以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
図1は、情報配信システム100の一例を概略的に示す。本実施形態において、情報配信システム100は、情報収集サーバ110及び情報配信サーバ120を備える。情報配信サーバ120は、配信情報格納部122と、配信対象決定部124と、配信部126とを備える。本実施形態において、情報収集サーバ110及び情報配信サーバ120は、通信ネットワーク10を介して、互いに情報を送受する。また、情報収集サーバ110及び情報配信サーバ120は、通信ネットワーク10を介して、中継装置12、無線端末22及び無線端末24の少なくとも1つとの間で情報を送受する。
情報収集サーバ110は、属性決定装置及び情報抽出システムの少なくとも一方の一例であってよい。無線端末22及び無線端末24は、複数の無線端末の一例であってよい。無線端末22及び無線端末24は、複数の無線端末の少なくとも1つの一例であってもよい。配信対象決定部124は、抽出条件取得部の一例であってよい。
通信ネットワーク10は、無線端末22及び無線端末24の少なくとも一方と、中継装置12との間で情報を伝達する。通信ネットワーク10は、中継装置12と、情報収集サーバ110及び情報配信サーバ120の少なくとも一方との間で情報を伝達する。通信ネットワーク10は、無線端末22及び無線端末24の少なくとも一方と、情報収集サーバ110及び情報配信サーバ120の少なくとも一方との間で情報を伝達する。
通信ネットワーク10は、有線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。通信ネットワーク10は、インターネット、専用回線、無線通信網又はそれらの組み合わせであってもよい。無線通信網における通信方式は、移動体通信方式であってもよく、無線データ通信方式であってもよい。移動体通信方式としては、3G方式、LTE方式、4G方式などを例示することができる。無線データ通信方式としては、ZigBee(登録商標)又はBluetooth(登録商標)のような無線PAN方式、WiFi(登録商標)のような無線LAN方式、WiMAX(登録商標)のような無線MAN方式、無線WAN方式などを例示することができる。
中継装置12は、無線端末22及び無線端末24の少なくとも一方と、情報収集サーバ110及び情報配信サーバ120の少なくとも一方との間の通信を中継する。中継装置12としては、アクセスポイント、基地局などを例示することができる。中継装置12は、無線端末22及び無線端末24の少なくとも一方からの無線信号を受信して、当該無線信号に含まれる端末識別情報を取得してもよい。端末識別情報は、1以上の無線端末のそれぞれを識別する情報であってよい。中継装置12は、取得された端末識別情報と、当該端末識別情報の取得時刻と、中継装置12の識別情報とを対応付けて、情報収集サーバ110に送信してよい。
無線信号は、中継装置12における無線端末の認証処理及びアソシエーション処理の少なくとも一方が完了する前に、無線端末から送信された信号であってもよい。このような無線信号としては、プローブ要求、位置登録要求、アソシエーション処理中に送受される信号などを例示することができる。無線信号に含まれる端末識別情報としては、MACアドレス、Bluetooth(登録商標)対応デバイスを識別するためのBDアドレス(BD_ADDRと称される場合がある。)、ZigBee(登録商標)対応デバイスを識別するためのアドレス(ZigBeeIDと称される場合がある。)などを例示することができる。
無線端末22は、通信ネットワーク10に接続された機器と情報を送受する。無線端末22は、複数の通信方式に対応してもよい。例えば、無線端末22は、3G方式、LTE方式、4G方式などの移動体通信方式と、無線LAN方式、無線MAN方式などの無線通信方式との両方の通信方式に対応する。
無線端末22は、一般的な構成の情報処理装置において、無線端末22の各部の動作を規定したソフトウエア又はプログラムを起動することにより実現されてよい。無線端末22としては、Webブラウザソフトが導入されたパーソナルコンピュータ、携帯端末などを例示することができる。携帯端末としては、携帯電話、スマートホン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータなどを例示することができる。
