JP2006254908A - 防虫用具及び防虫用具の製造方法 - Google Patents

防虫用具及び防虫用具の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 常温で揮散性を有する有効成分を含有し、有効成分を効率よく揮散でき、かつ製造が容易な防虫用具及び防虫用具の製造方法を提供する。
【解決手段】 防虫用具1は、扇ぎ動作によって防虫薬剤の有効成分を揮散させるものであり、骨材部2と面構成部材3とからなり、面構成部材3が骨材部2に固定されている。面構成部材3の表面全体には、ワニス引き等による表面加工処理によって形成された塗膜層12が設けられている。塗膜層12に常温で揮散性を有する有効成分を含有する防虫薬剤が保持されており、塗膜層12から防虫薬剤の有効成分が揮散し、防虫作用等の作用を発揮することができる。塗膜層12は、表面加工剤に防虫薬剤を添加した防虫薬剤添加表面加工剤を用いて表面加工処理を施すことにより、形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、防虫用具及び防虫用具の製造方法に関する。本発明は、さらに詳細には、常温で揮散性を有する有効成分を含有する防虫薬剤が保持され、面構成部材によって防虫薬剤の有効成分を揮散させる防虫用具であって、該有効成分を効率よく揮散でき、かつ製造が容易な防虫用具及び防虫用具の製造方法に関する。
蚊等の虫を寄せ付けないために、防虫薬剤の有効成分を揮散させる器具のような防虫用具が従来から用いられている。しかし、防虫薬剤の有効成分を揮散させる器具の多くは、加熱により防虫薬剤の有効成分を揮散させるものであり、熱源を別途必要とする煩わしさがある。
これに対して、団扇形状をしていて人が手で保持して扇ぐことによって防虫薬剤の有効成分を揮散させる防虫用具が特許文献1,2に開示されている。
実開昭62−111419号の明細書 実開平5−21676号の明細書
特許文献1に開示された防虫用具は、揮散性の有効成分を含む防虫薬剤を含有した熱可塑性樹脂フィルム層を用いた団扇である。特許文献1に開示された防虫用具では、使用時に前記した熱可塑性樹脂フィルムを露出させ、当該フィルムから直接外気に対して防虫薬剤の有効成分を揮散させる。
一方、特許文献2に開示された防虫用具は、団扇の両面に外面形成層が設けられ、その中間部分に防虫薬剤含有層が挟み込まれている。
特許文献2の防虫用具では、主として団扇の周端部から防虫薬剤の有効成分が揮散される。
特許文献1に開示された防虫用具は、フィルム層等に防虫薬剤を含浸させて当該フィルムから直接外気に防虫薬剤の有効成分を揮散させるものであり、揮散効率が高いという利点がある。しかしながら、特許文献1に開示された防虫用具は、団扇の表面に防虫薬剤が浮き出る場合があり、多少べとつく。
さらに特許文献1に開示された防虫用具は、その片面又は両面にフィルム等が貼付されているので、全体の厚みが厚い。そのためフィルムを貼付した団扇は硬くなり、全体の撓み性が劣り、肝心の送風効果が劣る。
また特許文献1に開示された防虫用具は、厚さが厚く、且つ重いので使用感が悪い。
一方、特許文献2に開示された防虫用具は、外表面に外面形成層が設けられ、その中間部分に防虫薬剤含有層が挟み込まれているので、表面のべたつきはない。しかしその反面、防虫薬剤の有効露出面が団扇の周端部に限定されるので、防虫薬剤に含まれる有効成分の揮散効率が悪い。
また特許文献2に開示された構成についても、前記した特許文献1の構成と同様、全体の厚みが厚いものとなり、全体が硬く撓み性が劣り、肝心の送風効果が劣る。さらに重く使用感が悪い。
さらに、最近では、団扇は販促品として無償配布されることが多く、団扇自体に必要以上の製造コストをかけることは避けなければならない。しかし、上記した従来の防虫薬剤を保持した団扇を製造するためには、フィルム貼付等の防虫薬剤を保持させるための別途の工程が必要であり、通常の団扇の製造に比べてコスト高となる。さらに、この工程は既存の団扇の製造設備では対応することができず、新たな設備が必要となり、製造コストをさらに増大させる。
本発明の目的は、常温で揮散性を有する有効成分を含有する防虫薬剤が保持され、扇ぐことによって防虫薬剤の有効成分を揮散させる防虫用具であって、該有効成分を効率よく揮散でき、製造が容易であり、且つ製造を低コストで実施することができる防虫用具を提供することにある。また本発明は、同様の目的を達成することができる防虫用具の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記した課題を解決するため、既存の団扇の構造やその製造工程を再検討した。
ここで団扇の構造についてふれると、通常、団扇は、骨格となる剛性保持部材に紙を両方から挟みこむように接着することにより製造される。また、団扇には何らかの図柄が印刷されるのが通常であるので、その場合は、紙を剛性保持部材に接着する前に、その紙に対して所望の図柄を印刷しておく必要がある。さらに、当該印刷部分を保護すると共に紙に腰を持たせるために、ワニス引き等の表面保護処理を行う。そして、印刷と表面加工処理とが施された紙を剛性保持部材に接着する。
