JP2016225419A - タイプ2クラスレート化合物及び該化合物よりなる熱電変換素子 - Google Patents

タイプ2クラスレート化合物及び該化合物よりなる熱電変換素子 Download PDF

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堅剛 岸本
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Abstract

【課題】高い融点と無次元性能指数を有するスズを主成分とするタイプ2クラスレート化合物及びそのタイプ2クラスレート化合物よりなる熱電変換素子を提供する。【解決手段】組成式(1)で表されるタイプ2クラスレート化合物。Kx1Bax2□24-x1-x2GayGezSn136-y-z(1)ただし、□は原子の欠損を表し、0<x1<24、0<x2<24、16≦x1+x2≦24、0<y、−2≦x1+2×x2−y≦3、0<z≦46、かつ、38<y+z<88である。【選択図】図3

Description

この発明は、タイプ2クラスレート化合物及び該化合物よりなる熱電変換素子に関するものである。
ゼーベック効果を利用した熱電変換素子は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することを可能とする。その性質を利用し、産業・民生用プロセスや移動体から排出される排熱を有効な電力に変換することができるため、環境問題に配慮した省エネルギー技術として注目されている。
ゼーベック効果を利用した熱電変換素子に用いられる熱電変換材料の無次元性能指数ZTは、下記式(A)で表すことができる。
ZT=S2σT/κ (A)
ここで、S、σ、T及びκは、それぞれゼーベック係数、電気伝導率、絶対温度及び熱伝導率を表す。
この無次元性能指数ZTが高いほど、熱電変換素子による熱エネルギーから電気エネルギーへの変換効率は高くなる。例えば、無次元性能指数が1の場合、低温側を室温とし温度差を300K与えたときの変換効率は約10%となる。
そして、熱電変換材料の研究分野では、この無次元性能指数を1以上とすることが、実用化の目安とされている。
上記式(A)から明らかなように、熱電変換素子の性能を向上させるためには、素子に用いられる材料のゼーベック係数の2乗と電気伝導率の積を大きくすること、及び熱伝導率を小さくすることが重要である。
高い無次元性能指数を示す熱電変換材料として、クラスレート化合物が知られている。
クラスレート化合物の基本構造は、シリコン、ゲルマニウム、スズなどの4族元素から構成されるカゴ格子の中にカリウムなどの1族元素やバリウムなどの2族元素が内包されたものである。
そして、カゴ格子を構成する4族元素の一部は、電荷補償のためにガリウムなどの3族元素で置換されている。
熱電変換材料としての代表的な化学組成例はBa8Ga16Ge30(例えば、非特許文献1)であり、従来用いられていたビスマステルルや鉛テルル等の熱電変換材料と違い、重元素を含まず安全な元素で構成できるので、環境に配慮した素子を提供できる利点がある。
カゴ格子を有するクラスレート化合物にはカゴの形や数が複数種あり、その結晶構造の違いによりいくつかのタイプに分類される。そのうち、比較的高い無次元性能指数を有するものとしてこれまでに報告されているのは、タイプ1クラスレート化合物(例えば、非特許文献2)やタイプ2クラスレート化合物(例えば、非特許文献3)、タイプ8クラスレート化合物(例えば、非特許文献4)などである。
ところで、熱電変換素子を使用する場合、適用する排熱の温度を考慮する必要性があるが、熱電変換に利用できる排熱の多くは、その温度域が室温から500℃程度までの比較的低温である。
一般に、クラスレート化合物では、その無次元性能指数が高くなる温度域は、その主成分である4族元素の種類に依存し、ゲルマニウムやシリコンに比べて、化合物の融点が低いスズを主成分とするものが、比較的低温で無次元性能指数が高くなる傾向がある。
したがって、熱電変換に利用できる排熱の温度域を考慮した場合、スズを主成分とするクラスレート化合物が熱電変換に有利である。
スズを主成分とするクラスレート化合物に関して、非特許文献3によれば、タイプ2クラスレート化合物の無次元性能指数は0.93、タイプ8クラスレート化合物のそれは0.83であり、非特許文献5によれば、タイプ1クラスレート化合物のそれは0.27である。