無線端末22は、GPS信号を受信するGPS受信装置を備えてよい。これにより、無線端末22は、無線端末22の位置を示す位置情報を取得することができる。無線端末22は、上記の位置情報と、当該位置情報の取得時刻と、無線端末22の識別情報とを対応付けて、情報収集サーバ110に送信してよい。無線端末24は、無線端末24と同様の構成を有してよい。
本実施形態において、情報配信システム100は、無線端末22及び無線端末24の少なくとも一方に広告情報を配信する。広告情報は、無線端末のユーザに対して告知される情報であれば、その内容は特に限定されない。広告情報は、広告提供者の商品又はサービスに関する情報であってもよい。商品又はサービスに関する情報は、商品又はサービスの割引情報(クーポン情報と称される場合がある。)、イベントの告知情報などであってよい。
商品又はサービスに関する情報の他の例としては、広告提供者が公共交通機関である場合、広告情報は、運休情報、遅延情報、渋滞情報などであってよい。また、広告提供者が天気予報サービスを提供する事業者又は行政機関である場合、広告情報は、局所的な豪雨、落雷、突風などに関する警報又は注意報であってよい。広告情報は、災害に関する情報であってもよい。広告情報は、特定の地域に関する情報であってもよい。
情報配信システム100の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。また、プログラムが実行されることにより、コンピュータが、情報配信システム100の少なくとも一部として機能してもよい。プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、情報配信システム100の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。
コンピュータを情報配信システム100の少なくとも一部として機能させるプログラムは、情報配信システム100の各部の動作を規定したモジュールを備えてよい。これらのプログラム又はモジュールは、プロセッサ、通信インターフェース、GPS情報取得装置等に働きかけて、コンピュータを情報配信システム100の各部として機能させたり、コンピュータに情報配信システム100における情報処理方法を実行させたりする。
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータに読込まれることにより、ソフトウエアと、情報配信システム100の各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた情報配信システム100を構築することができる。
情報収集サーバ110は、無線端末22及び無線端末24に関する様々な情報を収集する。情報収集サーバ110は、無線端末22及び無線端末24のそれぞれから、無線端末22及び無線端末24のそれぞれに関する情報を取得してよい。情報収集サーバ110は、中継装置12から、無線端末22及び無線端末24のそれぞれに関する情報を取得してもよい。
一実施形態において、情報収集サーバ110は、無線端末22及び無線端末24の位置を示す位置情報を取得する。他の実施形態において、情報収集サーバ110は、無線端末22及び無線端末24のそれぞれの移動パターンを示す情報を取得する。位置情報及び移動パターンは、移動履歴の一例であってよい。
本実施形態において、情報収集サーバ110は、位置情報及び移動パターンの少なくとも一方に基づいて、無線端末22及び無線端末24の少なくとも一方の属性を決定する。情報収集サーバ110は、無線端末の属性を、当該無線端末の端末識別情報に対応付けて格納してよい。
無線端末の端末識別情報は、無線端末を一意に識別することができる情報であれば、特に限定されない。端末識別情報としては、MACアドレス、Bluetooth(登録商標)対応デバイスを識別するためのBDアドレス(BD_ADDRと称される場合がある。)、ZigBee(登録商標)対応デバイスを識別するためのアドレス(ZigBeeIDと称される場合がある。)などの無線端末に固有のID;各種のSIM(Subscriber Identity Module)カードに記録された無線端末に固有のID番号;無線端末の契約者ごとに割り当てられた契約者に固有のID(契約者固有IDと称される場合がある。また、通信キャリアによって、端末製造番号、ユーザID、iモード(登録商標)ID、サブスクライバID、EZ番号、端末シリアル番号などと称される場合がある。)などを例示することができる。
