JP2015050422A - 樹脂多層基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線が同一箇所に集中していても積層、圧着時の配線のずれを防ぐことができる樹脂多層基板を提供する。
【解決手段】樹脂多層基板101は、複数の樹脂層2を積層した積層体1を含む樹脂多層基板であって、複数の樹脂層2は、積層体1の厚み方向の中間部に位置する第1樹脂層2aおよび厚み方向の中間部において第1樹脂層2aの上側に隣接する第2樹脂層2bを含む。第1樹脂層2aの上面に長手方向に延在する第1導体パターン7aが配置されている。第2樹脂層2bの上面に、第1導体パターン7aの長手方向と同じ方向に延在する第2導体パターン7bが第1導体パターン7aと重なるように配置されている。第1樹脂層2aの上面のうち第1導体パターン7aに沿う領域に凹部15が設けられている。第2樹脂層2bの一部が凹部15に入り込んでいる。
【選択図】図1
【解決手段】樹脂多層基板101は、複数の樹脂層2を積層した積層体1を含む樹脂多層基板であって、複数の樹脂層2は、積層体1の厚み方向の中間部に位置する第1樹脂層2aおよび厚み方向の中間部において第1樹脂層2aの上側に隣接する第2樹脂層2bを含む。第1樹脂層2aの上面に長手方向に延在する第1導体パターン7aが配置されている。第2樹脂層2bの上面に、第1導体パターン7aの長手方向と同じ方向に延在する第2導体パターン7bが第1導体パターン7aと重なるように配置されている。第1樹脂層2aの上面のうち第1導体パターン7aに沿う領域に凹部15が設けられている。第2樹脂層2bの一部が凹部15に入り込んでいる。
【選択図】図1
Description
本発明は、樹脂多層基板およびその製造方法に関するものである。
熱可塑性樹脂を主材料とする樹脂多層基板を得るには、樹脂シートを積み重ねて積層体とし、圧着することによって作製する方法が知られている。この方法では、樹脂シートの表面に予め導体パターンを形成しておき、この導体パターンが積層体の内部に含まれるように積層することによって、樹脂多層基板の内部に配線が設けられる。樹脂多層基板において、断面図で見て上下方向に並ぶように配線の位置が集中する場合がある。すなわち、平面的に見て同じ位置に複数の層の配線が重なって集中する場合がある。
単純化した例を示す。たとえば図31〜図35に平面図で示すような樹脂シートが上からこの順に並ぶように積層するものとする。図31に示す樹脂シートが最も上に位置し、図35に示す樹脂シートが最も下に位置する。各樹脂シートはそれぞれ表面に配線となる導体パターン7を有する。この例では、各樹脂シートは、長手方向に延在する中心線に沿った部分に多くの配線を有するという点で共通している。現実には各樹脂シートがこのように共通する位置に配線を多く有することがありうる。この中心線に沿った配線に注目し、他の配線を図示省略しつつ、これらの樹脂シートを積層する様子を示すと、図36に示すようになる。
このように同じ位置に配線を有する樹脂シート同士を積層し、圧着すると、図37に示すように、配線のずれが生じる場合がある。同じ位置に配線を備える樹脂シートの数が多くなればなるほど、このような配線のずれは生じやすくなる。
特開2012−54436号公報(特許文献1)には、部品内蔵基板の表面における凹凸の発生を抑制するための発明が記載されている。特許文献1の発明では、複数の開口部を有する樹脂シートを内蔵部品の上に配置することとされている。これは、あくまで部品内蔵基板上面の凹凸の発生を抑制することを目的としているのであって、積層時に配線の同一箇所への集中によって生じる配線のずれに対する対策とはならない。
平面的に見て同じ位置に複数の層の配線が重なって集中した場合、積層し、圧着することによって、図37に例示したように配線のずれが生じる場合がある。このように配線がずれると、側方に隣接する他の配線とのギャップが不所望に狭くなってしまったり、異なる樹脂層間で干渉が発生してしまったり、電気的特性が変化してしまったりするという問題が生じうる。
