JP2015046342A - 溶融塩電池の製造方法および溶融塩電池 - Google Patents

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昂真 沼田
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将一郎 酒井
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篤史 福永
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Abstract

【課題】充放電サイクル特性に優れる溶融塩電池を、高い生産性で製造する方法を提供する。【解決手段】(i)常温で固体のナトリウムを含有する溶融塩Aと、常温で液体の溶融塩Bとを準備する工程と、(ii)正極、負極、および前記正極と前記負極との間に介在するセパレータを含む電極群を準備する工程と、(iii)前記電極群を収容する電池ケースを準備する工程と、(iv)前記電池ケース内で前記溶融塩Aの少なくとも一部を、前記溶融塩Bに溶解させる工程と、を具備する溶融塩電池の製造方法である。【選択図】図5

Description

本発明は、常温で固体のナトリウムを含有する溶融塩A(以下、単に溶融塩Aと称する)と、常温で液体の溶融塩B(以下、単に溶融塩Bと称する)とを電解質として含む溶融塩電池に関し、特にその製造方法の改良に関する。
近年、太陽光、風力などの自然エネルギーを電気エネルギーに変換する技術が注目を集めている。また、多くの電気エネルギーを蓄えることができる高エネルギー密度の電池として、非水電解質二次電池の需要が拡大している。非水電解質二次電池の中では、リチウムイオン二次電池が、軽量かつ高い起電力を有する点で有望である。しかし、リチウムイオン二次電池は、有機溶媒を電解質成分として用いるため、耐熱性が低いという欠点がある。また、非水電解質二次電池の市場の拡大に伴い、リチウム資源の価格も上昇しつつある。そこで、耐熱性が高く、かつ低コストでの生産が期待できる溶融塩電池の開発が進められている。
溶融塩電池とは、溶融状態の塩(溶融塩)を電解質として含む電池の総称である。溶融塩電池の電解質として使用される塩は、一般に常温(例えば、5〜35℃)では固体であるが、加熱により溶融した状態ではイオン伝導性を有する液体となる。例えば、90℃以下の融点を有する塩として、ナトリウムビス(フルオロスルホニル)アミド(NaFSA)とカリウムビス(フルオロスルホニル)アミド(KFSA)との混合物が開発されている(特許文献1)。
特開2011−192474号公報
溶融塩電池の機能を十分に発揮させるためには、電池を構成する正極、負極およびセパレータの細孔内に溶融塩(電解質)を含浸させる必要がある。しかし、このような常温で固体のナトリウム塩を含む電解質は、溶融状態であっても、比較的粘性が高いため、正極、負極およびセパレータの細孔内に含浸させることは容易ではない。
一般的な電池の製造プロセスは、電極群の構成、電池ケースへの電極群の収容、電池ケース内の電極群への電解質の含浸、という順序で行われる。すなわち、正極と負極とを、これらの間にセパレータを介在させて、積層または捲回して電極群を構成し、電極群を電池ケースに収容し、その後、減圧環境下において、電極群への電解質の含浸が行われる。
しかし、溶融塩を電極群に含浸させるためには、塩を融点以上(例えば60℃以上)に加熱する必要がある。さらに、溶融塩の粘度が高いことから、十分量の溶融塩が電極群に含浸されずに、電極群内における電解質の分布が不均一になることがある。この場合、充放電を繰り返すと、比較的早期に放電容量の劣化を招くことになる。また、含浸にかなりの長期間を要する。
そこで、溶融塩の融点を低下させるために、複数種の溶融塩を混合するのが一般的である。その際、一方の溶融塩として、常温で液体の溶融塩B(以下、イオン液体と称する場合もある)を使用すれば、混合物を加熱することなく、常温下で電極群に含浸させることが可能となる。しかし、ナトリウムを含有する常温で固体の溶融塩とイオン液体との混合物の粘度は、イオン液体のみの場合よりも大きく上昇する。したがって、電極群に溶融塩を均質かつ効率よく含浸させるという点については、依然として改善の余地がある。
本発明の一局面は、(i)常温で固体のナトリウムを含有する溶融塩Aと、常温で液体の溶融塩Bとを準備する工程と、(ii)正極、負極、および前記正極と前記負極との間に介在するセパレータを含む電極群を準備する工程と、(iii)前記電極群を収容する電池ケースを準備する工程と、(iv)前記電池ケース内で前記溶融塩Aの少なくとも一部を、前記溶融塩Bに溶解させる工程と、を具備する溶融塩電池の製造方法に関する。
上記発明によれば、溶融塩電解質の含浸工程に要する時間を短くすることができる。よって、電池の製造工程を大幅に簡略化することができる。また、電極群に十分量の溶融塩電解質を均質かつ効率よく含浸させることが可能であり、充放電初期から活物質の実容量に近い容量を発揮することのできる溶融塩電池が得られる。
本発明の一実施形態に係る正極の正面図である。 図1のII−II線断面図である。 本発明の一実施形態に係る負極の正面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 本発明の一実施形態に係る溶融塩電池の電池ケースの一部を切り欠いた斜視図である。 図5のVI−VI線断面を概略的に示す縦断面図である。
[発明の実施形態の説明]
最初に発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本発明の一実施形態は、(1)(i)常温で固体のナトリウムを含有する溶融塩Aと、常温で液体の溶融塩Bとを準備する工程と、(ii)正極、負極、および前記正極と前記負極との間に介在するセパレータを含む電極群を準備する工程と、(iii)前記電極群を収容する電池ケースを準備する工程と、(iv)前記電池ケース内で前記溶融塩Aの少なくとも一部を、前記溶融塩Bに溶解させる工程と、を具備する溶融塩電池の製造方法に関する。溶融塩Aの少なくとも一部と溶融塩Bとの接触を、電池ケース内で行うことにより、電極群に十分量の溶融塩を均質かつ効率よく含浸させることができる。
(2)前記工程(iv)は、例えば、前記溶融塩Bの少なくとも一部を前記電池ケースに注液した後、前記少なくとも一部の溶融塩Aを前記電池ケース内に加えることを含む。これにより、粘度の低い溶融塩Bは、電極群に均質かつ効率よく含浸される。その後、加えられた溶融塩Aは、電極群に含浸された溶融塩Bに容易に溶解する。
(3)前記工程(iv)はまた、前記溶融塩Aの少なくとも一部を前記電池ケース内に加えた後、前記溶融塩Bの少なくとも一部を前記電池ケースに注液することを含んでいてもよい。この場合も、粘度の低い溶融塩Bは、電極群に均質かつ効率よく含浸される。電極群への溶融塩Bの含浸と並行して、溶融塩Bへの溶融塩Aの溶解が進行する。