無線端末の端末識別情報は、特定のアプリケーションにより割り当てられ、当該アプリケーションが当該無線端末を一意に識別するために利用する情報であってもよい。アプリケーションが無線端末を一意に識別するための情報としては、PUSH通知に利用されるトークン、SNS(social networking service)などのWebサービスのアカウントなどを例示することができる。
情報配信サーバ120は、無線端末22及び無線端末24の少なくとも一方に広告情報を配信する。本実施形態において、配信情報格納部122は、1以上の広告情報のそれぞれを識別する広告識別情報と、1以上の広告情報のそれぞれの配信条件を示す情報とを対応付けて格納する。広告識別情報は、広告情報が記録された電子ファイルの名称又は格納場所を識別する情報であってよい。電子ファイルの格納場所を識別する情報としては、電子ファイルのURI、URLなどを例示することができる。広告情報の配信条件としては、当該広告情報のターゲットの属性、位置などを例示することができる。
配信対象決定部124は、1以上の広告情報のそれぞれの配信対象を決定する。例えば、配信対象決定部124は、配信情報格納部122を参照して、配信すべき広告情報の配信条件を抽出する。配信対象決定部124は、情報収集サーバ110に対して、抽出された配信条件に含まれる位置及び属性に合致する無線端末の端末識別情報を要求する。配信対象決定部124は、上記の要求の応答として、配信条件に合致する無線端末の端末識別情報を受け取り、配信対象として決定する。
他の実施形態において、配信対象決定部124は、情報収集サーバ110に対して、配信条件に合致する無線端末の端末識別情報及び位置情報を要求する。配信対象決定部124は、上記の要求の応答として、配信条件に含まれる属性に合致する無線端末の端末識別情報及び位置情報を受け取る。配信対象決定部124は、情報収集サーバ110から受け取った情報に基づいて、配信条件に含まれる位置に合致する無線端末の端末識別情報を抽出して、配信対象として決定する。
配信部126は、配信対象決定部124により配信対象として決定された無線端末に、広告情報を配信する。広告情報の配信方法は特に限定されない。例えば、配信部126は、PUSH通知により広告情報を配信する。配信部126は、無線端末にインストールされたブラウザにより表示される広告枠に、広告情報を配信してもよい。
本実施形態において、情報収集サーバ110及び情報配信サーバ120が異なるサーバである場合について説明した。しかし、情報収集サーバ110及び情報配信サーバ120は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、情報収集サーバ110及び情報配信サーバ120の機能が、同一のサーバにより実現されてもよい。
図2は、情報収集サーバ110の一例を概略的に示す。本実施形態において、情報収集サーバ110は、位置情報取得部210と、移動パターン取得部220と、類似端末抽出部230と、属性決定部240と、配信条件取得部250と、配信対象抽出部260と、格納部270とを備える。情報収集サーバ110の各部は、互いに情報を送受してよい。
本実施形態において、格納部270は、位置情報格納部272と、移動パターン格納部274と、エリア情報格納部276と、端末属性格納部278とを備える。位置情報取得部210及び移動パターン取得部220の少なくとも一方は、移動履歴取得部の一例であってよい。属性決定部240は、決定部の一例であってよい。配信条件取得部250は、抽出条件取得部の一例であってよい。配信対象抽出部260は、対象端末抽出部の一例であってよい。
位置情報取得部210は、無線端末22及び無線端末24の位置を示す位置情報を取得する。位置情報取得部210は、無線端末22及び無線端末24のそれぞれから位置情報を取得してもよく、中継装置12から無線端末22及び無線端末24のそれぞれの位置情報を取得してもよい。本実施形態において、位置情報取得部210は、無線端末の位置情報を、当該無線端末の端末識別情報に対応付けて、位置情報格納部272に格納する。