そこで、本発明は、配線が同一箇所に集中していても積層、圧着時の配線のずれを防ぐことができる樹脂多層基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に基づく樹脂多層基板は、複数の樹脂層を積層した積層体を含む樹脂多層基板であって、上記複数の樹脂層は、上記積層体の厚み方向の中間部に位置する第1樹脂層および厚み方向の中間部において上記第1樹脂層の上側に隣接する第2樹脂層を含み、上記第1樹脂層の上面に長手方向に延在する第1導体パターンが配置され、上記第2樹脂層の上面に、上記第1導体パターンの長手方向と同じ方向に延在する第2導体パターンが上記第1導体パターンと少なくとも部分的に重なるように配置され、上記第1樹脂層の上面のうち上記第1導体パターンに沿う領域に凹部が設けられ、上記第2樹脂層の一部が上記凹部に入り込んでいる。
本発明によれば、本発明は、配線が同一箇所に集中していても積層、圧着時の配線のずれを防ぐことができる樹脂多層基板とすることができる。
(実施の形態1)
(構成)
図1〜図2を参照して、本発明に基づく実施の形態1における樹脂多層基板について説明する。本実施の形態における樹脂多層基板101の断面図を図1に示す。樹脂多層基板101は、複数の樹脂層2を積層した積層体1を含む樹脂多層基板であって、複数の樹脂層2は、積層体1の厚み方向の中間部に位置する第1樹脂層2aおよび厚み方向の中間部において第1樹脂層2aの上側に隣接する第2樹脂層2bを含む。第1樹脂層2aを取り出した状態での平面図を図2に示す。第1樹脂層2aの上面に、長手方向に延在する長尺状の第1導体パターン7aが配置され、第2樹脂層2bの上面に、第1導体パターン7aの長手方向と同じ方向に延在する長尺状の第2導体パターン7bが第1導体パターン7aと少なくとも部分的に重なるように配置されている。第1樹脂層2aの上面のうち第1導体パターン7aに沿う領域に凹部15が設けられている。第2樹脂層2bの一部が凹部15に入り込んでいる。
(構成)
図1〜図2を参照して、本発明に基づく実施の形態1における樹脂多層基板について説明する。本実施の形態における樹脂多層基板101の断面図を図1に示す。樹脂多層基板101は、複数の樹脂層2を積層した積層体1を含む樹脂多層基板であって、複数の樹脂層2は、積層体1の厚み方向の中間部に位置する第1樹脂層2aおよび厚み方向の中間部において第1樹脂層2aの上側に隣接する第2樹脂層2bを含む。第1樹脂層2aを取り出した状態での平面図を図2に示す。第1樹脂層2aの上面に、長手方向に延在する長尺状の第1導体パターン7aが配置され、第2樹脂層2bの上面に、第1導体パターン7aの長手方向と同じ方向に延在する長尺状の第2導体パターン7bが第1導体パターン7aと少なくとも部分的に重なるように配置されている。第1樹脂層2aの上面のうち第1導体パターン7aに沿う領域に凹部15が設けられている。第2樹脂層2bの一部が凹部15に入り込んでいる。
図1および図2では、説明の便宜のために、第1導体パターン7aおよび第2導体パターン7bがそれぞれ長尺状であるものとして図示しているが、第1導体パターン7aおよび第2導体パターン7bの形状は、このような典型的な長尺状に限らない。第1導体パターン7aおよび第2導体パターン7bの形状は、長尺状とは限らず、何らかの長手方向をそれぞれ観念できるような形状であればよい。
第1導体パターン7aと第2導体パターン7bとは、全ての形状が完全に一致して重なっている必要はなく、少なくとも部分的に重なっていればよい。本実施の形態では、両者は同じ長手方向に延在する部分同士が重なっている。
(作用・効果)
本実施の形態では、第1樹脂層2aの上面に凹部15が設けられ、第2樹脂層2bの一部が凹部15に入り込んでいるので、この樹脂層同士の係合関係により樹脂層間のすべりを抑えることができる。したがって、配線が同一箇所に集中していても積層、圧着時の配線のずれを防ぐことができる。
