JP2015040999A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転写圧を過大に設定することなく、像担持体と中間転写体との周速差をなくすような周速差の設定値を正確に決定することができる制御方法及び画像形成装置を提供する。【解決手段】記録紙の搬送方向に沿って、白領域、黒領域、白領域が配置される画像パターンの作像を開始し、ITB(中間転写ベルト)の周速を目標速度に速度制御した状態で、感光ドラムの設定周速Vdを複数変化させて、白領域生成時の負荷トルクTwと黒領域生成時の負荷トルクTbとを求める。値が隣接する設定周速同士の間で負荷トルクTwと負荷トルクTbとの大小関係が逆転するような2つの設定周速の組(Vd(k)、Vd(k+1))に基づき、周速値Vd0を決定する。【選択図】図9
Description
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関する。
複写機、複合機、ファクシミリをはじめとする電子写真方式の画像形成装置において、トナー像を担持する感光ドラムと中間転写ベルト(ITB)には、表面速度が定速になるように駆動することが求められている。その第1の理由として、感光ドラム上に静電潜像を描くレーザ露光が、時間同期露光になっている場合、感光ドラムの表面速度が変動することによってレーザ照射位置が本来の照射位置からずれることが挙げられる。また、第2の理由として、感光ドラム上に形成されたトナー像をITBに転写する一次転写プロセスにおいて、感光ドラムとITBの表面速度に交流的な差がある場合、ITB上に転写されるトナー像が本来転写されるべき位置からずれることが挙げられる。すなわち、感光ドラムとITBの表面速度が定速でない場合は、最終的に記録紙上に形成される画像に、画像不良、例えば各色間の位置ずれに起因する色ずれ又はバンディングと呼ばれる周期的な位置ずれが発生するという問題がある。
このため、感光ドラムとITBの駆動は、各種速度検知センサを用いて、駆動源であるモータを速度フィードバック制御することで高い定速性が確保されている。この場合、駆動モータとしては、安価、静音、高効率である点から、PLL制御方式のブラシレスDCモータ(以下、「BLDCモータ」という。)が多用されている。そして最近では、BLDCモータを用いた速度フィードバック制御として、例えば、ドラム軸上にロータリーエンコーダを配置し、ドラム軸の回転速度を定速にするようBLDCモータを制御する方法が採用されている。
しかし、上記速度フィードバック制御は、ドラム軸の回転速度を検知しているものの、感光ドラムの表面速度を検知していないために、ドラム軸の偏心、ドラム径の精度不良等に起因してドラムの表面速度を定速にすることは困難となっている。ITBにおいても同様であり、ITBを駆動しているITB駆動ローラ軸の偏心、ローラ径の精度不良、ITBの厚みむら等に起因して同様の問題が発生する。
一方、画像不良が生じる原因としては、感光ドラムとITBの転写面での摩擦による相互干渉が挙げられる。すなわち、感光ドラム及びITBのどちらか一方に生じている速度変動の影響が他方に伝達されるという問題がある。その他にも、ITB上に担持されているトナー像を記録紙上に転写する二次転写時に、記録紙が厚紙である場合、ITB上に突発的な負荷変動が生じることで高周波の速度変動が発生し、この速度変動が、一次転写における位置ずれの原因となることもある。このように、画像不良が生じる原因は多岐に渡っており、全てを解決することは非常に困難である。
そこで、特許文献1に記載されているように、画像胴(感光ドラム相当)を画像転写胴(中間転写ベルト相当)で摩擦により従動駆動する技術が提案されている。この技術によれば、以下のようなメリットがある。すなわち、第1に、感光ドラム上の画像がITB上の画像となるので、感光ドラム上の位置基準で画像を形成すれば、感光ドラムの回転むらの影響は削除される。また、第2に、ITBの二次転写部への記録紙突入時のショック等により、ITBの速度変動が生じても、感光ドラム上の画像とITB上の画像の整合性が確保されるので、一次転写における画像不良が発生し難い。
また、別の技術として特許文献2に記載されているように、感光ドラム、及びITBの表面速度を検知することなく、両者を同じ表面速度で駆動する技術が提案されている。この技術では、ITBを一定速度で制御した状態で、ITB速度指令を挟んだ速度範囲で感光ドラムを加減速させ、その時のトルクの変極点から両者の表面速度が一致するような感光ドラムの駆動速度を求める。これにより、ドラム径、ローラ径、それぞれの偏心、および、ベルト厚ムラなどで発生するドラムとITB間での速度差“0”となる速度制御をすることで、同一速度駆動を実現するというものである。
特許文献1に記載されているように、摩擦によって感光ドラムを中間転写ベルトで適切に(滑りなく)従動駆動させるためには、一次転写部における転写圧を大きく設定しなければならない。しかし一次転写圧を過剰に大きくすると、感光ドラム及びITBに生じる負荷が増加して、モータの駆動トルクが増大してしまう。また、トナーの転写性にも影響を与えてしまう。
また、特許文献2に記載されている技術では、感光ドラムの表面速度とITBの表面速度(平均)との差が零となるポイントを求める。しかし、感光ドラムとITBのそれぞれの速度制御を行う限り、ドラムとベルトの表面速度の差(周速差)を、交流成分も含めて完全に「零」にすることは難しい。さらには、各々の速度制御同士で干渉し、速度差が少ないがゆえに、駆動伝達部でのガタなどの影響が画像に大きく影響してしまうおそれもある。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、転写圧を過大に設定することなく、像担持体と中間転写体との周速差をなくすような周速差の設定値を正確に決定することができる画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、トナー像を担持して回転することが可能な像担持体と、前記像担持体に当接して回転し、前記像担持体に担持されたトナー像が転写される中間転写体と、前記像担持体を回転駆動する第1の駆動手段と、前記中間転写体を回転駆動する第2の駆動手段と、設定周速を複数設定する設定手段と、前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段を制御する制御手段と、前記中間転写体の周速が目標速度となるように前記制御手段が前記第2の駆動手段を制御している状態で、前記像担持体の周速が前記設定手段により設定された設定周速となるように前記制御手段が前記第1の駆動手段を制御しているときに、前記像担持体に作用する負荷トルクを検出する検出手段とを有し、前記検出手段は、複数の前記設定周速ごとに且つ、前記像担持体から前記中間転写体に転写される画像の濃度が第1の濃度である場合及び該第1の濃度より濃い第2の濃度である場合について、前記負荷トルクをそれぞれ第1の負荷トルク及び第2の負荷トルクとして検出し、さらに、前記転写される画像の濃度が前記第1の濃度である場合に前記検出手段により検出された前記第1の負荷トルクと前記転写される画像の濃度が前記第2の濃度である場合に前記検出手段により検出された前記第2の負荷トルクとの大小関係が、値が隣接する設定周速同士の間で逆転するような2つの設定周速の組を把握する把握手段と、前記把握手段により把握された組における2つの設定周速に基づく1つの値を、前記中間転写体の周速と前記像担持体の周速との差が零となる前記像担持体の周速値として決定する決定手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、転写圧を過大に設定することなく、像担持体と中間転写体との周速差をなくすような周速差の設定値を正確に決定することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の要部の概略構成を示す断面図である。