無線端末の位置情報は、当該位置情報が取得された時刻と、当該時刻における当該無線端末の位置を示す情報とを含む。無線端末の位置を示す情報は、当該無線端末からの信号を受信した中継装置の位置を示す情報であってもよい。位置を示す情報としては、緯度及び経度、住所などを例示することができる。位置情報は、移動履歴の一例であってよい。
移動パターン取得部220は、無線端末22及び無線端末24のそれぞれの移動パターンを示す情報を取得する。位置情報取得部210は、無線端末22及び無線端末24のそれぞれから移動パターンを示す情報を取得してもよく、中継装置12から無線端末22及び無線端末24のそれぞれの移動パターンを示す情報を取得してもよい。移動パターン取得部220は、無線端末22及び無線端末24のそれぞれの位置情報を解析して、無線端末22及び無線端末24のそれぞれの移動パターンを示す情報を取得してもよい。本実施形態において、移動パターン取得部220は、無線端末の移動パターンを、当該無線端末の端末識別情報に対応付けて、移動パターン格納部274に格納する。
無線端末の移動パターンを示す情報は、例えば、特定の期間における無線端末の移動ルートを示す。特定の期間における無線端末の移動ルートとしては、1日の移動ルート、平日の移動ルート、休日の移動ルート、拠点エリアから出発して拠点エリアに帰着するまでの移動ルートなどを例示することができる。無線端末の移動パターンを示す情報は、予め定められた時間帯ごとの無線端末の移動状況を示す情報であってもよい。無線端末の移動パターンを示す情報は、特定の期間における無線端末の移動ルート、予め定められた時間帯ごとの無線端末の移動状況を、N−gramモデルを利用して解析した解析結果であってもよい。移動パターンを示す情報は、移動履歴の一例であってよい。
移動パターン取得部220は、例えば、下記の手順に従って、無線端末の位置情報を解析し、当該無線端末の移動ルート又は移動状況を取得する。まず、特定の時刻に取得された第1の位置情報により示される位置を基点として設定する。次に、第1の位置情報の後に取得された1以上の位置情報により示される位置と、基点となる位置との距離とを、1以上の位置情報の取得された時刻に従って、順次、比較する。第1の位置情報の後に取得された位置情報により示される位置と、基点となる位置との距離が、予め定められた値よりも大きくなった場合に、無線端末が移動したと判断する。なお、上記の距離が予め定められた値よりも小さい間は、無線端末が、基点又は基点を含むエリアに滞在していると判断する。その後、移動後の位置を基点として、上記の手順を繰り返すことで、移動ルート又は移動状況を取得することができる。
類似端末抽出部230は、例えば、位置の経時変化、移動パターンなどが類似する2以上の無線端末を抽出する。類似端末抽出部230は、同行する2以上の無線端末を抽出してもよい。類似端末抽出部230は、抽出された2以上の無線端末の端末識別情報を、属性決定部240に送信してよい。
一実施形態において、類似端末抽出部230は、位置情報格納部272を参照して、複数の無線端末の中から、位置の経時変化が類似する2以上の無線端末又は同行する2以上の無線端末の端末識別情報を抽出する。他の実施形態において、類似端末抽出部230は、移動パターン格納部274を参照して、複数の無線端末の中から、移動パターンが類似する2以上の無線端末又は同行する2以上の無線端末の端末識別情報を抽出する。
属性決定部240は、無線端末22及び無線端末24の少なくとも一方の属性を決定する。一実施形態において、属性決定部240は、類似端末抽出部230により抽出された2以上の無線端末のうちの第1の無線端末に付与された属性に基づいて、2以上の無線端末のうちの第2の無線端末に付与する属性を決定する。例えば、無線端末22及び無線端末24の移動パターンが類似する場合において、無線端末22に付与された属性の一部を、無線端末24に付与することを決定する。無線端末22及び無線端末24は、それぞれ、第1の無線端末及び第2の無線端末の一例であってよい。
特定の無線端末の位置情報の履歴に基づいて、当該無線端末に付与する属性を決定する場合、例えば、年齢、性別が既知である多数のユーザの無線端末の位置情報を統計的に解析して得られたパターンと、特定の無線端末の位置情報の履歴とを比較することが考えられる。しかし、上記の方法により決定できる属性は、年齢、性別などの一部の属性に限定される。例えば、上記の方法により「海によく行く」という属性を決定することができた場合であっても、「趣味が釣りである」という属性を決定することは容易ではない。位置情報の履歴を解析して「趣味が釣りである」という属性を決定するには、非常に詳細な解析が必要となる。そのため、属性の決定を自動化したり、多数の無線端末の属性を決定したりすることが難しい。
