以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
図1は、情報提供システム100の一例を概略的に示す。本実施形態において、情報提供システム100は、アクセスポイント102と、アクセスポイント104と、基地局106と、位置提供サーバ120と、情報配信サーバ140とを備える。位置提供サーバ120は、制御部122と、端末情報格納部124と、中継装置情報格納部126とを有する。情報配信サーバ140は、配信部142と、配信情報格納部144とを有する。
本実施形態では、無線端末22が、店舗12の中に存在する無線LAN機能を有するOA(Ofice Automation)機器であり、無線端末24は、店舗12に来店した顧客の携帯端末である場合を例として、情報提供システム100について説明する。同様に、本実施形態において、無線端末42は、店舗14の店員の携帯端末であり、無線端末44は、店舗14に来店した顧客の携帯端末である。また、無線端末62及び無線端末64は、歩道16を通行しているユーザの携帯端末である。
通信回線10は、アクセスポイント102、アクセスポイント104及び基地局106と、位置提供サーバ120及び情報配信サーバ140の少なくとも一方との間で情報を伝達する。通信回線10は、有線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。通信回線10は、インターネット、専用回線、無線通信網又はそれらの組み合わせであってもよい。無線通信網における通信方式は、3G方式、LTE方式、4G方式などの移動体通信方式であってもよく、WiFi(登録商標)のような無線LAN方式、WiMAX(登録商標)のような無線MAN方式、無線WAN方式などの無線データ通信方式であってもよい。
無線端末22、無線端末24、無線端末42、無線端末44、無線端末62及び無線端末64のそれぞれは、アクセスポイント102、アクセスポイント104又は基地局106と、通信回線10とを介して、通信回線10に接続された機器と情報を送受する。無線端末22、無線端末24、無線端末42、無線端末44、無線端末62及び無線端末64のそれぞれは、複数の通信方式に対応してもよい。例えば、3G方式、LTE方式、4G方式などの移動体通信方式と、無線LAN方式、無線MAN方式などの無線通信方式との両方の通信方式に対応する。
無線端末22、無線端末24、無線端末42、無線端末44、無線端末62及び無線端末64のそれぞれは、一般的な構成の情報処理装置において、それぞれの各部の動作を規定したソフトウエア又はプログラムを起動することにより実現されてよい。無線端末22、無線端末24、無線端末42、無線端末44、無線端末62及び無線端末64として、Webブラウザソフトが導入されたパーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯端末(PDA、タブレット又はノートブック・コンピュータ若しくはラップトップ・コンピュータなどを例示することができる。)などを例示することができる。
店舗12及び店舗14は、予め定められた範囲を有するローカルエリアの一例であってよい。アクセスポイント102、アクセスポイント104及び基地局106のそれぞれは、1以上の中継装置の一例であってよい。中継装置は、要求取得装置の一例であってよい。位置提供サーバ120は、位置提供装置の一例であってよい。制御部122は、位置提供装置、情報生成装置又は情報分類装置の一例であってよい。情報配信サーバ140及び配信部142は、情報配信装置の一例であってよい。
情報提供システム100の動作の概要は以下のとおりである。位置提供サーバ120は、アクセスポイント102、アクセスポイント104及び基地局106を含む1以上の中継装置から、各中継装置の通信圏内に存在している無線端末又は各中継装置の通信圏内に存在した無線端末に関する情報(ログ情報と称する場合がある。ログ情報は、移動履歴情報の一例であってよい。)を取得する。
位置提供サーバ120は、取得されたログ情報に基づいて、複数の無線端末のそれぞれの位置情報(端末位置情報と称する場合がある。)及び複数の無線端末のそれぞれのユーザの属性を特定する情報(端末属性情報と称する場合がある。)の少なくとも一方を生成する。位置提供サーバ120は、端末識別情報と、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方とを対応付けて格納する。位置提供サーバ120は、情報配信サーバ140からの要求に応じて、格納している情報の中から要求された情報を抽出する。位置提供サーバ120は、抽出した情報を情報配信サーバ140に送信する。
上記の無線端末に関する情報は、中継装置が、無線端末の認証処理及びアソシエーション処理の少なくとも一方が完了する前に、当該無線端末から受信した信号に含まれる情報であってよい。上記の信号としては、無線LAN通信におけるプローブ要求、移動体通信における位置登録要求などを例示することができる。複数の無線端末のそれぞれを一意に識別する端末識別情報であってよい。端末識別情報としては、プローブ要求に含まれる無線端末のMACアドレス、位置登録要求に含まれる携帯端末に固有のIDなどを例示することができる。
情報配信サーバ140は、アクセスポイント102、アクセスポイント104及び基地局106を含む1以上の中継装置並びに通信回線10を介して、1以上の無線端末に対して情報を配信する。一実施形態において、情報配信サーバ140は、位置提供サーバ120から端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を取得して、情報を受信する無線端末のそれぞれに応じた情報を配信する。他の実施形態において、情報配信サーバ140は、位置提供サーバ120から、配信される情報の属性(配信条件と称する場合がある。)に合致する無線端末の端末識別情報を取得して、当該情報に応じた無線端末に対して当該情報を配信する。
次に、位置提供サーバ120が、プローブ要求に含まれる情報を利用して複数の無線端末のそれぞれの端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成する場合を例として、情報提供システム100の各部について詳細に説明する。無線端末の無線LAN機能が有効に機能している場合、無線端末はプローブ要求を送信する。無線LANのアクセスポイントは、当該アクセスポイントと無線端末の間で認証及びアソシエーションが実行される前の段階であっても、プローブ要求を受信することができる。したがって、情報提供システム100は、無線端末から位置情報を取得することができない場合であっても、アクセスポイントにおいて受信されたプローブ要求を解析することで、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成することができる。
また、プローブ要求には無線端末のMACアドレスが含まれている。そのため、情報提供システム100は、無線端末から位置情報を取得することができない場合であっても、当該無線端末に応じた情報を配信することができる。情報提供システム100が無線端末から位置情報を取得することができない場合としては、無線端末とアクセスポイントとの間で認証フェーズが実施されなかった場合、無線端末の設定により無線端末が外部に位置情報を送信しない場合などを例示することができる。
無線端末のMACアドレスから、当該無線端末のユーザを特定することには一定の困難を伴う。したがって、情報提供システム100は、プローブ要求に含まれる情報を利用することで、情報提供システム100は、無線端末のユーザを特定することを抑制しつつ、無線端末のユーザの属性を特定することができる。
なお、本実施形態においては、情報提供システム100が、無線LAN方式におけるプローブ要求を利用して、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成する場合について説明する。しかし、情報提供システム100は本実施形態に限定されない。情報提供システム100は、移動体通信方式における位置登録要求を利用して、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成してもよい。情報提供システム100は、位置登録要求に含まれる情報を利用することで、複数の無線端末のそれぞれのユーザの属性をより明確に推計することができる。
情報提供システム100の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。また、プログラムが実行されることにより、コンピュータが、情報提供システム100の少なくとも一部として機能してもよい。プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、情報提供システム100の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。
コンピュータを情報提供システム100の少なくとも一部として機能させるプログラムは、情報提供システム100の各部の動作を規定したモジュールを備えてよい。これらのプログラム又はモジュールは、プロセッサ、通信インターフェース、GPS情報取得装置等に働きかけて、コンピュータを情報提供システム100の各部として機能させたり、コンピュータに情報提供システム100における情報処理方法を実行させたりする。
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータに読込まれることにより、ソフトウエアと、情報提供システム100の各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた情報提供システム100を構築することができる。
アクセスポイント102及びアクセスポイント104は、無線LAN方式により、複数の無線端末のそれぞれと、通信回線10との間の通信を中継する。アクセスポイント102は、店舗12の中に配置される。アクセスポイント102は、無線端末22、無線端末24、無線端末42及び無線端末62により送信されたプローブ要求を受信する。アクセスポイント104は、店舗14の中に配置される。アクセスポイント104は、無線端末42、無線端末44及び無線端末64により送信されたプローブ要求を受信する。
アクセスポイント102及びアクセスポイント104は、プローブ要求に対してプローブ応答を送信しない場合又は認証フェーズが実行されない場合であっても、当該プローブ要求に含まれる情報を位置提供サーバ120に送信してよい。アクセスポイント102及びアクセスポイント104は、位置提供サーバ120からの要求に応じて、プローブ要求に含まれる情報を位置提供サーバ120に送信してもよく、予め定められたタイミングで、プローブ要求に含まれる情報を位置提供サーバ120に送信してもよい。
基地局106は、移動体通信方式により、複数の無線端末のそれぞれと、通信回線10との間の通信を中継する。基地局106は、通信圏内に存在する無線端末により送信された位置登録要求を受信する。基地局106は、位置提供サーバ120からの要求に応じて、位置登録要求に含まれる情報を位置提供サーバ120に送信してもよく、予め定められたタイミングで、位置登録要求に含まれる情報を位置提供サーバ120に送信してもよい。
