JP2015049397A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】BD信号を生成するステップを必要としない画像形成開始までの時間が増大しない画像形成装置を提供する。【解決手段】IDパルスの立ち上がりに同期してカウンタのカウント値が0にリセットされるように、カウンタの設定を行う。FGパルス503が立ち上がることによりカウント値が0になったことに応じて、ポリゴンミラーの反射面Bを特定する。【選択図】図8

Description

本発明は、複数の反射面を有する回転多面鏡を備える画像形成装置に関し、光ビームが入射する反射面を特定する画像形成装置に関する。
複数の反射面を有する回転多面鏡(以下、ポリゴンミラー)によって光源から出射された光ビームを偏向し、偏向された光ビームによって感光体を走査することで感光体上に静電潜像を形成する画像形成装置が知られている。ポリゴンミラーは、各反射面の反射率や回転軸に対する角度(面倒れ)などの特性に製造時の切削加工精度によるばらつきがある。そのため、光ビームが入射する反射面を特定し、特定した反射面に応じた補正を実行することによって製造精度のばらつきを補正する必要がある。
光ビームが入射する反射面を特定する方法として、特許文献1は、1回転中に複数の反射面によってそれぞれ偏向された光ビームを受光したビームディテクター(以下、BD)が生成するBD信号の生成周期のばらつきを利用して光ビームが入射する反射面を特定する画像形成装置を開示している。特許文献1に示されているBD信号の周期のばらつきを利用する方法は、ポリゴンミラーによって偏向された光ビームがBDに入射するタイミングを把握した上で、光ビームを出射させなければならない。そのため、この特定方法は、ポリゴンミラーが略一定の速度で回転している場合に実行されることが条件となる。
特開2006−142716号公報
しかしながら、特許文献1のようにポリゴンミラーの回転速度が略一定になってからBD信号を生成して反射面を特定する方法では、BD信号を生成するステップが必要なるため画像形成開始までの時間(First Copy Time:Fcot)が増大してしまう。
本発明は上記課題を鑑みてなされたもので、感光体を露光するための光ビームを出射する光源と、前記光ビームが前記感光体上を走査するように、前記光ビームを複数の反射面によって前記光ビームを偏向する回転多面鏡と、前記回転多面鏡が固定されたロータと、前記ロータを回転させるための駆動電流が供給されるコイルを有するステータと、前記ロータに取り付けられ、前記ロータの回転方向に沿って複数のN極と複数のS極とが交互に着磁さられた磁気パターンと、を備える駆動モータと、前記磁気パターンを検出する検出素子と、前記コイルに前記駆動電流が供給されることによって回転した前記ロータに取り付けられた前記磁気パターンを検出した前記検出素子が出力する検出波形の周期とパターンマッチングを行うための周期データであって、前記複数の反射面に関連づけた周期データが格納された格納手段と、前記ロータの回転中に前記検出素子が出力する前記検出波形の周期と前記周期データとのパターンマッチングの結果に基づいて、前記駆動モータの回転中に前記複数の反射面の中から前記光ビームが入射する反射面を特定する特定手段と、を備えることを特徴とする。
BD信号を生成する前に回転多面鏡の回転中に複数の反射面の中から前記光ビームが入射する反射面を特定することができる。
画像形成装置の概略断面図 光走査装置の概略構成図 駆動モータの概略構成図 制御ブロック図 FG信号のタイミングチャート FG信号のタイミングチャート 検出周期比データと参照周期比データを示す図 参照周期比データを生成する際に実行される制御フロー 画像形成中の1走査周期中のタイミングチャート 実施例1に係る画像形成装置における制御フロー 駆動モータを起動してから画像形成が開始されるまでの駆動モータの回転速度の推移と各制御の実行タイミングを表す図 実施例2に係る画像形成装置における制御フロー
(実施例1)
(画像形成装置)
図1は、複数色のトナーを有するカラー画像形成装置の概略断面図である。実施例をカラー画像形成装置を例に説明するが、実施の形態はカラー画像形成装置に限られるものではなく、単色のトナー(例えば、ブラック)で画像形成する画像形成装置であっても良い。
図1において、画像形成装置100には各色の画像を形成する4つの画像形成部101Y、101M、101C、101Bkが備えられている。ここで、Y、M、C、Bkは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを表している。画像形成部101Y、101M、101C、101Bkはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを用いて画像を形成する。
