JP2015036451A - 蒸着用マスクおよび表示装置の製造方法 - Google Patents

蒸着用マスクおよび表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マスクパターンの位置精度を向上させることが可能な蒸着用マスクを提供する。【解決手段】蒸着用マスクは、複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、マスク本体を保持すると共に、マスク本体の通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備える。調整フレームは、枠状の基材と、基材の少なくとも一辺に沿って設けられ、マスク本体の外縁部と接着されると共に、基材上において少なくとも一部が変形可能である可動部材とを有し、可動部材の選択的な領域に1または複数の切り込みが設けられている。【選択図】図8A

Description

本開示は、蒸着等に用いられるマスクに加える応力を調整する蒸着用マスク、これを搭載したマスク装置、このマスク装置の製造装置および製造方法に関する。
例えば有機EL(Electro-Luminescence)素子を用いた表示装置の製造工程では、基板上に、蒸着用マスクを用いた真空蒸着法によって、赤(R),緑(G)および青(B)の画素毎に有機膜のパターンが形成される。
この蒸着用マスクは例えば次のように作製される。まず、電気鋳造法あるいはフォトエッチング法等によって、多数の微細な通過孔(開口)がパターン形成されたマスク本体(マスク箔)が形成される。この後、マスク本体に張力が付加された状態で、マスク本体がフレームに溶接などにより固定される。
ところが、マスク本体がフレームに固定された後には、マスク部分の張力を調整することが難しく、変形が生じた場合などに対応しにくい。また、マスク面内では、通過孔の形成密度あるいは膜厚分布等によって、応力にばらつきが生じる。更に、フレーム自体の変形量にも個体差があるため、予めマスクの変形量を予測することは困難である。そこで、マスクをフレームに固定後、その通過孔の位置を修正する手法が提案されている(特許文献1)。
上記特許文献1に記載の手法では、フレームに保持されるマスク本体と、マスク本体の少なくとも1辺に接着されたガイド部材と、ガイド部材を介してマスク本体に所定の張力を付加する張力付加手段とを備える。張力付加手段は、ガイド部材の側壁に形成されたネジ孔と、そのネジ孔に挿入可能であり先端部がフレームの側面に当接するネジとを含む。作業者がネジを締めたり緩めたりすることで、マスク本体に張力を加えることができる(例えば、特許文献1の明細書段落[0031]〜[0035]および図4参照)。
特開2004−6257号公報
このような蒸着用マスクでは、パネルの量産化,大型化および高精細化等に伴い、マスク本体にパターン形成された通過孔(マスクパターン)の位置精度を向上することが望まれている。
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、マスクパターンの位置精度を向上させることが可能な蒸着用マスクおよびそのような蒸着用マスクを用いた表示装置の製造方法を提供することにある。
本開示の第1の蒸着用マスクは、複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、マスク本体を保持すると共に、マスク本体の通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、調整フレームは、枠状の基材と、基材の少なくとも一辺に沿って設けられ、マスク本体の外縁部と接着されると共に、基材上において少なくとも一部が変形可能である可動部材とを有し、可動部材の選択的な領域に1または複数の切り込みが設けられている。
本開示の第1の蒸着用マスクでは、複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、これを保持しつつ通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備える。調整フレームにおいて、基材の少なくとも一辺に沿って可動部材が設けられ、この可動部材にマスク本体の外縁部が接着されている。可動部材の選択的な領域に1または複数の切り込みが設けられていることにより、マスク本体の通過孔位置を局所的に調整することができる。
本開示の第2の蒸着用マスクは、複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、マスク本体を保持すると共に、マスク本体の通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、調整フレームは、枠状の基材と、基材の少なくとも一辺に沿って設けられ、マスク本体の外縁部と接着されると共に、基材上において少なくとも一部が変形可能である可動部材とを有し、可動部材は、パターン領域に近接して設けられている。
本開示の第2の蒸着用マスクでは、複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、これを保持しつつ通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備える。調整フレームにおいて、基材の少なくとも一辺に沿って可動部材が設けられ、この可動部材にマスク本体の外縁部が接着されている。可動部材が、パターン領域に近接して設けられていることにより、マスク本体の通過孔位置を局所的に調整することができる。
本開示の第3の蒸着用マスクは、複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、マスク本体を保持すると共に、マスク本体の通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、調整フレームは、枠状の基材と、基材の各辺に沿って設けられ、マスク本体の外縁部と接着されると共に、それぞれが基材上において少なくとも一部が変形可能である複数の可動部材とを有し、複数の可動部材同士は互いに連結して設けられている。
本開示の第3の蒸着用マスクでは、複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、これを保持しつつ通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備える。調整フレームにおいて、基材の各辺に沿って複数の可動部材が設けられ、各可動部材にマスク本体の外縁部が接着されている。これらの可動部材同士が互いに連結して設けられていることにより、例えば加熱時(蒸着時および洗浄時など)に、可動部材同士の相対的な位置ずれに起因してマスク本体に皺(シワ)が発生しにくくなる。