位置提供サーバ120は、通信回線10を介して、アクセスポイント102及びアクセスポイント104から、アクセスポイント102及びアクセスポイント104において受信された複数のプローブ要求に含まれる情報を取得する。位置提供サーバ120は、複数のプローブ要求に含まれる情報を利用して、1以上の無線端末の端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成する。位置提供サーバ120は、通信回線10を介して、情報配信サーバ140に対して、1以上の無線端末の端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を提供する。
制御部122は、位置提供サーバ120を制御する。制御部122は、アクセスポイント102及びアクセスポイント104から取得したログ情報を処理して、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成する。制御部122は、情報配信サーバ140からの要求に応じて、端末情報格納部124及び中継装置情報格納部126に格納された情報を処理する。
端末情報格納部124は、複数の無線端末のそれぞれの端末識別情報と、複数の無線端末のそれぞれの端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方とを対応付けて格納してよい。中継装置情報格納部126は、1以上の中継装置のそれぞれを識別する中継装置識別情報と、1以上の中継装置のそれぞれの位置情報及び属性情報の少なくとも一方とを対応付けて格納してよい。
端末情報格納部124及び中継装置情報格納部126の少なくとも一方は、1以上の中継装置のそれぞれにおいて受信された複数のプローブ要求のそれぞれを送信した1以上の無線端末の端末識別情報と、当該中継装置の中継装置識別情報とが対応付けられたログ情報を格納してよい。ログ情報は、1以上の中継装置において受信された複数のプローブ要求のそれぞれを送信した無線端末を識別する端末識別情報と、複数のプローブ要求のそれぞれの電波強度に関する情報、複数のプローブ要求のそれぞれが受信された時間に関する情報、及び、1以上の中継装置の中継装置識別情報からなる群から選択される少なくとも1つの情報とが、複数のプローブ要求ごとに対応付けられた情報であってもよい。
複数のプローブ要求のそれぞれが受信された時間に関する情報は、端末時間情報の一例であってよい。複数のプローブ要求のそれぞれが受信された時間に関する情報としては、複数のプローブ要求のそれぞれの受信日時又は受信時刻に関する情報を例示することができる。
情報配信サーバ140の配信部142は、通信回線を10介して、1以上の無線端末に情報を配信する。配信部142は、広告枠などの情報配信枠の競争入札処理を実行してもよい。配信部142は、PUSH型の情報配信処理を実行してもよく、PULL型の情報配信処理を実行してもよい。配信部142によって配信された情報は、1以上の無線端末のそれぞれとの間で通信が確立されたアクセスポイントを介して、1以上の無線端末のそれぞれに配信されてもよく、基地局106を介して、1以上の無線端末のそれぞれに配信されてもよい。
配信部142は、位置提供サーバ120に対して、特定の条件に合致する無線端末に関する情報の提供を要求する。例えば、配信部142は、特定の条件に合致する無線端末の端末位置情報の提供を要求する。配信部142は、特定の条件に合致する無線端末の端末属性情報の提供を要求してもよく、特定の条件に合致する無線端末の端末識別情報の提供を要求してもよく、特定の条件に合致する無線端末の個数の提供を要求してもよい。配信部142は、位置提供サーバ120から1以上の無線端末に関する情報を取得する。
例えば、配信部142は、位置提供サーバ120に対して、現在時刻の1時間前から現在時刻までの期間に、アクセスポイント102において受信されたプローブ要求を送信した無線端末の端末属性情報を提供するように要求する。配信部142は、位置提供サーバ120から取得した端末属性情報に基づいて、無線端末22が店舗12の中に存在するOA機器であると判断する。同様にして、配信部142は、無線端末24は当該期間において店舗12の中に存在していた顧客の携帯端末である可能性が高く、無線端末62及び無線端末64は当該期間において店舗12の外側を通行していたユーザの携帯端末である可能性が高いと判断する。
配信部142は、位置提供サーバ120から取得した情報に基づいて、配信情報格納部144に格納された情報の中から、配信すべき情報を決定してよい。例えば、配信部142は、無線端末22には情報を配信せず、無線端末24、無線端末62及び無線端末64に対して情報を配信する。配信部142は、無線端末24と、無線端末62及び無線端末64とで異なる内容の情報を配信してもよい。
他の実施形態において、配信部142は、位置提供サーバ120から、現在、店舗12の外側を通行しているユーザの携帯端末の個数に関する情報を受け取る。配信部142は、位置提供サーバ120から、現在時刻の5分前から現在時刻までの期間に特定のアクセスポイントにおいて受信されたプローブ要求を送信した無線端末の端末識別情報を取得する。配信部142は、当該無線端末の現在時刻における端末位置情報を取得してもよい。特定のアクセスポイントは、店舗12との距離が予め定められた値よりも小さなアクセスポイントであってよい。配信部142は、位置提供サーバ120から取得した端末識別情報によって識別される無線端末に対して、店舗12の外側を通行しているユーザの携帯端末の数に応じた情報を配信する。
無線端末24は、基地局106を介して、配信部142からの情報を受信してよい。無線端末24及びアクセスポイント102の間で通信が確立されている場合、無線端末24は、アクセスポイント102を介して、配信部142からの情報を受信してよい。なお、無線端末24は、無線端末24及びアクセスポイント102の間で通信が確立されている場合であっても、基地局106を介して、配信部142からの情報を受信してよい。
図2は、中継装置に関する情報を格納するデータテーブル200の一例を概略的に示す。データテーブル200は、中継装置の識別記号210と、中継装置の位置情報220と、中継装置の属性情報230とを含んでよい。中継装置の識別記号210は、1以上の中継装置のそれぞれを一意に識別することができる記号であれば特に限定されない。識別記号210は、中継装置の識別情報の一例であってよい。中継装置の識別情報は、要求取得装置の識別情報の一例であってよい。
中継装置の位置情報220は、中継装置の設置場所の緯度及び経度に関する情報222と、当該設置場所の住所に関する情報224とを含んでよい。データテーブル200が、中継装置の設置場所の住所に関する情報224を含むことで、位置提供サーバ120は、建物の内部、地下街などのGPS情報を取得することができない場所においても、無線端末の位置情報を提供することができる。
中継装置の属性情報230は、中継装置の設置場所の属性を示す情報であれば特に限定されない。中継装置の属性情報230は、中継装置の設置場所の業種に関する情報232、当該設置場所の客層に関する情報234、当該設置場所の価格帯に関する情報236、当該設置場所に関連して想起されるイメージに関する情報238などを含んでよい。
図3は、ログ情報を格納するデータテーブル300の一例を概略的に示す。データテーブル300は、中継装置の識別記号210と、プローブ要求に含まれる無線端末のMACアドレス320と、プローブ要求が受信された日時を示す受信日時に関する情報330と、プローブ要求の電波強度に関する情報340と、無線端末が、店舗12、店舗14などのローカルエリアの範囲内に存在するか否を示す端末位置判定結果350とを含んでよい。無線端末のMACアドレス320は、端末識別情報の一例であってよい。受信日時に関する情報330の代わりに、受信時刻に関する情報を用いてもよい。
図4は、無線端末に関する情報を格納するデータテーブル400の一例を概略的に示す。データテーブル400は、無線端末のMACアドレス320と、現在の端末位置情報420と、直近の日時において、無線端末のプローブ要求を受信した中継装置の識別記号430と、端末属性情報440とを含んでよい。
現在の端末位置情報420は、直近の日時において、無線端末のプローブ要求を受信した中継装置の設置場所の緯度及び経度に関する情報422と、当該設置場所の住所に関する情報424とを含んでよい。同時期に特定の無線端末のプローブ要求を受信した中継装置が複数存在する場合には、直近の日時において、無線端末のプローブ要求を受信した中継装置として、受信されたプローブ要求の電波強度が最も強い中継装置を選択してよい。
図5は、制御部122の一例を概略的に示す。図5を用いて、制御部122が、情報配信サーバ140からの要求に応じて、端末情報格納部124及び中継装置情報格納部126に格納される情報を処理する動作について説明する。本実施形態において、制御部122は、ログ情報取得部510と、端末情報生成部520と、端末情報抽出部530と、中継装置情報抽出部540と、要求受信部550と、端末情報提供部560とを備える。制御部122の各部は、相互に情報を送受してよい。
ログ情報取得部510は、1以上の中継装置のそれぞれから、1以上の中継装置のそれぞれが保持しているログ情報の少なくとも一部を取得する。ログ情報取得部510は、1以上の中継装置において受信された複数のプローブ要求のそれぞれを送信した複数の無線端末のそれぞれを識別する端末識別情報、複数のプローブ要求のそれぞれの電波強度に関する情報、複数のプローブ要求のそれぞれの受信日時又は受信時刻に関する情報、及び、1以上の中継装置のそれぞれを識別する中継装置識別情報からなる群から選択される少なくとも2つの情報が対応付けられた情報を、1以上の中継装置のそれぞれから取得してもよい。ログ情報取得部510は、特定の期間に受信されたプローブ要求に関するログ情報のみを取得してもよい。
ログ情報取得部510は、取得したログ情報の少なくとも一部を端末情報生成部520に送信する。ログ情報取得部510は、1以上の中継装置において受信された複数のプローブ要求のそれぞれを送信した複数の無線端末のそれぞれを識別する端末識別情報、複数のプローブ要求のそれぞれの電波強度に関する情報、複数のプローブ要求のそれぞれの受信日時又は受信時刻に関する情報、及び、1以上の中継装置のそれぞれを識別する中継装置識別情報からなる群から選択される少なくとも2つの情報が対応付けられた情報を、端末情報生成部520に送信してよい。ログ情報取得部510は、特定の期間に受信されたプローブ要求に関するログ情報のみを端末情報生成部520に送信してもよい。
端末情報生成部520は、ログ情報取得部510から受け取ったログ情報と、中継装置情報格納部126に格納されている情報とに基づいて、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成する。端末情報生成部520は、生成された端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を端末情報格納部124に格納する。これにより、端末情報格納部124に格納されている端末位置情報及び端末属性情報を更新することができる。