この画像形成装置は、電子写真方式のカラーデジタル複写機である。なお、本画像形成装置は、複写機の他、複合機またはファクシミリ装置であってもよく、また、カラー用に限られず、白黒用の装置であってもよい。
本画像形成装置は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)用の4色の画像形成ユニットを備える。各色に対応する感光ドラム101(101Y、101M、101C、101K)が、略水平方向に沿って配列されている。静電潜像が形成される像担持体としての感光ドラム101は各々回転可能であり、図1の矢線A方向へ回転する。
本画像形成装置は、各感光ドラム101に対応してレーザスキャナ100(100Y、100M、100C、100K)を備える。不図示の一次帯電装置が、それぞれ対応する感光ドラム101の表面を一様に帯電させる。レーザスキャナ100は、それぞれ帯電された感光ドラム101の表面を、画像情報に基づいて露光して静電潜像を形成する。そして不図示の現像装置が、感光ドラム101の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する。
各感光ドラム101Y〜101Kに対向してそれぞれ一次転写ローラ107(107Y,107M,107C,107K)が配置されている。感光ドラム101と一次転写ローラ107との間を搬送されるように、中間転写体としての無端状の中間転写ベルト121が張架されている。
中間転写ベルト121(以下、ITB121と記すこともある)は、中間転写駆動ローラ110、ローラ111及び二次転写ローラ131によって張架されており、感光ドラム101の表面にそれぞれ当接するように回転する。ITB121は、中間転写駆動ローラ110(以下、ITB駆動ローラ110と記すこともある)によって回転駆動され、図1の矢印B方向へ回転する。感光ドラム101の表面に形成された各色のトナー像は、順次、ITB121上に転写(一次転写)され、重畳されてカラー画像が形成される。二次転写ローラ131は、ITB121に転写されたトナー像を、搬送されてきた記録紙に一括して転写させる。
[作像部駆動構成]
図2は、感光ドラム101及びITB121を駆動する駆動機構の構成を示す模式図である。
図2は、感光ドラム101及びITB121を駆動する駆動機構の構成を示す模式図である。
感光ドラム101及びITB121が含まれる作像部には上位のコントローラ300が備えられ、コントローラ300にはCPU200が備えられる。CPU200は画像形成装置の全体の制御を司る。このほか、コントローラ300には、各感光ドラム101の駆動を制御する制御器202(202Y、202M、202C、202K)、及びITB121の駆動を制御する制御器201が備えられる。制御器201、202は、CPU200からの指示に従って制御を行う。
図2において、第1の駆動手段である駆動モータ102(102Y、102M、102C、102K)は、対応する感光ドラム101を独立して駆動する。第2の駆動手段である中間転写駆動モータ112は、ITB駆動ローラ110を駆動する。各々の駆動モータ102と感光ドラム101との間には、駆動モータ102の回転数を減速するための減速器104(104Y、104M、104C、104K)が接続される。ITB駆動モータ112とITB駆動ローラ110との間には、ITB駆動モータ112の回転数を減速するための減速器104Bが接続される。
各感光ドラム101が駆動力の伝達を受ける側において、各感光ドラム101のドラム軸には、その角速度検出を行うための光学パターン(スリット)が配されたホイールスケール103(103Y、103M、103C、103K)が設けられている。また、各ホイールスケール103に近接して、ホイールスケール103のスリット間周期を検出するエンコーダセンサ105(105Y、105M、105C、105K)が設けられている。エンコーダセンサ105により、ドラム軸の軸角速度が検知される。
さらに、各感光ドラム101を挟んでホイールスケール103の反対側には、感光ドラム101の回転速度の変動を抑制するためのフライホイール106(106Y、106M、106C、106K)が設けられる。
同様に、ITB駆動ローラ110の駆動軸には、その角速度検出を行うための光学パターン(スリット)が配されたホイールスケール103Bが設けられる。ホイールスケール103Bに近接して、ホイールスケール103Bのスリット間周期を検出するエンコーダセンサ105Bが設けられている。エンコーダセンサ105Bにより、駆動軸の軸角速度が検知される。
なお、エンコーダセンサ105に限られず、ITB駆動ローラ110の駆動軸やドラム軸の軸角速度を検出できるものであれば、ロータリーエンコーダ以外の機構を適用してもよい。
図3は、ITB駆動ローラ110の軸角速度制御を行う制御器201の内部構成を示す図である。
制御器201は、速度指令部201a、一般的なPIDである制御器201b、及びPWM制御器201cを備える。ITB駆動モータ112は、モータドライバ部(DRV)114及びBLDCモータ115を備える。
速度指令部201aには、CPU200により速度指令値が設定される。速度指令部201aに設定される速度指令値と、エンコーダセンサ105Bにより検出されるITB駆動ローラ110の軸角速度情報との誤差量をもとに、制御器201bへ設定するエネルギ補正量が決定される。このエネルギ補正量は、制御器201bがITB駆動モータ112に供給するエネルギを補正するための量である。
このエネルギ補正量は、PWM制御器201cにて、負荷であるBLDCモータ115への通電量を制御する指令値となる。PID制御器201bは、エネルギ補正量に基づき、PWM制御器201cへ通電比としてデューティ指令を出力する。PWM制御器201cは、PID制御器201bから出力されたデューティ指令に従って、BLDCモータ115への通電(ON)/遮断(OFF)を制御する。すなわち、PWM制御器201cが、このデューティ指令に基づき、BLDCモータ115へのパルス指令を生成し、それをモータドライバ部114へ出力することにより、ITB駆動ローラ110の駆動軸が所定の軸角速度となるように制御される。
