JP2015038058A - 香り付き防虫剤、香り付き防虫器、及び香り付き防虫剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂を含む担体に、常温で揮散性を有するピレスロイド系防虫成分と、250〜400℃の範囲に沸点を有する香料成分とを担持させ、220〜500℃の範囲に沸点を有するパラフィン系炭化水素を含む。
【選択図】なし
Description
樹脂を含む担体に、常温で揮散性を有するピレスロイド系防虫成分と、250〜400℃の範囲に沸点を有する香料成分とを担持させた香り付き防虫剤であって、
ラウリン酸ヘキシルを含むことにある。
220〜500℃の範囲に沸点を有するパラフィン系炭化水素を含むことが好ましい。
前記香料成分の沸点と前記パラフィン系炭化水素の沸点との差が50℃以下となるように、前記香料成分及び前記パラフィン系炭化水素が選択されることが好ましい。
前記ピレスロイド系防虫成分は、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、及びエムペントリンからなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
前記香料成分は、ガラクソリド、ムスクケトン、ヘキシルシンナミックアルデヒド、エチレンブラシレート、メチルアトラレート、ヘキシルサリシレート、トリシクロデセニルアセテート、オレンジャークリスタル、アンブロキサン、キャシュメラン、カロン、ヘリオトロピン、インドールアロマ、インドール、メチルセドリルケトン、メチルβ−ナフチルケトン、メチルジヒドロジャスモネート、ローズフェノン、7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7−テトラメチルナフタレン、α−イオノン、β−イオノン、ジフェニルオキシド、ダマセノン、フェニルアセティックアシッド、ダマスコンα、ダマスコンβ、及びダマスコンδからなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
前記樹脂を含む担体は、ネット状の編物で構成されることが好ましい。
通気性を有する容器に、上記何れかの香り付き防虫剤を収容したことにある。
樹脂を含む担体に、常温で揮散性を有するピレスロイド系防虫成分と、250〜400℃の範囲に沸点を有する香料成分とを担持させる担持工程を包含する香り付き防虫剤の製造方法であって、
前記担持工程において、ラウリン酸ヘキシルを使用することにある。
前記担持工程において、220〜500℃の範囲に沸点を有するパラフィン系炭化水素を使用することが好ましい。
前記担持工程において、グリコールエーテル系化合物を使用することが好ましい。
また、本発明に係る香り付き防虫剤には、220〜500℃の範囲に沸点を有するパラフィン系炭化水素、酸部分の炭素数とアルコール部分の炭素数との合計が12〜20である脂肪族カルボン酸エステル化合物の一つであるラウリン酸ヘキシル、及び/又はグリコールエーテル系化合物が含まれているため、ピレスロイド系防虫成分及び香料成分を担体に担持させるにあたり、ピレスロイド系防虫成分及び香料成分を満遍なく分散させることができる。そのため、担体の部位によってピレスロイド系防虫成分及び香料成分の揮散状態にばらつきが生じることがなく、担体全体からピレスロイド系防虫成分及び香料成分を略均等に揮散させることができる。また、担体からのピレスロイド系防虫成分及び香料成分の揮散状態のコントロール性も良好なものとなる。その結果、処理空間に効果的にピレスロイド系防虫成分及び香料成分を十分且つ適切に行き渡らせることが可能となる。担体としてネット状の編物を使用すれば、ピレスロイド系防虫成分及び香料成分の揮散状態を良好なものとすることができる。ここで、220〜500℃の範囲に沸点を有するパラフィン系炭化水素を含む場合、香料成分の沸点とパラフィン系炭化水素の沸点との差が50℃以下であるため、香料成分の揮散量を適切に調整しながら、長期間に亘って揮散させることができ、所望の期間に亘り芳香が持続する。また、香料成分とパラフィン系炭化水素、酸部分の炭素数とアルコール部分の炭素数との合計が12〜20である脂肪族カルボン酸エステル化合物の一つであるラウリン酸ヘキシル、及び/又はグリコールエーテル系化合物とを共存させることにより、香料成分は担体に担持されても成分分解等が生じず、香料成分の安定性が向上する。そのため、香料成分の芳香効果の安定性が確保され、理想の期間に亘って香料成分を揮散し、芳香を持続させることができる。