端末情報生成部520は、例えば、次の手順に従って、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成する。まず、端末情報生成部520は、中継装置情報格納部126から抽出すべき情報を示す抽出条件を中継装置情報抽出部540に送信する。端末情報生成部520は、抽出条件に合致する情報を中継装置情報抽出部540から受信する。端末情報生成部520は、中継装置情報抽出部540から取得した情報に基づいて、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成する。端末情報生成部520の詳細については後述する。
端末情報抽出部530は、端末情報格納部124に格納された情報の中から抽出すべき情報を示す抽出条件を受信し、端末情報格納部124を参照して、抽出条件に合致する情報を出力する。例えば、端末情報抽出部530は、要求受信部550から抽出条件を受信し、当該抽出条件に合致する情報を端末情報提供部560に出力する。
一実施形態において、端末情報抽出部530は、要求受信部550から、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を抽出すべき無線端末のMACアドレスを受信する。端末情報抽出部530は、例えば、無線端末のMACアドレス320をキーとして、データテーブル400を参照する。端末情報抽出部530は、要求受信部550から受信した無線端末のMACアドレスに合致する無線端末のMACアドレス320と対応付けられた端末位置情報420及び端末属性情報440の少なくとも一方を抽出する。
他の実施形態において、端末情報抽出部530は、要求受信部550から、要求受信部550が情報配信サーバ140から受信した配信条件を受信する。配信条件は、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方に関する条件を含んでよい。端末情報抽出部530は、例えば、端末位置情報420及び端末属性情報440の少なくとも一方をキーとして、データテーブル400を参照する。端末情報抽出部530は、配信条件に合致する無線端末のMACアドレス320を抽出する。
更に他の実施形態において、端末情報抽出部530は、要求受信部550から、店舗12の外側の歩道16を通行しているユーザの無線端末のMACアドレスを抽出すべきことを示す抽出条件を受信する。この場合、端末情報抽出部530は、例えば、アクセスポイント102において受信されたプローブ要求を送信した無線端末(即ち、無線端末22、無線端末24、無線端末42、無線端末62)のうち、店舗12の外側に存在する無線端末を抽出する。
具体的には、端末情報抽出部530は、例えば、中継装置の識別記号210及び端末位置判定結果350をキーとして、データテーブル300を参照する。次に、端末情報抽出部530は、中継装置の識別記号210にアクセスポイント102の識別記号が記入されており、端末位置判定結果350に「エリア外」であることが記入されているログ情報を抽出する。端末情報抽出部530は、抽出されたログ情報に対応付けられた無線端末のMACアドレス320を抽出結果として出力する。
端末情報抽出部530は、更に、アクセスポイント102との距離が予め定められた値よりも小さなアクセスポイントに関するログ情報を参照して、抽出結果を生成してもよい。例えば、端末情報抽出部530は、アクセスポイント102に関するログ情報だけでなく、アクセスポイント104に関するログ情報も参照する。端末情報抽出部530は、アクセスポイント104に関するログ情報を参照して、無線端末42が店舗14の中に存在する無線端末であると決定する。そこで、端末情報抽出部530は、出力結果から、無線端末42の端末識別番号を削除する。これにより、抽出結果の精度を向上させることができる。
中継装置情報抽出部540は、中継装置情報格納部126から抽出すべき情報を示す抽出条件を受信し、中継装置情報格納部126を参照して、抽出条件に合致する情報を出力する。中継装置情報抽出部540は、端末情報生成部520から抽出条件を受信して、抽出条件に合致する情報を端末情報生成部520に出力する。例えば、中継装置情報抽出部540は、端末情報生成部520からログ情報取得部510により取得されたログ情報に含まれる中継装置識別情報を受け取り、受け取った中継装置識別情報により識別される中継装置の位置情報を、端末情報生成部520に出力する。
要求受信部550は、情報配信サーバ140からの要求を受信する。一実施形態において、要求受信部550は、情報配信サーバ140から、1以上の無線端末の端末識別情報と、1以上の無線端末の位置情報を要求する第1の要求とを受信する。他の実施形態において、要求受信部550は、情報配信サーバ140から、情報配信サーバ140により配信される情報を受け取る無線端末の条件を示す配信条件と、配信条件に合致する無線端末の端末識別情報を要求する第2の要求とを受信する。
要求受信部550は、情報配信サーバ140からの要求を解釈して、端末情報抽出部530の抽出条件を生成する。例えば、要求受信部550は、情報配信サーバ140からの要求を解釈して配信条件を取得する。要求受信部550は、配信条件を解釈して抽出条件を生成する。例えば、配信条件に含まれる配信情報の属性と、端末情報格納部124に格納されている端末属性情報とを比較して、配信情報の属性に合致する端末属性情報に対応付けられた端末識別情報を出力するための抽出条件を生成する。要求受信部550は、生成された抽出条件を端末情報抽出部530に送信する。
端末情報提供部560は、端末情報抽出部530から、情報配信サーバ140からの要求に応じて端末情報抽出部530が抽出した情報を受信する。端末情報提供部560は、端末情報抽出部530から受信した情報を情報配信サーバ140に提供する。
一実施形態において、端末情報提供部560は、情報配信サーバ140からの要求に応じて、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を提供する。端末情報提供部560は、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方と、端末識別情報とを対応付けて、情報配信サーバ140に提供してよい。
他の実施形態において、端末情報提供部560は、情報配信サーバ140から受信した配信条件に合致する無線端末の端末識別情報を、情報配信サーバ140に提供してよい。また、更に他の実施形態において、端末情報抽出部530により抽出された無線端末の端末識別情報の個数を算出して、当該個数を、情報配信サーバ140に提供してもよい。
図6は、端末情報生成部520の一例を概略的に示す。図6を用いて、制御部122が、アクセスポイント102及びアクセスポイント104から取得したログ情報を処理して、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成する動作について説明する。
本実施形態において、端末情報生成部520は、端末位置情報生成部610と、同一ユーザ判定部620と、端末属性情報生成部630とを備える。端末属性情報生成部630は、統計処理モジュール632と、端末位置判定モジュール634とを有する。統計処理モジュール632及び中継装置情報抽出部540は、統計処理部を構成してよい。
端末位置情報生成部610は、ログ情報取得部510から、無線端末の端末識別情報と、中継装置識別情報とが対応付けられた1以上のログ情報を受信する。端末位置情報生成部610は、受信したログ情報と、中継装置情報格納部126に格納された情報とに基づいて、複数の無線端末の端末位置情報を生成する。
例えば、端末位置情報生成部610は、中継装置情報抽出部540に対して、ログ情報に含まれる中継装置の識別記号210に対応付けられた位置情報220を抽出するための抽出条件を送信する。中継装置情報抽出部540は、中継装置の識別記号210をキーとして中継装置情報格納部126を参照して、ログ情報に含まれる中継装置識別情報により識別される中継装置の位置情報220を抽出する。端末位置情報生成部610は、中継装置情報抽出部540から、抽出された中継装置の位置情報220を取得する。
端末位置情報生成部610は、ログ情報取得部510から受け取ったログ情報のそれぞれについて、中継装置の識別記号210をキーとして、ログ情報に含まれる無線端末のMACアドレス320と、中継装置情報抽出部540から取得した中継装置の位置情報220とを対応付けて、端末位置情報を生成する。端末位置情報生成部610は、生成された端末位置情報を端末情報格納部124に格納する。
同一ユーザ判定部620は、端末情報格納部124に格納された情報を参照して、複数の無線端末のうち、2以上の無線端末の端末属性情報の相関が予め定められた値よりも大きいか否かを判断する。同一ユーザ判定部620は、2以上の無線端末の端末属性情報の相関が予め定められた値よりも大きいと判断した場合に、2以上の無線端末が同一のユーザにより所持されていると判定する。
例えば、同一ユーザ判定部620は、2以上の無線端末の端末位置情報の経時変化(移動履歴と称する場合がある。)の相関を解析して、2以上の無線端末の移動履歴の相関が予め定められた値よりも大きいと判断した場合に、2以上の無線端末が同一のユーザにより所持されていると判定する。同一ユーザ判定部620は、判定結果を端末識別情報と対応付けて、端末情報格納部124に格納してよい。
同一ユーザ判定部620は、同一ユーザ判定部620は、定期的に、2以上の無線端末の端末属性情報の相関を解析してよい。これにより、同一ユーザ判定部620は、特定の無線端末の保有者の変更を検出することができる。
端末属性情報生成部630は、ログ情報取得部510から、1以上の中継装置において受信された複数のプローブ要求のそれぞれを送信した複数の無線端末のそれぞれを識別する端末識別情報と、複数のプローブ要求のそれぞれの電波強度に関する情報、複数のプローブ要求のそれぞれの受信日時又は受信時刻に関する情報、及び、1以上の中継装置のそれぞれを識別する中継装置識別情報からなる群から選択される少なくとも1つの情報とが、複数のプローブ要求ごとに対応付けられた複数のログ情報を受信する。端末属性情報生成部630は、複数のログ情報に基づいて、複数の無線端末のそれぞれのユーザの属性を特定する端末属性情報を生成する。
端末属性情報生成部630は、統計処理モジュール632により生成された無線端末のユーザの位置及び属性の少なくとも一方に関する統計情報に基づいて、端末属性情報を生成してよい。これにより、当該無線端末の移動履歴に基づいて、当該無線端末のユーザの属性を特定することができる。端末属性情報生成部630は、当該無線端末の移動履歴を時間帯ごとに解析することで、当該無線端末のユーザの属性を特定してもよい。時間帯の例としては、平日/休日の区別、朝/昼/夕方/夜/深夜〜早朝の区別などを例示することができる。