従って、速度制御、すなわちITB121の回転速度のフィードバック制御において、ITB駆動ローラ110の駆動軸の軸角速度が制御量に該当し、デューティ指令が操作量に該当する。ここで、このPID制御器201bからPWM制御器201cへ出力されるデューティ指令は、ITB駆動モータ112に印加されるトルクに比例する。そこで、操作量であるデューティ指令から、ITB121に作用する負荷トルク量を検出することが可能である。
図4は、感光ドラム101の回転速度制御を行う制御器202の内部構成を示す図である。
各感光ドラム101に対応する制御器202はいずれも同様に構成されるので、1つの構成を説明する。制御器202は、速度指令部202a、一般的なPIDである制御器202b、及びPWM制御器202cを備える。また、制御器202bとPWM制御器202cと間に操作量切替器202eが接続される。さらに、制御器202bと操作量切替器202eとに接続される操作量保持器202dが設けられる。
制御器202は、操作量切替器202eと操作量保持器202dとが追加された点以外は制御器201(図3)の構成と同様である。駆動モータ102は、モータドライバ部(DRV)116及びBLDCモータ117を備える。
操作量保持器202dは、制御器202bから出力されるデューティ指令を保持する。操作量切替器202eは、速度制御の場合と定トルク制御の場合とに対応して、PWM制御器202cに対する接続元を、制御器202bと操作量保持器202dとに切り替える。
定トルク制御の場合、操作量保持器202dにより、速度制御の場合とは独立して指定されたデューティ指令がPWM制御器202cへ出力される。すなわち、制御器202は、操作量保持器202dで指定されたデューティ指令値により動作することになる。従って、操作量保持器202dはトルク検出器(検出手段)としても機能することになる。
速度制御においては、操作量切替器202eの切替接続状態は図4に示すものとなる。操作量保持器202dは用いられず、ITB駆動モータ112の速度制御と同様の制御態様となる。すなわち、速度指令部202aに設定される速度指令値と、エンコーダセンサ105により検出される感光ドラム101のドラム軸の軸角速度情報との誤差量をもとに、制御器202bへ設定するエネルギ補正量が決定される。そして、その補正量に基づき制御器202bから出力されたデューティ指令に基づき、PWM制御器202cは、BLDCモータ117へのパルス指令を生成し、それをモータドライバ部116へ出力する。これにより、感光ドラム101のドラム軸が所定の軸角速度となるように制御される。
感光ドラム101の定トルク制御は、感光ドラム101がITB121との摩擦力により従動駆動されるようにすることで両者間の相対位置ずれの発生を抑制する場合に必要となる制御である。その際の従動状態は、ITB121を「主」とし、感光ドラム101を「従」とする関係としている。最終的に記録紙にトナー像を転写する場合に、ITB121の速度と紙搬送系の速度とのずれが生じると、形成される記録画像に伸縮等の画像不良が発生する。上記のような主従関係としたのは、このような画像不良を防ぐのに有利だからである。
そのため、ITB121による感光ドラム101の従動駆動においては、CPU200は、ITB121については速度制御を行う。それにより、ITB121の速度(表面速度ないし周速)を記録紙搬送系側に対して一定となるように、ITB駆動ローラ110の駆動軸の軸角速度を制御する。それと共に、CPU200は、感光ドラム101を一定の負荷トルク状態で制御する。それにより、ITB121への記録紙の突入により発生する急峻な負荷変動がITB121の速度変動を誘起した場合でも、感光ドラム101とITB121との間に相対的なずれが生じないようにしている。
ただし、このような従動駆動の構成とする場合には、ITB121側で速度変動が生じた場合にはそれが感光ドラム101の表面速度(周速)の変動にもなる。そこで、感光ドラム101の速度変動に伴う露光位置ずれが発生しないようにするために、レーザスキャナ100では、表面位置検知部301(図12)による感光ドラム101の表面位置の検出結果に基づき副走査の方向の露光タイミングを制御する構成としている。レーザスキャナ100の構成については、図11、図12で後述する。
感光ドラム101の表面位置に同期させて露光制御(副走査同期露光)を行う構成を採用する理由は、感光ドラム101の表面位置に合わせた正確な露光を行うためである。すなわち、ITB121側での記録紙の突入ショックによる速度変動に対応するには、100Hz以上の制御帯域を要求される場合がある。そのため、レーザスキャナ100側で露光タイミングを規定する方が有利だからである。
以降、従動駆動の制御について説明した後、さらには露光制御についても説明する。
[従動駆動の成立条件]
本実施の形態でいう従動駆動とは、感光ドラム101については速度制御を行わず、ITB121のみ速度制御を行い、ベルト−感光ドラム間で発生する摩擦を利用することで感光ドラム101がITB121に連れ回り状態で回転する駆動形態である。感光ドラム101については定トルク制御を行う。より正確には、ITB121によって感光ドラム101を連れ回すことによって、ITB121の表面速度と感光ドラム101の表面速度とが常時一致するように両者を駆動することをいう。この従動駆動により、プリント動作時にはドラム及びベルト表面間では位置ずれが発生しない状態を保持しつつ、ドラム表面に形成されたトナー像がスタンプのようにベルト表面に正確に転写され、色ずれやバンディングの影響が小さい高画質の画像が得られる。
本実施の形態でいう従動駆動とは、感光ドラム101については速度制御を行わず、ITB121のみ速度制御を行い、ベルト−感光ドラム間で発生する摩擦を利用することで感光ドラム101がITB121に連れ回り状態で回転する駆動形態である。感光ドラム101については定トルク制御を行う。より正確には、ITB121によって感光ドラム101を連れ回すことによって、ITB121の表面速度と感光ドラム101の表面速度とが常時一致するように両者を駆動することをいう。この従動駆動により、プリント動作時にはドラム及びベルト表面間では位置ずれが発生しない状態を保持しつつ、ドラム表面に形成されたトナー像がスタンプのようにベルト表面に正確に転写され、色ずれやバンディングの影響が小さい高画質の画像が得られる。
図5は、ベルト−感光ドラム間の周速差「零」時に作用するトルク関係図である。
感光ドラム101がITB121に連れ回り状態で回転する従動駆動において、感光ドラム101には、等価負荷Ldrumが作用している。等価負荷Ldrumは、図5に示すように、感光ドラム101側にぶら下がっている負荷であり、クリーナ機構、駆動軸摩擦等を含む全ての負荷を合わせたものである。