(4)前記工程(ii)は、前記少なくとも一部の溶融塩Aを、前記電極群に保持させることを含んでもよい。特に、前記正極、前記負極および前記セパレータよりなる群から選択される少なくとも1つに、前記少なくとも一部の溶融塩Aを保持させることが好ましい。これにより、電極群に十分量の溶融塩を均質に保持させることができる。
(5)また、前記溶融塩Aは、ナトリウムイオンとビス(スルホニル)アミドアニオンとの塩であり、前記溶融塩Bは、有機オニウムカチオンとビス(スルホニル)アミドアニオンとの塩であることが好ましい。耐熱性およびイオン伝導性の高い溶融塩を得ることができるからである。
(6)本発明の他の一実施形態は、前記製造方法により製造された溶融塩電池に関する。この溶融塩電池は、充放電初期から活物質の実容量に近い容量を発揮することが可能である。
[発明の実施形態の詳細]
本発明では、溶融塩Aの少なくとも一部を、電池ケース内で溶融塩Bに溶解させる。これにより、溶融塩B(イオン液体)を、低い粘度を保ったまま電池ケースに注液することができるため、溶融塩Bを電池群に均質かつ効率よく含浸することができる。溶融塩Aの少なくとも一部は、電池ケース内部で溶融塩Bと接触することにより、徐々に溶解し、電池群に均質に含浸されていく。なお、電池群は、溶融塩Bを電池ケースに注液する前に、電池ケースに収容されていればよい。
本発明の実施形態の具体例を以下に説明する。なお、本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[溶融塩電池の製造方法]
溶融塩電池は、(i)常温で固体のナトリウムを含有する溶融塩Aと、常温で液体の溶融塩Bとを準備する工程と、(ii)正極、負極、および前記正極と前記負極との間に介在するセパレータを含む電極群を準備する工程と、(iii)前記電極群を収容する電池ケースを準備する工程と、(iv)前記電池ケース内で前記溶融塩Aの少なくとも一部を、前記溶融塩Bに溶解させる工程と、を具備する製造方法により製造することができる。
以下、各工程を説明する。
まず、(i)溶融塩Aと溶融塩Bとを準備する。溶融塩Aは、ナトリウムイオンと、アミドアニオンなどの様々なアニオンとの塩である。溶融塩Aは一般的に常温(5〜35℃)では固体であるが、溶融塩Bに溶解する。また、本発明において溶融塩Bとは、常温(5〜35℃)で液体の溶融塩(イオン液体)であり、溶融塩Aを溶解する溶媒に相当する。
なお、工程(i)において、溶融塩Bの粘度を大きく上昇させず、含浸性に影響を与えない範囲において、溶融塩Bに溶融塩Aの一部を混合させた混合物を準備してもよい。また、同じく、溶融塩Bの粘度を大きく上昇させず、含浸性に影響を与えない範囲において、溶融塩A以外の金属塩(例えば、リチウム塩やカリウム塩等)を溶融塩Bに含ませてもよい。
(ii)正極、負極、および正極と負極との間に介在するセパレータを含む電極群、および、(iii)電極群を収容する電池ケースを準備する。電極群は、正極と負極とを、これらの間にセパレータを介在させて積層または捲回することにより形成される。電極群は、準備された電池ケースに収容される。
最後に、(iv)電池ケース内で溶融塩Aの少なくとも一部を、溶融塩Bに溶解させる。溶融塩Aの少なくとも一部は、電池ケース内で初めて溶融塩Bと接触し、溶解し始める。やがて、溶融塩Aと溶融塩Bとが均質に混ざり合った溶融塩電解質となる。このように、溶融塩Aの少なくとも一部を、電池ケース内で溶融塩Bに溶解させることにより、溶融塩Bを、低い粘度を保ったまま電池ケースに注液することができる。そのため、溶融塩Bを電極群に均質かつ効率よく含浸することができる。
溶融塩Aの少なくとも一部を、電池ケース内で溶融塩Bに溶解させる態様としては、以下の態様が例示される。
まず、工程(iv)において、溶融塩Bの少なくとも一部を電池ケースに注液した後、少なくとも一部の溶融塩Aを電池ケースに加える態様が挙げられる。溶融塩Bには、その粘度を大きく上昇させず、含浸性に影響を与えない範囲において、予め溶融塩Aの一部を混合してもよい。溶融塩Bの注液は、10〜20Pa程度の減圧環境下で行ってもよい。また、溶融塩Bを30〜140℃に加熱して、注液してもよい。
低粘度の溶融塩Bは、電極群の隅々に速やかに均質に浸透する。ついで、少なくとも一部の溶融塩Aが電池ケース内に加えられる。溶融塩Aは、固体粉末状のままで加えることができる。加えられた溶融塩Aは、電池ケース内で溶融塩Bと接触して徐々に溶解する。やがて溶融塩Aと溶融塩Bとの均質な溶融塩電解質となって、電極群に保持される。
別の態様としては、前記工程(iv)が、前記溶融塩Aの少なくとも一部を前記電池ケース内に加えた後、前記溶融塩Bの少なくとも一部を前記電池ケースに注液する態様が挙げられる。ここでも、溶融塩Bには、その粘度を大きく上昇させず、含浸性に影響を与えない範囲において、予め溶融塩Aの一部を混合してもよい。
電池ケースに溶融塩Aを加えるのは、電極群を電池ケース内に収容した後であっても先であってもよい。溶融塩Aは、固体粉末状のままで電池ケース内に加えることができる。電池ケース内に加えられた溶融塩Aは、次いで注液される溶融塩Bと接触して徐々に溶解する。やがて溶融塩Aと溶融塩Bとの均質な溶融塩電解質となって、電極群に保持される。
また別の態様としては、工程(ii)において、少なくとも一部の溶融塩Aを、電極群に保持させる態様が挙げられる。特に、正極、負極およびセパレータよりなる群から選択される少なくとも1つに、少なくとも一部の溶融塩Aを保持させることが好ましい。
溶融塩Aを保持した電極群が収容された電池ケースに溶融塩Bが注液されると、電極群に吸収された溶融塩Bに溶融塩Aが徐々に溶解し、やがて溶融塩Aと溶融塩Bとの均質な溶融塩電解質となって、電極群に保持される。
溶融塩Aを正極または負極に保持させるには、溶融塩Aを正極または負極の合剤層を構成する物質の1つとする方法が例示される。例えば、正極活物質または負極活物質とともに、溶融塩Aを分散媒、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させて、ペーストを調製し、このペーストを集電体に塗布して合剤層を形成する方法が挙げられる。また、正極または負極の活物質層の表面に、溶融塩Aを含む層を形成してもよい。例えば、溶融塩AとNMPとを混合して得られた溶液や分散液を、スプレー等で被塗布面に塗布する方法が挙げられる。
さらに、セパレータとしての機能を阻害しない範囲において、溶融塩Aをセパレータに担持させてもよい。例えば、NMPと溶融塩Aとを混合して得られたエマルジョンや分散液を、セパレータにスプレーまたは含浸させた後、乾燥する方法が挙げられる。
例示した態様のなかでも、工程(iv)が、溶融塩Bの少なくとも一部(好ましくは全部)を電池ケースに注液した後、少なくとも一部の溶融塩A(好ましくは全ての溶融塩A)を電池ケース内に加える態様が、最も好ましい。この方法によれば、溶融塩Bを注液する工程の間中、溶融塩Bの粘度が増加しないからである。
