JP2015042560A - 包装用止め具及びそれを用いて連結された包装箱 - Google Patents

Abstract

【課題】キー部材に指を掛ける部分の穴を塞ぐことで包装箱内への異物や虫等の侵入を抑制できる包装用止め具及びそれを用いて連結された包装箱を提供する。【解決手段】包装用止め具は、ベース部材と、キー部材とを備える。ベース部材は、二以上の包装材に形成された貫通穴に挿入される筒状部と、筒状部の一端側周縁部に設けられた鍔部と、筒状部の対向する内壁面に第１ヒンジ部を介して連結され、筒状部の他端側方向に屈曲する一対のフック部材と、を有する。キー部材は、筒状部内に鍔部側から挿抜可能な押し開き部と、押し開き部を引き抜く際に指を挿入可能な表面側開口と、表面側開口に連通するように形成される裏面側開口と、を有する。フック部材の少なくとも一方には、押し開き部が筒状部内に完全に挿入された状態で裏面側開口を閉鎖するリブが形成されている。【選択図】図５

Description

本発明は、例えば段ボールシートのような包装材に形成された穴を重ね合わせて挿入することにより、２つ以上に分かれている包装材を連結する包装用止め具に関するものである。

従来、パレット上に製品を載置し、上箱を被せて固定する、いわゆるＣ式包装ケースが、電子機器等の大型で重量の重い製品を梱包する場合に広く用いられている。従来のＣ式包装箱の一例を図１１及び図１２に示す。包装箱１００は下箱１０１と上箱１０２とから構成され、下箱１０１の底面にはパレット１０３が付設されている。また、下箱１０１の各側面の中央には貫通穴１０４ａが形成されている。このような包装箱１００の使用法を図１２に示す。先ず、下箱１０１上に被梱包物（図示せず）を載置し、筒状の上箱１０２を被せる。

上箱１０２の下方には、下箱１０１の貫通穴１０４ａと重なる位置に、貫通穴１０４ｂが形成されており、貫通穴１０４ａ、１０４ｂを重ねた状態で止め具１０５を差し込むことにより、下箱１０１と上箱１０２とを一体に連結する。このようなパレット１０３が付設された下箱１０１を用いることにより、製品を梱包後、さらに包装箱１００をパレット１０３に載せる必要がないため、特に大型の製品等の梱包及び運搬が容易となる。

このようなＣ式包装箱を開梱する際に、下箱１０１と上箱１０２とを連結する止め具を容易に取り外す方法が考案されている。例えば特許文献１には、筒状部と、筒状部の一端に設けた鍔部と、筒状部の相対向する内壁にヒンジ部を介して連結された一対のフック部材とを有するベース部材（ベース体）と、ベース部材の筒状部内に挿入可能な押し開き部を有したキー部材（キー体）とを有する包装用止め具が開示されている。

特許文献１に記載の止め具は、ベース部材の筒状部にキー部材を押し込むことによりフック部材が回動し、フック部材とベース部材の鍔部との間に２枚の包装材が挟持されて連結される。そして、キー部材の上面の開口部に指を挿入し、傾斜板に案内されてキー部材の端部に指を掛け、上側に引き上げることにより包装材の連結が解除される。

特公平６−５５６２１号公報

特許文献１に記載の構造では、キー部材に指を掛ける部分を形成するために、金型の構成上、キー部材には包装材の外側から内側に貫通する穴が空いてしまう。その結果、キー部材の穴から包装箱の内部に異物や虫等が侵入するおそれがあった。

本発明は、上記問題点に鑑み、キー部材に指を掛けることで容易に取り外し可能であり、指を掛ける部分の穴を塞ぐことで包装箱内への異物や虫等の侵入を抑制できる包装用止め具及びそれを用いて連結された包装箱を提供することを目的とするものである。