感光ドラム101が等価負荷Ldrumに抗して回転するのに必要な駆動トルクをTrq_Drumとする。ベルト−感光ドラム間の一次転写部で発生する摩擦トルクをTrq−DBとする。上記のような従動駆動が成立する条件としては、駆動トルクTrq_Drumと摩擦トルクTrq−DBとの間で下記数式1の関係が成立すればよい。
[数1]
Trq_DB>Trq_Drum
[数1]
Trq_DB>Trq_Drum
この感光ドラム101に作用する等価負荷Ldrumが作像動作中に変動した場合であっても、上記数式1の関係が成立している限りは従動動作が破綻することは無い。
ただし、摩擦トルクTrq−DBを大きくするためには、ベルト−感光ドラム間での接触圧を大きくする必要がある。しかしそうすると、トナーの転写効率の低下に繋がる。転写効率を低下させずに従動駆動を可能とするためには、まず、感光ドラム101に作用する等価負荷Ldrumを駆動するのに必要な駆動トルクTrq_Drum分を把握する。そして、駆動トルクTrq_Drumに相当するトルクを補助トルクTasとして駆動モータ102から感光ドラム101へ供給できればよい。
ここで「必要なトルクTrq_Drum分を把握」とするのは、補助トルクTasが供給過多となっても、上記のような適切な従動駆動状態は保つことができないからである。この適切な従動駆動状態を保持できるための補助トルクTasと速度差との関係を図6で説明する。
図6では、画像形成装置の動作時において、駆動モータ102を定トルク制御として、デューティ指令を線形増加させていった場合の特性を示している。特性図の横軸は、制御器202bから出力されるデューティ指令であり、縦軸は感光ドラム101とITB121との表面速度の差である。速度差が零となるようなデューティ指令の領域が、適切な従動駆動状態が維持される従動領域である。逆の見方をすれば、従動領域は、ベルト−感光ドラム間に発生している摩擦トルクTrq_DBが作用するトルク範囲を示しているため、補助トルクTasとしてはこの範囲を保持できれば従動状態の維持が可能と言える。
図7は、ベルト−感光ドラム間の周速差「零」時に作用するトルク関係図であり、図5を簡略化した模式図である。図7において、ITB121は円形状に描いてある。
さて、上記の従動駆動状態を維持するためには、前述したように感光ドラム101に作用する負荷トルクTrq_Drumを正しく検出できることが必要となる。そのためには、感光ドラム101及びITB121間の表面速度差(以下、周速差とも呼称する)が「零」となっている状態におけるデューティ指令の値を把握できればよい。
なぜなら図7に示すように、ベルト−感光ドラム間の周速差が零となっている場合には、感光ドラム101の表面とITB121の表面との間で互いにトルクが作用し合わない。そのため、その時のデューティ指令は、負荷トルクTrq_Drumとおおよそ等しくなるからである。なお、感光ドラム101とITB121との周速差が存在する場合は、速い側にトルク負担が発生することになる。なお、図7において、ITB121に作用する等価負荷トルクLitbに抗してITB121を回転駆動するのに必要なトルクをTrq_ITBとする。
[補助トルクの検知]
補助トルクTasの検知を行うためには、前述したようにまず感光ドラム101とITB121の表面速度差が零となるような感光ドラム101の周速(表面速度)を把握しなければならない。ところが、感光ドラム101の偏心、径精度、及び、ITB121の厚みムラ、ITB駆動ローラ110の径精度等に起因して、各駆動軸の速度を制御した場合でも、表面速度差が零になるとは限らない。
補助トルクTasの検知を行うためには、前述したようにまず感光ドラム101とITB121の表面速度差が零となるような感光ドラム101の周速(表面速度)を把握しなければならない。ところが、感光ドラム101の偏心、径精度、及び、ITB121の厚みムラ、ITB駆動ローラ110の径精度等に起因して、各駆動軸の速度を制御した場合でも、表面速度差が零になるとは限らない。
ここで、前述したように、両者の表面速度差が零となっている状態では、感光ドラム101及びITB121間でのトルクのやり取りが発生しないとなる。そこで、作像状態において、トナー有りと無しとの間でのトルクの増減方向の変化から、両者の表面速度差が零となる状態を把握する。このような両者の表面速度差が零となるような感光ドラム101の周速として決定される値を「周速値Vd0」と記す。
図8(a)は、表面速度差が零となる周速値Vd0を求めるときに適用される画像パターンの例である。この画像パターンは、記録紙の搬送方向に沿って、白領域R1、黒領域R2、白領域R3が配置される白ベタ−黒ベタ−白ベタのパターンである。黒領域R2がトナー像有り、白領域R1、R3がトナー像無しの領域に該当する。
図8(b)〜(d)は、画像形成の実動作において図8(a)に示す画像パターンを生成した場合の各モータでのトルク変化を示す図である。特に、感光ドラム101とITB121との間の周速差を変化させた場合のトルク変化を示す。具体的には、感光ドラム101の周速とITB121の周速との関係は次のようになっている。
図8(b):周速差:ドラム>ITB
図8(c):周速差:ドラム≒ITB
図8(d):周速差:ドラム<ITB
ここで図8(b)〜(d)の横軸は経過時間であり、記録紙の搬送方向における画像パターンの位置に対応する。縦軸は負荷トルクを示す。
図8(b):周速差:ドラム>ITB
図8(c):周速差:ドラム≒ITB
図8(d):周速差:ドラム<ITB
ここで図8(b)〜(d)の横軸は経過時間であり、記録紙の搬送方向における画像パターンの位置に対応する。縦軸は負荷トルクを示す。
また、図8(e)に、各周速差におけるトナー像の有りと無しと間のトルク差をプロットした図を示す。図8(e)の横軸が周速差を示す。図8(e)の縦軸は、感光ドラム101に作用する負荷トルクの差、すなわちトルク差Trqを示す。ここで、トルク差Trq=(黒領域R2生成時の負荷トルクTb)−(白領域R1生成時の負荷トルクTw)である。負荷トルクTb、Twは、制御器202bから出力されるデューティ指令から求める。
ここで感光ドラム101に作用する負荷トルクに着目する。まず、例えば図8(b)からわかるように、感光ドラム101の方がITB121よりも周速が高い場合は、感光ドラム101に作用する負荷トルクは、黒領域R2の生成時の方が白領域R1、R3の生成時よりも大きくなる。また、図8(c)からわかるように、周速差がない場合は、感光ドラム101に作用する負荷トルクは、黒領域R2の生成時と白領域R1、R3の生成時とで変わらない。一方、図8(d)からわかるように、感光ドラム101の方がITB121よりも周速が低い場合は、感光ドラム101に作用する負荷トルクは、黒領域R2の生成時の方が白領域R1、R3の生成時よりも小さくなる。
従って、図8(e)に示すように、周速差が大きくなるにつれてトルク差Trqが大きくなり、周速差がマイナスの値からプラスに転じたとき、トルク差Trqは零となることがわかる。このように、周速差「零」を挟んでトルク負担方向が逆転する特性がある。従って、周速差が零となるポイントを求めるためには、トナー有無によるトルク変化が正から負(またはその逆)に変わるポイントを検出できればよい。
