JP2015041049A - トナーおよび画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小粒径のシリカ微粒子に対してシリコーンオイルおよびシランまたはシラザンによる処理を行った場合、高温保管時に上記シリコーンオイルが遊離し、シリカ微粒子の凝集を引き起こし、トナーに今後さらなる流動性が求められた場合には画像弊害を引き起こす可能性があるため、改善が望まれている。
【解決手段】結着樹脂と着色剤とを含有するトナー粒子とシリカ微粒子とを含有するトナーであって、前記シリカ微粒子が原体シリカ微粒子を少なくともシリコーンオイルで処理することによって得られたシリカ微粒子であり、前記トナーの平均円形度、前記シリカ微粒子1.0gをヘキサン20mlで抽出した際の抽出シリコーンオイル量、前記シリカ微粒子の疎水率および前記原体シリカ微粒子のBET法による比表面積が一定の範囲内にあることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法などの記録方法に用いられるトナー、および画像形成装置に関するものである。
近年、電子写真方式の画像形成方法において、トナー劣化抑制の観点から現像プロセスの軽負荷化が検討されている。軽負荷の現像プロセスにおいて高画質を達成するためには、トナーに従来以上の流動性が求められる。こういった背景から、現在、トナーの流動性を高める検討が盛んに行われている。
また、同時に近年のレーザープリンターおよび複写機市場の拡大に伴い、高温高湿環境下での保管時や使用時においても、トナーが安定してその性能を発揮することが求められている。そのため、高温高湿環境下での帯電安定性を高める検討も盛んに行われている。
上記流動性および高温高湿環境下での安定性に関してはいずれも添加剤であるシリカ微粒子を改良する検討が行われている。
流動性に関しては、特許文献1に添加剤として小粒径のシリカ微粒子を用いたトナーが開示されている。
一方、高温高湿環境下での安定性に関しては、添加剤であるシリカ微粒子の疎水率を上げる検討が行われている。特許文献2、特許文献3および特許文献4には、シリカ微粒子の疎水率を上げるために、シリコーンオイルによって表面を処理した後、さらにシランやシラザンに代表されるカップリング剤による処理を行ったシリカ微粒子を添加したトナーが開示されている。
特開2008−151893号公報 特開2009−276643号公報 特開2011−064867号公報 特開2011−107375号公報
上記先行技術のトナーは優れた特性を持つ。しかしながら、小粒径のシリカ微粒子に対して上記シリコーンオイルおよびシランまたはシラザンによる処理を行った場合、高温保管時に上記シリコーンオイルが遊離し、シリカ微粒子の凝集を引き起こすことが確認された。上記現象は、トナーに今後さらなる流動性が求められた場合には画像弊害を引き起こす可能性があるため、改善が望まれている。
本発明者らは鋭意検討の結果、トナー粒子とシリカ微粒子とを含有するトナーにおいて、シリカ微粒子として原体シリカ微粒子を少なくともシリコーンオイルによって表面処理したシリカ微粒子を用い、トナーの円形度、シリカ微粒子から抽出されるシリコーンオイルの量、シリカ微粒子の疎水率および原体シリカ微粒子のBET法による比表面積をコントロールすることにより、上記課題を解決することが可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、結着樹脂と着色剤とを含有するトナー粒子とシリカ微粒子とを含有するトナーであって、
前記トナーの平均円形度が0.960以上であり、
前記シリカ微粒子が原体シリカ微粒子を少なくともシリコーンオイルで処理することによって得られたシリカ微粒子であり、前記シリカ微粒子1.0gをヘキサン20mlで抽出した際の抽出シリコーンオイル量が0.0050g以下であり、前記シリカ微粒子の疎水率が95%以上であり、前記原体シリカ微粒子のBET法による比表面積が250m2/g以上450m2/g以下であることを特徴とするトナーに関する。
また、本発明は、トナーを担持して静電潜像を現像するトナー担持体と、前記トナー担持体と当接部を形成するよう配置され、前記トナー担持体に前記トナーを供給する供給部材とを備える現像室と前記トナーが収容された収容部とを有する画像形成装置であって、
前記トナー担持体と前記供給部材の回転方向が、各々の表面が前記当接部において同一方向に移動する方向であり、
前記トナーが上述した構成のトナーであることを特徴とする画像形成装置に関する。
本発明によれば、高温・高湿での保管・使用時においても長期にわたって安定してその性能を発揮することが可能であり、同時に高温保管時のシリカ微粒子の凝集に起因する流動性の低下が抑制されたトナーを提供することができる。
本発明を適用可能な画像形成装置の概略構成断面図である。 本発明を適用可能なプロセスカートリッジの概略構成断面図である。
本発明のトナーは、結着樹脂と着色剤とを含有するトナー粒子とシリカ微粒子とを含有するトナーであって、前記シリカ微粒子が原体シリカ微粒子を少なくともシリコーンオイルで処理することによって得られたシリカ微粒子であることを特徴とする。そして、前記トナーの平均円形度、前記シリカ微粒子1.0gをヘキサン20mlで抽出した際の抽出シリコーンオイル量、前記シリカ微粒子の疎水率および前記原体シリカ微粒子のBET法による比表面積が一定の範囲内にあることを特徴とする。
本発明において上記課題が解決された理由を本発明者らは以下のように推定している。
上述した通り、トナーの疎水率を高めるために、シリカ微粒子に対してシリコーンオイルによる処理とシランやシラザンに代表されるカップリング剤による処理を併用することが一般的に行われている。確かに、上記処理の併用によって疎水率および高温保管時のシリコーンオイルの遊離量をコントロールすることが可能である。しかしながら、トナーの流動性をより高めるために、原体シリカ微粒子のBET法による比表面積が250m2/g以上の小粒径のシリカ微粒子を用いた場合、それより大粒径のシリカ微粒子を用いた場合と比較して、少量の遊離シリコーンオイルでシリカ微粒子の凝集が生じるという課題が明らかになった。加えて、小粒径のシリカ微粒子においては、シリコーンオイルによる処理量を増やしたときの疎水率の変化率が小さいことも明らかとなった。そのため、小粒径のシリカ微粒子を用いる場合には、大粒径のシリカ微粒子を用いた場合と比較して、疎水率と遊離シリコーンオイル量を同時に適正な範囲にコントロールすることが非常に困難である。本発明者らは上記条件においても適正な疎水率と遊離シリコーンオイル量を満足する条件を見出した。しかしながら、その場合には遊離シリコーンオイル量が少ないことによって転写性への弊害が発生するという新たな課題が明らかになった。そこで、本発明者らはさらなる検討の結果、トナーの平均円形度を0.960以上とすることで転写性への弊害を解消することができることを見出し、本発明を完成させた。
以下に本発明のトナーを具体的に説明する。
本発明において、トナーの平均円形度は0.960以上である。より好ましくは0.975以上である。
上記トナーの平均円形度が0.960以上である場合、本発明のその他の要件との相乗効果により転写性が改善される。また、トナーの平均円形度が0.975以上である場合には上記効果はより向上する。トナーの平均円形度が0.960未満の場合は、転写性に弊害を生じる場合がある。