例えば、端末属性情報生成部630は、ログ情報取得部510から取得したログ情報を用いて、複数の無線端末のそれぞれについて、当該無線端末からのプローブ要求を受信した中継装置の位置情報220及び属性情報230の少なくとも一方に関して、出現頻度又は出現確率を算出する。端末属性情報生成部630は、算出された出現頻度又は出現確率に基づいて、当該無線端末のユーザの属性を決定する。
例えば、端末属性情報生成部630は、出現頻度又は出現確率が予め定められた値よりも大きい位置情報220又は属性情報230を、当該無線端末のユーザの属性として決定する。端末属性情報生成部630は、出現頻度又は出現確率が予め定められた値よりも小さい位置情報220又は属性情報230を、当該無線端末のユーザの属性として決定してもよい。
端末属性情報生成部630は、端末位置判定モジュール634の判定結果に基づいて、端末属性情報を生成してよい。端末属性情報生成部630は、端末位置判定モジュール634の判定結果を利用して、無線端末のユーザがよく利用するローカルエリア(店舗、学校、職場などを例示することができる。)を把握することができる。
例えば、端末属性情報生成部630は、複数の無線端末のそれぞれについて、端末位置判定モジュール634の判定結果が「エリア内」であるログ情報を用いて、当該無線端末からのプローブ要求を受信した中継装置の位置情報220及び属性情報230の少なくとも一方に関して、出現頻度又は出現確率を算出する。端末属性情報生成部630は、算出された出現頻度又は出現確率に基づいて、当該無線端末のユーザの属性を決定する。これにより、端末属性情報生成部630は、無線端末のユーザがよく利用するローカルエリアを決定することができる。端末属性情報生成部630は、無線端末のユーザがよく利用するローカルエリアに配されたアクセスポイントの属性情報230を、当該無線端末のユーザの属性として決定する。
端末属性情報生成部630は、複数の無線端末のそれぞれについて、端末位置判定モジュール634の判定結果が「エリア外」であるログ情報を用いて、当該無線端末からのプローブ要求を受信した中継装置の位置情報220及び属性情報230の少なくとも一方に関して、出現頻度又は出現確率を算出してもよい。これにより、端末属性情報生成部630は、無線端末のユーザの通勤経路、通学経路、所属機関、勤務時間、居住地域などを決定することができる。端末属性情報生成部630は、無線端末のユーザの通勤経路、通学経路、所属機関、勤務時間、居住地域などの情報を当該無線端末のユーザの属性として決定する。
統計処理モジュール632は、中継装置情報格納部126に格納された情報を参照して、複数のログ情報に含まれる端末識別情報及び中継装置識別情報の少なくとも一方に基づいて、複数の無線端末のそれぞれについて、複数の無線端末のユーザの位置及び属性の少なくとも一方に関する統計情報を生成する。統計処理モジュール632の詳細については後述する。
端末位置判定モジュール634は、端末識別情報、中継装置識別情報及び電波強度に関する情報に基づいて、複数のプローブ要求のそれぞれを送信した複数の無線端末のそれぞれが、複数のローカルエリアのいずれか1つの範囲内に存在した否かを判定する。端末位置判定モジュール634の詳細については後述する。
図7は、統計処理モジュール632の一例を概略的に示す。本実施形態において、統計処理モジュール632は、統計情報算出部710と、頻出情報抽出部720と、統計情報生成部730とを備える。
統計情報算出部710は、ログ情報取得部510から複数のログ情報を受信する。統計情報算出部710は、複数の無線端末のそれぞれについて、端末位置情報及び中継装置識別情報の少なくとも一方の出現頻度又は出現確率を算出する。統計情報算出部710は、算出された出現頻度又は出現確率を、頻出情報抽出部720に送信する。
頻出情報抽出部720は、統計情報算出部710により算出された出現頻度又は出現確率が予め定められた値よりも大きいか否かを判断する。頻出情報抽出部720は、出現頻度又は出現確率が予め定められた値よりも大きいと判断された中継装置識別情報又は端末位置情報を抽出する。頻出情報抽出部720は、抽出結果を統計情報生成部730に送信する。
統計情報生成部730は、頻出情報抽出部720により抽出された中継装置識別情報を中継装置情報抽出部540に送信して、頻出情報抽出部720により抽出された中継装置識別情報により識別される中継装置の位置情報及び属性情報の少なくとも一方を取得する。統計情報生成部730は、無線端末のそれぞれについて、統計情報算出部710により算出された中継装置識別情報の出現頻度又は出現確率と、中継装置情報抽出部540により抽出された位置情報及び属性情報の少なくとも一方とを対応付けることで、当該無線端末のユーザの位置及び属性の少なくとも一方に関する統計情報を生成する。
本実施形態によれば、無線端末のユーザが、特定の期間(例えば、平日の朝、昼、夜、休日など)に通過又は訪問する可能性の大きな場所の情報と、当該場所の属性とを対応付けることで、当該無線端末のユーザの属性を特定することができる。同様にして、頻出情報抽出部720が、出現頻度又は出現確率が予め定められた値よりも小さいと判断した中継装置識別情報を抽出するように改良することで、無線端末のユーザが通過又は訪問する可能性の小さい場所の情報から、当該無線端末のユーザの属性を特定してもよい。
本実施形態においては、統計処理モジュール632が、頻出情報抽出部720を用いて、統計情報算出部710により算出された出現頻度又は出現確率が予め定められた値よりも大きいか否かを判断する場合について説明した。しかし、統計処理モジュール632は本実施形態に限定されない。統計処理モジュール632は、統計情報算出部710により算出された出現頻度又は出現確率が予め定められた値よりも小さいか否かを判断してもよい。
図8は、端末位置判定モジュール634の一例を概略的に示す。本実施形態において、端末位置判定モジュール634は、連続ログ情報生成部810と、ログ情報分類部820と、分布算出部830と、分類基準調整部840とを備える。ログ情報分類部820は、端末種別部の一例であってよい。
連続ログ情報生成部810は、複数のログ情報の中から、時間的に連続するログ情報(連続ログ情報と称する場合がある。)を抽出する。これにより、複数のログ情報を、無線端末のユーザの行動ごとに取り扱うことができる。具体的には、端末識別情報と、中継装置識別情報と、受信日時又は受信時刻に関する情報とに基づいて、複数のログ情報の少なくとも一部の中から、端末識別情報及び中継装置識別情報が同一であり、受信日時又は受信時刻が時間的に連続する1以上のログ情報を抽出する。連続ログ情報生成部810は、抽出された1以上のログ情報からなる1以上の連続ログ情報を生成する。
ログ情報分類部820は、端末識別情報、電波強度に関する情報及び受信日時又は受信時刻に関する情報と、予め定められた分類基準とに基づいて、複数のログ情報の少なくとも一部を複数のグループに分類する。複数のグループへの分類方法は、特に限定されるものではないが、例えば、プローブ要求の電波強度の強弱により、ローカルエリア内に存在している無線端末と、ローカルエリア外に存在している無線端末との2つに分類することが考えられる。なお、ログ情報分類部820による分類結果は、ユーザの属性の一例であってよい。
他の分類方法としては、プローブ要求の電波強度の強弱と、電波強度が強い状態の継続時間とに基づいて、ローカルエリア内に存在している無線端末と、ローカルエリア外に存在している無線端末との2つのグループに分類することが考えられる。電波強度が強い状態の継続時間をも考慮することで、電波強度の変動による判断の誤りを抑制することができる。
例えば、ログ情報分類部820は、1以上の連続ログ情報のそれぞれを解析して、予め定められた電波強度よりも大きな電波強度のプローブ要求が継続して受信された時間が、予め定められた時間より長いと判断した場合、当該連続ログ情報に含まれるログ情報を、1以上の中継装置のそれぞれが配置されたローカルエリアの範囲内に存在した無線端末から送信された可能性のあるプローブ要求に関する第1のグループに分類する。一方、ログ情報分類部820は、1以上の連続ログ情報のそれぞれを解析して、予め定められた電波強度よりも大きな電波強度のプローブ要求が継続して受信された時間が、予め定められた時間より長くないと判断した場合、当該連続ログ情報に含まれるログ情報を、ローカルエリアの範囲外に存在した無線端末から送信された可能性のあるプローブ要求に関する第2のグループに分類する。
ログ情報分類部820は、例えば、連続ログ情報に含まれるログ情報の個数に対する、連続ログ情報に含まれるログ情報のうち、電波強度が予め定められた電波強度よりも大きなログ情報の個数の割合が、予め定められた値よりも大きいと判断した場合に、予め定められた電波強度よりも大きな電波強度のプローブ要求が継続して受信されたと判断してよい。これにより、電波強度の変動による誤検出を抑制することができる。
ログ情報を2つに分類する方法の一例について、具体的な例を用いて説明する。特定の一日について、アクセスポイント102が、無線端末22からのRSSIが−60dB以下のプローブ要求を、08:00から22:00の期間において受信し、無線端末24からのRSSIが−60dB以下のプローブ要求を、12:15から12:55の期間と、17:35から17:37分の期間とにおいて受信し、無線端末62からのRSSIが−60dB以下のプローブ要求を、12:05から12:07の期間と、12:50から12:52の期間と、18:05から18:07の期間とにおいて受信したと仮定する。
ログ情報分類部820は、ローカルエリア内に存在した無線端末から送信された可能性のあるプローブ要求として、例えば、10分以上継続して受信されたプローブ要求に対応するログ情報を抽出する。その結果、08:00から22:00の期間において受信された無線端末22からのプローブ要求と、12:15から12:55の期間において受信された無線端末24からのプローブ要求とを抽出する。ログ情報分類部820は、抽出した2つのプルーブ要求に対応するログ情報を第1のグループに分類する。一方、ログ情報分類部820は、その他のログ情報を第2のグループに分類する。
さらに他の分類方法としては、プローブ要求の電波強度の強弱と、電波強度が強い状態の継続時間とに基づいて、3以上のグループに分類してもよい。例えば、ログ情報分類部820は、受信日時又は受信時刻に関する情報及び端末位置判定モジュール634の判定結果に基づいて、複数の無線端末のそれぞれについて、複数のローカルエリアのそれぞれの範囲内に存在した時間を算出し、複数のローカルエリアのそれぞれの範囲内に存在した時間に応じて、複数の無線端末を種別する。
アクセスポイント102において受信されたプローブ要求を分類する場合を例とすると、プローブ要求の電波強度が強く、長時間(12時間以上の時間、店舗の営業時間よりも長い時間などを例示することができる。)にわたって受信されている場合、当該プローブ要求を送信した無線端末は、店舗12内に存在するOA機器などである可能性が高い。プローブ要求の電波強度が強く、数時間にわたって受信されている場合、当該プローブ要求を送信した無線端末は、店舗12の従業員などである可能性が高い。これらのデータは、顧客の行動履歴に着目する場合にはノイズとなる。
