JP6082782B2 - ピレスロイド系化合物の樹脂への吸着抑制剤および吸着抑制方法並びに害虫防除製品 - Google Patents
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Description
また、常温揮散性のピレスロイド系化合物とその他の成分、例えばクエン酸トリエチルやシリコーン化合物とを組み合わせ、樹脂製容器への薬剤の吸着を抑制する技術も提案されている(例えば、特許文献5、6参照)。
また、特許文献5、6に開示されたような常温揮散性のピレスロイド系化合物とその他の成分とを組み合わせる技術は、必ずしも十分な効果が得られるわけでもなく、依然として改善の余地があった。
(1)常温揮散性のピレスロイド系化合物の樹脂への吸着を抑制するための吸着抑制剤であって、構造中に、炭素−炭素不飽和結合を1以上有する6員環および水酸基をそれぞれ少なくとも1つ含む化合物からなることを特徴とする吸着抑制剤。
(2)前記化合物が、ヒドロキシメチルペンチルシクロヘキセンカルボキシアルデヒド、サリチル酸ベンジルおよび4−ヒドロキシ−3−メトキシベンゼンカルボアルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする前記(1)に記載の吸着抑制剤。
(3)常温揮散性のピレスロイド系化合物の樹脂への吸着を抑制する方法であって、前記(1)又は(2)に記載の吸着抑制剤を前記ピレスロイド系化合物と一緒に用いることを特徴とする吸着抑制方法。
(4)常温揮散性のピレスロイド系化合物と、構造中に、炭素−炭素不飽和結合を1以上有する6員環および水酸基をそれぞれ少なくとも1つ含む化合物からなる吸着抑制剤とを含有する害虫防除組成物を含浸させた含浸体を、オレフィン樹脂を含有する樹脂組成物から形成された容器に収容してなることを特徴とする害虫防除製品。
また、本発明の吸着抑制方法は、上記本発明の吸着抑制剤をピレスロイド系化合物と一緒に用いるので、常温揮散性のピレスロイド系化合物が樹脂に吸着するのを抑制し、長期間にわたり十分な防虫効果を発揮することができる。
また、本発明の害虫防除製品は、常温揮散性のピレスロイド系化合物と、上記本発明の吸着抑制剤とを含有する害虫防除組成物を含浸させた含浸体を、樹脂組成物から形成された容器に収容してなるので、有効成分である常温揮散性のピレスロイド系化合物が樹脂を含有する樹脂組成物に吸着するのを抑制し、長期間にわたり十分な防虫効果を発揮することができる。
本発明のピレスロイド系化合物の樹脂への吸着抑制剤(以下、単に「本発明の吸着抑制剤」ともいう)は、構造式中に、炭素−炭素不飽和結合を1以上有する6員環および水酸基をそれぞれ少なくとも1つ含む化合物(以下、「特定化合物」と言うことがある)からなるものである。
これらの中でも本発明の効果に優れる点から、エムペントリンが好ましく用いられる。
害虫防除製品は、ピレスロイド系化合物と特定化合物とを併用して害虫防除組成物となし、これを含浸させた含浸体を、オレフィン系樹脂を含有する樹脂組成物から形成された容器に収容してなるものである。
例えば、BHT、BHA等の安定化剤、フローラル、ブーケ等の香料、青色、黄色、赤色等の色素、光触媒、活性炭、炭等の脱臭剤、竹、柿、グレープフルーツ等の抽出物、銀や銅化合物等の除菌剤、パラフィン、ナフテン等の有機溶剤、終点判別機能等を併用してもよい。
(実施例1〜5、比較例1)
下記表1に記載した各成分を、室温下(約25℃)で撹拌下、混合・溶解し、実施例1〜5および比較例1の害虫防除組成物を調製した。
図1に示すように、得られた害虫防除組成物を、ポリエステル製不織布1(長手方向130mm、短手方向64mm、厚み0.46mm、目付け量170g/m2)に含浸させ、この不織布を、前面および背面に揮散用開口部3を設けたポリプロピレン(PP)製容器2の内部に収容し、検体を作製した。PP製容器は長手方向132mm、短手方向65mm、厚み10mm、開口部総面積4328mm2である。検体は、各害虫防除組成物につき2つずつ作製した。
2週間経過後、不織布におけるエムペントリンの残存量およびPP製容器におけるエムペントリンの吸着量をガスクロマトグラフィー分析により評価した。
なお試験は4回繰り返して行い、その平均値を算出した。また、PP製容器に対するエムペントリンの吸着量の改善率を以下の式から算出した。それぞれの結果を表2に示す。
(実施例6、7及び比較例2、3)
下記表3に記載した各成分を、加温条件下(約60℃)で撹拌下、混合・溶解し、実施例6、7および比較例2、3の害虫防除組成物を調製した。
得られた害虫防除組成物を用いて、試験例1と同様に検体を作製し、同様の保管試験を行った。
保管開始から2週間経過後、不織布におけるエムペントリンの残存量およびPP製容器におけるエムペントリンの吸着量をガスクロマトグラフィー分析により評価した。
なお試験は4回繰り返して行い、その平均値を算出した。また、PP製容器に対するエムペントリンの吸着量の改善率を、実施例6については比較例2に対する改善率として、実施例7については比較例3に対する改善率として、以下の式から算出した。それぞれの結果を表4に示す。
2 ポリプロピレン製容器
3 揮散用開口部
Claims (3)
- 常温揮散性のピレスロイド系化合物のポリオレフィン系樹脂への吸着を抑制するための吸着抑制剤であって、
ヒドロキシメチルペンチルシクロヘキセンカルボキシアルデヒド、サリチル酸ベンジルおよび4−ヒドロキシ−3−メトキシベンゼンカルボアルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つからなることを特徴とする吸着抑制剤。 - 常温揮散性のピレスロイド系化合物のポリオレフィン系樹脂への吸着を抑制する方法であって、請求項1に記載の吸着抑制剤を前記ピレスロイド系化合物と一緒に用いることを特徴とする吸着抑制方法。
- 常温揮散性のピレスロイド系化合物と、ヒドロキシメチルペンチルシクロヘキセンカルボキシアルデヒド、サリチル酸ベンジルおよび4−ヒドロキシ−3−メトキシベンゼンカルボアルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つからなる吸着抑制剤とを含有する害虫防除組成物を含浸させた含浸体を、オレフィン樹脂を含有する樹脂組成物から形成された容器に収容してなることを特徴とする害虫防除製品。
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