[溶融塩電池]
以下、溶融塩電池の各構成要素について、より具体的に説明する。
[溶融塩B]
溶融塩Bは、電池の電解質として機能する。本発明において溶融塩Bとは、常温(5〜35℃)で液体の溶融塩(イオン液体)であり、溶融塩Aを溶解する溶媒に相当する。
溶融塩Bは、有機カチオンと、ビス(スルホニル)アミドアニオンとの塩であることが、耐熱性が高く、低粘度である点で好ましい。特に、アニオンとしてビス(スルホニル)アミドアニオンを用いることで、耐熱性が高く、かつイオン伝導性の高い溶融塩電解質を得ることが可能である。
有機カチオンとしては、脂肪族アミン、脂環族アミンや芳香族アミンに由来するカチオン(例えば、第4級アンモニウムカチオンなど)の他、窒素含有へテロ環を有する有機カチオン(つまり、環状アミンに由来するカチオン)などの窒素含有カチオン;イオウ含有カチオン;リン含有カチオンなどが例示できる。
第4級アンモニウムカチオンとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、エチルトリメチルアンモニウムカチオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムカチオン、エチルトリメチルアンモニウムカチオン(TEA+:ethyltrimethylammonium cation)、メチルトリエチルアンモニウムカチオン(TEMA+:methyltriethylammonium cation)などのテトラアルキルアンモニウムカチオン(テトラC1-10アルキルアンモニウムカチオンなど)などが例示できる。
イオウ含有カチオンとしては、第3級スルホニウムカチオン、例えば、トリメチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオンなどのトリアルキルスルホニウムカチオン(例えば、トリC1-10アルキルスルホニウムカチオンなど)などが例示できる。
リン含有カチオンとしては、第4級ホスホニウムカチオン、例えば、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオンなどのテトラアルキルホスホニウムカチオン(例えば、テトラC1-10アルキルホスホニウムカチオン);トリエチル(メトキシメチル)ホスホニウムカチオン、ジエチルメチル(メトキシメチル)ホスホニウムカチオン、トリヘキシル(メトキシエチル)ホスホニウムカチオンなどのアルキル(アルコキシアルキル)ホスホニウムカチオン(例えば、トリC1-10アルキル(C1-5アルコキシC1-5アルキル)ホスホニウムカチオンなど)などが例示できる。なお、アルキル(アルコキシアルキル)ホスホニウムカチオンにおいて、リン原子に結合したアルキル基およびアルコキシアルキル基の合計個数は、4個であり、アルコキシアルキル基の個数は、好ましくは1または2個である。
なお、第4級アンモニウムカチオンの窒素原子、第3級スルホニウムカチオンのイオウ原子、または第4級ホスホニウムカチオンのリン原子に結合したアルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜4がさらに好ましく、1、2または3であることが特に好ましい。
ここで、有機カチオンは、窒素含有へテロ環を有する有機カチオンであることが好ましい。窒素含有へテロ環を有する有機カチオンを具備する溶融塩Bは、耐熱性が高く、かつ粘度が低いため、溶融塩電解質として有望である。有機カチオンの窒素含有ヘテロ環骨格としては、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾール、ピリジン、ピペリジンなど、環の構成原子として1または2個の窒素原子を有する5〜8員ヘテロ環;モルホリンなど、環の構成原子として1または2個の窒素原子と他のヘテロ原子(酸素原子、イオウ原子など)とを有する5〜8員ヘテロ環が例示できる。
なお、環の構成原子である窒素原子は、アルキル基などの有機基を置換基として有していてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などの炭素数が1〜10個のアルキル基が例示できる。アルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜4がさらに好ましく、1、2または3であることが特に好ましい。
窒素含有へテロ環を有する有機カチオンの中でも、ピロリジン骨格を有する有機カチオンは、特に耐熱性が高く、製造コストも小さく、溶融塩電解質として有望である。ピロリジン骨格を有する有機カチオンは、ピロリジン環を構成する1つの窒素原子に、2つの上記アルキル基を有することが好ましい。ピリジン骨格を有する有機カチオンは、ピリジン環を構成する1つの窒素原子に、1つの上記アルキル基を有することが好ましい。また、イミダゾリン骨格を有する有機カチオンは、イミダゾリン環を構成する2つの窒素原子に、それぞれ、1つの上記アルキル基を有することが好ましい。
ピロリジン骨格を有する有機カチオンの具体例としては、1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジエチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン(MPPY+:1-methyl-1-propylpyrrolidinium cation)、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムカチオン(MBPY+:1-butyl-1-methylpyrrolidinium cation)、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムカチオンなどが挙げられる。これらのうちでは、特に電気化学的安定性が高いことから、MPPY+、MBPY+などの、メチル基と、炭素数2〜4のアルキル基とを有するピロリジニウムカチオンが好ましい。
ピリジン骨格を有する有機カチオンの具体例としては、1−メチルピリジニウムカチオン、1−エチルピリジニウムカチオン、1−プロピルピリジニウムカチオンなどの1−アルキルピリジニウムカチオンが挙げられる。これらのうち、炭素数1〜4のアルキル基を有するピリジニウムカチオンが好ましい。
イミダゾリン骨格を有する有機カチオンの具体例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(EMI+: 1-ethyl-3-methylimidazolium cation)、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(BMI+:1-buthyl-3-methylimidazolium cation)、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオンなどが挙げられる。これらのうち、EMI+、BMI+などのメチル基と炭素数2〜4のアルキル基とを有するイミダゾリウムカチオンが好ましい。
