以下では、本発明に係る映像信号処理装置及び映像信号処理方法について、実施の形態に基づいて図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る映像信号処理装置は、左眼用画像と右眼用画像とをフレームシーケンシャル方式で含む三次元映像信号を処理する映像信号処理装置であって、左眼用重畳画像と右眼用重畳画像とを生成するOSD制御部と、生成した左眼用重畳画像と右眼用重畳画像とを左眼用画像と右眼用画像とに重畳する重畳部とを備えることを特徴とする。具体的には、OSD制御部は、左眼用重畳画像を生成するための左眼用パラメータを保持する第1レジスタと、右眼用重畳画像を生成するための右眼用パラメータを保持する第2レジスタと、第1レジスタと第2レジスタとを切り替えて左眼用重畳画像と右眼用重畳画像とを生成するOSD処理部とを備える。
まず、実施の形態1に係る映像信号処理装置を含む映像信号処理システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る映像信号処理装置100を含む映像信号処理システム10の構成を示すブロック図である。
図1に示す映像信号処理システム10は、デジタルビデオレコーダ20と、デジタルテレビ30と、シャッタメガネ40とを備える。また、デジタルビデオレコーダ20とデジタルテレビ30とは、HDMI(High Definition Multimedia Interface)ケーブル41によって接続されている。
デジタルビデオレコーダ20は、映像信号記録再生装置の一例であり、記録媒体42に記録されている三次元映像信号のフォーマットを変換し、変換した三次元映像信号を、HDMIケーブル41を介してデジタルテレビ30に出力する。なお、フォーマットの変換は、例えば、フレームレートの変換、画像サイズの変換、及び走査方式の変換などである。
また、記録媒体42は、例えば、BD(Blu−ray Disc)などの光ディスク、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気ディスク、又は、不揮発性メモリなどである。
デジタルテレビ30は、映像表示装置の一例であり、デジタルビデオレコーダ20からHDMIケーブル41を介して入力される三次元映像信号、又は、放送波43に含まれる三次元映像信号のフォーマットを変換し、変換した三次元映像信号に含まれる三次元映像を表示する。なお、放送波43は、例えば、地上デジタルテレビ放送、及び衛星デジタルテレビ放送などである。
シャッタメガネ40は、三次元映像を見るために視聴者が装着するメガネであって、例えば、液晶シャッタメガネである。シャッタメガネ40は、左眼用液晶シャッタと右眼用液晶シャッタとを備え、デジタルテレビ30が表示する映像と同期してシャッタの開閉を制御することができる。
なお、デジタルビデオレコーダ20は、放送波43に含まれる三次元映像信号、又は、インターネットなどの通信網を介して取得した三次元映像信号のフォーマットを変換してもよい。また、デジタルビデオレコーダ20は、外部の装置から外部入力端子(図示せず)を介して入力された三次元映像信号のフォーマットを変換してもよい。
同様に、デジタルテレビ30は、記録媒体42に記録されている三次元映像信号のフォーマットを変換してもよい。また、デジタルテレビ30は、デジタルビデオレコーダ20以外の外部の装置から、外部入力端子(図示せず)を介して入力された三次元映像信号のフォーマットを変換してもよい。
また、デジタルビデオレコーダ20とデジタルテレビ30とは、HDMIケーブル41以外の規格のケーブルによって接続されていてもよく、あるいは、無線通信網により接続されていてもよい。
以下では、デジタルビデオレコーダ20、及びデジタルテレビ30の詳細な構成について説明する。まず、デジタルビデオレコーダ20について説明する。
図1に示すように、デジタルビデオレコーダ20は、入力部21と、デコーダ22と、映像信号処理装置100と、HDMI通信部23とを備える。
入力部21は、記録媒体42に記録されている三次元映像信号51を取得する。三次元映像信号51は、例えば、MPEG−4 AVC/H.264などの規格に基づいて圧縮符号化された符号化三次元映像を含んでいる。
デコーダ22は、入力部21によって取得された三次元映像信号51を復号することで、入力三次元映像信号52を生成する。
映像信号処理装置100は、デコーダ22によって生成された入力三次元映像信号52を処理することで、出力三次元映像信号53を生成する。映像信号処理装置100の詳細な構成及び動作については、後で説明する。
HDMI通信部23は、映像信号処理装置100によって生成された出力三次元映像信号53を、HDMIケーブル41を介してデジタルテレビ30に出力する。
なお、デジタルビデオレコーダ20は、生成した出力三次元映像信号53を、当該デジタルビデオレコーダ20が備える記憶部(HDD及び不揮発性メモリなど)に記憶してもよい。あるいは、当該デジタルビデオレコーダ20に着脱可能な記録媒体(光ディスクなど)に記録してもよい。
また、デジタルビデオレコーダ20は、HDMIケーブル41以外の手段によってデジタルテレビ30と接続されている場合は、HDMI通信部23の代わりに、当該手段に対応した通信部を備えていてもよい。例えば、デジタルビデオレコーダ20は、接続手段が無線通信網である場合は無線通信部を、接続手段が他の規格に従ったケーブルである場合は、当該規格に対応する通信部を備える。なお、デジタルビデオレコーダ20は、これら複数の通信部を備え、複数の通信部を切り替えて利用してもよい。
続いて、デジタルテレビ30について説明する。
図1に示すように、デジタルテレビ30は、入力部31と、デコーダ32と、HDMI通信部33と、映像信号処理装置100と、表示パネル34と、トランスミッタ35とを備える。
入力部31は、放送波43に含まれる三次元映像信号54を取得する。三次元映像信号54は、例えば、MPEG−4 AVC/H.264などの規格に基づいて圧縮符号化された符号化三次元映像を含んでいる。
デコーダ32は、入力部31によって取得された三次元映像信号54を復号することで、入力三次元映像信号55を生成する。
HDMI通信部33は、デジタルビデオレコーダ20のHDMI通信部23から出力された出力三次元映像信号53を取得し、入力三次元映像信号56として映像信号処理装置100に出力する。
映像信号処理装置100は、入力三次元映像信号55及び56を処理することで、出力三次元映像信号57を生成する。映像信号処理装置100の詳細な構成及び動作については、後で説明する。
表示パネル34は、出力三次元映像信号57に含まれる三次元映像を表示する。三次元映像は、視差を有する左眼用画像と右眼用画像とを含んでいる。左眼用画像が視聴者の左眼に、右眼用画像が視聴者の右眼にそれぞれ選択的に入射されることで、視聴者は、映像を立体的に感じることが可能となる。
