JP2015038984A - 熱電変換材料及びその製造方法 - Google Patents

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Yasushi Kono
欣 河野
隆志 田口
Takashi Taguchi
隆志 田口
堅剛 岸本
Takatake Kishimoto
堅剛 岸本
小柳 剛
Takeshi Koyanagi
剛 小柳
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Abstract

【課題】耐熱性に優れた熱電変換材料を提供する。
【解決手段】熱電変換材料は、下記組成式(1)で表される組成を有するクラスレート化合物より実質的に構成されている。大気雰囲気にて300℃で100時間の加熱を行った後に測定して得られる熱電変換材料のゼーベック係数Sagingの絶対値が、加熱を行う前のゼーベック係数Sinitialの絶対値に対して90%以上であることが好ましい。
Ba8(Gax,Sny,Gez46 ・・・・・・(1)
(但し、上記組成式(1)において、0<x<1、0≦y<1、0<z<1であり、x+y+z=1を満たす。)
【選択図】図2

Description

本発明は、熱電変換材料及びその製造方法に関する。
熱エネルギーと電気エネルギーとの相互変換を行う熱電変換素子には、種々の熱電変換材料が用いられている。熱電変換材料の性能は、下記数式により算出される無次元性能指数ZTにより表され、ZTの値が大きいほど熱電変換性能が優れていることを示している。
ZT=S2/ρκ
(但し、上記数式におけるS(V/K)はゼーベック係数であり、ρ(Ωm)は電気抵抗率であり、T(K)は温度であり、κ(W/mK)は熱伝導率である。)
熱電変換材料の例として、特許文献1には、Ba8(Gax,Sn1-x46クラスレート化合物を用いた熱電変換材料が開示されている。特許文献1のクラスレート化合物は、無次元性能指数ZTが最大となる温度が比較的低い温度範囲にある。
特開2008−288267号公報
特許文献1の熱電変換材料は、室温〜400℃程度の温度範囲で用いる熱電変換素子への適用が期待されている。しかしながら、上記熱電変換材料を200℃〜400℃の高温大気雰囲気下におくと、酸化分解が起こり、熱電変換性能が著しく低下するという問題がある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、耐熱性に優れた熱電変換材料を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、下記組成式(1)で表される組成を有するクラスレート化合物より実質的に構成されていることを特徴とする熱電変換材料にある。
Ba8(Gax,Sny,Gez46 ・・・・・・(1)
(但し、上記組成式(1)において、0<x<1、0≦y<1、0<z<1であり、x+y+z=1を満たす。)
また、本発明の他の態様は、上記クラスレート化合物の構成元素であるBa、Ga、Sn及びGeを溶融させる溶融工程と、
該溶融工程により得られる溶融液を冷却して凝固させる冷却工程とを含むことを特徴とする熱電変換材料の製造方法にある。
上記熱電変換材料は、実質的に上記クラスレート化合物から構成されている。そして、上記クラスレート化合物は、Ga及びSnからなる籠状構造の一部または全部がGeにより置換されたクラスレート格子と、該クラスレート格子に内包されたドーピング原子としてのBaとから構成されている。上記熱電変換材料は、上述した構造を有することにより、耐熱性に優れたものとなる。
また、上記熱電変換材料は、Geを含有していることにより、Ba8(Gax,Sn1-x46クラスレート化合物に比べて軽量かつ安価なものとなる。
また、上記熱電変換材料の製造方法によれば、上記熱電変換材料を安価かつ容易に製造することができる。
実施例1における、熱電変換材料を焼結する際の温度プロファイルの例を示すグラフ。 実施例1における、クラスレート化合物のType−VIIIの結晶構造の説明図。 実施例1における、試料3の粉末X線回折プロファイル。
上記熱電変換材料に含まれるクラスレート化合物は種々の結晶構造をとり得るが、熱電変換が可能であれば、その結晶構造は特に限定されない。上記クラスレート化合物は、例えばType−VIIIの結晶構造やType−Iの結晶構造をとることができ、いずれの結晶構造であっても熱電変換が可能である。すなわち、上記クラスレート化合物は、Type−VIIIの結晶から構成されていてもよく、Type−Iの結晶から構成されていてもよい。また、Type−VIIIの結晶構造を有するクラスレート化合物とType−Iの結晶構造を有するクラスレート化合物とが熱電変換材料中に混在していてもよい。