溶融塩Bのアニオンを構成するビス(スルホニル)アミドアニオンとしては、ビス(スルホニル)アミド骨格を有し、スルホニル基にフッ素原子を有する構造のアニオンが例示できる。フッ素原子を有するスルホニル基としては、例えば、フルオロスルホニル基の他、フルオロアルキル基を有するスルホニル基が挙げられる。フルオロアルキル基は、アルキル基の一部の水素原子が、フッ素原子で置き換わっていてもよく、全ての水素原子がフッ素原子で置き換わったパーフルオロアルキル基であってもよい。フッ素原子を有するスルホニル基としては、フルオロスルホニル基、パーフルオロアルキルスルホニル基が好ましい。
ビス(スルホニル)アミドアニオンとしては、具体的には、ビス(フルオロスルホニル)アミドアニオン[(N(SO2F)2 -)]、(フルオロスルホニル)(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン[(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオン((FSO2)(CF3SO2)N-)など]、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン[ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオン(N(SO2CF32 -)、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)アミドアニオン(N(SO2252 -)など]などが挙げられる。パーフルオロアルキル基の炭素数は、例えば、1〜10、好ましくは1〜8、さらに好ましくは1〜4、特に1、2または3である。これらのアニオンは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
なかでも、ビス(スルホニル)アミドアニオンのうち、ビス(フルオロスルホニル)アミドアニオン(FSA-:bis(fluorosulfonyl)amide anion));ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオン(TFSA-:bis(trifluoromethylsulfonyl)amide anion)、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)アミドアニオン、(フルオロスルホニル)(トリフルオロメチルスルホニル)アミドアニオンなどのビス(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン(PFSA-:bis(perfluoroalkylsulfonyl)amide anion)などが好ましい。
また、イオン液体には、ナトリウムイオン以外の金属カチオンと、ビス(スルホニル)アミドアニオンなどのアニオンとの塩を含ませてもよい。
ナトリウムイオン以外の金属カチオンとしては、リチウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムなどのアルカリ金属カチオンが例示できる。カチオンは、一種を単独で使用してもよく、二種以上を用いてもよい。
具体的には、カリウムイオンとFSA-との塩(K・FSA)、カリウムイオンとTFSA-との塩(K・TFSA)などが好ましく例示できる。
[溶融塩A]
溶融塩Aは、常温で固体のナトリウムを含有する溶融塩であり、電池の電解質として機能する。溶融塩Aは、一般的に常温(5〜35℃)では固体である。溶融塩Aは、溶融塩電解質の溶質に相当する。
溶融塩Aは、ホウ酸アニオン、リン酸アニオン、アミドアニオンなどの様々なアニオンと、ナトリウムイオンとの塩であり得る。ホウ酸アニオンとしては、テトラフルオロホウ酸アニオンが挙げられ、リン酸アニオンとしては、ヘキサフルオロリン酸アニオンが挙げられ、アミドアニオンとしては、ビス(スルホニル)アミドアニオンが挙げられるが、これらに限定されない。これらにうちでは、ナトリウムイオンと、ビス(スルホニル)アミドアニオンとの塩が好ましい。ビス(スルホニル)アミドアニオンを用いることで、耐熱性が高く、かつイオン伝導性の高い溶融塩電解質を得ることが可能である。
溶融塩Bが、有機カチオンとアニオンとの塩である場合、ナトリウムイオン濃度(溶融塩Aが一価のナトリウム塩であれば、溶融塩Aの濃度と同義)は、溶融塩電解質に含まれるカチオンの2モル%以上であることが好ましく、5モル%以上であることが更に好ましく、10モル%以上であることが特に好ましい。このような溶融塩電解質は、優れたナトリウムイオン伝導性を有し、高レートの電流で充放電を行う場合でも、高容量を達成することが容易となる。また、ナトリウムイオン濃度は、溶融塩電解質に含まれるカチオンの50モル%以下であることが好ましく、45モル%以下であることが更に好ましく、40モル%以下であることが特に好ましい。このような溶融塩電解質は、溶融塩Bの含有率が高く、低粘度であり、高レートの電流で充放電を行う場合でも、高容量を達成することが容易となる。上記のナトリウムイオン濃度の好ましい上限と下限は、任意に組み合わせて、好ましい範囲を設定することができる。例えば、ナトリウムイオン濃度の好ましい範囲は、2〜40モル%でもあり得るし、5〜50モル%でもあり得る。
溶融塩Aは、既に述べたように、正極または負極の活物質とともに活物質層に含有させてもよい。また、正極または負極の活物質層の表面やセパレータの表面に溶融塩Aを付着させてもよい。さらに、溶融塩Aをそのままの状態で、電池ケース内に加えてもよい。
溶融塩電解質の融点、粘度およびイオン伝導性のバランスを考慮すると、溶融塩Aと溶融塩Bとのモル比(溶融塩A/溶融塩B)は、例えば50/50〜5/95であればよく、40/60〜10/90であることが好ましい。
溶融塩電解質の具体例としては、溶融塩Aとして、ナトリウムイオンとFSA-との塩(Na・FSA)を含み、溶融塩Bとして、MPPY+とFSA-との塩(MPPY・FSA)を含む溶融塩電解質や、溶融塩Aとして、ナトリウムイオンとTFSA-との塩(Na・TFSA)を含み、溶融塩Bとして、MPPY+とTFSA-との塩(MPPY・TFSA)を含む溶融塩電解質などが挙げられる。
なお、溶融塩電解質は、耐熱性が高く、不燃性を有する点にメリットがある。よって、溶融塩電解質は、溶融塩Aおよび溶融塩B以外の成分を極力含まないことが望ましい。ただし、耐熱性および不燃性を大きく損なわない量の様々な添加剤を溶融塩電解質に含ませることもできる。耐熱性および不燃性を損なわないように、溶融塩電解質の90〜100質量%、更には95〜100質量%が、溶融塩Aおよび溶融塩Bにより占められていることが好ましい。
[正極]
図1は、本発明の一実施形態に係る正極の正面図であり、図2は図1のII−II線断面図である。
