JP2015048059A - 車両用シートスライド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】個体差に依らず、円滑なスライド動作を担保しつつ、安定的にアッパレールとロアレールとの間のガタつきを抑えることのできる車両用シートスライド装置を提供すること。
【解決手段】シートスライド装置10は、ロックレバーを付勢して当該ロックレバーがロアレール5に係合するロック状態を保持可能なバネ部材60を備える。また、このバネ部材60は、延伸方向に離間した二箇所に支持部61を有してアッパレール6に支持されることにより、ロックレバーのアンロック動作に基づき両支持部61間が撓められるとともに、当該各支持部61を支点として延伸方向に離間した両バネ端部65が揺動するように構成される。そして、アッパレール6には、そのバネ端部65の動作に基づいて、ロック状態においてはロアレール5に押し当てられるとともにアンロック動作時には当該ロアレール5から離間する当接部Pを有したガタ抑え機構71が設けられる。
【選択図】図12

Description

本発明は、車両用シートスライド装置に関するものである。
一般に、車両用のシートスライド装置は、上方にシートを支持するアッパレールと、その延伸方向(長手方向)に沿ってアッパレールを相対移動可能に支持するロアレールとを備えている。そして、従来、これらアッパレールとロアレールとの間に摺接部材を介在させる構成が提案されている。
例えば、特許文献1に記載のシートスライド装置は、アッパレール及びロアレールの一方側に支持されることにより他方側の壁部に摺接する摺接部材を備えている。そして、この摺接部材は、シート荷重に応じて摺接部位の接触面積が増大するように構成されている。
即ち、アッパレールとロアレールとの間に摺接部材を介在させることにより、両者のガタつきを抑えることができる。そして、シート荷重に応じて接触面積を増大させることにより、そのガタ抑え効果と円滑なスライド動作とを両立させることができる。
特許第3678191号公報
しかしながら、アッパレールとロアレールとの間に形成される隙間の大きさにはバラツキがある。このため、上記従来技術では、そのシート荷重に応じて接触面積が変化する摺接部材を有効に機能させるために、予め複数サイズを用意する。そして、その個体差に合わせて最適化を図る必要がある等、製造工程の煩雑化や管理コストの増加を招く可能性があることから、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、個体差に依らず、円滑なスライド動作を担保しつつ、安定的にアッパレールとロアレールとの間のガタつきを抑えることのできる車両用シートスライド装置を提供することにある。
上記課題を解決する車両用シートスライド装置は、上方にシートを支持するアッパレールと、延伸方向に沿って相対移動可能に前記アッパレールを支持するロアレールと、前記アッパレールの相対移動を規制可能なロック機構と、を備え、前記ロック機構は、前記アッパレールに支持されることにより前記ロアレールに対して係脱可能に設けられたロックレバーと、前記アッパレールに支持されて前記ロックレバーを付勢することにより該ロックレバーが前記ロアレールに対して係合するロック状態を保持可能なバネ部材と、を有し、前記バネ部材は、前記延伸方向に離間した二箇所に支持部を有して前記アッパレールに支持されることにより、前記ロアレールから脱離する前記ロックレバーのアンロック動作に基づき前記両支持部間が撓められるとともに、該各支持部を支点として前記延伸方向に離間した両バネ端部が揺動するように構成されるものであって、前記アッパレールには、前記バネ端部の動作に基づき前記ロック状態においては前記ロアレールに押し当てられるとともに前記アンロック動作時には前記ロアレールから離間する当接部を有するガタ抑え機構が設けられたものであることが好ましい。
上記構成によれば、ロアレールとアッパレールとの間に形成される隙間の大きさにバラツキがあったとしても、そのロアレールに当接部を押し当てることにより生ずる楔効果によって、固体差に依らず、安定的にアッパレールとロアレールとの間のガタつきを抑えることができる。また、アンロック動作時には、その当接部がロアレールから離間することにより、円滑なスライド動作を担保することができる。そして、そのバネ部材をロック機構と共用することにより、簡素な構成にて、そのガタ抑え機構とロック機構とを同期させることができる。
上記課題を解決する車両用シートスライド装置は、前記バネ部材は、前記アッパレールと前記ロアレールとの間に配置されることが好ましい。
上記構成によれば、効率よく当接部材を付勢してロアレールに当接させることができる。
上記課題を解決する車両用シートスライド装置は、前記バネ部材は、前記両支持部間が撓められることにより前記延伸方向において前記両バネ端部が互いに近接する方向に移動するような揺動の要素を有して前記アッパレールに支持されるものであって、前記ガタ抑え機構は、前記バネ端部に連結されることにより該バネ端部の移動位置に応じて前記ロアレールに接離する前記当接部を有した当接部材を備えることが好ましい。
上記構成によれば、簡素な構成にて、確実に、ロアレールに対して当接部を接離させることができる。
上記課題を解決する車両用シートスライド装置は、前記バネ部材は、前記各支持部が前記アッパレールに設けられた支持軸に摺接するとともに、前記バネ端部に設けられた挿入部が前記アッパレールに形成された前記延伸方向に延びる長孔に挿入されることにより、前記延伸方向における前記揺動の要素を有して前記アッパレールに支持されるものであって、前記長孔は、前記支持軸から離間した位置ほど、前記当接部との当接面を構成する前記ロアレールの壁部に近接するような傾きを有することが好ましい。
即ち、バネ端部に設けられた挿入部は、バネ部材の両支持部間が撓められるほど、より支持軸に近接した位置に向かって、その挿入された長孔内を移動する。従って、上記構成によれば、簡素な構成にて、確実に、そのバネ端部の移動位置に応じて、当接部材をロアレールに対して接離させることができる。加えて、より大きな当接部の移動量を確保することができる。
上記課題を解決する車両用シートスライド装置は、前記バネ部材は、前記両支持部間が撓められることにより前記両バネ端部が回動するような揺動の要素を有して前記アッパレールに支持されるものであって、前記ガタ抑え機構は、前記バネ端部の回動位置に応じて前記ロアレールに接離する前記当接部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、簡素な構成にて、確実に、ロアレールに対して当接部を接離させることができる。
上記課題を解決する車両用シートスライド装置は、前記ガタ抑え機構は、前記バネ端部に連結されることにより該バネ端部の回動位置に応じて前記ロアレールに接離する前記当接部を有した当接部材を備えることが好ましい。
上記構成によれば、簡素な構成にて、確実に、その当接部材に設定された当接部をロアレールに対して接離させることができる。
上記課題を解決する車両用シートスライド装置は、前記当接部材は、前記バネ端部に連動して回動することにより前記当接部が前記ロアレールに対して接離することが好ましい。
上記構成によれば、より確実に、その当接部材に設定された当接部をロアレールに対して接離させることができる。
上記課題を解決する車両用シートスライド装置は、前記アッパレールには、前記支持部が掛止されることにより前記バネ端部の回動中心を形成する支持軸が設けられるものであって、前記当接部材は、前記支持軸を回動中心として回動可能に支持されることが好ましい。
上記構成によれば、バネ端部及び当接部材が回動軸となる支持軸を共用することで、より一層の省スペース化を図ることができる。