本開示の第4の蒸着用マスクは、複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、マスク本体を保持すると共に、マスク本体の通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、調整フレームは、枠状の基材と、基材の少なくとも一辺に沿って設けられ、マスク本体の外縁部と接着されると共に、基材上において少なくとも一部が変形可能である可動部材とを有し、可動部材のマスク本体との対向面に凹部を有する。
本開示の第4の蒸着用マスクでは、 複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、これを保持しつつ通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備える。調整フレームにおいて、基材の少なくとも一辺に沿って可動部材が設けられ、この可動部材にマスク本体の外縁部が接着されている。可動部材が、マスク本体との対向面に凹部を有することにより、例えばマスク本体を調整フレームに接着する際などに生じる通過孔の変位が抑制される。
本開示の第1の表示装置の製造方法は、第1電極を形成する工程と、第1電極上に、発光層を含む有機層を上記本開示の第1の蒸着用マスクを用いて形成する工程と、有機層上に第2電極を形成する工程とを含むものである。
本開示の第2の表示装置の製造方法は、第1電極を形成する工程と、第1電極上に、発光層を含む有機層を上記本開示の第2の蒸着用マスクを用いて形成する工程と、有機層上に第2電極を形成する工程とを含むものである。
本開示の第3の表示装置の製造方法は、第1電極を形成する工程と、第1電極上に、発光層を含む有機層を上記本開示の第3の蒸着用マスクを用いて形成する工程と、有機層上に第2電極を形成する工程とを含むものである。
本開示の第4の表示装置の製造方法は、第1電極を形成する工程と、第1電極上に、発光層を含む有機層を上記本開示の第4の蒸着用マスクを用いて形成する工程と、有機層上に第2電極を形成する工程とを含むものである。
本開示の第1の蒸着用マスクでは、複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、これを保持しつつ通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備える。調整フレームでは、基材の少なくとも一辺に沿って設けられた可動部材にマスク本体の外縁部が接着されている。この可動部材の選択的な領域に1または複数の切り込みが設けられているので、マスク本体の通過孔位置を局所的に調整することができ、通過孔の位置を極め細やかに調整可能となる。よって、マスクパターンの位置精度を向上させることが可能となる。
本開示の第2の蒸着用マスクでは、複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、これを保持しつつ通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備える。調整フレームでは、基材の少なくとも一辺に沿って設けられた可動部材にマスク本体の外縁部が接着されている。この可動部材が、パターン領域に近接して設けられていることにより、マスク本体の通過孔位置を局所的に調整することができ、通過孔の位置を極め細やかに調整可能となる。よって、マスクパターンの位置精度を向上させることが可能となる。
本開示の第3の蒸着用マスクでは、複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、これを保持しつつ通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備える。調整フレームにおいて、基材の各辺に沿って設けられた複数の可動部材にマスク本体の外縁部が接着されている。これらの可動部材同士が互いに連結して設けられていることにより、例えば加熱時(蒸着時および洗浄時など)においてマスク本体に皺を生じにくくなる。よって、マスクパターンの位置精度を向上させることが可能となる。
本開示の第4の蒸着用マスクでは、複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、これを保持しつつ通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備える。調整フレームにおいて、基材の少なくとも一辺に沿って可動部材が設けられ、この可動部材にマスク本体の外縁部が接着されている。可動部材が、マスク本体との対向面に凹部を有することにより、例えばマスク本体を調整フレームに接着する際などに生じる通過孔の変位を抑制することができる。よって、マスクパターンの位置精度を向上させることが可能となる。
本開示の第1の表示装置の製造方法では、上記本開示の第1の蒸着用マスクを用いて有機層を形成するようにしたので、精度良く有機層のパターンを形成することができ、パネルの高精細化につながる。
本開示の第2の表示装置の製造方法では、上記本開示の第2の蒸着用マスクを用いて有機層を形成するようにしたので、精度良く有機層のパターンを形成することができ、パネルの高精細化につながる。
本開示の第3の表示装置の製造方法では、上記本開示の第3の蒸着用マスクを用いて有機層を形成するようにしたので、精度良く有機層のパターンを形成することができ、パネルの高精細化につながる。
本開示の第4の表示装置の製造方法では、上記本開示の第1の蒸着用マスクを用いて有機層を形成するようにしたので、精度良く有機層のパターンを形成することができ、パネルの高精細化につながる。