上記目的を達成するために本発明の第１の構成は、二以上の包装材が挟持される包装用止め具であって、ベース部材と、キー部材とを備える。ベース部材は、貫通穴が形成された二以上の包装材の貫通穴を重ね合わせた状態で貫通穴に挿入される筒状部と、該筒状部の一端側周縁部に設けられた筒状部よりも大径の鍔部と、筒状部の対向する内壁面に第１ヒンジ部を介して連結され、第１ヒンジ部を基端部として筒状部の他端側方向にＬ字形に屈曲する一対のフック部材と、を有する。キー部材は、ベース部材の筒状部内に鍔部側から挿抜可能な押し開き部と、該押し開き部を前記筒状部から引き抜く際に指を挿入可能な表面側開口と、該表面側開口に連通するように形成される裏面側開口と、を有する。押し開き部を筒状部内に挿入することにより、フック部材が第１ヒンジ部を支軸として鍔部と反対方向に回動し、鍔部とフック部材によって二以上の包装材が挟持される。フック部材の少なくとも一方には、屈曲部から鍔部側に延びるリブが形成されており、リブは、押し開き部が筒状部内に完全に挿入された状態で裏面側開口を閉鎖する。

本発明の第１の構成によれば、鍔部とフック部材によって二以上の包装材を連結した状態で、キー部材の裏面側開口がリブによって塞がれ、包装材の内側と外側とが遮断される。従って、表面側開口及び裏面側開口を介した異物や虫等の侵入を効果的に抑制することができる。また、異物や虫等の侵入のおそれがないために、従来の構成に比べて表面側開口を大きくすることができ、包装材の開梱時に表面側開口に指を差し入れ易くなってベース部材とキー部材との嵌合を解除する際の操作性も向上する。

本発明の包装用止め具１０が取り付けられる包装箱１の一例を示す分解斜視図 本発明の一実施形態に係る包装用止め具１０の使用前の状態を示す斜視図 ベース部材１４を第１ヒンジ部１８と垂直な方向から見た側面断面図 キー部材１５を長手方向に沿って切断した側面断面図 包装用止め具１０のキー部材１５を回動させてベース部材１４側へ折り返した状態を示す斜視図 図５の状態から、キー部材１５をさらに回動させて押し開き部２５を第１リブ２１に当接させた状態を示す斜視図 図６の状態から、キー部材１５をさらに回動させて押し開き部２５を鍔部１７側から筒状部１６の内部に挿入した状態をキー部材１５側から見た斜視図 キー部材１５が完全に筒状部１６の内部に挿入された状態を鍔部１７と反対側から見た斜視図 キー部材１５が完全に筒状部１６の内部に挿入された包装用止め具１０を鍔部１７側から見た正面図 キー部材１５が完全に筒状部１６の内部に挿入された包装用止め具１０の側面断面図 従来のＣ式包装箱１００の下箱１０１の斜視図 従来のＣ式包装箱１００を用いて製品を梱包する状態を示す側面図

以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図１は、本発明の包装用止め具１０が取り付けられる包装箱１の構成例を示す斜視図である。包装箱１は、トレイ付きパレット２と、被梱包物の側面及び上面を覆う底面が開口した上箱３と、トレイ付きパレット２上に配置され被梱包物を外部衝撃から保護する段ボール製の緩衝材４とから構成されている。緩衝材４には、被梱包物の形状に合わせて製品載置面４ａが形成されている。

トレイ付きパレット２は、製品（被梱包物）が載置される底面５ａ及び底面５ａの周縁に立設された側壁５ｂから成るトレイ５と、トレイ５の下面に固定されるパレット６とから成り、緩衝材４は底面５ａの四隅に側壁５ｂとの間に所定の隙間を隔てて配置されている。上箱３の下部には、側壁５ｂの貫通穴８ａと重なる位置に、貫通穴８ｂが形成されており、貫通穴８ａ、８ｂを重ねた状態で包装用止め具１０（図２参照）を差し込むことにより、トレイ付きパレット２と上箱３とを一体に連結する。

緩衝材４の下面には、底面５ａ上に設けられた切り起こし（図示せず）が差し込まれており、各緩衝材４が所定位置に位置決めされ、合わせて水平方向のずれが生じないようになっている。なお、接着等の他の方法により緩衝材４を底面５ａ上に固定しても良い。

パレット６は、例えば段ボールを折り曲げて形成した複数の支柱部６ａと、各支柱部６ａの上下面に固定される天板（図示せず）及び底板６ｂとから成り、各支柱部６ａの間には、フォークリフトやハンドパレット（パレット運搬用台車）のアームを挿入するアーム挿入穴９が形成されている。

