前の磁性金属板(ブランク材)110の状態のときに平坦面110Aとして構成しておくことができる。従って、その平坦面110Aとなる一方の板面を基準として、他方の板面(非平坦面110B)を成形することにより、容易に板厚に変化を持たせることができ、円筒状に丸めた状態において、周方向に必要な量だけの板厚変化を持たせることができる。
このように、第1実施形態及び第2実施形態のヨーク100、200は、絞り加工によらずに作製することができ、コストの上昇を抑制しながら、必要な量だけ板厚に変化を持たせることができ、軽量化を図りながら、モータの高トルク化に貢献することができる。
(ヨーク及びモータケーシングの製造方法)
次に、第1実施形態のヨーク100や第2実施形態のヨーク200を有するモータケーシングの製造方法について、図5及び図6を参照して説明する。
第1実施形態のヨーク100や第2実施形態のヨーク200を製造する場合は、まず、図5(a)に示すように、長方形平板状の磁性金属のブランク材109をプレスカットで作製する。この段階で、長手方向の両端や両側縁に、丸めた時に互いに係合させるための係合部105、106や、後部カバー11やフランジ12を後付けするための係合部107、108を設けておく。
次に、肉厚一定のブランク材109の一方の板面を平坦なままの基準面とし、他方の板面を、非平坦な加工面となるよう板厚調整加工を行う。例えば、圧延によって板厚調整加工を行う場合は、上下の圧延ロール間のギャップを制御したりして、肉厚に変化を持たせる。また、プレスで肉厚変化を設けることもできる。図6(a)は肉厚変化を設けた後のブランク材110の概略構成を示し、図6(b)はその一部の板厚変化が分かるように示す拡大側面図である。
図6(a)、(b)に示すように、肉厚変化を設けた後のブランク材(磁性金属板)110には、長手方向に沿って交互に、板厚の厚い厚肉部111(板厚taの部分)と板厚の薄い薄肉部112(板厚tbの部分)とが形成され、厚肉部111と薄肉部112の間は滑らかに板厚が変化している。また、一方の板面(図中下面)が平坦面110Aとされ、他方の板面(図中上面)が非平坦面110Bとされている。
次に、このように板厚変化を持たせた長方形平板状のブランク材110を、図5(b−1)、(b−2)に示すように、ロール成形等の手法により略円筒状に丸める。丸める際に、図5(b−1)の矢印X1で示すように、平坦面110Aが内周側、非平坦面110Bが外周側となるように、しかも内周面が真円筒面100Aとなるように丸めると、第1実施形態のヨーク100を作製することができる。また、図5(b−2)の矢印X2で示すように、平坦面110Aが外周側、非平坦面110Bが内周側となるように、しかも、外周面が真円筒面200Aとなるように丸めると、第2実施形態のヨーク200を作製することができる。丸めた後は、図5(c)に示すように、合わせ目の係合部105、106を互いに係合させることで、第1実施形態のヨーク100または第2実施形態のヨーク200が出来上がる。
その後、図5(d)に示すように、以上の工程で作製した筒状のヨーク100、200の後端に後部カバー11を係合部108を用いて接合し、ヨーク100、200の前端に係合部107を用いてフランジ12を接合することで、モータケーシング2Aを作製することができる。
以上のように、筒状に丸める前のブランク材110の状態のときに、単純な平板塑性加工法(圧延やプレスなど)により容易に板厚に充分な変化を持たせておくことができる(偏肉量の制御が容易)。特に板厚調整の際に、筒状に丸められた状態で真円筒面100A、200Aとなる側を、丸める前のブランク材110の状態のときに平坦面110Aとして構成しておくことができる。従って、その平坦面110Aとなる板面を基準として他方の板面を成形することにより、容易に板厚に変化を持たせることができる。
その結果、筒状に丸めたヨーク100、200の状態において、周方向に必要な量だけの板厚変化を持たせることが容易にできる。即ち、磁気回路形成部10aは、磁気回路を形成する上で必要充分な板厚taに設定することができるし、磁気回路非形成部10bは、板厚のロスを無くした薄さ(板厚tb)に設定することができる。