本開示の第1の実施の形態に係る蒸着用マスクの斜視図である。 マスク本体に形成された通過孔パターンの一例を示す拡大図である。 図1に示した調整フレームの斜視図である。 図1に示した調整フレームのXY平面図である。 図3AにおけるI−I線における断面図である。 図1に示した調整機構の付近の構成を表すXY平面図である。 図5に示したII−II線における断面図である。 図5に示したIII−III線における断面図である。 可動部材の固定機構の一例を示す断面図である。 可動部材の固定機構の一例を示す断面図である。 可動部材の固定機構の一例を示す断面図である。 可動部材のXY拡大平面図である。 可動部材の拡大斜視図である。 図1に示した蒸着用マスクの作製方法の流れを表す図である。 図1に示した蒸着用マスクの作製方法を工程順に説明するための模式図である。 図10Aに続く工程を表す模式図である。 図10Bに続く工程を表す模式図である。 図10Cに続く工程を表す模式図である。 図10Dに続く工程を表す模式図である。 局所的な位置ずれを説明するための模式図である。 局所的な位置調整を説明するための模式図である。 シミュレーションに用いた蒸着用マスクのXY平面図である。 位置調整前のシミュレーション結果を表す特性図である。 辺全体の位置調整後のシミュレーション結果を表す特性図である。 辺全体の位置調整後のシミュレーション結果を表す特性図である。 局所的な位置調整を説明するための模式図である。 局所的な位置調整の詳細を説明するための模式図である。 局所的な位置調整の詳細を説明するための模式図である。 局所的な位置調整の詳細を説明するための模式図である。 本開示の第2の実施の形態に係る蒸着用マスクのXY平面図である。 可動部材およびパターン領域間の距離と軸力との関係を表す特性図である。 シミュレーションに用いた蒸着用マスクのXY平面図である。 図21に示した蒸着用マスクにおける局所的な位置調整前のシミュレーション結果を表す特性図である。 図21に示した蒸着用マスクにおける局所的な位置調整後のシミュレーション結果を表す特性図である。 本開示の第3の実施の形態に係る蒸着用マスク(調整フレーム)の斜視図である。 図24Aに示した連結部の拡大図である。 可動部材の当接面の構成を表す模式図である。 可動部材の裏面の構成を表す模式図である。 可動部材の裏面の構成を表す模式図である。 比較例に係る蒸着用マスク(調整フレーム)の斜視図である。 連結部の他の構成例を表す模式図である。 連結部の他の構成例を表す模式図である。 連結部の他の構成例を表す模式図である。 連結部の他の構成例を表す模式図である。 本開示の第4の実施形態に係る蒸着用マスクの断面図である。 比較例に係る蒸着用マスクの断面図である。 段差部の角部の構造の一例を表す断面模式図である。 段差部の角部の構造の一例を表す断面模式図である。 段差部の角部の構造の一例を表す断面模式図である。 図33に示した蒸着用マスクの溶接前後の実測結果を表す特性図である。 図32に示した蒸着用マスクの溶接前後の実測結果を表す特性図である。 位置調整装置の構成を表す図である。 図37に示した操作装置を示す斜視図である。 位置調整装置に蒸着用マスクがセットされた状態を示す斜視図である。 適用例1に係る表示装置(有機EL表示装置)の構成を表す断面図である。 図40に示したサブ画素の2次元配置例を表す模式図である。 図40に示したサブ画素の2次元配置例を表す模式図である。 図40に示した表示装置を含むモジュールの概略構成を表す平面図である。 テレビジョン装置の構成を表す斜視図である。 デジタルスチルカメラの構成を表す斜視図である。 デジタルスチルカメラの構成を表す斜視図である。 パーソナルコンピュータの外観を表す斜視図である。 ビデオカメラの外観を表す斜視図である。 携帯電話機の構成を表す平面図である。 携帯電話機の構成を表す平面図である。 スマートフォンの構成を表す斜視図である。 スマートフォンの構成を表す斜視図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。尚、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(切り込みを有する可動部材を用いた蒸着用マスクの例)
2.第2の実施の形態(通過孔のパターン領域に近接して可動部材を設けた蒸着用マスクの例)
3.第3の実施の形態(互いに連結された可動部材を用いた蒸着用マスクの例)
4.第4の実施の形態(マスク本体との対向面に凹部を有する可動部材を用いた蒸着用マスクの例)
5.適用例1(有機EL表示装置の例)
6.適用例2(電子機器の例)
<第1の実施の形態>
[構成]
図1は、本開示の第1の実施形態に係る蒸着用マスク(蒸着用マスク1)の斜視図である。蒸着用マスク1は、例えば有機EL素子を用いた表示デバイス(後述の有機EL表示装置)の製造過程において、有機層を蒸着形成する際に用いられるものである。この蒸着用マスク1は、例えばマスク本体55と、このマスク本体55を保持すると共に、所定の位置調整機能を有する調整フレーム50とを備える。
マスク本体55は、例えばニッケル(Ni)、インバー(Fe/Ni合金)および銅(Cu)などのうちの少なくとも1種を含む材料からなる金属箔であり、厚みは、例えば10〜50μm程度である。このマスク本体55には、蒸着材料を通過させるための複数の通過孔(貫通孔)55aからなるパターン領域552が形成されている。
パターン領域552は、例えばマトリクス状、千鳥状に2次元配置された複数の通過孔55aからなり、1つの通過孔55aが、表示デバイスの1つの画素領域を形成するための要素領域に対応する。通過孔55aの形状(平面形状)は、例えば矩形状、方形状、円形状等である。図2に、通過孔55aの一例として、矩形状の通過孔(黒色の部分)を示す。この通過孔55aを介して、例えば低分子有機材料等の蒸着がなされる。例えば表示デバイスにおいて、RGBの3色の画素が形成される場合、その色数に応じた数(3つ)のマスクパターンが用いられる。図1に示した例では、3つのパターン領域552が例えばY軸方向に沿って配列(1×3の2次元配列)して形成されている。これらの3つのパターン領域552は、例えばR,G,Bのいずれかの色のパターンに相当している。このような構成により、例えば3枚の表示パネルに対して、一度に有機層の蒸着を行うことができるようになっている。
但し、パターン領域552の数は3つに限られず、1つであってもよいし、2つまたは4つ以上であってもよい。また、ここでは、パターン領域552が一軸方向(Y軸方向)に沿ってのみ配列した構成を例示しているが、2軸方向(X軸方向およびY軸方向)に沿って2次元配列した構成であってもよい。詳細は後述するが、本実施の形態では、パターン領域552同士の間隙(パターン領域552の角に対応する部分)付近などに局所的に生じる応力に起因するマスクパターンの位置ずれを調整可能である。このため、後述する本実施の形態に特有の構成は、マスク本体55に2つ以上のパターン領域552が形成される場合に特に有効である。
このようなパターン領域552を有するマスク本体55は、例えば所定の張力が付加された状態で、調整フレーム50に固着、支持されている。具体的には、マスク本体55の外縁部553が、調整フレーム50(詳細には後述の可動部材20X,20Y)に、例えばスポット溶接(例えば電気抵抗またはレーザによるもの)により接着されている。以下、調整フレーム50の具体的な構成について説明する。
(調整フレーム50)