なお、上記トナーの平均円形度は例えば懸濁重合法においては、トナー製造時に加える分散安定化剤の製造条件等を適宜変更すること等によって調整することが可能である。
続いて、以下に本発明のトナーに用いられるシリカ微粒子を具体的に説明する。
本発明に用いられる原体シリカ微粒子のBET法による比表面積は250m2/g以上450m2/g以下であり、好ましくは300m2/g以上420m2/g以下であり、より好ましくは350m2/g以上420m2/g以下である。
原体シリカ微粒子のBET法による比表面積が250m2/g未満の場合、所望の流動性を得ることが難しい。原体シリカ微粒子のBET法による比表面積が450m2/gを超える場合、シリカ微粒子の凝集を抑制することが困難である。
原体シリカ微粒子のBET法による比表面積が250m2/g以上450m2/g以下の場合、本発明のその他の要件との相乗効果により流動性が改善される。また、原体シリカ微粒子のBET法による300m2/g以上420m2/g以下の場合、上記効果はより向上し、350m2/g以上420m2/g以下の場合、さらに向上する。
また、本発明に用いられる原体シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒径をd1(nm)とし、凝集体のメジアン径をd2(nm)としたとき、上記d1およびd2が下記式
4.0≦d1≦10.0
d2/d1≦9.0
を満たすことが好ましく、
4.0≦d1≦8.0
d2/d1≦8.0
を満たすことがさらに好ましい。d1が4.0以上10.0以下であり、d2/d1が9.0以下である場合、原体シリカ微粒子の粒度分布が均一であるため、シリコーンオイルによる処理が均一になされやすく、シリカ微粒子の抽出シリコーンオイル量および疎水率をより高いレベルで両立することが可能となる。また、d1が4.0以上8.0以下であり、d2/d1が8.0以下である場合、上記効果はさらに向上する。
本発明に用いられる原体シリカ微粒子としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ、および、水ガラス等から製造される湿式シリカの両方が挙げられる。本発明では表面および内部にあるシラノール基が少なく、製造残渣のない乾式シリカの方が好ましい。
続いて、以下に本発明のトナーに用いられるシリカ微粒子の処理について具体的に説明する。
本発明において、添加されるシリカ微粒子は原体シリカ微粒子を少なくともシリコーンオイルによって処理することによって得られたシリカ微粒子であり、さらにシリコーンオイルによる処理の後、シランまたはシラザンによって処理されたシリカ微粒子であることが好ましい。
上記シリカ微粒子がシリコーンオイルによって処理されたシリカ微粒子でない場合、高温・高湿環境下での帯電安定性と転写性を両立することが困難である。また、上記シリカ微粒子がシリコーンオイルによる処理の後、シランまたはシラザンによって処理されたシリカ微粒子である場合、転写性、高温高湿環境下での帯電安定性および高温保管後の流動性をより高いレベルで成り立たせることが可能である。
また、本発明のシリカ微粒子はシリカ原体微粒子をシリコーンオイルによる処理を行った後に解砕処理を行ったものであることがさらに好ましい。解砕処理を行うことにより、トナーの流動性がさらに高まる。
また、本発明において添加されるシリカ微粒子は、シリカ微粒子1.0gをヘキサン20mlで抽出した際の抽出シリコーンオイル量が0.0050g以下であり、より好ましくは、0.0010g以下である。シリカ微粒子1.0gをヘキサン20mlで抽出した際の抽出シリコーンオイル量が0.0050g以下である場合、本発明のその他の要件との相乗効果により高温保管後の流動性が改善される。また、シリカ微粒子1.0gをヘキサン20mlで抽出した際の抽出シリコーンオイル量が0.0010g以下の場合、上記効果はさらに向上する。シリカ微粒子1.0gをヘキサン20mlで抽出した際の抽出シリコーンオイル量が0.0050gを超える場合、高温保管後の流動性に弊害を生じやすい。
なお、上記抽出シリコーンオイル量は、シリカ原体微粒子をシリコーンオイルで処理する際の、処理量、処理温度やシリコーンオイル処理後のシランまたはシラザンによる処理の条件によって適宜制御することが可能である。
さらに、本発明において添加されるシリカ微粒子の疎水率は95%以上であり、より好ましくは97%以上である。シリカ微粒子の疎水率が95%以上である場合、本発明のその他の要件との相乗効果により、高温高湿環境下での帯電安定性が改善される。また、疎水率が97%以上である場合、上記効果はさらに向上する。シリカ微粒子の疎水率が95%未満の場合、高温高湿環境下での帯電安定性に弊害を生じやすい。
なお、上記シリカ微粒子の疎水率は、シリカ原体微粒子をシリコーンオイルで処理する際の処理量や、シランまたはシラザンによる処理の条件によって適宜制御することが可能である。
また、本発明に用いられるシリカ微粒子は、原体シリカ微粒子のBET法による比表面積をA(m2/g)とし、原体シリカ微粒子100質量部に対する前記シリコーンオイルによる処理量をB(質量部)としたとき、下記式
5.0≦B≦18.0
B/A≦0.040
を満たすことが好ましく、
7.0≦B≦13.0
B/A≦0.030
を満たすことがさらに好ましい。Bが5.0以上18.0以下であり、B/Aが0.040以下である場合、シリカ微粒子表面に固定化されたシリコーンオイルの量が最適となるため、転写性と流動性がさらに良好となる。また、Bが7.0以上13.0以下であり、B/Aが0.030以下である場合、上記効果はさらに向上する。
本発明のシリカ微粒子の処理に用いられるシリコーンオイルとしては特段の制限なく公知のシリコーンオイルを用いることができるが、特にストレートシリコーンが好ましい。
より具体的には、例えばジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等が挙げられる。
また、本発明のシリカ原体微粒子の処理に用いられるシリコーンオイルの粘度は30mm2/s以上1200mm2/s以下であることが好ましく、70mm2/s以上800mm2/s以下であることがさらに好ましい。本発明のシリカ原体微粒子の処理に用いられるシリコーンオイルの粘度が30mm2/s以上1200mm2/s以下である場合、シリカ微粒子からのオイルの遊離しやすさと遊離オイルによるシリカ微粒子の凝集性が最適となり、高温保管後の流動性がさらに改善される。また、70mm2/s以上800mm2/s以下である場合には上記効果はさらに向上する。
シリコーンオイル処理の方法は、例えばシリカ微粒子とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合してもよいし、原体シリカ微粒子へシリコーンオイルを噴霧しながら撹拌する方法によってもよい。あるいは適当な溶剤(好ましくは有機酸等でpH4に調整)にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、原体シリカ微粒子と混合した後、溶剤を除去して作製してもよい。また、原体シリカ微粒子を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながらアルコール水を添加し、シリコーンオイル系処理液を反応槽に導入して表面処理を行い、さらに加熱撹拌して溶剤を除去する方法をとってもよい。