従って、絞り加工によらずに、コストの上昇を抑制しながら、必要な量だけ板厚に変化を持たせたヨーク100、200を得ることができ、軽量化を図りながら、モータの高トルク化に貢献することができる。また、絞り加工によらずに、平板材を丸めてヨーク100、200を作製するため、絞り加工の場合のような加工品の排出時の焼き付きの問題や絞り工程が増加するなどの問題を生じるおそれがない。
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態では、4極モータのヨークについて説明したが、6極以上であっても同様である。6極の場合の実施形態を以下に説明する。
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態におけるヨーク及びモータケーシングの説明図で、(a)は図1のA−A矢視断面に相当する断面図、(b)はヨークの板厚変化を誇張して示すイメージ図である。
図7(a)に示す第3実施形態のヨーク300も、図1に示したモータケーシング2Aのヨーク10として利用されるものである。なお、この第3実施形態のヨーク10は、6極モータとして構成されていることとする。しかしながら、ヨークの磁極数はこれに限られるものではない。
図7(a)に示す第3実施形態のヨーク300と図3(a)に示した第1実施形態のヨーク100の違いは、極数の違いに応じた構成の違いだけである。
このヨーク300は、6極モータのヨークであり、内周に等ピッチで配置される6つの永久磁石21の位置に対応して、周方向に交互に、永久磁石21の磁気回路を形成する上での影響が大きい磁気回路形成部10aと、永久磁石21の磁気回路を形成する上での影響が小さい磁気回路非形成部10bと、を有している。6つ(6極)の永久磁石21が円周方向に60°ピッチで配置されるため、磁気回路形成部10aと磁気回路非形成部10bも、それぞれ6つずつ存在する。
例えば、1つの磁気回路形成部10aの位置を円周方向における0°の位置とすると、他の5つは、60°、120°、180°、240°、300°の位置にある。また、磁気回路非形成部10bは、それら磁気回路形成部10aの間に位置している。
また、このヨーク300は、板厚の厚い厚肉部311と板厚の薄い薄肉部312とを丸める方向に交互に配置した長方形平板状の磁性金属板(ブランク材)310を丸めて略円筒状に形成することにより構成されている。厚肉部301(311)の板厚をtaとし、薄肉部302(312)の板厚をtbすると、ta、tbの関係はta>tbである。この場合の丸める前のブランク材310の形は、図示していないが、図6の例と同様に、厚肉部311と薄肉部312を交互に配置したものである。ただし、図6のものと違って、厚肉部311と薄肉部312の数がそれぞれ6つに設定されている。
そして、図7(b)のイメージ図に肉厚の変化を誇張して示すように、厚肉部301(311)で磁気回路形成部10aを構成すると共に、薄肉部302(312)で磁気回路非形成部10bを構成している。また、厚肉部301(311)と薄肉部302(312)との間は、滑らかに板厚が変化している。
また、この第3実施形態のヨーク300では、長方形平板状の磁性金属板(ブランク材)310を略円筒状に丸めるときに、内周面が真円筒面300Aとなり、外周面が非真円筒面300Bとなるように丸めている。その反対に丸めたものが次の第4実施形態である。
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態におけるヨーク及びモータケーシングの説明図で、(a)は図1のA−A矢視断面に相当する断面図、(b)はヨークの板厚変化を誇張して示すイメージ図である。