さらに、上記のようにピレスロイド系防虫成分によって防虫効果が得られる期間と、香料成分によって芳香効果が得られる期間とが連動しているため、使用者は香り付き防虫剤の使用開始と同時に香料成分の芳香を感知し、香り付き防虫剤の使用実感を得ることができる。そして、使用者が芳香を感知することができなくなると、香り付き防虫剤が寿命に近づいたことが容易に認識できるので、防虫剤の使用を終了したり、新たな商品に交換する目安となる。
一方、芳香には一般に人をリラックスさせる効果があり、本発明の香り付き防虫剤を構成する香料成分においても、同様の効果を期待できる。そのため、防虫剤でありながら、芳香によるリラックス効果も使用者に与えることができる。
本発明に係る香り付き防虫器、及び香り付き防虫剤の製造方法についても、上記と同様の優れた作用効果を奏する。
本発明の香り付き防虫剤は、(A)常温で揮散性を有するピレスロイド系防虫成分と、(B)250〜400℃の範囲に沸点を有する香料成分とを樹脂を含む担体に担持させて構成される。また、本発明の香り付き防虫剤は、上記(A)及び(B)の成分に加えて、(C1)220〜500℃の範囲に沸点を有するパラフィン系炭化水素、(C2)酸部分の炭素数とアルコール部分の炭素数との合計が12〜20である脂肪族カルボン酸エステル化合物、及び/又は(C3)グリコールエーテル系化合物を含めることもできる。以下、各成分について説明する。
ピレスロイド系防虫成分は、常温で揮散性を有するものが使用される。ここで、「常温で揮散性を有する」とは、25℃において、0.001Pa以上の蒸気圧を示すことを意味し、揮散量として0.005mg/hr以上であれば、常温で揮散性を有するとみなすことができる。そのようなピレスロイド系防虫成分として、例えば、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、及びエムペントリン等が挙げられる。これらのピレスロイド系防虫成分は、単独で使用可能であるが、二種以上の混合物の形態で使用しても構わない。また、これらのピレスロイド系防虫成分には、不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体や幾何異性体が存在するが、それらを単独又は任意の混合物として使用することも可能である。ちなみに、ピレスロイド系防虫成分の沸点は、大気圧下で300〜400℃程度である。
香料成分は、250〜400℃の範囲に沸点を有するものが使用される。沸点は、大気圧下での沸点を意味する。香料成分は、後述のように、樹脂を含む担体に担持した状態で使用される。香料成分の沸点が250℃より低い場合、担体に担持した香料成分が揮散し易いため、香料成分による芳香効果が長期間持続し難い。また、香り付き防虫剤の使用初期に香料成分が大量に揮散するため、いわゆる「香り立ち」が一気に発生し、却って使用者に不快感を与えてしまう虞がある。香料成分の沸点が400℃より高い場合、香料成分が揮散し難くなるため、処理空間に対して十分な芳香を付与できない虞がある。香料成分の沸点が250〜400℃の範囲にあれば、芳香効果の持続性に優れ、且つ香り立ちが適度な状態となるため、理想的な香り付き防虫剤とすることができる。
CH3−COO−R1 ・・・ (1)
(式中、R1は炭素数が6〜12のアルコール残基を示す。)で表される酢酸エステル化合物;及び/又は
一般式(2)
R2−CH2−COO−CH2−CH=CH2 ・・・ (2)
(式中、R2は炭素数が4〜7のアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、又はフェノキシ基を示す。)で表されるアリルエステル化合物から選ばれる1種又は2種以上の香料成分と、
(b)モノテルペン系アルコール又は炭素数が10の芳香族アルコールから選ばれる1種又は2種以上の香料成分とを含有する。
さらに、飛翔害虫忌避成分の揮散後の忌避効果持続成分として、20℃における蒸気圧が0.2〜20Paのグリコール及び/又はグリコールエーテルの1種又は2種以上を配合することができる。忌避効果持続成分は、飛翔害虫忌避香料に対してだけでなく、香料成分に対しても少なからず持続作用の向上に寄与し得るものである。