次に、図１に示した包装箱１を用いて製品を梱包する手順について説明する。先ず、トレイ付きパレット２の底面５ａ上に配置された緩衝材４の製品載置面４ａに製品（図示せず）を載置する。次に、必要に応じて製品の上面、及び側面にも緩衝材を配置し、筒状の上箱３を被せた後、各フラップ５を起立させる。最後に、側壁５ｂの貫通穴８ａと、上箱３の貫通穴８ｂを重ねた状態で包装用止め具１０を差し込むことにより、トレイ付きパレット２と上箱３とを一体に連結する。

図２は、本発明の一実施形態に係る包装用止め具１０の使用前の状態を示す斜視図である。図２に示すように、包装用止め具１０は、ベース部材１４と、連結片２３によりベース部材１４に連結されるキー部材１５とで構成される。ベース部材１４は、筒状部１６と、筒状部１６の一端に設けられた鍔部１７と、筒状部１６の相対向する内面に第１ヒンジ部１８を介して回動可能に連結された一対のフック部材１９ａ、１９ｂを有している。鍔部１７には、ベース部材１４にキー部材１５を挿入した際にキー部材１５の連結片２３が納まる凹部２６が設けられている。

図３は、ベース部材１４を第１ヒンジ部１８と垂直な方向から見た側面断面図（図２のＡＡ′矢視断面図）である。図３に示すように、フック部材１９ａ、１９ｂは、第１ヒンジ部１８を基端部としてＬ字形状に屈曲しており、先端部２０が筒状部１６から突出している。フック部材１９ａ、１９ｂには、それぞれ屈曲部から先端部２０と反対方向（鍔部１７側）に延びる平板状の第１リブ２１、第２リブ２２が一体形成されている。フック部材１９ａに一体形成された第１リブ２１は、連結片２３から遠い側に幅広部２１ａ（図２参照）を有している。また、第２リブ２２は、第１リブ２１の幅広部２１ａに対向する位置に形成されており、幅広部２１ａに比べて突出量（高さ）が小さくなっている。さらに、フック部材１９ａ、１９ｂの第１ヒンジ部１８から屈曲部までの間には、キー部材１５の押し開き部２５との当接面に係合突起３０が形成されている。

キー部材１５は、筒状部１６の内寸とほぼ同じ外寸を有する押し開き部２５を有しており、第２ヒンジ部２４に沿って連結片２３を折り曲げることで、押し開き部２５をベース部材１４の筒状部１６内に挿入可能である。押し開き部２５のフック部材１９ａ、１９ｂとの当接面には、フック部材１９ａ、１９ｂの係合突起３０が係合するスリット３１が形成されている。

図４は、キー部材１５を長手方向に沿って切断した側面断面図である。なお、図４ではキー部材１５の上下方向が図２と逆になっている。キー部材１５の上面及び下面には、それぞれ表面側開口２７ａと裏面側開口２７ｂが穿設され、表面側開口２７ａと裏面側開口２７ｂを連結するように断面円弧状の傾斜板２８が設けられている。

以上のように構成された本実施形態の包装用止め具１０を用いて包装箱１を連結する際の動作について説明する。先ず、トレイ付きパレット２の側壁５ｂの貫通穴８ａと上箱３の貫通穴８ｂ（いずれも図１参照）とを重ねた状態で、貫通穴８ａ、８ｂに包装用止め具１０のベース部１４を差し込む。

次に、図５に示すように、第２ヒンジ部２４に沿ってキー部材１５を回動させてベース部材１４側へ折り返す。これにより、図６に示すように、押し開き部２５がフック部材１９ａのリブ２１に当接する。そして、図６の状態から、押し開き部２５を鍔部１７側から筒状部１６の内部に挿入することによって、図７に示すように、フック部材１９ａの第１リブ２１が押し開き部２５によって押圧され、フック部材１９ａは第１ヒンジ部１８を支軸として鍔部１７と反対方向（図３の時計回り方向）に回動する。また、フック部材１９ａの回動に伴い、第１リブ２１が上方から第２リブ２２を押圧するため、フック部材１９ｂも鍔部１７と反対方向（図３の反時計回り方向）に回動する。