トランスミッタ35は、無線通信を用いて、シャッタメガネ40のシャッタの開閉を制御する。例えば、表示パネル34に左眼用画像と右眼用画像とがピクチャ毎に交互に表示される場合は、トランスミッタ35は、表示パネル34に左眼用画像が表示されている期間にシャッタメガネ40の左眼用液晶シャッタを開け、右眼用液晶シャッタを閉じる。これにより、視聴者の左眼のみに左眼用画像が入射される。また、トランスミッタ35は、表示パネル34に右眼用画像が表示されている期間にシャッタメガネ40の右眼用液晶シャッタを開け、左眼用液晶シャッタを閉じる。これにより、視聴者の右眼のみに右眼用画像が入射される。
なお、視聴者の左眼と右眼とに選択的に画像を入射する方法は、これに限られない。例えば、表示パネル34が左眼用画像と右眼用画像とにそれぞれ異なる偏光をかけ、視聴者が、シャッタメガネ40の代わりに、それぞれの偏光に対応する左眼用偏光フィルタと右眼用偏光フィルタとを有する偏光メガネを用いてもよい。
なお、デジタルテレビ30は、デジタルビデオレコーダ20と同様に、HDMIケーブル41以外の手段によってデジタルビデオレコーダ20と接続されている場合は、HDMI通信部33の代わりに、当該手段に対応した通信部を備えていてもよい。
続いて、実施の形態1に係る映像信号処理装置100が処理する三次元映像信号の一例について説明する。実施の形態1に係る映像信号処理装置100は、図2に示すように、左眼用画像と右眼用画像とをフレームシーケンシャル方式で含む三次元映像信号を処理する。なお、図2は、フレームシーケンシャル方式の三次元映像信号の一例を示す図である。
図2に示す三次元映像信号に含まれる画像は、フルハイビジョン画像(1920×1080)であり、フレームレートは24Hz、走査方式はプログレッシブ方式となっている。また、図2に示す三次元映像信号は、左眼用画像と右眼用画像とを1ピクチャ毎に交互に含んでいるフレームシーケンシャル方式の三次元映像信号である。
また、図2には、水平同期信号(hreset)、垂直同期信号(vreset)、LRID(Left−Right ID)信号、及びFID(Frame ID)信号が示されている。
水平同期信号(hreset)は、水平ラインの区切りを示す信号である。具体的には、水平同期信号(hreset)は、パルスを含み、当該パルスによって左眼用画像又は右眼用画像の1ラインの区切りを示している。
垂直同期信号(vreset)は、ピクチャの区切りを示す信号である。具体的には、垂直同期信号(vreset)は、パルスを含み、当該パルスによって左眼用画像又は右眼用画像の1ピクチャの区切りを示している。
LRID信号は、ピクチャが左眼用画像であるか右眼用画像であるかを示す信号である。図2に示す例では、LRID信号がLow状態である場合は、ピクチャが左眼用画像であることを示し、LRID信号がHigh状態である場合は、ピクチャが右眼用画像であることを示す。
FID信号は、1フレーム期間毎にLow状態とHigh状態とを繰り返す信号である。図2に示す例では、1フレームは、フルハイビジョン画像である左眼用画像(1920×1080)と、フルハイビジョン画像である右眼用画像(1920×1080)とから構成される。
以下では、実施の形態1に係る映像信号処理装置100の詳細な構成及び動作について説明する。なお、図1に示したように、実施の形態1に係る映像信号処理装置100は、映像信号記録再生装置に備えられていてもよく、映像表示装置に備えられていてもよい。ここでは、映像信号記録再生装置の一例であるデジタルビデオレコーダ20が備える映像信号処理装置100について説明する。
図3は、実施の形態1に係る映像信号処理装置100の構成を示すブロック図である。映像信号処理装置100は、所定のピクセルレート(動作周波数)で動作する。図3に示すように、映像信号処理装置100は、画像処理部110と、映像出力部170と、同期信号生成部180とを備える。なお、映像信号処理装置100に入力された入力三次元映像信号52は、一時的にDRAM(Dynamic Random Access Memory)などのメモリに格納される。
画像処理部110は、入力三次元映像信号52が一時的に格納されるメモリから左眼用画像及び右眼用画像を読み出し、リサイズ、及び画像合成などを行う。また、画像処理部110は、映画の字幕、メニュー画像などの二次元画像から左眼用重畳画像及び右眼用重畳画像を生成し、生成した左眼用重畳画像及び右眼用重畳画像をそれぞれ左眼用画像及び右眼用画像に重畳する。
なお、左眼用重畳画像は、左眼用画像に重畳される画像であって、例えば、映画の字幕、メニュー画像などのOSD(On Screen Display)画像の画素位置を水平方向にずらすことによって生成される左眼用OSD画像である。また、右眼用重畳画像は、右眼用画像に重畳される画像であって、例えば、映画の字幕、メニュー画像などのOSD画像の画素位置を水平方向にずらすことによって生成される右眼用OSD画像である。
なお、例えば、左眼用画像は、左眼用画像メモリ201に格納され、右眼用画像は、右眼用画像メモリ202に格納される。また、左眼用OSD画像を生成するためのOSD画像は、左眼用OSDメモリ203に格納され、右眼用OSD画像を生成するためのOSD画像は、右眼用OSDメモリ204に格納される。
左眼用OSD画像と右眼用OSD画像とが全く同一のOSD画像から生成される場合は、左眼用OSDメモリ203及び右眼用OSDメモリ204のいずれか一方のみが備えられていればよい。
左眼用画像メモリ201、右眼用画像メモリ202、左眼用OSDメモリ203、及び右眼用OSDメモリ204は、DRAMなどのメモリである。これらメモリは、物理的に異なるメモリであってもよく、あるいは、論理的に分割された物理的に1つのメモリであってもよく、あるいは、時間的に分割された物理的に1つのメモリであってもよい。また、図3には、これらのメモリは、映像信号処理装置100の外部メモリである例を示したが、映像信号処理装置100がこれらのメモリを備えていてもよい。
画像処理部110は、図3に示すように、主画面処理部120と、OSD制御部150と、OSD重畳部160とを備える。なお、画像処理部110は、同期信号生成部180によって生成される水平同期信号及び垂直同期信号に基づいて、映像出力部170と同期しながら処理を行う。
主画面処理部120は、左眼用画像メモリ201から左眼用画像を読み出し、読み出した左眼用画像のリサイズを行う。さらに、主画面処理部120は、右眼用画像メモリ202から右眼用画像を読み出し、読み出した右眼用画像のリサイズを行う。図3に示すように、主画面処理部120は、メモリ制御部121と、リサイズ部122とを備える。
メモリ制御部121は、リサイズ部122からの要求に応じて、左眼用画像メモリ201及び右眼用画像メモリ202に対するデータの読み出し及び書き込みを制御する。具体的には、メモリ制御部121は、左眼用画像又は右眼用画像を示す画像データの読み出し及び書き込みを制御する。