本実施形態によれば、例えば、無線端末22及び無線端末24の移動パターンが類似する場合に、無線端末22に付与された属性に基づいて、無線端末24に付与する属性を決定する。そのため、属性ごとの統計的なパターンに基づいて属性を決定することが困難な場合であっても、属性を決定することができる。また、無線端末22の属性の中には、通信サービスの契約者情報、ユーザにより入力された情報などに基づく属性が含まれる場合がある。通信サービスの契約者情報、ユーザにより入力された情報などに基づく属性は、属性ごとの統計的なパターンに基づいて決定された属性と比較して、当該属性の確からしさを示す確度が高い。本実施形態によれば、無線端末22の確度の高い属性に基づいて、無線端末24に付与する属性を決定することができる。そのため、無線端末24に付与する属性を精度よく決定することができる。無線端末22及び無線端末24が同行している場合には、本実施形態の効果がより顕著に表れる。
他の実施形態において、属性決定部240は、例えば、第1の無線端末及び第2の無線端末の位置の経時変化、第1の無線端末及び第2の無線端末の移動パターンなどに基づいて、第1の無線端末及び第2の無線端末に、第1の無線端末及び第2の無線端末の関係を示す属性(関係属性と称する場合がある。)を付与することを決定する。
関係属性は、第1の無線端末のユーザと、第2の無線端末のユーザの人間関係を示す属性であってよい。人間関係を示す属性としては、同一人物、家族、父、母、兄、姉、弟、妹、同僚、上司、部下、友人、知人、同窓生、先輩、後輩などを例示することができる。
配信条件取得部250は、配信対象決定部124から、広告情報の配信条件を取得する。配信条件は、抽出条件の一例であってよい。配信対象抽出部260は、格納部270を参照して、配信条件に合致する無線端末の端末識別情報を抽出する。配信対象抽出部260は、格納部270に格納された複数のデータベースを参照して、配信条件に合致する無線端末の端末識別情報を抽出してもよい。
例えば、配信条件が、特定の属性を付与された無線端末に関する情報を抽出することを指示する条件である場合、配信対象抽出部260は、端末属性格納部278を参照して、配信条件により指示された属性の付与された無線端末の端末識別情報を抽出する。配信対象抽出部260は、配信対象抽出部260は、位置情報格納部272及び端末属性格納部278を参照して、配信条件に合致する無線端末の端末識別情報及び位置情報を抽出してもよい。配信条件が、特定のエリア内に存在する無線端末であって、特定の属性を付与された無線端末に関する情報を抽出することを指示する条件である場合、配信対象抽出部260は、位置情報格納部272及び端末属性格納部278を参照して、配信条件により指示された属性が付与されており、且つ、配信条件により指示されたエリア内に存在する無線端末の端末識別情報を抽出する。
配信条件は、特に限定されない。配信条件は、特定の時刻又は期間に特定のエリア内に存在する無線端末であって、特定の属性を付与された無線端末の端末識別情報を抽出することを指示する条件であってもよい。配信条件は、1以上の端末識別情報により識別される無線端末のうち、特定の属性を付与された無線端末の端末識別情報を抽出することを指示する条件であってもよい。配信条件は、1以上の端末識別情報により識別される無線端末のそれぞれに付与された属性情報を抽出することを指示する条件であってもよい。
格納部270は、各種の情報を格納する。位置情報格納部272、移動パターン格納部274及び端末属性格納部278は、端末識別情報をキーとして、互いに対応づけられていてもよい。移動パターン格納部274及びエリア情報格納部276は、エリア識別情報をキーとして、互いに対応付けられていてもよい。
位置情報格納部272は、複数の無線端末のそれぞれの位置を示す情報を格納する。例えば、位置情報格納部272は、複数の無線端末のそれぞれの端末識別情報と、複数の無線端末のそれぞれの位置を示す情報と、当該位置を示す情報が取得された時刻を示す情報とを対応付けて格納する。なお、上記の時刻の表記は特に限定されない。また、上記の時刻は正確であることが好ましいが、数分〜数十分の誤差があってもよい。