ここで、押し開き部２５は、第２ヒンジ部２４に近い側が山形状に形成されており、第１リブ２１は必ず押し開き部２５の一方の斜面２５ａ（押圧部）に接触するように設計されている。これにより、第１ブ２１が反対側（図３の左側）に倒れるおそれがなく、フック部材１９ａを確実に鍔部１７と反対方向に回動させることができる。

なお、第１リブ２１の長手方向全体を幅広に形成した場合、押し開き部２５の第２ヒンジ部２４に近い側のみが第１リブ２１に接触するため、フック部材１９ａを回動させる力が伝わり難く、押し開き部２５を挿入する際の抵抗が大きくなる。本実施形態では、第１リブ２１は第２ヒンジ部２４から遠い側に幅広部２１ａを有するため、押し開き部２５の第２ヒンジ部２４から遠い側が幅広部２１ａに接触し、第２ヒンジ部２４に近い側が幅広部２１ａ以外の部分（第１リブ２１の幅の狭い部分）に接触する。これにより、押し開き部２５が第１リブ２１の長手方向の所定幅に亘って略同時に接触可能となり、押し開き部２５を挿入する際の抵抗を軽減することができる。その後、第１リブ２１は更に下方に回動しながら第２リブ２２と当接して、第２リブ２２と共に略水平位置まで回動し、筒状部１６への押し開き部２５の挿入が完了する。

図８は、キー部材１５が完全に筒状部１６の内部に挿入された包装用止め具１０を鍔部１７と反対側から見た斜視図、図９は、キー部材１５が完全に筒状部１６の内部に挿入された包装用止め具１０を鍔部１７側から見た正面図、図１０は、キー部材１５が完全に筒状部１６の内部に挿入された包装用止め具１０の側面断面図（図９のＢＢ′矢視断面図）である。図８〜図１０に示すように、キー部材１５が完全に筒状部１６の内部に挿入された状態では、フック部材１９ａ、１９ｂが筒状部１６の先端から鍔部１７と略平行に突出する。このとき、トレイ付きパレット２の側壁５ｂと上箱３とが鍔部１７とフック部材１９ａ、１９ｂによって挟持される。

そして、フック部材１９ａ、１９ｂが押し開き部２５により完全に回動したとき、フック部材１９ａ、１９ｂの係合突起３０（図３参照）が押し開き部２５のスリット３１に係合し、キー部材１５とベース部材１４とが固定される。また、第１リブ２１、第２リブ２２は略同一面上に保持されており、第１リブ２１の幅広部２１ａと第２リブ２２とが先端を突き合わせた状態で裏面側開口２７ｂに対向することで裏面側開口２７ｂが塞がれる。

このように包装箱１を連結した状態で、フック部材１９ａ、１９ｂを内側に回動させようとする外力が加えられた場合、或いは、外力が加わらない場合であっても、第１ヒンジ部１８の復元力によってフック部１９ａを内側に回動させようとする力が作用するため、押し開き部２５が第１リブ２１によって押し戻される。そのため、キー部材１５とベース部材１４との係合が外れてしまうおそれがある。

そこで、本実施形態では、図１０に示すように、フック部材１９ａ、１９ｂの鍔部１７と略平行に突出する部分と第１リブ２１、第２リブ２２との間に段差を設けておき、キー部材１５とベース部材１４とが固定されたとき、押し開き部２５の先端２５ｂが筒状部１６から僅かに突出するようにしている。これにより、フック部材１９ａ、１９ｂを内側に回動させようとする外力或いは復元力は、押し開き部２５の先端２５ｂに作用せず、押し開き部２５の側面に作用することになる。

従って、フック部材１９ａ、１９ｂの係合突起３０と押し開き部２５のスリット３１とを係合させ、且つ、押し開き部２５の先端２５ｂを筒状部１６から突出させることにより、キー部材１５とベース部材１４との係合状態を強固に維持することができる。

また、幅広部２１ａの外寸を裏面側開口２７ｂの内寸よりも僅かに小さくしておくことで、フック部材１９ａ、１９ｂが押し開き部２５により完全に回動した状態で裏面側開口２７ｂ側から見たとき、第１リブ２１が裏面側開口２７ｂの開口縁よりも内側に位置することになる。従って、第１リブ２１が押し開き部２５を押し戻そうとする力が作用し難くなるため好ましい。