本実施の形態では、第1樹脂層2aの上面に凹部15が設けられ、第2樹脂層2bの一部が凹部15に入り込んでいるので、この樹脂層同士の係合関係により樹脂層間のすべりを抑えることができる。したがって、配線が同一箇所に集中していても積層、圧着時の配線のずれを防ぐことができる。
本実施の形態における樹脂多層基板では、圧着時には流動化した樹脂が凹部15に流入することにより、樹脂流れの勢いがそがれるので、樹脂流れによる悪影響も軽減することができる場合がある。
圧着時の配線のずれを減らすことができれば、特性ずれが抑制でき、不所望な特性干渉を抑えることもできる。本実施の形態によれば、樹脂層間の密着性も向上し、層間剥離を抑制することができる。
(実施の形態2)
(構成)
図3を参照して、本発明に基づく実施の形態2における樹脂多層基板について説明する。本実施の形態における樹脂多層基板102の断面図を図3に示す。樹脂多層基板102では、実施の形態1で説明した樹脂多層基板101に比べて、中間部の樹脂層2の数が増えている。
(構成)
図3を参照して、本発明に基づく実施の形態2における樹脂多層基板について説明する。本実施の形態における樹脂多層基板102の断面図を図3に示す。樹脂多層基板102では、実施の形態1で説明した樹脂多層基板101に比べて、中間部の樹脂層2の数が増えている。
樹脂多層基板102は、複数の樹脂層2を積層した積層体1を含む樹脂多層基板であって、3以上の整数nについて、複数の樹脂層2は、積層体1の厚み方向の中間部において下から上へとそれぞれ隣接して並ぶ第1樹脂層2aから第n樹脂層を含む。第1樹脂層2aの上面に長手方向に延在する長尺状の第1導体パターン7aが配置されている。図3に示した例では、n=3である。すなわち、複数の樹脂層2は、中間部において下から上へとそれぞれ隣接して並ぶ第1樹脂層2a、第2樹脂層2bおよび第3樹脂層2cを含む。
2からnまでの任意の整数kについて、前記第k樹脂層の上面に、前記第k−1導体パターンの長手方向と同じ方向に延在する長尺状の第k導体パターンが前記第k−1導体パターンと重なるように配置されている。
1からn−1までの任意の整数jについて、前記第j樹脂層の上面に前記第j導体パターンに沿う領域に凹部が設けられ、前記第j+1樹脂層の一部が前記第j樹脂層の前記凹部に入り込んでいる。
すなわち、k=2として考えると、第2樹脂層2bの上面に、第1導体パターン7aの長手方向と同じ方向に延在する長尺状の第2導体パターン7bが第1導体パターン7aと重なるように配置されている。k=3として考えると、第3樹脂層2cの上面に、第2導体パターン7bの長手方向と同じ方向に延在する長尺状の第3導体パターン7cが第2導体パターン7bと重なるように配置されている。
j=1として考えると、第1樹脂層2aの上面に第1導体パターン7aに沿う領域に凹部15が設けられ、第2樹脂層2bの一部が第1樹脂層2aの凹部15に入り込んでいる。j=2として考えると、第2樹脂層2bの上面に第2導体パターン7bに沿う領域に凹部15が設けられ、第3樹脂層2cの一部が第2樹脂層2bの凹部15に入り込んでいる。
ここでは、図3に基づいてn=3の例を示したので、整数kは2から3まで、整数jは1から2までについて条件が満たされていればよかったが、nは4以上であってもよい。その場合には、より多くの樹脂層の間で上述の条件が満たされていればよい。
(作用・効果)
本実施の形態では、隣接して並ぶ3層以上の樹脂層にわたって樹脂層同士の係合関係により樹脂層間のすべりを抑えることができる。したがって、配線が同一箇所に集中していても積層、圧着時の配線のずれを防ぐことができる。特に多くの層において配線が同一箇所に集中している場合には配線のずれが生じやすいが、本実施の形態のように3層以上の樹脂層にわたって対策をとることによって、配線のずれを効果的に防止することができる。