ナトリウム溶融塩電池用正極2は、正極集電体2aおよび正極集電体2aに付着した正極活物質層2bを含む。正極活物質層2bは、正極活物質を必須成分として含み、任意成分として導電性炭素材料、結着剤等を含んでもよく、溶融塩Aを含んでもよい。また、図2に示すように、正極活物質層2bの表面に、溶融塩A含有層4が形成されていてもよい。
溶融塩A含有層4は、例えば、溶融塩AおよびNMPを混合して得られた溶液や分散液を、スプレー等で正極活物質層2bの表面に塗布する方法が挙げられる。
正極集電体2aとしては、金属箔、金属繊維製の不織布、金属多孔体シートなどが用いられる。正極集電体を構成する金属としては、正極電位で安定であることから、アルミニウムやアルミニウム合金が好ましいが、特に限定されない。アルミニウム合金を用いる場合、アルミニウム以外の金属成分(例えばFe、Si、Ni、Mnなど)は0.5質量%以下であることが好ましい。正極集電体となる金属箔の厚さは、例えば10〜50μmであり、金属繊維の不織布や金属多孔体シートの厚さは、例えば100〜600μmである。正極集電体2aには、集電用の正極リード片2cを形成してもよい。正極リード片2cは、図1に示すように、正極集電体と一体に形成してもよく、別途形成したリード片を溶接などで正極集電体に接続してもよい。
正極活物質としては、電気化学的にナトリウムイオンを吸蔵および放出する材料であればよく、ナトリウム含有金属酸化物を用いることが好ましい。ナトリウム含有金属酸化物は、1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。ナトリウム含有金属酸化物の粒子の平均粒径(体積粒度分布の累積体積50%における粒径D50)は、2μm以上、20μm以下であることが好ましい。平均粒径D50は、例えば、レーザ回折式の粒度分布測定装置を用いて、レーザ回折散乱法によって測定される値であり、以下も同様である。
ナトリウム含有金属酸化物としては、例えば、亜クロム酸ナトリウム(NaCrO2)を用いることができる。亜クロム酸ナトリウムは、CrまたはNaの一部が他元素で置換されていてもよく、例えば、一般式:Na1-x1 xCr1-y2 y2(0≦x≦2/3、0≦y≦0.7、M1およびM2は、それぞれ独立にCrおよびNa以外の金属元素である)で表される化合物であることが好ましい。上記一般式において、xは、0≦x≦0.5を満たすことがより好ましく、M1およびM2は、例えばNi、Co、Mn、FeおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。なお、M1はNaサイト、M2はCrサイトを占める元素である。このような化合物は、低コストで製造可能であるとともに、充放電に伴う構造変化の可逆性に優れている。これにより、充放電初期から活物質の実容量に近い容量を発揮できるナトリウム溶融塩電池を得ることが可能となる。
また、ナトリウム含有金属酸化物として、鉄マンガン酸ナトリウム(Na2/3Fe1/3Mn2/32など)を用いることもできる。鉄マンガン酸ナトリウムのFe、MnまたはNaの一部は、他元素で置換されていてもよい。例えば、一般式:Na2/3-x3 xFe1/3-yMn2/3-z4 y+z2(−1/3≦x≦2/3、0≦y≦1/3、0≦z≦1/3、M3およびM4は、それぞれ独立にFe、MnおよびNa以外の金属元素である)で表される化合物であることが好ましい。上記の一般式において、xは、0≦x≦1/3を満たすことがより好ましい。M3は、例えばNi、Co、Mn、FeおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、M4は、Ni、CoおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。なお、M3はNaサイト、M4はFeまたはMnサイトを占める元素である。
また、ナトリウム含有金属酸化物として、Na2FePO4F、NaVPO4F、NaCoPO4、NaNiPO4、NaMnPO4、NaMn1.5Ni0.54、NaMn0.5Ni0.52などを用いることもできる。
正極活物質層2bに含ませる導電性炭素材料としては、黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維などが挙げられる。導電性炭素材料のうちでは、少量使用で十分な導電経路を形成しやすいことから、カーボンブラックが特に好ましい。カーボンブラックの例としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、サーマルブラック等を挙げることができる。導電性炭素材料の量は、正極活物質100質量部あたり、2〜15質量部が好ましく、3〜8質量部がより好ましい。
結着剤は、正極活物質同士を結合させるとともに、正極活物質を正極集電体に固定する役割を果たす。結着剤としては、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等を用いることができる。フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等を用いることができる。結着剤の量は、正極活物質100質量部あたり、1〜10質量部が好ましく、3〜5質量部がより好ましい。
正極活物質層2bには、既に述べたように、正極活物質等とともに溶融塩Aを含ませてもよい。具体的には、正極活物質およびポリフッ化ビニリデンとともに、溶融塩AをN−メチル−2−ピロリドンに分散させてペーストを調製し、このペーストを正極集電体2aに塗布して合剤層を形成する方法が挙げられる。
[負極]
図3は、本発明の一実施形態に係る負極の正面図であり、図4は図3のIV−IV線断面図である。
負極3は、負極集電体3aおよび負極集電体3aに付着した負極活物質層3bを含む。負極活物質層3bは、溶融塩Aを含んでもよい。また、図4に示すように、負極活物質層3bの表面に、溶融塩A含有層5が形成されていてもよい。
溶融塩A含有層5は、例えば、溶融塩A、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤およびNMPを混合して得られた溶液や分散液を、スプレー等で負極活物質層3bの表面に塗布する方法が挙げられる。
負極集電体3aとしては、金属箔、金属繊維製の不織布、金属多孔体シートなどが用いられる。前記金属としては、ナトリウムと合金化しない金属を使用することができる。なかでも負極電位で安定であることから、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金などが好ましい。これらのうち、軽量性に優れる点では、アルミニウムやアルミニウム合金が好ましい。アルミニウム合金は、例えば、正極集電体として例示したものと同様のアルミニウム合金を用いてもよい。負極集電体となる金属箔の厚さは、例えば10〜50μmであり、金属繊維の不織布や金属多孔体シートの厚さは、例えば100〜600μmである。負極集電体3aには、集電用の負極リード片3cを形成してもよい。負極リード片3cは、図3に示すように、負極集電体と一体に形成してもよく、別途形成したリード片を溶接などで負極集電体に接続してもよい。