この中で、タイプ2クラスレート化合物は、前述したように、実用化の目安である1程度の無次元性能指数を有する。
したがって、このスズを主成分とするタイプ2クラスレート化合物は熱電変換素子にとって好適な材料である。
実際に熱電変換材料を用いて熱電変換素子を構成し、素子両端に温度差を与えて発電する場合、温度差が大きいほど、すなわち、高温側温度が高いほど、変換効率は高くなる。
しかし、温度を過剰に上げると、素子自体が溶融や劣化により破損してしまうため、無制限に高温側温度を上げることは不可能である。
そのため、実際の発電では、高温側温度は熱電変換材料の融点よりもいくらか低く抑えられる。
熱電変換素子にとって好適な材料であるスズを主成分とするタイプ2クラスレート化合物の融点は、非特許文献3によれば586℃であるため、それを用いた熱電変換素子の高温側温度は450℃程度以下に抑えられる。
もし、このようなスズを主成分とするタイプ2クラスレート化合物の融点を上昇させ、より高い温度域での使用が可能となれば、変換効率の向上が期待される。
ところで、非特許文献6によれば、スズを主成分とするタイプ8クラスレート化合物では、その構成元素である4族元素のSnを同族のGeで置換することにより、化合物の融点が上昇する。
図5は、非特許文献6のFigure 1に示されているグラフを転載したものであり、Ge置換量yを変化させたタイプ8クラスレート化合物Ba8Ga16Sn30-yGeyに対する熱流束の測定結果を示す。
図中800〜900K付近に下向きのピークがあるが、これは吸熱を表す。
この吸熱は化合物の溶解に伴うものであり、そのピークの生じる温度が融点となる。
そして、このグラフから見て取れるように、Ge置換量yが多いほど、融点が高くなっている。
また、表1は、非特許文献6のTable 1に示されている表を転載したものであり、Ge置換量yを変化させたタイプ8クラスレート化合物Ba8Ga16Sn30-yGeyの試料のリストである。
この表に融点は記載されていないが、代わりに試料を作製する際の焼結温度Tsが記載されている。一般に、焼結温度は、融点よりも20〜80K程度低いところ、Ge置換量yが多いほど焼結温度Tは高くなっている。
すなわち、Ge置換量が多いほどクラスレート化合物の融点は高くなるものと推定される。
スズを主成分とするタイプ8クラスレート化合物におけるGe置換量の融点に与える影響からみて、スズを主成分とするタイプ2クラスレート化合物においても、その構成元素であるSnの一部を同族のGeで置換することができれば、融点が上昇し変換効率が向上する可能性がある。
Journal of Applied Physics vol.87、pp.7871−7875(2000) Applied Physics Letters vol.92、pp.222110/1−222110/3(2008) Journal of Applied Physics vol.116、pp.023710/1−023710/9(2014) Journal of Alloys and Compounds vol.507、pp.1−5(2010) Dalton Transactions vol.39、pp.1113−1117(2010) Journal of Physics D:Applied Physics vol.45、pp.445306/1−445306/8(2012)
熱電変換素子にとって好適な材料であるスズを主成分とするタイプ2クラスレート化合物を用いた熱電変換素子の高温側温度は450℃程度以下に抑える必要があるため、変換効率を向上させることが困難であった。
この発明は、無次元性能指数が大きく、450℃を超える高い温度域でも使用できるスズを主成分とするタイプ2クラスレート化合物及び同化合物よりなる熱電変換素子の提供を目的とし、スズを主成分とするタイプ2クラスレート化合物のSnの一部をGeで置換することで融点が上昇し変換効率の向上する可能性有りという着想に基づいて、同化合物の化学組成の調整を行い完成させたものである。
請求項1に係る発明は、下記組成式(1)で表されるタイプ2クラスレート化合物である。
x1Bax224-x1-x2GayGezSn136-y-z (1)
ただし、□は原子の欠損を表し、0<x1<24、0<x2<24、16≦x1+x2≦24、0<y、−2≦x1+2×x2−y≦3、0<z≦46、かつ、38<y+z<88である。
