JP2015037131A - 配線基板および半導体モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】ビア群を内部に含む配線基板においてクラックの発生を抑制する。【解決手段】配線基板は、セラミックス層と、セラミックス層の厚さ方向の一端に位置する第1表面に配置されている第1表面電極と、他端に位置する第2表面に配置されている第2表面電極と、セラミックス層の内部に配置され、第1表面電極と第2表面電極とに接触し、互いに同じ第1抵抗値を有する少なくとも2つのビアを有する第1ビア群と、を備え、第1表面電極において第1ビア群のうちの隣り合う2つのビアと接触する2つの接触部の間は、第2抵抗値を有し、第2表面電極において第1ビア群のうちの隣り合う2つのビアと接触する2つの接触部の間は、第3抵抗値を有し、(前記第1抵抗値)/(前記第2抵抗値)>10と、(前記第1抵抗値)/(前記第3抵抗値)>10とのうち、少なくとも一方を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、配線基板、および配線基板を用いた半導体モジュールに関する。
半導体素子を種々の装置に実装するために、配線基板に半導体素子が接合された半導体モジュールが用いられている。配線基板として、セラミックス層の両面に配線層が形成され、これら2つの配線層間が、ビアによって電気的に接続された構成を有する配線基板が提案されている(特許文献1または2)。ビアは、セラミックス層の内部に形成された複数のビアホール内に充填された銅、タングステン、モリブデン等の導電性材料により構成される。
特開2003−101180号広報 特開2003−124408号広報
上述のような配線基板では、各ビアにおいて、電流分布に起因して発生するジュール熱により生じる熱応力が互いに異なり、その熱応力の差に起因してセラミックス層にクラックや反りが生じて、配線基板が損傷するという問題があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、セラミックス層と、前記セラミックス層の厚さ方向の一端に位置する第1表面に配置されている第1表面電極と、前記セラミックス層の厚さ方向の他端に位置する第2表面に配置されている第2表面電極と、前記セラミックス層の内部に配置され、前記第1表面電極と前記第2表面電極とに接触し、互いに同じ第1抵抗値を有する少なくとも2つのビアを有する第1ビア群と、を備える配線基板が提供される。この配線基板は、前記第1表面電極において、前記第1ビア群のうちの隣り合う2つのビアと接触する2つの接触部の間は、第2抵抗値を有し、前記第2表面電極において、前記第1ビア群のうちの隣り合う2つのビアと接触する2つの接触部の間は、第3抵抗値を有し、(前記第1抵抗値)/(前記第2抵抗値)>10と、(前記第1抵抗値)/(前記第3抵抗値)>10とのうち、少なくとも一方を満たすこと、を特徴とする。この形態の配線基板によれば、(前記第1抵抗値)/(前記第2抵抗値)>10と、(前記第1抵抗値)/(前記第3抵抗値)>10とのうち、少なくとも一方を満たすので、(前記第1抵抗値)/(前記第2抵抗値)と、(前記第1抵抗値)/(前記第3抵抗値)とのいずれもが10以下となる構成に比べて、第1ビア群を構成するビア間の電流密度のばらつきを抑制できる。このため、各ビアで生じるジュール熱に起因する熱応力のばらつきを抑制でき、クラックの発生等のセラミックス層の損傷を抑制できる。
加えて、(前記第1抵抗値)/(前記第2抵抗値)>10と、(前記第1抵抗値)/(前記第3抵抗値)>10とのうち、少なくとも一方を満たすので、(前記第1抵抗値)/(前記第2抵抗値)の変化に対する(第1ビア群における最大電流密度)/(第1ビア群における最小電流密度)の値の変化と、(前記第1抵抗値)/(前記第3抵抗値)の変化に対する(第1ビア群における最大電流密度)/(第1ビア群における最小電流密度)の値の変化とのうち、少なくとも一方を低減することができる。ここで、(前記第1抵抗値)/(前記第2抵抗値)と、(前記第1抵抗値)/(前記第3抵抗値)とは、配線基板の製造誤差等により容易に変化し得る。また、(第1ビア群における最大電流密度)/(第1ビア群における最小電流密度)は、第1ビア群の総抵抗値と比例関係にあるので、(前記第1抵抗値)/(前記第2抵抗値)と(前記第1抵抗値)/(前記第3抵抗値)とのうち、少なくとも一方の変化に対する第1ビア群全体としての抵抗値の変化を低減することができる。このため、(前記第1抵抗値)/(前記第2抵抗値)と(前記第1抵抗値)/(前記第3抵抗値)とのうち、少なくとも一方が製造誤差等によりロット間で異なったとしたとしても、ビア全体としての抵抗値のロット間での変化(相違)を小さく抑えることができる。このため、配線基板のロット間の製造ばらつきを抑制できる。
(2)上記形態の配線基板において、(前記第1抵抗値)/(前記第2抵抗値)>10と、(前記第1抵抗値)/(前記第3抵抗値)>10とをいずれも満たしてもよい。この形態の配線基板によれば、(前記第1抵抗値)/(前記第2抵抗値)>10と、(前記第1抵抗値)/(前記第3抵抗値)>10とのうち、少なくとも一方が満たされない構成に比べて、第1ビア群に含まれる各ビア間における電流密度のばらつきを抑制できる。
(3)上記形態の配線基板において、前記第1ビア群を構成するビアは、前記厚さ方向に沿って互いに平行に配置され、前記第2抵抗値と前記第3抵抗値とは互いに等しくてもよい。この形態の配線基板によれば、例えば、第1表面電極の接続部間と第2表面電極の接続部間とが互いに同じ大きさであり、かつ、互いに同じ材料により形成されている場合等において、第1ビア群に含まれる各ビア間における電流密度のばらつきを抑制できる。
(4)上記形態の配線基板において、前記第2表面電極は、前記第2表面に沿って互いに所定の距離だけ離れて配置されている第3表面電極および第4表面電極を含み、前記第1ビア群は、前記第1表面電極と前記第3表面電極とに接触する少なくとも2つのビアからなる第2ビア群と、前記第1表面電極と前記第4表面電極とに接触する少なくとも2つのビアからなる第3ビア群とを含んでもよい。この形態の配線基板によれば、配線基板における電流の流れが、例えば、第3表面電極から第2ビア群を通って第1表面電極に至り、また、第1表面電極から第3ビア群を通って第4表面電極に至るような流れである場合において、第2ビア群および第3ビア群に含まれる各ビア間における電流密度のばらつきを抑制できる。
(5)上記形態の配線基板において、前記第2ビア群は、前記第1表面電極における電流の流れる方向と前記第3表面電極における電流の流れる方向とのいずれにも平行な方向に並ぶ複数のビアと;前記第1表面電極における電流の流れる方向と前記第3表面電極における電流の流れる方向とのいずれにも垂直な方向に並ぶ複数のビアと;からなり、前記第3ビア群は、前記第1表面電極における電流の流れる方向と前記第4表面電極における電流の流れる方向とのいずれにも平行な方向に並ぶ複数のビアと;前記第1表面電極における電流の流れる方向と前記第4表面電極における電流の流れる方向とのいずれにも垂直な方向に並ぶ複数のビアと;からなってもよい。この形態の配線基板によれば、各ビアが面状に並んだ構成を有する場合において、各ビア間における電流密度のばらつきを抑制できる。また、各ビアを面状に配置するので、第1表面電極と第3表面電極との間、および第1表面電極と第4表面電極との間において、大きな電流を流すことができる。
(6)上記形態の配線基板において、前記第1ビア群を構成するビアは、タングステンとモリブデンとのうち、少なくとも一方を含む金属により形成されていてもよい。この形態の配線基板によれば、第1ビア群を構成するビアは、タングステンとモリブデンとのうち、少なくとも一方を含む金属により形成されているので、高温耐性を高めることができる。