ピレスロイド系防虫成分及び香料成分を担体に担持させるにあたり、本発明では、220〜500℃の範囲に沸点を有するパラフィン系炭化水素を併用することが好ましい。パラフィン系炭化水素とは、炭化水素化合物の一種であり、原油に含まれる有機化合物である。パラフィン系炭化水素を分留等によって精製したり、粘度の調整等を行うことにより、種々のパラフィン系炭化水素が生成される。本発明の香り付き防虫剤においては、ピレスロイド系防虫成分及び香料成分を担体に担持させるため、流動性を有するように調製されたパラフィン系炭化水素(流動パラフィン)が採用される。上記の沸点範囲を有するパラフィン系炭化水素を用いると、担体にピレスロイド系防虫成分及び香料成分を満遍なく分散させることができる。そのため、担体の部位によってピレスロイド系防虫成分及び香料成分の揮散状態にばらつきが生じることがなく、担体全体からピレスロイド系防虫成分及び香料成分を略均等に揮散させることができる。また、担体からのピレスロイド系防虫成分及び香料成分の揮散状態のコントロール性も良好なものとなる。その結果、処理空間にピレスロイド系防虫成分及び香料成分を十分且つ適切に行き渡らせることができる。また、ピレスロイド系防虫成分によって防虫効果が得られる期間と、香料成分によって芳香効果が得られる期間とを連動させることが容易となり、ピレスロイド系防虫成分の効果が発揮されている期間全体に亘って、処理空間に芳香を付与することができる。さらに、香料成分とパラフィン系炭化水素とを共存させることにより、香料成分は担体に担持されても成分分解等が生じず、香料成分の安定性が向上する。そのため、香料成分の芳香効果の安定性が確保され、理想の期間に亘って香料成分を揮散し、芳香を持続させることができる。ここで、パラフィン系炭化水素の沸点が220℃より低い場合、パラフィン系炭化水素がピレスロイド系防虫成分及び香料成分よりも先に揮散してしまうため、担体におけるピレスロイド系防虫成分及び香料成分の分散状態に偏りが生じ、使用期間中の均等な揮散が困難となる。一方、パラフィン系炭化水素の沸点が500℃より高い場合、パラフィン系炭化水素の粘性が大きいため、取り扱いが難しく、担体へのピレスロイド系防虫成分及び香料成分の担持が困難になる。さらに、香料成分の沸点とパラフィン系炭化水素の沸点との差が50℃以下となるように、香料成分及びパラフィン系炭化水素を選択すると、香料成分の揮散量を適切に調整しながら長期間に亘って揮散させることができ、所望の期間に亘り芳香が持続するようになる。香料成分の沸点とパラフィン系炭化水素の沸点との差が50℃を超える香料成分及びパラフィン系炭化水素を選択した場合、香料成分の揮散量の調整が難しくなる傾向がある。
ピレスロイド系防虫成分及び香料成分を担体に担持させるにあたり、本発明では、酸部分の炭素数とアルコール部分の炭素数との合計が12〜20である脂肪族カルボン酸エステル化合物を併用することが好ましい。酸部分の炭素数とアルコール部分の炭素数との合計が12〜20である脂肪族カルボン酸エステル化合物の効能は、パラフィン系炭化水素と同様である。
ピレスロイド系防虫成分及び香料成分を担体に担持させるにあたり、本発明では、グリコールエーテル系化合物を併用することが好ましい。グリコールエーテル系化合物の効能は、パラフィン系炭化水素と同様である。なお、グリコールエーテル系化合物は、上述した忌避効果持続成分として添加する各種グルコールエーテルと兼用するものであっても構わない。
防虫剤を使用するにあたり、使用者に使用実感を与えるためには、香料成分が適度に処理空間に揮散するような状態で担体に担持されている必要がある。また、ピレスロイド系防虫成分についても、防虫効果が効果的に発揮されるように担体に担持されている必要がある。そこで、本発明では、ピレスロイド系防虫成分及び香料成分を担持させる担体として、揮散量の調整を行い易い樹脂を含む担体を採用している。担体に使用される樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹脂、又はこれらにカルボン酸エステル等の単量体を重合させて成形したポリオレフィン系共重合体であってもよい。