請求項2に係る発明は、下記組成式(2)で表されるタイプ2クラスレート化合物である。
x1Bax224-x1-x2AlyyGay-yyGezSn136-y-z (2)
ただし、□は原子の欠損を表し、0<x1<24、0<x2<24、16≦x1+x2≦24、0<y、−2≦x1+2×x2−y≦3、0<yy、yy<y、0<z≦46、かつ、38<y+z<88である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のタイプ2クラスレート化合物において、
−0.3≦x1+2×x2−y≦2、かつ、46<y+z<56であることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のタイプ2クラスレート化合物よりなる熱電変換素子である。
請求項1又は請求項1を引用する請求項3に係る発明によれば、無次元性能指数が大きく、450℃を超える高い温度域での使用に耐える、熱電変換素子に好適なスズを主成分とするタイプ2クラスレート化合物を提供することができる。
請求項2又は請求項2を引用する請求項3に係る発明によれば、請求項1又は請求項1を引用する請求項3に係る発明による効果に加え、Gaを同族の3族元素であるAlで置換しており、Gaよりも安価なAlを用いることができるので、材料コストの低減が可能という利点があり、また、GaよりもAlの方が軽量なので、化合物自体及び熱電変換素子の軽量化が可能という利点もある。
請求項4に係る発明の熱電変換素子によれば、請求項1ないし3のいずれかに係る発明のタイプ2クラスレート化合物が、無次元性能指数が大きく、450℃を超える高い温度域での使用に耐えるので、排熱を利用した熱電変換の変換効率を向上させることができる。
6種類の焼結体試料粉末に対してX線回折測定を行った結果を示すグラフ。 焼結体試料粉末AL1Rに対してX線回折測定を行った結果を示すグラフ。 4種類の焼結体試料粉末に対して熱流束測定を行った結果を示すグラフ。 6種類のタイプ2クラスレート化合物について無次元性能指数ZTの温度依存性を示すグラフ。 Ge置換量yを変化させたタイプ8クラスレート化合物Ba8Ga16Sn30-yGeyに対する熱流束の測定結果を示すグラフ。
以下、本発明のタイプ2クラスレート化合物について詳細に説明する。
本発明のタイプ2クラスレート化合物は、下記組成式(1)で表される。
x1Bax224-x1-x2GayGezSn136-y-z (1)
ただし、□は原子の欠損を表し、0<x1<24、0<x2<24、16≦x1+x2≦24、0<y、−2≦x1+2×x2−y≦3、0<z≦46、かつ、38<y+z<88である。
本発明のタイプ2クラスレート化合物は、その構成元素であるSnの一部をGeで置換することにより融点を上げ、より高い温度域でも使用できるようにしたものである。
本発明において、組成式(1)には原子欠損を有する化合物も含まれる。クラスレート化合物の場合、原子欠損を有する合成例がある。実際に、このタイプ2クラスレート化合物においても、非特許文献7に記載されているBa168Ga32Sn104や非特許文献8に記載されているK1Ba158Ga31Sn105やK4Ba128Ga27Sn109、K13Ba38Ga19Sn117などが存在する。
Zeitschrift fur Kristallographie−New Crystal Structure vol.213、p.664(1998) Acta Crystallographica Section C vol.69、pp.319−323(2013)
ただし、原子欠損の数が多すぎると、その中に原子を内包していないカゴ格子の数が増えるため、構造が不安定になり目的の化合物を得ることが困難になる。
そして、このタイプ2クラスレート化合物の場合は、単位格子あたり8個を越える原子欠損は許されない。
そのため、16≦x1+x2≦24の範囲指定が課される。
また、組成式(1)に示されるx1、x2及びyについては、−2≦x1+2×x2−y≦3であることが必要であるが、この範囲外となった場合、キャリア密度がその最適値から大きく外れて好ましくない。その理由は以下のとおりである。
このクラスレート化合物では、カゴ格子に内包されるカリウムとバリウムから単位格子あたり、それぞれ1個と2個の電子が供給され、一方で、カゴ格子上のガリウムから1個の正孔が供給される。