また紙を剛性保持部材に取り付けた後に表面保護処理を行う場合もある。
そこで本発明者らは、ワニス引きの際に、同時に防虫薬剤を保持させることを考えた。すなわち本発明者らが考えた製造工程は、ワニスの中に防虫薬剤を配合し、このワニスを使用して表面加工処理を行う。
このようにすることにより、通常の団扇の製造工程と同一の行程で、防虫用具を製造することができる。もちろん、製造装置についても既存のものを活用することができる。
またワニス層は、硬化するものであるから、べとつき感は少ない。さらにワニスによる保護処理層は、旧来の団扇にも存在するものであり、本構成の防虫用具の厚さは、旧来の団扇のそれと大差ない。そのため上記した行程によって製造された防虫用具は、べとつかず且つ軽いので使い勝手がよい。
以上の様な経緯によって発明された請求項1に記載の発明は、手で保持して扇ぐことにより虫除けをする防虫用具であって、剛性保持部材と、面構成部材とを有し、面構成部材は剛性保持部材の少なくとも一方の面に設けられていて少なくとも一方の面が外面側に露出し、少なくとも一つの面構成部材の少なくとも一つの露出面に塗膜層を有し、常温で揮散性を有し且つ防虫効果を備えた有効成分を含有する防虫薬剤が前記塗膜層に保持されていることを特徴とする防虫用具である。
本発明の防虫用具は、面構成部材によって防虫薬剤の有効成分を揮散させる防虫用具であって、剛性保持部材と、剛性保持部材に設けられた面構成部材を有するものであり、面構成部材の表面に塗膜層があり、当該塗膜層に防虫薬剤が保持されている。そして、該防虫薬剤は常温で揮散性を有する有効成分を含むものである。本発明の防虫用具においては、防虫薬剤を保持するためにフィルム等を用いないので、面構成部材の柔軟性が保持されている。その結果、扇ぎ動作を容易に行なうことができ、防虫薬剤の有効成分をより効率的に揮散させることができる。さらに、本発明の防虫用具は、例えば、表面加工液に防虫薬剤を添加して防虫薬剤含有表面加工剤を調製し、該防虫薬剤含有表面加工液を使用して表面加工処理を行なうことにより製造することができ、フィルム貼付等の別途の工程を要さない。したがって、本発明の防虫用具は製造が容易であり、製造コストが低い。なお、防虫薬剤には殺虫剤と忌避剤の両方を含むものとする。
請求項2に記載の発明は、前記塗膜層は表面保護処理層であることを特徴とする請求項1に記載の防虫用具である。
また請求項3に記載の発明は、前記塗膜層はワニス層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の防虫用具である。
また請求項4に記載の発明は、前記剛性保持部材は、骨部と把手部とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の防虫用具である。
即ち請求項4に記載の防虫用具は、団扇や扇子の様な構造であり、剛性保持部材は、骨部と把手部を有し、把手部を手で保持して往復運動を行い、面構成部材で扇って送風することができる。
本発明の防虫用具は、把手部を有するので容易に持つことができ、扇ぐ動作を行ないやすい。その結果、防虫薬剤に含まれる有効成分の拡散をより効率的に行なうことができる。
請求項5に記載の発明は、前記面構成部材は、紙製であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の防虫用具である。
かかる構成により、面構成部材への塗膜層の形成が容易となり、防虫薬剤をより簡単に保持させることができる。
請求項6に記載の発明は、前記防虫薬剤の有効成分は、Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-6〜5×10-3mmHgの範囲であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の防虫用具である。
かかる構成により、防虫薬剤の有効成分がより効果的に作用する。
請求項7に記載の発明は、前記防虫薬剤の有効成分は、ピレスロイド系化合物であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の防虫用具である。
かかる構成により、確実な防虫効果が期待できる。
請求項8に記載の発明は、いずれかの部位に常温で揮散性を有する有効成分を含有する芳香剤が保持されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の防虫用具である。
本発明の防虫用具では、芳香剤が保持されているので、扇ぐことによって良い香りが漂い、心地良い。
また請求項9に記載の発明は、芳香剤が有効に揮散し得る期間は、防虫薬剤の有効成分が有効に揮散し得る期間に合わせたものであることを特徴とする請求項8に記載の防虫用具である。
本発明の防虫用具においては、防虫薬剤の有効成分が揮散するのと同様に芳香剤の有効成分が揮散するので、芳香剤の芳香の強さを指標として防虫薬剤の有効成分の残量を確認することができる。