図8(a)に示す第4実施形態のヨーク400と、図7(a)に示した第3実施形態のヨーク300の違いは、第3実施形態のヨーク300では、内周面が真円筒面300A、外周面が非真円筒面300Bとなっているのに対し、第4実施形態のヨーク400では、図8(b)のイメージ図に肉厚の変化を誇張して示すように、内周面が非真円筒面400B、外周面が真円筒面400Aとなっていることである。
それ以外の点、即ち、厚肉部401(311)で磁気回路形成部10aが構成され、薄肉部402(312)で磁気回路非形成部10bが構成されている点や、厚肉部401(311)と薄肉部402(312)との間で滑らかに板厚が変化している点などは、第3実施形態のヨーク300と同じである。
これら第3実施形態のヨーク300及び第4実施形態のヨーク400も、第1、第2実施形態のヨーク100、200と同様の方法で製造することができ、同様の効果を奏することができる。
次に更に別の実施形態を説明する。
上述した第1〜第4実施形態では、1枚の板材を丸めて構成したヨーク100〜400の例を示したが、巻き付ける板材に板厚変化を持たせておき、その板材を、別に作製した円筒体の外周面や内周面に巻き付けて二重構造に構成することで、略円筒状に形成したヨークに周方向の肉厚変化を持たせることもできる。
(第5実施形態)
図9は、本発明の第5実施形態のヨーク及びヨークを含むモータケーシングの説明図で、(a)は外観斜視図、(b)はヨークの板厚変化を誇張して示す断面図である。
図9(a)に示す第5実施形態のヨーク500も、図1に示したモータケーシング2Aのヨーク10として利用されるものである。なお、この第5実施形態のヨーク10は、4極モータとして構成されていることとする。しかしながら、ヨークの磁極数はこれに限られるものではない。
このヨーク500は、図9(a)、(b)に示すように、予め全周の肉厚が均等な真円筒体として形成された磁性金属よりなるベースヨーク部材(円筒体)520の外周面に、図6に示した、肉厚変化を持たせたブランク材110を巻き付けて、ベースヨーク部材520とブランク材110よりなるサブヨーク部材(筒状体)510の二重構造になしたものである。ベースヨーク部材520としては、従来の絞り加工品を用いることができる。
ブランク材110は、前述したように、板厚の厚い厚肉部111と板厚の薄い薄肉部112とを丸める方向に交互に配置したもので、平坦面110Aを内周側にし、非平坦面110Bを外周側にして円筒状に丸める。そして、ベースヨーク部材520の外周面に密着させた状態でブランク材110を巻き付けることで、ベースヨーク部材520とサブヨーク部材510の二重構造のヨーク500を構成している。
従って、ブランク材110の厚肉部111が配置され部分が、ヨーク500の厚肉部501として磁気回路形成部10aを構成し、ブランク材110の薄肉部112が配置され部分が、ヨーク500の薄肉部502として磁気回路非形成部10bを構成している。このヨーク500では、内周面が真円筒面500Aとなり、外周面が非真円筒面となる。
このように二重構造に構成することで、サブブランク部材510に丸める前のブランク材110の状態のときに、単純な平板塑性加工法(圧延やプラスなど)により容易に板厚に充分な変化を持たせておくことができる。その塑性加工の際に、筒状に丸められた状態で真円筒面となる側を、丸める前のブランク材110の状態のときに平坦面110Aとして構成しておくことができる。従って、その平坦面110Aとなる一方の板面を基準として他方の板面を成形することにより、容易に板厚に変化を持たせることができる。
その結果、サブヨーク部材510に丸めた状態において、周方向に必要な量だけの板厚変化を持たせることができ、そのサブヨーク部材510を、別に用意したベースヨーク部材520の外周面に巻き付けて二重構造にするだけで、板厚変化を持ったヨーク500を構成することができる。即ち、磁気回路形成部10aは、磁気回路を形成する上で必要充分な板厚taに設定することができるし、磁気回路非形成部は、板厚のロスを無くした薄さtbに設定することができる。その他の効果は第1実施形態と同様である。
