以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置とし機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして有効として設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン131、132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン131が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン131、132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(14G)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン131、132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
音孔143はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
図2は、前面扉を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。筐体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。筐体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した基板ケース210が配置され、この基板ケース210の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。基板ケース210及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に副制御基板を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード268を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード268が、筐体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、筐体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、この演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)、上部スピーカ272、を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受け皿161に落下させる際にメダルが通過するキャンセルシュート(排出路)701等を設けている。さらに、音孔143に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。また図柄表示窓の下方には、各種演出装置への配線を中継する中継端子板279が設けられている。また、前面扉102の左端には、縦長形状の施錠装置280が設けられている。
次に図3を用いて、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する。
また、電圧を監視する電圧監視回路330と、WDT313(ウォッチドッグタイマー)が設けられている。
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。なお、上述したリセット検知用センサ284及び扉開放用検知センサ285もこのセンサ回路320で監視される。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン131センサおよびベットボタン132センサは、ベットボタン131、132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322を設けており、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324を設けており、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326を設けており、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を設けている。
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406が設けている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)を設けている。また主制御部300から送信されてきたエラー解除パターンの送信コマンドに基づく解除パターン表示LED290への解除パターン表示も、駆動回路422にて行なわれる。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、演出画像表示装置157や各種演出用駆動装置165の制御を行う。第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置165の制御を行う制御部とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。第2副制御部は、演出画像表示装置157の表示制御を行ったり、演出用の駆動装置165を制御したりする。
次に、図4及び図5を用いて、本実施形態におけるキャンセルシュートについて説明する。なお、図4は、前面扉102とキャンセルシュート701の組付図、図5はキャンセルシュート701の斜視図である。
図4に示すように、キャンセルシュート701は、前面扉102の背面側に固着される、図5に示すように、キャンセルシュート701は、セレクタ170において選別されて落下してくる非正規メダルや異物などを受け入れる受入部702と、非正規メダル等を下部に導く案内通路703と、受け皿161に接続される排出部704とで構成されており、複数の穴部720が設けられている。
次に、図6を用いて、キャンセルシュート701の構造を説明する。
図6(a)に示すように、受入部702は、受入部中側面部705の端部に受入部左側面部706と受入部右側面部707を立設することでコの字状に形成されており、受入部中側面部705は、図6(c)に示すように、受入部702の開口面積を大きく確保するために、上部が外側に開いた構造となっている。なお、受入部中側面部705に対向する面には何も設けられていないが、この面は前面扉102と接することで、前面扉102の裏面が側面部の役割を果たすので、落下物が外部に出てしまうことはない。案内通路703は、図6(b)に示すように、受入部中側面部705と接する案内通路側面部708と、受入部右側面部707と接する案内通路底面部710と、受入部左側面部706と接する案内通路上面部709にてコの字形状に構成されている。また、案内通路側面部708、案内通路底面部710、案内通路上面部709には、本発明の特徴部分である穴部720が複数設けられており、針金などのゴト器具の先端をキャンセルシュート701外に誘導する機能を有している。詳細は後述する。排出部704は、案内通路側面部708と接する排出部底面部711と、案内通路上面部709と接する排出部左側面部712と、案内通路底面部710と接する排出部右側面部713にてコの字形状に構成されている。
これらの、受入部702、案内通路703、排出部704は、それぞれが屈曲するように接続されており、キャンセルシュート701全体で見ると、受入部702及び排出部704は連通方向が垂直方向であるが、案内通路703は連通方向が右斜め下方向となるように構成されている。よって、針金などのゴト器具を一直線にセレクタ170に到達することは出来ず、特に案内通路703においていずれかの壁面に接触させないと受入部701まで到達できないような構造となっており、しかも案内通路の屈曲部には、案内通路側面部708、案内通路底面部710、案内通路上面部709全ての壁面において穴部720が設けられており、ゴト器具をセレクタ170まで到達させるためには屈曲部で方向を変えなければならないが、その場合、屈曲部周辺に設けられた穴部210のいずれかにゴト器具の先端が入りやすいように構成されている。
次に、穴部720の詳細を図7から図11を用いて説明する。図7(a)は、図7(b)におけるキャンセルシュート701のA−A断面図である。排出部704から挿入された針金などのゴト器具の先端部は、図7(b)中の矢印に示すように、案内通路上面部709を沿うように上方に移動して受入部702まで到達し、受入部702の上部にあるセレクタ170(図示せず)に対して不正行為を働くのが一般的である。よって、本実施形態では、案内通路上面部709に複数の案内通路上面部穴部721を設け、ゴト器具の先端部がキャンセルシュート701外部に逃げてしまうように構成した。この穴部は、正規な大きさのメダルよりも小さく形成されているので、正規なメダルがキャンセルシュート701の外部に落ちてしまうことはない。また案内通路上面部709以外の案内通路側面部708及び案内通路底面部710についても、複数の案内通路側面部穴部722及び案内通路底面部穴部723を複数設けており、うまくゴト器具を案内通路上面部709以外の壁面を利用して挿入しようとしても、それぞれの穴部からゴト器具の先端が外部に逃げるような構成としている。ここで穴部720の大きさが広い程、ゴト器具を確実に外部に逃がすことが可能であるので、キャンセルシュート701の強度に問題がない程度に、壁面部の総面積よりも穴部720の総面積を大きく構成することで、より確実なゴト行為の防止が実現できる。更には、図7(b)に示すように、穴部を網状に設ければ、強度を保ちつつ、穴部の総面積を確保できるのでより効果的である。