本発明のシリカ微粒子の処理に用いられるシランまたはシラザン化合物としては特段の制限なく公知のシランまたはシラザン化合物を用いることができる。
具体的には、ヘキサメチルジシラザン、卜リメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等が挙げられる。中でも、処理の均一性およびカップリング結合の確実性の観点から、ヘキサメチルジシラザンを用いることが好ましい。
本発明のシリカ微粒子を得るのに必要なアルコキシシランまたはシラザンの少なくとも一方による処理は、シリカ原体微粒子を撹拌によりクラウド状としたものに気化したアルコキシシランまたはシラザンを反応させる乾式処理または、シリカ原体微粒子を溶媒中に分散させ、アルコキシシランまたはシラザンを滴下反応させる湿式法などの一般に知られた方法で処理することができる。
続いて、以下に本発明のトナーに用いられる材料を具体的に説明する。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、特段の制限なく公知の樹脂を用いることができる。具体的には、以下の;ビニル系樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;シリコーン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独でまたは混合して使用できる。なお、ビニル系樹脂としてはスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等に代表されるスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等に代表される不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸等に代表される不飽和カルボン酸;マレイン酸等に代表される不飽和ジカルボン酸;マレイン酸無水物等に代表される不飽和ジカルボン酸無水物;アクリロニトリル等に代表されるニトリル系ビニル単量体;塩化ビニル等に代表される含ハロゲン系ビニル単量体;ニトロスチレン等に代表されるニトロ系ビニル単量体;等の単量体の単重合体または共重合体を用いることができる。
本発明のトナーにはさらに極性樹脂を含有してもよい。具体的には以下の、カルボキシ基含有ビニル系樹脂;カルボキシ基含有ポリエステル系樹脂;カルボキシ基含有ポリウレタン系樹脂;カルボキシ基含有ポリアミド系樹脂等が挙げられる。なお、カルボキシ基含有ビニル系樹脂としては以下の;不飽和カルボン酸;不飽和ジカルボン酸;等に代表されるカルボキシ基含有モノマーの単重合体、および、上記カルボキシ基含有モノマーと;スチレン系単量体;不飽和カルボン酸エステル;不飽和ジカルボン酸無水物;ニトリル系ビニル単量体;含ハロゲン系ビニル単量体;ニトロ系ビニル単量体;等との共重合体等を用いることができる。なお、本発明において極性樹脂とはその構造中にカルボキシ基を含有する樹脂を言う。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、特段の制限なく、公知の黒/イエロー/マゼンタ/シアンの各色および他の色の顔料および染料、磁性体等を用いることができる。
黒色着色剤としては、具体的にはカーボンブラックに代表される黒色顔料等が用いられる。
イエロー着色剤としては、具体的には以下の、モノアゾ化合物;ジスアゾ化合物;縮合アゾ化合物;イソインドリン化合物;イソインドリノン化合物;ベンズイミダゾロン化合物;アンスラキノン化合物;アゾ金属錯体;メチン化合物;アリルアミド化合物等に代表されるイエロー顔料およびイエロー染料等が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、具体的には以下の、モノアゾ化合物;縮合アゾ化合物;ジケトピロロピロール化合物;アントラキノン化合物;キナクリドン化合物;塩基染料レーキ化合物;ナフトール化合物:ベンズイミダゾロン化合物;チオインジゴ化合物;ペリレン化合物等に代表されるマゼンタ顔料およびマゼンタ染料等が挙げられる。
シアン着色剤としては、具体的には以下の銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物;塩基染料レ−キ化合物等に代表されるシアン顔料およびシアン染料等が挙げられる。
さらに本発明のトナーは、着色剤として磁性材料を含有させ磁性トナーとすることも可能である。この場合、磁性材料は着色剤の役割をかねることもできる。磁性材料としては、以下の、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等に代表される酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケル等に代表される金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金およびその混合物等が挙げられる。
本発明のトナーにはさらに離型剤を含有してもよい。具体的には、以下の;ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸パルミチル等に代表される単官能エステルワックス類;セバシン酸ジベヘニル、ヘキサンジオールジベヘネート等に代表される二官能エステルワックス類;グリセリントリベヘネート等に代表される三官能エステルワックス類;ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート等に代表される四官能エステルワックス類;ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート等に代表される六官能エステルワックス類;ポリグリセリンベヘネート等に代表される多官能エステルワックス類;カルナバワックス、ライスワックス等に代表される天然エステルワックス類;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックスおよびその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスおよびその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックスおよびその誘導体;高級脂肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸;酸アミドワックス等が挙げられる。
本発明のトナーにはさらに荷電制御剤を含有してもよい。本発明のトナーに用いられる荷電制御剤としては、特段の制限なく従来公知の荷電制御剤を用いることができる。具体的には、負帯電制御剤として以下の、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸等に代表される芳香族カルボン酸の金属錯体;スルホン酸基、スルホン酸塩基またはスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体;アゾ染料あるいはアゾ顔料の金属塩または金属錯体;ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が挙げられる。また、正帯電制御剤として以下の、四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物;グアニジン化合物;ニグロシン系化合物;イミダゾール化合物等が挙げられる。なお、スルホン酸塩基またはスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸等に代表されるスルホン酸基含有ビニル系モノマーの単重合体あるいは結着樹脂の項に示したビニル系モノマーと上記スルホン酸基含有ビニル系モノマーの共重合体等を用いることができる。