上記クラスレート化合物におけるクラスレート格子は、Ga及びGeを必須に含んでいる。また、上記クラスレート格子は、更にSnを含んでいても良い。即ち、Ba8(Gax,Sn1-x46クラスレート化合物におけるSnの全部がGeにより置換された場合には、上記クラスレート化合物は、Ga及びGeのみからなるクラスレート格子を有する。一方、Ba8(Gax,Sn1-x46クラスレート化合物におけるSnの一部がGeにより置換された場合には、上記クラスレート化合物は、Ga、Ge及びSnからなるクラスレート格子を有する。
また、上記熱電変換材料は、熱電変換特性を損なわない範囲で、上記クラスレート化合物以外の成分を含有していてもよい。熱電変換材料に含まれ得る成分としては、例えば、Ba、Ga、SnやGeからなり、クラスレート化合物を形成していない合金成分等が考えられる。
また、上記熱電変換材料は、大気雰囲気にて300℃で100時間の加熱を行った後に測定して得られるゼーベック係数Sagingの絶対値が、上記加熱を行う前のゼーベック係数Sinitialの絶対値に対して90%以上であることが好ましい。このような特性を有する熱電変換材料は、耐熱性により優れたものとなり、高温大気雰囲気下などの過酷な条件においても、酸化分解されにくく、熱電変換性能の低下を抑制することができる。
上記熱電変換材料の導電型はP型であってもよく、N型であってもよい。実質的に上記クラスレート化合物よりなる材料系においては、熱電変換材料の導電型は、構成元素の組成比によって制御することができる。
例えば、熱電変換材料の導電型をP型に制御する場合には、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対するGaの比率を29.1at%以上にすることが好ましい。また、この場合には、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対するSnとGeとの合計の比率を55.1at%以下にすることが好ましい。構成元素の組成を上述した範囲に制御することにより、熱電変換材料は、P型の導電型を呈するとともに、クラスレート化合物の含有比率がより高いものとなりやすい。
また、P型の熱電変換材料においては、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対するGeの比率が2.5at%以上であることが好ましい。この場合には、熱電変換材料の耐熱性をより向上させることができる。
一方、熱電変換材料の導電型をN型に制御する場合には、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対するGaの比率を32.6at%以下にすることが好ましい。また、この場合には、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対するSnとGeとの合計の比率を50.7at%以上にすることが好ましい。構成元素の組成を上述した範囲に制御することにより、熱電変換材料は、N型の導電型を呈するとともに、クラスレート化合物の含有比率がより高いものとなりやすい。
また、N型の熱電変換材料においては、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対するGeの比率が0.2at%以上であることが好ましい。この場合には、熱電変換材料の耐熱性をより向上させることができる。
熱電変換材料の製造方法としては、GaやSn等からなる溶媒(フラックス)中でクラスレート化合物の単結晶を成長させる、いわゆるフラックス法を用いることもできるが、上述したように、Ba、Ga、Sn及びGeの溶融液を凝固させてクラスレート化合物を形成させる方法を用いることが好ましい。この場合には、クラスレート化合物を含む熱電変換材料を容易に製造することができる。また、上述した製造方法は、フラックス法に比べてスケールアップが容易であり、熱電変換材料の生産性をより向上させることができる。
また、上述したように溶融液を凝固させてP型の熱電変換材料を作製する場合には、溶融液中のGaの比率を、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対して32.1at%以上にすることが好ましい。また、この場合には、溶融液中のSnとGeとの合計の比率を、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対して53.6at%以下にすることが好ましい。溶融液の組成を上述したように制御することにより、得られる熱電変換材料がP型の導電型を呈するとともに、クラスレート化合物の含有比率をより高くすることができる。
また、溶融液を凝固させてP型の熱電変換材料を作製する場合には、溶融液中のGeの比率が、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対して10.7at%以上であることが好ましい。この場合には、得られる熱電変換材料の耐熱性をより向上させることができる。