リサイズ部122は、メモリ制御部121を介して左眼用画像メモリ201から左眼用画像を読み出し、読み出した左眼用画像をリサイズ、すなわち、拡大又は縮小する。リサイズされた左眼用画像は、OSD重畳部160へ出力される。さらに、リサイズ部122は、メモリ制御部121を介して右眼用画像メモリ202から右眼用画像を読み出し、読み出した右眼用画像をリサイズ、すなわち、拡大又は縮小する。リサイズされた右眼用画像は、OSD重畳部160へ出力される。例えば、リサイズ部122は、左眼用画像と右眼用画像とをシーケンシャルに読み出し、左眼用画像及び右眼用画像をそれぞれリサイズする。なお、リサイズ部122は、読み出した左眼用画像及び右眼用画像をリサイズすることなく、OSD重畳部160へ出力してもよい。
なお、主画面処理部120は、リサイズ以外の処理を行ってもよい。例えば、主画面処理部120は、走査方式の変換(インターレース方式からプログレッシブ方式、又はプログレッシブ方式からインターレース方式)、又は、画像の切り出しを行ってもよい。
OSD制御部150は、左眼用OSDメモリ203及び右眼用OSDメモリ204から第1画像及び第2画像を読み出し、読み出した第1画像及び第2画像を用いて左眼用重畳画像及び右眼用重畳画像を生成する。具体的には、OSD制御部150は、左眼用OSDメモリ203から第1OSD画像を読み出し、読み出した第1OSD画像を用いて左眼用OSD画像を生成する。また、OSD制御部150は、右眼用OSDメモリ204から第2OSD画像を読み出し、読み出した第2OSD画像を用いて右眼用OSD画像を生成する。
図3に示すように、OSD制御部150は、メモリ制御部151と、第1レジスタ152と、第2レジスタ153と、OSD処理部154とを備える。
メモリ制御部151は、OSD処理部154からの要求に応じて、左眼用OSDメモリ203及び右眼用OSDメモリ204に対するデータの読み出し及び書き込みを制御する。
第1レジスタ152は、左眼用OSD画像を生成するための左眼用パラメータを保持するレジスタである。具体的には、第1レジスタ152は、第1OSD画像の画素位置を水平方向にずらす(シフトさせる)ための左眼用パラメータを保持する。例えば、左眼用パラメータは、水平方向への画素位置のずらし量を示す。
なお、第1レジスタ152は、所定の画像の表示位置を示す二次元用パラメータを保持していてもよい。
第2レジスタ153は、右眼用OSD画像を生成するための右眼用パラメータを保持するレジスタである。具体的には、第2レジスタ153は、第2OSD画像の画素位置を水平方向にずらす(シフトさせる)ための右眼用パラメータを保持する。例えば、右眼用パラメータは、水平方向への画素位置のずらし量を示す。なお、第1OSD画像と第2OSD画像とは、同じであってもよい。
OSD処理部154は、垂直同期信号(vreset)に基づいて第1レジスタ152と第2レジスタ153とを切り替えることで、左眼用画像と同期させて第1レジスタ152から左眼用パラメータを取得し、右眼用画像と同期させて第2レジスタ153から右眼用パラメータを取得する。言い換えると、OSD処理部154は、左眼用画像を処理する期間には第1レジスタ152から左眼用パラメータを取得し、右眼用画像を処理する期間には第2レジスタ153から右眼用パラメータを取得する。具体的には、OSD処理部154は、LRID信号がLow状態である期間に第1レジスタ152を選択し、LRID信号がHigh状態である期間に第2レジスタ153を選択する。
OSD処理部154は、左眼用パラメータ及び右眼用パラメータを用いて左眼用OSD画像及び右眼用OSD画像を生成する。例えば、OSD処理部154は、左眼用パラメータが示すずらし量だけ、第1OSD画像を水平方向にずらすことで左眼用OSD画像を生成する。同様に、OSD処理部154は、右眼用パラメータが示すずらし量だけ、第2OSD画像を水平方向にずらすことで右眼用OSD画像を生成する。
なお、第1レジスタ152及び第2レジスタ153は、画素位置のずらし量を示すパラメータだけではなく、画像の切り出し位置などを示す切り出しパラメータを保持していてもよい。この場合、OSD処理部154は、第1レジスタ152及び第2レジスタ153から切り出しパラメータを取得し、取得したパラメータに基づいて第1OSD画像及び第2OSD画像を切り出すことで、左眼用OSD画像及び右眼用OSD画像を生成する。
また、第1レジスタ152及び第2レジスタ153は、第1OSD画像及び第2OSD画像の表示位置を示すパラメータを保持していてもよい。OSD処理部154は、第1OSD画像の表示位置と第2OSD画像の表示位置とを異ならせることで、視差を有する左眼用OSD画像及び右眼用OSD画像を生成することができる。
また、OSD処理部154は、入力された映像信号が二次元映像信号である場合、第1レジスタ152に保持された二次元用パラメータを取得し、取得した二次元用パラメータを用いて所定のOSD画像の表示位置を制御することで、二次元用のOSD画像を生成してもよい。
OSD重畳部160は、左眼用OSD画像及び右眼用OSD画像を合成画像に重畳することで、出力画像を生成する。具体的には、OSD重畳部160は、左眼用画像に左眼用OSD画像を重畳し、かつ、右眼用画像に右眼用OSD画像を重畳する。生成された出力画像は、映像出力部170へ出力される。
映像出力部170は、出力画像をHDMI通信部23へ出力する。このとき、映像出力部170は、同期信号生成部180によって生成された水平同期信号(hreset)及び垂直同期信号(vreset)に基づいて、画像処理部110と同期しながら動作する。
同期信号生成部180は、水平同期信号(hreset)及び垂直同期信号(vreset)を生成する。例えば、同期信号生成部180は、入力された三次元映像信号の走査方式、フレームレート、及び画像サイズ、並びに映像信号処理装置100の動作周波数に基づいて、水平同期信号及び垂直同期信号を生成する。
例えば、映像信号処理装置100は、148.5MHzのピクセルレート(動作周波数)で動作する場合を想定する。さらに、ここでは、図3に示すように、入力された三次元映像信号の走査方式はプログレッシブ方式であり、フレームレートは24Hz、画像サイズはフルハイビジョン画像(1920×1080)である場合を想定する。
同期信号生成部180は、映像信号処理装置100の動作周波数のクロック信号のパルスをカウントすることで、水平同期信号(hreset)を生成する。つまり、同期信号生成部180は、カウント値が第1閾値(図2に示す例では、2749(カウント値が0から開始した場合))に達した場合にLow状態からHigh状態となるパルスを含む水平同期信号(hreset)を生成する。
なお、第1閾値は、有効画像期間(1920画素)とブランキング期間(830画素)との合計値である。ブランキング期間は、有効画像期間の前のみ、後のみ、又は前後に位置する期間であって、動作周波数、フレームレート、画像サイズによって決定される。
また、同期信号生成部180は、水平同期信号(hreset)に含まれるパルスの数をカウントすることで、垂直同期信号(vreset)を生成する。つまり、同期信号生成部180は、カウント値が第2閾値(図2に示す例では、1124(カウント値が0から開始した場合))に達した場合にLow状態からHigh状態となるパルスを含む垂直同期信号(vreset)を生成する。