一方、プローブ要求の電波強度が比較的強く、数分〜数時間にわたって受信されている場合、当該プローブ要求を送信した無線端末は、店舗の来店客の無線端末である可能性が高い。無線端末からのプローブ要求の電波強度が比較的弱い場合、又は、無線端末からのプローブ要求の電波強度が比較的強くても、数秒〜数分にわたってしか受信されなかった場合、当該プローブ要求を送信した無線端末は、店舗の外側を通過した通行人の無線端末である可能性が高い。
このように、プローブ要求の電波強度の強弱に関する1以上の閾値と、電波強度が強い状態の継続時間に関する1以上の閾値とを用いて、1以上の連続ログ情報を3以上のグループに分類してもよい。これにより、ログ情報をデータ処理する場合にノイズとなるログ情報を予め除去することができる。
分布算出部830は、電波強度に関する情報及び中継装置識別情報に基づいて、1以上の中継装置ごとに、複数のグループのそれぞれについて、1以上の中継装置のそれぞれにおいて受信されたプローブ要求の電波強度を変量とする確率分布又は規格化された度数分布を算出する。
分類基準調整部840は、複数のグループのうちの少なくとも2つのグループの確率分布又は規格化された度数分布に基づいて、分類基準を調整する。分類基準調整部840は、ログ情報分類部820による分類結果の誤差が予め定められた条件に合致するように、分類基準として予め定められた電波強度の値を調整する。
例えば、2つのグループの確率分布又は規格化された度数分布に基づいて、分類基準を調整する場合、本来、第1のグループに含まれるべきデータが、第1のグループに含まれない(即ち、第2のグループに含まれてしまう)という誤差の生じる確率が、第1の閾値より小さなり、かつ、本来、第2のグループに含まれるべきデータが、第2のグループに含まれない(即ち、第1のグループに含まれてしまう)という誤差の生じる確率が、第2の閾値より小さくなるように、2つのグループを分類する電波強度の値を調整する。第1の閾値と第2の閾値とは同一の値であってもよく、異なる値であってもよい。分類基準調整部840は、分類基準の調整を複数回繰り返してよい。これにより、分類基準を精度よく算出することができる。
図9は、分類基準の調整方法の一例を概略的に示す。図9において、縦軸は、プローブ要求の受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)示す。横軸は、規格化された度数(頻度と称される場合もある。)を示す。実線は、アクセスポイント102において、RSSIが−60dB以下のプローブ要求が約30分以上にわたって観察された場合のデータを用いて生成した規格化された度数分布910を示す。点線は、アクセスポイント102において、RSSIが−60dB以下のプローブ要求が約30分以上にわたって観察された場合のデータ以外のデータを用いて生成した規格化された度数分布920を示す。
度数分布910は、店舗12に来店しなかったユーザの無線端末からのプローブ要求のRSSIの分布を示していると考えられる。度数分布920は、店舗12に来店したユーザの無線端末からのプローブ要求のRSSIの分布を示していると考えられる。
度数分布910及び度数分布920は、プローブ要求のデータを2つに分類するRSSIの閾値が−60dBという条件のもとで作成されているが、図9を参照すれば、店舗12に来店しなかったユーザを、店舗12に来店したと判断する可能性が非常に小さく、RSSIの閾値が−60dBという条件は非常に厳格な条件であったことが分かる。
例えば、ユーザが、店舗12に入店したことを自動的に検出してクーポンチケットを発行するような場合には、非常に厳格な条件を用いることが好ましい。しかし、店舗12の来客状況を把握する場合には、プローブ要求のデータを2つに分類するRSSIの閾値を−80dB程度に調整することで、より実態に即したデータが得られることが分かる。
このように、分類基準調整部840が、複数のグループのうちの少なくとも2つのグループの確率分布又は規格化された度数分布に基づいて分類基準を調整することで、データ処理の目的に応じた適切な結果が得られる。端末位置判定モジュール634が分類基準調整部840を有することで、端末位置判定モジュール634は、無線端末がローカルエリアの範囲内に存在するか否かをより適切に判定することができる。その結果、位置提供サーバ120は、精度のよい端末位置情報及び端末属性情報を提供することができる。
図10は、情報提供システム1000の一例を、通信回線10、無線端末22、行動履歴提供サーバ80及びクライアント端末90とともに示す。本実施形態において、情報提供システム1000は、情報配信サーバ140と、情報統合システム1020とを備える。情報統合システム1020は、アクセスポイント102と、アクセスポイント104と、基地局106と、位置提供サーバ120と、統合サーバ1022とを備える。情報提供システム1000、情報統合システム1020及び統合サーバ1022のそれぞれは、情報照合装置及び情報処理システムの少なくとも一方の一例であってよい。
行動履歴提供サーバ80は、1以上の行動履歴情報を格納する。1以上の行動履歴情報は、1以上の無線端末のユーザのうち、少なくとも一部のユーザの行動履歴に関する情報であってよい。1以上の行動履歴情報のそれぞれは、1以上の無線端末のユーザのうち、少なくとも一部のユーザを識別するユーザ識別情報と、当該ユーザによってなされた行動に関する情報とが対応付けられた情報であってよい。ユーザによってなされた行動に関する情報は、例えば、当該行動がなされた位置を示す情報と、当該行動がなされた時間を示す情報とを含む。
ユーザ識別情報は、個人の特定につながらないデータであることが好ましい。ユーザ識別情報は、当事者識別情報の一例であってよい。行動がなされた位置を示す情報は、当事者位置情報の一例であってよい。行動がなされた場所を示す情報は、当事者時間情報の一例であってよい。
行動履歴情報は、特定の行動に関与した1以上の当事者のそれぞれを識別する当事者識別情報と、特定の行動がなされた位置を示す当事者位置情報と、特定の行動がなされた時間を示す当事者時間情報とが対応付けられていれば、特に限定されない。行動履歴情報としては、商品の購買履歴、サービスの利用履歴などを例示することができる。
商品の購買履歴又はサービスの利用履歴としては、クレジットカードの利用履歴、POS情報に基づく購買履歴、特定の施設の入退場履歴、会員登録したユーザに特典を付与するサービスの利用履歴などを例示することができる。会員登録したユーザに特典を付与するサービスとしては、ポイントカードサービス、ポイントサービス、ポイントプログラム、ロイヤリティプログラム、マイレージサービス、マイレージプログラムなどを例示することができる。会員登録したユーザに特典を付与するサービスは、鉄道会社、航空会社、高速道路運営会社、企業、企業グループなどにより提供されてよい。
クレジットカードの利用履歴は、例えば、クレジットカード番号と、クレジットカードを利用した店舗と、クレジットカードを利用した時間とが対応付けられた情報を含む。会員登録したユーザに特典を付与するサービスの利用履歴は、例えば、会員IDと、商品を購入又はサービスを利用した店舗と、サービスを利用した時間とが対応付けられた情報を含む。クレジットカード番号、会員IDなどは、更に匿名化された識別記号に置換されていてもよい。
行動履歴情報の他の例としては、RTB(Real Time Bidding)サービスのような広告入札サービスにおける、ビッドリクエスト(入札リクエストと称される場合がある。)を例示することができる。例えば、ユーザが広告枠を有するWebページにアクセスすると、AdExchangeを介して、SSP(Supply Side Platform)からDSP(Demand Side Platform)にビッドリクエストが発行される。
ビッドリクエストには、広告枠を有するWebページを閲覧しているユーザを識別するユーザIDが含まれる。ユーザIDは、例えば、クッキー(Cookie)である。ユーザが、携帯端末上で動作するウェブブラウザを介して、上記Webページを閲覧している場合のように、ビッドリクエストに、緯度、経度などの位置情報が含まれる場合がある。また、AdExchangeからDSPに送信されたビッドリクエストには、100msec程度の入札期限が設定されており、ほぼリアルタイムに広告枠が売買される。したがって、ビッドリクエストと、ビッドリクエストが発行若しくは受信された時間又はビッドリクエストの入札期限とを対応づけて格納することで、1以上のビッドリクエストを行動履歴情報として利用することができる。
行動履歴情報の他の例としては、画像又は映像が撮影された位置及び時間に関する情報が付与された画像データ又は映像データであってよい。本実施形態において、まず、被写体認識アルゴリズムを用いて、画像データ又は映像データから被写体の特徴を抽出する。抽出された被写体の特徴により、被写体を識別することができる。次に、被写体の特徴と、画像又は映像が撮影された位置及び時間に関する情報とを対応付けることで、画像データ又は映像データを行動履歴情報として利用することができる。
行動履歴情報の他の例としては、位置情報を含むSNS(Social Networking Service)上の情報であってよい。位置情報を含むSNS上の情報としては、Geoタグが付与されたTweet、Facebookのチェックイン情報などを例示することができる。例えば、Goeタグが付与されたTweetは、Twitterのアカウントと、当該Tweetが発信された位置情報と、当該Tweetが発信された時間とが対応付けられた情報を含む。
行動履歴提供サーバ80は、ユーザ識別情報に対応付けて、当該ユーザ識別情報により識別されるユーザの属性を特定するユーザ属性情報を更に格納してよい。行動履歴提供サーバ80は、1以上の行動履歴情報を統合サーバ1022に送信する。行動履歴提供サーバ80は、ユーザ識別情報に対応付けて、ユーザ属性情報を統合サーバ1022に送信してもよい。
ユーザ属性情報は、ブラウザの閲覧履歴、インターネット上での検索履歴、Webサイトへのアクセス履歴、オンラインショッピングの購買履歴などに基づいて得られた属性であってよい。ユーザ属性情報は、クッキーを用いた解析により得られた当該クッキーにより識別されるユーザの属性であってもよい。クッキーを用いることで、ブラウザの閲覧履歴、インターネット上での検索履歴、Webサイトへのアクセス履歴、オンラインショッピングの購買履歴などに基づいて、当該クッキーにより識別されるユーザの属性を取得することができる。なお、Webメール、SNSなどのアカウントと、クッキーとを対応づけて解析することで、クッキーが変更された場合であっても、複数のクッキーを名寄せすることができる。これにより、複数のクッキーを名寄せしない場合と比較して、よりユーザの行動特性に応じたサービスを提供することができる。
クライアント端末90は、情報配信サーバ140からの情報を受信する。例えば、クライアント端末90は、クライアント端末90のユーザがWebサイトを閲覧しているときに、情報配信サーバ140から広告情報を受信する。クライアント端末90は、無線端末22のユーザの使用する端末の一例であってよい。