本発明のトナーには上記シリカ微粒子の他に流動性向上や帯電安定等の目的で外部添加剤を含有してもよい。本発明のトナーに用いられる外部添加剤としては、特段の制限なく従来公知の外部添加剤を用いることができる。具体的には以下の;湿式製法シリカ、乾式製法シリカ等に代表される原体シリカ微粒子またはそれら原体シリカ微粒子にシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルに代表される処理剤により表面処理を施したシリカ微粒子;酸化チタン微粒子、酸化アルミニウム微粒子、酸化亜鉛微粒子等に代表される金属酸化物微粒子または上記金属酸化物を疎水化処理した金属酸化物微粒子;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等に代表される脂肪酸金属塩;サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸等に代表される芳香族カルボン酸の金属錯体;ハイドロタルサイトに代表される粘土鉱物;フッ化ビニリデン微粒子、ポリテトラフルオロエチレン微粒子等に代表されるフッ素系樹脂微粒子等が挙げられる。中でも、長期にわたって安定的に性能を発揮するという観点から、BET法による比表面積が50m2/g以上150m2/g以下の原体シリカ微粒子を表面処理したシリカ微粒子を用いることが好ましい。また、帯電安定性および流動性の観点から、表面処理された酸化チタン微粒子を用いることが好ましい。また、帯電性の観点からハイドロタルサイトを用いることが好ましい。
続いて、以下に本発明に用いられるトナーの製造方法を具体的に説明する。
本発明のトナーの製造方法としては、特段の制限なく従来公知の方法を用いることができる。具体的には、懸濁重合法;溶解懸濁法;乳化凝集法;スプレードライ法;粉砕法等が挙げられる。中でも特に高円形度のトナー粒子を得やすいという観点から、懸濁重合法が好ましい。
懸濁重合法において本発明のトナーを得る場合には、重合性単量体に着色剤、必要に応じて、極性樹脂、ワックス、荷電制御剤等その他材料を均一に溶解または分散して重合性単量体組成物とする。その後、この重合性単量体組成物を必要に応じて分散安定剤を含有させた水系媒体中に適当な撹拌器を用いて分散する。その後、重合性単量体を重合することにより、所望の粒径を有するトナー粒子を得るものである。上記トナー粒子は重合終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、必要により流動性向上剤を混合し表面に付着させることで、本発明のトナーを得ることができる。
懸濁重合法によって本発明のトナーを得る場合の重合性単量体としては、結着樹脂の項に示したビニル系単量体が挙げられる。
懸濁重合法によって本発明のトナーを得る場合、さらに重合開始剤を用いてもよい。本発明のトナーの製造に用いられる重合開始剤としては、特段の制限なく公知の重合開始剤を用いることができる。具体的には以下の、;2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等に代表されるアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレ−ト、t−ブチルパーオキシイソブチレ−ト、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等に代表される過酸化物系重合開始剤等が挙げられる。
懸濁重合法によって本発明のトナーを得る場合、さらに公知の連鎖移動剤、重合禁止剤等を用いることができる。
懸濁重合法によって本発明のトナーを得る場合、さらに水系媒体に無機または有機の分散安定剤を含有してもよい。分散安定剤としては特段の制限なく公知の分散安定剤を用いることができる。具体的には無機の分散安定剤として以下の、ヒドロキシアパタイト、第3リン酸カルシウム、第2リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等に代表されるリン酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等に代表される炭酸塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等に代表される金属水酸化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム等に代表される硫酸塩、メタケイ酸カルシウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。また、有機の分散安定剤としては以下の、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸およびその塩、デンプン等が挙げられる。
懸濁重合法によって本発明のトナーを得る場合、さらに水系媒体に界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては特段の制限なく公知の界面活性剤を用いることができる。具体的には以下の、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等に代表されるアニオン性界面活性剤;カチオン性界面活性剤;両性界面活性剤;ノニオン性界面活性剤;等が挙げられる。
分散安定剤として、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いてもよいが、より細かい粒子を得るために、水系媒体中にて上記無機化合物を生成させて用いてもよい。例えばヒドロキシアパタイトや第3リン酸カルシウムなどのリン酸カルシウム類の場合、高撹拌下において、リン酸塩水溶液とカルシウム塩水溶液を混合するとよい。
続いて、以下に本発明の測定方法を具体的に説明する。
(トナーの円形度)
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定および解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。さらに測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、対物レンズとして「UPlanApro」(倍率10倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けたときの測定および解析条件で測定を行った。
(トナーの重量平均粒径D4)
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行った。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
