JP2015042946A - 運転支援装置および運転支援方法 - Google Patents
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しかしながら、時間帯によっては当該制限すべき範囲が重なる場合があり、この場合、無用な遠回りをしながら走行しなければならないという課題があった。
図1は、この発明の実施の形態1に係る運転支援装置の構成を示すブロック図であり、実施の形態1に係る運転支援装置として機能するナビゲーション装置1を示している。
図1において、ナビゲーション装置1は、車両に持ち込みまたは搭載されたナビゲーション装置であり、位置検出部2、加速度・方位検出部3、地図データベース4、制限範囲データベース5、情報収集部6、演算処理部7、DRAM(Dynamic Random Access Memory)8、表示部9、入力部10および音声出力部11を備えて構成される。
加速度・方位検出部3は、車両の進行方向と車両速度を示す走行情報を取得する走行情報取得部である。例えば、ジャイロなどによって車両の加速度を検出し、車両の前後方向の加速度から車両の走行速度を示す情報を取得する。また、地磁気から車両の進行方位(進行方向)を検出する地磁気センサを用いる。
なお、地図データベース4をナビゲーション装置1に設けず、情報収集部6により地図データの収集が可能な外部の地図データサーバに構築されたものであってもよい。
道路の周辺情報には、例えば、走行路の渋滞情報、車両の進行方向にある施設情報や地域情報が挙げられる。施設情報としては、特に車両の混雑状況や歩行者の往来状況を予想することができる情報が取得される。例えば、車両の走行時に開催されるイベントなどの情報がある。また、地域情報は、路面状況を予想することができる地域情報であり、例えば、車両の進行方向の地域の天気情報などがある。
また、演算処理部7は、車両の位置情報、走行情報および制限範囲データベースの登録内容を基に車両が制限範囲に到達すると予想される時点での時間要素に応じた道路状況でとるべき運転行動を決定する制御部として機能する。
例えば、演算処理部7が、車両が走行している間、位置検出部2が取得した車両の位置情報と加速度・方位検出部3が取得した走行情報(車両の進行方向と走行速度)を用いて制限範囲データベース5の登録内容を常に検索し、車両が制限範囲に向かっており、この制限範囲まで所定の距離または時間の位置範囲に車両が到達したかどうかを確認する。
演算処理部7は、車両が制限範囲まで所定の距離または時間の位置範囲に到達すると、車両の現在位置と走行情報、制限範囲に対応する地図データを用いて、現在位置から制限範囲に到達する予想時刻を算出する。続いて、演算処理部7は、制限範囲データベース5を参照して車両が到達する予想時刻に対応する時間要素、すなわち、曜日、季節および時間帯における制限範囲の道路状況を判別する。
演算処理部7は、判別した道路状況に基づいて、各種の道路状況で車両がとるべき運転行動がまとめられた運転行動テーブルデータを参照し、対応する運転行動を決定する。
なお、運転行動テーブルデータは、演算処理部7にあらかじめ設定してもよいが、入力部10を用いてユーザが設定してもよい。
表示部9は、情報を画面表示して運転者に提示する情報提示部であり、演算処理部7によって表示処理が制御される。例えば、ナビゲーション画面として自車両位置付近の道路地図を表示するか、演算処理部7が決定した運転行動を画面上に表示する。
音声出力部11は、情報を音声出力して運転者に提示する情報提示部であり、演算処理部7によって音声出力処理が制御される。例えば、車内スピーカと音声出力ソフトウェアから構成される。
なお、この入力部10を用いて制限範囲データベース5の内容を登録する処理が可能であり、また制限範囲の道路状況でとるべき走行状態の運転行動を演算処理部7に設定することができる。
図2のデータは、学校などの施設の存在に起因して、曜日、季節および時間帯を含む時間要素に応じて車両の混雑や人の往来が増加する制限範囲を示している。
例えば、“小学校1”には、図2に示すように、時間帯と曜日に応じて、車両の混雑や人の往来が所定の閾値を超えて増加する道路範囲として範囲1,2,3,・・・が登録されており、それぞれの道路範囲が地図データの道路データ(道路リンク)に対応付けて規定されている。これらのデータは、車両の混雑や人の往来を路上調査した結果を用いて得ることができる。
例えば、学校付近の通学路では、登校時間帯(例えば8:00〜8:30)においては継続して人通りが多いと想定され、この時間帯では常に車両の走行状態を制限する必要がある。一方、学校から遠い通学路では、通学の歩行者の歩く速度を考慮して、始業時刻より早い時間帯(例えば7:45〜8:15)に人通りが多くなると想定され、学校付近の通学路とは異なる時間帯に車両の走行状態を制限することが好ましい。