そこで、本実施の形態では、ITB121の周速を目標速度PSに速度制御した状態で感光ドラム101の周速を変化させていき、両者の表面速度差が零となるような感光ドラム101の周速値Vd0を求める。そのために、「白領域R1生成時の負荷トルクTw」(第1の負荷トルク)と「黒領域R2生成時の負荷トルクTb」(第2の負荷トルク)との大小関係が反転する境となる周速を求めればよい。
具体的には、感光ドラム101の周速を徐々に変化させるための設定周速Vdを複数設定する。次に、ITB121の周速を目標速度PSに速度制御した状態で感光ドラム101の周速を設定周速Vd(i)に従って段階的に変化させ(i=1〜n)、全ての設定周速Vdについて負荷トルクTw及び負荷トルクTbを求める。そして、値が隣接する設定周速同士の間で負荷トルクTwと負荷トルクTbとの大小関係が逆転するような2つの設定周速の組(Vd(k)、Vd(k+1))を把握する。kは0〜nのうちの1つの値である。この把握した組のVd(k)値とVd(k+1)値との間に、求めるべき周速値Vd0があると考えられる。
次に、周速値Vd0を決定し、補助トルクTasを導いて保持する処理について、フローチャートで説明する。
図9は、補助トルクTasの算出処理のフローチャートである。図9の処理は、後述する図10のステップS210におけるサブルーチンとして実行される。
まず、CPU200は、初期設定を行う(ステップS101)。ここでは、周速差設定の変化幅dV、測定回数n、目標速度PSが設定される。目標速度PSには、通常の画像形成動作時においてITB121の目標とされる周速の値が設定される。周速値Vd0と目標速度PSとのずれの程度が不明な場合は、周速値Vd0の決定の精度を向上させるべく、変化幅dVはなるべく小さく設定し、測定回数nは大きく設定するのがよい。なお、測定回数nは3以上の値とする。変数iがnに達するまで、ステップS103〜S110の処理ループがn回繰り返されることになる。
次に、CPU200は、ITB121及び感光ドラム101をいずれも速度制御とするべく、各制御器201、202に対して動作開始指令を出力する(ステップS102)。これにより、ITB121は、目標速度PSの周速となるよう回転することになる。次に、ステップS103では、CPU200は、ループ処理回数を示す変数iをインクリメントする(i←i+1)。さらにCPU200は、速度指令部202aに対して、今回ループの設定周速Vd(i)を下記数式2により設定する。
[数2]
設定周速Vd(i)←PS+dV*i−dV*n/2
[数2]
設定周速Vd(i)←PS+dV*i−dV*n/2
次に、CPU200は、速度指令部202aに対して、ステップS103で算出された設定周速Vd(i)を速度指令として設定する(ステップS104)。これにより、感光ドラム101は、設定周速Vd(i)の周速となるよう回転することになる。次に、CPU200は、図8(a)に示す画像パターンの作像動作を開始するよう制御する(ステップS105)。
次に、CPU200は、画像パターンにおける白領域R1の形成時の制御器202bの出力をサンプリングし、それを保持する(ステップS106)。具体的には、CPU200は、制御器202bから出力されるデューティ指令を今回ループの負荷トルクTw(i)として操作量保持器202dに格納させる。
次に、CPU200は、画像パターンにおける画像濃度の切り替わりを待ち、すなわち、作像の領域が白領域R1から黒領域R2に切り替わるのを待つ(ステップS107)。そして、白領域R1から黒領域R2に切り替わったら、CPU200は、画像パターンにおける黒領域R2の形成時の制御器202bの出力をサンプリングし、それを保持する(ステップS108)。具体的には、CPU200は、制御器202bから出力されるデューティ指令を今回ループの負荷トルクTb(i)として操作量保持器202dに格納させる。
次に、CPU200は、今回ループのトルク差Trq(i)を、下記数式3により算出する(ステップS109)。CPU200は、算出したトルク差Trq(i)も、操作量保持器202d等を用いて保持しておく。
[数3]
Trq(i)=Tb(i)−Tw(i)
[数3]
Trq(i)=Tb(i)−Tw(i)
次に、CPU200は、測定終了か、すなわちi=nとなったか否かを判別し(ステップS110)、測定終了でない場合は、処理をステップS103に戻して次回ループの処理に移行する。
一方、測定終了である場合は、i=nとなるまでの全ての設定周速Vdについてトルク差Trq(i)の取得が完了したことになる。そこでCPU200は、下記数式4が成立するようなkの値を求める(ステップS111)。
[数4]
Trq(k)*Trq(k−1)<0
[数4]
Trq(k)*Trq(k−1)<0
次に、CPU200は、求めたk値に基づき周速値Vd0を決定する(ステップS112)。すなわち、上述したように、k値が判明することで、値が隣接する設定周速同士の間で負荷トルクTwと負荷トルクTbとの大小関係が逆転するような2つの設定周速の組(Vd(k)、Vd(k+1))が把握される。そこで、Vd(k)値とVd(k+1)値とに基づき周速値Vd0を決定する。
その決定手法は各種考えられるが、Vd(k)値とVd(k+1)値とを含む両者の範囲内で決定する。例えば、これら2点間での周速差に対する負荷トルクの変化を線形補間した上で、零クロスする周速差に対応する値を周速値Vd0として求める(図8(e)参照)。CPU200は、決定した周速値Vd0を、操作量保持器202dに保持させる。
なお、簡易的には、Vd(k)値とVd(k+1)値とを等分した値を周速値Vd0として決定してもよい。あるいは、負荷トルクの変化の傾向が既知である場合は、Vd(k)値とVd(k+1)値とを所定の内分比で分けた値を周速値Vd0として決定してもよい。
次に、CPU200は、決定した周速値Vd0を、速度指令部202aに設定して、感光ドラム101の周速が周速値Vd0となるよう速度制御を行う(ステップS113)。次に、図8(a)に示す画像パターンの作像動作を開始するよう制御する(ステップS114)。
そして、CPU200は、画像パターンの作像開始と同期して、制御器202bの出力を画像データ幅分だけサンプリングし、平均デューティ値を算出する(ステップS115)。この平均デューティ値は、ITB121の周速が目標速度PSとなるように速度制御され且つ、感光ドラム101の周速が周速値Vd0を目標として速度制御されているときに感光ドラム101に作用する負荷トルク(第3の負荷トルク)に相当する。この平均デューティ値は、駆動トルクTrq_Drumに相当するから、CPU200は、この値を補助トルクTasとして操作量保持器202dに保持させる。