移動パターン格納部274は、複数の無線端末のそれぞれの移動パターンを示す情報を格納する。例えば、移動パターン格納部274は、複数の無線端末のそれぞれの端末識別情報と、複数の無線端末のそれぞれの移動パターンを示す情報とを対応付けて格納する。
エリア情報格納部276は、1以上のエリアのそれぞれの属性を示す情報を格納する。例えば、エリア情報格納部276は、1以上のエリアのそれぞれを識別するエリア識別情報と、1以上のエリアのそれぞれの属性を示す情報とを対応付けて格納する。エリア属性としては、当該エリアの主な利用時間、当該エリアの主な利用用途、当該エリアの主な利用者の属性などを例示することができる。利用用途としては、住宅、集合住宅、学校、オフィス、工場、商業施設、飲食店、娯楽施設などを例示することができる。利用者の属性としては、利用者の年齢、性別、趣味などを例示することができる。
端末属性格納部278は、複数の無線端末のそれぞれの属性を示す情報を格納する。例えば、端末属性格納部278は、複数の無線端末のそれぞれの端末識別情報と、複数の無線端末のそれぞれに付与された1以上の属性を示す情報とを対応付けて格納する。
本実施形態において、格納部270が位置情報格納部272、移動パターン格納部274、エリア情報格納部276及び端末属性格納部278を有する場合について説明した。しかし、格納部270は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、格納部270は、位置情報格納部272、移動パターン格納部274、エリア情報格納部276及び端末属性格納部278の少なくとも2つが統合されたデータベースを有してもよい。
図3は、属性決定部240の一例を概略的に示す。本実施形態において、属性決定部240は、属性抽出部310と、属性付与部320とを備える。属性付与部320は、抽出属性付与部及び関係属性付与部の一例であってよい。
本実施形態において、属性抽出部310は、類似端末抽出部230により抽出された2以上の無線端末の端末識別情報を取得する。例えば、属性抽出部310は、類似端末抽出部230の抽出結果として、無線端末22及び無線端末24の端末識別情報を取得する。
本実施形態において、属性抽出部310は、端末属性格納部278を参照して、無線端末22及び無線端末24のそれぞれに付与された属性を比較する。属性抽出部310は、無線端末24に付与された1以上の属性の中から、無線端末22に付与されていない属性を抽出する。複数の無線端末のそれぞれに付与された1以上の属性のそれぞれの確度を示す情報が、端末属性格納部278に格納されている場合、属性抽出部310は、無線端末24に付与された1以上の属性の中から、無線端末22に付与されていない属性のうち、当該属性の確度が予め定められた値よりも大きな属性を抽出してよい。属性抽出部310は、抽出された属性を属性付与部320に送信する。
属性付与部320は、無線端末22及び無線端末24の少なくとも一方に、特定の属性を付与することを決定する。一実施形態において、属性付与部320は、属性抽出部310により抽出された1以上の属性を示す情報を取得する。属性付与部320は、無線端末22に、属性抽出部310により抽出された属性を付与することを決定する。属性付与部320は、無線端末22の端末識別情報と、属性抽出部310により抽出された属性を示す情報とを対応付けて、端末属性格納部278に格納する。
他の実施形態において、属性付与部320は、類似端末抽出部230により抽出された2以上の無線端末の端末識別情報を取得する。例えば、属性付与部320は、類似端末抽出部230の抽出結果として、無線端末22及び無線端末24の端末識別情報を取得する。
属性付与部320は、無線端末22及び無線端末24の移動パターンに基づいて、無線端末22の拠点エリア、無線端末24の拠点エリア、並びに、無線端末22及び無線端末24の合流エリア、共通エリア及び分岐エリアからなる群から選択される少なくとも1つのエリアを決定してよい。
拠点エリアは、移動の拠点となるエリアであってよい。拠点エリアは、例えば、無線端末のユーザの居住地である。拠点エリアとしては、無線端末の滞在時間が予め定められた値よりも大きなエリア、無線端末の移動の起点及び終点となるエリアを例示することができる。