本実施の形態では、隣接して並ぶ3層以上の樹脂層にわたって樹脂層同士の係合関係により樹脂層間のすべりを抑えることができる。したがって、配線が同一箇所に集中していても積層、圧着時の配線のずれを防ぐことができる。特に多くの層において配線が同一箇所に集中している場合には配線のずれが生じやすいが、本実施の形態のように3層以上の樹脂層にわたって対策をとることによって、配線のずれを効果的に防止することができる。
特に、従来、積み重ねる樹脂層の数が多い場合には、圧着の際に用いられる上下の金型や金型と樹脂層との間に挟まれるクッションシート(以下「金型等」という。)のプレス面から厚み方向に離れた位置、すなわち、積層体の厚み方向の中間部において配線のずれが問題となっていた。上下の金型等に近い位置の樹脂層に対しては金型等との摩擦力が働いてずれが抑えられるのに対して、金型等から離れた中間部ではそのような摩擦力の影響が小さく、その結果、樹脂層が側方に大きくずれることができてしまうからである。本実施の形態では、積み重ねる樹脂層の数が多い場合にも各樹脂層の間の凹部による係合をなるべく確保することができるので、配線が同一箇所に集中していても積層、圧着時の配線のずれを防ぐために有効である。
本実施の形態においても、実施の形態1で説明した効果を得ることができる。
なお、実施の形態1,2で示したように、凹部15は、平面的に見てドット状であることが好ましい。凹部を平面的に見てドット状とすることによって、凹部形成のための加工を短時間で済ませることができるようになる。また、凹部を平面的に見てドット状とすることによって、積層体全体としての強度をあまり低下させることなく目的を達成することができる。凹部15がドット状である場合、凹部15の径はたとえば20μm以上50μm以下であることが好ましい。
なお、実施の形態1,2で示したように、凹部15は、平面的に見てドット状であることが好ましい。凹部を平面的に見てドット状とすることによって、凹部形成のための加工を短時間で済ませることができるようになる。また、凹部を平面的に見てドット状とすることによって、積層体全体としての強度をあまり低下させることなく目的を達成することができる。凹部15がドット状である場合、凹部15の径はたとえば20μm以上50μm以下であることが好ましい。
凹部15がドット状ではない場合、凹部15はたとえば溝状であってもよい。この場合も、ずれの防止に関しては同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
(製造方法)
図4〜図9を参照して、本発明に基づく実施の形態3における樹脂多層基板について説明する。本実施の形態における樹脂多層基板の製造方法のフローチャートを図4に示す。
(製造方法)
図4〜図9を参照して、本発明に基づく実施の形態3における樹脂多層基板について説明する。本実施の形態における樹脂多層基板の製造方法のフローチャートを図4に示す。
本実施の形態における樹脂多層基板の製造方法は、上面に長手方向に延在する長尺状の第1導体パターンが配置された第1樹脂層に、前記第1導体パターンの長手方向と同じ方向に延在する長尺状の第2導体パターンが前記第1導体パターンと重なるように上面に配置された第2樹脂層を重ねて中間積層体を形成する工程S1と、前記中間積層体に型押し加工を施しつつ圧着することによって、前記第1樹脂層の前記第1導体パターンに沿う領域に凹部を設け、かつ前記第2樹脂層の一部が前記第1樹脂層の前記凹部に入り込んだ構造にする工程S2と、下側樹脂層の上側に前記中間積層体を積層する工程S3と、前記中間積層体の上側に上側樹脂層を積層する工程S4と、前記下側樹脂層、前記中間積層体および前記上側樹脂層を積層したものを圧着する工程S5とを含む。各工程について、以下に詳しく説明する。
工程S1として、図5に示すように、上面に長手方向に延在する長尺状の第1導体パターン7aが配置されたシート状の第1樹脂層2aに、第1導体パターン7aの長手方向と同じ方向に延在する長尺状の第2導体パターン7bが第1導体パターン7aと重なるように上面に配置されたシート状の第2樹脂層2bを重ねて中間積層体51を形成する。第1樹脂層2aは図2に示すような配置を有するものであってよい。図5に示した例では、中間積層体51は、第1樹脂層2aおよび第2樹脂層2bだけでなくさらに他の樹脂層2を含んでいる。中間積層体51は、このように第1樹脂層2aの下側または第2樹脂層2bの上側に他の樹脂層2を含んでいてよい。