(7)上記形態の配線基板において、前記第1表面電極と前記第2表面電極とのうち、少なくとも一方は、銅を含む金属により形成されていてもよい。この形態の配線基板によれば、前記第1表面電極と前記第2表面電極とのうち、少なくとも一方は、銅を含む金属により形成されているので、高い導電性および高い熱伝導性を得ることができる。
(8)本発明の他の形態によれば、上記形態の配線基板と、電力用半導体素子とを有し、20アンペア以上の電流が通電される、半導体モジュールが提供される。この形態の半導体モジュールによれば、いわゆる電力用半導体素子を用いた半導体モジュールにおいて、配線基板におけるクラックの発生等を抑制できる。20アンペア以上の比較的大きな電流が通電される場合、配線基板(第1ビア群)において発生するジュール熱は非常に大きくなる。しかしながら、かかる半導体モジュールによれば、配線基板において、(前記第1抵抗値)/(前記第2抵抗値)>10と、(前記第1抵抗値)/(前記第3抵抗値)>10とのうち、少なくとも一方を満たすので、各ビアで生じるジュール熱に起因する熱応力のばらつきを抑制でき、クラックの発生等のセラミックス層の損傷を抑制できる。
本発明は、配線基板および半導体モジュール以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、半導体モジュールを搭載した電気自動車,電車,および工作機械、配線基板の製造方法、半導体モジュールの製造方法等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての半導体モジュールの構成を示す断面図である。 配線基板10の詳細構成を示す斜視図である。 単位表面電極110の厚さTを変化させた場合の各ビアv11〜v17,v21〜v27の電流密度をシミュレーションにより求めた結果を示す説明図である。 ビアピッチvpを変化させた場合の各ビアv11〜v17,v21〜v27の電流密度をシミュレーションにより求めた結果を示す説明図である。 各ビアの導電率σを変化させた場合の各ビアv11〜v17,v21〜v27の電流密度をシミュレーションにより求めた結果を示す説明図である。 r/Rとビア群における最大電流密度(Jmax)/ビア群における最小電流密度(Jmin)との関係を示す説明図である。 Jmax/Jminとビア群の抵抗値との関係を示す説明図である。 変形例の配線基板10aの詳細構成を示す斜視図である。 変形例2における配線基板の第1の態様を示す断面図である。 変形例2における配線基板の第2の態様を示す断面図である。
A.第1実施形態:
図1は、本発明の一実施形態としての半導体モジュールの構成を示す断面図である。半導体モジュール100は、本発明の一実施形態としての配線基板10と、半導体素子200と、接合層54と、絶縁層55と、放熱器300とを備えている。本実施形態において、半導体モジュール100は、いわゆるパワーモジュールであり、電気自動車や電車や工作機械等における電力制御等に用いられる。
配線基板10は、第1配線層51と、第2配線層52と、セラミックス層53とを備えている。第1配線層51は、セラミックス層53における厚さ方向(Z軸方向)の一端に位置する第1表面S1に配置されている。なお、本実施形態において、Z軸方向とは、+Z方向および−Z方向の総称である。同様に、X軸方向とは、+X方向および−X方向の総称であり、Y軸方向とは、+Y方向および−Y方向の総称である。第1配線層51は、第1表面電極11と、第1絶縁部13とを備えている。第1表面電極11は、本実施形態では、銅により構成されている。なお、銅に代えて、銀、ニッケル、アルミニウム等の任意の導電性材料を用いてもよい。第1表面電極11は、半導体素子200に対する電力供給経路として機能する。第1絶縁部13は、第1配線層51において、第1表面電極11を除いた他の領域に配置されている。第1絶縁部13は、絶縁性材料で構成されており、第1表面電極11とセラミックス層53との間の絶縁性を確保する。第1絶縁部13としては、例えば、絶縁性の無機系材料を主成分とし、加熱により軟化する粉末ガラスにより形成してもよい。なお、粉末ガラスとしては、例えば、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ビスマスなどを採用してもよい。また、粉末ガラスに代えて、樹脂により形成してもよい。
第2配線層52は、セラミックス層53における厚さ方向(Z軸方向)の他端に位置する第2表面S2に配置されている。第2配線層52は、第2表面電極21と、第3表面電極22と、第2絶縁部23とを備えている。第2表面電極21および第3表面電極22は、本実施形態では、第1表面電極11と同様に銅により構成されている。なお、第1表面電極11と同様に、銅に代えて、任意の導電性材料を用いてもよい。第2表面電極21および第3表面電極22は、いずれも半導体素子200に対する電力供給経路として機能する。第2表面電極21は、第2配線層52における+X方向の端部に配置されている。第2表面電極21の+X方向の端部e1は、電流入力部として機能する。具体的には、端部e1は、配線基板10(第2配線層52)の−Z方向に設置されている図示しない電力供給デバイスと電気的に接続され、かかる電力供給デバイスから出力される電流を受ける。第3表面電極22は、第2配線層52における−X方向の端部に配置されている。第3表面電極22の−X方向の端部e2は、電流出力部として機能する。具体的には、端部e2は、上述した図示しない電力供給デバイスに電気的に接続され、かかる電力供給デバイスに電流を出力する。第2絶縁部23は、第2配線層52において、第2表面電極21と第3表面電極22との間に配置されている。第2絶縁部23は、絶縁性材料で構成されており、第2表面電極21と第3表面電極22との間の絶縁性を確保する。本実施形態では、第2絶縁部23は、第1絶縁部13と同じ材料により形成されている。
セラミックス層53は、セラミックス材料の薄板状部材により形成されている。セラミックス材料としては、例えば、酸化アルミナ(Al23)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si34)、LTCC(ガラス複合セラミックス)などを採用し得る。
セラミックス層53の内部には、複数のビアから成る2つのビア群(第1ビア群VG1および第2ビア群VG2)が配置されている。2つのビア群VG1,VG2は、いずれも半導体素子200に対する電力供給経路として機能する。2つのビア群VG1,VG2は、互いにX軸方向に所定の距離だけ離されて配置されている。各ビア群VG1,VG2を構成する各ビアは、セラミックス層53の厚さ方向(Z軸方向)に沿って延びている。第1ビア群VG1は、第2表面電極21と第1表面電極11とを電気的に接続する。第2ビア群VG2は、第3表面電極22と第1表面電極11とを電気的に接続する。各ビア群VG1,VG2を構成するビアは、本実施形態では、タングステンおよびモリブデンを主成分として、アルミナ(酸化アルミニウム)をフィラーとして含む材料により形成されている。なお、タングステンおよびモリブデンに代えて、銀、銅などの任意の導電性材料を用いてもよい。アルミナのフィラーは、ビアの導電率σを制御するために用いられる。すなわち、フィラーの含有量を多くすることによりビアの導電率σを低くし、フィラーの含有量を少なくすることによりビアの導電率σを高くすることができる。
半導体素子200は、電力用半導体素子(パワーデバイス)であり、例えば、20アンペア以上の電流が供給される。半導体素子200としては、例えば、パワーMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)や、ダイオード(ショットキーバリアダイオード等)などを採用することができる。半導体素子200は、第1表面電極11と電気的に接続される。半導体素子200と第1表面電極11との電気的な接続としては、例えば、バンプ(突起状金属端子)を介した接合(いわゆるフリップチップ接合)を採用することができる。