拠点エリアの候補が複数ある場合、属性が住宅又は集合住宅であるエリアを拠点エリアとして決定してよい。拠点エリアの候補が複数ある場合において、無線端末の深夜の移動頻度が小さく昼間の移動頻度が大きい場合、早朝〜昼間の時間帯に移動の起点となっているエリアを拠点エリアとして決定してよい。一方、無線端末の昼間の移動頻度が小さく深夜の移動頻度が大きい場合、夕方〜夜間の時間帯に移動の起点となっているエリアを拠点エリアとして決定してよい。
合流エリアは、2以上の無線端末の移動ルートが合流するエリアであってよい。2以上の無線端末の移動ルートが同時期に合流する場合、合流エリアは、2以上の無線端末が一緒に移動する同行ルートの起点となる。合流エリアとしては、無線端末のユーザの職場、公共交通機関の乗降場所などを例示することができる。
共通エリアは、2以上の無線端末の移動ルートが共通又は重複するエリアであってよい。2以上の無線端末の移動ルートが同時期に重複する場合、2以上の無線端末は同行している。共通エリアとしては、道路、線路、航路などを例示することができる。
分岐エリアは、同一のルートを移動していた2以上の無線端末の移動ルートが分岐するエリアであってよい。2以上の無線端末の移動ルートが同時期に分岐する場合、分岐エリアは、2以上の無線端末が一緒に移動する同行ルートの終点となる。分岐エリアとしては、無線端末のユーザの職場、公共交通機関の乗降場所などを例示することができる。
属性付与部320は、無線端末22及び無線端末24に、無線端末22及び無線端末24の関係を示す属性を付与することを決定する。属性付与部320は、無線端末22及び無線端末24の移動パターンに基づいて、無線端末22及び無線端末24に、無線端末22及び無線端末24の関係を示す属性を付与することを決定してよい。無線端末の関係を示す属性は、無線端末のユーザの人間関係を示す属性であってよい。
例えば、無線端末22及び無線端末24の移動パターンの類似度が予め定められた値よりも大きい場合、属性付与部320は、無線端末22及び無線端末24に、「同一人物」という属性を付与することを決定する。無線端末22及び無線端末24の拠点エリアが同一である場合、属性付与部320は、無線端末22及び無線端末24に、「家族」という属性を付与することを決定する。
属性付与部320は、無線端末22及び無線端末24の移動パターンと、無線端末22及び無線端末24の移動ルート上の1以上のエリアの属性とに基づいて、無線端末22及び無線端末24に付与する属性を決定してよい。無線端末22及び無線端末24に付与する属性は、無線端末22及び無線端末24の関係を示す属性であってよく、同一人物、家族、同僚、友人、知人及び同窓生からなる群から選択される少なくとも1つの属性であってよい。
属性付与部320は、無線端末22の拠点エリア、無線端末24の拠点エリア、並びに、無線端末22及び無線端末24の合流エリア、共通エリア及び分岐エリアからなる群から選択される少なくとも1つのエリアに付与された属性に基づいて、無線端末22及び無線端末24に、無線端末22及び無線端末24の関係を示す属性を付与することを決定してもよい。上記のエリアの属性は、利用用途であってよい。
例えば、無線端末22及び無線端末24の合流エリアの利用用途が「オフィス」である場合、属性付与部320は、無線端末22及び無線端末24に「同僚」又は「知人」という属性を付与することを決定する。無線端末22及び無線端末24が合流エリアを起点として同行する頻度が予め定められた値よりも多い場合、属性付与部320は、無線端末22及び無線端末24に「同僚」という属性を付与することを決定してよい。
無線端末22及び無線端末24の合流エリアの利用用途が「学校」である場合、属性付与部320は、無線端末22及び無線端末24に「友人」又は「同窓生」という属性を付与することを決定してよい。無線端末22及び無線端末24が同行する頻度が予め定められた値よりも多い場合、属性付与部320は、無線端末22及び無線端末24に「友人」という属性を付与することを決定してよい。
属性付与部320は、無線端末22の拠点エリアからの出発時刻、無線端末22の拠点エリアへの帰着時刻、無線端末24の拠点エリアからの出発時刻、無線端末24の拠点エリアへの帰着時刻、並びに、無線端末22及び無線端末24の合流時刻及び解散時刻からなる群から選択される少なくとも1つの時刻に基づいて、無線端末22及び無線端末24に、無線端末22及び無線端末24の関係を示す属性を付与することを決定してもよい。これにより、無線端末22及び無線端末24に、より確度の高い属性を付与することができる。