請求項10に記載の発明は、前記防虫薬剤の有効成分が透過しない素材からなる容器に収納され、密封包装されたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の防虫用具である。
かかる構成により、使用前における防虫薬剤の有効成分の揮散を抑えることができる。
請求項11に記載の発明は、面構成部材は紙製であり、面構成部材には印刷が施され、印刷のインキ中にも常温で揮散性を有し且つ防虫効果を備えた有効成分を含有する防虫薬剤が保持されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の防虫用具である。
本発明の防虫用具は、露出面の塗膜層だけでなく、内部の印刷部分にも防虫薬剤が保持されている。そのため防虫薬剤の保持量が多く、効果が長持ちする。
請求項12に記載の発明は、前記防虫薬剤の有効成分は、ピレスロイド系化合物であり、さらにDonovan法による25℃における蒸気圧が1×10-6〜5×10-3mmHgの範囲であり、防虫用具全体の薬剤保持量が1〜1000mgの範囲であることを特徴とする請求項請求項1乃至11のいずれかに記載の防虫用具である。
防虫薬剤の有効成分がピレスロイド系化合物であり、さらにDonovan法による25℃における蒸気圧が1×10-6〜5×10-3mmHgの範囲である場合は、防虫用具全体の薬剤保持量が1mg以上であればある程度の効果を発揮することができる。また1000mgを超える量を含有させる必要はない。
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12のいずれかに記載の防虫用具を製造する方法において、塗膜層は処理液を面構成部材に付着させて成膜することによって設けられ、前記処理液に防虫薬剤が配合されていることを特徴とする防虫用具の製造方法である。
本発明は防虫用具の製造方法にかかり、防虫薬剤を保持させた面構成部材を剛性保持部材に固定し、扇ぎ動作によって防虫薬剤の有効成分を揮散させる防虫用具を製造する。さらに、本発明の防虫用具の製造方法においては、ワニス等の表面加工剤に防虫薬剤を溶解又は分散させた処理液によって面構成部材に表面加工処理を施すことにより、塗膜を形成させ、面構成部材に防虫薬剤を保持させる。本発明の防虫用具の製造方法においては、防虫薬剤を含有させた処理液を使用するので、表面加工処理を施すと同時に防虫薬剤を面構成部材に保持させることができる。すなわち、通常の表面加工処理液の代わりに防虫薬剤含有表面加工処理液を使用するだけで防虫用具を製造できるので、フィルム貼付等の特別の工程は必要なく、新しい設備も必要ない。その結果、極めて簡単かつ低コストで防虫用具を製造することができる。
本発明の防虫用具によれば、面構成部材の塗膜層に防虫薬剤が保持されているので、扇ぎ動作が容易であり、かつ製造も容易である。
本発明の防虫用具の製造方法によれば、面構成部材に対する表面加工処理と同時に防虫薬剤の保持を行なうことができるので、簡単かつ低コストで防虫用具を製造することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明の防虫用具の1つの様相においては、剛性保持部材に固定された面構成部材を有し、前記面構成部材はその表面に表面加工処理により形成された塗膜層を有し、該塗膜層に常温で揮散性を有する有効成分を含有する防虫薬剤が保持されている。本様相における実施形態の例について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1に表される防虫用具1は、扇ぎ動作によって防虫薬剤の有効成分を揮散させるものであり、骨材部(剛性保持部材)2と面構成部材3とからなり、面構成部材3が骨材部2に固定されている。骨材部2は、骨部5と把手部6からなる。把手部6は棒状であり、手で握るのに適した大きさである。後述するように、防虫用具1を使用する際に、把手部6を持って扇ぐように扇ぎ動作をさせて用いることができる。
図2に表されるように、骨部5には、線状部7と枠状部8とが設けられている。線状部7は直線状に延びるものであって複数設けられており、付け根部10からそれぞれの方向に放射状に延びるようにして、同一平面上に設けられている。したがって、後述するように、骨材部(剛性保持部材)2の骨部5に固定される面構成部材3を平面状となるように固定することができる。
枠状部8は骨部5の縁をほぼ一周しており、線状部7の端部7aとつながっている。また、線状部7同士の間には隙間11が設けられている。また、把手部6と骨部5は、付け根部10付近でつながっている。
骨材部2の材質はポリプロピレンであるが、その他の材質も採用可能である。例えば、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、生分解性樹脂等の樹脂材料を用いることができる。さらに、紙を用いたり竹等の木材を用いることもできる。
面構成部材3は紙製であり、その形状は骨部5と略同一である。面構成部材3は2枚あり、骨材部2の骨部5を両側から挟むように接着剤で固定されている。その結果、線状部7と枠状部8は面構成部材3で覆われて、それらは外部からは見えない。なお、面構成部材3は、表面加工処理が可能でかつ防虫薬剤の保持が可能であればその材質に限定はなく、紙以外の材質でもよい。面構成部材3の面積は通常の団扇と同一であり、15×15cmから20×20cm程度である。