接合層54は、上述した半導体素子200と、半導体素子200の周りを囲む絶縁接合部56とからなる。絶縁接合部56は、配線基板10と半導体素子200との間の絶縁を確保する。
絶縁層55は、接合層54の+Z方向の端面に接して配置されている。絶縁層55は、半導体素子200と放熱器300との間の絶縁を確保する。
放熱器300は、筐体320の内部にフィン310が形成された構成を有する。本実施形態では、筐体320およびフィン310の基材として、銅を用いる。なお、銅に代えて、アルミニウムやモリブデンなどの熱伝導性に優れる任意の金属を用いてもよい。
フィン310の基端部は、絶縁層55に接続されている。半導体素子200で生じた熱は、絶縁層55を介してフィン310の基端部に伝わる。フィン310は、半導体素子200の熱を放出する。なお、筐体320には、図示しない開口が設けられており、この開口を利用して、フィン310からの放熱により温められた筐体320内部の冷却媒体(例えば、空気)と、筐体320外部の冷却媒体とが交換される。
図1の一点鎖線の矢印に示すように、配線基板10における電流の流れc1は、以下のとおりである。まず、第2表面電極21の端部e1から入力された電流は、第2表面電極21を−X方向に伝わって第1ビア群VG1の−Z方向の端部に至る。次に、第1ビア群VG1を+Z方向に伝わり、第1表面電極11に達すると、第1表面電極11を−X方向に伝わり、半導体素子200に至る。次に、半導体素子200から第1表面電極11に沿って−X方向に伝わって第2ビア群VG2の+Z方向の端部に至り、第2ビア群VG2を−Z方向に伝わる。第3表面電極22に達すると、第3表面電極22を−X方向に伝わり、端部e2から外部へと出力される。
図2は、配線基板10の詳細構成を示す斜視図である。図2では、配線基板10の斜視図と共に、配線基板10の一部の領域Ar1の拡大図を表わしている。なお、図2では、第1絶縁部13、第2絶縁部23、および絶縁接合部56は、図示の便宜上省略している。
図2に示すように、第1ビア群VG1では、7つのビアv11,v12,v13,v14,v15,v16,v17が、互いにX軸方向に沿って所定の間隔(ビアピッチvp)だけ離れて配置されている。これら7つのビアのうち、ビアv11が最も+X方向に位置し、また、−X方向に沿ってビアv12,v13,v14,v15,v16,v17の順序で並んで配置されている。換言すると、第1ビア群VG1を構成する7つのビアのうち、ビアv11が端部e1に最も近く、ビアv12,v13,v14,v15,v16,v17の順序で、次第に端部e1から離れて配置されている。同様に、第2ビア群VG2は、7つのビアv21,v22,v23,v24,v25,v26,v27が、互いにX軸方向に沿って所定の間隔(ビアピッチvp)だけ離れて配置されている。これら7つのビアのうち、ビアv21が最も+X方向に位置し、また、−X方向に沿ってビアv22,v23,v24,v25,v26,v27の順序で並んで配置されている。換言すると、第2ビア群VG2を構成する7つのビアのうち、ビアv27が端部e2に最も近く、ビアv26,v25,v24,v23,v22,v21の順序で、次第に端部e2から離れて配置されている。なお、図2に示すように、合計14個のビアは、いずれも中心軸がZ軸方向と平行となるように配置されている。
図2に示すように、領域Ar1は、ビアv16およびv17を含む。図2では、領域Ar1の拡大図に加えて、ビアv16の拡大図を表わしている。また、図2では、第1表面電極11において、ビアv16との接触部と、ビアv17との接触部との間の領域Ar2の拡大図を表わしている。
ビアv16の拡大図に示すように、ビアは、円筒形の外観形状を有する。以降では、ビアの直径Dとは、ビアのXY平面と平行な断面形状(円形)の直径を意味する。また、ビアの高さHとは、ビアのZ軸方向の長さを意味する。また、1つのビアの抵抗値を、第1抵抗値rと呼ぶ。また、ビアピッチvpは、隣り合う2つのビアの中心間のX軸方向に沿った長さを意味する。なお、第1ビア群VG1を構成する各ビアおよび第2ビア群VG2を構成する各ビアは、いずれも図2に示すビアv16と同じ形状および同じ抵抗値を有する。なお、前述の「同じ抵抗値」とは、各ビアの抵抗値の差分が0(ゼロ)である場合に限定されるものではなく、例えば、各ビアの抵抗値の差分が抵抗値の5%未満である場合も含む広い概念を有する。
領域Ar2の拡大図に示すように、第1表面電極11において、隣り合う2つのビアとそれぞれ接触する2つの接触部間(以下、「単位表面電極」と呼ぶ)を、本実施形態では、直方体の外観形状を有する導電領域として定義する。以降では、単位表面電極110の幅Wとは、Y軸方向に沿った大きさを意味する。また、単位表面電極110の長さLとはX軸方向に沿った大きさを、単位表面電極110の厚さTとはZ軸方向に沿った大きさを、それぞれ意味する。また、単位表面電極110の抵抗値を、第2抵抗値Rと呼ぶ。図2から理解できるように、単位表面電極110の長さLは、ビアピッチvpからビアの直径Dを減じて得られる長さと等しい。また、単位表面電極110の幅Wは、ビアの直径Dと等しい。
本実施形態では、第1表面電極11の厚さと、第2表面電極21の厚さとは等しい。同様に、第1表面電極11の厚さと、第3表面電極22の厚さとは等しい。加えて、第1表面電極11のY軸方向の長さと、第2表面電極21のY軸方向の長さとは等しい。同様に、第1表面電極11のY軸方向の長さと、第3表面電極22のY軸方向の長さとは等しい。したがって、第2表面電極21において、隣り合う2つのビアとそれぞれ接触する2つの接触部間は、上述した単位表面電極110と同じ大きさおよび同じ形状の領域である。同様に、第3表面電極22において、隣り合う2つのビアとそれぞれ接触する2つの接触部間は、上述した単位表面電極110と同じ大きさおよび同じ形状の領域である。換言すると、第1表面電極11に含まれる合計12個の単位表面電極110と、第2表面電極21に含まれる合計6個の単位表面電極110と、第3表面電極22に含まれる合計6個の単位表面電極110とは、互いに同じ形状および同じ抵抗値を有する。なお、前述の「同じ抵抗値」とは、各単位表面電極110の抵抗値の差分が0(ゼロ)である場合に限定されるものではなく、例えば、各単位表面電極110の抵抗値の差分が抵抗値の5%未満である場合も含む広い概念を有する。
上記構成を有する半導体モジュール100では、第1ビア群VG1の各ビアにおける電流密度のばらつきを抑制することにより、各ビアで生じる熱に起因する熱応力のばらつきを抑制し、クラックの発生などの配線基板10の損傷を抑制する。同様に、半導体モジュール100では、第2ビア群VG2の各ビアにおける電流密度のばらつきを抑制することにより、各ビアで生じる熱に起因する熱応力のばらつきを抑制し、クラックの発生などの配線基板10の損傷を抑制する。本実施形態では、各ビアにおける電流密度のばらつきの抑制は、第1抵抗値rと第2抵抗値Rとの比(r/R)を、以下の式(1)を満たすように制御することにより実現している。
r/R>10 ・・・(1)
なお、第2表面電極21および第3表面電極22は、請求項における第2表面電極に相当する。また、第2表面電極21は請求項における第3表面電極に、第3表面電極22は請求項における第4表面電極に、第1ビア群VG1および第2ビア群VG2は請求項における第1ビア群に、第1ビア群VG1は請求項における第2ビア群に、第2ビア群VG2は請求項における第3ビア群に、それぞれ相当する。
B.シミュレーション結果:
r/Rが上記式(1)を満たすことにより、各ビアにおける電流密度のばらつきを抑制できることを確認するために、また、r/Rが、上記式(1)を満たすための第1抵抗値rおよび第2抵抗値Rの制御方法を確認するために、以下に説明するようなシミュレーションによる検討を行った。
B1.単位表面電極110の厚さTの制御(第1シミュレーション):
図3は、単位表面電極110の厚さTを変化させた場合の各ビアv11〜v17,v21〜v27の電流密度を、シミュレーションにより求めた結果を示す説明図である。図3では、説明の便宜上、配線基板10の断面図をシミュレーション結果と共に表わしている。なお、図3に示す配線基板10では、図2と同様に、第1絶縁部13、第2絶縁部23、および絶縁接合部56を、図示の便宜上省略している。
図3に示すように、本シミュレーション(以下、「第1シミュレーション」と呼ぶ)では、単位表面電極110の厚さTを、20マイクロメートル、100マイクロメートル、200マイクロメートルに、それぞれ設定した場合の各ビアの電流密度を求めた。図3では、各ビアの電流密度として、図3の左側に示す電流密度の数値範囲b1〜b16のうち、いずれの数値範囲に含まれているかにより表わしている。各数値範囲b1〜b16は、以下の通りである。
数値範囲b1:1.0000e+004(アンペア毎平方センチメートル)よりも小さい。
数値範囲b2〜b15:下方に記載の数値以上、かつ、上方に記載の数値よりも小さい。
数値範囲b16:3.7277e+004以上。
第1シミュレーションでは、次のような条件を設定した。なお、第1シミュレーションでは、シミュレーションツールとして、アンシス・ジャパン株式会社の「ANSYS Q3D Extractor」を用いた。
[条件1]ビアの直径D=0.2ミリメートル
[条件2]ビアピッチvp=500マイクロメートル
[条件3]ビアの高さH=1.0ミリメートル
[条件4]ビアの導電率σ=2700000ジーメンス毎メートル(S/m)
[条件5]単位表面電極の導電率=58000000ジーメンス毎メートル(S/m)
図3に示すように、単位表面電極110の厚さTが20マイクロメートル、100マイクロメートル、200マイクロメートルのいずれの場合においても、第1ビア群VG1の各ビアv11〜v17の電流密度のうち、両端のビアv11,v17の電流密度が最も高かった。また、単位表面電極110の厚さTが20マイクロメートルの場合においては、第1ビア群VG1においてより内側に位置するビアの電流密度がより低かった。また、単位表面電極110の厚さTが100マイクロメートルの場合、および200マイクロメートルの場合においては、第1ビア群VG1において端から2つ目の2つのビアv12,v16は、第1ビア群VG1において端から3つ目のビアv13,v15および中央に位置するビアv14よりも高い電流密度であった。また、図3に示すように、第2ビア群VG2の各ビアv21〜v27の電流密度は、上述した第1ビア群VG1の各ビアv11〜v17の電流密度と同様であった。
上述した第1ビア群VG1における電流密度の分布は、以下の理由により生じたものと推定される。第1ビア群VG1において端部e1により近いビアほど、第2表面電極21における端部e1との間の距離が短いために、第2表面電極21における端部e1との間の抵抗値が小さい。このため、第1ビア群VG1において端部e1により近いビアほど、端部e1から送られる電流がより通り易い。また、第1ビア群VG1において、第2ビア群VG2により近いビアほど、第1表面電極11における第2ビア群VG2との間の距離が短いために、第1表面電極11における第2ビア群VG2との間の抵抗値が小さい。このため、第1ビア群VG1において、第2ビア群VG2により近いビアほど、端部e1から送られる電流がより通り易い。
また、上述した第2ビア群VG2における電流密度の分布は、以下の理由により生じたものと推定される。第2ビア群VG2において第1ビア群VG1により近いビアほど、第1表面電極11における第1ビア群VG1との間の距離が短いために、第1表面電極11における第1ビア群VG1との間の抵抗値が小さい。このため、第2ビア群VG2において第1ビア群VG1により近いビアほど、第1ビア群VG1および第1表面電極11を介して送られる電流がより通り易い。また、第2ビア群VG2において端部e2により近いビアほど、第3表面電極22における端部e2との間の距離が短いために、第3表面電極22における端部e2との間の抵抗値が小さい。このため、第2ビア群VG2において端部e2により近いビアほど、端部e2への電流がより通り易い。
ここで、図3に示すように、単位表面電極110の厚さTが大きいほど、各ビア群VG1,VG2において、ビア間の電流密度のばらつきは小さかった。具体的には、単位表面電極110の厚さTが200マイクロメートルの場合には、第1ビア群VG1の最大電流密度は、両端のビアv11,v17の電流密度(数値範囲b12内の値)であり、第1ビア群VG1の最小電流密度は、第1ビア群VG1における内側の3つのビアv13,v14,v15の電流密度(数値範囲b10内の値)であった。これに対して、単位表面電極110の厚さTが100マイクロメートルの場合には、第1ビア群VG1の最大電流密度は、両端のビアv11,v17の電流密度(数値範囲b12内の値)であり、第1ビア群VG1の最小電流密度は、第1ビア群VG1における最も内側(換言すると中央の)のビアv14の電流密度(数値範囲b9内の値)であった。また、単位表面電極110の厚さTが20マイクロメートルの場合には、第1ビア群VG1の最大電流密度は、両端のビアv11,v17の電流密度(数値範囲b16内の値)であり、第1ビア群VG1の最小電流密度は、第1ビア群VG1における最も内側の(換言すると中央の)ビアv14の電流密度(数値範囲b4内の値)であった。なお、第2ビア群VG2における最大電流密度および最小電流密度は、上述した第1ビア群VG1における最大電流密度および最小電流密度と同じであった。
このように、単位表面電極110の厚さTがより大きいほど、各ビア群VG1,VG2において、ビア間の電流密度のばらつきが小さいのは、以下の理由によるものと推測される。単位表面電極110の厚さTがより大きいほど、第2抵抗値Rが小さくなるので、第2表面電極21の抵抗値は小さくなる。このため、端部e1から入力され、第2表面電極21を通る電流は、端部e1に最も近いビアv11のみならず、端部e1からより遠いビアにも届き易くなる。また、第2抵抗値Rが小さくなると、第1表面電極11における第1ビア群VG1の各ビアと第2ビア群VG2との間の抵抗値は小さくなるので、第1ビア群VG1において、第2ビア群VG2から離れたビアであっても、端部e1から送られる電流が通り易くなる。同様に、第2抵抗値Rが小さくなると、第1表面電極11における第1ビア群VG1の各ビアと第2ビア群VG2との間の抵抗値は小さくなるので、第2ビア群VG2において、第1ビア群VG1から離れたビアであっても、第1ビア群VG1および半導体素子200を介して入力される電流が通り易くなる。また、第2抵抗値Rが小さくなると、第3表面電極22の抵抗値が小さくなるので、端部e2から最も近いビアv27のみならず、端部e2からより遠いビアであっても、端部e2に電流を送り易くなる。以上より、単位表面電極110の厚さTがより大きいほど、各ビア群VG1,VG2において、ビア間の電流密度のばらつきが小さくなったものと推測される。
なお、上記条件2を変更して、ビアピッチvpを300マイクロメートル、および700マイクロメートルに設定して行ったシミュレーションにおいても、上述した第1シミュレーション結果と同様な結果が得られた。また、上記条件4を変更して、ビアの導電率σを17900000ジーメンス毎メートル(S/m)に設定して行ったシミュレーションにおいても、上述した第1シミュレーション結果と同様な結果が得られた。