ここで、カルボン酸エステル等の単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、及び酢酸ビニル等が挙げられる。樹脂を含む担体は、あらかじめカルボン酸エステル単量体を多く含有するポリオレフィン系共重合体とオレフィンの単独重合体とを含有比率を調整して混合したポリマーブレンドであっても構わない。また、調製した樹脂を含む担体にスチレン系熱可塑性エラストマー等の他の高分子化合物を含有させても構わない。樹脂を含む担体へのピレスロイド系防虫成分及び香料成分の担持は、例えば、ピレスロイド系防虫成分及び香料成分を練り込んだ樹脂を押出成形又は射出成形する方法、ピレスロイド系防虫成分又は香料成分を夫々練り込んだマスターバッチから担体を成形する方法、ピレスロイド系防虫成分及び香料成分を樹脂とともに溶媒に溶解させ、得られた溶液を乾燥させて成形する方法、含浸や吹き付けによって、ピレスロイド系防虫成分及び香料成分を担体の表面又は表面近傍に付着させる方法等が挙げられる。なお、担体の表面又は表面近傍にピレスロイド系防虫成分及び香料成分を付着させた場合、担体の内部に練り込んだものよりもピレスロイド系防虫成分及び香料成分が揮散し易くなる傾向があるが、パラフィン系炭化水素を併用することで、ピレスロイド系防虫成分及び香料成分の揮散状態をある程度コントロールすることができる。
本発明の香り付き防虫剤は、上記各成分の他に、各種添加剤を含有することができる。例えば、防黴剤(2−フェニルフェノール(OPP)、4−イソプロピル−3−メチルフェノール(IPMP)、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、イソプロピルメチルフェノール等)、抗菌剤(ヒノキチオール、オイゲノール、アリルイソチオシアネート等)、芳香剤(リモネン、α−ピネン、フェニルエチルアルコール、アミルシンナミックアルデヒド、ベンジルアセテート等)、除菌成分、BHT等の安定化剤、pH調整剤、着色剤、炭化水素系化合物(ヘキサン、パラフィン等)、紫外線吸収阻害剤(パラアミノ安息香酸類、桂皮酸類、サリチル酸類、ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類等)、各種石油系溶剤等を適宜含有することができる。また、「緑の香り」と呼ばれる青葉アルコールや青葉アルデヒド等の香料を適宜含有することもできる。
本発明の香り付き防虫剤は、適切な容器に収容した状態で使用される。香り付き防虫剤を収容する容器として、形状や大きさは特に限定されないが、ピレスロイド系防虫成分及び香料成分の揮散を長期に亘って持続させる必要があるため、通気性が良好な容器であることが好ましい。この場合、香り付き防虫剤をそのままの状態で、又は通気性袋に封入した状態で通気性容器に収容する。通気性容器には、ピレスロイド系防虫成分及び香料成分が通過可能な通気孔を複数形成しておく。通気性容器は、例えば、熱可塑性樹脂の熱成形より作製される。熱成形を行う際、通気性容器は一体物として成形され得るが、予め複数のパーツを成形し、これらを組み合わせて通気性容器とすることも可能である。通気性容器には、クローゼットのハンガーパイプ等に掛けるためのフックを同時に形成しておくことも可能である。通気性容器の成形法としては、熱板圧空成形、射出成形、ブロー成形、モールド成形、インサート成形等が挙げられる。成形に使用する熱可塑性樹脂としては、ポリエステル(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリ乳酸(PL)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリカーボネート(PC)などが挙げられる。
本発明の香り付き防虫剤の製造方法について説明する。まず、対象とする飛翔害虫や使用環境等に応じて、上記のピレスロイド系防虫成分、及び250〜400℃の範囲に沸点を有する香料成分、並びに、必要に応じてその他の有効成分を適宜配合して薬剤を調製する。調製した薬剤に220〜500℃の範囲に沸点を有するパラフィン系炭化水素を混合し、パラフィン系炭化水素を含む薬剤を、樹脂を含む担体に担持させる(担持工程)。担持工程においてパラフィン系炭化水素を用いることにより、ピレスロイド系防虫成分と香料成分とを担体に満遍なく分散させることができる。パラフィン系炭化水素については、樹脂を含む担体にあらかじめ担持又は塗布しておき、この状態でさらに薬剤を担持させても構わない。