画像形成部101Y、101M、101C、101Bkは、感光体である感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkを備える。感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkの周囲には、帯電装置103Y、103M、103C、103Bk、光走査装置104Y、104M、104C、104Bk、現像装置105Y、105M、105C、105Bkが設けられている。また、感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkの周りには、ドラムクリーニング装置106Y、106M、106C、106Bkも配置されている。
感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkの下方には無端ベルト状の中間転写ベルト107が配置されている。中間転写ベルト107は、駆動ローラ108と従動ローラ109及び110とに張架され、画像形成中は図中の矢印B方向に回転する。また、中間転写ベルト107を介して、感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkに対向する位置には一次転写装置111Y、111M、111C、111Bkが設けられている。
また、本実施形態の画像形成装置100は、中間転写ベルト107上のトナー像を記録媒体Sに転写するための二次転写装置112、記録媒体S上のトナー像を定着するための定着装置113を備える。
記録媒体Sには、以下のような一連の画像形成工程によって画像がけいせいされる。感光ドラム102Yの表面は、まず帯電工程において帯電装置103Yにより所定の電位に均一に帯電される。そして、次の露光工程において光走査装置104Yから出射されるレーザ光(光ビーム)によって露光される。そして、次の現像工程おいて、静電潜像は現像装置105Yによって現像され、イエローのトナー画像が形成される。マゼンタ、シアン、ブラックの各色についても以上と同様の工程を経てトナー画像が形成される。
各感光ドラム上に形成された各色のトナー画像は、一次転写装置111Y、111M、111C、111Bkにより印加されるバイアスによって中間転写ベルト107上に転写される。即ち、各感光ドラムから各色のトナー像が中間転写ベルト107に転写されることによって、各色のトナー像が重ね合わされる。
中間転写ベルト107上で重ね合わされたトナー像は、二次転写装置112により印加されるバイアスによって記録媒体S上に転写される。記録媒体Sは、手差し給送カセット114または給紙カセット115から二次転写部T2に搬送される。記録媒体Sに転写されずに中間転写ベルト107上に残ったトナーは、二次転写部T2よりも下流に中間転写ベルト107に対向するように配置された中間転写ベルトクリーナ117によって回収される。
なお、二次転写装置112は、中間転写ベルト107の表面のトナーを記録媒体Sに転写するための二次転写バイアスとは逆極性の電圧を印加することもでき、これによって二次転写装置112に付着したトナーを中間転写ベルト107の表面の方へ移動させて、中間転写ベルトクリーナ117によって回収することも可能となっている。
記録媒体S上に転写されたトナー像は定着装置113で加熱定着された後に、排紙部116に排紙される。以上の工程によって記録媒体S上にフルカラー画像が形成される。
なお、一次転写が終了したそれぞれの感光ドラム102Y、102M、102C、102Bkの表面に残留した残留トナーは、ドラムクリーニング装置106Y、106M、106C、106Bkによって除去される。
(光走査装置)
図2は、図1に示す画像形成装置に備えられる光ビーム出射装置である光走査装置104Y、104M、104C、104Bkの詳細な構成を示す図である。各光走査装置の構成は同一であるので、以下の説明では色を示す添え字Y、M、C、Bkを省略する。
光走査装置104は、光ビームとしてのレーザ光を出射する半導体レーザ201と、半導体レーザ201から出射されたレーザ光を平行光に整形するコリメータレンズ202と、コリメータレンズ202を通過したレーザ光を副走査方向(感光ドラムの回転方向に対応する方向)へ集光するシリンドリカルレンズ203と、ポリゴンミラー(回転多面鏡)204を備える。