補助トルクTasは、画像形成装置の電源がオフされた状態でも保持が継続されるとする。操作量保持器202dに保持された補助トルクTasは、後述するドラム定トルク制御モード(図10のステップS205)において、駆動モータ102から感光ドラム101へ供給されるトルクを規定する。
なお、図9の処理は、感光ドラム101ごとに実行して個々の補助トルクTasを求めるのが望ましい。補助トルクTasの値は各感光ドラム101によって異なり得る。ただし、ドラム−ITB間の摩擦を大きく確保できる場合には、代表して1つの感光ドラム101での検知結果を基に共通の補助トルクTasを定めてもよい。
なお、図9の処理において、測定回数nは3以上で、3回以上のループが実行されるとしたが、これに限定されない。例えば、2つの設定周速Vdの間に周速値Vd0が確実に存在するように、2つの設定周速Vdの幅を大きくとる。そして、図8(e)において、各設定周速Vdに対応する2点のトルク差Trqを結ぶ直線から周速値Vd0を推定してもよい。
[全体動作]
図10は、本画像形成装置における全体動作のフローチャートである。
図10は、本画像形成装置における全体動作のフローチャートである。
本画像形成装置の動作としては、大きく分けて、紙搬送制御、複写画像を形成する作像制御(感光ドラム101、ITB121を駆動制御する制御器201、202による制御が含まれる)、定着制御が含まれる。
プリント指示があると図10の処理が開始され、まず、CPU200は、各種初期化処理、すなわち、装置内の各種の初期状態チェックや動作開始位置の初期化などを実行する(ステップS201)。次に、CPU200は、ステップS202で、トナー像形成を行う作像部の駆動制御を開始し、感光ドラム101、ITB121の各表面のクリーニング、環境条件による帯電制御の調整などを実行する。
次に、CPU200は、ITB121による感光ドラム101の従動駆動を行うか否かを判別する(ステップS203)。
これは、ドラム定トルク制御モード(第1の制御モード)かドラム速度制御モード(第2の制御モード)のいずれの制御モードが設定されているかにより定まり、CPU200は、設定状態から判別を行う。
ドラム定トルク制御モードは、上記の従動駆動を行うモードであり、ITB121を速度制御し且つ、感光ドラム101を定トルク制御するモードである。ドラム速度制御モードは、上記の従動駆動を行わず、感光ドラム101及びITB121がそれぞれ同じ目標表面速度に速度制御されるモードである。これら制御モードの択一的な選択は、ユーザが行うことができ、初期状態では例えばドラム速度制御モードが設定されている。
ステップS203の判別の結果、従動駆動しない場合は、ドラム速度制御モードであるので、CPU200は、制御器202に対して速度設定を行い、速度制御を開始する(ステップS204)。その際CPU200は、制御器202において、PWM制御器202cに制御器202bが接続されるように操作量切替器202eを切り替えるよう制御する。この速度設定の値は、ITB121と同じく、目標速度PSである。
一方、従動駆動する場合は、ドラム定トルク制御モードであるので、CPU200は、制御器202に対して、ドラム定トルク制御モードへの切り替え指示を行い、定トルク制御を開始する(ステップS205)。その際CPU200は、制御器202において、PWM制御器202cに操作量保持器202dが接続されるように操作量切替器202eを切り替えるよう制御する。
これにより、操作量保持器202dに保持された補助トルクTasに応じたデューティ指令がPWM制御器202cへ出力される。従って、補助トルクTasが感光ドラム101に作用するように駆動モータ102が制御される。すると、感光ドラム101とITB121との当接において静止摩擦が支配的となって、感光ドラム101がITB121に対して滑ることなく追従し、適切に従動する。なお、ステップS205の処理は、全ての感光ドラム101について並行してなされるが、補助トルクTasには、各感光ドラム101について各々保持された値が適用されることになる。
作像駆動系が安定状態となると、CPU200は、ステップS206で、紙搬送系の制御を開始し、記録紙を不図示のカセットから給紙させ、所定待機位置まで搬送させるよう制御する。次に、記録紙に転写されたトナー像を定着させるための定着制御(加熱ヒータへの電力制御、および駆動制御)を開始する(ステップS207)。
次に、CPU200は、プリント指示に従った画像データに基づく作像動作制御(レーザ露光、現像、ドラム、ITBなどの各種の制御)を開始する(ステップS208)。一連の画像形成動作が終了した後、CPU200は、補助トルク調整(補助トルク算出処理(図9)を実行すること)が必要であるか否かを判別する(ステップS209)。
CPU200は、例えば、画像形成回数が所定回数を超えた場合や、前回の補助トルク算出処理(図9)から所定時間が経過している場合等に補助トルク調整が必要と判別する。また、ユーザが任意のタイミングで補助トルク調整を要求できるようにしてもよい。なお、本画像形成装置の工場出荷後の最初の使用時には、最初に補助トルク算出処理(図9)が実行されるようにしてもよい。
CPU200は、補助トルク調整が必要と判別した場合は、図9の補助トルク算出処理を実行して感光ドラム101ごとの補助トルクTasを更新する(ステップS210)。その後、CPU200は、動作終了処理を実行して(ステップS211)、図10の処理が終了する。
[副走査同期露光部と表面位置検知部]
プリント動作における表面位置検知の手法について説明しておく。
プリント動作における表面位置検知の手法について説明しておく。
図11は、レーザスキャナ100による感光ドラム101の露光の概念を示す模式図である。図11では、複数の感光ドラム101のうち1つの感光ドラム101に着目して示しているが、他の感光ドラム101についても同様である。図12は、感光ドラム101の表面と表面位置検知部301との位置関係を示す拡大図である。
図11に示すように、感光ドラム101にITB121を介して当接するように一次転写ローラ107が配置され、従動駆動動作部が形成されている。また、表面位置検知部301が感光ドラム101の表面に対向配置される。レーザスキャナ100は、レーザドライバ100a、ASIC100b及び露光装置100cを有する。
各感光ドラム101の表面位置を検知するために、レーザスキャナ100の表面位置検知部301には反射型光電センサが採用される。図12に示すように、各感光ドラム101の表面上に等間隔でマークパターンを予め描いておく。このマークパターンは、感光ドラム101の作像領域以外に形成されている。
反射型光電センサである表面位置検知部301は、入射光の反射を光電センサが検出してマークパターンを検知する原理を利用するものであるため、マークがある箇所と無い箇所とでセンサ出力が切り替わる。適切な電圧に閾値を設けてやることで、その出力波形は矩形波となる。感光ドラム101の表面上の位置を特定するためには、基準とする位置を決め、その位置を基準として矩形波の数をカウントすることで、感光ドラム101上の表面位置を、マークパターンの分解能で定まる精度で検出することができる。