図3Aおよび図3Bは、調整フレーム50の構成を表したものである。尚、マスク本体55およびパターン領域552に対応する部分を破線で示している。調整フレーム50は、マスク本体55の通過孔55aの位置を調整可能な機構を有している。この調整フレーム50は、例えば開口10aを有する枠状のベースフレーム10(基材)を有する。このベースフレーム10上には、ベースフレーム10の各辺の少なくとも一辺に沿って、可動部材が設けられている。ここでは、ベースフレーム10の外形が例えば矩形状または方形状であり、その4つの辺のそれぞれに沿って可動部材20X,20Yが設けられている。
各可動部材20X,20Yは、概ね同じ構造を有している。可動部材20Xは、X軸方向に沿って延在する細長い形状を有しており、可動部材20Yは、Y軸方向に沿って延在する細長い形状を有している。可動部材20X,20Yのいずれも、両端部にZ軸方向に沿って貫通するネジ孔を有している。このネジ孔に固定ボルト21が挿入され、可動部材20X,20Yがその両端部においてベースフレーム10に固定されている(図4)。
可動部材20X,20Yは、ベースフレーム10上において少なくとも一部が変形(湾曲)可能となっている。換言すると、可動部材20X,20Yは、例えばその両端部が固定された状態で、両端部以外の領域がX軸方向(またはY軸方向)に沿って移動可能となっている。可動部材20X,20Yには、後述の支持部材30および調整機構40を用いて引っ張り力または押圧力が付加されるようになっており、これにより上記変形(または移動、シフト)を生じさせる。
これらの可動部材20X,20Yにより構成される枠の外形のサイズは、マスク本体55の外形のサイズと比べ概ね同じか、または多少大きく形成され、例えばX軸方向およびY軸方向における一辺が、例えば400mm程度である。これらの可動部材20X,20Yの上面に、マスク本体55の外縁部553が接着される。Z軸方向において、ベースフレーム10の開口10a内に、マスク本体55の3つのパターン領域552が収まるように、マスク本体55が可動部材20に固定される。
ベースフレーム10上には、可動部材20X,20Yの側壁(外側の壁面)に沿って支持部材30が設けられており、この支持部材30の選択的な領域に調整機構40が設けられている。ここでは、支持部材30は、ベースフレーム10の各辺に沿って4つ設けられており、それぞれが細長い形状を有する。各支持部材30には、Z軸方向に沿って貫通するネジ孔が所定の間隔で多数設けられている。このネジ孔に固定ボルト30aが挿入され、各支持部材30がベースフレーム10に固定されている。このように、支持部材30は、ベースフレーム10と別部材により構成されているが、支持部材30とベースフレーム10とが一体成型により形成されていてもよい。
ベースフレーム10、支持部材30および可動部材20X,20Y等の材料は、処理対象となる素子基板(有機材料が蒸着される基板)の材料の熱膨張係数と同等の熱膨張係数を有する材料により構成されることが望ましい。例えば、ステンレス鋼(SUS)あるいはインバー材等が挙げられる。これは、蒸着時の温度変化に伴い、蒸着用マスク1と素子基板とを同期して膨張収縮させるとともに、膨張および収縮によるサイズの変化量を同等にするためである。また、ベースフレーム10は、十分な厚みと高い剛性を有することで、その変形量を極力小さくできることができる。あるいは、搬送やハンドリング性を考慮して重量が設定されてもよい。また、可動部材20X,20Yの材料としては、比較的柔らかい、つまりヤング率が低い材料が使用されることが望ましい。高精度な微調整が可能になるからである。
調整機構40は、支持部材30を介して、可動部材20X,20Y(即ちマスク本体55)に張力(引っ張り力)を加える引きボルト41と、押圧力を加える押しボルト42とを備える。図5は、この調整機構40付近のXY平面構成を表したものである。図6Aは、図5におけるI−I線断面図であり、図6Bは、図5におけるII−II線断面図である。尚、ここでは、可動部材20X,20Yのうち、可動部材20Yに設けられた調整機構40を例に挙げて説明する。また、図6Aおよび図6Bでは、マスク本体55と可動部材20Yとの溶接ポイントをLで示している。
引きボルト41および押しボルト42はペア(一組)となって隣り合って配置され、これらの引きボルト41および押しボルト42の複数組が、X軸方向およびY軸方向(ここではY軸方向)に沿って所定ピッチで配列されている。引きボルト41および押しボルト42としては、例えばM2(直径2mm)〜M5(直径5mm)のボルトが用いられるが、これらに限られない。引きボルト41および押しボルト42間の距離、および1組のボルト(41および42)ごとのピッチは適宜設定可能である。
支持部材30および可動部材20Yは、所定の距離(間隙)tを介して配置されている。距離tは、可動部材20Yの変形量(Y軸方向に沿ったシフト量)、引きボルト41および押しボルト42の寸法等を考慮して適宜設定され得る。
引きボルト41は、図6Aに示したように、ヘッド41aを有する。可動部材20YにはX軸方向に沿ってネジ孔22が設けられ、支持部材30には、ネジ孔22と同軸方向に沿って貫通孔32が設けられている。貫通孔32にはネジ山は設けられていない。引きボルト41は、貫通孔32によって支持されると共に、可動部材20Yのネジ孔22に装着されている。ヘッド41aが支持部材30に当接した状態で引きボルト41が締められることで、引きボルト41の動力が可動部材20Yに作用し、可動部材20Yが支持部材30に接近する方向(外側)に向かってシフトするようになっている。
通過孔55aの位置を調整する際には、この引きボルト41を用いることにより、マスク本体55(可動部材20Y)に、その外縁部553からマスク本体55の外側へ向かって引っ張り力(張力)を付加できる。その結果、通過孔55aの位置が、マスク本体55の外側へ向かってシフトするように調整される。
押しボルト42は、図6Bに示したように、ヘッド42aを有する。支持部材30にはX軸方向に沿ってネジ孔33が設けられており、押しボルト42はそのネジ孔33に装着されることにより、支持部材30により支持される。押しボルト42の先端(端部)42bは、可動部材20Yの側面24に当接している(可動部材20Yは、押しボルト42の先端42bの当接領域24aを有する)。押しボルト42の先端42bが可動部材20Yの側面24に当接した状態で、押しボルト42が締められることにより、押しボルト42の動力が可動部材20Yに作用し、可動部材20Yは支持部材30から離れる方向(内側)に向かってシフトするようになっている。
通過孔55aの位置を調整する際には、この押しボルト42を用いることにより、マスク本体55(可動部材20Y)に、その外縁部553からマスク本体55の内側(中心側)に向かって押圧力を付加できる。その結果、通過孔55aの位置が、マスク本体55の内側へ向かってシフトするように調整される。