なお、第2閾値は、有効画像期間(1080ライン)とブランキング期間(45ライン)との合計値である。ブランキング期間は、有効画像期間の前のみ、後のみ、又は前後に位置する期間であって、動作周波数、フレームレート、画像サイズによって決定される。
以上のようにして生成された水平同期信号(hreset)及び垂直同期信号(vreset)は、画像処理部110及び映像出力部170へ出力される。すなわち、画像処理部110と映像出力部170とは、同一の同期信号に基づいて動作する。
次に、左眼用画像及び右眼用画像に左眼用OSD画像及び右眼用OSD画像を重畳する処理について説明する。図4は、実施の形態1に係るOSD画像の重畳処理を示す模式図である。
図2に示したように、実施の形態1に係る三次元映像信号は、左眼用画像と右眼用画像とをフレームシーケンシャル方式で含んでいる。すなわち、図4に示すように、OSD重畳部160には、主画面処理部120から、左眼用画像と右眼用画像とが1ピクチャ毎に交互に入力される。このとき、左眼用画像と右眼用画像とのピクチャの区切りは、同期信号生成部180によって生成される垂直同期信号(vreset)によって判断される。
OSD制御部150は、上述のように、第1レジスタ152と第2レジスタ153とを切り替えながら、左眼用OSD画像と右眼用OSD画像とをピクチャ単位でシーケンシャルに生成する。このとき、OSD制御部150は、垂直同期信号(vreset)のパルスが入力される度に、第1レジスタ152と第2レジスタ153とを切り替える。これにより、OSD制御部150は、左眼用OSD画像と右眼用OSD画像とを1ピクチャ毎に交互に生成する。したがって、図4に示すように、OSD重畳部160には、OSD制御部150から左眼用OSD画像と右眼用OSD画像とが1ピクチャ毎に交互に入力される。
OSD重畳部160には、同期信号生成部180によって生成された水平同期信号(hreset)及び垂直同期信号(vreset)が入力される。入力される水平同期信号(hreset)及び垂直同期信号(vreset)に基づいて、OSD重畳部160は、左眼用画像に左眼用OSD画像を重畳し、そして、右眼用画像に右眼用OSD画像を重畳する。OSD重畳部160は、垂直同期信号(vreset)によって左眼用画像と右眼用画像とのピクチャの区切り、すなわち、左眼用OSD画像と右眼用OSD画像との区切りを判断することができる。
このようにして、OSD重畳部160は、左眼用OSD画像が重畳された左眼用出力画像と、右眼用OSD画像が重畳された右眼用出力画像とを1ピクチャ毎に交互に生成する。生成された左眼用出力画像と右眼用出力画像とは、映像出力部170へ出力される。映像出力部170は、左眼用出力画像と右眼用出力画像とをフレームシーケンシャル方式で含む映像を、出力映像としてHDMI通信部23へ出力する。
次に、実施の形態1に係る映像信号処理装置100の動作について説明する。
図5は、実施の形態1に係る映像信号処理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、主画面処理部120はそれぞれ、左眼用画像と右眼用画像とをシーケンシャルに処理する(S110)。
具体的には、主画面処理部120は、左眼用画像メモリ201から左眼用画像を読み出し、読み出した左眼用画像をリサイズすることで左眼用画像を処理する。続いて、主画面処理部120は、右眼用画像メモリ202から右眼用画像を読み出し、読み出した右眼用画像をリサイズすることで右眼用画像を処理する。
次に、OSD制御部150は、左眼用OSD画像と右眼用OSD画像とを生成する(S120)。具体的には、OSD制御部150が備えるOSD処理部154が、第1レジスタ152と第2レジスタ153とを垂直同期信号(vreset)に基づいて切り替えながら、シーケンシャルに左眼用OSD画像と右眼用OSD画像とを生成する。
続いて、OSD重畳部160は、左眼用OSD画像と右眼用OSD画像とを合成画像に重畳する(S130)。OSD重畳部160が行う重畳処理の詳細は、図6を用いて後で説明する。重畳により生成された出力画像は、映像出力部170へ出力される。
最後に、映像出力部170は、出力画像を出力する(S140)。具体的には、水平同期信号(hreset)及び垂直同期信号(vreset)に基づいて、左眼用出力画像と右眼用出力画像とを1ピクチャ毎に交互に出力する。
続いて、実施の形態1に係る重畳処理の詳細について説明する。図6は、実施の形態1に係るOSD重畳部160の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、OSD重畳部160は、水平同期信号(hreset)の検出を行う(S131)。水平同期信号(hreset)のパルスが検出された場合(S131でYes)、OSD重畳部160は、1ライン分の左眼用画像に1ライン分の左眼用OSD画像を重畳する(S132)。OSD重畳部160は、垂直同期信号(vreset)のパルスが検出されるまで、左眼用OSD画像の重畳を繰り返す(S133)。
OSD重畳部160が垂直同期信号(vreset)のパルスを検出した場合(S133でYes)、水平同期信号(hreset)の検出を行う(S134)。水平同期信号(hreset)のパルスが検出された場合(S134でYes)、OSD重畳部160は、1ライン分の右眼用画像に1ライン分の右眼用OSD画像を重畳する(S135)。OSD重畳部160は、垂直同期信号(vreset)のパルスが検出されるまで、右眼用OSD画像の重畳を繰り返す(S136)。
さらに、OSD重畳部160は、三次元映像信号が終了するまで、あるいは、左眼用OSD画像及び右眼用OSD画像が終了するまで、以上の重畳処理(S131〜S136)を繰り返す(S137)。
以上のようにして、OSD重畳部160は、左眼用OSD画像の重畳と右眼用OSD画像の重畳とをピクチャ単位でシーケンシャルに行う。言い換えると、OSD重畳部160は、第1期間に左眼用画像に左眼用OSD画像を重畳し、第1期間とは異なる第2期間に右眼用画像に右眼用OSD画像を重畳する。第1期間と第2期間とは、垂直同期信号によって定められる期間である。
なお、上記の説明では、重畳処理を1ライン毎に行う構成について説明したが、1ピクチャ毎に行ってもよい。
以上のように、実施の形態1に係る映像信号処理装置100は、左眼用重畳画像を生成するための左眼用パラメータを保持する第1レジスタ152と、右眼用重畳画像を生成するための右眼用パラメータを保持する第2レジスタ153と、左眼用重畳画像及び右眼用重畳画像を生成するOSD処理部154とを備える。
従来の二次元映像を出力する映像信号処理装置は、例えば、重畳画像を生成するためのパラメータを保持するレジスタと、パラメータを用いて重畳画像を生成するOSD処理部とを備えている。したがって、実施の形態1に係る映像信号処理装置100は、さらに、新たなレジスタを1つ備えるだけで、従来のレジスタを第1レジスタ152として用い、新たなレジスタを第2レジスタ153として用い、従来のOSD処理部を本実施の形態に係るOSD処理部154として用いることができる。