一方、溶融液を凝固させてN型の熱電変換材料を作製する場合には、溶融液中のGaの比率を、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対して25.0at%以下にすることが好ましい。また、この場合には、溶融液中のSnとGeとの合計の比率を、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対して60.7at%以上にすることが好ましい。構成元素の組成を上述したように制御することにより、得られる熱電変換材料がN型の導電型を呈するとともに、クラスレート化合物の含有比率をより高くすることができる。
また、溶融液を凝固させてN型の熱電変換材料を作製する場合には、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対するGeの比率が0.2at%以上であることが好ましい。この場合には、熱電変換材料の耐熱性をより向上させることができる。
(実施例1)
上記熱電変換材料及びその製造方法の実施例について、以下に説明する。本例においては、上記組成式(1)で表される組成を有するクラスレート化合物より実質的に構成されているP型熱電変換材料(試料1〜試料12、表1参照)を作製した。なお、表1に示す試料5は、Geを含む試料との比較のために作製した、Geを含まないクラスレート化合物Ba8(Ga18,Sn28)より構成されている熱電変換材料の例である。
各試料の作製は、以下の手順により行った。出発原料としてBa(純度99質量%以上)、Ga(純度99質量%以上)、Sn(純度99質量%以上)及びGe(純度99質量%以上)を用い、表1に示す仕込比率(at%)に従って各成分を秤量し、混合した。なお、出発原料の秤量及び混合はN2雰囲気下にて行った。
その後、アーク溶解炉を用いて得られた混合物を溶解させる溶融工程と、溶融工程により得られた溶融液を冷却して凝固させる冷却工程とをこの順で行い、インゴットを得た。
次に、乳鉢を用いて得られたインゴットを粉砕し、粒径が200μm以下の粉末状にした。これにより得られた粉末状の熱電変換材料をカーボン型に充填した後、放電プラズマ焼結装置(住友石炭鉱業株式会社製)を用いてカーボン型ごと加熱し、直方体状を呈する焼結体を作製した。なお、粉末状の熱電変換材料の加熱は、図1に示す温度プロファイルに従って行い、加熱中に熱電変換材料に加える圧力は410kgf/cm2とした。
上述した加熱が完了した後、装置内において焼結体を自然に冷却し、温度が50℃以下の状態でカーボン型から焼結体を取り出した。次いで、焼結体に含まれる不純物(クラスレート化合物以外の合金成分等)の除去や焼結時の歪の除去等のために、取り出した焼結体をAr雰囲気下において300℃で50時間加熱するアニール処理を行った。以上により、表1に示す試料(試料1〜試料12)を得た。
次に、得られた各試料について、結晶構造の評価及び組成の評価を行い、各試料が実質的に上記クラスレート化合物より構成されていることを確認した。以下に結晶構造及び組成の評価方法を説明する。
<結晶構造の評価>
メノウ乳鉢を用いて試料を再度粉砕し、得られた粉末の粉末X線回折測定を行った。その結果、いずれの試料についても、主相がType−VIIIの結晶構造を有するクラスレート化合物1(図2参照)であることが確認できた。なお、図2における符号11はBa原子を示し、符号12はクラスレート格子を構成するGa原子、Sn原子及びGe原子のうちいずれかの原子を示している。
クラスレート化合物を含む熱電変換材料の粉末X線回折プロファイルの一例として、図3に試料3の粉末X線回折プロファイルを示す。なお、図3の縦軸は回折されたX線の回折強度(相対強度)であり、横軸はθ−2θ光学系における2θ(°)の値である。また、図3中、矢印を付して示したピークは、Type−VIIIの結晶構造に由来する回折ピークである。
<組成の評価>
試料を研磨した後、EPMA(電子線マイクロアナライザ(日本電子株式会社製、製品名「JXA−8500F」))を用いて研磨面の組成を評価した。その結果、得られた組成比(at%)を表1に示す。表1より知られるように、試料1〜試料4及び試料12については、研磨面からGeが検出された。これは、クラスレート化合物のクラスレート格子内にGeが組み込まれているためと考えられる。なお、いずれの試料においても、仕込比率に比べて試料の組成比のほうが、Geの割合が低くなっている。これは、試料の作製過程において、Geが不純物として除去されたりすることが原因と考えられる。
<ゼーベック係数Sの測定>
次に、熱電特性評価装置(アルバック理工株式会社製、製品名「ZEM−2」)を用いて各試料のゼーベック係数S(V/K)の測定を以下の手順により行った。