これらの引きボルト41および押しボルト42のネジ部分には、ナットが螺着されていてもよい。その場合、ナットの回転動力が、そのボルトを介して可動部材20Yに伝達される。
上記のように、引きボルト41および押しボルト42を含む調整機構40により、マスク本体55に張力および押圧力の両方の応力を加えることができる。このような調整機構40が可動部材20X,20Yの双方に設けられることにより、マスク本体55の通過孔55aの位置を2軸方向(X軸方向およびY軸方向)に沿って調整することができる。
蒸着用マスク1は、マスクパターンの位置調整後の、通過孔55aの位置を保持する保持機構(可動部材20X,20Yの固定機構)を備えていてもよい。図7A〜図7Cは、その固定機構の例をそれぞれ示す断面図である。
図7Aに示す例では、可動部材20Yの上面側から、挿入孔20bに固定ボルト25が挿入され、ベースフレーム10のネジ孔10cに装着されることにより、ベースフレーム10に可動部材20Yが固定される。挿入孔20bのサイズは、可動部材20Yが、マスクパターンの位置調整のためにX軸方向に沿って動いたとしても、ネジ孔10cが可動部材20Yによって覆われないようなサイズとなっている。
図7Bに示す例では、支持部材30の上面側から止めネジ35により押しボルト42が固定される。図示しないが、引きボルト41も同様に止めネジで固定される。
図7Cに示す例では、例えば押しボルト42にナット43が締結されている。図示しないが引きボルト41にも、同様にナットが締結される。
なお、可動部材20X,20YのエッジにはR加工または段差加工が施されていてもよい。可動部材20X,20Yをシフトさせる際に、ベースフレーム10との引っかかりを防止できるためである。また、可動部材20X,20Yのベースフレーム10と摺接する部分には、摩擦抵抗を低くする加工が施されていてもよい。
図8Aおよび図8Bは、可動部材(ここでは可動部材20Yを例に挙げる)の詳細構成を表したものである。蒸着用マスク1では、上記のような可動部材20X,20Yのうちの選択的な領域に、切り込み(スリット)23が形成されている。切り込み23は、例えば可動部材20Yの幅方向(X軸方向)に沿って延在するように設けられている。この切り込み23は、例えば、図3Bに示した選択的な領域A内に、1または複数設けられている。具体的には、切り込み23は、X軸方向における両側に(2つの側面に開口して)設けられている。可動部材20Yの固定機構を構成するネジ孔20bは、切り込み23同士の間の領域に配置されている(切り込み23は、固定ボルト25(ネジ孔20b)等(固定機構)の設置箇所を避けて形成されている)。また、切り込み23の端部には、切り込み23に連通して、孔23aが形成されている。
切り込み23の幅dは、例えば1〜10mm程度とすることができる。但し、マスク本体55との溶接スペースおよび固定機構の設置スペースを確保するために、幅dはできるだけ小さい方が望ましい。また、孔23aと可動部材20Y側面と間の距離(幅)Z(Z=(可動部材の幅)−(切り込み長さL))は、例えば0.5〜2mm程度である。孔23aのXY平面形状は例えば円形状であり、その径(直径)は、切り込み23の幅dよりも大きく、例えば2〜5mmである。孔23aの径についても、溶接スペース等を考慮してできるだけ小さく設計されることが望ましい。
(マスク作製、位置調整方法)
上記のような調整フレーム50を有する蒸着用マスク1は、例えば次のようにして作製され、通過孔55aの位置が調整(修正)される。図9は、蒸着用マスク1の作製、洗浄、位置調整の各工程の流れを表したものである。図10A〜図10Eは、各工程を模式的に表したものである。このように、まず、所定の通過孔55aからなるパターン領域552を含むマスク本体55を、例えば電鋳(電気鋳造)により形成する(ステップS11,図10A)。この後、形成したマスク本体55を架張する(所定の張力Tを印加する)(ステップS12,図10B)。この一方で、調整フレーム50を用意する。あるいは、必要な場合には、調整フレーム50を組み立てる(ステップS16)。
続いて、マスク本体55に張力を付加した状態で、調整フレーム50への溶接を行う(ステップS13,図10C)。このとき、マスク本体55と調整フレーム50の可動部材20X,20Yとを溶接ポイントLを介して接着する。溶接後、マスク本体55の張力を解放する(ステップS14,図10D)。これにより、マスク本体55が調整フレーム50に固着される。
この後、形成したパターン領域552(通過孔55aの位置)を、カメラ111を用いて測定する(ステップS15,図10E)。そして、通過孔55aの位置精度が許容範囲内であるか判定し(ステップS17)、位置精度が不十分な場合(ステップS17のN)には、通過孔55aの位置を調整(修正)する(ステップS18)。この通過孔55aの調整(修正)ステップについては後述する。ステップS18の修正後は、再びステップS15へ戻る。
一方、十分な位置精度が得られている場合(ステップS17のY)には、蒸着用マスク1が蒸着処理に使用される。蒸着処理後には、蒸着用マスク1を洗浄し(ステップS19)、洗浄後、上記と同様の測定(ステップS20)および位置精度の判定(ステップS21)を行う。位置精度が不十分であれば(ステップS21のN)、通過孔55aの位置を調整(修正)する(ステップS22)。位置精度が十分であれば(ステップS21のY)、マスクの位置調整を終了する。
(位置調整の詳細)
本実施の形態では、上述のように、調整フレーム50が可動部材20X,20Yおよび調整機構40を備えることにより、マスク本体55のフレーム溶接後に通過孔55aの位置を調整することができる(ステップS18,S22)。この際、例えば可動部材20Yの選択的な領域Aに切り込み23が設けられていることにより、通過孔55aの位置を局所的に調整することが可能となる。
ここで、図11に、フレーム溶接後のマスク本体55の一部を拡大したものを模式的に示す。このように、マスク本体55では、パターン領域552の角部(矩形状の四隅)付近において、他の部分よりも通過孔55aの位置ずれ(図11中のX)が生じ易い。これは、通過孔55aの形成領域と非形成領域との間で、剛性に差があるためである。また、この剛性差に起因する位置ずれは、特に張力解放時に生じ易い。このような局所的な位置ずれXは、発生箇所については特定し易いものの、そのずれ量にばらつきがあり、予め見積もっておくことは困難である。位置ずれXを調整するために、図12に示したように選択的な領域Aに、ずれ量に応じた張力T1を印加することが望まれる。