B2.ビアピッチvpの制御(第2シミュレーション):
図4は、ビアピッチvpを変化させた場合の各ビアv11〜v17,v21〜v27の電流密度を、シミュレーションにより求めた結果を示す説明図である。図4では、図3と同様に、配線基板10の断面図をシミュレーション結果と共に表わしている。
図4に示すように、本シミュレーション(以下、「第2シミュレーション」と呼ぶ)では、ビアピッチvpを、300マイクロメートル、500マイクロメートル、700マイクロメートルに、それぞれ設定した場合の各ビアの電流密度を求めた。ビアピッチvpが小さいことは、単位表面電極110の長さが小さいことを意味し、第2抵抗値Rが小さいことを意味する。図4では、各ビアv11〜v17,v21〜v27の電流密度(シミュレーション結果)を、図3に示す第1シミュレーション結果と同様に、数値範囲b1〜b16により示している。
第2シミュレーションでは、第1シミュレーションと同じツールを用いた。また、第2シミュレーションにおいて設定した条件は、上記条件2に代えて、下記条件6を採用した点を除き、第1シミュレーションの各条件(条件1,3〜5)と同じであった。
[条件6]単位表面電極110の厚さT=20マイクロメートル
図4に示すように、ビアピッチvpが300マイクロメートル、500マイクロメートル、700マイクロメートルのいずれの場合においても、第1ビア群VG1において両端のビアv11,v17の電流密度が最も高く、より内側のビアほど電流密度がより低かった。同様に、ビアピッチvpが300マイクロメートル、500マイクロメートル、700マイクロメートルのいずれの場合においても、第2ビア群VG2において両端のビアv21,v27の電流密度が最も高く、より内側のビアほど電流密度がより低かった。これら2つのビア群VG1,VG2における電流密度分布は、上述した第1シミュレーションにおける電流密度分布と同様の理由により生じたものと推測される。
図4に示すように、ビアピッチvpが小さいほど、各ビア群VG1,VG2において、ビア間の電流密度のばらつきは小さかった。具体的には、ビアピッチvpが300マイクロメートルの場合には、第1ビア群VG1の最大電流密度は、両端のビアv11,v17の電流密度(数値範囲b14内の値)であり、第1ビア群VG1の最小電流密度は、第1ビア群VG1において最も内側のビアv14の電流密度(数値範囲b7内の値)であった。これに対して、ビアピッチvpが500マイクロメートルの場合には、第1ビア群VG1の最大電流密度は、両端のビアv11,v17の電流密度(数値範囲b16内の値)であり、第1ビア群VG1の最小電流密度は、第1ビア群VG1において最も内側のビアv14の電流密度(数値範囲b4内の値)であった。また、ビアピッチvpが700マイクロメートルの場合には、第1ビア群VG1の最大電流密度は、両端のビアv11,v17の電流密度(数値範囲b16内の値)であり、第1ビア群VG1の最小電流密度は、第1ビア群VG1において最も内側のビアv14の電流密度(数値範囲b2内の値)であった。なお、第2ビア群VG2における最大電流密度および最小電流密度は、上述した第1ビア群VG1における最大電流密度および最小電流密度と同じであった。
ビアピッチvpがより小さいほど、第2抵抗値Rはより小さくなる。したがって、上述した第1シミュレーションにおける理由と同様な理由により、ビアピッチvpがより小さいほど、各ビア群VG1,VG2においてビア間の電流密度のばらつきがより小さくなったものと推測される。
なお、上記条件6を変更して、単位表面電極110の厚さTを40〜200マイクロメートルに設定して行ったシミュレーションにおいても、上述した第2シミュレーション結果と同様な結果が得られた。また、上記条件4を変更して、ビアの導電率σを17900000ジーメンス毎メートル(S/m)に設定して行ったシミュレーションにおいても、上述した第2シミュレーション結果と同様な結果が得られた。
B3.ビアの導電率σの制御(第3シミュレーション):
図5は、各ビアの導電率σを変化させた場合の各ビアv11〜v17,v21〜v27の電流密度を、シミュレーションにより求めた結果を示す説明図である。図5では、図3と同様に、配線基板10の断面図をシミュレーション結果と共に表わしている。
図5に示すように、本シミュレーション(以下、「第3シミュレーション」と呼ぶ)では、ビアの導電率σを、2700000ジーメンス毎メートル、および17900000ジーメンス毎メートルに、それぞれ設定した場合の各ビアの電流密度を求めた。ビアの導電率σが低いことは、第1抵抗値rが大きいことを意味する。図5では、各ビアv11〜v17,v21〜v27の電流密度(シミュレーション結果)を、図3に示す第1シミュレーション結果と同様に、数値範囲b1〜b16により示している。
第3シミュレーションでは、第1シミュレーションと同じツールを用いた。また、第3シミュレーションにおいて設定した条件は、上記条件4に代えて、上記条件6を採用した点を除き、第1シミュレーションの各条件(条件1〜3,5)と同じであった。
図5に示すように、ビアの導電率σが2700000ジーメンス毎メートルおよび17900000ジーメンス毎メートルのいずれの場合においても、第1ビア群VG1において両端のビアv11,v17の電流密度が最も高かった。また、第1ビア群VG1では、より内側のビアほど電流密度がより低かった。第1ビア群VG1では、両端から2番目の2つのビアv12,16の電流密度が2番目に高く、内側の3つのビアv13〜v15の電流密度が最も低かった。なお、第2ビア群VG2における各ビアv21〜v27の電流密度分布は、上述した第1ビア群VG1における各ビアv11〜v17の電流密度分布と同じであった。これら2つのビア群VG1,VG2における電流密度分布は、上述した第1シミュレーションにおける電流密度分布と同様の理由により生じたものと推測される。
図5に示すように、ビアの導電率σがより小さいほど、各ビア群VG1,VG2において、ビア間の電流密度のばらつきは小さかった。具体的には、ビアの導電率σが2700000ジーメンス毎メートルの場合には、第1ビア群VG1の最大電流密度は、両端のビアv11,v17の電流密度(数値範囲b16内の値)であり、第1ビア群VG1の最小電流密度は、第1ビア群VG1における最も内側のビアv14の電流密度(数値範囲b4内の値)であった。これに対して、ビアの導電率σが17900000ジーメンス毎メートルの場合には、第1ビア群VG1の最大電流密度は、両端のビアv11,v17の電流密度(数値範囲b16内の値)であり、第1ビア群VG1の最小電流密度は、第1ビア群VG1における内側の3つのビアv13,v14,v15の電流密度(数値範囲b1内の値)であった。なお、第2ビア群VG2における最大電流密度および最小電流密度は、上述した第1ビア群VG1における最大電流密度および最小電流密度と同じであった。
このように、ビアの導電率σがより小さいほど、各ビア群VG1,VG2において、ビア間の電流密度のばらつきが小さいのは、以下の理由によるものと推測される。ビアの導電率σがより小さいほど、ビアの抵抗値(第1抵抗値r)は大きくなる。このため、端部e1から入力され、第2表面電極21を通って第1ビア群VG1に達した電流は、端部e1に最も近いビアv11および第2ビア群VG2に最も近いビアv17のみを集中して通ろうとせず、第2表面電極21内を広がって、他のビアv12〜v16をも通ろうとする。同様に、第1表面電極11および半導体素子200を介して第2ビア群VG2に達した電流は、第1ビア群VG1に最も近いビアv21および端部e2に最も近いビアv27のみを集中して通ろうとせず、第1表面電極11内を広がって、他のビアv22〜v26をも通ろうとする。以上より、ビアの導電率σがより小さいほど、各ビア群VG1,VG2において、ビア間の電流密度のばらつきが小さくなったものと推測される。