上記課題を解決する車両用シートスライド装置は、前記当接部材の回動中心から前記当接部までの距離を第1距離とし、前記当接部材の回動中心から前記バネ端部との連結点までの距離を第2距離とした場合に、前記第2距離の値よりも第1距離の値の方が大きいことが好ましい。
上記構成によれば、バネ端部に連動して回動することにより楔効果を生ずる当接部材の動作角(回動角度)、つまりは、そのロアレールに対して接離する当接部の移動量をより大きくすることができる。そして、これにより、より効果的に、ロアレールとアッパレールとの間のガタつきを抑えることができる。
上記課題を解決する車両用シートスライド装置は、前記アッパレールには、前記支持部が掛止されることにより前記バネ端部の回動中心を形成する支持軸が設けられ、前記支持部は、前記当接部との当接面を構成する前記ロアレールの壁部に向かって凸となる折曲形状を有するとともに、該折曲形状が前記バネ端部に連動して回動するものであって、前記ガタ抑え機構は、前記バネ端部の回動位置に応じて、前記支持部の折曲形状に設定された前記当接部が前記ロアレールの壁部に対して接離するものであることが好ましい。
上記構成によれば、より簡素な構成にて、ロアレールに対して当接部を接離させることができる。
本発明によれば、個体差に依らず、円滑なスライド動作を担保しつつ、安定的にアッパレールとロアレールとの間のガタつきを抑えることができる。
シートスライド装置に支持された車両用シートの斜視図。 シートスライド装置の分解斜視図。 (a)は、シートスライド装置の平面図、(b)は、シートスライド装置の側面図。 シートスライド装置の断面図(図3(b)におけるIV−IV断面図)。 シートスライド装置の断面図(図3(b)におけるV−V断面図)。 (a)(b)は、第1の実施形態におけるアッパレールの側面図(ロック及びアンロック状態)。 (a)(b)は、第1の実施形態におけるアッパレールの斜視図(ロック及びアンロック状態)。 シートスライド装置の断面図(図3(b)におけるVIII−VIII断面図)。 (a)(b)は、シートスライド装置の断面図(図8におけるIX−IX断面図、ロック及びアンロック状態)。 第1の実施形態におけるシートスライド装置の断面図(図3(b)におけるX−X断面図)。 第1の実施形態におけるシートスライド装置の断面図(図3(b)におけるXI−XI断面図)。 (a)(b)は、第1の実施形態におけるガタ抑え機構の側面図(図11におけるXII−XII断面図)。 当接部材近傍の拡大断面図(図3(b)におけるXI−XI断面図)。 (a)(b)は、第2の実施形態におけるアッパレールの側面図(ロック及びアンロック状態)。 第2の実施形態におけるシートスライド装置の断面図(図14(a)におけるXV−XV断面図)。 (a)(b)は、第2の実施形態におけるガタ抑え機構の側面図(図15におけるXVI−XVI断面図)。 (a)(b)は、第3の実施形態におけるガタ抑え機構の側面図。 (a)(b)は、第4の実施形態におけるガタ抑え機構の側面図。
[第1の実施形態]
以下、車両用シートスライド装置に関する第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両用のシート1は、シートクッション2と、このシートクッション2の後端部に対して傾動自在に設けられたシートバック3とを備えている。また、車両の床部Fには、車両の前後方向に延びる左右一対のロアレール5が設けられている。更に、これらのロアレール5には、当該各ロアレール5上を相対移動するアッパレール6が装着されている。そして、シート1は、各アッパレール6の上方に支持されている。
即ち、本実施形態では、これらの各ロアレール5及びアッパレール6によって、シートスライド装置10が形成されている。そして、車両の乗員は、このシートスライド装置10の機能を利用することにより、車両前後方向におけるシート1の位置調整を行うことが可能となっている。
尚、本実施形態では、各アッパレール6上には、それぞれ、ブラケット13を介して車幅方向に延びる二本のロアレール15が掛け渡されている。また、これらのロアレール15には、当該各ロアレール15上を移動可能なアッパレール16が装着されている。そして、シート1は、これらのアッパレール16に対して固定されている。
即ち、本実施形態では、上記のように車両前後方向に延びる各ロアレール5及びアッパレール6に対して井桁状に配置されたロアレール15及びアッパレール16によって、第2のシートスライド装置20が形成されている。そして、車両の乗員は、この第2のシートスライド装置20の機能を利用することにより、その車幅方向におけるシート1の位置調整を行うことが可能となっている。
次に、本実施形態におけるシートスライド装置10の構成について説明する。
図2〜図5に示すように、本実施形態のロアレール5は、車両前後方向(図4中、紙面に直交する方向)に延びる底壁部23を備えている。また、底壁部23の幅方向(図4中、左右方向)両端には、それぞれ外壁部24が立設されている。更に、これらの外壁部24の上端には、それぞれ幅方向内側に向かって折り返されたフランジ状の上壁部25が形成されている。そして、各上壁部25の先端には、それぞれ下側に向かって折り返されることにより所定の間隔を開けて幅方向に対向する内壁部26が形成されている。
一方、図2〜図7に示すように、本実施形態のアッパレール6は、ロアレール5の両内壁部26間において上下方向に延びる一対の縦壁部31と、これら各縦壁部31の上方において当該各縦壁部31間を接続する接続部32と、を備えている。尚、本実施形態の接続部32は、その断面形状が略円環状となるように形成されている。そして、接続部32の内側には、管状の補強部材33が配置されている。
本実施形態のアッパレール6は、これらの各縦壁部31、接続部32及び補強部材33によって形成される本体部34が、ロアレール5側の両内壁部26間に配置されるように、同ロアレール5に装着されている。また、アッパレール6は、各縦壁部31の下端から上側に向かって折り返されることにより、それぞれ、そのロアレール5側の外壁部24、上壁部25及び内壁部26間に囲まれた空間内に配置される折返部35を備えている。そして、これらの折返部35には、それぞれ、ロアレール5側の各底壁部23に設けられた軌道部36に当接して当該軌道部36上を転動する複数の車輪37が設けられている。
即ち、本実施形態のアッパレール6は、その各折返部35に設けられた車輪37が転動することにより、当該車輪37が当接する軌道部36を走行する態様でロアレール5上を移動する。また、アッパレール6は、その各折返部35がロアレール5側の外壁部24、上壁部25及び内壁部26に囲まれることにより、ロアレール5に対する上方向及び幅方向の相対移動が規制される。そして、本実施形態では、これにより、そのロアレール5とアッパレール6との位置関係が安定的に保たれるようになっている。
また、本実施形態のシートスライド装置10は、アッパレール6に支持されることによりロアレール5に対して係合可能なロックレバー40を備えている。そして、本実施形態では、このロックレバー40とロアレール5との係合関係に基づいて、当該ロアレール5に対するアッパレール6の相対移動を規制可能なロック機構41が形成されている。
詳述すると、本実施形態のロックレバー40は、アッパレール6の延伸方向に沿って延びる長尺形状を有して上記両縦壁部31間に配置されるレバー本体42を備えている。また、本実施形態のアッパレール6には、その延伸方向に交差する支持軸43が設けられている。具体的には、この支持軸43は、そのアッパレール6の本体部34を構成する各縦壁部31に対して略直交する態様で、これら両縦壁部31の間に掛け渡されている。尚、本実施形態では、この支持軸43は、アッパレール6の前端部6a近傍に設けられている。更に、レバー本体42には、この支持軸43が挿通される挿通孔44が形成されている。そして、本実施形態のロックレバー40は、これにより、その支持軸43が形成する回動軸周りに回動可能な状態でアッパレール6に支持されている。