さらに、光走査装置104は、ポリゴンミラー204によって偏向されたレーザ光(走査光)が入射する第1走査レンズ205と、第2走査レンズ206とを備える。
ポリゴンミラー204は、複数の反射面を有する。本実施例では、ポリゴンミラー204は4つの反射面を有するが、これとは異なる数の反射面を有するポリゴンミラーを採用しても良い。画像形成動作時にポリゴンミラー204は、後述する駆動モータによって回転駆動され、半導体レーザ201から出射したレーザ光は回転するポリゴンミラー204の反射面によって偏向される。
そして、ポリゴンミラー204によって偏向されたレーザ光は第1走査レンズ205、第2走査レンズ206を経て感光ドラム102を主走査方向(感光ドラムの回転軸方向)に走査する。レーザ光により走査されることによって感光ドラム102に静電潜像が形成される。
レーザ光の走査範囲の端部(感光ドラム102上の画像形成領域の外側)にはBDミラー208が配置されており、BDミラー208は、レーザ光を反射する。BDミラー208によって反射されたレーザ光は、BDレンズ209を介して、ビーム・ディテクター207(Beam Detector 207。以下、BD207)に入射する。
BD207は、半導体レーザ201から出射されたレーザ光を受光することで同期信号を生成する。画像形成装置100は、同期信号に基づいて半導体レーザ201か画像データに基づくレーザ光を出射することで、走査周期毎の主走査方向における静電潜像(画像)の形成開始位置を揃えている。
(駆動モータ)
次に、ポリゴンミラー204を回転させる駆動モータ301について説明する。図3(a)は、駆動モータ301の断面図を示しており、図3(b)は、必要な部分を抜き出した図3(a)の上面図である。
回転軸302、永久磁石306、ヨーク305、支持部304は、ロータを構成する。ヨーク305には、永久磁石306、支持部304が取り付けられている。支持部304には、ポリゴンミラー204および回転軸302が固定されている。
真鍮等の金属材質からなる軸受部311、ステータコア307、ステータを構成する。ステータコア307は回路基板308に固定されている。軸受部311は、ステンレス等の金属材質からなる回転軸302を受ける部材である。ステータコア307は、ロータを回転させるための駆動電流が供給される複数の駆動コイル309を有する。
図3(b)に示すように、永久磁石306は、ロータ(ヨーク305)の回転方向に沿ってS極(Sa極、Sb極、Sc極、Sd極、Se極、Sf極)とN極(Na極、Nb極、Nc極、Nd極、Ne極、Nf極)とが交互に並ぶ磁気パターンが形成されている。本実施例における駆動モータの永久磁石306は、ロータの1回転中に6つのFGパルスのFG信号が生成されるように、ロータの回転方向に対応する方向にS極とN極が交互に並ぶようにそれぞれ6つずつ着磁(磁化)されている。ポリゴンミラー204および永久磁石306は、どちらもヨーク305に対して固定されている。そのため、ポリゴンミラー204の各反射面と、S極(Sa極、Sb極、Sc極、Sd極、Se極、Sf極)およびN極(Na極、Nb極、Nc極、Nd極、Ne極、Nf極)と、の相対位置関係は変化しない。
また、図3(b)に示すように、本実施例における駆動モータ301は、複数の駆動コイル309として、U相コイル、U’相コイル、V相コイル、V’相コイル、W相コイル、W’相コイルを含む。端子U1、端子U’2、端子V1、端子V’2、端子W1、端子W’2はそれぞれ、回路基板308を介して後述するモータドライバに接続されている。端子U2と端子U’1、端子V2と端子V’1、端子W2と端子W’1がそれぞれ接続されている。永久磁石306の回転位置により、順次U相コイルとU’相コイル、V相コイルとV’相コイル、W相コイルとW’相コイルへの駆動電流の通電が切り替えられる。駆動コイル309に駆動電流が通電することによって駆動コイル309と永久磁石306との間に生じる磁力によって、ロータは回転する。
回路基板308は、永久磁石の磁気パターンを検出する検出素子310設けられている。検出素子310には、ホール素子や磁気センサを用いる。なお、検出素子の配置位置は、ステータに対して固定されていればどの位置に設けても良い。
(駆動モータおよび制御ブロック図)
図4 は、本実施例の画像形成装置の制御ブロック図である。図4に示す制御ブロック図は、Y、M、C、Bkの各色それぞれに対応するものであり、各色それぞれに対して同一の構成である。