また図10(a)に示すように、図7(a)における案内通路上面部穴部721の点線丸囲みD部において、針金などのゴト器具を排出部704から挿入した場合に、案内通路上面部穴部721の断面形状を、ゴト器具の挿入方向に対して順方向になるように斜め方向に穴部を設ければ、矢印に示すように、穴部の壁にゴト器具が引っかかることなくよりスムーズにキャンセルシュート外部に排出することが可能となる。
図8(b)は、図8(a)におけるキャンセルシュート701のB−B断面図である。案内通路上面部709においても、複数の案内通路上面部穴部721が設けられ、また案内通路底面部710においても、複数の案内通路底面部穴部723が設けられている。
また、図10(b)に示すように、案内通路上面部穴部721の断面形状を、案内通路上面部709が斜め上方に形成されているのに合わせて、斜め上方に平行四辺形の形状で設けている。よって、ゴト器具を案内通路上面部に這わせてキャンセルシュート上部に導こうとすると、キャンセルシュート701の外部に導かれやすく、不正行為を確実に防止できる。
また本実施例のキャンセルシュート701は、メダル払出装置180から払い出されたメダルを受け皿161に排出するための通路の役割も兼用しており、払出装置180から払い出されたメダルは、払出口715からキャンセルシュート701内に放出される。よって、排出部左側面部712に排出部左側面部穴部724や、排出部右側面部713に排出部右側面部穴部725を設けることにより、払出装置180への不正行為をも防止することが可能な構成となっている。
図9(b)は、図9(a)におけるキャンセルシュート701のC−C断面図である。案内通路上面部709に、複数の案内通路上面部穴部721が設けられ、また案内通路側面部708に、案内通路側面部穴部722が設けられている。
また、案内通路側面部穴部722の断面形状を、上側を斜め上方にカットした形状としている。よって図11に示すように、排出部704から挿入し、案内通路側面部708を沿って上方に導こうとしたゴト器具を、スムーズにキャンセルシュート701外部に排出することができる。また、ゴト器具を案内通路708にて一度跳ね返しつつ、案内通路上面部709を沿わせて上方に誘導しようとしても、案内通路上面部穴部721の断面形状を、跳ね返る方向に対して斜め方向にカットして構成しているので、この場合もスムーズにゴト器具をキャンセルシュート701外部に排出することができる。
なお、穴部720の形状は、上述したように、単純に貫通穴を設けた場合や、ゴト器具の誘導方向に合わせて斜めに構成した場合の他にも、図12に示すように、穴部720に段差を設けて、その段差に穴部を設けて、ゴト器具を外部に排出しやすくしてもよい。この場合、上方から流下してくるメダルなどに対しては、流下方向とは逆の下方向に穴部が設けられているので、流下してきたメダルより大きな穴部を設けてもよく、より確実にゴト器具を外部に排出可能である。
以上のように、本発明の遊技台は、投入された遊技媒体が正規なものであるか否かを判別するセレクタを備え、該セレクタにより正規な遊技媒体ではないと判別された非正規遊技媒体を受け皿に排出する排出手段を備えた遊技台であって、前記排出手段は、前記非正規遊技媒体を受け入れる受入部と、前記受け皿に前記非正規遊技媒体を排出する排出部と、前記受入部と前記排出部を連通させる案内通路を有し、該案内通路に、正規な前記遊技媒体が通過不可能な穴部を設けたことを特徴とした。
上述した実施形態では、キャンセルシュート701の案内通路703に、複数の穴部を設けた。
よって、針金などのゴト器具の先端を沿わせてキャンセルシュート710上部まで導こうとしても、穴部からゴト器具の先端がキャンセルシュート710外部に飛び出てしまい、セレクタ170までゴト器具を到達させることができないので、ゴト行為を防止できる。
また、本発明の別の態様では、更に、前記案内通路は、上面部と、該上面部の端部に設けられた側面部を有し、前記上面部及び前記側面部に前記穴部を設けたことを特徴とした。
上述した実施形態では、案内通路702を構成する案内通路側面部708、案内通路上面部709に複数の穴部720を設けている。
よって、針金などのゴト器具の先端を沿わせる面を変更させてキャンセルシュート710上部まで導こうとしても、変更先の面にも穴部が設けられており、不正行為を働くことを困難にすることができる。
また、本発明の別の態様では、更に、前記案内通路は途中部分で屈曲し、該屈曲部分周辺に前記穴部を設けたことを特徴とした。
上述した実施形態では、受入部702、案内通路703、排出部704それぞれを屈曲するように接続している。
よって、ゴト器具をセレクタ170まで到達させるためには屈曲部で方向を変えなければならないが、その場合、屈曲部周辺に設けられた穴部210にゴト器具の先端が入りやすいので、確実にゴト行為を防止できる。
また、本発明の別の態様では、更に、前記案内通路は複数の前記穴部を有し、前記穴部が設けられている領域は、前記穴部以外の領域より広いことを特徴とした。
上述した実施形態では、案内通路703における壁面部の総面積よりも穴部720の総面積を大きくなるように構成した。
