JP2015040235A - 複合成形用水発泡熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、安定した発泡特性とともに極めてアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形性に優れ、耐油性に優れ、かつ柔軟性および成形性に優れる複合成形用水発泡用熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
【解決手段】
(a)メタロセン系触媒を用いて合成されたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム100質量部、
(b)ポリプロピレン系樹脂20〜350質量部、
(c)アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤2〜25質量部、
(h)アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン重合体0.05〜30質量部、および
(d)塩化第一錫換算で0.01〜10質量部に相当する量の下記マスターバッチ、
マスターバッチ:(d−1)ポリプロピレン90〜30質量%および(d−2)塩化第一錫10〜70質量%を含む。ここで(d−1)+(d−2)=100質量%。
を含有することを特徴とするアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形用水発泡用熱可塑性エラストマー組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に関し、特に、発泡倍率、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形性(熱融着性)、押出成形性に優れるアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形用水発泡熱可塑性エラストマー組成物に関する。
近年、ゴム弾性を有する軟質材料であって、加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様な成形加工性及びリサイクル性を有する熱可塑性エラストマーが、自動車部品、家電部品、電線被覆材、医療用部品、履物、雑貨等の分野で多用されている。
熱可塑性エラストマーの中でも、マルチサイト触媒で合成されたエチレン・プロピレン・非共役ジエン(たとえばエチリデンノルボルネンなど)共重合体ゴムとポリプロピレンとパラフィンオイルを含有する成分をフェノール樹脂架橋剤と塩化第一錫触媒を用いて架橋して得たポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、柔軟性に富み、常温で良好なゴム弾性を有し、かつ、これらより得られる熱可塑性エラストマー組成物は加工性に優れており、加硫ゴムの代替品として広く使用されている。
しかし、従来、マルチサイト触媒で合成されたエチレン・プロピレン・非共役ジエン(たとえばエチリデンノルボルネンなど)共重合体ゴムとポリプロピレンとパラフィンオイルを含む組成物を、フェノール樹脂架橋剤と塩化第一錫触媒を用いて架橋し、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを得ようとする場合、塩化第一錫触媒は、そのまま上記各成分と同時に溶融混練されてきたが、そのようにして得たポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、発泡倍率、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形性(熱融着性)、押出成形性において大きな問題を抱えていた。
特表2005−535476号公報
本発明の目的は、発泡倍率、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形性(熱融着性)、押出成形性に優れた、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形用水発泡熱可塑性エラストマー組成物を提供することである。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、
(a)メタロセン系触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム100質量部、
(b)ポリプロピレン系樹脂20〜350質量部、
(c)アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤2〜25質量部、
(h)アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン重合体0.05〜30質量部、および
(d)塩化第一錫換算で0.01〜10質量部に相当する量の下記マスターバッチ、
マスターバッチ:(d−1)ポリプロピレン90〜30質量%および(d−2)塩化第一錫10〜70質量%を含む。ここで(d−1)+(d−2)=100質量%。
および
(i)水系発泡剤0.01〜10質量部、
を含有することを特徴とするアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形用水発泡熱可塑性エラストマー組成物が提供される。
本発明の第2の発明によれば、第1の発明に記載の水発泡用熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体とアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体との複合成形体が提供される。
本発明の第3の発明によれば、成形方法が押出成形であることを特徴とする第2の発明に記載の複合成形体が提供される。
本発明の第4の発明によれば、
(イ)上記成分(d−1)90〜30質量%と、上記成分(d−2)10〜70質量%とを含む組成物を溶融混練してマスターバッチを得る工程;
ここで上記(d−1)と(d−2)との和は100質量%であり;
(ロ)上記成分(a)100質量部と、
上記成分(b)20〜350質量部と、
上記成分(c)2〜25質量部と、
上記成分(h)0.05〜30質量部と、
成分(d−2)換算で0.01〜10質量部に相当する量の上記マスターバッチとを
溶融混練する工程;
(ハ)上記成分(i)を、上記成分(a)100質量部に対して0.01〜10質量部の量で添加する工程;
を含むことを特徴とするアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形用水発泡熱可塑性エラストマー組成物の製造方法が提供される。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、発泡倍率、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形性(熱融着性)、押出成形性に優れるので、自動車の内装材(シート表皮、ピラー、ウエザーストリップ等)や外装材(モール、トリム等)、工業部品(パイプ、チューブ、電線被覆材等)、家具(椅子の座部や肘掛け等)、雑貨(靴、スリッパ等)等の部品や製品の材料として好適に用いることができる。
以下、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の構成成分、熱可塑性エラストマー組成物の製造、熱可塑性エラストマー組成物の用途について詳細に説明する。
1.