ネット状の担体(サイズ:9cm×14cm、重量:2.8g、撚り合わせ数:40本、ネットの目開き:10%)に、防虫成分[トランスフルトリン(沸点;340℃)]600mg、香料成分[エチレンブラシレート(沸点;332℃)、及びヘキシルシンナミックアルデヒド(沸点;305℃)を含む]350mg、並びにパラフィン系炭化水素[三光化学工業株式会社製の流動パラフィン「55−S」(50%留分の沸点;341℃)]200mgから構成される薬剤を担持させ、実施例1の香り付き防虫剤を得た。
実施例1と同様のネット状の担体に、防虫成分[トランスフルトリン]600mg、香料成分[ムスクケトン(沸点;395℃)、及びヘキシルシンナミックアルデヒドを含む]350mg、並びにラウリン酸ヘキシル(沸点;337℃)200mgから構成される薬剤を担持させ、実施例2の香り付き防虫剤を得た。
ネット状の担体(サイズ:9cm×14cm、重量:2.4g、撚り合わせ数:40本、ネットの目開き:32%)に、防虫成分[トランスフルトリン]500mg、香料成分[ヘキシルシンナミックアルデヒド、メチルアトラレート(沸点;361℃)]350mg、並びにパラフィン系炭化水素[三光化学工業株式会社製の流動パラフィン「40−S」(50%留分の沸点;291℃)]200mgから構成される薬剤を担持させ、実施例3の香り付き防虫剤を得た。
実施例3と同様のネット状の担体に、防虫成分[トランスフルトリン]500mg、香料成分[ヘキシルシンナミックアルデヒド、ガラクソリド(沸点;326℃)]350mg、並びにミリスチン酸ヘキシル(沸点;362℃)200mgから構成される薬剤を担持させ、実施例4の香り付き防虫剤を得た。
実施例3と同様のネット状の担体に、防虫成分[トランスフルトリン]500mg、香料成分[ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート(沸点;290℃)]350mg、並びにジプロピレングリコールモノブチルエーテル(沸点;230℃)200mgから構成される薬剤を担持させ、実施例5の香り付き防虫剤を得た。
実施例3と同様のネット状の担体に、防虫成分[トランスフルトリン]500mg、香料成分[ヘキシルシンナミックアルデヒド、メチルジヒドロジャスモネート(沸点;309℃)]350mg、並びにセバシン酸ジブチル(沸点;344℃)200mgから構成される薬剤を担持させ、実施例6の香り付き防虫剤を得た。
実施例3と同様のネット状の担体に、防虫成分[トランスフルトリン]500mg、香料成分[ヘキシルシンナミックアルデヒド、メチルβ−ナフチルケトン(沸点;301℃)]350mg、並びにフタル酸ジブチル(沸点;340℃)200mgから構成される薬剤を担持させ、実施例7の香り付き防虫剤を得た。
ネット状の担体(サイズ:9cm×14cm、重量:2.4g、撚り合わせ数:40本、ネットの目開き:25%)に、防虫成分[トランスフルトリン]500mg、香料成分[α−イオノン(沸点;259〜263℃)、β−イオノン(沸点;267℃)]350mg、並びにラウリン酸ヘキシル200mgから構成される薬剤を担持させ、実施例8の香り付き防虫剤を得た。
実施例8と同様のネット状の担体に、防虫成分[トランスフルトリン]500mg、香料成分[ジフェニルオキシド(沸点;257℃)]350mg、並びにラウリン酸ヘキシル200mgから構成される薬剤を担持させ、実施例9の香り付き防虫剤を得た。
実施例8と同様のネット状の担体に、防虫成分[トランスフルトリン]500mg、香料成分[ダマスコンα(沸点;259℃)、ダマスコンβ(沸点;270℃)、及びダマスコンδ(沸点;263℃)]350mg、並びにラウリン酸ヘキシル200mgから構成される薬剤を担持させ、実施例10の香り付き防虫剤を得た。
実施例8と同様のネット状の担体に、防虫成分[トランスフルトリン]500mg、香料成分[ダマセノン(沸点;274℃)、フェニルアセティックアシッド(沸点;265℃)、ローズフェノン(沸点;282℃)]350mg、並びにラウリン酸ヘキシル200mgから構成される薬剤を担持させ、実施例11の香り付き防虫剤を得た。