以下、シミュレーション結果を示す。図13は、シミュレーションに用いた蒸着用マスク1のXY平面構成を表したものである。1×3のパターン領域552の形成領域の外縁(180mm×300mm)の各点p1の位置を測定した。図14は、フレーム溶接後(張力解放後)、位置調整前の測定点p1の位置を表したものである。目標値(位置ずれのない本来の通過孔55aの位置)に対し、実測値では、全体的に内側へ凹むように位置ずれが生じており、そのずれ量は約−16μm〜+16μmとなった。一方、図15は、図14の位置ずれに対し、可動部材20X,20Yの各辺全体を調整機構40を用いてシフトさせ、位置調整を行った後の測定点p1の位置を表したものである。これにより、ずれ量を約−8μm〜+8μmの範囲に抑制することができるが、パターン領域552の角部に対応する領域Aにおいて生じた局所的な位置ずれ(図16)を解消できず、改善が望まれる。
そこで、本実施の形態では、可動部材20Yの領域Aに切り込み23を有することにより、図17に示したように、可動部材20Yを容易に局所的に変形させる(シフトさせる)ことが可能となる。これは以下のような理由による。図18A〜図18Cを参照して、領域A付近の作用について説明する。尚、図18A〜18Cにおける矢印は、調整のために加える力の方向を模式的に表しており、図18Aの右図に示したような可動部材20Yの局所的な変形を生じさせるために、領域Aの中央付近と、その上下の各部分とに対して互いに逆向きに力を加えることを表している。
即ち、可動部材20Yを局所的にシフトさせる場合(図18Aの右図)、圧縮または引張応力が、領域a1に集中する(図18Aの左図)。このため、図18Bに示したように、可動部材20Yに切り込み23を加えることで、上記のような領域a1への応力集中を緩和することができる。
一方、切り込み23を加えた場合、切り込み23の端部(領域a2)に応力が集中する(図18B)。このため、切り込み23の長さLを大きくし過ぎると可動部材20Yが破断することがある。一方で、切り込み23の長さLが小さ過ぎると、可動部材20Yの変形に要する力が増大する。そこで、図18Cに示したように、切り込み23の端部に孔23aを加える。これにより、切り込み23の端部における応力集中を抑制することができる。よって、可動部材20Yを破断させることなく、距離Zを上述したような値(0.5mm〜2mm程度)に設定することができ、切り込み23を十分な長さで形成可能となる。
上記のような理由から、可動部材20Yに切り込み23および孔23aを設けることにより、それらを設けない場合に比べ、可動部材20Yの局所的な変形に要する力(例えばボルト軸力)を軽減することができる。これにより、図12に示したように、領域Aにずれ量に応じた張力T1を印加して局所的な位置ずれを修正することができる。
例えば、孔23aの径を3mmとし、距離Zを1mmとした場合には、ボルト軸力を約1/10以下にまで軽減することができる。具体的には、通過孔55aの10μm程度の局所的な位置ずれを調整する際には、可動部材20Yの幅が約16mmである場合、20mm幅の領域内において、可動部材20Yを80μm程度シフトさせる必要がある。ここで、可動部材20Yの幅(X軸方向に沿った長さ)を小さくしていくことにより、調整に要する軸力を低減することは可能であるが、溶接スペースあるいは固定機構のスペースを確保するために、幅の狭小化にも限界がある。さらに、可動部材20Yの材料をヤング率の小さいものに変更することによっても、上記軸力を低減することはできる。しかしながら、溶接が行われること、および被蒸着基板との熱膨張係数差が小さいことが求められるため、可動部材20Yの材料として樹脂やアルミニウム等を用いることは困難である。可動部材20Yとしては、上述したように熱膨張係数の観点からSUSやインバーなどの材料が用いられることが望ましい。このため、可動部材20Yに切り込み23が設けられていないと、必要なボルト軸力はおよそ1トンとなり、調整機構がかなり大がかりなものとなる。本実施の形態では、切り込み23および孔23aを有することにより、そのようなボルト軸力を大幅に軽減することができ、上述の調整機構40(引きボルト41および押しボルト42)を用いて容易に局所的な位置調整が可能となる。
また、可動部材20Yに切り込み23を加えることにより、可動部材20Yそのものの剛性は低下するものの、位置調整後には可動部材20Yが例えば図7A〜図7Cに示したような固定機構により固定されることから、蒸着用マスク1としては十分な剛性を維持することが可能である。
特に、マスク本体55のX軸方向およびY軸方向の少なくとも一方に沿って、2以上のパターン領域552が形成される場合(多面取りの場合)に、局所的な位置ずれXの発生箇所が増えることから、切り込み23を設けるメリットが大きくなる。更なる生産性の向上および製造コストの削減などのニーズに対応することが可能となる。また、ここでは、パターン領域552のXY配列が1×3の場合について説明したが、このような構成に限らず、XY配列がm×n(m,nは1以上の整数)の場合に広く適用可能である。また、切り込み23は、全ての可動部材20X,20Yに設けられていてもよいし、選択的な軸方向の可動部材(20Xまたは20Y)にのみ設けられていてもよい。但し、局所的な位置ずれが多く発生する軸方向に沿って延在する可動部材(本実施の形態では可動部材20Y)に、切り込み23が設けられていることが効果的である。
以上説明したように、本実施の形態では、複数の通過孔55aからなるパターン領域552を含むマスク本体55と、これを保持しつつ通過孔55aの位置を調整可能な機構を有する調整フレーム50とを備える。調整フレーム50では、ベースフレーム10の各辺に沿って可動部材20X,20Yが設けられ、この可動部材20X,20Yにマスク本体55の外縁部553が接着されている。これらの可動部材20X,20Yのうちの選択的な領域(例えば可動部材20Yの領域A)に、複数の切り込み23が設けられているので、マスク本体の通過孔位置を局所的に調整することができ、通過孔55aの位置を極め細やかに調整可能となる。よって、マスクパターンの位置精度を向上させることが可能となる。
また、可動部材に切り込み23を加えた構造とすることにより、マスク本体55の設計(応力緩和領域、テスト開口など)を維持したまま、上記の局所的調整を行うことができる。
更に、マスクを製造する工程において電気鋳造の際に生じる内部残留歪み、あるいはフォトエッチングの各処理毎の位置の精度劣化に応じた精度劣化も修正可能となる。また、マスクの製造工程において、マスクパターンの位置精度のスペックアウトの発生を抑制でき、製造における歩留り改善につながる。さらに蒸着用マスク1を後述のように蒸着処理に使用した後、洗浄工程などを経ることによりマスクパターンの位置がずれてしまったとしても、本開示によればそのずれを修正することができる。これにより、マスク装置の延命にも貢献できる。