なお、上記条件2を変更して、ビアピッチvpを300マイクロメートル、および700マイクロメートルに設定して行ったシミュレーションにおいても、上述した第3シミュレーション結果と同様な結果が得られた。また、上記条件6を変更して、単位表面電極110の厚さTを40〜200マイクロメートルに設定して行ったシミュレーションにおいても、上述した第3シミュレーション結果と同様な結果が得られた。
上述した第1ないし第3シミュレーション結果から、第1抵抗値rがより大きく、かつ、第2抵抗値Rがより小さいほど、ビア群VG1,VG2において、各ビア間の電流密度のばらつきが抑制されることが理解できる。すなわち、r/Rの値がより大きいほど、ビア群VG1,VG2において、各ビア間の電流密度のばらつきを抑制できる。そこで、r/Rの値の適切な範囲について検討を行った。
図6は、r/Rと、ビア群における最大電流密度(Jmax)/ビア群における最小電流密度(Jmin)との関係を示す説明図である。図6において、横軸はr/Rを示し、縦軸はJmax/Jminを示す。図6では、上述した各シミュレーションの結果に基づき、各値をプロットしている。加えて、上記条件3に代えて、ビア高さHを0.5ミリメートルおよび2.0ミリメートルに変化させて行ったシミュレーション(以下、「第4シミュレーション」と呼ぶ)の結果もプロットしている。なお、第4シミュレーションの条件は、上述した第1シミュレーションの条件1,2,4,5と同じであった。
図6では、r/Rが10以下である各値から求めた近似直線91と、r/Rが10よりも大きい各値から求めた近似直線92とを、各値(シミュレーション結果)と併せて表示している。
近似直線91に示すように、r/Rが10以下の場合には、r/Rの変化に対するJmax/Jminの変化(近似直線91の傾き)は大きい。これに対して、r/Rが10よりも大きい場合には、r/Rの変化に対するJmax/Jminの変化(近似直線92の傾き)は、非常に小さい。Jmax/Jminの変化が小さいと、後述するようにビア群全体としての抵抗値の変化が小さくなるため、半導体モジュール100のロット間の製造ばらつきが抑制される。そこで、本実施形態では、上記式(1)(r/R>10)を満たすことにより、各ビアの電流密度のばらつきを制御すると共に、半導体モジュール100のロット間の製造ばらつきを抑制する。
前述のように、Jmax/Jminの変化を小さくすることにより半導体モジュール100のロット間の製造ばらつきが抑制されることを、図7を用いて説明する。
図7は、Jmax/Jminと、ビア群の抵抗値との関係を示す説明図である。図7において、横軸はJmax/Jminを示し、縦軸はビア群の抵抗値を示す。ビア群の抵抗値は、ビア群全体としての抵抗値(ミリオーム)を示す。図7では、黒色の矩形のドットは、ビアの直径Dが0.2ミリメートルであり、ビアの抵抗値が基準抵抗値である場合の値を示す。基準抵抗値とは、所定の抵抗値を意味する。黒色の三角形のドットは、ビアの直径Dが0.2ミリメートルであり、ビアの抵抗値が基準抵抗値の1/2である場合の値を示す。白色の三角形のドットは、ビアの直径Dが0.2ミリメートルであり、ビアの抵抗値が基準抵抗値の2倍である場合の値を示す。黒色の円形のドットは、ビアの直径Dが0.3ミリメートルであり、ビアの抵抗値が基準抵抗値である場合の値を示す。なお、図7に示す各値は、シミュレーションにより得られた値である。
図7に示すように、ビアの直径Dの大きさやビアの抵抗値の大きさに関わらず、Jmax/Jminと、ビア群の抵抗値とは、比例関係にある。したがって、Jmax/Jminの変化が大きいと、ビア群の抵抗値の変化も大きくなる。ビア群の抵抗値の変化が大きいと、半導体モジュール100の特性も大きく変化するため、半導体モジュール100のロット間の製造ばらつきが大きくなる。このため、Jmax/Jminの変化を小さくすることにより、半導体モジュール100のロット間の製造ばらつきを抑制することができる。
r/R>10を満たすように、第1抵抗値rを制御することは、第3シミュレーションのように、ビアの導電率σを制御することにより実現できる。ビアの導電率σの制御は、例えば、ビアにおけるフィラーの含有量を制御することや、ビアの材料を選択するにより実現できる。また、第1抵抗値rの制御は、例えば、ビアの高さHやビアの直径Dにより制御できる。具体的には、ビアの高さHをより高くすることにより、または、ビアの直径Dをより小さくすることにより、第1抵抗値rをより大きくすることができる。
また、r/R>10を満たすように、第2抵抗値Rを制御することは、第1シミュレーションのように単位表面電極110の厚さTを制御することや、第2シミュレーションのようにビアピッチvpを制御することにより実現できる。また、単位表面電極110の導電率や単位表面電極110の長さLを制御することによっても、第2抵抗値Rを制御することができる。具体的には、単位表面電極110の導電率をより大きくすることにより、および、単位表面電極110の長さLをより小さくすることにより、第2抵抗値Rをより小さくすることができる。
以上説明したように、本実施形態の半導体モジュール100では、第1抵抗値r(ビアの抵抗値)と、第2抵抗値R(単位表面電極110の抵抗値)との比(r/R)が10よりも大きくなるように構成されている。このため、各ビア群VG1,VG2において、各ビア間の電流密度のばらつきを抑制して、各ビアで生じる熱に起因する熱応力のばらつきを抑制できる。したがって、各ビアの熱応力のばらつきに起因するクラックや反りの発生を抑制し、配線基板10の損傷を抑制できる。加えて、r/Rを10よりも大きくするので、r/Rの変化に対するJmax/Jminの変化を低減することができる。ここで、r/Rは、製造誤差により容易に変化し得る。また、Jmax/Jminは、ビア群全体としての抵抗値と比例関係にある。このため、r/Rの変化に対するビア群全体としての抵抗値の変化を低減できる。したがって、r/Rが製造誤差等によってロット間で変化(相違)しても、ビア全体としての抵抗値のロット間での変化(相違)を小さくできる。このため、半導体モジュール100のロット間の製造ばらつきを抑制することができる。
C.変形例:
C1.変形例1:
図8は、変形例の配線基板10aの詳細構成を示す斜視図である。上記実施形態の配線基板10では、各ビア群VG1,VG2を構成するビアは、図2に示すように、X軸方向に沿って線状に並んで配置されていた。しかしながら、本発明のビアの配列は、このように線状に並ぶ配列に限定されるものではなく、図8に示すように、面状に並ぶ配列を採用してもよい。
図8に示すように、変形例の配線基板10aは、2つのビア群VG11,VG12(第3ビア群VG11および第4ビア群VG12)を備えている。第3ビア群VG11の各ビアの−Z方向の端面は、第2表面電極21aに接している。また、第3ビア群VG11の各ビアの+Z方向の端面は、第1表面電極11aに接して配置されている。第4ビア群VG12の各ビアの−Z方向の端面は、第3表面電極22aに接して配置されている。また、第4ビア群VG12の各ビアの+Z方向の端面は、第1表面電極11aに接して配置されている。第2表面電極21aの+X方向の端部e11は、実施形態の端部e1と同様に、電流入力部として機能する。また、第3表面電極22aの−X方向の端部e12は、実施形態の端部e2と同様に、電流出力部として機能する。
第3ビア群VG11は、X軸方向に沿って所定の間隔(ビアピッチvpa)で並ぶ多数のビアと、Y軸方向に沿って並ぶ多数のビアとからなる。同様に、第4ビア群VG12は、X軸方向に沿って所定の間隔(ビアピッチvpa)で並ぶ多数のビアと、Y軸方向に沿って並ぶ多数のビアとからなる。なお、ビアピッチvpaは、実施形態におけるビアピッチvpと同じ長さである。