例えば、山などの“場所1”には、図3に示すように、季節と時間帯に応じて路面が凍結する道路範囲として範囲1,2,3,・・・が登録されており、それぞれの道路範囲が地図データの道路データ(道路リンク)に対応付けて規定されている。
また、山道では、夏の早朝の時間帯に霧が発生しやすい。そこで、季節と時間帯に応じて霧が発生して視界が悪くなり、本来の制限速度よりも車両速度を下げる必要がある道路範囲を登録してもよい。
なお、これらのデータは、路面状態や道路状態を季節および時間帯ごとに調査した結果を用いて得ることができる。
なお、図2〜4以外にも時間要素に応じて車両の走行状態を制限すべき道路状況となる範囲を制限範囲データとして登録してもよい。
図5は、実施の形態1における運転支援の概要を示す図である。図5において、車両は地点Aから地点Bに向かっており、その途中に、学校S1があり、交差点X3を含む範囲Z1が通学路として制限範囲データベース5に登録されているものと仮定する。
まず、演算処理部7が、位置検出部2が取得した車両の位置情報と加速度・方位検出部3が取得した走行情報(車両の進行方向と走行速度)を用いて制限範囲データベース5の登録内容を検索し、車両が制限範囲Z1まで所定の距離または時間の位置にある地点Aに到達したと判定する。
図5の例では、車両が制限範囲Z1に到達する予想時刻では、学校S1の登校時間帯であり、休日でなかった場合を示しており、学校S1に通学する学生の往来が所定の閾値を超えて増加している。
なお、演算処理部7は、運転行動テーブルデータを参照して決定した運転行動を示す情報を、表示部9または音声出力部11で出力可能な形態の情報に変換する。
これにより、表示部9または音声出力部11は、車両が制限範囲Z1に到達する前に、演算処理部7が決定した運転行動を、画面表示または音声ガイダンスを出力することで、運転者に提示する。
例えば、路線バスの利用者が乗降車している間は、路線バスが停車するため、後続車も停車せざるを得ない。また、路線バスの利用者が乗降車した後に、道路を横断することも考えられる。この場合、後続車が路線バスを追い越すことはできないので、交差点X3を含む道路の制限速度より低い速度で走行させる。
例えば、車両が休日に走行しており、制限範囲データベース5の内容からは、通学者が少なく車両の走行が制限される道路状況でないと予想される場合を考える。
このような場合であっても、演算処理部7は、情報収集部6によってリアルタイムに制限範囲Z1の渋滞情報が取得されると、車両が制限範囲Z1に到達すると予想される時点においても渋滞が継続するか否かを判断する。
渋滞が継続すると判断すると、演算処理部7は、運転行動テーブルデータを参照して、渋滞で車両がとるべき運転行動を決定する。例えば、減速させる運転行動が考えられる。
なお、渋滞情報は、VICS(Vehicle Information and Communication System;登録商標)から取得可能である。
この場合も、演算処理部7は、運転行動テーブルデータを参照して所定の閾値を超える人の往来に対応する運転行動を決定する。例えば、減速させる運転行動が考えられる。
例えば、地点Bが目的地に設定され、制限範囲データベース5の内容から制限範囲Z1が車両の走行を制限すべき道路状況である場合、演算処理部7は、車両位置と地図データベース4に基づいて、制限範囲Z1を回避して、地点Aから交差点X1、交差点X2、交差点X4を経由して地点Bに向かう経路を探索する。
なお、この場合、制限範囲Z1を回避した経路で地点Bに到達する予想時刻と、地点Aから交差点X3,X4を経由(制限範囲Z1で車両が減速させる)して地点Bに到達する予想時刻との時間差が所定の閾値範囲内である場合に制限範囲Z1を回避した経路を選択する。これにより、地点Bへ無用な遠回りをせずに済む。
例えば、制限範囲Z1における交差点X3を抜けて交差点X4へ向かう道路の人通りが多く、車両の走行速度を最も下げなければならない場合、交差点X3で交差点X2へ左折して地点Bへ向かう経路を探索する。この場合、制限範囲Z1で所定の速度まで減速した状態で左折が行われるが、制限範囲Z1から離脱して後の道路では車両の速度を上げることができるので、地点Bに到達する予想時刻は早くなり時間が短縮される(時間優先探索モード)。
なお、この場合、制限範囲Z1では車両が減速されるので、制限範囲Z1を回避して、地点Aから交差点X1、交差点X2、交差点X4を経由して地点Bに向かう経路より所要時間はかかる可能性がある。