また、図2、図3、及び図6〜図8に示すように、ロックレバー40(レバー本体42)の先端部40aには、アッパレール6の各縦壁部31に交差して延びる略平板状の外形を有したロック係合部45が設けられている。尚、図6(a)(b)及び図7(a)(b)に示すように、本実施形態のロックレバー40は、その後端部40bがアッパレール6の前端部6a側から突出する態様で当該アッパレール6に支持されることにより、上記先端部40aに設けられたロック係合部45がアッパレール6の延伸方向(長手方向)略中央部分に配置されるようになっている。そして、図2、及び図6〜図8に示すように、レバー本体42の方向外側(図8中、左右方向)に配置されるアッパレール6の各縦壁部31には、それぞれ、そのロック係合部45に対応する位置に、当該ロック係合部45が挿通されるロック挿通孔46が形成されている。
即ち、本実施形態のロックレバー40は、上記のように両縦壁部31間に掛け渡された支持軸43周りに回動することによって、その先端部40aに設けられたロック係合部45が上下方向(図6中、上下方向)に移動するように構成されている。また、上記各縦壁部31に形成されたロック挿通孔46は、当該ロック挿通孔46におけるロック係合部45の上下動を許容する孔形状を有している。尚、本実施形態では、アッパレール6の幅方向において、各縦壁部31の外側に配置される各折返部35にも、そのロック係合部45に対応する位置に、上方に開口する切欠き47が形成されている。そして、本実施形態のロックレバー40は、これにより、そのロック挿通孔46を介してアッパレール6の幅方向外側に突出するロック係合部45が、ロアレール5に対して係脱するように構成されている。
さらに詳述すると、本実施形態のロアレール5には、その延伸方向の複数位置において上記ロックレバー40のロック係合部45が係合可能な係合部50が形成されている。
具体的には、上記ロック挿通孔46が形成された各縦壁部31の幅方向外側に位置するロアレール5の各内壁部26には、それぞれ、下方に向かって突出する複数の係合爪51が形成されている。尚、本実施形態では、これら各係合爪51は、略均等間隔で櫛歯状に形成されている。そして、ロック係合部45には、そのロックレバー40の回動に基づいて、上記ロアレール5に形成された各係合爪51が挿入され、及び抜脱される複数の係合孔52が形成されている。
換言すると、図9(a)(b)に示すように、ロアレール5の係合部50は、下向き(同図中、下側)、即ちロックレバー40の回動に伴い当該ロックレバー40の先端部40aが移動する方向に開口する複数の溝部53を有している。また、本実施形態のロック係合部45は、その各係合孔52を形成することにより残された棒状部分(図2及び図7参照)が、ロックレバー40の回動に伴い上記各係合爪51間に形成された各溝部53内に挿入される挿入部54となっている。そして、本実施形態では、これらロック係合部45と係合部50との係合関係に基づいて、そのロアレール5に係合するロックレバー40の相対位置が固定されるようになっている。
即ち、本実施形態のロックレバー40は、図9(a)に示すように、先端部40aが上方移動する方向(図6(a)参照、同図中、反時計回り方向)に回動することにより、そのロック係合部45がロアレール5の係合部50に対して係合する。そして、ロックレバー40は、図9(b)に示すように、先端部40aが下方移動する方向(図6(b)参照、同図中、時計回り方向)に回動することにより、そのロック係合部45がロアレール5の係合部50から脱離するように構成されている。
また、図1〜図3に示すように、本実施形態のシートスライド装置10は、シート1のスライド位置を調整すべく操作される操作ハンドル55を備えている。そして、本実施形態のロック機構41は、この操作ハンドル55に対する操作入力に基づいて、上記ロックレバー40が回動するように構成されている。
詳述すると、本実施形態の操作ハンドル55は、アッパレール6の延伸方向に対し、略直交する方向に延びる長尺棒状の操作部55aを有している。また、操作部55aの両端には、それぞれ、その先端がアッパレール6の延伸方向に延びる連結部55bが形成されている。尚、本実施形態の操作ハンドル55は、金属製の管材を折り曲げ加工することにより形成されている。そして、操作ハンドル55は、これらの各連結部55b内に、上記のように各アッパレール6の前端部6a側から突出するロックレバー40の後端部40bが挿入される態様で、当該各ロックレバー40に連結されるようになっている。
また、本実施形態のロック機構41は、ロックレバー40を付勢して、その先端部40aが上方移動するように回動させることにより、当該ロックレバー40がロアレール5の係合部50に対して係合するロック状態を保持可能なバネ部材60を備えている。
図2、図6〜図8、及び図10に示すように、本実施形態では、アッパレール6の幅方向両側、ロアレール5との間において、その延伸方向に延びる二本のバネ部材60が設けられている。具体的には、これらのバネ部材60は、金属製の線材を折り曲げ加工することにより形成されている。また、これらのバネ部材60は、それぞれ、その延伸方向に離間した二箇所に支持部61を有してアッパレール6の側方、詳しくは各折返部35の幅方向外側に支持されている。そして、各バネ部材60は、ロックレバー40に連結されることにより、その弾性力に基づいて上記ロック係合部45を下側(図6中、下側)から押し上げるように構成されている。
尚、本実施形態のバネ部材60は、その延伸方向に離間した両支持部61の略中間位置に、上方側に凸となるように折り曲げられた連結部62を有している。また、ロック係合部45には、上記各係合孔52の幅方向外側に、左右一対の貫通孔63が設けられている。そして、本実施形態では、これらの貫通孔63内に対して各バネ部材60の連結部62が下側から挿入されることにより、当該各バネ部材60とロックレバー40とが接続されるようになっている。
即ち、本実施形態のロック機構41は、操作ハンドル55が操作されていない通常時には、その各バネ部材60の付勢力(弾性力)に基づいて、ロックレバー40の先端部40aに設けられたロック係合部45がロアレール5側の係合部50に係合するロック状態となっている。
また、本実施形態のロックレバー40は、その操作部55aを引き上げるように上記操作ハンドル55が操作されることによって、上記のようにロック係合部45に連結された各バネ部材60を撓めつつ、その先端部40aが下方移動する方向(図6(b)参照、同図中、時計回り方向)に回動する。即ち、本実施形態のバネ部材60は、上記のように延伸方向に離間した両支持部61間が下方に撓むことにより、そのロック係合部45がロアレール5側の係合部50から離間するようなロックレバー40のアンロック動作を許容する。そして、本実施形態では、これにより、そのロアレール5上を移動するアッパレール6の相対位置、即ちシート1のスライド位置を調整することが可能となっている。
(ガタ抑え機構)
次に、本実施形態のシートスライド装置10に設けられたガタ抑え機構について説明する。
図6及び図7に示すように、本実施形態のロック機構41は、アッパレール6の幅方向外側に設けられた各バネ部材60の弾性力に基づきロックレバー40を付勢することにより、当該ロックレバー40のロック係合部45とロアレール5の係合部50とが係合するロック状態を保持可能な構成となっている。そして、これらのバネ部材60は、ロアレール5から脱離するロックレバー40のアンロック動作に基づいて、その延伸方向に離間した両支持部61間が下方に撓められるようになっている。