(シリカ微粒子の抽出シリコーンオイル量)
シリカ微粒子の抽出シリコーンオイル量は下記の通り測定する。シリカ微粒子1.0gを50mlのスクリュー管に秤量し、ノルマルヘキサン20mlを加える。その後、ホモジナイザー(TAITEC社製VP−050)にて強度20で10分間抽出する。得られた抽出液を遠心分離器にて分離し上澄みを得る。得られた上澄み10gをエバポレーターにて乾固し、残留物をシリコーンオイルとして、上澄み中のシリコーンオイル濃度から抽出シリコーンオイル量を求める。
(シリカ微粒子の疎水率)
シリカ微粒子1gを分液ロート(200ml)に計りとり、これに純水100mlを加えて栓をし、ターブラーミキサーで10分間振とう後、10分間静置し、その後、下層の20〜30mLをロートから抜き取った後に、下層の混合液を10mm石英セルに分取し、純水をブランクとして比色計にかけ、その500nmの通過率を疎水率とした。
(原体シリカ微粒子のBET法による比表面積)
原体シリカ微粒子のBET法による比表面積は、比表面積測定装置オートソープ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出した。
(原体シリカ微粒子の個数平均粒径)
トナー粒子100質量部に対してシリカ微粒子を1質量部添加したものを、FE−SEM S−4800(日立製作所製)により10万倍に拡大したトナー粒子表面の写真を撮影し、その拡大写真を用いて100個以上のシリカ微粒子の粒径を測定、算術平均から求めた。なお、シリカ微粒子の粒径は、形状が球形の場合はその絶対最大長を、長径と短径を有する場合は長径を、粒径としてカウントした。
(原体シリカ微粒子の動的光散乱法によるメジアン径)
粒度分布測定装置(HORIBA社製 LA−920)を用いて測定をおこなった。分散液としてエタノールを用い、試料を添加後、超音波強度3で1分、相対屈折率1.10の条件で測定し、得られたメジアン径(d50)を原体シリカ微粒子のメジアン径とした。
続いて、以下に本発明の画像形成装置を具体的に説明する。
本発明のトナーは特段の制限なく従来公知の画像形成装置に用いることができる。
中でも、本発明のトナーは、トナーを担持して静電潜像を現像するトナー担持体と、前記トナー担持体と当接部を形成するよう配置され、前記トナー担持体に前記トナーを供給する供給部材とを備える現像室と前記トナーが収容された収容部とを有する画像形成装置であって、前記トナー担持体と前記供給部材の回転方向が、各々の表面が前記当接部において同一方向に移動する方向である画像形成装置に用いることが好ましい。本発明のトナーを上記構成の画像形成装置に用いることで、より長期にわたって安定した性能を発揮することが可能となる。
以下に、本発明に用いることができる上記構成の画像形成装置について説明する。
まず、画像形成装置の全体構成について説明する。
図1は、画像形成装置100の概略断面図である。画像形成装置100は、インライン方式、中間転写方式を採用したフルカラーレーザープリンタである。画像形成装置100は、画像情報に従って、記録材(例えば、記録用紙、プラスチックシート、布など)にフルカラー画像を形成することができる。画像情報は、画像形成装置本体100Aに接続された画像読み取り装置、或いは、画像形成装置本体100Aに通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器から、画像形成装置本体100Aに入力される。
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。
なお、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKの構成および動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して、総括的に説明する。
画像形成装置100は、複数の像担持体として、鉛直方向と交差する方向に並設された4個のドラム型の電子写真感光体、即ち、感光体ドラム1を有する。感光体ドラム1は、図示矢印A方向(時計方向)に図示しない駆動手段(駆動源)により回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、感光体ドラム1の表面を均一に帯電する帯電手段としての帯電ローラ2、画像情報に基づきレーザーを照射して感光体ドラム1上に静電像(静電潜像)を形成する露光手段としてのスキャナユニット(露光装置)3が配置されている。また、感光体ドラム1の周囲には、静電像をトナー像として現像する現像手段としての現像ユニット(現像装置)4、転写後の感光体ドラム1の表面に残ったトナー(転写残トナー)を除去するクリーニング手段としてのクリーニング部材6が配置されている。さらに、4個の感光体ドラム1に対向して、感光体ドラム1上のトナー像を記録材12に転写するための中間転写体としての中間転写ベルト5が配置されている。
なお、現像ユニット4は、現像剤として本発明のトナーを用いる。また、現像ユニット4は、トナー担持体としての現像ローラ(後述)を感光体ドラム1に対して接触させて反転現像を行うものである。即ち、現像ユニット4は、感光体ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを、感光体ドラム1上の露光により電荷が減衰した部分(画像部、露光部)に付着させることで静電像を現像する。
中間転写体としての無端状のベルトで形成された中間転写ベルト5は、全ての感光体ドラム1に当接し、図示矢印B方向(反時計方向)に循環移動(回転)する。中間転写ベルト5は、複数の支持部材として、駆動ローラ51、二次転写対向ローラ52、従動ローラ53に掛け渡されている。
中間転写ベルト5の内周面側には、各感光体ドラム1に対向するように、一次転写手段としての、4個の一次転写ローラ8が並設されている。一次転写ローラ8は、中間転写ベルト5を感光体ドラム1に向けて押圧し、中間転写ベルト5と感光体ドラム1とが当接する一次転写部N1を形成する。そして、一次転写ローラ8に、図示しない一次転写バイアス印加手段としての一次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト5上に転写(一次転写)される。
また、中間転写ベルト5の外周面側において二次転写対向ローラ52に対向する位置には、二次転写手段としての二次転写ローラ9が配置されている。二次転写ローラ9は、中間転写ベルト5を介して二次転写対向ローラ52に圧接し、中間転写ベルト5と二次転写ローラ9とが当接する二次転写部N2を形成する。そして、二次転写ローラ9に、図示しない二次転写バイアス印加手段としての二次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、中間転写ベルト5上のトナー像が記録材12に転写(二次転写)される。
さらに説明すれば、画像形成時には、まず、感光体ドラム1の表面が帯電ローラ2によって一様に帯電される。次いで、スキャナユニット3から発された画像情報に応じたレーザー光によって、帯電した感光体ドラム1の表面が走査露光され、感光体ドラム1上に画像情報に従った静電像が形成される。次いで、感光体ドラム1上に形成された静電像は、現像ユニット4によってトナー像として現像される。感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ8の作用によって中間転写ベルト5上に転写(一次転写)される。