負極活物質層3bには、負極活物質としてナトリウムと合金化する金属や、電気化学的にナトリウムイオンを吸蔵および放出する材料を使用することができる。例えば、ナトリウムと合金化する金属としては、金属ナトリウム、ナトリウム合金、亜鉛、亜鉛合金、錫、錫合金、ケイ素、ケイ素合金などを挙げることができる。これらのうち、溶融塩に対する濡れ性が良好である点において、亜鉛や亜鉛合金が好ましい。前記負極活物質層の厚さは、例えば0.05〜1μmが好適である。なお、亜鉛合金または錫合金における亜鉛または錫以外の金属成分(例えばFe、Ni、Si、Mnなど)は0.5質量%以下とすることが好ましい。
これらの材料を用いる場合、負極活物質層3bは、例えば、金属のシートを負極集電体3aに貼り付けたり、圧着したりすることにより得ることができる。また、真空蒸着法、スパッタリング法などの気相法により、金属をガス化させて負極集電体に付着させてもよく、あるいは、めっき法などの電気化学的方法により、金属の微粒子を負極集電体に付着させてもよい。気相法やめっき法によれば、薄く均一な負極活物質層を形成することができる。
また、電気化学的にナトリウムイオンを吸蔵および放出する材料としては、熱的安定性や電気化学的安定性の観点から、ナトリウム含有チタン化合物、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)等が好ましく用いられる。ナトリウム含有チタン化合物としては、チタン酸ナトリウムが好ましく、より具体的には、Na2Ti37およびNa4Ti512よりなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。また、チタン酸ナトリウムのTiまたはNaの一部を他元素で置換してもよい。例えば、Na2-x5 xTi3-y6 y7(0≦x≦3/2、0≦y≦8/3、M5およびM6は、それぞれ独立にTiおよびNa以外の金属元素であって、例えばNi、Co、Mn、Fe、AlおよびCrよりなる群から選択される少なくとも1種である)や、Na4-x7 xTi5-y8 y12(0≦x≦11/3、0≦y≦14/3、M7およびM8は、それぞれ独立にTiおよびNa以外の金属元素であって、例えばNi、Co、Mn、Fe、AlおよびCrよりなる群から選択される少なくとも1種である)などを用いることもできる。ナトリウム含有チタン化合物は、1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。ナトリウム含有チタン化合物は、難黒鉛化性炭素と組み合わせて用いてもよい。なお、M5およびM7はNaサイト、M6およびM8はTiサイトを占める元素である。
難黒鉛化性炭素とは、不活性雰囲気中で加熱しても黒鉛構造が発達しない炭素材料であり、微小な黒鉛の結晶がランダムな方向に配置され、結晶層と結晶層との間にナノオーダーの空隙を有する材料をいう。代表的なアルカリ金属であるナトリウムイオンの直径は、0.95オングストロームであることから、空隙の大きさは、これより十分に大きいことが好ましい。難黒鉛化性炭素の平均粒径(体積粒度分布の累積体積50%における粒径D50)は、例えば3〜20μmであればよく、5〜15μmであることが、負極における負極活物質の充填性を高め、かつ電解質(溶融塩)との副反応を抑制する観点から望ましい。また、難黒鉛化性炭素の比表面積は、ナトリウムイオンの受け入れ性を確保するとともに、電解質との副反応を抑制する観点から、例えば1〜10m2/gであればよく、3〜8m2/gであることが好ましい。難黒鉛化性炭素は、1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
なお、負極活物質層3bは、前記負極活物質活物質を必須成分として含み、任意成分として結着剤、導電材等を含む合剤層であってもよい。負極に用いる結着剤および導電材としても、正極の構成要素として例示した材料を用いることができる。結着剤の量は、負極活物質100質量部あたり、1〜10質量部が好ましく、3〜5質量部がより好ましい。導電材の量は、負極活物質100質量部あたり、5〜15質量部が好ましく、5〜10質量部がより好ましい。
負極活物質層3bには、既に述べたように、負極活物質等とともに溶融塩Aを含ませてもよい。具体的には、負極活物質およびポリフッ化ビニリデンとともに、溶融塩AをN−メチル−2−ピロリドンに分散させてペーストを調製し、このペーストを負極集電体3aに塗布して合剤層を形成する方法が挙げられる。
[セパレータ]
正極と負極との間には、セパレータを配置することができる。セパレータの材質は、電池の使用温度を考慮して選択すればよいが、溶融塩電解質との副反応を抑制する観点からは、ガラス繊維、シリカ含有ポリオレフィン、フッ素樹脂、アルミナ、ポリフェニレンサルファイト(PPS)などを用いることが好ましい。なかでも、ガラス繊維の不織布は、安価であり、耐熱性も高い点で好ましい。また、シリカ含有ポリオレフィンやアルミナは、耐熱性に優れる点で好ましい。また、フッ素樹脂やPPSは、耐熱性と耐腐食性の点で好ましい。特にPPSは、溶融塩に含まれるフッ素に対する耐性に優れている。
セパレータの厚さは、10〜500μm、更には20〜50μmであることが好ましい。この範囲の厚さであれば、内部短絡を有効に防止でき、かつ電極群に占めるセパレータの容積占有率を低く抑えることができるため、高い容量密度を得ることができるからである。
また、セパレータに溶融塩Aを担持させてもよい。その方法としては、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレンなどの樹脂と溶融塩Aとを混合して得られた溶液や分散液を、セパレータにスプレーまたは含浸させた後、乾燥する方法が挙げられる。
[電極群]
ナトリウム溶融塩電池は、上記の正極と負極を含む電極群および溶融塩電解質を、電池ケースに収容した状態で用いられる。電極群は、正極と負極とを、これらの間にセパレータを介在させて積層または捲回することにより形成される。このとき、金属製の電池ケースを用いるとともに、正極および負極の一方を電池ケースと導通させることにより、電池ケースの一部を第1外部端子として利用することができる。一方、正極および負極の他方は、電池ケースと絶縁された状態で電池ケース外に導出された第2外部端子と、リード片などを用いて接続される。
次に、本発明の一実施形態に係るナトリウム溶融塩電池の構造について説明する。ただし、本発明に係るナトリウム溶融塩電池の構造は、以下の構造に限定されるものではない。
図5は、電池ケースの一部を切り欠いたナトリウム溶融塩電池100の斜視図であり、図6は、図5におけるVI−VI線断面を概略的に示す縦断面図である。