本実施形態では、このようなアンロック動作時、その延伸方向に離間したバネ部材60の両端部分(バネ端部65)が、上記各支持部61を支点として揺動するように構成されている。また、本実施形態のアッパレール6には、これら各バネ端部65の動作に基づいて、上記ロック状態においては、ロアレール5の上壁部25に押し当てられるとともに、上記アンロック動作時には、その当接面Sを構成するロアレール5の上壁部25から離間する当接部Pを有した当接部材70が設けられている。そして、本実施形態では、これにより、そのロアレール5とアッパレール6との間のガタつきを抑制可能なガタ抑え機構71が形成されている。
詳述すると、図6、図7及び図10に示すように、本実施形態では、アッパレール6の各折返部35には、上記のようにロック係合部45に対応するロック挿通孔46及び切欠き47が形成されたアッパレール6の中央部分を挟んで延伸方向に離間した二位置に、その幅方向外側に向かって突出する支持軸72が設けられている。また、各バネ部材60は、その支持部61となる部分が上方側に凸となる山折れ形状となっている。そして、各バネ部材60は、その各支持部61の山折れ形状が上記各支持軸72に対して上方側から掛止される態様で、アッパレール6に支持されるようになっている。
また、図2、図7、図11及び図12(a)(b)に示すように、本実施形態のアッパレール6には、上記各支持軸72に支持された各バネ部材60の両バネ端部65が配置される位置、即ちアッパレール6の延伸方向中央側(図12中、右側)に各支持軸72を臨む位置に、当該アッパレール6の延伸方向に延びる長孔73が形成されている。また、各バネ部材60の両バネ端部65には、それぞれ、その先端を折り曲げることにより上記各長孔73内に挿入される挿入部74が形成されている。そして、本実施形態の当接部材70は、これらの挿入部74を連結点Jとして、各バネ端部65に連結されるようになっている。
即ち、延伸方向に離間した二箇所に支持部61を有したバネ部材60は、両支持部61間が撓められることにより、その両バネ端部65が延伸方向において互いに近接する方向に移動する要素、及び当該各バネ端部65が回動する要素を有して揺動する。
これを踏まえ、本実施形態のガタ抑え機構71は、各バネ端部65が延伸方向に摺動可能な状態で各バネ部材60の支持部61を支持する上記各支持軸72と、各バネ端部65に設けられた挿入部74が挿入されるとともに延伸方向における当該挿入部74の移動を許容する長孔73と、を備えている。そして、各バネ端部65が延伸方向に移動するような揺動の要素を有して各バネ部材60を支持することにより、その延伸方向における各バネ端部65の移動位置に基づいて、ロアレール5の上壁部25に対して各当接部材70が接離するように構成されている。
さらに詳述すると、図2、図7、図11及び図12に示すように、本実施形態の当接部材70は、アッパレール6の折返部35に対して上方側から嵌着されることにより当該アッパレール6の延伸方向に沿って摺動可能な断面略コ字形状を有している。また、各当接部材70の下端部には、そのアッパレール6の折返部35に跨る当接部材70を厚み方向(図12中、左右方向、アッパレール6の幅方向)に貫通して上下方向に延びるスリット75が形成されている。そして、各当接部材70は、このスリット75が各バネ端部65の挿入部74に係合することにより、上記長孔73内に挿入された挿入部74とともに、アッパレール6の延伸方向に沿って移動するように構成されている。
ここで、本実施形態の長孔73は、当該各長孔73よりもアッパレール6の延伸方向中央側(図12中、右側)に設けられた各支持軸72から離間した位置、即ち、よりアッパレール6の端部側(図12中、左側)となる位置ほど、その当接部Pとの当接面Sとなるロアレール5の上壁部25に近接するような傾きαを有している。そして、本実施形態では、これにより、その各バネ端部65の移動位置に応じて、各当接部材70部が上下方向に移動する構成となっている。
具体的には、本実施形態では、アッパレール6の各折返部35には、各長孔73に対応する位置に、それぞれ上方側に開口する切欠き76が形成されている。そして、各当接部材70は、これらの各切欠き76に対して嵌着されている。
また、これら各切欠き76側及び各当接部材70側の各摺接面77a,77bは、上記各長孔73に設定された傾きαと略等しい傾きを有した傾斜面となっている。そして、本実施形態では、これにより、その当接部Pを構成する当接部材70の上面部70aが、その当接面Sを構成するロアレール5の上壁部25と略平行する状態を維持したまま、各バネ端部65の移動位置に応じて上下方向に移動するように構成されている。
次に、上記のように構成された本実施形態におけるガタ抑え機構71の作用について説明する。
図6(a)に示すように、ロックレバー40のロック係合部45とロアレール5の係合部50とが係合するロック状態にある場合、各バネ部材60は、その弾性力(復元力)に基づいて、両バネ端部65が延伸方向において互いに離間する方向に移動した状態となっている。そして、図12(a)に示すように、各バネ端部65に設けられた挿入部74もまた、その挿入された各長孔73内を、上記各支持部61が掛止された各支持軸72から離間する方向に移動、つまりは延伸方向端部側(図12中、左側)に移動した状態となっている。
本実施形態のガタ抑え機構71は、このようなロック状態に移行するロック動作の際、上記各長孔73に設定された傾きαに基づいて、各バネ端部65に連結された各当接部材70が上方移動するように構成されている。そして、これにより、これら各当接部材70に設定された当接部Pがロアレール5の上壁部25に押し当てられることで、そのロアレール5とアッパレール6との間のガタつきが抑えられるようになっている。
一方、図6(b)に示すように、ロックレバー40のアンロック動作に基づき両支持部61間が下方に撓められることにより、各バネ部材60の両バネ端部65は、その延伸方向において互いに近接する方向に移動する。また、図12(b)に示すように、このとき、各バネ端部65は、その各長孔73内に挿入された挿入部74が、各支持軸72に近接する方向、即ちアッパレール6の延伸方向中央側に向かって移動する。そして、本実施形態では、これにより、その各長孔73に設定された傾きαに基づいて、各バネ端部65に連結された各当接部材70が下方移動するようになっている。
即ち、図13に示すように、各当接部材70が下方移動することにより、その当接部Pとロアレール5の上壁部25が形成する当接面Sとの間に隙間δが形成される。そして、本実施形態では、これにより、その円滑なスライド動作が担保されるようになっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)シートスライド装置10は、ロックレバー40を付勢して当該ロックレバー40がロアレール5の係合部50に対して係合するロック状態を保持可能なバネ部材60を備える。また、このバネ部材60は、延伸方向に離間した二箇所に支持部61を有してアッパレール6に支持されることにより、ロックレバー40のアンロック動作に基づき両支持部61間が撓められるとともに、当該各支持部61を支点として延伸方向に離間した両バネ端部65が揺動するように構成される。そして、アッパレール6には、そのバネ端部65の動作に基づいて、ロック状態においてはロアレール5に押し当てられるとともにアンロック動作時には当該ロアレール5から離間する当接部Pを有したガタ抑え機構71が設けられる。
上記構成によれば、ロアレール5とアッパレール6との間に形成される隙間の大きさにバラツキがあったとしても、ロアレール5の上壁部25に当接部Pを押し当てることにより生ずる楔効果によって、その固体差に依らず、安定的にアッパレール6とロアレール5との間のガタつきを抑えることができる。また、アンロック動作時には、当接部Pがロアレール5から離間することにより、円滑なスライド動作を担保することができる。そして、そのバネ部材60をロック機構41と共用することにより、簡素な構成にて、そのガタ抑え機構71とロック機構41とを同期させることができる。