まず、試料のカット及び研磨を行い、その後のゼーベック係数Sinitialの値を測定した。その後、Sinitialの値を測定した試料を大気雰囲気下において300℃で100時間加熱する熱処理を施し、熱処理後のゼーベック係数Sagingの値を測定した。表2に各試料のSinitialの値、Sagingの値及びSinitialの値に対するSagingの値の比を示す。
表2より知られるように、上記組成式(1)で表される組成を有するクラスレート化合物より実質的に構成されている試料1〜試料4及び試料12は、上記熱処理を行った後にゼーベック係数Sagingを測定することができた。一方、Geを含まない試料5は、上記熱処理を行った後、直方体状の試料形状が維持できず、ゼーベック係数Sagingを測定することができなかった。
また、表1及び表2より知られるように、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対するGeの比率が2.5at%以上である試料2〜試料4及び試料12は、Sinitialの絶対値に対するSagingの絶対値の比が90%以上であった。このように、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対するGeの比率を2.5at%以上とすることにより、P型熱電変換材料の耐熱性をより向上させることができた。
試料6は、表2より知られるように、上記熱処理を行った後にゼーベック係数Sagingを測定することができなかった。試料6についてはEPMAによる組成比の評価を行っていないが、表1に示す仕込比率によれば、試料6に含まれるGeの比率は試料1と同等以下になっていると推測できる。試料6のゼーベック係数Sagingが測定できなかった原因としては、クラスレート格子内にGeが組み込まれず、耐熱性向上の効果が得られなかった可能性が考えられる。
試料7〜試料11は、表2より知られるように、Sinitialの絶対値に対するSagingの絶対値の比が90%以上であった。試料7〜試料11は、試料6と同様にEPMAによる試料断面の組成比の評価を行っていないが、試料2よりも仕込比率におけるGeの割合が大きいことから、試料に含まれるGeの比率が2.5at%以上になっていると推測できる。従って、これらの試料については、クラスレート格子内にGeが組み込まれたために耐熱性が向上したと考えられる。
(実施例2)
本例は、上記組成式(1)で表される組成を有するクラスレート化合物より実質的に構成されているN型熱電変換材料(試料21〜試料35、表3参照)の例である。なお、表3に示す試料27は、Geを含む試料との比較のために作製した、Geを含まないクラスレート化合物Ba8(Ga14,Sn34)より構成されている熱電変換材料の例である。試料21〜試料35の作製方法及びゼーベック係数Sの測定方法等は、実施例1と同様の方法により行った。また、図には示さないが、粉末X線回折測定を行ったところ、試料21〜35は、いずれもType−VIIIの結晶構造を有していた。
EPMAを用いて得られた試料断面の組成比(at%)を表3に示す。表3より知られるように、組成比の評価を行った試料(試料21、23、26、28及び35)は、いずれも研磨面からGeが検出された。これは、クラスレート化合物のクラスレート格子内にGeが組み込まれているためと考えられる。
次に、ゼーベック係数Sの測定結果を表4に示す。表4より知られるように、上記組成式(1)で表される組成を有するクラスレート化合物より実質的に構成されている試料21、23、28及び35は、上記熱処理を行った後にゼーベック係数Sagingを測定することができた。一方、Geを含まない試料27は、上記熱処理を行った後、直方体状の試料形状が維持できず、ゼーベック係数Sagingを測定することができなかった。
また、表3及び表4より知られるように、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対するGeの比率が0.2at%以上である試料21、23、28及び35は、Sinitialの絶対値に対するSagingの絶対値の比が90%以上であった。このように、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対するGeの比率を0.2at%以上とすることにより、N型熱電変換材料の耐熱性をより向上させることができた。
試料26は、ゼーベック係数Sの測定を行っていないが、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対するGeの比率が0.2at%以上である。それ故、試料26における、Sinitialの絶対値に対するSagingの絶対値の比が90%以上になると推測できる。