プリント画像を描くための露光信号のタイミングはASIC100bが司っている。表面位置検知部301は、感光ドラム101の表面位置を検知し、その検知結果をASIC100bに出力する。ASIC100bは、画像信号及び表面位置検知部301の検知結果を受けて、レーザドライバ100aにおける露光タイミングを調整する。露光装置100cは、レーザドライバ100aで所定のタイミングで発生したレーザ光Ldを感光ドラム101に照射して静電潜像を形成する。
このように、表面位置検知部301の検知結果に基づいて感光ドラム101の表面位置に同期させて露光制御(副走査同期露光)を行うことによって、ドラム表面位置に合わせた正確な露光を行うことができる。従って、感光ドラム101上に、位置ずれのない静電潜像が形成される。
本実施の形態によれば、CPU200が、ITB121の周速を目標速度PSに速度制御した状態で感光ドラム101の設定周速Vdを複数変化させて負荷トルクTw及び負荷トルクTbを求める。そして、値が隣接する設定周速同士の間で負荷トルクTwと負荷トルクTbとの大小関係が逆転するような2つの設定周速の組(Vd(k)、Vd(k+1))に基づき、周速値Vd0を決定する。これにより、一次転写圧を過大に設定することなく、感光ドラム101とITB121との周速差をなくすような感光ドラム101の周速値Vd0を正確に決定することができる。周速値Vd0を決定できることは、ITB121の目標速度PSに対する感光ドラム101の周速の差(周速差の設定値)を決定できることともいえる。
また、CPU200が、ITB121の周速を目標速度PSで速度制御し且つ、感光ドラム101を周速値Vd0で速度制御しているときに感光ドラム101に作用する負荷トルクを補助トルクTasとして操作量保持器202dに保持させる。そして、CPU200が、ITB121の周速を目標速度PSで速度制御し且つ、補助トルクTasが感光ドラム101に作用するように駆動モータ102を制御することで、感光ドラム101がITB121に適切に従動駆動される。
適切な従動駆動が実現される結果、画像形成プロセス中において感光ドラム101及びITB121の表面速度を一致させることができ、感光ドラムの副走査同期露光の採用と相まって、色ずれ、バンディングといった画像不良を抑制することができる。また、一次転写の転写圧を小さくできるので、感光ドラム101やITB121のモータ駆動負荷を減少させ、トナーの転写性への影響を小さくできることに繋がる。
なお、本実施の形態でトルク差Trqを求めるのに用いた画像パターン(図8(a))は一例であり、これに限定されない。また、白領域R1と黒領域R2に限定されず、濃度が異なる淡・濃2種の帯パターンであってもよい。すなわち、トルク差Trqを求める際には、一次転写される画像の濃度が第1の濃度(白領域R1に相当)である場合と第1の濃度より濃い第2の濃度(黒領域R2に相当)である場合のそれぞれについて負荷トルクを検出すればよい。従って、記録紙1枚用の形成画像に相当する画像パターンであることは必須でなく、トルク差Trqを求める際に、淡画像と濃画像の2枚以上の画像に分けて、それぞれの画像形成時の負荷トルクを検出する構成であってもよい。
なお、感光ドラム101の設定周速Vd(i)や、表面速度差が零となる周速値Vd0については、目標速度PSに対する周速差を設定することを介して求めるようにしてもよい。すなわち、目標速度PSに対する周速差の設定値を複数設定し、各周速差の設定値から複数の設定周速Vd(i)を設定する。さらに、2つの設定周速の組(Vd(k)、Vd(k+1))を求めることに代えて、値が隣接する周速差の設定値同士の間で負荷トルクTwと負荷トルクTbとの大小関係が逆転するような2つの周速差の設定値の組を求める。そして、これら2つの周速差の設定値の組から、表面速度差が零となるような1つの周速差の設定値を求め、この1つの周速差の設定値から周速値Vd0を求めてもよい。
なお、本実施の形態では、複数存在する感光ドラム101がITB121に従動駆動される構成を示したが、従動駆動の関係がこれとは逆の、感光ドラム101が「主」、ITB121が「従」となる構成についても本発明を適用可能である。この構成は、例えば、感光ドラム101の数が1個である電子写真方式の白黒デジタル複写機等に好適である。
この場合、上述した周速値Vd0や補助トルクTasの算出にかかわる構成、及び、検出や設定等の全ての処理については、感光ドラム101に関わるものとITB121に関わるものとを逆にして考えればよい。
この場合の従動駆動について概略すると、従動駆動を行うモードは、感光ドラム101を速度制御し且つ、ITB121を定トルク制御するモードとなる。CPU200が、感光ドラム101の周速を目標速度PSで速度制御し且つ、ITB121用の操作量保持器(操作量保持器202dに対応)に保持させたITB121用の補助トルクTasがITB121に作用するようにITB駆動モータ112を制御する。これにより、ITB121が感光ドラム101により適切に従動駆動される。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
101 感光ドラム
112 中間転写(ITB)駆動モータ
121 中間転写ベルト(ITB)
200 CPU
201、202 制御器
202d 操作量保持器
Tw、Tb 負荷トルク
112 中間転写(ITB)駆動モータ
121 中間転写ベルト(ITB)
200 CPU
201、202 制御器
202d 操作量保持器
Tw、Tb 負荷トルク
Claims (9)
- トナー像を担持して回転することが可能な像担持体と、
前記像担持体に当接して回転し、前記像担持体に担持されたトナー像が転写される中間転写体と、
前記像担持体を回転駆動する第1の駆動手段と、
前記中間転写体を回転駆動する第2の駆動手段と、
設定周速を複数設定する設定手段と、
前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段を制御する制御手段と、
前記中間転写体の周速が目標速度となるように前記制御手段が前記第2の駆動手段を制御している状態で、前記像担持体の周速が前記設定手段により設定された設定周速となるように前記制御手段が前記第1の駆動手段を制御しているときに、前記像担持体に作用する負荷トルクを検出する検出手段とを有し、
前記検出手段は、複数の前記設定周速ごとに且つ、前記像担持体から前記中間転写体に転写される画像の濃度が第1の濃度である場合及び該第1の濃度より濃い第2の濃度である場合について、前記負荷トルクをそれぞれ第1の負荷トルク及び第2の負荷トルクとして検出し、
さらに、前記転写される画像の濃度が前記第1の濃度である場合に前記検出手段により検出された前記第1の負荷トルクと前記転写される画像の濃度が前記第2の濃度である場合に前記検出手段により検出された前記第2の負荷トルクとの大小関係が、値が隣接する設定周速同士の間で逆転するような2つの設定周速の組を把握する把握手段と、