面構成部材3には、公知の団扇等と同様に絵や文字の印刷があってもよい。
図3に表されるように、面構成部材3の表面全体には、表面加工処理によって形成された塗膜層12がある。塗膜層12は、具体的には保護処理層であり、より具体的にはワニスの硬化物によって形成された層である。塗膜層12は、面構成部材3の一方の面の全面にあり、その面積は面構成部材3の面積と同様である。面構成部材3は、本実施形態では、線状部7の両面に設けられている。従って面構成部材3の外側に位置する面に塗膜層12が設けられている。
面構成部材3に絵や文字の印刷等がある場合は、塗膜層12は、印刷に重ねて設けられる。
図3に表されるように、塗膜層12は紙製の面構成部材3の表面に略均一の厚さで固着されている。なお、図3においては、理解を助けるために塗膜層12の厚さが実物より厚く表現されている。この塗膜層12の厚さは、従来の防虫用具に用いられているフィルムの厚さに比べてかなり薄い。よって、面構成部材3はその柔軟性が保持されており、防虫用具1を扇ぎ動作させるのに好適である。
塗膜層12は表面加工処理により形成されたものであり、具体的には、ワニス引きにより形成されたものである。そして、塗膜層12のワニスに混じって常温で揮散性を有する有効成分を含有する防虫薬剤が保持されており、塗膜層12から防虫薬剤の有効成分が揮散し、所定の作用を発揮することができる。使用されるワニスの種類については特に限定はなく、UVワニス、水性ワニス、油性ワニス等のワニスを使用することができる。また、ワニス以外の表面加工剤であっても、防虫薬剤を保持できるものであれば使用可能である。
塗膜層12には、常温で揮散性を有する有効成分を含有する防虫薬剤として、ピレスロイド系殺虫性化合物を含有する防虫薬剤が保持されている。当該防虫薬剤の有効成分であるピレスロイド系殺虫性化合物の好ましい例としては、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル (1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(一般名:トランスフルスリン)、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル (1R)−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル (1R)−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル (1R)−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート等の2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ベンジル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート型ピレスロイド系殺虫性化合物を挙げることができる。その他のピレスロイド系殺虫性化合物の例としては、1−エチニルz−2−メチル−2−ペンテニル 3−(2−クロロ−2−フルオロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパン−1−カルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(2−クロロ−2−フルオロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル (1R)−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(一般名:エンペントリン)、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート等のピレスロイド系殺虫性化合物を挙げることができる。その他の殺虫性化合物の例としては、2,2−ジクロロビニル ジメチル ホスフェート、N,N−ジエチル−m−トルアミド、カラン−3,4−ジオール等の殺虫性化合物を挙げることができる。
上記の有効成分を含有する防虫薬剤を用いた場合は、本実施形態の防虫用具によって害虫を防除することができる。防除できる害虫の例としては、具体的には、各種の有害昆虫を挙げることができ、特に有害飛翔性害虫、例えば、アカイエカ、コガタアカイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエ、ヒメイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、ノミバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類、ヌカカ類等の双翅目害虫、スズメバチ類、アリガタバチ類、カブラハバチ等のハバチ類等の膜翅目害虫等が挙げられる。