熱可塑性エラストマー組成物の構成成分
成分(a): (必須成分)
成分(a)は、メタロセン系触媒を用いて合成されたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムである。
メタロセン系触媒はシングルサイト触媒あるいはセミマルチサイト触媒であり、チーグラー系触媒等のマルチサイト触媒とは区別される。メタロセン系触媒自体は公知であり、チタン、ジルコニウム等の遷移金属のシクロペンタジエニル誘導体と助触媒とからなる高活性の重合触媒である。
上記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムは、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ペンテン等の炭素原子数3〜20のα−オレフィンと非共役ポリエン化合物とを重合してなる共重合体である。
上記非共役ポリエンとしては、非共役ジエンが好ましい。非共役ジエンの例としては、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、1,6−オクタジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、テトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−ノルボルネン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン等を挙げることができる。これらの中で、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形(特に押出成形)における熱融着性の点で、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)が好ましい。
成分(a)の具体例としては、例えば、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合体ゴム等が挙げられる。これらの中では、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形(特に押出成形)における熱融着性の点から、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)が好ましい
メタロセン系触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムは、チーグラー系触媒等のマルチサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムと比較して、分子量分布や組成分布が非常に狭いという特徴を有する。
そのため成分(a)としてメタロセン系触媒を用いて合成されたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを用いることにより、マルチサイト触媒で合成されたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを用いるよりも、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形における熱融着性を大きく向上させることができる。
成分(a)のエチレン含有量の範囲は、40〜80質量%が好ましく、さらに好ましくは40〜75質量%である。上記の範囲では、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形における熱融着性に優れ、非常に好ましい。また、非共役ポリエン含有量は、0.5〜8質量%が好ましく、さらに好ましくは4〜8質量%である。下限未満では、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形における熱融着性が、低下することがある。
また、成分(a)のムーニー粘度ML1+4(125℃)は、10〜180が好ましく、より好ましくは20〜150である。成分(a)のムーニー粘度ML1+4(125℃)が10未満であると熱可塑性エラストマー組成物のアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形における熱融着性に劣ることがある。また圧縮永久歪み特性が低下することがある。上限を超えるとアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形における熱融着性が低下することがある。
成分(a)として使用できる市販品として、例えば、デュポン・ダウ・エラストマージャパン社製のNordel
IP 4760P、4725Pおよび4770R(商品名)が挙げられる。
成分(b): (必須成分)
成分(b)は、ポリプロピレン系樹脂であり、熱可塑性エラストマー組成物の耐油性向上、硬度調節、成形性向上の目的で用いられる。
成分(b)として用いるポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体;プロピレンと他の少量のα−オレフィン、例えばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等との共重合体(ブロック共重合体、ランダム共重合体);などをあげることができる。これらの中で、示差走査熱量計(DSC)により測定した融点(Tm)が150〜167℃のものが好ましい。またメルトマスフローレート(MFR)「ASTM‐D‐1238、L条件、230℃」が0.1〜10g/10分のものが好ましい。
成分(b)の配合量は、成分(a)100質量部に対して、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形における熱融着性の点で20〜350質量部である。好ましくは20〜220質量部である。成分(b)の配合量が前記上限値を超えるとアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形における熱融着性に劣り、押出成形性が低下する。下限未満では、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形における熱融着性に劣り、押出成形性が低下する。