一方、包装箱１を開梱する際は、キー部材１５の上面の表面側開口２７ａから傾斜板２８に沿って指を挿入し、表面側開口２７ａの端縁３３に指を掛ける。そして、筒状部１６に挿入された押し開き部２５を引き抜いてベース部材１４とキー部材１５との嵌合を解除する。これにより、フック部材１９ａ、１９ｂは鍔部１７の方向に回動可能となるため、ベース部材１４を貫通穴８ａ、８ｂから引き抜いて包装箱１の連結を解除する。

なお、梱包に使用した包装用止め具１０は、第２ヒンジ部１８の塑性変形によりフック部材１９ａ、１９ｂが外側に開いた状態となる。そのため、貫通穴８ａ、８ｂを重ねてベース部材１４を差し込む際に、筒状部１６から外側に突出するフック部材１９ａ、１９ｂにより円滑な差し込みが行えないことがある。そこで、一度使用した包装用止め具１０を用いて包装箱１を再梱包する場合は、第１リブ２１を指で支持してフック部材１９ａ、１９ｂを内側に回動させた状態でベース部材１４を貫通穴８ａ、８ｂに差し込むことで、作業を円滑に行うことができる。

本実施形態の包装用止め具１０によれば、包装箱１を連結した状態で裏面側開口２７ｂがリブ２１によって塞がれ、包装箱１の内側と外側とが遮断される。従って、裏面側開口２７ｂからの異物や虫等の侵入を効果的に抑制することができる。

また、指を差し入れ易くするために表面側開口２７ａの孔径を大きくすると、裏面側開口２７ｂの孔径も大きくなる。しかし、本実施形態では裏面側開口２７ｂが第１リブ２１及び第２リブ２２によって塞がれるため、従来の構成に比べて表面側開口２７ａを大きくしても異物や虫等の侵入を抑制することができる。そのため、包装箱１の開梱時に表面側開口２７ａに指を差し入れ易くなり、ベース部材１４とキー部材１５との嵌合を解除する際の操作性も向上する。

また、フック部材１９ａ（またはフック部材１９ｂ）に第１リブ２１のみを形成しても良いが、その場合、裏面側開口２７ｂを完全に閉鎖するためには、フック部材１９ａ（またはフック部材１９ｂ）を回動させたとき対向するフック部材１９ｂ（またはフック部材１９ａ）の近傍に達するような大きさの第１リブ２１を形成する必要がある。そのため、キー部材１５をベース部材１４の筒状部１６に挿入する際にフック部材１９ａ（またはフック部材１９ｂ）に形成された第１リブ２１が対向するフック部材１９ｂ（またはフック部材１９ａ）に引っ掛かってしまうおそれがある。

そこで、フック部材１９ａ、１９ｂの両方に第１リブ２１及び第２リブ２２を形成することが好ましい。この場合、本実施形態のように、突出量が異なる二枚の第１リブ２１、第２リブ２２をフック部材１９ａ、１９ｂに形成しておくことで、突出量の大きい第１リブ２１が突出量の小さい第２リブ２２よりも先に押し開き部２５に接触して倒れ始めるため、第１リブ２１が内側に回動し、途中で、第２リブ２の上端に当接し、第２リブ２２を押し下げる。この作用で、第２リブも内側に回動し、フック部材１９ａ、１９ｂが両側に回動する。これにより、フック部１９ａ、１９ｂが回動する際に逆方向に倒れる第１リブ２１、第２リブ２２の干渉を防ぐことができる。そして、フック部材１９ａ、１９ｂが完全に回動した状態で第１リブ２１、第２リブ２２が裏面側開口２７ｂを塞ぐように第１リブ２１及び第２リブ２２の形状（突出量）を調整すれば良い。

その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、トレイ５とパレット６とから成るトレイ付きパレット２を用いた包装箱１について説明したが、本発明の包装用止め具１０は、パレット６が設けられておらず、上ケース３とトレイ５のみから成る包装箱１に対しても同様に適用できるのはもちろんである。