溶融塩電池100は、積層型の電極群11、電解質(図示せず)およびこれらを収容する角型のアルミニウム製の電池ケース10を具備する。電池ケース10は、上部が開口した有底の容器本体12と、上部開口を塞ぐ蓋部13とで構成されている。
蓋部13の一方側寄りには、電池ケース10と絶縁された状態で蓋部13を貫通する外部正極端子14が設けられ、蓋部13の他方側寄りの位置には、電池ケース10と導通した状態で蓋部13を貫通する外部負極端子15が設けられている。蓋部13の中央には、電子ケース10の内圧が上昇したときに内部で発生したガスを放出するための安全弁16が設けられている。さらに、図示されていないが、蓋部13には、液を注液する注液口が設けられている。
積層型の電極群11は、いずれも矩形のシート状である、複数の正極2と複数の負極3およびこれらの間に介在する複数のセパレータ1により構成されている。図6では、セパレータ1は、正極2を包囲するように袋状に形成されているが、セパレータの形態は特に限定されない。複数の正極2と複数の負極3は、電極群11内で積層方向に交互に配置される。
各正極2の一端部には、正極リード片2cを形成してもよい。複数の正極2の正極リード片2cを束ねるとともに、電池ケース10の蓋部13に設けられた外部正極端子14に接続することにより、複数の正極2が並列に接続される。同様に、各負極3の一端部には、負極リード片3cを形成してもよい。複数の負極3の負極リード片3cを束ねるとともに、電池ケース10の蓋部13に設けられた外部負極端子15に接続することにより、複数の負極3が並列に接続される。正極リード片2cの束と負極リード片3cの束は、互いの接触を避けるように、電極群11の一端面の左右に、間隔を空けて配置することが望ましい。
外部正極端子14および外部負極端子15は、いずれも柱状であり、少なくとも外部に露出する部分が螺子溝を有する。各端子の螺子溝にはナット7が嵌められ、ナット7を回転することにより蓋部13に対してナット7が固定される。各端子の電池ケース内部に収容される部分には、鍔部8が設けられており、ナット7の回転により、鍔部8が、蓋部13の内面に、ワッシャ9を介して固定される。
[実施例]
次に、実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明する。ただし、以下の実施例は、本発明を限定するものではない。
《実施例1》
(正極の作製)
平均粒子径10μmのNaCrO2(正極活物質)85質量部、アセチレンブラック(導電剤)10質量部およびポリフッ化ビニリデン(結着剤)5質量部を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させて、正極ペーストを調製した。得られた正極ペーストを、厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、十分に乾燥させ、圧延して、両面に厚さ80μmの正極合剤層を有する総厚180μmの正極を作製した。
正極をサイズ100×100mmの矩形に裁断し、10枚の正極を準備した。ただし、正極の一辺の一方側端部には、集電用のリード片を形成した。10枚中の1枚の正極は、片面のみに正極合剤層を有する電極とした。
(負極の作製)
厚さ10μmのアルミニウム箔(第1金属)の両面に、亜鉛めっきを施し、厚さ100nmの亜鉛層(第2金属)を形成し、総厚10.2μmの負極を作製した。
負極をサイズ105×105mmの矩形に裁断し、10枚の負極を準備した。ただし、負極の一辺の一方側端部には、集電用のリード片を形成した。10枚中の1枚の負極は、片面のみに負極活物質層を有する電極とした。
(セパレータ)
厚さ50μmのシリカ含有ポリオレフィン製のセパレータを準備した。平均細孔径は0.1μmであり、空隙率は70%である。セパレータは、サイズ110×110mmに裁断し、21枚のセパレータを準備した。
(溶融塩A)
ナトリウム・ビス(フルオロスルホニル)アミド(Na・FSA)3.7gを準備した。
(溶融塩B)
1−メチル−1−プロピルピロリジニウム・ビス(フルオロスルホニル)アミド(MPPY・FSA)50gを準備した。
(溶融塩電池の組み立て)
正極、負極およびセパレータを、0.3Paの減圧下で、90℃以上で加熱して十分に乾燥させた。その後、正極と負極との間に、セパレータを介在させて、正極リード片同士および負極リード片同士が重なり、かつ正極リード片の束と負極リード片の束とが左右対象な位置に配置されるように積層し、電極群を作製した。電極群の一方および他方の端部には、片面のみに活物質層(合剤層)を有する電極を、その活物質層が他方の極性の電極と対向するように配置した。その後、電極群の両端部の外側にもセパレータを配置し、電池ケースに収容した。ついで、溶融塩Bを減圧環境下(10〜20Pa)で注液口(図示せず)から注液した。最後に、注液口から溶融塩A全量を加え、図5、6に示すような構造の公称容量1.8Ahの溶融塩電池Aを完成させた。溶融塩A(ナトリウム塩)と溶融塩B(イオン液体)とのモル比は10:90とした。なお、注液温度(90℃)での溶融塩B(イオン液体)の粘度は9Pa・sであった。
《実施例2》
溶融塩Aを電池ケースに全量加えたのち、溶融塩Bを注液したこと以外、実施例1と同様に、溶融塩電池Bを作製した。
《実施例3》
溶融塩A全量をNMPに分散させて、溶融塩Aの分散液を得た。前記分散液の全量を、正極10枚の片面にスプレーし、乾燥させた。この正極を使用し、溶融塩Bを注液した後、電池ケース内に溶融塩Aを加えなかったこと以外、実施例1と同様に、溶融塩電池Cを作製した。
《比較例1》
溶融塩A全量と溶融塩Bとを予め混合した電解質を、電池ケース内に注液したこと以外、実施例1と同様に、溶融塩電池aを作製した。注液温度(90℃)での溶融塩電解質の粘度は10Pa・sであった。
[評価1]
実施例1〜3および比較例1のナトリウム溶融塩電池を恒温室内で90℃になるまで加熱し、温度が安定した状態で、以下の(1)〜(3)の条件を1サイクルとして、10サイクルの充放電を行い、設計容量に対する1サイクル目および10サイクル目における放電容量の割合(活物質利用率)を求めた。結果を表1に示す。
(1)充電電流0.2Cで、充電終止電圧3.5Vまで充電
(2)3.5Vの定電圧で終止電流0.01Cまで充電
(3)放電電流0.2Cで、放電終止電圧2.5Vまで放電
Figure 2015046342
[評価2]
作製した電池を解体し、電解質の含浸状態を目視で確認した。
電池A〜Cは、電解質が電極群全体に均一に浸透していた。電池aは、電極群の一部に電解質が浸透していない領域が存在していた。
表1からわかるように、溶融塩Aを電池ケース内で溶融塩Bと接触させ、溶解させた実施例1〜3では、1サイクル目から電解液の含浸が進行しており、98%以上の利用率が得られた。比較例1では、電解液の粘性が高く含浸に時間がかかるため、サイクルを経るにしたがって、利用率が上昇していく傾向が確認された。