なお、上述の第5実施形態では、ベースヨーク部材520の外周面にサブヨーク部材510を巻き付けて配置した場合を示したが、ベースヨーク部材520の内周面にサブヨーク部材510を巻き付けて配置することも可能である。その場合は、ブランク材110を、その平坦面110Aが外周側となるように丸めて、ベースヨーク部材520の内周面(真円筒面)に、ブランク材110の平坦面110Aで形成される真円筒面が密着するように配置する。
(第6実施形態)
図10は、本発明の第6実施形態におけるヨーク及びヨークを含むモータケーシングの説明図で、図1のA−A矢視断面に相当する断面図である。
図10に示す第6実施形態のヨーク600も、図1に示したモータケーシング2Aのヨーク10として利用されるものである。なお、この第6実施形態のヨーク10は、4極モータとして構成されていることとする。しかしながら、ヨークの磁極数はこれに限られるものではない。
このヨーク600は、図10に示すように、予め全周の肉厚が均等な真円筒体として形成された磁性金属よりなるベースヨーク部材(円筒体)610の外周面の所定箇所(磁気回路形成部10a)に、部分的に追加磁性金属部材605が接合されている。これにより、追加磁性金属部材605を接合した部分を、他の部分よりも実質的な肉厚が大なる部分(厚肉部601)として形成したものである。
従って、他の部分は薄肉部602となり、内周面610Aも外周面610Bも真円筒面として構成されている。このヨーク600では、追加磁性金属部材605を接合した実質的な肉厚が大なる部分(厚肉部601)で磁気回路形成部10aが構成され、それ以外の部分(薄肉部602)で磁気回路非形成部10bが構成されている。
なお、追加磁性金属部材605は、ベースヨーク部材610に密着して接合されるものであれば何でもよく、追加磁性金属部材605を接合する箇所には予め凹部や凸部606を設けておくことで接合強度を増すことができる。また、ベースヨーク部材610としては、従来の絞り加工品を用いることができる。
また、図10に示した第6実施形態では、ベースヨーク部材610の外周面に追加磁性金属部材605を接合した場合を示したが、ベースヨーク部材610の内周面に追加磁性金属部材を接合することもできる。
(第7実施形態)
図11は、本発明の第7実施形態におけるヨーク及びヨークを含むモータケーシングの説明図で、図1のA−A矢視断面に相当する断面図である。
図11に示すように、この第7実施形態のヨーク700では、予め全周の肉厚が均等な真円筒体として形成された磁性金属よりなるベースヨーク部材(円筒体)の内周面の所定箇所(磁気回路形成部10a)に、部分的に追加磁性金属部材705が接合されている。これにより、追加磁性金属部材705を接合した部分を、他の部分よりも実質的な肉厚が大なる部分(厚肉部701)として形成している。従って、他の部分は薄肉部702となっている。このヨーク700では、追加磁性金属部材705を接合した実質的な肉厚が大なる部分(厚肉部701)で磁気回路形成部10aが構成され、それ以外の部分(薄肉部702)で磁気回路非形成部10bが構成されている。
この場合も、追加磁性金属部材705は、ベースヨーク部材610に密着して接合されるものであれば何でもよく、追加磁性金属部材705を接合する箇所には予め凹部や凸部706を設けておくことで接合強度を増すことができる。また、ベースヨーク部材610としては、従来の絞り加工品を用いることができる。
以上の第6、第7実施形態によれば、追加磁性金属部材605、705を必要な箇所に接合するだけで、周方向に必要な量だけの板厚変化を持たせることができる。即ち、磁気回路形成部10aは、磁気回路を形成する上で必要充分な板厚に設定することができるし、磁気回路非形成部10bは、板厚のロスを無くした薄さに設定することができる。従って、第1〜第5実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第8実施形態)
図12は、本発明の第8実施形態におけるヨーク及びヨークを含むモータケーシングの説明図で、図1のA−A矢視断面に相当する断面図である。