ネット状の担体(サイズ:9cm×14cm、重量:1.9g、撚り合わせ数:28本、ネットの目開き:40%)に、防虫成分[メトフルトリン(沸点;336℃)]250mg、香料成分[テトラヒドロミルセノール(沸点;199℃)、酢酸ベンジル(沸点;215℃)]350mg、並びにパラフィン系炭化水素[三光化学工業株式会社製の流動パラフィン「40−S」]200mgから構成される薬剤を担持させ、比較例1の香り付き防虫剤を得た。
ネット状の担体(サイズ:9cm×14cm、重量:2.2g、撚り合わせ数:40本、ネットの目開き:40%)に、防虫成分[メトフルトリン]280mg、香料成分[ヘキセノール(沸点;156℃)、酢酸リナリル(沸点;220℃)]350mg、並びにパラフィン系炭化水素[三光化学工業株式会社製の流動パラフィン「150−S」(50%留分の沸点;414℃)]350mgから構成される薬剤を担持させ、比較例2の香り付き防虫剤を得た。
ネット状の担体(サイズ:9cm×14cm、重量:2.5g、撚り合わせ数:42本、ネットの目開き:28%)に、防虫成分[トランスフルトリン]350mg、香料成分[dl−α−トコフェロール(沸点;468℃)]350mg、並びにパラフィン系炭化水素[三光化学工業株式会社製の流動パラフィン「150−S」]250mgから構成される薬剤を担持させ、比較例3の香り付き防虫剤を得た。
比較例3と同様のネット状の担体に、防虫成分[トランスフルトリン]350mg、香料成分[dl−α−トコフェロール]350mg、並びにドデカン酸プロピル(沸点;291℃)250mgから構成される薬剤を担持させ、比較例4の香り付き防虫剤を得た。
Claims (11)
- 樹脂を含む担体に、常温で揮散性を有するピレスロイド系防虫成分と、250〜400℃の範囲に沸点を有する香料成分とを担持させた香り付き防虫剤であって、
ラウリン酸ヘキシルを含む香り付き防虫剤。 - 220〜500℃の範囲に沸点を有するパラフィン系炭化水素を含む請求項1に記載の香り付き防虫剤。
- 前記香料成分の沸点と前記パラフィン系炭化水素の沸点との差が50℃以下となるように、前記香料成分及び前記パラフィン系炭化水素が選択される請求項2に記載の香り付き防虫剤。
- グリコールエーテル系化合物を含む請求項1〜3の何れか一項に記載の香り付き防虫剤。
- 前記ピレスロイド系防虫成分は、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、及びエムペントリンからなる群から選択される少なくとも一つである請求項1〜4の何れか一項に記載の香り付き防虫剤。
- 前記香料成分は、ガラクソリド、ムスクケトン、ヘキシルシンナミックアルデヒド、エチレンブラシレート、メチルアトラレート、ヘキシルサリシレート、トリシクロデセニルアセテート、オレンジャークリスタル、アンブロキサン、キャシュメラン、カロン、ヘリオトロピン、インドールアロマ、インドール、メチルセドリルケトン、メチルβ−ナフチルケトン、メチルジヒドロジャスモネート、ローズフェノン、7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7−テトラメチルナフタレン、α−イオノン、β−イオノン、ジフェニルオキシド、ダマセノン、フェニルアセティックアシッド、ダマスコンα、ダマスコンβ、及びダマスコンδからなる群から選択される少なくとも一つである請求項1〜5の何れか一項に記載の香り付き防虫剤。
- 前記樹脂を含む担体は、ネット状の編物で構成される請求項1〜6の何れか一項に記載の香り付き防虫剤。
- 通気性を有する容器に、請求項1〜7の何れか一項に記載の香り付き防虫剤を収容した香り付き防虫器。
- 樹脂を含む担体に、常温で揮散性を有するピレスロイド系防虫成分と、250〜400℃の範囲に沸点を有する香料成分とを担持させる担持工程を包含する香り付き防虫剤の製造方法であって、
前記担持工程において、ラウリン酸ヘキシルを使用する香り付き防虫剤の製造方法。 - 前記担持工程において、220〜500℃の範囲に沸点を有するパラフィン系炭化水素を使用する請求項9に記載の香り付き防虫剤の製造方法。
- 前記担持工程において、グリコールエーテル系化合物を使用する請求項9又は10に記載の香り付き防虫剤の製造方法。
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