工程S2として、図6に示すように、中間積層体51に型押し加工を施しつつ圧着することによって、第1樹脂層2aの第1導体パターン7aに沿う領域に凹部16を設け、かつ第2樹脂層2bの一部が第1樹脂層2aの凹部16に入り込んだ構造にする。中間積層体51に含まれている樹脂層2であって第2樹脂層2bより上側に配置されているものは、工程2を経ることにより、第2樹脂層2bと同様に型押し加工の影響を受けて変形してよい。図6に示した例では、第2樹脂層2bの上側にある樹脂層2の一部が第2樹脂層2bの凹部に入り込んだ構造となっている。
工程S3として、図7に示すように、下側樹脂層21の上側に中間積層体51を積層する。下側樹脂層21は、複数の樹脂層2のうちの1つである。なお、下側樹脂層21の下側に、さらに別の1以上の樹脂層2が積層されていてもよい。
工程S4として、図8に示すように、中間積層体51の上側に上側樹脂層22を積層する。図8に示した例では、上側樹脂層22の上にさらに別の樹脂層2を積層している。上側樹脂層22の上にさらに積層される樹脂層2は複数であってもよい。
工程S5として、図8に示したように下側樹脂層21、中間積層体51および上側樹脂層22を積層したものを熱圧着する。この熱圧着は全体に対して一括して行なわれる。こうして図9に示すように樹脂多層基板が得られる。図8では、一番上にある凹部16の内部は空隙となっていたが、図9に示す熱圧着後の状態では、これらの凹部16の内部にも樹脂が流入して埋まっている。
(作用・効果)
本実施の形態では、複数の樹脂層を積層して中間積層体としてから一括して型押し加工を施しているので、異なる樹脂層同士が凹部を介して組み合わさった構造を確実に得ることができる。各樹脂層ごとに個別に型押し加工をする場合に比べて型押し加工の回数が少なく済み、樹脂多層基板を効率良く作製することができる。
本実施の形態では、複数の樹脂層を積層して中間積層体としてから一括して型押し加工を施しているので、異なる樹脂層同士が凹部を介して組み合わさった構造を確実に得ることができる。各樹脂層ごとに個別に型押し加工をする場合に比べて型押し加工の回数が少なく済み、樹脂多層基板を効率良く作製することができる。
(実施の形態4)
(製造方法)
図10〜図16を参照して、本発明に基づく実施の形態4における樹脂多層基板について説明する。本実施の形態における樹脂多層基板の製造方法のフローチャートを図10に示す。
(製造方法)
図10〜図16を参照して、本発明に基づく実施の形態4における樹脂多層基板について説明する。本実施の形態における樹脂多層基板の製造方法のフローチャートを図10に示す。
本実施の形態における樹脂多層基板の製造方法は、上面に長手方向に延在する長尺状の第1導体パターンが配置された第1樹脂層に、除去加工または型押し加工をすることによって、前記第1樹脂層の前記第1導体パターンに沿う領域に凹部を設ける工程S11と、上面に長尺状の第2導体パターンが配置された第2樹脂層に、除去加工または型押し加工をすることによって、前記第2樹脂層の前記第2導体パターンに沿う領域に凹部を設ける工程S12と、下側樹脂層の上側に前記第1樹脂層を積層する工程S13と、前記第2導体パターンが、前記第1導体パターンの長手方向と同じ方向に延在し、かつ、前記第1導体パターンと重なるように前記第1樹脂層の上に前記第2樹脂層を重ねる工程S14と、前記第2樹脂層の上側に上側樹脂層を積層する工程S15と、前記下側樹脂層、前記第1樹脂層、前記第2樹脂層および前記上側樹脂層を積層したものを圧着する工程S16とを含む。各工程について、以下に詳しく説明する。