上述した第1〜第7実施形態では、略円筒状のヨーク100、200、300、400、500、600、700について示したが、円筒形状以外のヨークについても、周方向に肉厚変化を持たせることで、同様の効果を得ることができる。
図12に示す第8実施形態のヨーク800も、図1に示したモータケーシング2Aのヨーク10として利用されるものである。なお、この第8実施形態のヨーク10は、6極モータとして構成されていることとする。しかしながら、ヨークの磁極数はこれに限られるものではない。
このヨーク800では、外周面を多角形筒状面810Bとして形成し、内周面を、外周面よりも角を丸めた略相似形状の多角形筒状面810Aまたは円筒面として形成している。そして、それにより、多角形筒状面810Bとして形成した外周面の角に相当する部分を、他の部分よりも肉厚の大きい肉厚部801(板厚taの部分)として形成し、その肉厚部801で磁気回路形成部10aを構成している。また、それ以外の部分、つまり、肉厚tbの薄い薄肉部802で磁気回路非形成部10bを構成している。この場合は、内周面も多角形状であるので、永久磁石22は、円弧面状のものではなく、平板状のものを採用している。
この第8実施形態によれば、周方向に必要な量だけの板厚変化を持たせることができ、磁気回路形成部10aは、磁気回路を形成する上で必要充分な板厚taに設定することができるし、磁気回路非形成部10bは、板厚のロスを無くした薄さtbに設定することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、減速機付きモータ1は、自動車に搭載されるワイパ駆動装置として用いられるものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、様々な駆動装置に減速機付きモータ1を適用することが可能である。
1…減速機付きモータ
2…電動モータ
2A…モータケーシング
3…減速機構部(減速機構)
4…減速機ケーシング
5…フランジ
6…出力軸
10…ヨーク
10a…磁気回路形成部
10b…磁気回路非形成部
11…後部カバー
12…フランジ
20,21,22…永久磁石
91…アーマチュア
92…回転軸
100…ヨーク
100A…真円筒面
100B…非真円筒面
101…厚肉部
102…薄肉部
110…ブランク材(磁性金属板)
110A…平坦面
110B…非平坦面
111…厚肉部
112…薄肉部
200…ヨーク
200A…真円筒面
200B…非真円筒面
201…厚肉部
202…薄肉部
300…ヨーク
300A…真円筒面
300B…非真円筒面
301…厚肉部
302…薄肉部
310…ブランク材(磁性金属板)
310A…平坦面
310B…非平坦面
311…厚肉部
312…薄肉部
400…ヨーク
400A…真円筒面
400B…非真円筒面
401…厚肉部
402…薄肉部
500…ヨーク
500A…真円筒面
500B…非真円筒面
501…厚肉部
502…薄肉部
510…サブヨーク部材(筒状体)
520…ベースヨーク部材(円筒体)
600…ヨーク
600A…真円筒面
600B…非真円筒面
601…厚肉部
602…薄肉部
605…追加磁性金属部材
610…ベースヨーク部材(円筒体)
610A…内周面
610B…外周面
700…ヨーク
701…厚肉部
702…薄肉部
705…追加磁性金属部材
800…ヨーク
801…厚肉部
802…薄肉部

Claims (7)

  1. 筒状をなしており、内周に配置される永久磁石の位置に対応して、周方向に交互に、前記永久磁石の磁気回路を形成する上での影響が大きい磁気回路形成部と、前記永久磁石の磁気回路を形成する上での影響が小さい磁気回路非形成部とが存在するモータのヨークにおいて、
    板厚の厚い厚肉部と板厚の薄い薄肉部とを丸める方向に交互に配置した磁性金属板を丸めて、内周面または外周面のうちの一方の周面が真円筒面とされた筒状体を形成し、その筒状体を、磁性金属よりなる円筒体の内周面または外周面に、前記真円筒面を前記内周面または外周面に密着させた状態で巻き付けて二重構造に形成し、前記厚肉部が配置された部分で前記磁気回路形成部を構成すると共に前記薄肉部が配置された部分で前記磁気回路非形成部を構成したことを特徴とするモータのヨーク。