本実施例の画像形成装置は、CPU401(特定手段、制御手段)と、CPU401が実行する制御プログラムを格納するROM402と、CPU401に対して作業領域を提供するRAM403を有する。本実施例の画像形成装置は、BD207からのアナログ信号をデジタル信号のBD信号に変換するBD検知部404、読取装置や外部情報装置などから入力された画像データに基づいて生成されるビデオ信号に応じて光源201を駆動するレーザドライバ405(レーザ駆動部)、駆動モータ301を駆動するモータドライバ406(モータ駆動部)、不揮発性メモリであるEEPROM407を備える。
モータドライバ406には、図3で示した検出素子310が接続されている。検出素子310は、ロータの回転に伴い回転する永久磁石306の回転速度に応じた周期の検出信号(FGアナログ信号)を出力する。例えば、本実施例における検出素子310は、ロータの回転中に磁気パターン306を検出することによって図5A(a)に示す実線の略正弦波形(検出波形)の検出信号を出力する。
本実施例の検出素子310は、検出信号501、および検出信号501に対して位相が180度ずれた検出信号502を出力する。検出信号501および検出信号502は差動信号である。本実施例では、図5A(a)に示すように、検出信号501が極大値(検出信号502が極小値)のとき、検出素子310の対向位置に複数のS極のうちのいずれか1つのS極の中心が位置しているものとする。また、本実施例では、図5A(a)に示すように、検出信号501が極小値(検出信号502が極大値)のとき、検出素子310の対向位置に複数のN極のうちのいずれか1つのN極の中心が位置しているものとする。
モータドライバ406は、FGアナログ信号である検出信号501と検出信号502とに基づいてFGパルスを生成するパルス信号生成器を内蔵している。パルス信号生成器は、図5A(a)および図5A(b)に示すように、検出信号501と検出信号502との交点を立ち上がりおよび立ち下りとするFGパルスを生成する。パルス生成器は、検出信号501が単調増加し、検出信号502が単調減少した状態で2つの信号が交わった場合、FG信号を立ち上げ、検出信号501が単調増加し、検出信号502が単調減少した状態で2つの信号が交わった場合、FG信号を立ち下げる。これによって、ポリゴンミラー204の1回転中に図5Bに示すFGパルス503、504、505、506、507、508が生成される。
このように、差動信号である検出信号501および検出信号502を用いてFG信号を生成することによって、駆動モータ301の発熱によって検出素子310の出力特性が変動しても、出力特性変動前後の磁気パターン306の検出精度の大幅な変動を抑制することができる。
モータドライバ406は、FG信号をCPU401に出力する。CPU401は、ロータ(ポリゴンミラー204)の回転が停止した状態からおよそ所定の回転速度になるまでFG信号に基づいてレーザドライバ406に対して加速信号(ACC信号)または減速信号(DEC信号)を出力する。レーザドライバ406は、CPU401からのACC信号またはDEC信号に基づいて端子U1、V1、W1に供給する駆動電流の値を制御する。
なお、CPU401は、FG信号の検出周期に基づいてロータの回転速度が目標速度に近づいたか否かを判定し、ロータの回転速度が目標速度に近づいたと判定された場合、FG信号の検出周期に基づくACC信号またはDEC信号の出力制御からBD信号の検出周期に基づくACC信号またはDEC信号の出力制御に切り換える。これは、FG信号の生成周期は磁気パターンの着磁精度に依存する。BD207の位置精度は磁気パターンの着磁精度よりも高い。一方、ロータの回転速度が目標速度から大きく乖離した状態では、CPU401はどのタイミングで光源からレーザ光を出射させるとBD207にレーザ光を入射させることができるか判定できない。レーザ光を点灯させた状態で、ロータを加速または減速することによって、BD207にレーザ光を入射させることができるが、光源の短命化や感光ドラムを露光することによるゴースト画像の発生等の課題が生じる。そのため、FG信号によってある目標値までロータの回転速度を立ち上げた後に、BD信号によってロータの回転速度を制御することによってポリゴンミラーの回転速度を制御(端子U1、V1、W1に供給する駆動電流の値の制御)する構成が望ましい。
CPU401には、100MHzのクロック信号を生成する発振器(不図示)、クロック信号をカウントするカウンタ(第1のカウンタ)、およびFGパルスをカウントするカウンタ(第2のカウンタ)が内蔵されている。第1のカウンタは、FGパルスの立ち上がりから次のFGパルスの立ち上がりまでクロック信号をカウントし、CPU401は、カウント値をRAM403に格納する。CPU401は、各FG信号の周期毎にこれを実行する。第2のカウンタは、FGパルスが立ち上がる毎にカウント値を1インクリメントし、カウント値が5に到達した後、FGパルスが立ち上がることによってカウント値を「0」にリセットする。