そして、単位格子あたりのキャリア数を通常用いられるキャリア密度の表現で述べると、x1+2×x2−y=1は約2×1020/cm3のキャリア密度に相当する。
したがって、制約条件−2 ≦x1+2×x2−y≦ 3から外れたx1、x2及びyを有する化合物は、計算上では、約4×1020/cm3以上のキャリア密度を有することになる。
キャリア密度が大きすぎると、クラスレート化合物は金属的な振る舞いを示し、そうなると、ゼーベック係数が格段に小さくなり、式(A)で与えられる無次元性能指数ZTの値が小さくなる。その結果、熱電変換材料としては適さなくなる。
本発明のタイプ2クラスレート化合物を実際に熱電変換素子として利用する場合には、焼結体または多結晶体での形態が想定される。単結晶体の形態は、その作製の困難さや生産コストの面で現実的ではない。
ただし、焼結体や多結晶体の形態は、単結晶体に比べると材料自体の均一性が下がり、その結果、その原子欠損の数を含めた化学組成の定量を厳密に調整することは困難である。
したがって、単結晶体であれば、化学組成などの範囲をより制限できる可能性があるが、本発明では焼結体や多結晶体の形態を想定しているので、その制限は緩くせざるを得ない。
そして、請求項1及び2における−2≦x1+2×x2−y≦3の範囲は、これまでの経験や様々な実験データを元に決定したものであり、請求項3における−0.3≦x1+2×x2−y≦2の範囲は、これまでの経験及び後述する実施例で得られた焼結体試料による実験データを元に決定したものである。
本発明のタイプ2クラスレート化合物を合成するにあたっては、Snの一部をGeで置換するために、仕込組成においてSnの一部をGeで置き換えた。前述の非特許文献6に記載された、タイプ8クラスレート化合物に対するGe置換の方法を参考にした。
具体的には、4族元素のSnとGeの量を変化させて、仕込組成をK8Ba16Ga40Sn96-zGezとすることにより、出来上がりの焼結体の化学組成の調整を行った。
また、Gaの一部または全部をAlで置換した下記組成式(2)で表されるタイプ2クラスレート化合物についても、組成式(1)で表されるタイプ2クラスレート化合物と同様に、より高い温度域にて使用できる。
x1Bax224-x1-x2AlyyGay-yyGezSn136-y-z (2)
ただし、□は原子の欠損を表し、0<x1<24、0<x2<24、16≦x1+x2≦24、0<y、−2≦x1+2×x2−y≦3、0<yy、yy<y、0<z≦46、かつ、38<y+z<88である。
組成式(2)で表されるタイプ2クラスレート化合物では、Gaを同族の3族元素であるAlで置換しており、Gaよりも安価なAlを用いることができるので、材料コストの低減が可能という利点がある。
また、GaよりもAlの方が軽量なので、化合物自体及び熱電変換素子の軽量化が可能という利点もある。
特に、熱電変換素子の適用先として自動車などの移動体からの排熱回収を想定した場合、その素子自体は軽量な方が、移動体のエネルギー損失が少ないので有利である。
以下、本発明のタイプ2クラスレート化合物について、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<タイプ2クラスレート化合物の焼結体試料の作製>
原材料として、K(純度99%)、Ba(純度99.9%)、Al(純度99.999%)、Ga(純度99.9999%)、Ge(純度99.9999%)及びSn(純度99.999%)を、仕込組成Kx1’Bax2AlyyGay-yyGezSn136-y-zとなるように秤量した。
そして、各材料はそれぞれ次の量とし、1回の作業当たりの全体量としては20グラム強とした。
Kの量x1’は、作製途中での蒸発や酸化による抜けを考慮して10%多めにし、7.5≦x1’≦8.8の範囲で変化させた。
Baの量x2は、15.5≦x2≦17.1の範囲で変化させた。
Alの量yyは、0、19.7又は18.4とした。
Gaの量y−yyは、Alの量yy=0において38.2≦y≦40.5の範囲で変化させ、Alの量yy=19.7において19.6(y=39.3)とし、Alの量yy=18.4において20.4(y=38.8)とした。
Geの量zは、Alの量yy=0において1.5≦y≦40.5の範囲で変化させ、Alの量yy=19.7において19.6とし、Alの量yy=18.4において20.4とした。