これらの有効成分の多くは常温で液体であり、そのまま防虫薬剤としても使用可能である。また、本発明に使用する有効成分は、Donovan法による25℃における蒸気圧が1.33×10-4〜6.67×10-1Pa(1×10-6〜5×10-3mmHg)の範囲であることが望ましい。ここで、Donovan法とは、New method for estimating vapor pressure by the use of gas chromatography : Journal of Chromatography A. 749 (1996) 123-129 にてStephen F.Donovan 氏によって報告された方法である。
図1に示すような、一本の防虫用具1あたりの防虫薬剤の量は、防虫用具1の大きさにも左右されるが、1〜1000mgの範囲であり、より好ましくは2〜200mgの範囲である。
防虫用具1は把手部6を有するので、把手部6を手で握ることにより防虫用具1を扇ぎ動作させることが容易である。そのような動作を行なうことにより、防虫用具1からより効率的に防虫薬剤の有効成分を揮散させることができる。
なお、面構成部材3には、防虫薬剤と共に、常温で揮散性を有する有効成分を含有する芳香剤を保持させてもよい。当該芳香剤の有効成分の例としては、ミルセン、カレン、リモネン、ピネン、テルピネン、カンフェン、ピサポレン、ワルクメン、カンタレン、カンホレン、ミレン等のテルペン系炭化水素;シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、メントール、ボルネオール、ファネセノール、ネロリドール、カジノール、フィトール、マノール、ヒノキオール等のテルペンアルコール;シトロネラール、シトラール、カフラナール、ヨノン、メントン、イロン、シペロン、ゼルンボン、スギオール等のテルペンアルデヒド又はケトン;フェニルエチルアルコール、フェニルアセトアルデヒド、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、シンナムアルデヒド、ムスクキシレン、ムスクケトン等の芳香族系化合物;酢酸ブチル、酢酸エチル、サリチル酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル等のカルボン酸又はそのエステル等を挙げることができる。
芳香剤の含有量は任意であるが、芳香剤が有効に揮散し得る期間を防虫薬剤の有効成分が有効に揮散し得る期間に合わせると、芳香剤の芳香の強さを指標として防虫薬剤の有効成分の残量を確認することができる。
もちろん芳香剤の有効期間をより長いものとして、防虫効果が消失した後は、芳香を発生させる用具として使用するのもよい。
また、前記したように団扇には何らかの図柄が印刷されるが、印刷インキにも前記した常温で揮散性を有する有効成分を含有する防虫薬剤を保持させてもよい。
印刷部分に防虫薬剤を保持させた例を図4に示す。
図4で表されるように、本実施形態の防虫用具21では、紙製の面構成部材3の表面に、「ABC」の文字からなる印刷35が施されている。印刷35はオフセット印刷によりなされたものであり、適宜のオフセットインキによって可視化された文字が描かれている。そして、印刷された「ABC」の文字部35には、オフセットインキに混じって常温で揮散性を有する有効成分を含有する薬剤が保持されている。
また本実施形態についても先の実施形態と同様に面構成部材3の表面にワニスの塗膜層(図示せず)が設けられており、この塗膜層に常温で揮散性を有する有効成分を含有する防虫薬剤が保持されている。
本実施形態の防虫用具21では、先の実施形態と同様に、扇ぎ動作をすることにより、表面のワニスの塗膜層(図示せず)から防虫薬剤の有効成分が揮散するが、本実施形態では、ワニス層だけでなく、印刷35にも薬剤が保持されているので、薬剤の保持量が多く、有効に使用できる期間が長い。
なお印刷35の部位に保持されている薬剤は、先の実施形態の防虫用具1の塗膜11に保持されている薬剤と同様のものが使用可能である。また、薬剤に含まれる有効成分の蒸気圧も、先の実施形態と同様の範囲のものが使用可能である。
また、防虫用具1,21においては、使用前には防虫薬剤の有効成分を拡散させないようにすることが望ましい。そのためには、例えば、防虫用具1,21を防虫薬剤の有効成分が透過しない素材からなる容器に収納して密封包装し、使用直前に開封して防虫用具1を取り出し、使用することが挙げられる。図5で表される防虫用具1は、ナイロン製の透明な袋13(容器)に収納され、さらに袋13の上部にある開封部15を密封することにより包装されている。そして、使用時には袋13の上部に開封部15を開封し、防虫用具1を取り出す。
図5においては防虫用具1の全体を袋13(容器)に収納したが、防虫用具1の把手部6を除く部分、すなわち面構成部材3の部位だけを袋13に収納して密閉してもよい。
密封包装以外に防虫薬剤の有効成分を拡散させない方法としては、塗膜層12を覆うように取り外し容易な拡散防止部を設けておき、使用直前に当該拡散防止部を取り外して使用する方法が挙げられる。