RAM403は、第2のカウンタのカウント値「0」〜「5」それぞれに対して割り当てられた複数のアドレスを備える。CPU401は、第2のカウンタのカウント値に応じて第1のカウンタのカウント値を複数のアドレスのうちの一つのアドレスに格納する。
ポリゴンミラー製造時の研磨精度の限界によって、ポリゴンミラー204の複数の反射面は、互いに微小に反射率が異なることがある。また、ポリゴンミラー製造時の切削精度、研磨精度の限界によって、ポリゴンミラー204の複数の反射面が誤差のない正多角形を構成していないことがある。高画質の画像を出力するためには、画像形成装置がこれらの誤差を補正して画像形成する必要がある。
そこで、本実施例の画像形成装置は、上記誤差を補正するための補正データが格納されたEEPROM407(格納手段、記憶手段)を備える。即ち、EEPROM407には、複数の反射面それぞれに対応させた光量補正データ、書き出し位置補正データ、主走査方向の倍率補正データ等の光走査装置104固有の調整値が格納される。CPU401は、後述するレーザ光が入射する反射面を特定し、特定した結果に対応する補正データをEEPROM407から読み出し、読み出した補正データに基づいてレーザドライバ405を制御する。こられの補正データは、工場における組立工程時に各光走査装置に取り付けられたポリゴンミラーの特性を測定した結果に基づいて光走査装置毎に生成される。
(FG信号を用いた反射面の特定方法)
図5A(a)に示すように、通常、検出素子310から出力される検出信号(501および502)の振幅は一定とならず、かつその周期も一定にならない。これは、永久磁石306を生成する際にロータを回転させる方向における着磁強度、着磁位置にばらつきが生じることや、駆動モータ301の設計精度によってロータの永久磁石306と検出素子310との間の距離が一定でないことに起因する。その結果、ロータ1回転中に複数生成されるFG信号の周期が不規則となる。
そこで、本体の動作中にFG信号の周期のばらつきを利用して、永久磁石306の各極(S極およびN極)とポリゴンミラー204の各反射面との相対的な位置の関連性に基づいて、ポリゴンミラー204の複数の反射面の中から光源から出射されたレーザ光が入射する反射面を特定する。
図6(a)は、ロータ1回転周期Td0に対するFG信号の周期Td1、Td2、Td3、Td4、Td5、Td6の周期比を示す図である。Td0〜Td6は、第1のカウンタのカウント値である。ここで、周期Td0に対するTd1、Td2、・・・、Td6の割合(周期比、検出周期比データ)をそれぞれRd1、Rd2、・・・、Rd6とする。図6(a)における横軸の「0」〜「5」は、第2のカウンタのカウント値を示している。CPU401は、モータドライバ406からのFG信号に基づいて、ロータの1回転周期Td0、およびそのロータ1回転周期Td0中におけるFG信号の周期Td1、Td2、Td3、Td4、Td5、Td6を検出する。そして、検出されたTd0、Td1、Td2、Td3、Td4、Td5、Td6に基づいて周期比データRd1〜Rd6を算出し、周期Td1、Td2、Td3、Td4、Td5、Td6の検出された順序が特定できるように、第2のカウンタのカウント値に対応させてRAM403の複数のアドレスに周期比データRd1〜Rd6を記憶させる。
検出素子310の出力波形が理想的な正弦波であれば、周期比Rd1〜Rd6は、全て1.667(=1/6)となる。しかしながら、上述した理由によりFG信号の周期にはばらつきが生じるため、図6に示すように周期比Rd1〜Rd6にばらつきが生じる。
EEPROM407は、周期比データRd1〜Rd6の並びとパターンマッチングするための参照周期比データ(周期データ)を記憶している。参照周期比データは、磁気パターンに含まれる複数のS極および複数のN極に対応づけられている。例えば、図6(b)に示すように、参照周期比データのTr1はSa極およびNa極に対応し、Tr2はSb極およびNb極に対応し、Tr3はSc極およびNc極に対応し、Tr4はSd極およびNd極に対応し、Tr5はSe極およびNe極に対応し、Tr6はSf極およびNf極に対応する。
(工場での面毎補正データ格納)
ここで、参照周期比データの生成方法について説明する。参照周期比データは、工場における光走査装置の組立時に生成され、EEPROM407に格納される。図7は、参照周期比データを生成する際に、CPU401が実行する制御フローである。