試料29〜試料34は、ゼーベック係数Sの測定において、Sinitialの絶対値に対するSagingの絶対値の比が90%以上であった。試料29〜34についてはEPMAによる組成比の評価を行っていないが、試料28よりも仕込比率におけるGeの割合が大きいことから、試料に含まれるGeの比率が0.2at%以上になっていると推測できる。従って、これらの試料については、クラスレート格子内にGeが組み込まれために耐熱性が向上したと考えられる。
なお、試料22、24及び25については、組成比の評価及びゼーベック係数Sの測定のいずれも実施していないが、上述と同様に、試料に含まれるGeの比率が0.2at%以上になっており、耐熱性向上の効果が得られていると推測できる。
Figure 2015038984
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Figure 2015038984
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Claims (14)

  1. 下記組成式(1)で表される組成を有するクラスレート化合物より実質的に構成されていることを特徴とする熱電変換材料。
    Ba8(Gax,Sny,Gez46 ・・・・・・(1)
    (但し、上記組成式(1)において、0<x<1、0≦y<1、0<z<1であり、x+y+z=1を満たす。)
  2. 大気雰囲気にて300℃で100時間の加熱を行った後に測定して得られる上記熱電変換材料のゼーベック係数Sagingの絶対値が、上記加熱を行う前のゼーベック係数Sinitialの絶対値に対して90%以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換材料。
  3. Ba、Ga、Sn、Geの合計に対するGeの比率が2.5at%以上であり、導電型がP型であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱電変換材料。
  4. Ba、Ga、Sn、Geの合計を100at%としたときに、Ba;14.7〜16.1at%、Ga;29.1〜33.1at%を含み、SnとGeとの合計が50.8〜56.2at%であることを特徴とする請求項3に記載の熱電変換材料。
  5. Ba、Ga、Sn、Geの合計を100at%としたときに、SnとGeとの合計が55.1at%以下であることを特徴とする請求項4に記載の熱電変換材料。
  6. Ba、Ga、Sn、Geの合計に対するGeの比率が0.2at%以上であり、導電型がN型であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱電変換材料。
  7. Ba、Ga、Sn、Geの合計を100at%としたときに、Ba;13.8〜16.7at%、Ga;26.5〜32.6at%を含み、SnとGeとの合計が50.7〜59.7at%であることを特徴とする請求項6に記載の熱電変換材料。
  8. Ba、Ga、Sn、Geの合計を100at%としたときに、SnとGeとの合計が58.7at%以下であることを特徴とする請求項7に記載の熱電変換材料。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱電変換材料の製造方法であって、
    上記クラスレート化合物の構成元素であるBa、Ga、Sn及びGeを溶融させる溶融工程と、
    該溶融工程により得られる溶融液を冷却して凝固させる冷却工程とを含むことを特徴とする熱電変換材料の製造方法。
  10. 上記溶融液中のGeの比率が、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対して10.7at%以上であり、得られる熱電変換材料の導電型がP型を呈することを特徴とする請求項9に記載の熱電変換材料の製造方法。
  11. 上記溶融液は、Ba、Ga、Sn、Geの合計を100at%としたときに、Ba;13.1〜15.7at%、Ga;32.1〜37.7at%を含み、SnとGeとの合計が46.6〜54.8at%であることを特徴とする請求項10に記載の熱電変換材料の製造方法。
  12. 上記溶融液は、Ba、Ga、Sn、Geの合計を100at%としたときに、SnとGeとの合計が49.0〜53.6at%であることを特徴とする請求項11に記載の熱電変換材料。
  13. 上記溶融液中のGeの比率が、Ba、Ga、Sn、Geの合計に対して0.2at%以上であり、得られる熱電変換材料の導電型がN型を呈することを特徴とする、請求項9に記載の熱電変換材料の製造方法。
  14. 上記溶融液は、Ba、Ga、Sn、Geの合計を100at%としたときに、Ba;13.8〜14.3at%、Ga;24.1〜25.0at%を含み、SnとGeとの合計が60.7〜62.1at%であることを特徴とする請求項13に記載の熱電変換材料の製造方法。
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