なお、Snの量は136−y−zであり、52.0から96.3の範囲とした。
このように秤量した上で、次のような手順によってタイプ2クラスレート化合物の焼結体試料を得た。
(1)Ba、Al、Ga、Ge及びSnをアルゴン雰囲気下においてアーク溶解させて溶解混合させる。
(2)Ba、Al、Ga、Ge及びSnを溶解混合させたものをメノウ乳鉢にて粉砕する。
(3)その粉砕物をKとともに、離型剤として窒化ホウ素(オーデック、BNリリーズ)の膜を塗布したタンタル製のるつぼに入れる。
(4)そのるつぼをステンレス製の容器の中に入れ、アルゴン雰囲気中にて容器開口部を溶接し密封する。
(5)るつぼを密封したステンレス製の容器を、電気炉にて950℃の温度で3時間保持するとともに、途中で撹拌のために5〜6回程度容器を揺らす。
(6)その後、電気炉内で530〜620℃の温度にて120時間保持する。
なお、Ge置換量が多いほど、温度を高くする。
(7)以上の工程により、ほぼ単相のタイプ2クラスレート化合物のインゴットが得られ、得られたインゴットを、グローブボックス中で窒素雰囲気下において粉砕機(大阪ケミカル、ワンダーブレンダーWB−1)で粒径が106μm未満となるように粉砕して微粒子を得る。
(8)その微粒子を放電プラズマ焼結装置(住友石炭鉱業、SPS−510)により、温度520〜630℃ 、保持時間40〜60分、焼結圧力40MPaの条件で焼結する。
なお、1回あたりの焼結には、微粒子を約7グラム使用し、焼結にはカーボン製のダイとパンチを使用した。得られた焼結体の形状は、直径20mm、厚さ3mm程度の円板状であった。
(9)得られた焼結体をステンレス製の容器の中で、アルゴン雰囲気中に密封し、それを電気炉にて、460℃の温度で168時間保持する。
以上の手順で得られた焼結体試料のリストを表2に示す。
そして、以下ではこのようにして作製したタイプ2クラスレート化合物に対して行った各種の測定結果や分析結果について詳細に説明する。
<かさ密度の測定>
得られた焼結体試料に対して、室温において、アルキメデス法によりかさ密度ρを計測した。液体には、エタノールを用いた。
表2から、AlでGaを置換した試料体のかさ密度は、無置換試料のそれよりも小さいことが分かる。
<化学組成分析>
得られた焼結体試料表面の研磨面に対して、電子プローブマイクロアナライザーEPMA(HORIBA、EMAX−7000)を用いて組成分析を行った。
結果を表2に示し、表中にはx1+2×x2−yの値も記入した。
表2から分かるように、全ての試料体において、本発明の制約条件−2≦x1+2×x2−y≦3を満たしている。
<X線回折測定>
得られた焼結体試料の一部を粉砕して、粉末X線回折測定を行った。その一部の結果を図1に示す。図中最下部及び最上部の回折パターンは、それぞれタイプ2及びタイプ1クラスレート化合物のシミュレーション結果である。
図1より、試料「27」、「9S」、「2」、「1」及び「4」の回折パターンに存在するピークは、タイプ2クラスレート化合物のシミュレーション結果のピークと似ている。
また、Ge置換量が多くなるにつれて、ピークの位置が高角度側に移動しているが、これは化合物の格子定数の減少を反映しており、化合物の格子定数が小さくなると、ピーク位置の角度は高角度側に移動する。Geの原子半径はSnのそれよりも小さいため、Ge置換量が多くなるとクラスレート化合物の格子定数は小さくなるのである。
以上より、実施例の化合物は、全てタイプ2クラスレート化合物であることが分かる。
さらに、図2に示したGaの一部をAlで置換した試料「AL1R」についても同様であり、この試料もタイプ2クラスレート化合物であることが分かる。
ところで、図1に回折パターンを示した試料「5R」と「6S」は、それぞれ、Geの仕込組成zを48及び60として作製したものであるが、これらの試料には、タイプ1クラスレート化合物が多く含まれ、タイプ2クラスレート化合物ではないことが分かる。
したがって、タイプ2クラスレート化合物が得られる化学組成は、Ge置換量zが46以下であると考えられる。
<熱流束測定による融点の決定>
得られた焼結体試料のいくつかに対して、その一部を切り出し、示差走査熱量計(リガク、DSC8230)を用いて熱流束測定を行った。