(2)バネ部材60は、その両支持部61間が撓められることにより延伸方向において両バネ端部65が互いに近接する方向に移動するような揺動の要素を有してアッパレール6に支持される。そして、ガタ抑え機構71は、そのバネ端部65に連結されることにより当該バネ端部65の移動位置に応じて上下方向に移動する当接部材70を備える。
上記構成によれば、簡素な構成にて、確実に、ロアレール5の上壁部25に対して当接部Pを接離させることができる。
(3)ガタ抑え機構71は、各バネ端部65が延伸方向に摺動可能な状態で各バネ部材60の支持部61を支持する支持軸72と、バネ端部65に設けられた挿入部74が挿入されるとともに延伸方向における当該挿入部74の移動を許容する長孔73と、を備える。そして、長孔73には、支持軸72から離間した位置ほど、当接部Pとの当接面Sを構成するロアレール5の上壁部25に近接するような傾きαが設定される。
即ち、バネ端部65に設けられた挿入部74は、バネ部材60の両支持部61間が撓められるほど、より支持軸72に近接した位置に向かって、その挿入された長孔73内を移動する。従って、上記構成によれば、簡素な構成にて、確実に、そのバネ端部65の移動位置に応じて、当接部材70をロアレール5の上壁部25に対して接離させることができる。加えて、より大きな当接部Pの移動量を確保することができる。
[第2の実施形態]
以下、車両用シートスライド装置に関する第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
図14〜図16に示すように、本実施形態のシートスライド装置10Bは、上記第1の実施形態におけるシートスライド装置10と比較して、そのガタ抑え機構71B(71)の構成が相違する。
詳述すると、本実施形態のバネ部材60Bは、上記第1の実施形態における各支持部61と同様、その延伸方向に離間した各支持部61Bが各支持軸72Bに対して上方側から掛止される態様でアッパレール6Bに支持されている。そして、本実施形態では、これらの各支持部61Bは、上記第1の実施形態における各支持部61の「山折れ形状」よりも、より鋭角に折り曲げられた山型の折曲形状を有している。
具体的には、各支持部61Bは、その山型を形成する二辺が各支持軸72Bを挟み込む態様で当該各支持軸72Bに掛止されている。そして、本実施形態のバネ部材60Bは、これにより、ロックレバー40のアンロック動作に基づき両支持部61B間が撓められた場合には、各支持軸72Bを回動中心L1として、当該各支持軸72Bの周面72s上を摺動する態様で、各支持部61Bの折曲形状が回動するように構成されている。
即ち、本実施形態のバネ部材60Bは、その両支持部61B間が撓められることにより両バネ端部65Bが回動するような揺動の要素を有してアッパレール6Bに支持されている。そして、本実施形態のガタ抑え機構71Bは、これら各バネ端部65の回動位置に基づいて、その当接面Sを構成するロアレール5の上壁部25に対して接離する当接部Pを有した当接部材70Bを備えている。
詳述すると、本実施形態の当接部材70Bは、上記のように各バネ部材60Bの各支持部61Bが掛止された各支持軸72Bを回動中心L2として回動可能に軸支されている。具体的には、各当接部材70Bは、ロアレール5の上壁部25に対して交差する略平板状の外形を有している。また、各当接部材70Bは、その回動中心L2から径方向に離間した位置に各バネ端部65Bとの連結点Jを有している。本実施形態では、この連結点Jは、各当接部材70Bを厚み方向(図15中、左右方向、アッパレール6Bの幅方向)に貫通する貫通孔78内に、各バネ端部65の先端を幅方向外側に折り曲げてなるアッパレール6B側の挿入部74Bを挿入することにより形成されている。そして、ロアレール5の上壁部25に対する当接部Pは、当該各当接部材70Bの外周面70s上、詳しくは、その回動中心L2を形成する各支持軸72Bよりもアッパレール6Bの延伸方向中央側(図16中、右側)となる位置に設定されている。
即ち、図16(a)(b)に示すように、本実施形態の当接部材70Bは、回動中心L2から径方向に離間した連結点Jにおいて、各バネ端部65Bの上記挿入部74Bに対して相対回動可能に連結されている。本実施形態のガタ抑え機構71Bは、これにより、上記のようにロックレバー40のアンロック動作に基づき各バネ部材60Bの両支持部61B間が撓められた場合には、各支持軸72Bに支持された各当接部材70Bが、その回動軸(L1,L2)を共用する各バネ端部65Bに連動して回動するように構成されている。そして、各当接部材70Bの当接部Pは、その回動によって、ロアレール5の上壁部25に対して接離する位置に設定されている。
次に、上記のように構成された本実施形態におけるガタ抑え機構71Bの作用について説明する。
図16(a)に示すように、ロックレバー40のロック係合部45とロアレール5の係合部50とが係合するロック状態にある場合(図14(a)参照)、各バネ端部65Bは、その各当接部材70Bとの連結点Jを構成する挿入部74Bが下方移動する方向(図16中、反時計回り方向)に回動した状態となっている。そして、このとき各当接部材70Bの当接部Pは、ロアレール5の上壁部25が形成する当接面Sに当接した状態となっている。
即ち、回動中心L2を挟んで連結点Jよりもアッパレール6Bの延伸方向中央側(図16中、右側)に設定された各当接部材70Bの当接部Pは、各バネ部材60Bの弾性力に基づく各当接部材70Bの回動によって、上記連結点Jとは反対に上方移動することになる。そして、本実施形態のガタ抑え機構71Bは、これにより、その当接部Pをロアレール5の上壁部25に押し当てることで、そのロアレール5とアッパレール6Bとの間のガタつきを抑えることが可能となっている。
一方、図16(b)に示すように、ロックレバー40のアンロック動作に基づき両支持部61B間が下方に撓められることにより、各バネ部材60Bの両バネ端部65Bは、その上記連結点Jを構成する挿入部74Bが上方移動する方向(図16中、時計回り方向)に回動する。また、この回動により、各当接部材70Bの当接部Pは、上記連結点Jとは反対に下方移動することになる。そして、本実施形態では、これにより、各当接部材70Bの当接部Pがロアレール5の上壁部25から離間することで、その円滑なスライド動作を担保することが可能となっている。
以上、本実施形態のガタ抑え機構71Bによっても、上記第1の実施形態におけるガタ抑え機構71と同様の効果を得ることができる。また、各当接部材70Bの回動によって当接部Pをロアレール5の上壁部25に接離させることにより、構成の簡素化と信頼性の向上を図ることができる。そして、各バネ端部65B及び各当接部材70Bが、その回動軸(回動中心L1,L2)となる支持軸72Bを共用する構成を採用することで、より一層の省スペース化を図ることができる。
[第3の実施形態]
以下、車両用シートスライド装置に関する第3の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第2の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
図17(a)(b)に示すように、本実施形態のシートスライド装置10Cは、上記第2の実施形態におけるシートスライド装置10Bと比較して、そのガタ抑え機構71C(71B)の構成が相違する。