加えて、後述の有機EL表示装置において、開口率と精細度とは互いにトレードオフの関係にある。製造工程において、本実施形態に係る蒸着用マスク1が用いられることにより、通過孔の位置精度が向上することから、上記トレードオフの限界ラインを超え、高開口率および高精細の表示デバイスを実現できる。開口率がアップするということは、つまり、有機EL表示デバイスの高輝度化および長寿命化が可能となる。
以下、本開示の他の実施の形態(第2〜第4の実施の形態)の蒸着用マスクについて説明する。尚、上記第1の実施の形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
<第2の実施の形態>
図19は、本開示の第2の実施形態に係る蒸着用マスクのXY平面図である。但し、マスク本体55については破線で示している。本実施の形態の蒸着用マスクも、上記第1の実施の形態と同様、例えば有機EL素子を用いた表示デバイスの製造過程において用いられるものであり、例えばマスク本体55と、このマスク本体55を保持すると共に、所定の位置調整機能を有する調整フレーム50とを備える。調整フレーム50は、ベースフレーム10上に可動部材20X,20Yおよび支持部材30を備えると共に、調整機構40を有している。
上記第1の実施の形態では、可動部材20Yに切り込み23を設けることにより、局所的な通過孔位置を調整したが、本実施の形態では、切り込み23を設けることなく、上記と同様の局所的な位置調整を実現可能なマスク構成について説明する。
具体的には、本実施の形態では、可動部材20X,20Yのうちの少なくとも一方が、パターン領域552に近接して配置されている(パターン領域552の近傍に配置されている)。ここでは、可動部材20Yが、上記第1の実施の形態の場合よりもパターン領域552に近接した構成となっている。本実施の形態では、可動部材20Yが切り込み23および孔23aを有していない点、およびその可動部材20Y(詳細には溶接ポイント)とパターン領域552の端部との間の距離sが所定の値以下となるように設計されている点で、上記第1の実施の形態と異なっている。
図20に、距離sとボルトが発揮する軸力Nとの関係の一例について示す。このように、どのような種類のボルトを用いた場合であっても、その軸力Nと距離sとの間には相関があることから、局所的な位置調整のために必要とされる軸力(N1)から最適距離(s1)を設定することができる。
このように、本実施の形態では、可動部材20YのX軸方向における位置が、必要とされる軸力に応じて適切に設定することにより、より小さな軸力で局所的な位置調整を実現できる。換言すると、距離sの適切な設定により、局所的な位置調整を行うために必要な軸力をコントロールすることができる。
以下、本実施の形態のシミュレーション結果を示す。図21は、シミュレーションに用いた蒸着用マスクのXY平面構成を表したものである。開口10aが900mm×900mmのベースフレーム10を用い、マスク本体55としては、厚み12mmのインバーよりなる箔に1×2のパターン領域552を形成したものを用いた。また、可動部材20Yとパターン領域552との間の距離sを30mmとした。このようなマスクパターンにおいて、1×2のパターン領域552の外縁の各点p2の位置を測定した。図22は、フレーム溶接後(張力解放後)、局所的な位置調整前の測定点p2の位置を表したものである。目標値に対し、実測値では、局所的な領域において位置ずれが生じており、そのずれ量(最大値)はX軸方向において約−13μm〜+13μm、Y軸方向において約−6μm〜+6μmであった。一方、図23は、図22の位置ずれに対し、局所的な位置調整を行った後の測定点p2の位置を表したものである。ずれ量を、X軸方向において約−3μm〜+3μm、Y軸方向において約−2μm〜+2μmの範囲にまで抑制することができた。
以上のように本実施の形態では、マスク本体55の通過孔位置を調整可能な機構を有する調整フレーム50において、ベースフレーム10の少なくとも一辺に沿って設けられた可動部材(例えば可動部材20Y)が、パターン領域552に近接して設けられている。これにより、マスク本体55の通過孔位置を局所的に調整することができ、通過孔55aの位置を極め細やかに調整可能となる。よって、上記第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
上記第1および第2の実施の形態では、通過孔55aの位置を局所的に調整するための手法として、互いに異なる2つの手法について述べたが、これらの手法は、それぞれ単独で用いられてもよいし、組み合わせて用いられてもよい。例えば、上記第2の実施の形態において説明したような可動部材とパターン領域端部との距離を最適化する手法は、実際には、適用が困難なケースが存在する。具体的には、マスク本体55のパターン領域552の周囲には、マスク架張時の応力を緩和するための開口(応力緩和領域)や、蒸着後のデバイス性能確認(EL発光等)のためのテスト用の開口が設けられている。このため、パターン領域552に近接して可動部材を配置しにくい場合がある。尚、応力緩和領域とは、例えばマスク組立工程(特に張力解放工程)において応力の集中を軽減するために設けられ、通過孔位置の設計目標値からのずれを低減することができる。マスクパターンによっては応力緩和領域を設けないと、架張時において大幅なずれが発生したり、応力の集中箇所でマスクが破断したりするおそれもある。また一方で、可動部材をパターン領域552に近づけることにより、可動部材のシフト量に対する位置調整の感度が高くなる。このため、可動部材のシフトをより高精度にコントロールすることが望ましく、調整のための工数が増したり、調整装置のコストアップに繋がる可能性もある。これらの場合には、上記第1の実施の形態において説明したような切り込み23を設ける構造を併用してもよい。即ち、可動部材およびパターン領域552の位置関係を考慮しつつ、切り込み23および孔23aの寸法および形状を適切に設定することにより、通過孔55aの位置精度を設計目標値に近づけるようにしてもよい。
<第3の実施の形態>
図24Aは、本開示の第3の実施形態に係る蒸着用マスク(調整フレーム50A)のXY平面図である。但し、マスク本体55の図示を省略し、パターン領域552に対応する領域を破線で示している。本実施の形態の蒸着用マスクも、上記第1の実施の形態と同様、例えば有機EL素子を用いた表示デバイスの製造過程において用いられるものである。調整フレーム50Aは、上記第1の実施の形態の調整フレーム50と同様、マスク本体55を保持すると共に、例えばベースフレーム10上に可動部材20X,20Yおよび支持部材30を備えると共に、調整機構40を有している。