これにより、実施の形態1に係る映像信号処理装置100は、従来の映像信号処理装置の回路構成を大幅に変更することなく実現可能であり、コストの増加を抑制することができるとともに、三次元映像信号を処理することが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る映像信号処理装置は、左眼用画像と右眼用画像とをラインシーケンシャル方式で含む三次元映像信号を処理する映像信号処理装置であって、左眼用重畳画像を生成する左眼用OSD制御部と、右眼用重畳画像を生成する右眼用OSD制御部とを備えることを特徴とする。左眼用OSD制御部は、左眼用重畳画像を生成するための左眼用パラメータを保持するレジスタと、左眼用パラメータを用いて左眼用重畳画像を生成する左眼用OSD処理部とを備える。右眼用OSD制御部は、右眼用重畳画像を生成するための右眼用パラメータを保持するレジスタと、右眼用パラメータを用いて右眼用重畳画像を生成する右眼用OSD処理部とを備える。言い換えると、実施の形態2に係る映像信号処理装置は、2つのレジスタと、2つのOSD処理部とを備えることを特徴とする。
まず、実施の形態2に係る映像信号処理装置が処理する三次元映像信号の一例について説明する。実施の形態2に係る映像信号処理装置は、図7に示すように、左眼用画像と右眼用画像とをラインシーケンシャル方式で含む三次元映像信号を処理する。なお、図7は、ラインシーケンシャル方式の三次元映像信号の一例を示す図である。
図7に示す三次元映像信号に含まれる画像は、フルハイビジョン画像(1920×1080)であり、フレームレートは60Hz、走査方式はインターレース方式となっている。また、図7に示す三次元映像信号は、左眼用画像と右眼用画像とを1ライン毎に交互に含んでいるラインシーケンシャル方式の三次元映像信号である。
また、図7には、映像出力用の水平同期信号(hreset1)、重畳処理用の水平同期信号(hreset2)、垂直同期信号(vreset)、LRID信号、及びFID信号が示されている。
映像出力用の水平同期信号(hreset1)は、水平ラインの区切りをピクチャ毎に示す信号である。すなわち、映像出力用の水平同期信号(hreset1)は、パルスを含み、当該パルスによって左眼用画像の水平ラインの区切りと、右眼用画像の水平ラインの区切りとを示す。
重畳処理用の水平同期信号(hreset2)は、水平ラインの区切りをフレーム毎に示す信号である。具体的には、重畳処理用の水平同期信号(hreset2)は、パルスを含み、左眼用画像及び右眼用画像のいずれか一方のラインの区切りのみを示す。図7に示す例では、右眼用画像のラインの区切りを示している。これにより、重畳処理用の水平同期信号(hreset2)が入力された処理部は、左眼用画像と右眼用画像とを1フレームの画像として処理することが可能となる。
図7に示す三次元映像信号では、1フレーム内に1枚の左眼用画像と1枚の右眼用画像とが含まれるため、映像出力用の水平同期信号(hreset1)に一定期間内に含まれるパルスの数は、重畳処理用の水平同期信号(hreset2)に上記期間内に含まれるパルスの数の2倍である。
垂直同期信号(vreset)は、ピクチャの区切りを示す信号である。図7に示す三次元映像信号は、インターレース方式の映像信号であるので、垂直同期信号(vreset)は、フィールドの区切りを示す。
LRID信号は、ピクチャ(フィールド)が左眼用画像であるか右眼用画像であるかを示す信号である。図7に示す例では、LRID信号がLow状態である場合は、ピクチャが左眼用画像であることを示す。LRID信号がHigh状態である場合は、ピクチャが右眼用画像であることを示す。
FID信号は、1フレーム期間毎にLow状態とHigh状態とを繰り返す信号である。図7に示す例では、1フレームは、フルハイビジョン画像である左眼用画像のトップフィールド又はボトムフィールド(1920×540)と、フルハイビジョン画像である右眼用画像のトップフィールド又はボトムフィールド(1920×540)とから構成される。
以下では、実施の形態2に係る映像信号処理装置の詳細な構成及び動作について説明する。図8は、実施の形態2に係る映像信号処理装置300の構成を示すブロック図である。
実施の形態2に係る映像信号処理装置300は、実施の形態1に係る映像信号処理装置100と同様に、図1に示す映像信号処理システム10を構成するデジタルビデオレコーダ20及びデジタルテレビ30に備えられる。
なお、以下では、実施の形態1に係る映像信号処理装置100と同じ構成要素には同じ符号を付しており、説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
図8に示すように、実施の形態2に係る映像信号処理装置300は、画像処理部110の代わりに画像処理部310を備え、同期信号生成部180の代わりに同期信号生成部380を備える。また、画像処理部310は、主画面処理部320と、副画面処理部330と、二画面合成部340と、第1OSD制御部350aと、第2OSD制御部350bと、OSD重畳部360とを備える。
主画面処理部320は、左眼用画像メモリ201から左眼用画像を読み出し、読み出した左眼用画像のリサイズを行う。図8に示すように、主画面処理部320は、メモリ制御部321と、リサイズ部322とを備える。
メモリ制御部321は、リサイズ部322からの要求に応じて、左眼用画像メモリ201に対するデータの読み出し及び書き込みを制御する。具体的には、メモリ制御部321は、左眼用画像を示す画像データの読み出し及び書き込みを制御する。
リサイズ部322は、メモリ制御部321を介して左眼用画像メモリ201から左眼用画像を読み出し、読み出した左眼用画像をリサイズ、すなわち、拡大又は縮小する。リサイズされた左眼用画像は、二画面合成部340へ出力される。なお、リサイズ部322は、読み出した左眼用画像をリサイズすることなく、二画面合成部340へ出力してもよい。
なお、主画面処理部320は、リサイズ以外の処理を行ってもよい。例えば、主画面処理部320は、走査方式の変換(インターレース方式からプログレッシブ方式、又はプログレッシブ方式からインターレース方式)、又は、画像の切り出しを行ってもよい。
また、主画面処理部320は、入力された映像信号が二次元画像から構成される二次元映像信号である場合、同様に、二次元画像のリサイズなどの処理を行ってもよい。また、二次元映像信号が、主画面用の画像と副画面用の画像とからなるPinP(Picture−in−Picture)画像を含む場合、主画面用の画像のリサイズを行う。
副画面処理部330は、右眼用画像メモリ202から右眼用画像を読み出し、読み出した右眼用画像のリサイズを行う。図8に示すように、副画面処理部330は、メモリ制御部331と、リサイズ部332とを備える。