工程S11として、図11に示すように、上面に長手方向に延在する長尺状の第1導体パターン7aが配置されたシート状の第1樹脂層2aに、除去加工または型押し加工をすることによって、第1樹脂層2aの第1導体パターン7aに沿う領域に凹部15を設ける。
工程S12として、図12に示すように、上面に長尺状の第2導体パターン7bが配置されたシート状の第2樹脂層2bに、除去加工または型押し加工をすることによって、第2樹脂層2bの第2導体パターン7bに沿う領域に凹部15を設ける。工程S11と工程S12とは、いずれを先に行なってもよく、両工程を同時に並行して行なってもよい。工程S11,S12において凹部15を設けるために除去加工を行なう場合には、除去加工は、レーザ加工によって行なうこととしてもよい。
工程S13として、図13に示すように、下側樹脂層21の上側に第1樹脂層2aを積層する。
工程S14として、図14に示すように、第2導体パターン7bが、第1導体パターン7aの長手方向と同じ方向に延在し、かつ、第1導体パターン7aと重なるように第1樹脂層2aの上に第2樹脂層2bを重ねる。
工程S15として、図15に示すように、第2樹脂層2bの上側に上側樹脂層22を積層する。図15に示した例では、第2樹脂層2bのすぐ上に接するように上側樹脂層22を積層しているが、第1樹脂層2bと上側樹脂層22との間に他の樹脂層2を介在させてもよい。また、上側樹脂層22よりさらに上側に他の樹脂層2を積層してもよい。
工程S16として、図15に示したように下側樹脂層21、第1樹脂層2a、第2樹脂層2bおよび上側樹脂層22を積層したものを熱圧着する。この熱圧着は全体に対して一括して行なわれる。こうして図16に示すように樹脂多層基板が得られる。図15では、凹部15の内部はそれぞれ空隙となっていたが、図16に示す熱圧着後の状態では、凹部15の内部にも樹脂が流入して埋まっている。ただし、完全に埋まっているとは限らず、若干の空隙が残っていることはありうる。
(作用・効果)
本実施の形態では、個々の樹脂層に対して積層前のいわゆるバラの状態で加工して凹部を形成しているので、個々の樹脂層に確実に所望の条件の凹部を形成することができる。
本実施の形態では、個々の樹脂層に対して積層前のいわゆるバラの状態で加工して凹部を形成しているので、個々の樹脂層に確実に所望の条件の凹部を形成することができる。
なお、工程S11,S12のように凹部を設ける工程は、レーザ加工によって除去加工として行なわれることが好ましい。このようにすれば、迅速、正確に所望の位置に所望の深さの凹部を設けることができるからである。
なお、実施の形態3,4において、凹部15,16は、平面的に見てドット状となるように設けられることが好ましい。凹部15,16を平面的に見てドット状となるように形成することとすれば、凹部形成のための加工を短時間で済ませることができるからである。また、凹部を平面的に見てドット状となるように形成することとすれば、積層体全体としての強度をあまり低下させずに済む。
(実施の形態5)
(構成)
図17〜図23を参照して、本発明に基づく実施の形態5における樹脂多層基板について説明する。この樹脂多層基板は、内部にコイルを備えるものである。この樹脂多層基板は、全部で10層の樹脂層の積層体となっている。最も上側の2層の樹脂層と最も下側の2層の樹脂層とにはコイルのための導体パターンは形成されていない。上から3層目から8層目の樹脂層の表面にはコイルを構成するための導体パターンが形成されている。上から3層目から上から8層目までの樹脂層における導体パターンを図17〜図22にそれぞれ示す。これらの導体パターン7はそれぞれ円弧に近い形状となっている。異なる層の導体パターン7同士がビア導体6によって厚み方向に接続されることにより、複数の導体パターン7が螺旋状に直列接続され、全体としてコイルを形成する。図19に示すのは上から5層目、図20に示すのは上から6層目の樹脂層2である。図19、図20に示すように、上から5層目、6層目の樹脂層2では、導体パターンに沿う領域に凹部15が形成されている。
(構成)