詳述すると、本実施形態のバネ部材60Cは、上記第2の実施形態におけるバネ部材60Bと同様、ロックレバー40のアンロック動作に基づき両支持部61C間が撓められることにより、各支持軸72Cを回動中心L1として各バネ端部65Cが回動するような揺動の要素を有してアッパレール6Cに支持されている。そして、本実施形態のガタ抑え機構71Cもまた、各バネ端部65Cに連動して回動することにより、その当接部Pがロアレール5の上壁部25に対して接離する当接部材70Cを備えている。
ここで、本実施形態のアッパレール6Cには、上記各バネ部材60Cの各支持部61Cが掛止されることにより各バネ端部65Cの回動中心L1を形成する各支持軸72Cとは独立に、各当接部材70Cの支持軸79が設けられている。
具体的には、これら各当接部材70Cの支持軸79もまた、各バネ部材60Cの支持軸72Cと同様、アッパレール6Cの幅方向外側に向かって突出する軸形状を有している。そして、本実施形態では、これら当接部材70Cの各支持軸79は、上記各バネ部材60Cの各支持部61Cが掛止される各支持軸72Cよりもアッパレール6Cの延伸方向端部側(図17中、左側)に設けられている。
さらに詳述すると、本実施形態では、各バネ端部65Cと各当接部材70Cとの連結点Jは、各バネ端部65Cの回動中心L1を形成する各支持軸72Cと各当接部材70Cの回動中心L2を形成する各支持軸79の間に配置されている。尚、本実施形態においてもまた、この連結点Jは、各当接部材70Cに形成された貫通孔78C内に、アッパレール6C側の挿入部74Cを挿入することにより形成されている。そして、各当接部材70Cの当接部Pは、その回動中心L2を形成する各支持軸79よりもアッパレール6Cの延伸方向端部側に配置されるように設定されている。
即ち、本実施形態においてもまた、各バネ端部65Cは、ロックレバー40のロック動作によって、各当接部材70Cとの連結点Jを構成する挿入部74Bが下方移動する方向に回動する(図17中、反時計回り方向)。また、各バネ端部65Cは、ロックレバー40のアンロック動作によって、その挿入部74Bが上方移動する方向に回動する(同図中、時計回り方向)。そして、各当接部材70Cは、各バネ端部65Cに連動して当該各バネ端部65Cとは逆向きに回動するようになっている(ロック動作時:時計回り方向、ロック動作時:反時計回り方向)。
ここで、各当接部材70Cの当接部Pは、アッパレール6Cの延伸方向において上記連結点Jとの間に回動中心L2を挟む位置に設定されている。このため、その当接部Pについては、上記第2の実施形態と同様、ロックレバー40のロック動作により上方移動し、アンロック動作によって下方移動するようになっている。そして、本実施形態のガタ抑え機構71Cは、これにより、ロック状態においては、各当接部材70Cの当接部Pがロアレール5の上壁部25に押し当てられ、アンロック動作時には、当該上壁部25から各当接部材70Cの当接部Pが離間するように構成されている。
また、各当接部材70Cの回動中心L2から当接部Pまでの距離を第1距離R1とし、各当接部材70Cの回動中心L2から各バネ端部65Cとの連結点Jまでの距離を第2距離R2とした場合、本実施形態では、第2距離R2よりも第1距離R1の方が大きな値となっている(R1>R2)。そして、これにより、各バネ端部65に連動して回動する当接部材70Cの動作角(回動角度)、つまりは、そのロアレール5の当接面Sに対して接離する当接部Pの移動量をより大きくすることが可能となっている。
即ち、当接部材70Cの回動によって、その回動中心L2周りに周方向移動する当接部Pの移動量「Q」(当接面Sに対して接離する当接部Pの直線移動距離)は、次式に表すことができる。
Q=R1×√(sinθ2^2+(1−cosθ2)^2) ・・・(1)
尚、上記の式中、「^2」は2乗を示すものである。
そして、ロアレール5の当接面Sに対して当接部Pが当接状態にある場合(図17(a)参照)、その当接部Pと当接部材70Cの回動中心L2と結ぶ直線と、回動中心L2を通る当接面Sの法線とのなす角を「α´」とした場合、当接部材70Cの回動により当接部Pと当接面Sとの間に形成される隙間δの大きさは、次式に表すことができる。
δ=Q×cos((π−θ2)/2−α´) ・・・(2)
つまり、当接部材70Cの動作角(回動角度θ2)が大きくなることで、当接部材70Cの回動により当接部Pと当接面Sとの間に形成可能な隙間δの大きさもまた大となる。そして、本実施形態では、これにより、効果的に、円滑なスライド動作を担保しつつ、安定的にロアレールとアッパレールとの間のガタつきを抑えることが可能となっている。
以上、本実施形態のガタ抑え機構71Cによっても、上記第2の実施形態におけるガタ抑え機構71Bと同様の効果を得ることができる。そして、各バネ端部65Cの回動中心L1を形成する各支持軸72Cとは独立に、各当接部材70Cの回動中心L2を形成する支持軸79を設けることで、各当接部材70Cの設計自由度を高めることができる。
[第4の実施形態]
以下、車両用シートスライド装置に関する第4の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第2の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
図18(a)(b)に示すように、本実施形態のシートスライド装置10Dは、上記第2の実施形態におけるシートスライド装置10Bと比較して、そのガタ抑え機構71D(71B)の構成が相違する。
詳述すると、本実施形態のバネ部材60Dもまた、ロックレバー40のアンロック動作に基づき両支持部61D間が撓められることにより、各支持軸72Dを回動中心L1として各バネ端部65Cが回動するような揺動の要素を有してアッパレール6Dに支持されている。具体的には、本実施形態のバネ部材60Dにおける各支持部61Dは、上記第2の実施形態における各支持部61Bと同様、上方に凸となる略山型の折曲形状を有している。そして、アンロック動作に基づきバネ部材60Dが撓められた場合には、各支持軸72Dを挟み込む略山型を構成する二辺61a,61bが各支持軸72Dの周面72s上を摺動する態様で、その折曲形状が各支持軸72Dを回動中心L1として回動するようになっている。
ここで、本実施形態のガタ抑え機構71Dは、上記第2の実施形態における当接部材70Bのように各バネ端部65Dに連結される当接部材を有していない。
また、本実施形態では、ロックレバー40のロック係合部45とロアレール5の係合部50とが係合するロック状態にある場合には、上記のように各支持軸72Dに掛止されることにより上方に凸となる各支持部61Dの折曲形状が、ロアレール5の上壁部25に当接するように構成されている。即ち、本実施形態では、ロアレール5の上壁部25との当接部Pは、各支持部61Dの折曲形状に設定されている。そして、本実施形態のガタ抑え機構71Dは、各バネ部材60の両支持部61D間が下方に撓められるアンロック動作時には、各支持部61Dの折曲形状が各バネ端部65Dに連動して回動することにより、その当接部Pがロアレール5の上壁部25から離間するように構成されている。
さらに詳述すると、本実施形態では、各支持部61Dの折曲形状は、上記のように各支持軸72Dを挟み込む二辺61a,61bと、これら二辺61a,61b間を接続する略円弧状に湾曲した頂点部80と、を有している。また、本実施形態では、ロック状態にある場合には、その頂点部80が、各支持軸72Dの上方、詳しくは、僅かにアッパレール6Dの延伸方向中央側(図18中、左側)にずれた位置に配置されるようになっている。そして、本実施形態のガタ抑え機構71Dは、この頂点部80を当接部Pとして、各支持部61Dの折曲形状がロアレール5の上壁部25に当接するように構成されている。
即ち、本実施形態においてもまた、ロック状態にある場合、各バネ端部65Dは、各バネ部材60Dの弾性力に基づいて、その先端65aが下方移動する方向(図18中、反時計回り方向)に回動しようとする。