成分(c): (必須成分)
成分(c)はフェノール樹脂系架橋剤である。
好ましいフェノール樹脂架橋剤は、レゾール樹脂と呼ばれ、アルキル置換フェノール又は非置換フェノールの、アルカリ媒体中のアルデヒドとの縮合、好ましくはホルムアルデヒドとの縮合、又は二官能性フェノールジアルコール類の縮合により製造される。アルキル置換されたフェノールのアルキル置換体は典型的に1乃至約10の炭素原子を有する。p−位において1乃至約10の炭素原子を有するアルキル基で置換されたジメチロールフェノール類又はフェノール樹脂が好ましい。それらのフェノール系架橋剤は、典型的には、熱硬化性樹脂であり、フェノール樹脂架橋剤またはフェノール樹脂と呼ばれる。熱可塑性加硫ゴムのフェノール樹脂による架橋の具体的な例としては、米国特許第4,311,628号、米国特許第2,972,600号及び3,287,440号に記載され、これらの技術も本発明で用いることができる。
好ましいフェノール樹脂架橋剤としては、例えば、一般式(I)、
(式中、Qは、−CH−及び−CH−O−CH−から成る群から選ばれる二価基であり、mは0又は1〜20の自然数であり、R’は有機基である)
により定義されるものをあげることができる。
Qは好ましくは、二価基−CH− である。
mは好ましくは0又は1〜10の自然数であり、より好ましくは0又は1〜5の自然数である。
R’の炭素原子数は、好ましくは1〜20の自然数であり、より好ましくは4〜12の自然数である。また上記有機基は、好ましくはアルキル基である。
上記フェノール樹脂の中では、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂およびメチロール化アルキルフェノール樹脂が好ましい。また、末端の水酸基を臭素化した臭化フェノール樹脂、例えば臭素化アルキルフェノール樹脂、も好ましい。特に、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂が好ましい。
上記フェノール系架橋剤の製品(商品名)の例としては、タッキロール201(アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業社製)、タッキロール250−I(臭素化率4%の臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業社製)、タッキロール250−III(臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業社製)、PR−4507(群栄化学工業社製)、Vulkaresat510E(Hoechst社製)、Vulkaresat532E(Hoechst社製)、Vulkaresen E(Hoechst社製)、Vulkaresen 105E(Hoechst社製)、Vulkaresen 130E(Hoechst社製)、Vulkaresol 315E(Hoechst社製)、Amberol ST 137X(Rohm&Haas社製)、スミライトレジンPR−22193(住友デュレズ社製)、Symphorm−C−100(Anchor Chem.社製)、Symphorm−C−1001(Anchor Chem.社製)、タマノル531(荒川化学社製)、Schenectady SP1059(Schenectady Chem.社製)、Schenectady SP1045(Schenectady Chem.社製)、CRR−0803(U.C.C社製)、Schenectady SP1055(Schenectady Chem.社製)、Schenectady SP1056(Schenectady Chem.社製)、CRM−0803(昭和ユニオン合成社製)、Vulkadur A(Bayer社製)が挙げられ、その中でもタッキロール201(アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂)を好ましく使用できる。
成分(c)の配合量は、成分(a)100質量部に対して、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形における熱融着性の点で2〜25質量部である。好ましくは5〜25質量部である。成分(c)の配合量が前記上限値を超えると、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形における熱融着性に劣り、熱可塑性エラストマー組成物の流動性が著しく減少し、製造・押出成形が困難となる。一方、前記下限値未満では、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形における熱融着性に劣り、押出成形性が悪化する。
成分(d):(d−1)ポリプロピレン90〜30質量%および(d−2)塩化第一スズ10〜70質量%を含む((d−1)+(d−2)=100質量%)マスターバッチ(必須成分)
成分(d)は、塩化第一スズおよびポリプロピレンを含むマスターバッチであり、塩化第一スズの含有量とポリプロピレンの含有量との和を100質量%としたとき、塩化第一スズを10〜70質量%含んでいる。上記範囲を外れると、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形性(熱融着性)、押出成形性に劣る。
上記マスターバッチを得る際に用いる塩化第一スズとしては、含水物(SnCl2・nH2O)を用いてもよく、無水物(SnCl2)を用いてもよく制限されない。また粉末、顆粒、フレーク形態などの何れの形態のものを用いてもよい。