行動履歴提供サーバ80及びクライアント端末90は、情報提供システム1000と情報を送受することができる装置であればよく、Webブラウザソフトが導入されたパーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯端末などであってよい。携帯端末としては、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ(ラップトップ・コンピュータと称される場合がある。)、ウェアラブル・コンピュータなどを例示することができる。
情報提供システム1000は、主に、情報提供システム1000が統合サーバ1022を備える点と、情報配信サーバ140が統合された情報を利用して情報を提供する点とにおいて、情報提供システム100と相違する。情報提供システム1000は、上記の相違点以外の構成については、情報提供システム100と同様の構成を有してよい。例えば、情報提供システム100の場合と同様、情報提供システム1000の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。
情報提供システム100の動作の概要は以下のとおりである。本実施形態において、位置提供サーバ120は、1以上の移動履歴情報を格納する。1以上の移動履歴情報のそれぞれは、端末識別情報と、当該端末識別情報によって識別される無線端末の端末位置情報と、当該無線端末が当該端末位置情報により示される位置に存在した時間を示す端末時間情報とが対応付けられた情報であってよい。位置提供サーバ120は、端末識別情報に対応付けて、当該端末識別情報により識別される無線端末の端末属性情報を更に格納してよい。位置提供サーバ120は、1以上の移動履歴情報を統合サーバ1022に送信する。位置提供サーバ120は、端末識別情報に対応付けて、端末属性情報を統合サーバ1022に送信してもよい。
移動履歴情報は、端末識別情報と、当該端末識別情報により識別される無線端末が存在した位置を示す端末位置情報と、当該無線端末が当該端末位置情報により示される位置に存在した時間を示す端末時間情報とが対応付けられていれば、特に限定されない。図3に関連して説明したデータテーブル300は、移動履歴情報の一例であってよい。
本実施形態において、統合サーバ1022は、行動履歴提供サーバ80が提供する1以上の行動履歴情報と、位置提供サーバ120が提供する1以上の移動履歴情報とを照合して、ユーザ識別情報と端末識別情報とを名寄せ(マッチングと称する場合がある。)する。統合サーバ1022は、移動履歴情報と、複数の種類の行動履歴情報とを照合することで、端末識別情報と、複数の種類のユーザ識別情報とを名寄せしてもよい。例えば、統合サーバ1022は、移動履歴情報と、クレジットカードの利用履歴と、ポイントサービスの利用履歴と、ビッドリクエストに関する情報とを照合することで、MACアドレスと、クレジットカード番号と、ポイントサービスの会員IDと、クッキーとを対応付ける。
統合サーバ1022は、名寄せにより得られたユーザ識別情報及び端末識別情報の対応関係を利用して、ユーザ識別情報に対応付けられたユーザ属性情報と、端末識別情報を対応づけてよい。同様に、端末識別情報に対応付けられた端末属性情報と、ユーザ識別情報とを対応づけてもよく、端末属性情報と、ユーザ属性情報とを対応付けてもよい。
一実施形態において、統合サーバ1022は、クッキー、位置情報及び時間情報を含むビッドリクエストと移動履歴情報とを名寄せすることで、クッキーと端末識別情報との対応関係を示す対応関係情報を取得する。一方、統合サーバ1022は、ビッドリクエストは別に、クッキーと、当該クッキーにより識別されるユーザのユーザ属性情報とが対応付けられた情報を取得する。上記のユーザ属性情報は、クッキーの解析により得られた情報であってよい。次に、統合サーバ1022は、対応関係情報により示される対応関係に基づいて、端末識別情報と、ユーザ属性情報とを対応付ける。このように、統合サーバ1022は、ビッドリクエストにユーザ属性情報が含まれていない場合であっても、端末識別情報とユーザ属性情報とを対応付けることができる。
本実施形態において、情報配信サーバ140は、統合サーバ1022によって統合された情報を利用して、情報の配信先、情報の配信コスト、配信される情報の種類などを決定する。情報配信サーバ140の配信部142は、統合サーバ1022に対して、条件に合致する情報を抽出して応答することを要求する抽出要求を送信する。配信部142は、統合サーバ1022からの応答に基づいて、無線端末22又はクライアント端末90の少なくとも一方に情報を配信する。
情報提供システム1000によれば、ユーザに対して、より有意義な情報を提供することができる。また、広告効果に見合ったコストで広告情報を配信することができる。例えば、RTBにおいて、ビッドリクエストに位置情報が含まれていない場合、又は、広告が配信される地域に関する情報の精度が低い場合であっても、情報提供システム1000によれば、ビッドリクエストに含まれるクッキーと、無線端末の端末識別情報との対応関係とに基づいて、当該端末識別情報により識別される無線端末の現在位置を取得することができる。これにより、広告が配信される地域を精度よく推測することができる。また、情報提供システム1000は、ユーザ属性情報及び端末属性情報に基づいて、配信する広告を選択することができる。その結果、ユーザにより適した広告を配信することができる。
情報提供システム1000の更なる効果について、無線端末22の移動履歴情報を解析することで、「毎日17時頃に店舗12の前を通過する」という端末属性情報と、「店舗12の利用頻度は低い」という端末属性情報が得られている場合を例として説明する。本実施形態によれば、情報提供システム1000は、AdExchangeを介して、クライアント端末90に表示されるべき広告のビッドリクエストを受信する。情報提供システム1000は、受信したビッドリクエストを解析して、ビッドリクエストに、無線端末22の端末識別情報に対応付けられたクッキーが含まれていれば、クライアント端末90に対して店舗12に関する広告を配信する。広告は、クーポン情報であってよい。本実施形態によれば、無線端末22のユーザがクライアント端末90を利用している場合であっても、無線端末22の移動履歴に基づいて、当該ユーザにとって有意義な情報を提供することができる。
情報提供システム1000の更なる効果について、無線端末22のユーザがポイントサービスAの会員であり、店舗12がポイントサービスAの加盟店である場合を例として、情報提供システム1000の効果について説明する。ポイントサービスAの加盟店は、ポイントサービスAのサービス提供場所の一例であってよい。無線端末22のユーザが店舗12に入店すると、アクセスポイント102が無線端末22からのプローブ要求を受信する。位置提供サーバ120は、プローブ要求の電波強度などに基づいて、無線端末22のユーザが店舗12に入店したと判断する。また、位置提供サーバ120は、店舗12の属性情報に基づいて、店舗12がポイントサービスAの加盟店であると判断する。
位置提供サーバ120は、無線端末22のユーザが店舗12に相当するローカルエリア内に存在することと、店舗12がポイントサービスAの加盟店であることとを、情報配信サーバ140に通知する。情報配信サーバ140は、統合サーバ1022にアクセスして、無線端末22の端末識別情報と、ポイントサービスAの会員IDとが対応付けられているか否かを判断する。無線端末22の端末識別情報と、ポイントサービスAの会員IDとが対応付けられている場合、情報配信サーバ140は、無線端末22のユーザに対して、店舗12がポイントサービスAの加盟店であることを通知する。
情報配信サーバ140は、店舗12がポイントサービスAの加盟店であることを示す情報を、Push通知により通知してもよい。情報配信サーバ140は、上記の情報を、無線端末22に対して通知してもよく、店舗12に配された情報端末に通知してもよい。店舗12に配された情報端末としては、表示装置、音声案内装置などを例示することができる。表示装置としては、料金精算所に配されたディスプレイ、キャッシュレジスターの画面などを例示することができる。
情報提供システム1000は、行動履歴情報を利用することで、端末位置判定モジュール634における端末位置の判定精度を向上させることができる。例えば、端末位置を判定すべきログ情報に対応する行動履歴情報が存在する場合において、行動履歴情報が店舗における購買履歴又はサービスの利用履歴である場合、端末位置判定モジュール634は、無線端末が店舗内に存在していたと判断する。端末位置を判定すべきログ情報に対応する行動履歴情報が存在する場合において、行動履歴情報が施設の入退場履歴である場合、端末位置判定モジュール634は、入退場履歴の内容に応じて、無線端末が当該施設内に存在していたか、当該施設外に存在していたかを判断する。
同様にして、情報提供システム1000は、行動履歴情報を利用することで、分類基準調整部840による分類基準の調整精度を向上させることができる。例えば、店舗102における購買履歴は、1以上の無線端末が特定の日時に店舗内に存在したことを示す証拠となる。そこで、ログ情報及び行動履歴を対比することで、行動履歴を用いて、端末位置判定モジュール634における端末位置の判定結果を検証することができる。
情報提供システム1000は、ユーザの明示的な許諾(オプトインと称する場合がある。)を得た後、移動履歴情報の取得、移動履歴情報と行動履歴情報との照合などを開始することが好ましい。情報提供システム1000は、ユーザが行動の追跡を望まない場合は、オプトアウトできるようにすることが好ましい。
図11は、統合サーバ1022の一例を概略的に示す。本実施形態において、統合サーバ1022は、照合部1120と、統合部1140と、要求処理部1160とを備える。照合部1120、統合部1140及び要求処理部1160の各部は互いに情報を送受することができる。照合部1120は、情報照合装置の一例であってよい。統合部1140は、情報統合装置の一例であってよい。
照合部1120は、履歴情報取得部1122と、履歴情報生成部1124と、履歴情報格納部1126と、対応関係生成部1130とを有する。統合部1140は、対応関係取得部1142と、属性情報取得部1144と、統合情報生成部1146とを有する。要求処理部1160は、要求受信部1162と、統合情報制御部1164と、統合情報格納部1166とを有する。
照合部1120は、1以上の行動履歴情報と、1以上の移動履歴情報とを照合する。照合部1120は、位置情報及び時間情報に基づいて、行動履歴情報及び移動履歴情報を名寄せする。照合部1120は、ユーザ識別情報及び端末識別情報の対応関係を示す対応関係情報を生成する。
履歴情報取得部1122は、行動履歴提供サーバ80から、1以上の行動履歴情報を取得する。履歴情報取得部1122は、位置提供サーバ120から、1以上の移動履歴情報を取得する。履歴情報取得部1122は、取得した情報を履歴情報格納部1126に格納する。履歴情報取得部1122は、第1の行動履歴取得部、第2の行動履歴取得部及び移動履歴取得部の少なくとも1つの一例であってよい。