本発明は、段ボールシートのような包装材に形成された穴を重ね合わせて挿入することにより、２つ以上に分かれている包装材を連結する包装用止め具として利用可能である。本発明の利用により、キー部材に指を掛けることで容易に取り外し可能であり、指を掛ける部分の穴を塞ぐことで包装箱内への異物や虫等の侵入を抑制できる包装用止め具を提供することができる。

１ 包装箱
２ トレイ付きパレット（包装材）
３ 上箱（包装材）
８ａ、８ｂ 貫通穴
１０ 包装用止め具
１４ ベース部材
１５ キー部材
１６ 筒状部
１７ 鍔部
１８ 第１ヒンジ部
１９ａ、１９ｂ フック部材
２１ 第１リブ
２１ａ 幅広部
２２ 第２リブ
２３ 連結片
２４ 第２ヒンジ部
２５ 押し開き部
２５ａ 斜面（押圧部）
２５ｂ 先端
２７ 表面側開口
２７ｂ 裏面側開口
２８ 傾斜板
３０ 係合突起
３１ スリット

Claims (9)

1. 貫通穴が形成された二以上の包装材の前記貫通穴を重ね合わせた状態で前記貫通穴に挿入される筒状部と、該筒状部の一端側周縁部に設けられた前記筒状部よりも大径の鍔部と、前記筒状部の対向する内壁面に第１ヒンジ部を介して連結され、前記第１ヒンジ部を基端部として前記鍔部と反対方向にＬ字形に屈曲する一対のフック部材と、を有するベース部材と、
   該ベース部材の前記筒状部内に前記鍔部側から挿抜可能な押し開き部と、該押し開き部を前記筒状部から引き抜く際に指を挿入可能な表面側開口と、該表面側開口に連通するように形成される裏面側開口と、を有するキー部材と、
   を備え、
   前記押し開き部を前記筒状部内に挿入することにより、前記フック部材が前記第１ヒンジ部を支軸として前記筒状部の他端側方向に回動し、前記鍔部と前記フック部材によって前記二以上の包装材が挟持される包装用止め具において、
   前記フック部材の少なくとも一方には、屈曲部から前記鍔部側に延びるリブが形成されており、前記リブは、前記押し開き部が前記筒状部内に完全に挿入された状態で前記裏面側開口を閉鎖することを特徴とする包装用止め具。
2. 前記押し開き部には、前記リブとの接触により前記フック部材を前記筒状部の他端側方向に回動させる押圧部が形成されていることを特徴とする請求項１に記載の包装用止め具。
3. 前記リブは、前記フック部材の一方に形成される第１リブと、前記フック部材の他方に形成される第２リブとから成り、前記第２リブは前記第１リブに比べて突出量が小さいことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の包装用止め具。
4. 前記第１リブまたは前記第２リブの少なくとも一方には、前記押し開き部が前記筒状部内に完全に挿入された状態で前記裏面側開口に対向する幅広部が形成されていることを特徴とする請求項３に記載の包装用止め具。
5. 前記幅広部は前記裏面側開口と略同一形状であり、前記幅広部の外寸は前記裏面側開口の内寸よりも僅かに小さいことを特徴とする請求項４に記載の包装用止め具。
6. 前記キー部材の一端には連結片が形成され、前記連結片は第２ヒンジ部を介して前記ベース部材に連結されており、前記幅広部は、前記リブの前記第２ヒンジ部から遠い側に形成されることを特徴とする請求項４又は請求項５に記載の包装用止め具。
7. 前記押し開き部が前記筒状部内に完全に挿入された状態で、前記押し開き部の先端が前記筒状部から突出することを特徴とする請求項１乃至請求項６のいずれかに記載の包装用止め具。
8. 前記フック部材の前記第１ヒンジ部から前記屈曲部までの間には、前記押し開き部との当接面に係合突起が形成され、前記押し開き部には、前記フック部材との当接面に前記係合突起と係合可能なスリットが形成されており、
   前記押し開き部が前記筒状部内に完全に挿入された状態で、前記係合突起が前記スリットに係合することを特徴とする請求項１乃至請求項７のいずれかに記載の包装用止め具。
9. 請求項１乃至請求項８のいずれかに記載の包装用止め具を用いて連結された包装箱。