例えば、フルカラー画像の形成時には、上述のプロセスが、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKにおいて順次に行われ、中間転写ベルト5上に各色のトナー像が次に重ね合わせて一次転写される。
その後、中間転写ベルト5の移動と同期が取られて記録材12が二次転写部N2へと搬送される。中間転写ベルト5上の4色トナー像は、記録材12を介して中間転写ベルト5に当接している二次転写ローラ9の作用によって、一括して記録材12上に二次転写される。
トナー像が転写された記録材12は、定着手段としての定着装置10に搬送される。定着装置10において記録材12に熱および圧力を加えられることで、記録材12にトナー像が定着される。
また、一次転写工程後に感光体ドラム1上に残留した一次転写残トナーは、クリーニング部材6によって除去、回収される。また、二次転写工程後に中間転写ベルト5上に残留した二次転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置11によって清掃される。
なお、画像形成装置100は、所望の一つの画像形成部のみを用いて、または、幾つか(全てではない)の画像形成部のみを用いて、単色またはマルチカラーの画像を形成することもできるようになっている。
[プロセスカートリッジの構成]
次に、画像形成装置100に装着されるプロセスカートリッジ7の全体構成について説明する。なお、収容しているトナーの種類(色)を除いて、各色用のプロセスカートリッジ7の構成および動作は実質的に同一である。
図2は、感光体ドラム1の長手方向(回転軸線方向)に沿って見たプロセスカートリッジ7の概略断面(主断面)図である。図2のプロセスカートリッジ7の姿勢は、画像形成装置本体に装着された状態での姿勢であり、以下でプロセスカートリッジの各部材の位置関係や方向等について記載する場合はこの姿勢における位置関係や方向等を示している。
プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1等を備えた感光体ユニット13と、現像ローラ17等を備えた現像ユニット4とを一体化して構成される。
感光体ユニット13は、感光体ユニット13内の各種要素を支持する枠体としてのクリーニング枠体14を有する。クリーニング枠体14には、感光体ドラム1が図示しない軸受を介して回転可能に取り付けられている。感光体ドラム1は、図示しない駆動手段(駆動源)としての駆動モータの駆動力が感光体ユニット13に伝達されることで、画像形成動作に応じて図示矢印A方向(時計方向)に回転駆動される。
また、感光体ユニット13には、感光体ドラム1の周面上に接触するように、クリーニング部材6、帯電ローラ2が配置されている。クリーニング部材6によって感光体ドラム1の表面から除去された転写残トナーは、クリーニング枠体14内に落下、収容される。
帯電手段である帯電ローラ2は、導電性ゴムのローラ部を感光体ドラム1に加圧接触することで従動回転する。
ここで、帯電ローラ2の芯金には、帯電工程として、感光ドラム1に対して所定の直流電圧が印加されており、これにより感光ドラム1の表面には、一様な暗部電位(Vd)が形成される。前述のスキャナユニット3からのレーザー光によって画像データに対応して発光されるレーザー光のスポットパターンは、感光ドラム1を露光し、露光された部位は、キャリア発生層からのキャリアにより表面の電荷が消失し、電位が低下する。この結果、露光部位は所定の明部電位(Vl)、未露光部位は所定の暗部電位(Vd)の静電潜像が、感光ドラム1上に形成される。
一方、現像ユニット4は、トナー80を担持するためのトナー担持体としての現像ローラ17と、現像ローラ17にトナーを供給する供給部材としてのトナー供給ローラ20が配置された現像室、を有している。さらに、現像ユニット4は、トナー収容室18を備えている。
また、トナー供給ローラ20は、現像ローラ17との間に当接部Nを形成し、回転している。
トナー収容室18内には、撹拌搬送部材22が設けられている。撹拌搬送部材22は、トナー収容室18内に収容されたトナーを撹拌すると共に、トナー供給ローラ20の上部に向けて図中矢印G方向にトナーを搬送するためのものでもある。
現像ブレード21は現像ローラ17の下方に配置され、現像ローラに対してカウンターで当接しており、トナー供給ローラ20によって供給されたトナーのコート量規制および電荷付与を行っている。
現像ローラ17と感光体ドラム1とは、対向部において各々の表面が同方向に移動するようにそれぞれ回転する。
トナー供給ローラ20と現像ローラとは、各々の表面が当接部Nの上端から下端に移動する方向に回転している。すなわち、トナー供給ローラ20は図示矢印E方向(時計方向)に、現像ローラ17は矢印D方向に回転している。トナー供給ローラ20は、導電性芯金の外周に発泡体層を形成した弾性スポンジローラである。トナー供給ローラ20と現像ローラ17は所定の侵入量を持って接触している。トナー供給ローラ20と現像ローラ17とは、当接部Nにおいて互いに同方向に周速差を持って回転しており、この動作により、トナー供給ローラ20による現像ローラ17へのトナー供給を行っている。その際、トナー供給ローラと現像ローラとの電位差を調整することにより、現像ローラへのトナー供給量を調整することが出来る。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。しかし、これは本発明をなんら限定するものではない。以下にトナーおよびトナーの製造方法について記載する。
<シリカ微粒子1の製造例>
第1処理工程として、フュームドシリカ(商品名AEROSIL380S、BET法による比表面積380m2/g、一次粒子の個数平均径6.8nm、凝集体のメジアン径53.8nm、日本アエロジル株式会社製)100質量部に対し、10.0質量部のジメチルシリコーンオイル(粘度=100mm2/s)を噴霧し、30分間撹拌を続けた。その後、撹拌しながら温度を300℃まで昇温させてさらに2時間撹拌することによって、ジメチルシリコーンオイルをフュームドシリカ表面に焼き付け、反応を終了した。
第2処理工程として、第1処理工程によって生成したシリカ微粒子に対し、40.0質量部のヘキサメチルジシラザン(以下HMDSとも言う)を内部に噴霧し、シリカの流動化状態でシラン化合物処理を行った。この反応を60分間継続した後、反応を終了した。反応終了後、パルベライザー(ホソカワミクロン社製)にて解砕を行い、本発明で使用したシリカ微粒子1を得た。得られたシリカ微粒子1の物性を表3に示す。
<シリカ微粒子2〜シリカ微粒子30の製造例>
シリカ微粒子1の製造例において、処方および処理条件を表1に記載のものに変更する以外はシリカ微粒子1の製造例と同様にしてシリカ微粒子2〜シリカ微粒子30を得た。得られたシリカ微粒子2〜シリカ微粒子30の物性を表3に示す。なお、シリカ原体微粒子の詳細に関しては表2に記載した。また、シリカ微粒子27においては第1処理工程を行わず、原体シリカ微粒子8に対して直接HMDSによる処理を行った。シリカ微粒子28においては第2処理工程を行わなかった。解砕処理に関しては、行った場合をY、行わなかった場合をNとした。
Figure 2015041049
Figure 2015041049
Figure 2015041049