測定に用いた試料の重さは50〜100mg程度とし、測定条件としては、雰囲気:0.2リットル/minのアルゴンガスフロー中、昇温スピード:10K/min、基準試料:アルミナ粉末、測定温度:800Kから950Kとした。
そして、「27」、「9S」、「AL1R」、「4」及び「従来技術の材料」(表2における文献値の従来材料)について測定した結果のグラフを図3に示す。
熱流束測定のグラフにおいて下向きのピークが現れる部分は、上述のとおり吸熱を表すが、図3では各化合物の溶解に伴うピークが850〜930Kに存在し、各ピーク位置の温度は、次のとおり各化合物の融点を示している。
Ge置換されていない文献値の従来材料:859K(586℃)
Snの一部をGe置換した試料「27」:866K(593℃)
Snの一部をGe置換した試料「9S」:878K(605℃)
Snの一部をGe置換した試料「4」:928K(655℃)
さらにGaの一部をAlで置換した試料「AL1R」:911K(638℃)
これらの結果から見て、試料「27」、「9S」、「4」及び「AL1R」は、いずれも従来材料よりも融点が高くなっており、また、「9S」の融点が「27」の融点より高く、「4」の融点が「9S」の融点より高いことから、Ge置換量が多いほど融点は高くなることが分かる。
<ゼーベック係数及び電気伝導率の測定>
得られた焼結体試料から厚さ1〜2mm、幅2〜3mm、長さ15〜20mm程度の直方体状の棒片を切り出し、その棒片試料に対して、室温から500℃程度の温度領域にて、ゼーベック係数と電気伝導率を測定した。
ゼーベック係数の測定は、特開2007−51345号公報に記載されている方法と類似の方法によった。
すなわち、まず、棒片試料に二つの熱電対を約10mmの間隔を開けるようにして接着した。熱電対の接着には、銀ペースト(徳力本店、導電性ペースト(シルベスト)P−255)を用いた。
次に、棒片試料の片側をヒーターにより選択的に加熱することにより、長さ方向に温度差を生じさせ、二つの熱電対の温度差ΔTが10K程度になるように保持した。
そして、二つの熱電対が接着された箇所の間の電圧(熱起電力V)を測定し、得られたV及びΔTを用いてV/ΔTよりゼーベック係数Sを算出した。
一方、電気伝導率σは、直流4端子法により測定した。
<熱伝導率の測定>
得られた焼結体試料から厚さ2〜3mm、直径8〜10mm程度の円板状の試料片を切り出した。それに対して、熱定数測定装置(真空理工、TC−7000)を用いてレーザーフラッシュ法により熱拡散率αを計測した。測定は、真空中にて室温から500℃程度の温度範囲で行った。
熱伝導率κは、かさ密度ρ、比熱容量Cおよび熱拡散率αの積として、κ=ρCαの式で与えられる。
比熱容量Cは、Dulong−Petit則に基づく推定値を利用した。その推定値を出す際の化学組成としては、表2の測定値を用いた。
例えば、試料名「9」の化学組成はK7.7Ba16.3Ga40.3Ge7.7Sn88.0であるから、その比熱容量は0.244J/(g・K)となる。
なお、熱伝導率の計算においては、かさ密度ρおよび比熱容量Cの温度依存性は考慮しなかった。
<無次元性能指数の算出>
式(A)により、無次元性能指数ZTを算出した。以下に式(A)を再掲する。
ZT=S2σT/κ (A)
ここで、S、σ、T及びκは、それぞれゼーベック係数、電気伝導率、絶対温度及び熱伝導率を表す。
そして、各焼結体試料について無次元性能指数ZTの温度依存性を図4に示す。また、ZTの最大値を、そのときの温度(TZMAX)とともに表2に記載した。
このようにして得られた結果から、本発明のカリウム、バリウム、ガリウム、ゲルマニウム及びスズから構成されるタイプ2クラスレート化合物が高い無次元性能指数をもつことが分かる。
さらに、700K付近では、従来材料よりも高い無次元性能指数を有するGe置換した試料体も存在することが分かる。
これまでの経験や様々な実験データ、上述したx1+2×x2−yの値とキャリア密度との関係についての理論及び上記実施例によって作製された各焼結体試料の測定結果や分析結果を考察すると、以下のことがいえる。
(a)下記組成式(1)又は(2)で表されるタイプ2クラスレート化合物では、38<y+z<88(48<136−y−z<98)である場合、すなわち、スズの組成量が48超98未満の場合である場合に、650Kを超える温度で高い無次元性能指数ZTを示し、46<y+z<56(80<136−y−z<90)である場合、すなわち、スズの組成量が80超90未満の場合である場合に、650Kを超える温度で従来材料よりも高い無次元性能指数ZTを示す可能性がある。