防虫用具1,21においては、塗膜層12の表面は乾いた感触であり、防虫薬剤がべたついたりすることはない。したがって、高濃度の有効成分を含む防虫薬剤が皮膚に付着する危険性が低い。さらに、防虫薬剤の有効成分の揮散速度も適当であり、有効成分の有効性と持続性の両方において良好である。これは、硬化したワニスの中に適度に防虫薬剤の有効成分が分散して塗膜層12が形成されていることに起因すると考えられる。なお本実施形態の防虫用具1は、ワニス内の防虫薬剤含有量を調整することにより、防虫薬剤の有効成分の飛散量を調整することもできる。
次に、本発明の防虫用具の製造方法について説明する。本発明の防虫用具の製造方法の1つの様相においては、
(1)「骨材部を準備する工程」、
(2)「面構成部材を準備する工程」、
(3)「常温で揮散性を有する有効成分を含有する防虫薬剤を表面加工剤に添加して防虫薬剤含有表面加工剤を調製する工程」、
(4)「該防虫薬剤含有表面加工剤を用いて前記面構成部材に表面加工を施し、前記面構成部材に防虫薬剤を保持させる工程」、及び、
(5)「防虫薬剤を保持させた面構成部材を前記骨材部に固定する工程」、
の5つの工程を包含する。このうち、上記(1)、(2)及び(3)の3工程はそれらの順番を問わない。
またこれらの行程以外の行程が介在されてもかまわない。従って面構成部材3の表面に印刷や手書き等の方法によって図柄を設ける行程があってもよい。
本様相の防虫用具の製造方法の例として、図1で表される防虫用具1を製造する場合について、工程ごとに説明する。上記(1)の「骨材部を準備する工程」において、骨材部2は、例えば、ポリプロピレンの樹脂形成品を準備することにより行なわれる。ポリプロピレン以外の材質のものを採用する場合は、他の樹脂形成品、木工品等のものを準備すればよい。上記工程(2)の「面構成部材を準備する工程」において、面構成部材3は、表面加工処理が可能な紙を準備することにより行なわれる。紙以外の材質であっても、表面加工処理可能なものであれば使用可能である。なお、この時点で面構成部材3は骨材部2の外形に合わせて断裁されている必要はなく、断裁は、例えば、工程(5)の前に行なえば足りる。例えば大面積の紙に防虫薬剤が配合されたワニスを塗布し、これを骨材部に接着する前に紙を所定形状に裁断してもよい。
上記工程(3)の、「常温で揮散性を有する有効成分を含有する防虫薬剤を表面加工剤に添加して防虫薬剤含有表面加工剤を調製する工程」においては、表面加工剤としてワニスを用いる。使用するワニスの種類については特に限定はなく、UVワニス、水性ワニス、油性ワニス等のワニスを使用することができる。また、ワニス以外の表面加工剤でも、硬化後に塗膜層12を形成でき、かつ防虫薬剤を保持できるものであれば使用可能である。ワニスに添加する防虫薬剤の量は、防虫用具1から揮散する防虫薬剤の有効成分がその効果を発揮でき、かつ表面加工処理が確実に行える量であればよい。なお、表面加工剤に防虫薬剤を添加する際には、防虫薬剤の原液を添加してもよいが、防虫薬剤を適宜の溶媒で溶解した溶液を添加することにより防虫薬剤含有表面加工剤を調製してもよい。
上記工程(3)においては、防虫薬剤に加えて常温で揮散性を有する芳香剤を添加してもよい。これにより、芳香剤の芳香の強さを指標として防虫薬剤の有効成分の残量を確認することができる防虫用具を製造することができる。
芳香剤の含有量は、芳香剤が有効に揮散し得る期間が、防虫薬剤の有効成分が有効に揮散し得る期間に合わせる。
なお本実施形態では、芳香剤をワニス内に混合したので、防虫薬剤の有効成分の放散面と芳香剤の放散面は同一であるが、防虫用具の一方の面に防虫薬剤を含有する層を設け、他方の面に芳香剤が含有する層を設けてもよい。また芳香剤を特定の部位にだけ含有させてもよい。
上記工程(4)の「該防虫薬剤含有表面加工剤を用いて前記面構成部材に表面加工を施し、前記面構成部材に防虫薬剤を保持させる工程」においては、工程(3)で調製した防虫薬剤含有表面処理剤(防虫薬剤含有ワニス)を用いて、面構成部材3の表面にワニス引きによる表面加工を全面に施す。このとき、ワニスが硬化することにより塗膜層12が形成され、防虫薬剤の有効成分が塗膜層12に均等に分散し、保持される。ワニス引きは、インライン、オフラインのどちらの方式で行ってもよいが、面構成部材3上に印刷を施す場合は、印刷後に引き続いてインラインでワニス引きを行なうことが好ましい。例えば印刷工場で印刷し、引き続いてその工場内でワニス引きを行う。印刷及びワニス引きされた用紙(面構成部材3)を団扇製造工場に運んで後工程を行う。
ワニス等による処理は通常1回で足りるが、より大量の防虫薬剤を保持させたい場合には複数回実施してもよい。すなわちワニス引きを複数回繰り返し、ワニスを塗り重ねることによって厚い表面加工層を形成させ、より大量の防虫薬剤を保持させる。
上記工程(5)の「防虫薬剤を保持させた面構成部材を前記骨材部に固定する工程」において、面構成部材3と剛性保持部材2とは、接着剤で固定される。具体的には、あらかじめ面構成部材3を剛性保持部材2の形状に合わせて断裁しておき、断裁した面構成部材3と骨材部2を接着剤を介して重ね、プレス機に供し、押さえつけて接着する。