まず、CPU401は、モータドライバ406にACC信号を出力して駆動モータ301を起動させる(ステップS701)。次に、CPU401は、ロータの回転速度が目標速度で安定したか否かを判定する(ステップS702)。ステップS702における目標速度はどのような回転速度であっても良いが、本実施例では、上記目標速度を画像形成中におけるロータの回転速度とする。
ステップS702においてロータの回転速度が安定していないと判定された場合、CPU401は、制御をステップS702に戻す。一方、ステップS702においてロータの回転速度が安定したと判定された場合、ロータ1回転周期Tr0、周期Tr0中のFG信号の周期Tr1、Tr2、Tr3、Tr4、Tr5、Tr6を測定する。そして、Tr0に対する周期Tr1、Tr2、Tr3、Tr4、Tr5、Tr6の割合を演算し、演算結果である参照周期比データRr1、Rr2、Rr3、Rr4、Rr5、Rr6としてEEPROM407に格納する(ステップS703)。CPU401は、ステップS703における測定をn回実行する。
続いて、CPU401は、1回転周期Trに対する各周期Tr1、Tr2、Tr3、Tr4、Tr5、Tr6の割合を演算することによって、参照周期比データRr1、Rr2、Rr3、Rr4、Rr5、Rr6を求める(ステップS704)。そして、CPU401は、参照周期比データRr1、Rr2、Rr3、Rr4、Rr5、Rr6をEEPROM407に格納する(ステップS705)。
ステップS705ののち、CPU401は、IDパルス立ち上がりタイミングを設定する(ステップS706)。例えば、CPU401は、参照周期比データが最も大きいFGパルスの立ち上がりに同期してIDパルスが立ち上がるようにIDパルスの生成タイミングを設定する(図8のID信号参照)。続いて、CPU401は、IDパルスの立ち上がりに同期して第2のカウンタのカウント値が「0」にリセットされるように、第2のカウンタの設定を行うことによって、図8に示すように各FGパルスに第2のカウンタのカウント値を割り当てる(ステップ707)。
CPU401は、ステップS707で割り当てられたカウント値に対してEEPROM407から補正データを読み出すタイミングを設定する(ステップS708)。例えば、CPU401は、画像形成時に次のような補正動作が実行されるようにEEPROM407からの補正データの読み出しタイミングを設定する。CPU401は、FGパルス503が立ち上がることにより図8に示すカウント値が「0」になったことに応じて、ポリゴンミラー204の反射面Bに対応する補正データBをEEPROM407から読み出す。そして、CPU401は、反射面Bに入射させる光ビームを出射させるための入力画像データを補正データBによって補正する。
また、CPU401は、FGパルス504が立ち上がることによりカウント値が「1」になったことに応じて、ポリゴンミラー204の反射面Cに対応する補正データCをEEPROM407から読み出す。そして、CPU401は、反射面Cに入射させる光ビームを出射させるための入力画像データを補正データCによって補正する。
また、CPU401は、FGパルス506が立ち上がることによりカウント値が「3」になったことに応じて、ポリゴンミラー204の反射面Dに対応する補正データDをEEPROM407から読み出す。そして、CPU401は、反射面Dに入射させる光ビームを出射させるための入力画像データを補正データDによって補正する。
さらに、CPU401は、FGパルス507が立ち上がることによってカウント値が「4」になったことに応じて、ポリゴンミラー204の反射面Aに対応する補正データAをEEPROM407から読み出す。そして、反射面Aに入射させる光ビームを出射させるための入力画像データを補正データAによって補正する。
上記ステップS701〜ステップS708が終了したことに応じて、CPU401は、図7に示す制御フローを終了させる。
(画像形成動作開始後の補正データ読み出し方法)
図9のフローチャートを用いて、CPU401の画像形成動作開始後の光ビームが入射する反射面の特定方法および補正データの読み出し方法を説明する。
まず、CPU401は、画像形成装置の不図示の読取装置あるいはPCなどの外部情報装置から画像データが入力されたことに応じて、駆動モータを起動する(ステップS901)。次に、CPU401は、ロータの回転速度が目標速度で安定したか否かを判定する(ステップS902)。ステップS902における目標速度は、画像形成速度に対応する回転速度(本実施例では、40000rpm)である。