変形例の配線基板10aにおける電流の流れc11は、図8の一点鎖線に示すように、実施形態の配線基板10における電流の流れc1と同様である。すなわち、端部e11から入力された電流は、第2表面電極21aを−X方向に向かい、第3ビア群VG11の各ビアの−Z方向の端部に至る。その後、電流の流れc11は、ビア群VG11を通って第1表面電極11aに至り、第1表面電極11aを−X方向に向かって図示しない半導体素子200に至る。電流の流れc11は、図示しない半導体素子200から第1表面電極11aを−X方向に向かって第4ビア群VG12の各ビアの+Z方向の端部に至る。そして、第4ビア群VG12を通って第1表面電極11aから第3表面電極22aに至った電流は、第3表面電極22aを−X方向に向かって端部e12に至り、さらに、端部e12から外部へと出力される。
上述した電流の流れc11に基づき、第3ビア群VG11を言い換えると、第3ビア群VG11は、第1表面電極11aにおける電流の流れc11と第2表面電極21における電流の流れc11とのいずれにも並行な方向に並ぶ複数のビアと、第1表面電極11aにおける電流の流れc11と第2表面電極21における電流の流れc11とのいずれにも垂直な方向に並ぶ複数のビアとからなる。同様に、第4ビア群VG12を言い換えると、第4ビア群VG12は、第1表面電極11aにおける電流の流れc11と第3表面電極22aにおける電流の流れc11とのいずれにも並行な方向に並ぶ複数のビアと、第1表面電極11aにおける電流の流れc11と第3表面電極22aにおける電流の流れc11とのいずれにも垂直な方向に並ぶ複数のビアとからなる。
以上の構成を有する配線基板10aは、上記実施形態の配線基板10と同様な効果を有する。また、配線基板10aを有する変形例の半導体モジュールは、上記実施形態の半導体モジュール100と同様な効果を有する。なお、上述した変形例1において、第3ビア群VG11は請求項における第2ビア群に相当し、第4ビア群VG12は請求項における第3ビア群に相当する。
C2.変形例2:
上記実施形態では、第1表面電極11における単位表面電極110と、第2表面電極21における単位表面電極110と、第3表面電極22における単位表面電極110とは、互いに同じであったが、これら3つの表面電極11,21,22における単位表面電極のうち、少なくとも2つは互いに異なる構成としてもよい。
図9は、変形例2における配線基板の第1の態様を示す断面図である。図9に示す変形例2の第1の態様の配線基板10bは、第2配線層52に代えて、第2配線層52aを備えている点において、図1および図2に示す実施形態の配線基板10と異なり、他の構成は、配線基板10と同じである。図9では、第1ビア群VG1近傍の構成を拡大して示す。なお、第2ビア群VG2近傍の構成は、図9に示す構成と同様であるので、図示および説明を省略する。
変形例2の第1の態様の第2配線層52aは、Z軸方向の長さがより小さい点において、実施形態の第2配線層52と異なり、他の構成は、第2配線層52と同じである。第2配線層52aに含まれる端部e101のZ軸方向の長さは、実施形態の端部e1のZ軸方向の長さよりも小さい。また、第2配線層52aに含まれる第2表面電極121aのZ軸方向の長さは、実施形態の第2表面電極21のZ軸方向の長さよりも小さい。したがって、変形例2の第1の態様では、単位表面電極110aの厚さT(Z軸方向の長さ)は、実施形態の単位表面電極110の厚さTよりも小さい。このため、単位表面電極110aの抵抗値Ra(以下、「第3抵抗値Ra」と呼ぶ)は、実施形態の単位表面電極110の抵抗値(第2抵抗値R)よりも大きい。なお、第1配線層51は、実施形態の第1配線層51と同じであるため、第1表面電極11に含まれる単位表面電極110の第2抵抗値Rは、実施形態の第2抵抗値Rと同じである。
変形例2の第1の態様においては、第2表面電極121aに含まれる単位表面電極110aの第3抵抗値Raは、単位表面電極110の第2抵抗値Rよりも大きく、r/Ra(第1抵抗値/第3抵抗値)は、10以下の値となっている。これに対して、第1表面電極11の第2抵抗値Rについては、r/Rは10よりも大きい。
以上説明した変形例2の第1の態様においても、第1表面電極11および第2表面電極121aのうち、少なくとも第1表面電極11について、r/R>10を満たすので、r/Rおよびr/Raのいずれもが10以下となる構成に比べて、第1ビア群VG1を構成するビア間における電流密度のばらつきを抑制できる。
図10は、変形例2における配線基板の第2の態様を示す断面図である。図10に示す変形例2の第2の態様の配線基板10cは、セラミックス層53に代えて、セラミックス層53aを備えている点において、図1および図2に示す実施形態の配線基板10と異なり、他の構成は、配線基板10と同じである。図10では、第1ビア群VG21近傍の構成を拡大して示す。なお、第2ビア群近傍の構成は、図9に示す構成と同様であるので、図示および説明を省略する。
変形例2の第2の態様のセラミックス層53aは、第1ビア群VG1に代えて、第1ビア群VG21を備えている点において、実施形態のセラミックス層53と異なり、他の構成は、実施形態のセラミックス層53と同じである。
図10に示すように、第1ビア群VG21の各ビアは、互いに平行に配置されていない。図10に示すように、第1ビア群VG21は、隣り合うビア間のX軸方向に沿った距離が、+Z方向に向かうにつれて大きくなるように配置されている。このため、第1ビア群VG21は、全体として扇状に配置されている。
第1ビア群VG21を構成する各ビアは、扇状に配置されているため、各ビアの長手方向に沿った長さは一定ではない。具体的には、第1ビア群VG21を構成する7つのビアのうち、最も外側の2つのビアの長手方向の長さが最も長く、外側から2番目の2つのビアの長手方向の長さが2番目に長く、外側から3番目の2つのビアの長手方向の長さが3番目に長く、最も内側の(すなわち、中央の)ビアの長手方向の長さが最も短い。したがって、第1ビア群VG21を構成する7つのビアのうち、より外側のビアの抵抗値rは、より大きい。なお、以降では、説明の便宜上、第1ビア群VG21を構成する7つのビアの抵抗値を、いずれも抵抗値raと表わす。
変形例2の第2の態様では、第2表面電極21における単位表面電極110bのX軸方向の長さは、実施形態の単位表面電極110のX軸方向の長さよりも短い。このため、単位表面電極110bの抵抗値Rbは、実施形態の単位表面電極110の第2抵抗値Rよりも小さい。そして、変形例2の第2の態様では、いずれのビアについても、ra/Rbが10よりも大きい。
これに対して、第1表面電極11における単位表面電極110cのX軸方向の長さは、実施形態の単位表面電極110のX軸方向の長さよりも長い。このため、単位表面電極110cの抵抗値Rcは、単位表面電極110の第2抵抗値Rよりも大きい。そして、変形例2の第2の態様では、いずれのビアについても、ra/Rcが10以下である。
以上説明した変形例2の第2の態様においても、第1表面電極11および第2表面電極21のうち、少なくとも第2表面電極21について、ra/Rb>10を満たすので、ra/Rbおよびra/Rcのいずれもが10以下となる構成に比べて、第1ビア群VG21を構成するビア間における電流密度のばらつきを抑制できる。
なお、上述した変形例2および実施形態では、配線基板10,10b,10cに含まれる2つのビア群は、互いに同じ構成であったが、互いに異なる構成とすることもできる。例えば、第1ビア群およびその近傍の構成を、図2に示す実施形態の第1ビア群VG1およびその近傍の構成とすると共に、第2ビア群およびその近傍の構成を、図10に示す変形例2の第2の態様の第1ビア群VG21およびその近傍の構成としてもよい。