属性付与部320は、無線端末22及び無線端末24の移動パターンと、無線端末22及び無線端末24の移動ルート上の1以上のエリアの属性と、無線端末22及び無線端末24のユーザの年齢及び性別の少なくとも一方とに基づいて、無線端末22及び無線端末24に、父、母、兄、姉、弟、妹、上司、部下、先輩及び後輩からなる群から選択される少なくとも1つの属性を付与することを決定してよい。上記のエリアの属性は、利用用途であってよい。
属性付与部320は、無線端末22の端末識別情報と、無線端末22及び無線端末24の関係を示す属性とを対応付けて、端末属性格納部278に格納する。属性付与部320は、無線端末24の端末識別情報と、無線端末22及び無線端末24の関係を示す属性とを対応付けて、端末属性格納部278に格納する。
図4は、データテーブル400の一例を概略的に示す。データテーブル400は、位置情報格納部272に格納される情報の一例であってよい。本実施形態において、データテーブル400は、端末ID410と、端末ID410で示される無線端末の位置を示す端末位置420と、端末位置420を取得した時刻を示す取得時刻430と、端末位置420の精度を示す位置精度440とを対応付けて格納する。端末ID410は、端末識別情報の一例であってよい。位置精度440は、GPS信号の電波強度、中継装置12で受信された電波の電波強度、無線装置で受信した中継装置12からの電波の電波強度などを示す情報であってもよい。
図5は、データテーブル500の一例を概略的に示す。データテーブル500は、移動パターン格納部274に格納される情報の一例であってよい。本実施形態において、データテーブル500は、端末ID510と、端末ID510で示される無線端末の移動パターン520とを対応付けて格納する。データテーブル500は、移動パターン520と、無線端末が移動パターン520で示されるルートを移動していた時に、当該無線端末に同行していた無線端末を示す同行端末ID530とを対応付けて格納してもよい。端末ID510は、端末識別情報の一例であってよい。
移動パターン520は、移動ルート522と、移動時刻524とを含んでもよい。本実施形態において、移動パターン520は、無線端末の移動ルートを2gramモデルで表現している。なお、無線端末の移動ルートの表現方法は2gramモデルに限定されない。無線端末の移動ルートの表現方法は3gramモデルであってもよく、Ngramモデル以外のモデルによって表現されてもよい。
図5には、2014年9月1日の無線端末22の移動ルートが記載されている。図5によれば、無線端末22は、10時から11時の間にエリアAを出発して、エリアB及びエリアCを経由して、18時から19時の間にエリアAに帰着している。また、無線端末22は、11時から12時の間エリアBに滞在し、13時から14時の間エリアCに滞在し、15時から18時の間にエリアBに滞在していることがわかる。
図6は、データテーブル600の一例を概略的に示す。データテーブル600は、エリア情報格納部276に格納される情報の一例であってよい。データテーブル600は、エリアID610と、エリアID610により識別されるエリアの地理的範囲を示すエリア位置620と、エリアID610により識別されるエリアの属性を示すエリア属性630とを対応付けて格納する。
図7は、データテーブル700の一例を概略的に示す。データテーブル700は、端末属性格納部278に格納される情報の一例であってよい。データテーブル700は、端末ID710と、端末ID710で識別される無線端末の属性を示す端末属性720とを対応づけて格納する。本実施形態において、端末属性720は、属性種別722と、属性種別722の内容724とを含む。端末ID710は、端末識別情報の一例であってよい。
データテーブル700は、1以上の端末属性720のそれぞれと、端末属性720の確からしさを示す確度730とを対応づけて格納してもよい。本実施形態において、確度730を、確度の高低に基づいて設定された複数の区分(ランクと称する場合がある。)を用いて表現している。しかし、確度730の表現方法は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、確度の高低を百分率で表現してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。