なお、上記工程(5)の後に、防虫用具1を密封包装する工程を行ってもよい。例えば、図5で表されるように、防虫用具1をビニル製の袋13に収納し、さらに袋13の上部にある開封部15を密封する。
また図4に示す様な、印刷35の部分にも薬剤を保持させる防虫用具21を製造する場合は、防虫薬剤含有表面処理剤(防虫薬剤含有ワニス)を用いての表面加工に先だって面構成部材3上に印刷35を施す。
印刷に使用されるインキには、あらかじめ常温で揮散性を有する有効成分を含有する薬剤を添加しておく。
使用するインキの種類は、印刷の種類に適したものを適宜選択すればよい。例えば、オフセット印刷を行なう場合は、いわゆるオフセットインキに属するものから適宜選択し、使用すればよい。
薬剤含有インキを用いて面構成部材3上に印刷を施し、前記印刷35の部位に薬剤を保持させる工程においては、オフセット印刷により文字や図形を印刷する。このとき、インキと薬剤が混合された状態で面構成部材3上に付着し、印刷35に薬剤が保持される。オフセット印刷は通常行なわれている方法で行なうことができ、インキの代わりに薬剤含有インキを用いるだけでよい。
上記した実施形態では「防虫薬剤含有表面加工剤を用いて面構成部材に表面加工を施し、面構成部材に防虫薬剤を保持させる工程」(4)の後で、「防虫薬剤を保持させた面構成部材を骨材部に固定する工程」工程(5)を行った。この製造方法は、一つの工場で団扇状の防虫用具1を製造する場合に推奨されるが、団扇形状の成形と、これに防虫機能を付加する作業を別々の工場で行う場合もあり、その場合は、「面構成部材を骨材部に固定する行程」の後に「面構成部材に防虫薬剤を保持させる工程」を行うこととなる。
例えば企業や個人が団扇製造業者や扇子製造業者に好みの図柄が印刷された団扇等を製造させ、それを「防虫機能付与工場」に持ち込む。依頼を受けた「防虫機能付与工場」は、持ち込まれた団扇等に防虫薬剤含有表面処理剤(防虫薬剤含有ワニス)を塗布する。その結果、普通の団扇等に防虫機能が付与される。
以下に、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.防虫薬剤含有ワニスの調製
ピレスロイド系殺虫性化合物である2,3,5,6,−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル (1R)−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(商品名:エミネンス/スミワン、住友化学株式会社製。以下「本殺虫性薬剤」と記す。)をOPワニス(商品名:アプラス、内外インキ製造株式会社製)に添加して攪拌し、本殺虫性薬剤を20重量%含むOPワニス(防虫薬剤含有ワニス(1))と、本殺虫性薬剤を10重量%含むOPワニス(防虫薬剤含有ワニス(2))とを調製した。
2.ワニス引きによる面構成部材への塗膜層形成
上記1で調製した防虫薬剤含有ワニス(1)を用い、オフセット印刷機にて70kgのモデラトーン紙の全面にワニス引きを行い、塗膜層を有する面構成部材aを作製した。なお紙の重量70kgは、面積1091mm×788mmの紙、1000枚あたりの重量である。以下の説明においても同様であり、紙の重量は、面積1091mm×788mmの紙、1000枚あたりの重量を示している。
同様に、防虫薬剤含有ワニス(2)を用い、70kgのモデラトーン紙の全面にワニス引きを行い、塗膜層を有する面構成部材bを作製した。同様に、防虫薬剤含有ワニス(1)を用い、74kgの晒クラフト紙の全面にワニス引きを行い、塗膜層を有する面構成部材cを作製した。同様に、防虫薬剤含有ワニス(2)を用い、74kgの晒クラフト紙の全面にワニス引きを行い、塗膜層を有する面構成部材dを作製した。これらの面構成部材a〜dを、固定するための骨材部の形状に合わせて断裁した。断裁された面構成部材a〜bにおける本殺虫性薬剤の片面当たりの量は、面構成部材aでは約10mg、面構成部材bでは約5mg、面構成部材cでは約7mg、面構成部材dでは約4mgであった。これらの面構成部材a〜dにおいては、いずれも表面は乾燥した状態で、べたつくことはなかった。
3.防虫用具の作製
ポリプロピレン樹脂形成された剛性保持部材(平柄タイプ)に、上記2で作製した面構成部材aを2枚挟むように接着し、防虫用具Aを作製した。すなわち、この防虫用具Aの塗膜層には、片面当たり約10mg相当(両面当たり計約20mg)の本殺虫性薬剤が保持されていた。同様に、面構成部材bを2枚挟むように接着し、防虫用具Bを作製した。すなわち、この防虫用具Bの塗膜層には、片面当たり約5mg相当(両面当たり計約10mg)の本殺虫性薬剤が保持されていた。同様に、面構成部材cを2枚挟むように接着し、防虫用具Cを作製した。すなわち、この防虫用具Cの塗膜層には、片面当たり約7mg相当(両面当たり計約14mg)の本殺虫性薬剤が保持されていた。同様に、面構成部材dを2枚挟むように接着し、防虫用具Dを作製した。すなわち、この防虫用具Dの塗膜層には、片面当たり約4mg相当(両面当たり計約8mg)の本殺虫性薬剤が保持されていた。同様に、面構成部材aと面構成部材cとを各1枚挟むように接着し、防虫用具Eを作製した。すなわち、この防虫用具Eの塗膜層には、両面当たり計約17mgの本殺虫性薬剤が保持されていた。