図17〜図23を参照して、本発明に基づく実施の形態5における樹脂多層基板について説明する。この樹脂多層基板は、内部にコイルを備えるものである。この樹脂多層基板は、全部で10層の樹脂層の積層体となっている。最も上側の2層の樹脂層と最も下側の2層の樹脂層とにはコイルのための導体パターンは形成されていない。上から3層目から8層目の樹脂層の表面にはコイルを構成するための導体パターンが形成されている。上から3層目から上から8層目までの樹脂層における導体パターンを図17〜図22にそれぞれ示す。これらの導体パターン7はそれぞれ円弧に近い形状となっている。異なる層の導体パターン7同士がビア導体6によって厚み方向に接続されることにより、複数の導体パターン7が螺旋状に直列接続され、全体としてコイルを形成する。図19に示すのは上から5層目、図20に示すのは上から6層目の樹脂層2である。図19、図20に示すように、上から5層目、6層目の樹脂層2では、導体パターンに沿う領域に凹部15が形成されている。
本実施の形態における樹脂多層基板の断面図を図23に示す。図23は、ビア導体6が現れない断面を選んで切ったものである。断面図で見ると、コイルを形成する導体パターン7が厚み方向に並んでいることがわかる。個々の導体パターン7は直線状ではなく円弧状となっているが、円弧の途中の各部分に注目すれば長手方向に延在するとみなすことができる。ここでいう「長手方向」というのは、局所的なものである。「長手方向」は、このように一部分に注目したときのみ長手方向と観念できる程度のものであってもよい。たとえば上から6層目の樹脂層2を第1樹脂層とみなし、上から5層目の樹脂層2を第2樹脂層とみなすと、それぞれの長手方向に延在するとみなせる各部分において実施の形態1で述べたような関係が成り立っている。
(作用・効果)
本実施の形態では、一部の樹脂層2において凹部15が形成されているので、圧着時の配線のずれを減らすことができる。したがって、配線が同一箇所に集中していても積層、圧着時の配線のずれを防ぐことができる。
本実施の形態では、一部の樹脂層2において凹部15が形成されているので、圧着時の配線のずれを減らすことができる。したがって、配線が同一箇所に集中していても積層、圧着時の配線のずれを防ぐことができる。
積層体に属し、導体パターンを有する全ての樹脂層に凹部が設けられているわけではなく、いずれか一部の樹脂層のみとなる場合は、図23に示すように、凹部を有する樹脂層がなるべく厚み方向の中央に配置されることが好ましい。
(変形例)
なお、本実施の形態における樹脂多層基板の変形例としては、積層体に属し、導体パターンを有する全ての樹脂層に凹部が設けられた構成であってもよい。その場合、上から3層目から上から8層目までの樹脂層2に、図24〜図29にそれぞれ示すように導体パターン7が形成される。導体パターン7を有する樹脂層2はいずれも凹部15が形成された構成である。この変形例の樹脂多層基板の断面図を図30に示す。
なお、本実施の形態における樹脂多層基板の変形例としては、積層体に属し、導体パターンを有する全ての樹脂層に凹部が設けられた構成であってもよい。その場合、上から3層目から上から8層目までの樹脂層2に、図24〜図29にそれぞれ示すように導体パターン7が形成される。導体パターン7を有する樹脂層2はいずれも凹部15が形成された構成である。この変形例の樹脂多層基板の断面図を図30に示す。
なお、実施の形態5以外の実施の形態では、ビア導体を省略して説明したが、実際には、樹脂多層基板の内部にビア導体が適宜配置されていてよい。ビア導体を設けることにより、異なる層の導体パターン同士を厚み方向に接続することができる。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 積層体、2 樹脂層、2a 第1樹脂層、2b 第2樹脂層、2c 第3樹脂層、6 ビア導体、7a 第1導体パターン、7b 第2導体パターン、7c 第3導体パターン、15,16 凹部、21 下側樹脂層、22 上側樹脂層、51 中間積層体、101,102 樹脂多層基板。