本発明に係るナトリウム溶融塩電池は、充放電サイクル特性に優れることから、長期的な信頼性が求められる用途、例えば、家庭用または工業用の大型電力貯蔵装置、電気自動車、ハイブリッド自動車などの電源として有用である。
1:セパレータ、2:正極、2a:正極集電体、2b:正極活物質層、2c:正極リード片、3:負極、3a:負極集電体、3b:負極活物質層、3c:負極リード片、4:融塩A含有層、5:溶融塩A含有層、7:ナット、8:鍔部、9:ワッシャ、10:電池ケース、11:電極群、12:容器本体、13:蓋部、14:外部正極端子、15:外部負極端子、16:安全弁、100:溶融塩電池
第4級アンモニウムカチオンとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、
エチルトリメチルアンモニウムカチオン(ethyltrimethylammonium cation)、ヘキシルトリメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン(TEA+:tetraethylammonium cation)、トリエチルメチルアンモニウムカチオン(TEMA+ : triethylmethylammonium cation)などのテトラアルキルアンモニウムカチオン(テトラC1-10アルキルアンモニウムカチオンなど)などが例示できる。
窒素含有へテロ環を有する有機カチオンの中でも、ピロリジン骨格を有する有機カチオンは、特に耐熱性が高く、製造コストも小さく、溶融塩電解質として有望である。ピロリジン骨格を有する有機カチオンは、ピロリジン環を構成する1つの窒素原子に、2つの上記アルキル基を有することが好ましい。ピリジン骨格を有する有機カチオンは、ピリジン環を構成する1つの窒素原子に、1つの上記アルキル基を有することが好ましい。また、
イミダゾール骨格を有する有機カチオンは、イミダゾール環を構成する2つの窒素原子に、それぞれ、1つの上記アルキル基を有することが好ましい。
ピロリジン骨格を有する有機カチオンの具体例としては、1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジエチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン(MPPY+:1-methyl-1-propylpyrrolidinium cation)、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムカチオン(MBPY+:1-methyl-1-butylpyrrolidinium cation)、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムカチオンなどが挙げられる。これらのうちでは、特に電気化学的安定性が高いことから、MPPY+、MBPY+などの、メチル基と、炭素数2〜4のアルキル基とを有するピロリジニウムカチオンが好ましい。
イミダゾール骨格を有する有機カチオンの具体例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(EMI+: 1-ethyl-3-methylimidazolium cation)、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(BMI+:1-buthyl-3-methylimidazolium cation)、1−エチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウムカチオンなどが挙げられる。これらのうち、EMI+、BMI+などのメチル基と炭素数2〜4のアルキル基とを有するイミダゾリウムカチオンが好ましい。
また、ナトリウム含有金属酸化物として、鉄マンガン酸ナトリウム(Na2/3Fe1/3Mn2/32など)を用いることもできる。鉄マンガン酸ナトリウムのFe、MnまたはNaの一部は、他元素で置換されていてもよい。例えば、一般式:Na2/3-x3 xFe1/3-yMn2/3-z4 y+z2≦x2/3、0≦y1/3、0≦z≦1/3、M3およびM4は、それぞれ独立にFe、MnおよびNa以外の金属元素である)で表される化合物であることが好ましい。上記の一般式において、xは、0≦x≦1/3を満たすことがより好ましい。M3は、例えばNi、CoおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、M4は、Ni、CoおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。なお、M3はNaサイト、M4はFeまたはMnサイトを占める元素である。

Claims (7)

  1. (i)常温で固体のナトリウムを含有する溶融塩Aと、常温で液体の溶融塩Bとを準備する工程と、
    (ii)正極、負極、および前記正極と前記負極との間に介在するセパレータを含む電極群を準備する工程と、
    (iii)前記電極群を収容する電池ケースを準備する工程と、
    (iv)前記電池ケース内で前記溶融塩Aの少なくとも一部を、前記溶融塩Bに溶解させる工程と、を具備する溶融塩電池の製造方法。
  2. 前記工程(iv)が、前記溶融塩Bの少なくとも一部を前記電池ケースに注液した後、前記溶融塩Aの少なくとも一部を前記電池ケース内に加えることを含む、請求項1に記載の溶融塩電池の製造方法。
  3. 前記工程(iv)が、前記溶融塩Aの少なくとも一部を前記電池ケース内に加えた後、前記溶融塩Bの少なくとも一部を前記電池ケースに注液することを含む、請求項1に記載の溶融塩電池の製造方法。
  4. 前記工程(ii)が、前記溶融塩Aの少なくとも一部を、前記電極群に保持させることを含む、請求項1〜3に記載の溶融塩電池の製造方法。
  5. 前記正極、前記負極および前記セパレータよりなる群から選択される少なくとも1つに、前記溶融塩Aの少なくとも一部を保持させることにより、前記電極群に前記溶融塩Aの少なくとも一部を保持させる、請求項4に記載の溶融塩電池の製造方法。
  6. 前記溶融塩Aが、ナトリウムイオンとビス(スルホニル)アミドアニオンとの塩であり、前記溶融塩Bが、有機オニウムカチオンとビス(スルホニル)アミドアニオンとの塩である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の溶融塩電池の製造方法。
  7. 請求項1に記載の製造方法により製造された、溶融塩電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108981162A (zh) * 2018-06-06 2018-12-11 朱焕旺 一种熔盐循环运行工艺

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