<トナー粒子1の製造例>
懸濁重合法により、以下の様にしてトナー粒子1を製造した。
下記材料を混合し、2時間撹拌して極性樹脂を溶解させ、極性樹脂含有単量体組成物を得た。
・スチレン 44.0質量部
・アクリル酸n−ブチル 20.0質量部
・極性樹脂飽和ポリエステル樹脂〔テレフタル酸とPO変性ビスフエノールAから生成:Mp=9000、Tg=72℃、酸価=12.0mgKOH/g〕 5.0質量部
・帯電制御剤 ボントロンE−88(オリエント化学社製) 1.0質量部
また、下記材料を混合し、アトライター(三井鉱山社製)にてジルコニアビーズ(3/16インチ)とともに200rpmで3時間撹拌し、ビーズを分離して着色剤分散液を得た。
・スチレン 36.0質量部
・着色剤 C.I.Pigment Blue 15:3 6.0質量部
次いで、
・極性樹脂含有単量体組成物 70.0質量部
・着色剤分散液 42.0質量部
上記材料を混合した。続いて混合物を60℃に加温し、10.0質量部のワックス(HNP−51(融点77℃):日本精蝋株式会社製)を加えて重合性単量体組成物を得た。次いで、重合開始剤 パーブチルO(日油株式会社製)5.0質量部を添加し、5分間撹拌した。
一方、高速撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を備えた容器中に0.1mol/L−Na3PO4水溶液850質量部および10%塩酸8.0質量部を添加し、回転数を15000rpmに調整し、60℃に加温した。ここに1.0mol/L−CaCl2水溶液68質量部を添加し、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO42を含む水系媒体を調製した。
上記重合性単量体組成物への上記重合開始剤投入後の5分経過後に、60℃の重合成単量体組成物を温度60℃に加温した水系媒体に投入し、クレアミックスを15000rpmで回転させながら15分間造粒した。その後高速撹拌機からプロペラ撹拌翼に撹拌機を変え、還流しながら60℃で5時間反応させた後、液温80℃とし、さらに5時間反応させた。重合終了後、液温を約20℃に降温し、希塩酸を加えて水系媒体のpHを3.0以下として難水溶性分散剤を溶解した。さらに洗浄、乾燥を行ってトナー粒子1を得た。
<トナー粒子2の製造例>
トナー粒子1の製造例において、0.1mol/L−Na3PO4水溶液の添加量を750質量部に、10%塩酸の添加量を6.5質量部に、1.0mol/L−CaCl2水溶液の添加量を60質量部にそれぞれ変更し、調製した水系媒体にさらに純水108質量部を加えることおよびクレアミックスの回転数を18000rpmに変更すること以外は、トナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子2を得た。
<トナー粒子3の製造例>
トナー粒子1の製造例において、0.1mol/L−Na3PO4水溶液の添加量を600質量部に、10%塩酸の添加量を5.0質量部に、1.0mol/L−CaCl2水溶液の添加量を48質量部にそれぞれ変更し、調製した水系媒体にさらに純水270質量部を加えることおよびクレアミックスの回転数を20000rpmに変更すること以外は、トナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子3を得た。
<トナー1の製造例>
トナー粒子1:100.0質量部に対して、シリカ微粒子1:1.0質量部を加えてヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用い、4000rpmで10分間混合してトナー1を得た。トナー1の物性を表4に示す。
<トナー2〜トナー32の製造例>
トナー1の製造例において、トナー粒子とシリカ微粒子の組み合わせを表4に記載の者に変更する以外はトナー1の製造例と同様にして、トナー2〜トナー32を得た。トナー2〜トナー32の物性を表4に示す。
Figure 2015041049
<実施例1〜23並びに比較例1〜9>
上記トナー1〜32を用いて下記評価を行った。結果を表5および表6に示す。
以下に本発明の評価方法および評価基準を具体的に説明する。
画像形成装置としては市販のレーザープリンターであるLBP−7700C(キヤノン製)の改造機およびプロセスカートリッジであるトナーカートリッジ323(シアン)(キヤノン製)の改造カートリッジを用いた。
この改造機は、内部のギアを変更することにより、プロセススピードが240mm/secとなるよう改造を行った。また、この改造カートリッジはカートリッジ内部のギアを変更・追加することにより、トナー供給ローラがトナー担持ローラとの当接部において各々の表面が同一の方向に移動するように改造を行った。なお、トナー供給ローラのトナー担持ローラ基準での周速は160%となるよう調整を行った。また、カートリッジ内部からは製品トナーを抜き取り、エアブローによって清掃した後、本発明のトナーを160g充填した。
〔1〕高温保管後の流動性(ベタ追従性・ゴースト)
高温高湿保管環境(40℃/95%RH)にてトナーを充填したプロセスカートリッジを30日間保管した。その後、常温常湿環境(25℃/50%RH)に移動し、キヤノンカラーレーザーコピー用紙(A4:81.4g/m2、今後は特に断らない限り本用紙を使用しているものとする)に全ベタ画像を3枚出力した。さらに、ゴースト評価用のサンプル画像として15mm四方のベタ画像が画像の最上流部左端から右端まで15mm間隔で配置され、その下流部に10mm幅の間隔を開けて全面ハーフトーン画像が配置された画像を1枚出力した。その後、印字率1%の画像を20000枚出力した。その後、同様に全ベタ画像およびゴースト評価用の画像を出力した。得られた全ベタ画像およびゴースト評価用画像に対して、ベタ追従性およびゴーストの評価を行った。
なお、上記評価項目はトナーの流動性が高いほど良好な結果が得られることが知られている。
また、本項目に関しては、上記改造を行わず、トナーの詰め替えのみを行ったカートリッジを用いて同様の評価を行った。
なお、画像濃度の測定は、「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて付属の取扱説明書に沿って、画像濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定することによって行い、得られた相対濃度を画像濃度の値とした。
(ベタ追従性)
・評価基準
A:全ベタ画像1枚目先端部の画像濃度と全ベタ画像3枚目後端部の画像濃度との差が0.10未満
B:全ベタ画像1枚目先端部の画像濃度と全ベタ画像3枚目後端部の画像濃度との差が0.10以上0.20未満
C:全ベタ画像1枚目先端部の画像濃度と全ベタ画像3枚目後端部の画像濃度との差が0.20以上0.30未満
D:全ベタ画像1枚目先端部の画像濃度と全ベタ画像3枚目後端部の画像濃度との差が0.30以上
(ゴースト)
・評価基準
A:画像上でベタ画像部よりトナー担持ローラ一周分下流側に位置する部分の画像濃度と周辺部分の画像濃度との差が0.05未満
B:画像上でベタ画像部よりトナー担持ローラ一周分下流側に位置する部分の画像濃度と周辺部分の画像濃度との差が0.05以上0.10未満
C:画像上でベタ画像部よりトナー担持ローラ一周分下流側に位置する部分の画像濃度と周辺部分の画像濃度との差が0.10以上0.20未満