Claims (7)
- 複数の樹脂層を積層した積層体を含む樹脂多層基板であって、
前記複数の樹脂層は、前記積層体の厚み方向の中間部に位置する第1樹脂層および厚み方向の中間部において前記第1樹脂層の上側に隣接する第2樹脂層を含み、
前記第1樹脂層の上面に長手方向に延在する第1導体パターンが配置され、
前記第2樹脂層の上面に、前記第1導体パターンの長手方向と同じ方向に延在する第2導体パターンが前記第1導体パターンと少なくとも部分的に重なるように配置され、
前記第1樹脂層の上面のうち前記第1導体パターンに沿う領域に凹部が設けられ、前記第2樹脂層の一部が前記凹部に入り込んでいる、樹脂多層基板。 - 複数の樹脂層を積層した積層体を含む樹脂多層基板であって、
3以上の整数nについて、
前記複数の樹脂層は、前記積層体の厚み方向の中間部において下から上へとそれぞれ隣接して並ぶ第1樹脂層から第n樹脂層を含み、
前記第1樹脂層の上面に長手方向に延在する第1導体パターンが配置され、
2からnまでの任意の整数kについて、
前記第k樹脂層の上面に、前記第k−1導体パターンの長手方向と同じ方向に延在する第k導体パターンが前記第k−1導体パターンと少なくとも部分的に重なるように配置され、
1からn−1までの任意の整数jについて、
前記第j樹脂層の上面に前記第j導体パターンに沿う領域に凹部が設けられ、前記第j+1樹脂層の一部が前記第j樹脂層の前記凹部に入り込んでいる、樹脂多層基板。 - 前記凹部は、平面的に見てドット状である、請求項1または2に記載の樹脂多層基板。
- 上面に長手方向に延在する第1導体パターンが配置された第1樹脂層に、
前記第1導体パターンの長手方向と同じ方向に延在する第2導体パターンが前記第1導体パターンと少なくとも部分的に重なるように上面に配置された第2樹脂層を重ねて中間積層体を形成する工程と、
前記中間積層体に型押し加工を施しつつ圧着することによって、前記第1樹脂層の前記第1導体パターンに沿う領域に凹部を設け、かつ前記第2樹脂層の一部が前記第1樹脂層の前記凹部に入り込んだ構造にする工程と、
下側樹脂層の上側に前記中間積層体を積層する工程と、
前記中間積層体の上側に上側樹脂層を積層する工程と、
前記下側樹脂層、前記中間積層体および前記上側樹脂層を積層したものを圧着する工程とを含む、樹脂多層基板の製造方法。 - 上面に長手方向に延在する第1導体パターンが配置された第1樹脂層に、除去加工または型押し加工をすることによって、前記第1樹脂層の前記第1導体パターンに沿う領域に凹部を設ける工程と、
上面に第2導体パターンが配置された第2樹脂層に、除去加工または型押し加工をすることによって、前記第2樹脂層の前記第2導体パターンに沿う領域に凹部を設ける工程と、
下側樹脂層の上側に前記第1樹脂層を積層する工程と、
前記第2導体パターンが、前記第1導体パターンの長手方向と同じ方向に延在し、かつ、前記第1導体パターンと重なるように前記第1樹脂層の上に前記第2樹脂層を重ねる工程と、
前記第2樹脂層の上側に上側樹脂層を積層する工程と、
前記下側樹脂層、前記第1樹脂層、前記第2樹脂層および前記上側樹脂層を積層したものを圧着する工程とを含む、樹脂多層基板の製造方法。 - 前記凹部を設ける工程は、レーザ加工によって除去加工として行なわれる、請求項5に記載の樹脂多層基板の製造方法。
- 前記凹部は、平面的に見てドット状となるように設けられる、請求項4から6のいずれかに記載の樹脂多層基板。
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WO2017135014A1 (ja) * | 2016-02-02 | 2017-08-10 | 株式会社村田製作所 | 樹脂多層基板およびその製造方法 |
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2013
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