履歴情報生成部1124は、ユーザ識別情報、位置情報及び時間情報が含まれる情報に基づいて、行動履歴を生成する。履歴情報生成部1124は、ユーザ識別情報、位置情報及び時間情報が含まれる情報を、通信回線10に接続された外部のコンピュータから取得してよい。履歴情報生成部1124は、生成された行動履歴情報を履歴情報格納部1126に格納する。履歴情報格納部1126に格納された1以上の行動履歴情報の少なくとも一部は、履歴情報生成部1124により生成された行動履歴であってよい。履歴情報生成部1124は、行動履歴生成部の一例であってよい。
履歴情報生成部1124は、例えば、画像又は映像が撮影された位置及び時間に関する情報が付与された画像データ又は映像データを取得する。履歴情報生成部1124は、被写体認識アルゴリズムを用いて、画像データ又は映像データから被写体の特徴を抽出する。履歴情報生成部1124は、被写体の特徴と、画像又は映像が撮影された位置及び時間に関する情報とを対応付けて、行動履歴情報を生成する。
履歴情報格納部1126は、履歴情報取得部1122が取得した1以上の行動履歴情報及び1以上の移動履歴情報を格納する。履歴情報格納部1126は、履歴情報生成部1124が生成した1以上の行動履歴情報を格納する。
対応関係生成部1130は、1以上の行動履歴情報及び1以上の移動履歴情報を照合して、ユーザ識別情報及び端末識別情報の対応関係を示す対応関係情報を生成する。対応関係生成部1130は、生成した対応関係情報を統合部1140に送信する。
統合部1140は、対応関係情報に基づいて、複数の情報を統合する。対応関係取得部1142は、対応関係生成部1130から対応関係情報を取得する。対応関係取得部1142は、取得した情報を統合情報生成部1146に送信する。
属性情報取得部1144は、行動履歴提供サーバ80から、ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報により識別されるユーザの属性を特定するユーザ属性情報とが対応付けられた情報を取得する。当該情報は、第1の属性情報の一例であってよい。属性情報取得部1144は、位置提供サーバ120から、端末識別情報と、当該端末識別情報により識別される無線端末の端末属性情報とが対応付けられた情報を取得する。当該情報は、第2の属性情報の一例であってよい。属性情報取得部1144は、取得した情報を統合情報生成部1146に送信する。属性情報取得部1144は、第1の属性取得部及び第2の属性取得部の少なくとも一方の一例であってよい。
統合情報生成部1146は、対応関係取得部1142から対応関係情報を受信する。統合情報生成部1146は、属性情報取得部1144から、端末対応情報と対応付けられた端末属性情報を受信する。統合情報生成部1146は、属性情報取得部1144から、ユーザ識別情報と対応付けられたユーザ属性情報を受信する。統合情報生成部1146は、対応関係情報により示されるユーザ識別情報及び端末識別情報の対応関係に基づいて、受信した情報を統合する。
統合情報生成部1146は、対応関係情報により示されるユーザ識別情報及び端末識別情報の対応関係に基づいて、端末識別情報と、ユーザ属性情報とが対応付けられた統合情報を生成してよい。統合情報生成部1146は、対応関係情報により示されるユーザ識別情報及び端末識別情報の対応関係に基づいて、ユーザ識別情報と、端末属性情報とが対応付けられた統合情報を生成してよい。統合情報生成部1146は、対応関係情報により示されるユーザ識別情報及び端末識別情報の対応関係に基づいて、端末識別情報と、ユーザ識別情報と、端末属性情報と、ユーザ属性情報とが対応付けられた統合情報を生成してよい。統合情報生成部1146は、生成した統合情報を要求処理部1160に送信する。
要求処理部1160は、情報配信サーバ140からの要求に応じた処理を実施する。要求受信部1162は、情報配信サーバ140からの要求を受け付ける。情報配信サーバ140からの要求は、統合情報の中から抽出すべき情報を示す抽出条件を含む抽出要求であってよい。要求受信部1162は、情報配信サーバ140から、抽出条件を取得する。要求受信部1162は、抽出条件を統合情報制御部1164に送信する。
統合情報制御部1164は、要求受信部1162から、抽出条件を受信する。統合情報制御部1164は、統合情報格納部1166に格納された統合情報を参照して、抽出条件に合致する情報を抽出する。統合情報制御部1164は、抽出した情報を情報配信サーバ140に送信する。
統合情報格納部1166は、統合情報生成部1146から統合情報を受信する。統合情報格納部1166は、統合情報を格納する。統合情報格納部1166は、統合情報制御部1164からの要求に応じて、抽出条件に合致する情報を統合情報制御部1164に送信する。
図12は、対応関係生成部1130の一例を概略的に示す。本実施形態において、対応関係生成部1130は、履歴情報選択部1222と、条件決定部1224と、履歴情報抽出部1226と、照合情報生成部1228と、照合情報解析部1230とを備える。
履歴情報選択部1222は、照合元となる情報を選択する。履歴情報選択部1222は、選択した情報を条件決定部1224に送信する。1以上の移動履歴情報のそれぞれを照合元とし、1以上の行動履歴情報を照合先とする場合、履歴情報選択部1222は、1以上の移動履歴情報のうちの1つを選択する。1以上の行動履歴情報のそれぞれを照合元とし、1以上の移動履歴情報を照合先とする場合、履歴情報選択部1222は、1以上の行動履歴情報のうちの1つを選択する。履歴情報選択部1222は、選択部の一例であってよい。
条件決定部1224は、履歴情報抽出部1226における抽出条件を決定する。抽出条件は、地理的条件及び時期的条件を含む。地理的条件は、抽出されるべき移動履歴情報又は行動履歴情報に含まれる位置情報に関する条件である。時期的条件は、抽出されるべき移動履歴情報又は行動履歴情報に含まれる時間情報に関する条件である。条件決定部1224は、決定した条件を履歴情報抽出部1226に送信する。
1以上の移動履歴情報のそれぞれを照合元とし、1以上の行動履歴情報を照合先とする場合、条件決定部1224は、履歴情報選択部1222により選択された移動履歴情報に含まれる端末位置情報により示される位置を含み、予め定められた地理的範囲を有するエリアを、地理的条件として設定する。例えば、アクセスポイント102を中心として半径5mの範囲内を地理的条件として設定する。また、条件決定部1224は、履歴情報選択部1222により選択された移動履歴情報に含まれる端末時間情報により示される時間を含み、予め定められた範囲を有する期間を、時期的条件として設定する。例えば、2013年8月3日17時15分を中心として前後3分間の期間を時期的要件として設定する。
1以上の行動履歴情報のそれぞれを照合元とし、1以上の移動履歴情報を照合先とする場合も同様にして、条件決定部1224は、履歴情報選択部1222により選択された行動履歴情報に含まれる端末位置情報により示される位置を含み、予め定められた地理的範囲を有するエリアを、地理的条件として設定する。また、条件決定部1224は、履歴情報選択部1222により選択された行動履歴情報に含まれる端末時間情報により示される時間を含み、予め定められた範囲を有する期間を、時期的要件として設定する。
履歴情報抽出部1226は、条件決定部1224から受信した抽出条件に合致する情報を抽出する。1以上の移動履歴情報のそれぞれを照合元とし、1以上の行動履歴情報を照合先とする場合、履歴情報抽出部1226は、1以上の行動履歴情報の中から、その行動履歴情報に含まれる位置情報により示される位置が地理的条件に合致し、かつ、当該行動履歴情報に含まれる時間情報により示される時間が時期的条件に合致する行動履歴情報を抽出する。履歴情報抽出部1226は、選択された1つの移動履歴情報に対して、1以上の行動履歴情報を抽出してよい。履歴情報抽出部1226は、抽出された行動履歴情報に含まれるユーザ識別情報を、選択された移動履歴情報に含まれる端末識別情報と対応付けて、照合情報生成部1228に送信する。
1以上の行動履歴情報のそれぞれを照合元とし、1以上の移動履歴情報を照合先とする場合も同様にして、履歴情報抽出部1226は、1以上の移動履歴情報の中から、その移動履歴情報に含まれる位置情報により示される位置が地理的条件に合致し、かつ、当該移動履歴情報に含まれる時間情報により示される時間が時期的条件に合致する移動履歴情報を抽出する。履歴情報抽出部1226は、選択された1つの行動履歴情報に対して、1以上の移動履歴情報を抽出してよい。履歴情報抽出部1226は、抽出された移動履歴情報に含まれる端末識別情報を、選択された行動履歴情報に含まれるユーザ識別情報と対応付けて、照合情報生成部1228に送信する。
照合情報生成部1228は、1以上の端末識別情報の少なくとも1つに対して1以上のユーザ識別情報の少なくとも1つが対応付けられた照合情報を生成する。照合情報生成部1228は、生成された1以上の照合情報を照合情報解析部1230に送信する。
1以上の移動履歴情報のそれぞれを照合元とし、1以上の行動履歴情報を照合先とする場合、照合情報生成部1228は、履歴情報選択部1222により選択された移動履歴情報に含まれる端末識別情報と、履歴情報抽出部1226により抽出された1以上の行動履歴情報に含まれるユーザ識別情報とを対応づけて、照合情報を生成する。1以上の行動履歴情報のそれぞれを照合元とし、1以上の移動履歴情報を照合先とする場合も同様にして、照合情報生成部1228は、履歴情報選択部1222により選択された行動履歴情報に含まれるユーザ識別情報と、履歴情報抽出部1226により抽出された1以上の移動履歴情報に含まれる端末識別情報とを対応づけて、照合情報を生成する。
照合情報解析部1230は、照合情報生成部1228が生成した1以上の照合情報を解析して、対応関係情報を生成する。例えば、1以上の移動履歴情報のそれぞれを照合元とし、1以上の行動履歴情報を照合先とする場合、照合情報解析部1230は、同一の端末識別情報を含む照合情報が同じ区分となるように、1以上の照合情報を分類する。次に、同じ区分に分類された照合情報のすべてに含まれるユーザ識別情報を抽出する。抽出されたユーザ識別情報が1つである場合には、当該区分の端末識別情報と、当該ユーザ識別情報とを対応付ける。また、他の区分に分類された照合情報の中から、当該ユーザ識別情報を削除する。すべての区分について同様の処理を実施することで、対応関係情報を生成することができる。
図13は、対応関係生成部1130における処理の一例を概略的に示す。本実施形態によれば、データテーブル1302に格納された位置提供サーバ120が受信したログ情報と、データテーブル1304に格納されたポイントサービスの会員の購買履歴とに基づいて対応関係情報を生成する場合を例として、対応関係生成部1130における処理について説明する。
本実施形態によれば、データテーブル1302と、データテーブル1304とに基づいて、データテーブル1306が生成される。また、データテーブル1306に基づいて、データテーブル1308が生成される。データテーブル1302の各行は、移動履歴情報の一例であってよい。データテーブル1304の各行は、行動履歴情報の一例であってよい。データテーブル1306の各行は、照合情報の一例であってよい。データテーブル1308の各行は、対応関係情報の一例であってよい。