  2. 筒状をなしており、内周に配置される永久磁石の位置に対応して、周方向に交互に、前記永久磁石の磁気回路を形成する上での影響が大きい磁気回路形成部と、前記永久磁石の磁気回路を形成する上での影響が小さい磁気回路非形成部とが存在するモータのヨークにおいて、
    磁性金属よりなる円筒体の内周面または外周面の少なくとも一方に部分的に追加磁性金属部材を接合することで、当該接合部分を他の部分よりも実質的な肉厚が大なる部分として形成し、前記追加磁性金属部材を接合した実質的な肉厚が大なる部分で前記磁気回路形成部を構成すると共にそれ以外の部分で前記磁気回路非形成部を構成したことを特徴とするモータのヨーク。
  3. ヨークの内周に配置される前記永久磁石の極数が4極以上とされ、その極数と同数個の前記磁気回路形成部及び前記磁気回路非形成部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のモータのヨーク。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のモータのヨークと、
    前記モータのヨーク内に回転自在に設けられたアーマチュアと、
    前記アーマチュアの回転軸に連結された減速機構と、を備えたことを特徴とする減速機付きモータ。
  5. 筒状をなしており、内周に配置される永久磁石の位置に対応して、周方向に交互に、前記永久磁石の磁気回路を形成する上での影響が大きい磁気回路形成部と、前記永久磁石の磁気回路を形成する上での影響が小さい磁気回路非形成部とが存在するモータのヨークの製造方法において、
    長方形平板状の磁性金属板の一方の板面を平坦面とし他方の板面を非平坦面とすることで、前記磁性金属板の長手方向に沿って交互に板厚の厚い厚肉部と板厚の薄い薄肉部とが並んだ板厚変化を持つブランク材を形成し、そのブランク材を丸め型により長手方向に沿って筒状に丸めて合わせ部を接合することにより、前記平坦面で形成される内周面または外周面の一方を真円筒面、前記非平坦面で形成される内周面または外周面の他方を非真円筒面となし、それにより、前記厚肉部で前記磁気回路形成部を構成すると共に前記薄肉部で前記磁気回路非形成部を構成することを特徴とするモータのヨークの製造方法。
  6. 筒状をなしており、内周に配置される永久磁石の位置に対応して、周方向に交互に、前記永久磁石の磁気回路を形成する上での影響が大きい磁気回路形成部と、前記永久磁石の磁気回路を形成する上での影響が小さい磁気回路非形成部とが存在するモータのヨークにおいて、
    長方形平板状の磁性金属板の一方の板面を平坦面とし他方の板面を非平坦面とすることで、前記磁性金属板の長手方向に沿って交互に板厚の厚い厚肉部と板厚の薄い薄肉部とが並んだ板厚変化を持つブランク材を形成し、そのブランク材を丸め型により長手方向に沿って筒状に丸めて合わせ部を接合することにより、前記平坦面で形成される内周面または外周面の一方を真円筒面、前記非平坦面で形成される内周面または外周面の他方を非真円筒面となした筒状体を形成し、その筒状体を、磁性金属よりなる円筒体の内周面または外周面に、前記真円筒面を前記内周面または外周面に密着させた状態で巻き付けて二重構造に形成し、前記厚肉部が配置された部分で前記磁気回路形成部を構成すると共に前記薄肉部が配置された部分で前記磁気回路非形成部を構成することを特徴とするモータのヨークの製造方法。
  7. 請求項またはに記載のモータのヨークの製造方法にて作製した筒状のヨークの後端に、モータ軸の後端を回転自在に支持する軸受の嵌合支持部を有する後部カバーを接合し、前記ヨークの前端に、減速機のケーシングに連結するための外向きフランジを接合してモータケーシングを作製することを特徴とするモータケーシングの製造方法。
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