本実施形態のガタ抑え機構71Dは、このとき、各支持部61Dの折曲形状が各バネ端部65Dに連動して回動することにより、その頂点部80が上方側に向かって移動するように構成されている。そして、本実施形態では、これにより、その当接部Pとなる頂点部80をロアレール5の上壁部25に押し当てることで、そのロアレール5とアッパレール6Bとの間のガタつきを抑えることが可能となっている。
一方、ロックレバー40のアンロック動作時、各バネ部材60の両支持部61D間が下方に撓められることによって、各バネ端部65Dは、その先端65aが上方移動する方向(図18中、時計回り方向)に回動する。また、このとき、各バネ端部65Dに連動して回動する各支持部61Dの折曲形状は、その頂点部80が下方側に向かって移動することになる。そして、本実施形態のガタ抑え機構71Dは、これにより、そのロアレール5の上壁部25に当接する各支持部61Dの折曲形状を、その当接面Sから離間させることで。その円滑なスライド動作を確保することが可能となっている。
以上、本実施形態のガタ抑え機構71Dによっても、上記第2の実施形態におけるガタ抑え機構71Bと同様の効果を得ることができる。そして、そのバネ端部65Dに連結される当接部材を廃することで、より一層、その構成を簡素化することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、ロックレバー40は、アッパレール6(6B〜6D)の両縦壁部31に略直交する支持軸43周りに回動可能に支持される。そして、その先端部40aに設けられたロック係合部45が上方移動する方向に回動することにより、ロアレール5側の係合部50に係合することとした。しかし、これに限らず、回動軸となる支持軸43は、必ずしも「両側壁部に直交」しなくともよい。アッパレールの延伸方向に交差するものであればよい。そして、そのロック係合部45が下方移動することによりロアレール5側の係合部50に係合し、ロック係合部45が上方移動することによりその係合が解除される構成に適用してもよい。
・また、上記各実施形態では、ガタ抑え機構71(71B〜71D)の当接部Pは、上壁部25を当接面Sとしてロアレール5に当接することとした。しかし、これに限らず、当接面Sを構成するロアレール5の壁部は、任意に変更してもよい。例えば、底壁部23でもよい。そして、外壁部24であっても、内壁部26であってもよい。
・上記各実施形態では、バネ部材60(60B〜60D)は、金属製の線材を折り曲げ加工することにより形成されることとしたが、板材を折り曲げ加工してなるものを用いてもよい。
・また、バネ部材60(60B〜60D)は、その延伸方向に離間した各支持部61(61B〜61D)がアッパレール6(6B〜6D)側の各支持軸72(72B〜72D)に対して上方側から掛止されることとした。しかし、これに限らず、ロアレール5から脱離するロックレバー40のアンロック動作に基づき両支持部61間が撓められるとともに、当該各支持部61を支点として延伸方向に離間した両バネ端部65が揺動するものであれば、各支持部の形状を含め、その支持構造は、任意に変更してもよい。
・上記各実施形態では、アッパレール6(6B〜6D)の幅方向両側に設けられた二本のバネ部材60(60B〜60D)を備えることとした。そして、ロアレール5に対する当接部Pは、その両バネ端部65(65B〜65D)について設定されることとした。しかし、これに限らず、バネ部材60の配置及び本数については、任意に変更してもよい。例えば、アッパレール6の幅方向一方側のみにバネ部材60が設けられた構成であってもよい。また、当接部Pの設定数についても任意に変更してもよい。例えば、一方のバネ端部65のみに当接部Pが設定された構成であってもよい。更に、当接部材70(70B,70C)の数についても任意に変更してもよい。そして、一の当接部材70に複数の当接部Pが設定された構成としてもよい。
・上記第1〜第3の実施形態では、当接部材70(70B,70C)との連結点Jは、各バネ端部65(65B,65C)の先端に設けられることとしたが、必ずしも先端でなくともよい。そして、その連結構造についてもまた、任意に変更してもよい。
・上記第1の実施形態では、各バネ端部65が延伸方向に移動するような揺動の要素に基づいて各当接部材70が上下方向に移動する。また、第2及び第3の実施形態では、各バネ端部65B,65Cが回動するような揺動の要素に基づいて各当接部材70B,70Cが回動する。そして、これにより、その各当接部材70(70B,70C)に設定された当接部Pがロアレール5に対して接離することとした。しかし、これに限らず、その当接部Pが接離する動作については、任意に変更してもよい。例えば、各バネ端部65の延伸方向移動に基づき各当接部材70が回動する構成であってもよい。そして、各バネ端部65の回動に基づき各当接部材70が上下方向に移動する構成であってもよい。
・上記第1の実施形態では、アッパレール6の各折返部35には、各長孔73に対応する位置に、それぞれ上方側に開口する切欠き76が形成されることとしたが、このような切欠き76は必ずしも設けなくともよい。
・また、各切欠き76側及び各当接部材70側の各摺接面77a,77bは、上記各長孔73に設定された傾きαと略等しい傾きを有した傾斜面であることとしたが、このような傾斜面についてもまた、必ずしも設定しなくともよい。
・上記第3の実施形態では、各バネ端部65Cの回動中心L1(支持軸72C)と各当接部材70Cの回動中心L2(支持軸79)とが離間した構成において、その各当接部材70Cの当接部P、回動中心L2、連結点J間を結ぶ第1距離R1及び第2距離R2に「R1>R2」の関係が成立することを例示した。しかし、これに限らず、第2の実施形態のように、各バネ端部65B及び各当接部材70Bが、支持軸72Bを共用することにより、それぞれ、その回動中心L1,L2を形成する構成についてもまた「R1>R2」の関係が成立するとよい。
・また、各当接部材70Cと各バネ端部65Cとの連結点Jから当該各バネ端部65Cの回動中心L1までの距離を第3距離R3とした場合、この第3距離R3については、できる限り大きな値であることが好ましい。
即ち、第3距離R3が大きな値であるほど、その各バネ端部65C(回動角度θ1)に連動して回動する各当接部材70Cとの連結点Jの移動量、つまりは当接部材70Cの動作角(回動角度θ2)を大きくすることができる。そして、これにより、その当接部材70Cの回動により当接部Pと当接面Sとの間に形成可能な隙間δの大きさを増大させることができる。
・更に、第1距離R1の値よりも第2距離R2の値の方が大きい場合(R1<R2)であっても、第3距離R3の値を大きくすることで、当接部材70Cの動作角(回動角度θ2)を大きくすることができる。
即ち、各バネ端部65Cの回動角度θ1と各当接部材70Cの回動角度θ2との関係は、上記第1距離R1〜第3距離R3を用いた次の近似式で表すことができる。
θ2≒θ1×(R1×R3/R2) ・・・(1)
従って、その各当接部材70Cの回動中心L2、当接部P、連結点J及び各バネ端部65Cの回動中心L1間を結ぶ第1距離R1〜第3距離R3に「R1×R3>R2」の関係が成立するようにすることで、その楔効果を生じさせる当接部材の動作角(回動角度)を増幅することができる。そして、これにより、第1距離R1の値よりも第2距離R2の値の方が大きい場合(R1<R2)であっても、より大きな動作角を当接部材70Cに設定することができる。
尚、この場合、第2距離R2の値よりも第3距離R3の値の方が大きくなる(R3>R2)。そして、第2距離R2の値よりも第1距離R1の値の方が大きな場合についても(R1>R2)、「R3>R2」の関係が成り立つことが好ましい。