本発明の組成物を得る際に用いる塩化第一スズは、上記マスターバッチの形態である必要がある。塩化第一スズを粉末、顆粒、またはフレーク形態ではなく、上記マスターバッチの形態で用いることにより、驚くべきことに、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形性(熱融着性)を大きく向上させることができる。
成分(d)は、本発明の複合成形用水発泡熱可塑性エラストマー組成物において成分(a)100質量部に対して、塩化第一スズが0.01〜10質量部となるように配合することが、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形性(熱融着性)や押出成形性の点で必要である。10質量部をこえると、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形性(熱融着性)や押出成形性に劣る。0.01質量部未満では、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形性(熱融着性)や押出成形性に劣る。好ましくは0.1〜7質量部である。
成分(f):非芳香族系ゴム用軟化剤(任意成分)
成分(f)は任意成分であり、熱可塑性エラストマー組成物の柔軟性付与および成形性改良の目的で用いられる。
非芳香族系ゴム用軟化剤としては、例えば、炭素数4〜155のパラフィン系化合物、好ましくは炭素数4〜50のパラフィン系化合物が挙げられ、具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘントリアコンタン、ドトリアコンタン、ペンタトリアコンタン、ヘキサコンタン、ヘプタコンタン等のn−パラフィン(直鎖状飽和炭化水素)、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、イソペンタン、ネオヘキサン、2,3−ジメチルブタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、3−エチルペンタン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン、3−メチルヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、2,3,4−トリメチルペンタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、イソノナン、2−メチルノナン、イソデカン、イソウンデカン、イソドデカン、イソトリデカン、イソテトラデカン、イソペンタデカン、イソオクタデカン、イソナノデカン、イソエイコサン、4−エチル−5−メチルオクタン等のイソパラフィン(分岐状飽和炭化水素)及び、これらの飽和炭化水素の誘導体等を挙げることができる。これらの非芳香族系ゴム用軟化剤は、混合物で用いられ、室温で液状であるものが好ましい。
室温で液状である非芳香族系ゴム用軟化剤の市販品(商品名)の例としては、日本油脂株式会社製のNAソルベント(イソパラフィン系炭化水素油)、出光興産株式会社製のPW−90(n−パラフィン系プロセスオイル)、出光石油化学株式会社製のIP−ソルベント2835(合成イソパラフィン系炭化水素、99.8wt%以上のイソパラフィン)、三光化学工業株式会社製のネオチオゾール(n−パラフィン系プロセスオイル)等が挙げられる。
また、非芳香族系ゴム用軟化剤には、少量の不飽和炭化水素及びこれらの誘導体が共存していても良い。不飽和炭化水素としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ヘキセン、2,3−ジメチル−2−ブテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のエチレン系炭化水素、アセチレン、メチルアセチレン、1−ブチン、2−ブチン、1−ペンチン、1−ヘキシン、1−オクチン、1−ノニン、1−デシン等のアセチレン系炭化水素を挙げることができる。
成分(f)の配合量は、成分(a)100質量部に対して、480質量部以下が好ましく、より好ましくは260質量部以下である。
(h)アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン重合体(必須成分):
本発明の組成物は、成分(h)アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン(変性ポリテトラフルオロエチレン。以下変性PTFEと略すことがある。)を含む。上記成分(h)は、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレンと、5〜30個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートとの混合物である。該混合物は市販されており、例えば、三菱レイヨン株式会社のメタブレンA−3000(商品名)などをあげることができる。
成分(h)の配合量は、成分(a)100質量部に対して、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との熱融着性の点で0.05〜30質量部である。好ましくは1〜30質量部である。下限未満では、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との熱融着性と押出成形性に劣る。上限をこえると、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との熱融着性と押出成形性に劣る。
(i)水系発泡剤(必須成分):
水系発泡剤としては、水、水蒸気、水を生成する物質、又はそれらの混合物から成る群から選択される。そのなかでも水が発泡性と取り扱い性に優れ好ましい。
成分(i)は、成分(a)、(b)、(c)、(d)、(h)及びその他の任意成分を含有する熱可塑性エラストマー組成物を製造後、添加することが好ましい。