ステップS902においてロータの回転速度が40000rpmで安定していないと判定された場合、CPU401は、制御をステップS902に戻す。一方、ステップS902においてロータの回転速度が40000rpmに安定したと判定された場合、CPU401は、第2のカウンタにFGパルスのカウントを開始させるとともに、ロータ1回転周期Td0、およびFGパルスのカウント値に関連づけた周期Td0中のFG信号の周期Td1、Td2、Td3、Td4、Td5、Td6を測定し、RAMに格納する(ステップS903)。CPU401は、ステップS903における各周期の測定をn回実行する。そして、FGパルスのカウント値に関連づけた検出周期比データRd1、Rd2、Rd3、Rd4、Rd5、Rd6を演算する(ステップS904)。
次に、CPU401は、ステップS904で演算した検出周期比データとEEPROM407に記憶された参照周期比データとのパターンマッチングを実行する(ステップS905)。ステップS905において、CPU401は、パターンマッチングの結果に基づいて、第2のカウンタによるFGパルスのカウント値と永久磁石306の各極に対応するFGパルスとの対応関係を特定する。図6(a)および(b)に示す例におけるFGパルスのカウント値と永久磁石306の各極に対応するFGパルスとの対応関係は以下のようになる。
Figure 2015049397
次に、CPU401は、表1に示す対応関係に基づいて、検出周期比データが最も大きいFGパルスカウント値が2になったことに応じてIDパルスを生成し、かつ画像形成中にIDパルスが生成されたことに応じて第2のカウンタのカウント値が「0」にリセットさせるように第2のカウンタのカウント値の再設定を行う(ステップS906)。
ステップS906の後、CPU401は、画像形成を実行し(ステップS907)、その後、画像形成が終了したか否かを判定する(ステップS908)。ステップS908において、画像形成が終了していないと判定された場合、CPU401は、制御をステップS907に戻し、画像形成が終了したと判定された場合、CPU401は、画像形成を終了させる。なお、画像形成中の補正データの読み出しタイミングは上述したため、説明を省略する。
以上、説明したように、本実施例の画像形成装置によれば、FG信号に基づいて光ビームが入射する反射面を特定することができるため、BD信号を使用することなく光ビームが入射する反射面の特定を行うことができる。尚、本実施例では、4つの反射面を有するポリゴンミラーと、ロータが一回転する間に6発のFGパルスが生成される駆動モータを備える画像形成装置を例に挙げたが、実施の形態において、ポリゴンミラーの反射面およびFGパルスの生成数は本実施例に制限されるものではない。
(実施例2)
本実施例では、駆動モータを起動してから、FG信号周期が目標値に達してモータの回転が安定するまでの加速中にロータに着磁された極を特定する(反射面を特定する)。加速区間中に極を特定することによって、光ビームを出射させる前にIDパルスを生成することが可能となり、FCOTの増大を抑制することが出来る。図10は、駆動モータを起動してから画像形成が開始されるまでの駆動モータの回転速度の推移と各制御の実行タイミングを表す図である。CPU401は、駆動モータを起動した直後に、FG信号周期が目標値に達するまでの間にFG信号の周期比を測定することによって、永久磁石に着磁された極を特定し、IDパルスを生成する。その後、CPU401は、FG信号の周期が目標値になったか否かの判定を行い、安定していれば、光ビームを出射させることによってBD信号を生成し、その後、画像形成を開始する。IDパルスの生成がBD信号生成前に完了するため、ポリゴンミラーの1回転周分のBD信号を取得すれば反射面を特定することが可能である。
図11のフローチャートを用いて、本実施例におけるCPU401の画像形成動作開始後の光ビームが入射する反射面の特定方法および補正データの読み出し方法を説明する。
まず、CPU401は、画像形成装置の不図示の読取装置あるいはPCなどの外部情報装置から画像データが入力されたことに応じて、駆動モータを起動する(ステップS1101)。このとき、CPU401は、第2のカウンタにFGパルスのカウントを開始させる。次に、ロータ1回転周期Td0、およびFGパルスのカウント値に関連づけた周期Td0中のFG信号の周期Td1、Td2、Td3、Td4、Td5、Td6を測定し、RAMに格納する(ステップS1102)。CPU401は、ステップS1102における各周期の測定をn回実行する。そして、FGパルスのカウント値に関連づけた検出周期比データRd1、Rd2、Rd3、Rd4、Rd5、Rd6を演算する(ステップS1103)。