メモリ制御部331は、リサイズ部332からの要求に応じて、右眼用画像メモリ202に対するデータの読み出し及び書き込みを制御する。具体的には、メモリ制御部331は、右眼用画像を示す画像データの読み出し及び書き込みを制御する。
リサイズ部332は、メモリ制御部331を介して右眼用画像メモリ202から右眼用画像を読み出し、読み出した右眼用画像をリサイズ、すなわち、拡大又は縮小する。リサイズされた右眼用画像は、二画面合成部340へ出力される。なお、リサイズ部332は、読み出した右眼用画像をリサイズすることなく、二画面合成部340へ出力してもよい。
なお、副画面処理部330は、リサイズ以外の処理を行ってもよい。例えば、副画面処理部330は、走査方式の変換(インターレース方式からプログレッシブ方式、又はプログレッシブ方式からインターレース方式)、又は、画像の切り出しを行ってもよい。
また、副画面処理部330は、入力された映像信号がPinP画像を含む二次元映像信号である場合、副画面用の画像のリサイズを行ってもよい。
二画面合成部340は、主画面処理部320から出力される左眼用画像と、副画面処理部330から出力される右眼用画像とを所定のフォーマットに従って合成することで、合成画像を生成する。ここでは、二画面合成部340は、図7に示すように1フレーム内に左眼用画像と右眼用画像とをラインシーケンシャル方式で含むように、重畳処理用の水平同期信号(hreset2)に基づいて左眼用画像と右眼用画像とを合成する。生成された合成画像は、OSD重畳部360へ出力される。なお、図7に示す三次元映像信号は、二画面合成部340から出力される映像信号の一例を示している。
また、二画面合成部340は、入力された映像信号がPinP画像を含む二次元映像信号である場合は、主画面処理部320から出力される主画面用の画像と副画面処理部330から出力される副画面用の画像とを合成してもよい。
第1OSD制御部350aは、左眼用OSD制御部の一例であって、左眼用OSDメモリ203から第1OSD画像を読み出し、読み出した第1OSD画像を用いて左眼用OSD画像を生成する。図8に示すように、第1OSD制御部350aは、メモリ制御部351aと、レジスタ352aと、OSD処理部354aとを備える。
メモリ制御部351aは、OSD処理部354aからの要求に応じて、左眼用OSDメモリ203に対するデータの読み出し及び書き込みを制御する。具体的には、メモリ制御部351aは、第1OSD画像を示す画像データの読み出し及び書き込みを制御する。
レジスタ352aは、左眼用OSD画像を生成するための左眼用パラメータを保持するレジスタである。具体的には、レジスタ352aは、第1OSD画像の画素位置を水平方向にずらす(シフトさせる)ための左眼用パラメータを保持する。例えば、左眼用パラメータは、水平方向への画素位置のずらし量を示す。なお、レジスタ352aは、画像の切り出し位置などを示す切り出しパラメータを保持していてもよい。
OSD処理部354aは、左眼用OSD処理部の一例であって、レジスタ352aから左眼用パラメータを取得し、取得した左眼用パラメータを用いて左眼用OSD画像を生成する。例えば、OSD処理部354aは、左眼用パラメータが示すずらし量だけ、第1OSD画像の画素位置をずらすことで左眼用OSD画像を生成する。
OSD処理部354aは、さらに、重畳される画像を透過させる透過画像を右眼用の画像領域に生成する。具体的には、OSD処理部354aが生成する透過画像は、右眼用画像を透過させる右眼用透過画像である。左眼用OSD画像と透過画像とは、1フレームの画像としてOSD重畳部360へ出力される。
第2OSD制御部350bは、右眼用OSD制御部の一例であって、右眼用OSDメモリ204から第2OSD画像を読み出し、読み出した第2OSD画像を用いて右眼用OSD画像を生成する。図8に示すように、第2OSD制御部350bは、メモリ制御部351bと、レジスタ352bと、OSD処理部354bとを備える。
メモリ制御部351bは、OSD処理部354bからの要求に応じて、右眼用OSDメモリ204に対するデータの読み出し及び書き込みを制御する。具体的には、メモリ制御部351bは、第2OSD画像を示す画像データの読み出し及び書き込みを制御する。
レジスタ352bは、右眼用OSD画像を生成するための右眼用パラメータを保持するレジスタである。具体的には、レジスタ352bは、第2OSD画像の画素位置を水平方向にずらす(シフトさせる)ための右眼用パラメータを保持するレジスタである。例えば、右眼用パラメータは、水平方向への画素位置のずらし量を示す。なお、レジスタ352bは、画像の切り出し位置などを示す切り出しパラメータを保持していてもよい。
OSD処理部354bは、右眼用OSD処理部の一例であって、レジスタ352bから右眼用パラメータを取得し、取得した右眼用パラメータを用いて右眼用OSD画像を生成する。例えば、OSD処理部354bは、右眼用パラメータが示すずらし量だけ、第2OSD画像の画素位置をずらすことで右眼用OSD画像を生成する。
OSD処理部354bは、さらに、重畳される画像を透過させる透過画像を左眼用の画像領域に生成する。具体的には、OSD処理部354bが生成する透過画像は、左眼用画像を透過させる左眼用透過画像である。右眼用OSD画像と透過画像とは、1フレームの画像としてOSD重畳部360へ出力される。
OSD重畳部360は、二画面合成部340から出力される合成画像に、第1OSD制御部350aから出力される左眼用画像及び右眼用透過画像と、第2OSD制御部350bから出力される右眼用画像及び左眼用重畳画像とを重畳する。具体的な処理については、後で図面を用いて説明する。
同期信号生成部380は、映像出力用の水平同期信号(hreset1)、重畳処理用の水平同期信号(hreset2)、及び垂直同期信号(vreset)を生成する。同期信号生成部380の詳細な構成について、図9に示す。なお、図9は、実施の形態2に係る同期信号生成部380の構成の一例を示すブロック図である。
図9に示すように、同期信号生成部380は、出力用同期信号生成部381と、重畳用同期信号生成部384とを備える。
出力用同期信号生成部381は、映像出力用の水平同期信号(hreset1)と垂直同期信号(vreset)とを生成し、映像出力部170へ出力する。図9に示すように、出力用同期信号生成部381は、水平同期カウンタ382と、垂直同期カウンタ383とを備える。
水平同期カウンタ382は、映像信号処理装置300の動作周波数のクロック信号のパルスをカウントすることで、内部処理用の水平同期信号と映像出力用の水平同期信号(hreset1)とを生成する。具体的には、水平同期カウンタ382は、カウント値が水平画素数に達したときにLow状態からHigh状態となるパルスを含む内部処理用の水平同期信号を生成する。また、水平同期カウンタ382は、カウント値が水平画素数に達した時と水平画素数の1/2に達した時とにLow状態からHigh状態となるパルスを含む映像出力用の水平同期信号(hreset1)を生成する。