成分(i)の配合量は、成分(a)100質量部に対して、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との熱融着性の点で0.01〜10質量部である。下限未満では、発泡しない。上限をこえると、成形できない。好ましくは0.1〜8質量部である。
その他の成分:
本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、さらに、本発明の目的を損なわない範囲で、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、ブロッキング防止剤、シール性改良剤、ステアリン酸、シリコーンオイル等の離型剤、ポリエチレンワックス等の滑剤、着色剤、顔料、無機充填剤(アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ウォラストナイト、クレー、カーボン等)、難燃剤(水和金属化合物、赤燐、ポリりん酸アンモニウム、アンチモン、シリコーン等)などを配合することができる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−p−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、4,4−ジヒドロキシジフェニル、トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン等のフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。このうちフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤が特に好ましい。
2.塩化第一錫のマスターバッチの製造
本発明の塩化第一錫のマスターバッチは、上記ポリプロピレンと塩化第一錫とを溶融混練することにより製造することができる。溶融混練の方法は、特に制限はなく、通常公知の方法を使用し得る。
3.熱可塑性エラストマー組成物の製造
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、表2、3にあるように上記成分(a)〜(d)、(h)、(i)および必要に応じてその他の成分を同時にあるいは任意の順に加えて溶融混練することにより製造することができる。
成分(i)は、成分(a)、(b)、(c)、(d)、(h)及びその他の任意成分を含有する熱可塑性エラストマー組成物を製造後、添加することが好ましい。
溶融混練の方法は、特に制限はなく、通常公知の方法を使用し得る。例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー又は各種のニーダー等を使用し得る。また適度なL/Dの二軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等を組み合わせて用いることにより、上記操作、即ち、成分(d)マスターバッチの製造、成分(a)、(b)、(c)、(d)、(h)及びその他の任意成分を含有する熱可塑性エラストマー組成物の製造、及び成分(i)水系発泡剤の添加を連続して行うこともできる。ここで、溶融混練の温度は、好ましくは160〜240℃であり、架橋を十分に進行させるためには混練時間を5〜20分とることが好ましい。さらに好ましくは5〜10分である。
4.複合成形体
本発明の複合成形体は、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物層と本発明の水発泡オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物層とから形成されたものである。上記アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、エーイーエス・ジャパン株式会社の完全架橋されたEPDMと、ポリオレフィン系樹脂との組成物である「サントプレーン121−68W228(商品名)」などを用いることができる。
5.複合成形体の製造
本発明の複合成形体の製造方法としては、Tダイラミネート成形法、共押出成形法、ブロー成形法等の各種成形法を用いることができる。
押出成形法により発泡成形体を得る方法を、説明する。先ず、本発明の水発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を一軸スクリュー押出機に導入し、完全に溶融する。次いで、水道水を、圧力下、所定の割合で溶融熱可塑性エラストマーに注入する。続いて溶融物を混合し、圧力下、押出成形を行う。押出されたばかりの発泡成形体は、熱く、壊れやすいため、コンベアーベルトで運搬しながら、発泡成形体を空気と水霧で冷却することが好ましい。こうして得られた発泡成形体を、特定の用途向けに切断又は造形してもよい。
共押出成形法により複合成形体を得る方法を、説明する。2台の押出機を用い、1台の押出機により、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を;もう1台の押出機により、上記と同様にして発泡成形体を;共押出ダイから共押出する。共押出されたばかりの複合成形体は、熱く、壊れやすいため、コンベアーベルトで運搬しながら、複合成形体を空気と水霧で冷却することが好ましい。こうして得られた複合成形体を、特定の用途向けに切断又は造形してもよい。
この様にして得られた本発明の水発泡オレフィン系熱可塑性エラストマー層とアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物層からなる複合成形体は、各種工業部品として使用することができる。具体的には、リサイクルを行なうことも容易であることから、自動車の内装材(シート表皮、ピラー、ウエザーストリップ等)や外装材(モール、トリム等)、工業部品(パイプ、チューブ、電線被覆材等)、家具(椅子の座部や肘掛け等)、雑貨(靴、スリッパ等)等の部品や製品に使用できる工業的に極めて優れたものである
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
1.