・上記第4の実施形態では、支持部61Dは、各支持軸72Dを挟み込む二辺61a,61bを含んだ略山型の折曲形状を有する。そして、ロアレール5に対する当接部Pは、その二辺61a,61b間を接続する頂点部80に設定されることとした。しかし、これに限らず、当接部Pの設定位置は、任意に変更してもよい。
・上記各実施形態では、各バネ部材60は、両支持部61の略中間位置に設けられた連結部62がロックレバー40のロック係合部45に接続されることにより、当該ロックレバー40によって、直接的に撓められることとした。しかし、これに限らず、中間部材を介してロックレバー40と各バネ部材60とが間接的に接続される構成であってもよい。
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想を効果とともに記載する。
(イ)前記当接部材の回動中心から前記当接部までの距離を第1距離とし、前記当接部材の回動中心から前記バネ端部との連結点までの距離を第2距離とし、前記連結点から前記バネ端部の回動中心までの距離を第3距離とした場合に、第1距離と第3距離との乗算値が前記第2距離の値よりも大きいこと、を特徴とする車両用シートスライド装置。
上記構成によれば、その楔効果を生じさせる当接部材の動作角(回動角度)を増幅することができる。その結果、より効果的に、ロアレールとアッパレールとの間のガタつきを抑えることができる。
1…シート、2…シートクッション、3…シートバック、5…ロアレール、6,6B,6C,6D…アッパレール、6a…前端部、10,10B,10C,10D…シートスライド装置、23…底壁部、24…外壁部、25…上壁部(壁部)、26…内壁部、31…縦壁部、32…接続部、35…折返部、40…ロックレバー、40a…先端部、40b…後端部、41…ロック機構、42…レバー本体、45…ロック係合部、46…ロック挿通孔、47…切欠き、50…係合部、51…係合爪、52…係合孔、53…溝部、54…挿入部、55…操作ハンドル、60,60B,60C,60D…バネ部材、61,61B,61C,61D…支持部、61a,61b…辺、65,65B,65C,65D…バネ端部、65a…先端、70,70B,70C…当接部材、70a…上面部、70s…周面、71,71B,71C,71D…ガタ抑え機構、72,72B,72C,72D…支持軸、72s…周面、73…長孔、74,74B,74C…挿入部、75…スリット、76…切欠き、77a,77b…摺接面、78,78C…貫通孔、79…支持軸、80…頂点部、P…当接部、S…当接面、α…傾き、δ…隙間、J…連結点、L1,L2…回動中心、θ1,θ2…回動角度、R1〜R3…第1距離〜第3距離。

Claims (10)

  1. 上方にシートを支持するアッパレールと、
    延伸方向に沿って相対移動可能に前記アッパレールを支持するロアレールと、
    前記アッパレールの相対移動を規制可能なロック機構と、を備え、
    前記ロック機構は、
    前記アッパレールに支持されることにより前記ロアレールに対して係脱可能に設けられたロックレバーと、
    前記アッパレールに支持されて前記ロックレバーを付勢することにより該ロックレバーが前記ロアレールに対して係合するロック状態を保持可能なバネ部材と、を有し、
    前記バネ部材は、前記延伸方向に離間した二箇所に支持部を有して前記アッパレールに支持されることにより、前記ロアレールから脱離する前記ロックレバーのアンロック動作に基づき前記両支持部間が撓められるとともに、該各支持部を支点として前記延伸方向に離間した両バネ端部が揺動するように構成されるものであって、
    前記アッパレールには、前記バネ端部の動作に基づき前記ロック状態においては前記ロアレールに押し当てられるとともに前記アンロック動作時には前記ロアレールから離間する当接部を有するガタ抑え機構が設けられた車両用シートスライド装置。
  2. 請求項1に記載の車両用シートスライド装置において、
    前記バネ部材は、前記アッパレールと前記ロアレールとの間に配置されること、
    を特徴とする車両用シートスライド装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用シートスライド装置において、
    前記バネ部材は、前記両支持部間が撓められることにより前記延伸方向において前記両バネ端部が互いに近接する方向に移動するような揺動の要素を有して前記アッパレールに支持されるものであって、
    前記ガタ抑え機構は、前記バネ端部に連結されることにより該バネ端部の移動位置に応じて前記ロアレールに接離する前記当接部を有した当接部材を備えること、
    を特徴とする車両用シートスライド装置。
  4. 請求項3に記載の車両用シートスライド装置において、
    前記バネ部材は、前記各支持部が前記アッパレールに設けられた支持軸に摺接するとともに、前記バネ端部に設けられた挿入部が前記アッパレールに形成された前記延伸方向に延びる長孔に挿入されることにより、前記延伸方向における前記揺動の要素を有して前記アッパレールに支持されるものであって、
    前記長孔は、前記支持軸から離間した位置ほど、前記当接部との当接面を構成する前記ロアレールの壁部に近接するような傾きを有すること、
    を特徴とする車両用シートスライド装置。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の車両用シートスライド装置において、
    前記バネ部材は、前記両支持部間が撓められることにより前記両バネ端部が回動するような揺動の要素を有して前記アッパレールに支持されるものであって、
    前記ガタ抑え機構は、前記バネ端部の回動位置に応じて前記ロアレールに接離する前記当接部を備えること、を特徴とする車両用シートスライド装置。
  6. 請求項5に記載の車両用シートスライド装置において、
    前記ガタ抑え機構は、前記バネ端部に連結されることにより該バネ端部の回動位置に応じて前記ロアレールに接離する前記当接部を有した当接部材を備えること、
    を特徴とする車両用シートスライド装置。
  7. 請求項6に記載の車両用シートスライド装置において、
    前記当接部材は、前記バネ端部に連動して回動することにより前記当接部が前記ロアレールに対して接離すること、を特徴とする車両用シートスライド装置。
  8. 請求項7に記載の車両用シートスライド装置において、
    前記アッパレールには、前記支持部が掛止されることにより前記バネ端部の回動中心を形成する支持軸が設けられるものであって、
    前記当接部材は、前記支持軸を回動中心として回動可能に支持されること、
    を特徴とする車両用シートスライド装置。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の車両用シートスライド装置において、
    前記当接部材の回動中心から前記当接部までの距離を第1距離とし、前記当接部材の回動中心から前記バネ端部との連結点までの距離を第2距離とした場合に、
    前記第2距離の値よりも第1距離の値の方が大きいこと、
    を特徴とする車両用シートスライド装置。
  10. 請求項5に記載の車両用シートスライド装置において、
    前記アッパレールには、前記支持部が掛止されることにより前記バネ端部の回動中心を形成する支持軸が設けられ、
    前記支持部は、前記当接部との当接面を構成する前記ロアレールの壁部に向かって凸となる折曲形状を有するとともに、該折曲形状が前記バネ端部に連動して回動するものであって、
    前記ガタ抑え機構は、前記バネ端部の回動位置に応じて、前記支持部の折曲形状に設定された前記当接部が前記ロアレールの壁部に対して接離するものであること、
    を特徴とする車両用シートスライド装置。
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