次に、CPU401は、ステップS904で演算した検出周期比データとEEPROM407に記憶された参照周期比データとのパターンマッチングを実行する(ステップS1104)。詳細については実施例1と同様であるので説明を省略する。CPU401は、表1に示す対応関係に基づいて、検出周期比データが最も大きいFGパルスカウント値が2になったことに応じてIDパルスを生成し、かつ画像形成中にIDパルスが生成されたことに応じて第2のカウンタのカウント値が「0」にリセットさせるように第2のカウンタのカウント値の再設定を行う(ステップS1105)。
続いて、CPU401は、駆動モータの回転速度が目標回転速度で安定したか否かを判定する(ステップS1106)。ステップS1106において駆動モータの回転速度が目標回転速度で安定していないと判定された場合、CPU401は、駆動モータの加速制御を継続する。一方、ステップS1106において駆動モータの回転速度が目標回転速度で安定していないと判定された場合、CPU401は、画像形成を実行する(ステップS1107)。
ステップS1107の後、CPU401は、画像形成が終了したか否かを判定する(ステップS1108)。ステップS1108において、画像形成が終了していないと判定された場合、CPU401は、制御をステップS1107に戻し、画像形成が終了したと判定された場合、CPU401は、画像形成を終了させる。なお、画像形成中の補正データの読み出しタイミングは上述したため、説明を省略する。
以上、説明したように、本実施例の画像形成装置は、駆動モータの加速制御中にFG信号を用いて補正データの読み出しタイミングを特定することができる。
204 ポリゴンミラー
301 駆動モータ
306 永久磁石
310 検出素子
401 CPU
406 モータドライバ

Claims (5)

  1. 感光体を露光するための光ビームを出射する光源と、
    前記光ビームが前記感光体上を走査するように、前記光ビームを複数の反射面によって前記光ビームを偏向する回転多面鏡と、
    前記回転多面鏡が固定されたロータと、前記ロータを回転させるための駆動電流が供給されるコイルを有するステータと、前記ロータに取り付けられ、前記ロータの回転方向に沿って複数のN極と複数のS極とが交互に着磁さられた磁気パターンと、を備える駆動モータと、
    前記磁気パターンを検出する検出素子と、
    前記コイルに前記駆動電流が供給されることによって回転した前記ロータに取り付けられた前記磁気パターンを検出した前記検出素子が出力する検出波形の周期とパターンマッチングを行うための周期データであって、前記複数の反射面に関連づけた周期データが格納された格納手段と、
    前記ロータの回転中に前記検出素子が出力する前記検出波形の周期と前記周期データとのパターンマッチングの結果に基づいて、前記駆動モータの回転中に前記複数の反射面の中から前記光ビームが入射する反射面を特定する特定手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記複数の反射面それぞれに対応する補正データを記憶する記憶手段と、
    前記特定手段の特定結果に基づいて前記光ビームが入射する反射面に対応する補正データを前記記憶手段から読み出し、読み出した補正データによって入力画像データを補正し、補正した入力画像データに基づいて前記光源を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記特定手段は、前記駆動モータが目標速度に向けて加速中の前記検出波形と前記周期データとのパターンマッチングを実行することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記特定手段は、前記検出素子の検出結果に基づいて、前記ロータの1回転中の周期に対する前記ロータの1回転中に含まれる前記検出波形の複数の周期それぞれの周期比を演算し、前記周期比と前記周期データとのパターンマッチングを実行することによって前記駆動モータの加速中に前記複数の反射面の中から前記光ビームが入射する反射面を特定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記特定手段は、前記検出素子が出力する前記検出波形を前記検出波形の周期に対応するパルスを含むパルス信号に変換し、前記検出波形の複数の周期を前記パルス信号の周期から取得することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
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