前記把握手段により把握された組における2つの設定周速に基づく1つの値を、前記中間転写体の周速と前記像担持体の周速との差が零となる前記像担持体の周速値として決定する決定手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記検出手段はさらに、前記中間転写体の周速が前記目標速度となるように前記制御手段が前記第2の駆動手段を制御し且つ、前記像担持体の周速が前記決定手段により決定された周速値となるように前記制御手段が前記第1の駆動手段を制御しているときに前記像担持体に作用する第3の負荷トルクを検出し、
さらに、前記検出手段により検出された前記第3の負荷トルクを補助トルクとして保持する保持手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記像担持体がトナー像を担持して回転し、前記像担持体に担持されたトナー像が前記中間転写体に転写される画像形成時における制御モードには、第1の制御モードがあり、
前記第1の制御モードでは、前記制御手段は、前記中間転写体の周速が前記目標速度となるように前記第2の駆動手段を制御し且つ、前記保持手段に保持された前記補助トルクが前記像担持体に作用するように前記第1の駆動手段を制御することで、前記像担持体が前記中間転写体により従動駆動されるようにすることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成時における制御モードにはさらに第2の制御モードがあり、前記第1の制御モードと前記第2の制御モードとは択一的に選択され、
前記第2の制御モードでは、前記制御手段は、前記中間転写体の周速が前記目標速度となるように前記第2の駆動手段を制御し且つ、前記像担持体の周速が前記目標速度となるように前記制御手段が前記第1の駆動手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記決定手段は、前記把握された組の2つの設定周速の間にある値を前記周速値として決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記決定手段は、前記把握された組の2つの設定周速の値と、前記2つの設定周速ごとに検出された前記第1、第2負荷トルクの値とに基づいて前記周速値を決定することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記像担持体は複数存在し、前記検出手段による前記第1、第2負荷トルクの検出、前記把握手段による前記組の把握、及び前記決定手段による前記周速値の決定は、像担持体ごとになされることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記像担持体の表面の位置を検知する検知手段と、前記像担持体の表面に静電潜像を形成する露光手段とを有し、
前記露光手段は、前記検知手段により検知される前記像担持体の表面位置に同期して前記像担持体の表面を露光することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - トナー像を担持して回転することが可能な像担持体と、
前記像担持体に当接して回転し、前記像担持体に担持されたトナー像が転写される中間転写体と、
前記像担持体を回転駆動する第1の駆動手段と、
前記中間転写体を回転駆動する第2の駆動手段と、
設定周速を複数設定する設定手段と、
前記第1の駆動手段及び前記第2の駆動手段を制御する制御手段と、
前記像担持体の周速が目標速度となるように前記制御手段が前記第1の駆動手段を制御している状態で、前記中間転写体の周速が前記設定手段により設定された設定周速となるように前記制御手段が前記第2の駆動手段を制御しているときに、前記中間転写体に作用する負荷トルクを検出する検出手段とを有し、
前記検出手段は、複数の前記設定周速ごとに且つ、前記像担持体から前記中間転写体に転写される画像の濃度が第1の濃度である場合及び該第1の濃度より濃い第2の濃度である場合について、前記負荷トルクをそれぞれ第1の負荷トルク及び第2の負荷トルクとして検出し、
さらに、前記転写される画像の濃度が前記第1の濃度である場合に前記検出手段により検出された前記第1の負荷トルクと前記転写される画像の濃度が前記第2の濃度である場合に前記検出手段により検出された前記第2の負荷トルクとの大小関係が、値が隣接する設定周速同士の間で逆転するような2つの設定周速の組を把握する把握手段と、
前記把握手段により把握された組における2つの設定周速に基づく1つの値を、前記像担持体の周速と前記中間転写体の周速との差が零となる前記中間転写体の周速値として決定する決定手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
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JP (1) | JP2015040999A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9829833B2 (en) | 2015-03-02 | 2017-11-28 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus that sets speeds of driving sources |
JP2019086706A (ja) * | 2017-11-09 | 2019-06-06 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置 |
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2013
- 2013-08-22 JP JP2013172257A patent/JP2015040999A/ja active Pending
Cited By (3)
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US9829833B2 (en) | 2015-03-02 | 2017-11-28 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus that sets speeds of driving sources |
JP2019086706A (ja) * | 2017-11-09 | 2019-06-06 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置 |
JP7035463B2 (ja) | 2017-11-09 | 2022-03-15 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置 |
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