ここで、水平画素数は、動作周波数、フレームレート及び画像サイズによって決定される所定の閾値の一例であり、図7に示す例では4399(カウント値が0から開始した場合)である。つまり、水平画素数は、有効画像期間(1920+1920画素)とブランキング期間(280+280画素)との合計値である。
生成した映像出力用の水平同期信号(hreset1)は、映像出力部170へ出力される。内部処理用の水平同期信号は、垂直同期カウンタ383へ出力される。
垂直同期カウンタ383は、水平同期カウンタ382によって生成された内部処理用の水平同期信号に含まれるパルス数をカウントすることで、垂直同期信号(vreset)を生成する。具体的には、垂直同期カウンタ383は、カウント値が垂直ライン数に達したときにLow状態からHigh状態となるパルスを含む垂直同期信号(vreset)を生成する。
ここで、垂直ライン数は、動作周波数、フレームレート及び画像サイズによって決定される所定の閾値の一例であり、図7に示す例では563又は562が交互に繰り返される。すなわち、平均すると垂直同期信号(vreset)は、562.5ライン毎に生成される。
生成した垂直同期信号(vreset)は、映像出力部170と重畳用同期信号生成部384とへ出力される。
重畳用同期信号生成部384は、重畳処理用の水平同期信号(hreset2)と垂直同期信号(vreset)とを生成し、画像処理部110へ出力する。図9に示すように、重畳用同期信号生成部384は、水平同期カウンタ385と、垂直同期カウンタ386とを備える。
水平同期カウンタ385は、映像信号処理装置300の動作周波数のクロック信号のパルスをカウントすることで、重畳処理用の水平同期信号(hreset2)を生成する。具体的には、水平同期カウンタ385は、カウント値が上記の水平画素数に達したときにLow状態からHigh状態となるパルスを含む重畳処理用の水平同期信号(hreset2)を生成する。
なお、垂直同期カウンタ383から垂直同期信号(vreset)が入力されると、水平同期カウンタ385は、カウント値を0にリセットする。これは、画像処理部310と映像出力部170とを同期させるためである。生成した重畳処理用の水平同期信号(hreset2)は、垂直同期カウンタ386と画像処理部310とへ出力される。
垂直同期カウンタ386は、水平同期カウンタ385によって生成された重畳処理用の水平同期信号(hreset2)に含まれるパルスの数をカウントすることで、垂直同期信号(vreset)を生成する。具体的には、垂直同期カウンタ386は、カウント値が上記の垂直ライン数に達したときに垂直同期信号(vreset)を生成する。
なお、垂直同期カウンタ383から垂直同期信号(vreset)が入力されると、垂直同期カウンタ386は、カウント値を0にリセットする。これは、画像処理部310と映像出力部170とを同期させるためである。なお、これにより、垂直同期カウンタ386は、垂直同期カウンタ383と同じタイミングで垂直同期信号(vreset)を生成する。生成した垂直同期信号(vreset)は、画像処理部310へ出力される。
なお、垂直同期信号(vreset)は映像出力用と重畳処理用とで同じであるので、出力用同期信号生成部381と重畳用同期信号生成部384とのいずれか一方でのみ生成し、映像出力部170と画像処理部110とへ出力してもよい。
次に、左眼用画像及び右眼用画像に左眼用OSD画像及び右眼用OSD画像を重畳する処理について説明する。図10は、実施の形態2に係るOSD画像の重畳処理を示す模式図である。
図7に示したように、実施の形態2に係る三次元映像信号は、左眼用画像と右眼用画像とをラインシーケンシャル方式で含んでいる。すなわち、図10に示すように、OSD重畳部360には、二画面合成部340から、左眼用画像と右眼用画像とが1フレームの画像として入力される。このとき、OSD重畳部360には、図7に示すように重畳処理用の水平同期信号(hreset2)が供給されるので、OSD重畳部360は、左眼用画像と右眼用画像との区切りを認識することなく、1フレームの画像として認識する。
第1OSD制御部350aは、左眼用OSD画像と透過画像とを1フレームの画像として生成する。具体的には、第1OSD制御部350aには、重畳処理用の水平同期信号(hreset2)が供給されるので、第1OSD制御部350aは、左眼用OSD画像の終わりを認識することなく、左眼用OSD画像と右眼用画像領域に生成した透過画像とを合わせて1フレームの画像として認識する。
同様に、第2OSD制御部350bは、右眼用OSD画像と透過画像とを1フレームの画像として生成する。具体的には、第2OSD制御部350bには、重畳処理用の水平同期信号(hreset2)が供給されるので、第2OSD制御部350bは、右眼用OSD画像の始まりを認識することなく、左眼用画像領域に生成した透過画像と右眼用OSD画像とをあわせて1フレームの画像として認識する。
以上のように、OSD重畳部360には、二画面合成部340から1フレームの画像として左眼用画像と右眼用画像とから構成される合成画像が入力される。また、OSD重畳部360には、第1OSD制御部350aから、1フレームの画像として左眼用OSD画像と右眼用透過画像とが入力され、第2OSD制御部350bから、1フレームの画像として右眼用OSD画像と左眼用透過画像とが入力される。
OSD重畳部360は、まず、第1OSD制御部350aから入力される左眼用OSD画像と右眼用透過画像とを合成画像に重畳する。具体的には、OSD重畳部360は、左眼用画像に左眼用OSD画像を重畳し、右眼用画像に右眼用透過画像を重畳する。これにより、OSD重畳部360は、左眼用OSD画像が重畳された左眼用出力画像と、右眼用画像とを含む重畳後の合成画像を生成する。
続いて、OSD重畳部360は、第2OSD制御部350bから入力される右眼用OSD画像と左眼用透過画像とを、重畳後の合成画像に重畳する。具体的には、OSD重畳部360は、左眼用出力画像に左眼用透過画像を重畳し、右眼用画像に右眼用OSD画像を重畳する。これにより、OSD重畳部360は、左眼用OSD画像が重畳された左眼用出力画像と、右眼用OSD画像が重畳された右眼用出力画像とを含む出力画像を生成し、映像出力部170へ出力する。
次に、実施の形態2に係る映像信号処理装置300の動作について説明する。なお、実施の形態2に係る映像信号処理装置300の主な動作は、図5を用いて説明した実施の形態1に係る映像信号処理装置100の動作と同じであるので、以下では異なる点を中心に説明する。
図11は、実施の形態2に係るOSD重畳部360の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、OSD重畳部360は、重畳処理用の水平同期信号(hreset2)の検出を行う(S231)。重畳処理用の水平同期信号(hreset2)のパルスが検出された場合(S231でYes)、OSD重畳部360は、1ライン分の合成画像に1ライン分の左眼用OSD画像と右眼用透過画像とを重畳する(S232)。続いて、OSD重畳部360は、1ライン分の重畳後の合成画像に左眼用透過画像と右眼用OSD画像とを重畳する(S233)。