また、上述した変形例2の第2の態様においては、第1ビア群VG21を構成する7つのビアの抵抗値は、一定値ではなかったが、これに代えて一定値としてもよい。この構成においては、例えば、各ビアの導電率σを制御することにより、互いに同じ抵抗値とすることができる。
C3.変形例3:
上記実施形態では、電流の流れc1は、第2配線層52(第2表面電極21)からセラミックス層53(第1ビア群VG1)を通って第1配線層51(第1表面電極11)に至り、また、第1配線層51(第1表面電極11)からセラミックス層53(第2ビア群VG2)を通って第2配線層52(第3表面電極22)に至る流れであったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第2配線層52(第2表面電極21)からセラミックス層53(第1ビア群VG1)をとおって第1配線層51(第1表面電極11)に至り、その後、半導体素子200を介して第1表面電極11から外部への出力する流れを採用してもよい。この構成においては、第2ビア群VG2を省略すると共に、第1表面電極11に電流出力部を設けることが望ましい。このような構成においても、第1ビア群VG1を構成する各ビア間の電流密度のばらつきを抑制し、配線基板10におけるクラックの発生等を抑制できる。
C4.変形例4:
上記実施形態では、配線基板10には、電力供給用の配線(2つのビア群VG1,VG2、第1表面電極11、第2表面電極21、および第3表面電極22)のみが形成されていたが、電力供給用の配線に加えて、制御用信号(半導体素子200駆動用の信号)の伝達用の配線が形成されていてもよい。また、上記実施形態では、配線基板10に含まれるセラミックス層53の数は一層であったが、複数層とすることもできる。この構成においては、複数のセラミックス層53を積層させ、得られた積層体の表面に、第1表面電極11、第2表面電極21および第3表面電極22を形成することが望ましい。なお、このような複数のセラミックス層53が積層された構造を有する配線基板においては、予め各層においてビアホールを形成し、かつ、ビアホールを導電材料で埋めておき、その後に各層を積層させることにより、各ビアを形成することができる。なお、ビアホールを導電材料で埋める方法としては、例えば、導電材料をめっきや印刷することにより実現できる。
C5.変形例5:
上記実施形態では、第1ビア群VG1および第2ビア群VG2を構成するビアの数は、いずれも7つであったが、それぞれ複数の任意の数としてもよい。また、第1ビア群VG1と第2ビア群VG2とで互い異なる数のビアを含む構成としてもよい。
本発明は、上述の実施形態および変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する本実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…配線基板
10a…配線基板
10b…配線基板
10c…配線基板
11…第1表面電極
11a…第1表面電極
13…第1絶縁部
21…第2表面電極
21a…第2表面電極
22…第3表面電極
22a…第3表面電極
23…第2絶縁部
51…第1配線層
52…第2配線層
52a…第2配線層
53…セラミックス層
53a…セラミックス層
54…接合層
55…絶縁層
56…絶縁接合部
91…近似直線
92…近似直線
100…半導体モジュール
110…単位表面電極
110a…単位表面電極
110b…単位表面電極
110c…単位表面電極
121a…第2表面電極
200…半導体素子
300…放熱器
310…フィン
320…筐体
r…第1抵抗値
R…第2抵抗値
Ar1…領域
Ar2…領域
VG1…第1ビア群
VG2…第2ビア群
VG11…第3ビア群
VG12…第4ビア群
VG21…第1ビア群
S1…第1表面
S2…第2表面
b1〜b16…数値範囲
e1…端部
e2…端部
e11…端部
e12…端部
e101…端部
Ra…第3抵抗値
Rb…抵抗値
Rc…抵抗値
vp…ビアピッチ
vpa…ビアピッチ
v11〜v17,v21〜v27…ビア

Claims (8)

  1. セラミックス層と、
    前記セラミックス層の厚さ方向の一端に位置する第1表面に配置されている第1表面電極と、
    前記セラミックス層の厚さ方向の他端に位置する第2表面に配置されている第2表面電極と、
    前記セラミックス層の内部に配置され、前記第1表面電極と前記第2表面電極とに接触し、互いに同じ第1抵抗値を有する少なくとも2つのビアを有する第1ビア群と、
    を備える配線基板であって、
    前記第1表面電極において、前記第1ビア群のうちの隣り合う2つのビアと接触する2つの接触部の間は、第2抵抗値を有し、
    前記第2表面電極において、前記第1ビア群のうちの隣り合う2つのビアと接触する2つの接触部の間は、第3抵抗値を有し、
    (前記第1抵抗値)/(前記第2抵抗値)>10と、(前記第1抵抗値)/(前記第3抵抗値)>10とのうち、少なくとも一方を満たすこと、
    を特徴とする配線基板。
  2. 請求項1に記載の配線基板において、
    (前記第1抵抗値)/(前記第2抵抗値)>10と、(前記第1抵抗値)/(前記第3抵抗値)>10とをいずれも満たすこと、
    を特徴とする配線基板。
  3. 請求項2に記載の配線基板において、
    前記第1ビア群を構成するビアは、前記厚さ方向に沿って互いに平行に配置され、
    前記第2抵抗値と前記第3抵抗値とは互いに等しいこと、
    を特徴とする配線基板。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の配線基板において、
    前記第2表面電極は、前記第2表面に沿って互いに所定の距離だけ離れて配置されている第3表面電極および第4表面電極を含み、
    前記第1ビア群は、前記第1表面電極と前記第3表面電極とに接触する少なくとも2つのビアからなる第2ビア群と、前記第1表面電極と前記第4表面電極とに接触する少なくとも2つのビアからなる第3ビア群とを含むこと、
    を特徴とする配線基板。
  5. 請求項4に記載の配線基板において、
    前記第2ビア群は、
    前記第1表面電極における電流の流れる方向と前記第3表面電極における電流の流れる方向とのいずれにも平行な方向に並ぶ複数のビアと、
    前記第1表面電極における電流の流れる方向と前記第3表面電極における電流の流れる方向とのいずれにも垂直な方向に並ぶ複数のビアと、
    からなり、
    前記第3ビア群は、
    前記第1表面電極における電流の流れる方向と前記第4表面電極における電流の流れる方向とのいずれにも平行な方向に並ぶ複数のビアと、
    前記第1表面電極における電流の流れる方向と前記第4表面電極における電流の流れる方向とのいずれにも垂直な方向に並ぶ複数のビアと、
    からなること、
    を特徴とする配線基板。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の配線基板において、
    前記第1ビア群を構成するビアは、タングステンとモリブデンとのうち、少なくとも一方を含む金属により形成されていること、
    を特徴とする配線基板。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の配線基板において、
    前記第1表面電極と前記第2表面電極とのうち、少なくとも一方は、銅を含む金属により形成されていることを、
    を特徴とする配線基板。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の配線基板と、電力用半導体素子とを有し、20アンペア以上の電流が通電される、半導体モジュール。
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