さらに、表2の結果からみて、46<y+z<56の場合、高い無次元性能指数ZTを得るには、3<z<20であると良く、5<z<10であるとより良い。
x1Bax224-x1-x2GayGezSn136-y-z (1)
(ただし、□は原子の欠損を表し、0<x1<24、0<x2<24、16≦x1+x2≦24、0<y、−2≦x1+2×x2−y≦3、0<z≦46である。)
x1Bax224-x1-x2AlyyGay-yyGezSn136-y-z (2)
(ただし、□は原子の欠損を表し、0<x1<24、0<x2<24、16≦x1+x2≦24、0<y、−2≦x1+2×x2−y≦3、0<yy、yy<y、0<z≦46である。)
(b)下記組成式(1)又は(2)で表されるタイプ2クラスレート化合物では、zが大きいほど、すなわちGe置換量が多いほど融点が高くなり、TZMAXも高くなる。
ただし、yを固定しzを大きくすると無次元性能指数ZTが下がるので、融点の上昇と無次元性能指数ZTの低下を両方考慮して組成量を決める必要がある。
x1Bax224-x1-x2GayGezSn136-y-z (1)
(ただし、□は原子の欠損を表し、0<x1<24、0<x2<24、16≦x1+x2≦24、0<y、−2≦x1+2×x2−y≦3、0<z≦46、かつ、38<y+z<88である。)
x1Bax224-x1-x2AlyyGay-yyGezSn136-y-z (2)
(ただし、□は原子の欠損を表し、0<x1<24、0<x2<24、16≦x1+x2≦24、0<y、−2≦x1+2×x2−y≦3、0<yy、yy<y、0<z≦46、かつ、38<y+z<88である。)
27 化学組成K7.2Ba16.8Ga38.2Ge1.5Sn96.3の焼結体試料
9S 化学組成K6.9Ba17.1Ga40.3Ge7.3Sn88.4の焼結体試料
9R 化学組成K7.0Ba17.0Ga40.5Ge7.5Sn88.0の焼結体試料
9 化学組成K7.7Ba16.3Ga40.3Ge7.7Sn88.0の焼結体試料
2 化学組成K7.4Ba16.6Ga39.4Ge15.0Sn81.5の焼結体試料
2R 化学組成K7.7Ba16.3Ga39.8Ge15.0Sn81.2の焼結体試料
1R 化学組成K7.8Ba16.2Ga39.5Ge28.4Sn68.1の焼結体試料
1 化学組成K7.7Ba16.3Ga39.8Ge30.4Sn65.8の焼結体試料
4S 化学組成K8.2Ba15.8Ga39.3Ge43.1Sn53.6の焼結体試料
4 化学組成K7.9Ba16.1Ga39.6Ge44.4Sn52.0の焼結体試料
AL1 化学組成K8.5Ba15.5Al19.7Ga19.6Ge28.1Sn68.6の焼結体試料
AL1R 化学組成K8.0Ba16.0Al18.4Ga20.4Ge29.2Sn68.0の焼結体試料
ZMAX 無次元性能指数(ZT)が最大になるときの温度

Claims (4)

  1. 下記組成式(1)で表されるタイプ2クラスレート化合物。
    x1Bax224-x1-x2GayGezSn136-y-z (1)
    ただし、□は原子の欠損を表し、0<x1<24、0<x2<24、16≦x1+x2≦24、0<y、−2≦x1+2×x2−y≦3、0<z≦46、かつ、38<y+z<88である。
  2. 下記組成式(2)で表されるタイプ2クラスレート化合物。
    x1Bax224-x1-x2AlyyGay-yyGezSn136-y-z (2)
    ただし、□は原子の欠損を表し、0<x1<24、0<x2<24、16≦x1+x2≦24、0<y、−2≦x1+2×x2−y≦3、0<yy、yy<y、0<z≦46、かつ、38<y+z<88である。
  3. −0.3≦x1+2×x2−y≦2、かつ、46<y+z<56であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載のタイプ2クラスレート化合物。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のタイプ2クラスレート化合物よりなる熱電変換素子。
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