OSD重畳部360は、垂直同期信号(vreset)のパルスが検出されるまで、上記の重畳処理(S231〜S233)を繰り返す(S234)。さらに、OSD重畳部360は、三次元映像信号が終了するまで、あるいは、左眼用OSD画像及び右眼用OSD画像が終了するまで、以上の重畳処理(S231〜S234)を繰り返す(S235)。
以上のようにして、OSD重畳部360は、左眼用画像と右眼用画像とを1ピクチャ(1フレーム)として認識し、左眼用OSD画像の重畳と右眼用OSD画像の重畳とを行う。
なお、重畳によって生成された左眼用出力画像と右眼用出力画像とを含む出力画像は、映像出力用の水平同期信号(hreset1)に基づいて、映像出力部170によって出力される。
なお、上記の説明では、重畳処理を1ライン毎に行う構成について説明したが、1ピクチャ毎に行ってもよい。また、左眼用OSD画像と右眼用透過画像とを重畳した後に、左眼用透過画像と右眼用OSD画像とを重畳する構成について説明したが、左眼用透過画像と右眼用OSD画像とを重畳した後に、左眼用OSD画像と右眼用透過画像とを重畳してもよい。
以上のように、実施の形態2に係る映像信号処理装置300は、左眼用OSD画像を生成する第1OSD制御部350aと、右眼用OSD画像を生成する第2OSD制御部350bとを備える。第1OSD制御部350aは、左眼用パラメータを保持するレジスタ352aと、左眼用パラメータを用いて左眼用OSD画像を生成するOSD処理部354aとを備える。第2OSD制御部350bは、右眼用パラメータを保持するレジスタ352bと、右眼用パラメータを用いて右眼用OSD画像を生成するOSD処理部354bとを備える。
具体的には、実施の形態2に係る映像信号処理装置300は、左眼用画像と右眼用画像とをラインシーケンシャル方式で含む三次元映像信号を処理する。三次元映像信号を二次元映像信号と同様に処理するため、同期信号生成部380は、重畳処理などの画像処理用の水平同期信号(hreset2)と映像出力用の水平同期信号(hreset1)とを生成する。
重畳処理用の水平同期信号(hreset2)は、左眼用画像と右眼用画像とのいずれか一方のみのラインの区切りを示す。すなわち、重畳処理用の水平同期信号(hreset2)が供給される画像処理部310は、左眼用画像と右眼用画像とを1フレーム分の画像として、すなわち、二次元画像として処理することが可能となる。
なお、従来の二次元画像を出力する映像信号処理装置は、例えば、重畳画像を生成するためのパラメータを保持するレジスタと、パラメータを用いて重畳画像を生成するOSD処理部とを有する2つのOSD制御部を備えている。したがって、実施の形態2に係る映像信号処理装置は、従来の2つのOSD制御部を第1OSD制御部350aとして、及び、第2OSD制御部350bとして用いることができる。
これにより、実施の形態2に係る映像信号処理装置300は、従来の映像信号処理装置の回路構成を大幅に変更することなく実現可能であり、コストの増加を抑制することができるとともに、三次元映像信号を処理することが可能となる。
なお、実施の形態2に係る映像信号処理装置300が備える主画面処理部320及び副画面処理部330はそれぞれ、従来の映像信号処理装置の主画面処理部と副画面処理部とを用いることができる。主画面処理部と副画面処理部とは、例えば、PinP画像を生成する際に用いられる処理部である。この点においても、実施の形態2に係る映像信号処理装置300は、コストの増加を抑制することができる。
なお、本発明に係る映像信号処理装置100は、図12に示すようなデジタルビデオレコーダ20及びデジタルテレビ30に搭載される。
以上、本発明の映像信号処理装置及び映像信号処理方法について、上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されないのは言うまでもない。以下のような場合も本発明の範囲に含まれる。
例えば、各実施の形態では、フルハイビジョン画像(1920×1080)を例に説明したが、VGA(640×480)、又はハイビジョン画像(1280×720)などであってもよい。また、動作周波数、フレームレート及び走査方式も上記の例に限られない。
また、上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。RAM又はハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
また、上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1個のシステムLSIから構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成要素を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
また、上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、各装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカード又はモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカード又はモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカード又はモジュールは、その機能を達成する。このICカード又はモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
また、本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、コンピュータプログラム又はデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO(Magneto−Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−ROM、DVD−RAM、BD、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、コンピュータプログラム又はデジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送などを経由して伝送するものとしてもよい。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、マイクロプロセッサは、コンピュータプログラムに従って動作するとしてもよい。
また、プログラム又はデジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、あるいはプログラム又はデジタル信号を、ネットワークなどを経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。