よって、ゴト器具を外部に排出可能な領域を大きく確保できるので、確実なゴト行為の防止が実現できる。
また、本発明の別の態様では、更に、複数の前記穴部を網状に設けたことを特徴とした。
上述した実施形態では、穴部720を複数設け、かつそれらの穴部を網状に設けた。
よって、広範囲に渡ってゴト行為の防止機能を備えることができ、かつ強度的な問題も解決できる。
また、本発明の別の態様では、更に、遊技媒体を払い出す払出装置を備え、該払出装置は、前記案内通路を経由して前記受け皿に前記遊技媒体を払いだすことを特徴とする。
上述した実施形態では、キャンセルシュート701に、メダル払出装置180から払い出されたメダルを受け皿161に排出するための通路の役割も兼用させ、払出装置180から払い出されたメダルは、払出口715からキャンセルシュート701内に放出されるように構成した。
よって、排出部左側面部712に排出部左側面部穴部724や、排出部右側面部713に排出部右側面部穴部725を設けることにより、払出装置180への不正行為も防止することが可能となる。
また、本発明の別の態様では、更に、前記穴部は、該穴部断面上流側において傾斜面を備えていることを特徴とする。
上述した実施形態では、例えば、案内通路側面部穴部722の断面形状を、上側を斜め上方にカットした形状としている。
よって排出部704から挿入し、案内通路側面部708を沿って上方に導こうとしたゴト器具を、スムーズにキャンセルシュート701外部に排出することができる。
また、本発明の別の態様では、更に、前記穴部は、前記排出口から前記受入口に向かう方向に対して開口部を持つ段差部を含んで構成されることを特徴とした。
上述した実施形態では、穴部720に段差を設けて、その段差に穴部を設けて、ゴト器具を外部に排出しやすく構成した。
よって上方から流下してくるメダルなどはキャンセルシュート701外部にこぼれ落ちることなく、また流下方向とは逆の下方向に穴部が設けられているので、流下してきたメダルより大きな穴部を設けてもよく、より確実にゴト器具を外部に排出可能となる。
<付記1>
以上説明した本発明は、
1. 少なくとも投入された遊技媒体が正規なものであるか否かを判別するセレクタと、前記セレクタから排出された前記遊技媒体を受け皿に導く排出手段と、を備えた遊技台であって、前記排出手段は、前記遊技媒体を受け入れる受入部と、前記受け皿に前記遊技媒体を排出する排出部と、前記受入部と前記排出部を連通し、前記受入部より受け入れた遊技媒体を斜め下方に落下させながら所定の落下経路に沿って前記排出部に導く案内通路と、を備え、前記案内通路における上面(例えば案内通路上面部709)には、前記排出部から前記案内通路の中に挿入されたゴト器具の先端が進入可能な開口(案内通路上面部穴部721の開口)が複数形成されており、前記開口は、該開口の断面が、前記ゴト器具の先端を前記案内通路から外側に導く傾斜面(例えば図10参照)とされている、ことを特徴とする遊技台とした。
また本発明は、
2.少なくとも投入された遊技媒体が正規なものであるか否かを判別するセレクタと、前記セレクタから排出された前記遊技媒体を受け皿に導く排出手段と、を備えた遊技台であって、前記排出手段は、前記遊技媒体を受け入れる受入部と、前記受け皿に前記遊技媒体を排出する排出部と、前記受入部と前記排出部を連通し、前記受入部より受け入れた遊技媒体を斜め下方に落下させながら所定の落下経路に沿って前記排出部に導く案内通路と、を備え、前記案内通路は複数の壁面で構成されており、前記案内通路における壁面には、前記排出部から前記案内通路の中に挿入されたゴト器具の先端が進入可能な開口(例えば案内通路上面部穴部721の開口や案内通路側面部穴部722の開口や案内通路底面部穴部723の開口)が複数形成されており、前記案内通路における少なくとも一つの前記壁面において、前記開口が設けられている領域は、前記開口以外の領域より広い、ことを特徴とする遊技台とした。
<付記2>
以上説明した本発明は、
1. 少なくとも投入された遊技媒体が正規なものであるか否かを判別するセレクタと、前記セレクタから排出された前記遊技媒体を受け皿に導く排出手段と、を備えた遊技台であって、前記排出手段は、前記遊技媒体を受け入れる受入部と、前記受け皿に前記遊技媒体を排出する排出部と、前記受入部と前記排出部を連通し、前記受入部より受け入れた遊技媒体を斜め下方に落下させながら所定の落下経路に沿って前記排出部に導く案内通路と、を備え、前記案内通路における上面(例えば案内通路上面部709)には、前記排出部から前記案内通路の中に挿入されたゴト器具の先端が進入可能な開口(案内通路上面部穴部721の開口)が該上面の下流から上流に並んで複数形成されており、前記開口は、該開口の断面が、前記ゴト器具の先端を前記案内通路から外側に導く傾斜面(例えば図10参照)とされている、ことを特徴とする遊技台とした。
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。