評価方法
(1)発泡倍率の測定方法
厚みが2mmのシート用ダイスを用い、ダイス出口樹脂温度220℃の条件で発泡熱可塑性エラストマー組成物の押出成形を行ない、発泡シートを得た。続いて、発泡シートの体積と質量とから、発泡シートの比重(g1)を求めた。次に、発泡剤を含まないこと以外は、上記発泡シートの成形に用いた発泡熱可塑性エラストマー組成物と同じ組成の熱可塑性エラストマー組成物を、上記条件で押出成形して得たシートから、上記と同様にして未発泡シートの比重(g2)を求めた。発泡倍率(h)は、次式により計算した。
h=g2/g1
(2)押出成形性:
40mm押出機を用い、発泡剤以外の成分を溶融混練して得た熱可塑性エラストマー組成物を押出成形する際に水道水を圧入して、幅50mm×厚さ0.5mmのシートをダイス出口樹脂温度200〜220℃で押出成形した。ドローダウンの有無、成形品の表面外観や形状を目視観察し、次の基準で評価した。
○:ドローダウンがなく、成形品表面の鏡面性が良好であり、形状も安定し、ブツの発生もない。
×:ドローダウンがあり、成形品表面において、鏡面性が悪い、模様が発生する、エッジがきれいに出ない、ブツが目立つ、およびメヤニが発生するという不良の少なくとも1を有する。
(3)剥離強度
2台の押出機を用い、1台の押出機により、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物(A層材)を;もう1台の押出機により、発泡剤以外の成分を溶融混練して得た熱可塑性エラストマー組成物を溶融させた後、水道水を圧入したもの(B層材)を;共押出ダイから共押出し、共押出物をコンベアーベルトで運搬しながら空気と水霧で冷却し、複合成形体を得た。上記で得られた複合成形体から幅25mm、長さ100mmの短冊状試験片を打ち抜いた。上記で得られた試験片について、A層とB層を180度方向に引張速度200mm/分で引張試験を行ない、A層/B層の融着界面の剥離強度(kg/25mm)を測定した。
2.