このように、従来のように制限範囲を画一的に回避するのではなく、所定の走行制限を与えて制限範囲を通過するように運転支援するので、時間帯によって制限範囲が重なった場合であっても、無用な遠回りをすることなく、走行制限すべき範囲に適した運転を行うことができる。
このように構成することで、より実際の道路状況に的確に対応した運転行動を運転者に提示することができる。
図6は、この発明の実施の形態2に係る運転支援システムを示す図である。図6に示す運転支援システムは、車載器100が、携帯端末101およびサーバ102と連携して、制限範囲の道路状況でとるべき運転行動を提示する。以下、この運転支援システムの構成態様について説明する。
この構成においては、車載器100がサーバ102と直接通信するか、あるいは、携帯端末101を介して車載器100がサーバ102と通信する場合が考えられる。
サーバ102は、上述の通信を行う通信部の他に、上記実施の形態1で示した地図データベース4、制限範囲データベース5、情報収集部6および演算処理部7を備えている。
また、車載器100は、サーバ102と通信を行う通信部、位置検出部2、加速度・方位検出部3、表示部9および音声出力部11を備えて構成される表示装置である。
そして、サーバ102が、通信部を介して、この運転行動を車載器100に通知して、表示部9および音声出力部11の少なくとも一方に提示させる。
この構成においては、車載器100が、携帯端末101と通信する場合が考えられる。
車載器100は、携帯端末101と通信を行う通信部、表示部9および音声出力部11を備えて構成される情報提示装置である。
携帯端末101は、車載器100と通信を行う通信部、位置検出部2、加速度・方位検出部3、情報収集部6および演算処理部7を備えている。
サーバ102は、地図データベース4および制限範囲データベース5を備える。
そして、携帯端末101が、通信部を介して、この運転行動を車載器100に通知して表示部9および音声出力部11の少なくとも一方に提示させる。
このように構成することでも、車両の運転者が、無用な遠回りをすることなく、走行制限すべき範囲に適した運転を行うことができる。
Claims (5)
- 車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記車両の進行方向および車両速度を示す走行情報を取得する走行情報取得部と、
曜日、季節および時間帯を含む時間要素に応じて車両の走行状態を制限すべき道路状況となる制限範囲が地図データに対応付けて登録された制限範囲データベースと、
前記車両の位置情報、前記走行情報および前記制限範囲データベースの登録内容を基に前記車両が前記制限範囲に到達すると予想される時点での前記時間要素に応じた道路状況でとるべき運転行動を決定する制御部と、
前記車両が前記制限範囲に到達する前に前記制御部が決定した前記運転行動を提示する情報提示部とを備える運転支援装置。 - 前記車両が走行する道路の周辺情報を取得する周辺情報取得部を備え、
前記制御部は、前記車両が前記制限範囲に到達すると予想される時点での前記時間要素と前記周辺情報取得部によって取得された道路の周辺情報を基に前記制限範囲の道路状況を判定し、判定した道路状況でとるべき運転行動を決定することを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。 - 前記制限範囲の道路状況は、車両の混雑状況、歩行者の往来状況および路面状態のうちの少なくとも一つで規定される道路状況であることを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
- 前記制御部は、目的地が設定されている場合、前記制限範囲を回避または前記制限範囲を走行する距離または時間を短くした前記目的地までの経路を探索し、当該経路の案内を行うことを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
- 車両内の情報提示装置に運転支援情報を提示する運転支援方法であって、
位置情報取得部が、前記車両の位置情報を取得するステップと、
走行情報取得部が、前記車両の進行方向および車両速度を示す走行情報を取得するステップと、
制御部が、前記車両の位置情報、前記走行情報、および、曜日、季節および時間帯を含む時間要素に応じて車両の走行状態を制限すべき道路状況となる制限範囲が地図データに対応付けて登録された制限範囲データベースの登録内容を基に前記車両が前記制限範囲に到達すると予想される時点での前記時間要素に応じた道路状況でとるべき運転行動を決定して、前記車両が前記制限範囲に到達する前に、前記情報提示装置に前記運転行動を提示させるステップとを備えることを特徴とする運転支援方法。
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