D:画像上でベタ画像部よりトナー担持ローラ一周分下流側に位置する部分の画像濃度と周辺部分の画像濃度との差が0.20以上
〔2〕高温高湿保管時の帯電性(カブリ・画像濃度)
高温高湿保管環境(40℃/95%RH)にてトナーを充填したプロセスカートリッジを30日間保管した。その後、高温高湿環境(30℃/80%RH)に移動し、LetterサイズのHP Color Laser Photo Paper,glossy(220g/m2)に0%印字比率のベタ白画像を出力した。続いて、濃度評価用のサンプル画像として20mm四方のベタ黒画像が紙面の4隅と中央に印字されたサンプル画像をキヤノンカラーレーザーコピー用紙(A4:81.4g/m2)に出力した。サンプル画像出力後、印字率1%の画像を20000枚出力した。その後、同様にベタ白画像および濃度評価用サンプル画像を出力した。さらに、72時間高温高湿環境下に保管した後、同様にベタ白画像を出力した。得られたベタ白画像および濃度評価用サンプル画像に対し、カブリおよび画像濃度の評価を行った。なお、上記評価項目は高温高湿保管時の帯電性に優れるほど良好な結果が得られることが知られている。
なお、カブリ濃度(%)の測定は、「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)を用い、測定した画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出することにより行った。フィルターは、アンバーフィルターを用いた。また、画像濃度の測定は得られたサンプル画像のベタ画像部5点の画像濃度の平均値として算出した。
(カブリ)
・評価基準
A:カブリ濃度0.5%未満
B:カブリ濃度0.5%以上1.0%未満
C:カブリ濃度1.0%以上2.0%未満
D:カブリ濃度2.0%以上
(画像濃度安定性)
・評価基準
A:初期画像濃度と耐久後画像濃度の差が±0.10未満。
B:初期画像濃度と耐久後画像濃度の差が±0.10以上±0.20未満
C:初期画像濃度と耐久後画像濃度の差が±0.20以上±0.30未満
D:初期画像濃度と耐久後画像濃度の差が±0.30以上
〔3〕転写性・初期流動性(転写効率・感光体へのトナー融着・ベタ追従性・ゴースト)
低温低湿環境(15℃/10%RH)にトナーを充填したプロセスカートリッジを移動した。続いて全ベタ画像を出力し、感光体から中間転写体への転写中に装置を停止し、転写工程前の感光体上トナー載り量M1(mg/cm2)と転写工程後の感光体上トナー載り量M2(mg/cm2)を測定した。得られたトナー載り量から、(M1−M2)×100/M1を転写効率(%)とした。続いて、印字率0%のベタ白画像を出力後に感光体上の観察を行った。続いて、〔1〕の評価と同様に全ベタ画像3枚およびゴースト評価用のサンプル画像を出力した。サンプル画像出力後、印字率1%の画像を20000枚出力した。その後、初期と同様に感光体から中間転写体への転写中に装置を停止し、転写工程前の感光体上トナー載り量と転写工程後の感光体上トナー載り量を測定した。続いて、印字率0%のベタ白画像を出力後に感光体上の観察を行った。続いて、〔1〕の評価と同様に全ベタ画像3枚およびゴースト評価用のサンプル画像を出力した。得られた測定・観察結果およびサンプル画像より、転写効率・感光体へのトナー融着・ベタ追従性およびゴーストの評価を行った。なお、上記評価項目のうち、転写効率・感光体へのトナー融着は転写性に優れる場合に、ベタ追従性およびゴーストは流動性に優れる場合にそれぞれ良好な結果が得られることが知られている。また、ベタ追従性およびゴーストの評価基準は〔1〕の評価基準と同様とした。
(転写効率)
・評価基準
A:転写効率95%以上
B:転写効率90%以上95%未満
C:転写効率85%以上90%未満
D:転写効率85%未満
(感光体へのトナー融着)
A:未発生
B:トナー融着はあるが軽微で目立たない
C:トナー融着が多く、ベタ黒画像で点状に白抜けした画像欠陥が目立つ
D:大きなトナー融着が発生し、数mmの線状に白抜けした画像欠陥が目立つ
Figure 2015041049
Figure 2015041049
1 感光体ドラム、4 現像ユニット、7 プロセスカートリッジ、13 感光体ユニット、15 現像室、17 現像ローラ、18 トナー収容室、20 トナー供給ローラ、22 撹拌搬送部材、30 現像開口、80 トナー、100 画像形成装置

Claims (7)

  1. 結着樹脂と着色剤とを含有するトナー粒子とシリカ微粒子とを含有するトナーであって、
    前記トナーの平均円形度が0.960以上であり、
    前記シリカ微粒子が原体シリカ微粒子を少なくともシリコーンオイルで処理することによって得られたシリカ微粒子であり、前記シリカ微粒子1.0gをヘキサン20mlで抽出した際の抽出シリコーンオイル量が0.0050g以下であり、前記シリカ微粒子の疎水率が95%以上であり、前記原体シリカ微粒子のBET法による比表面積が250m2/g以上450m2/g以下であることを特徴とするトナー。
  2. 前記原体シリカ微粒子のBET法による比表面積をA(m2/g)とし、前記原体シリカ微粒子100質量部に対する前記シリコーンオイルによる処理量をB(質量部)としたとき、前記AおよびBが以下の式(1)および(2)を満たす請求項1に記載のトナー。
    5.0≦B≦18.0 (1)
    B/A≦0.040 (2)
  3. 前記シリカ微粒子が、前記シリコーンオイルによる処理を行った後にシランまたはシラザン化合物による処理を行うことによって得られたシリカ微粒子である請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記原体シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒径をd1(nm)、動的光散乱法によるメジアン径をd2(nm)としたとき、上記d1およびd2が以下の式(3)および(4)を満たす請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
    4.0≦d1≦10.0 (3)
    d2/d1≦9.0 (4)
  5. 前記シリカ微粒子が、前記シリコーンオイルによる処理を行った後に解砕処理を行うことによって得られたシリカ微粒子である請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
  6. 前記シリカ原体微粒子の処理に用いる前記シリコーンオイルの粘度が30mm2/s以上1200mm2/s以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。
  7. トナーを担持して静電潜像を現像するトナー担持体と、前記トナー担持体と当接部を形成するよう配置され、前記トナー担持体に前記トナーを供給する供給部材とを備える現像室と前記トナーが収容された収容部とを有する画像形成装置であって、
    前記トナー担持体と前記供給部材の回転方向が、各々の表面が前記当接部において同一方向に移動する方向であり、
    前記トナーが請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
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