データテーブル1302は、1以上の無線端末のそれぞれのMACアドレス1322と、MACアドレス1322により識別される無線端末からのプローブ要求を受信した中継装置の識別記号1324と、識別記号1324により識別される中継装置において当該プローブ要求が受信された受信日時1326とを対応付けて格納する。データテーブル1304は、商品が購入された店舗名1342と、商品が購入された購入日時1344と、商品を購入した会員の会員ID1346とを対応付けて格納する。
データテーブル1306は、履歴情報選択部1222により選択されたMACアドレス1362と、履歴情報抽出部1226により抽出された会員ID1364とを対応づけて格納する。データテーブル1308は、1以上の無線端末のそれぞれのMACアドレス1382と、MACアドレス1382により識別される無線端末のユーザと同一人物である可能性が高い会員の会員ID1384とを対応付けて格納する。データテーブル1308は、対応関係の信頼度1386を、MACアドレス1382に対応付けて格納してもよい。信頼度1386は、MACアドレス1382に対応付けられている会員ID1384の個数に基づいて算出されてよい。例えば、特定のMACアドレスに対して、2つの会員IDが対応付けられている場合、信頼度は50%である。
本実施形態によれば、下記の手順により対応関係情報が生成される。データテーブル1302によれば、2013年3月10日の午前7時に、アクセスポイント102において、無線端末22から送信されたプローブ要求が受信されている。まず、履歴情報選択部1222が、データテーブル1302に含まれるデータの中から、上記の2013年3月10日の午前7時のデータを選択する。履歴情報選択部1222は、選択された移動履歴情報に含まれるMACアドレス1322を取得する。履歴情報選択部1222は、取得したMACアドレス1322を照合情報生成部1228に送信する。
次に、条件決定部1224が、アクセスポイント102が設置されている店舗を、地理的条件として設定する。また、2013年3月10日の午前6時58分〜午前7時2分までの期間を、時期的条件として設定する。その後、履歴情報抽出部1226が、データテーブル1304に含まれる行動履歴情報の中から、上記の地理的条件及び時期的条件に合致する行動履歴情報を抽出する。履歴情報抽出部1226は、抽出した行動履歴情報に含まれる会員ID1346を取得する。履歴情報抽出部1226は、取得した会員ID1346を照合情報生成部1228に送信する。
次に、照合情報生成部1228が、履歴情報選択部1222から受信したMACアドレス1322と、履歴情報抽出部1226から受信した会員ID1346とを対応付けて、データテーブル1306に格納する。その後、照合情報解析部1230が、データテーブル1306に格納された1以上の照合情報を解析して、対応関係情報を生成する。照合情報解析部1230は、生成された対応関係情報をデータテーブル1308に格納する。
図14は、統合情報を格納するデータテーブル1400の一例を概略的に示す。データテーブル1400の各行は、統合情報の一例であってよい。本実施形態において、データテーブル1400は、1以上の無線端末のそれぞれのMACアドレス1402と、ポイントサービスの会員ID1404と、クッキー1406と、MACアドレス1402に対応付けられた属性情報1412と、会員ID1404に対応付けられた属性情報1414と、クッキー1406に対応付けられた属性情報1416と、MACアドレス1402により識別される無線端末の現在位置を示す端末位置情報1420と、1以上の統合情報のそれぞれを識別するための匿名化された識別情報1430とを含む。
無線端末の現在位置を示す端末位置情報1420は、最後に、当該無線端末からのプローブ要求を受信した中継装置の位置に基づいて決定されてよい。無線端末の現在位置を示す端末位置情報1420は、当該無線端末から送信された位置情報に基づいて決定されてもよい。
データテーブル1400においては、1つの端末識別情報に対して、2つのユーザ識別情報が対応付けられている。データテーブル1400は、端末識別情報及びユーザ識別情報のそれぞれに対応付けられていた属性情報を含む。これにより、例えば、多くの属性情報に基づいて配信される広告を選択することができる。その結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
データテーブル1400においては、各統合情報に対して、匿名化された識別情報1430を付与している。これにより、データテーブル1400に基づいて、MACアドレス1402に対応付けられた属性情報1412と、会員ID1404に対応付けられた属性情報1414と、クッキー1406に対応付けられた属性情報1416と、MACアドレス1402により識別される無線端末の現在位置を示す端末位置情報1420と、1以上の統合情報のそれぞれを識別するための匿名化された識別情報1430とを含む情報を生成することができる。その結果、個人を特定するリスクを抑制しつつ、属性情報を取り扱うことができる。
図10から図14までに関連した実施形態において、照合部1120、統合部1140及び要求処理部1160が同一の統合サーバ1022上で動作する場合について説明した。しかし、情報提供システム1000は本実施形態に限定されない。照合部1120、統合部1140及び要求処理部1160が物理的に異なるサーバ上で動作してもよく、照合部1120、統合部1140及び要求処理部1160が仮想サーバ上で動作してもよい。
図15は、情報提供システム1000における処理の一例を概略的に示す。図15は、情報提供システム1000が、RTB(Real Time Bidding)において、SSPサーバ1500からのビッドリクエストに対して応答する処理の一例を概略的に示す。
本実施形態において、まず、ステップ1502(ステップをSと省略する場合がある。)において、ユーザがWebページにアクセスしてインプレッションが発生する。インプレッションが発生すると、SSPサーバ1500は、Webページからの広告リクエストを受信する。S1504において、SSPサーバ1500は、広告リクエストを分析して、ビッドリクエストを生成する。ビッドリクエストには、ユーザのクッキーが含まれる。SSPサーバ1500は、生成されたビッドリクエストを、AdExchageを介して情報配信サーバ140に送信する。
S1510において、情報配信サーバ140は、受信したビッドリクエストを分析する。例えば、受信したビッドリクエストからユーザのクッキーを抽出する。S1512において、情報配信サーバ140は、ビッドリクエストから抽出されたクッキーを統合サーバ1022に送信し、当該クッキーに対応付けられた属性情報と、当該クッキーにより識別されるユーザの現在位置に関する情報とを送信するよう、要求する。
S1514において、要求受信部1162が、情報配信サーバ140からの要求を受け付ける。次に、統合情報制御部1164が、統合情報格納部1166に格納された統合情報を参照して、情報配信サーバ140から受信したクッキーに対応付けられた属性情報を抽出する。また、当該クッキーに対応付けられた無線端末の現在位置に関する情報を抽出する。S1516において、統合情報制御部1164は、抽出した情報を情報配信サーバ140に送信する。
S1518において、情報配信サーバ140は、ビッドリクエストに含まれる情報と、統合サーバ1022から受信した情報とに基づいて、ビッドレスポンスを生成する。例えば、情報配信サーバ140は、ビッドリクエストに含まれる属性情報と、統合サーバ1022から受信した属性情報と、統合サーバ1022から受信した無線端末の現在位置に関する情報とに基づいて、配信する広告の種類及び入札価格を決定する。情報配信サーバ140は、生成されたビッドレスポンスを、AdExchageを介してSSPサーバ1500に送信する。S1520において、SSPサーバ1500がオークションを実施して、落札者を決定する。
図16は、情報提供システム1000における処理の一例を概略的に示す。図16は、端末位置判定モジュール634における処理の一例を概略的に示す。図6及び図8に関連して説明したとおり、端末位置判定モジュール634は、端末識別情報、中継装置識別情報及び電波強度に関する情報に基づいて、複数のプローブ要求のそれぞれを送信した複数の無線端末のそれぞれが、複数のローカルエリアのいずれか1つの範囲内に存在した否かを判定する。
本実施形態において、端末位置判定モジュール634は、1以上の行動履歴情報及び対応関係情報に基づいて、複数のログ情報のそれぞれに含まれる端末識別情報により識別される無線端末が複数のローカルエリアのいずれか1つの範囲内に存在した否かを判定する。例えば、端末位置判定モジュール634は、対応関係情報を利用して、ログ情報と行動履歴情報とを照合することで、当該ログ情報に含まれる端末識別情報により識別される無線端末が、複数のローカルエリアのいずれか1つの範囲内に存在した否かを判定する。
S1602において、図8に関連して説明したとおり、連続ログ情報生成部810が、複数のログ情報の中から連続ログ情報を抽出する。S1604において、ログ情報分類部820は、連続ログ情報に含まれる端末識別情報、端末位置情報及び受信日時に合致する行動履歴情報を抽出するよう、統合サーバ1022に要求する。次に、要求受信部1162がログ情報分類部820からの要求を受け付け、統合情報制御部1164が条件に合致する行動履歴情報を抽出して、ログ情報分類部820に送信する。
S1610において、ログ情報分類部820は、条件に合致する行動履歴情報が抽出されたか否かを判断する。S1610において、ログ情報分類部820が、条件に合致する行動履歴情報が抽出されたと判断した場合(S1610のYES)、ログ情報分類部820は、抽出された行動履歴情報に基づいて、分類対象の無線端末が、複数のローカルエリアのいずれか1つの範囲内に存在した否かを判定する。例えば、行動履歴情報が店舗において商品を購入したことを示している場合、ログ情報分類部820は、分類対象の無線端末が、当該店舗内に存在したと判定する。行動履歴情報が特定の施設の入退室情報であり、当該施設から退出したことを示している場合、ログ情報分類部820は、分類対象の無線端末が当該施設外に存在したと判定する。
一方、S1614において、ログ情報分類部820が、条件に合致する行動履歴情報が抽出されたと判断した場合(S1610のNo)、図8の説明と同様、例えば、電波強度に基づいて、分類対象の無線端末が、複数のローカルエリアのいずれか1つの範囲内に存在した否かを判定する。ログ情報分類部820は、分類すべきログ対象がなくなるまで、同様の処理を繰り返し、分類すべきログ対象がなくなると処理を終了する。
電波強度に基づいて、分類対象の無線端末が、複数のローカルエリアのいずれか1つの範囲内に存在した否かを判定した場合、一定の確率で判定ミスが生じる。しかし、行動履歴情報を利用して、分類対象の無線端末が、複数のローカルエリアのいずれか1つの範囲内に存在した否かを判定することで、当該判定処理の精度を向上させることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。