使用原料
成分(a):
(a−1)デュポン・ダウ・エラストマー社のNordel
IP 4760P(商品名);メタロセン系触媒を用いて合成されたエチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴム(EPDM);密度:0.88g/cm;ムーニー粘度ML1+4(125℃):70(ASTM
D−1646);重量平均分子量:210,000;エチレン含有量:67質量%;ENB含有量:4.9質量%;融点5℃
(a−2)デュポン・ダウ・エラストマー社のNordel IP 4520(商品名);メタロセン系触媒を用いて合成されたエチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴム(EPDM);密度:0.86g/cm、ムーニー粘度ML1+4(125℃):20(ASTM D−1646)、重量平均分子量:115,000、エチレン:50質量%、ENB:4.9質量%、融点測定不可能(結晶化度1重量%未満のため)
比較成分(a’):
JSR株式会社のEP57P(商品名);非メタロセン系触媒(チーグラー系触媒)を用いて合成されたエチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴム(EPDM);比重:0.86;ムーニー粘度ML1+4(100℃):88(ASTM D−1646);ヨウ素価:15;MFR:0.4g/10分(230℃、2.16kg荷重);硬度:55(JIS A);エチレン含有量:66質量%;ENB含有量:4.5質量%
成分(b):
日本ポリケム株式会社のNovatec BC08AHA(商品名);ポリプロピレン;密度:0.902g/cm3;硬さ:94(ShoreA);MFR(230℃、21.18N荷重):80dg/分;重量平均分子量:100,000;融点160℃
成分(c):
田岡化学工業株式会社のTackirol201(商品名);アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂:
成分(d):塩化第一スズのマスターバッチ
(MB−1)~(MB−3)、比較(MB−4)、比較(MB−5):
ポリプロピレン(日本ポリエチレン株式会社のNovatec BC08AHA(商品名))と無水塩化第一スズ(昭和化工株式会社製)とを、表1に記載の割合で溶融混練して得た。
比較(d’)
塩化第一スズとして無水塩化第一スズ(昭和化工株式会社製)を、マスターバッチではなく直接用いた。
成分(h)
三菱レイヨン株式会社のメタブレンA3000(商品名);メタクリル酸メチル/メタクリル酸ドデシル/メタクリル酸トリデシル共重合体とポリテトラフルオロエチレンとの混合物。
成分(i)
水道水。
成分(f):(任意成分)
出光興産株式会社のPW−90(商品名);パラフィンオイル。
実施例1〜13、比較例1〜12
表2〜5の何れか1に示す配合比(質量部)で各成分を容量3Lの加圧ニーダータイプのミキサーに投入し、混練温度180〜220℃、混練時間10〜30分で溶融混練をして、ペレット化した。次に、得られたペレットを溶融した状態で上記のように水を混合して押出成形して試験片を作成し、夫々の試験に供した。評価結果を表2〜5の何れか1に示す。
表2及び3より明らかなように、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は良好な特性を有していた(実施例1〜13)。一方、表4及び5に示すように、比較例は発泡倍率、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との熱融着性、押出成形性のいずれかに問題があった。
本発明の複合成形用水発泡用熱可塑性エラストマー組成物は、安定した発泡特性とともに極めてアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形性に優れ、耐油性に優れ、かつ柔軟性および成形性に優れるので、自動車部品、弾性ポリマー系部品等の材料として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. (a)メタロセン系触媒を用いて合成されたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム100質量部、
    (b)ポリプロピレン系樹脂20〜350質量部、
    (c)アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤2〜25質量部、
    (h)アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン重合体0.05〜30質量部、
    (d)塩化第一錫換算で0.01〜10質量部に相当する量の下記マスターバッチ、
    マスターバッチ:(d−1)ポリプロピレン90〜30質量%および(d−2)塩化第一錫10〜70質量%を含む。ここで(d−1)+(d−2)=100質量%。
    および、
    (i)水系発泡剤0.01〜10質量部、
    を含有することを特徴とするアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形用水発泡熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 請求項1に記載の水発泡熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体とアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体との複合成形体。
  3. 成形方法が押出成形であることを特徴とする請求項2に記載の複合成形体。
  4. (イ)上記成分(d−1)90〜30質量%と、上記成分(d−2)10〜70質量%とを含む組成物を溶融混練してマスターバッチを得る工程;
    ここで上記(d−1)と(d−2)との和は100質量%であり;
    (ロ)上記成分(a)100質量部と、
    上記成分(b)20〜350質量部と、
    上記成分(c)2〜25質量部と、
    上記成分(h)0.05〜30質量部と、
    成分(d−2)換算で0.01〜10質量部に相当する量の上記マスターバッチとを、
    溶融混練する工程;
    (ハ)上記成分(i)を、上記成分(a)100質量部に対して0.01〜10質量部の量で添加する工程;
    を含むことを特徴とする
    アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂系架橋剤で架橋された非発泡ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物との複合成形用水発泡熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
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