4.ケージ試験による評価
試験開始1日前に、ナイロンゴース(縦50cm、横5cm、高さ50cm)で覆ったケージ内にネッタイシマカ(Aedes aegypti)のメス100頭を放し、環境に馴化させた。試験当日、試験開始20分前に開封したカイロをケージの上部中央に設置し、カイロに誘引される虫の数を計数した。次に、上記3で作製した防虫用具Aをケージ内の下半分の位置で扇ぎ(120往復/分、角度60度)、試験を開始した。10分後に、ランディングした虫の頭数(LD数)とノックダウンした虫の頭数(KD数)を計数した。その結果、LD数、KD数とも100であり、防虫用具Aに優れた防虫効果が認められた。さらに、上記と同様の試験を防虫用具B〜Fについても行ったところ、LD数、KD数とも100であり、防虫用具B〜Fの全てに優れた防虫効果が認められた。なお、本殺虫性薬剤を保持しないブランクでは、LD数、KD数とも0であった。
本発明の実施形態の防虫用具を表す正面図である。 本発明の実施形態の防虫用具を構成している剛性保持部材を表す正面図である。 図1で表される防虫用具のA−A断面の部分拡大図である。 本発明の他の実施形態の防虫用具を表す正面図である。 本発明の実施形態の防虫用具が密封包装された状態を表す正面図である。
符号の説明
1,21 防虫用具
2 骨材部(剛性保持部材)
3 面構成部材
6 把手部
12 塗膜層
13 袋(容器)

Claims (13)

  1. 手で保持して扇ぐことにより虫除けをする防虫用具であって、剛性保持部材と、面構成部材とを有し、面構成部材は剛性保持部材の少なくとも一方の面に設けられていて少なくとも一方の面が外面側に露出し、少なくとも一つの面構成部材の少なくとも一つの露出面に塗膜層を有し、常温で揮散性を有し且つ防虫効果を備えた有効成分を含有する防虫薬剤が前記塗膜層に保持されていることを特徴とする防虫用具。
  2. 前記塗膜層は表面保護処理層であることを特徴とする請求項1に記載の防虫用具。
  3. 前記塗膜層はワニス層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の防虫用具。
  4. 前記剛性保持部材は、骨部と把手部とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の防虫用具。
  5. 前記面構成部材は、紙製であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の防虫用具。
  6. 前記防虫薬剤の有効成分は、Donovan法による25℃における蒸気圧が1×10-6〜5×10-3mmHgの範囲であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の防虫用具。
  7. 前記防虫薬剤の有効成分は、ピレスロイド系化合物であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の防虫用具。
  8. いずれかの部位に常温で揮散性を有する有効成分を含有する芳香剤が保持されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の防虫用具。
  9. 芳香剤が有効に揮散し得る期間は、防虫薬剤の有効成分が有効に揮散し得る期間に合わせたものであることを特徴とする請求項8に記載の防虫用具。
  10. 前記防虫薬剤の有効成分が透過しない素材からなる容器に収納され、密封包装されたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の防虫用具。
  11. 面構成部材は紙製であり、面構成部材には印刷が施され、印刷のインキ中にも常温で揮散性を有し且つ防虫効果を備えた有効成分を含有する防虫薬剤が保持されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の防虫用具。
  12. 前記防虫薬剤の有効成分は、ピレスロイド系化合物であり、さらにDonovan法による25℃における蒸気圧が1×10-6〜5×10-3mmHgの範囲であり、防虫用具全体の薬剤保持量が1〜1000mgの範囲であることを特徴とする請求項請求項1乃至11のいずれかに記載の防虫用具。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載の防虫用具を製造する方法において、塗膜層は処理液を面構成部材に付着させて成膜することによって設けられ、前記処理液に防虫薬剤が配合されていることを特徴とする防虫用具の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5571265B1 (ja) * 2013-02-28 2014-08-13 大日本除蟲菊株式会社 香り付き防虫剤、香り付き防虫器、及び香り付き防虫剤の製造方法

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