但し、本実施の形態では、ベースフレーム10上に、可動部材20X,20Yが互いに連結して設けられている(可動部材20X,20Yが連結部Cを介して設けられている)点で、上記第1の実施の形態と異なっている。つまり、本実施の形態では、マスク組み立て工程において、可動部材20X,20Yが一体化された状態で、ベースフレーム10の所定の位置に設置される。
図24Bは、連結部C付近を拡大したものである。連結部Cは、可動部材20X,20Yが互いに当接する面に、一体化のための機構を有している。例えば、図示したように、可動部材20X,20Yのそれぞれに、互いに連通するねじ孔が設けられており、これらのねじ孔にボルト26が装着されることにより、可動部材20X,20Yが連結した構成となっている。
図25は、可動部材20Xの可動部材20Yとの当接面の構成を拡大した模式図である。このように、可動部材20Xの当接面には、ボルト26を挿入するためのネジ孔27aが設けられると共に、凹部27bが形成されている。凹部27bのパターン形状は特に限定されないが、可動部材20Yと連結した状態で空隙を形成し、洗浄液などを排出するための(排液用の)溝として機能するように構成されている。このような凹部27bは、可動部材20X,20Yの各当接面のうち一方にのみ形成されていてもよいし、両方に形成されていてもよい。
図26Aは、可動部材20Yの裏面(ベースフレーム10側の面)の構成を模式的に表したものである。図26Bは、可動部材20Xの裏面(ベースフレーム10側の面)の構成を模式的に表したものである。このように、可動部材20X,20Yの裏面にも、上記凹部27bと同様の排液用の凹部27c1,27c2,27dが設けられている。凹部27c1,27c2,27dの各形状パターンは特に限定されないが、例えば、図26Aに示したように、可動部材20Yでは、固定ボルト25の挿入されるネジ孔20bを有する場合、このネジ孔20bの付近には、ストライプ状あるいは格子状の凹部27c2が設けられている。ネジ孔20bから比較的離れた箇所では、広い底面積で凹部27c1が設けられている。また、図26Bに示したように、可動部材20Xでは、例えば延在方向(X軸方向)に沿ってストライプ状の凹部27dが設けられている。
本実施の形態では、上記のように、調整フレーム50Aにおいて可動部材20X,20Yが連結された(一体化された)構造を有することにより、例えば加熱時(蒸着時および洗浄時など)に、マスク本体55に皺(シワ)などが発生することを抑制することができる。
ここで、本実施の形態の比較例として、図27に、可動部材20X,20Yを個々に(一体化せずに)、ベースフレーム10上へ設置してなる調整フレームの一例を示す。この例では、例えばベースフレーム10上の各所定の位置に、計4本の可動部材20X,20Yが個別に設置され、例えば可動部材20X,20Yの各両端が固定ボルト21により固定される。このようにして組み立てた調整フレームにマスク本体55を溶接して作製した蒸着用マスクでは、加熱時に皺が発生することがある。この結果、被蒸着基板(ガラスなど)とマスク本体55との密着性が損なわれ、蒸着時にパターンの位置精度が低下することがある。
これに対し、本実施の形態の調整フレーム50Aでは、可動部材20X,20Yが連結部Cにより一体化された状態で、ベースフレーム10上に設置され、固定される。このため、加熱により、マスク本体55あるいは調整フレーム50Aの温度が上昇し、X軸方向およびY軸方向における張力バランスが変化した場合にも、可動部材20X,20Y同士のX,Y軸方向における相対的なずれ(相対的な位置ずれ)が生じにくい。また、通過孔55aの位置調整(修正)時などに、マスク本体55の四隅を微調整した場合にも上記のような相対的なずれが生じにくい。これにより、マスク本体55の皺の発生を抑制できる。よって、マスクパターンの位置精度を向上させることが可能となる。
一方で、可動部材20X,20Yを一体化した場合には、洗浄時などに蒸着装置に残液が生じ易い。このため、可動部材20X,20Yの当接面および裏面などに、排液用の凹部(例えば上述の凹部27b,27c1,27c2,27d)が設けられていることにより、上記のような残液を抑制することができる。
尚、連結部Cの構造としては、上記のボルト26を用いるものの他にも、様々な連結構造を用いることができる。その一例を、図28〜図31に示す。図28および図29の例では、可動部材20X,20Yの当接面(当接部分)に、互いに嵌合する凹凸形状が作り込まれている。このような可動部材20X,20Yの嵌め合いによって、それらが連結されていてもよい。また、図30および図31に示したように、可動部材20X,20Yが他の接続用部品20XY(接続用部材)を用いて連結されていてもよい。接続用部品20XYは、可動部材20X,20Yのそれぞれと嵌合する形状を有し、可動部材20X,20Yに埋め込まれている。また、これらの形状の嵌め合いと、ボルトとの組み合わせにより連結部Cが構成されていてもよい。
<第4の実施の形態>
図32は、本開示の第4の実施形態に係る蒸着用マスクの断面構造を表したものである。本実施の形態の調整フレームを含む蒸着用マスクも、上記第1の実施の形態と同様、例えば有機EL素子を用いた表示デバイスの製造過程において用いられるものである。また、本実施の形態の調整フレームは、上記第1の実施の形態の調整フレーム50と同様、マスク本体55を保持すると共に、ベースフレーム10上に可動部材(可動部材21X,21Yおよび支持部材30を備えると共に、調整機構40を有している。
但し、本実施の形態では、可動部材21X,21Yのマスク本体55との対向面に、段差部28(凹部)を有している。段差部28は、例えば可動部材21X,21Yの上面のうち外側(支持部材30に近い側)の選択的な領域に設けられている。これにより、可動部材21X,21Yのそれぞれと、マスク本体55との接触面積(溶接面積)を低減することができる。溶接ポイントLは、可動部材21X,21Yの段差部28を避けて(凸面に)設けられている。尚、可動部材21X,21Yは、マスク本体55との対向面に段差部28を有していること以外は、上記第1の実施の形態の可動部材20X,20Yと同様の構成を有している。
尚、段差部28の角部(凹部のマスク本体側の縁部分)には、図34Aに示したような曲面が形成されていることが望ましい。あるいは、図34Bおよび図34Cに示したような傾斜面(テーパ面)が形成されていてもよい。このような構成により、段差によるマスク本体55の損傷等が生じることを抑制することができる。
本実施の形態では、上記のように、可動部材21X,21Yがマスク本体55との対向面に段差部28を有することにより、例えばマスク本体55を調整フレームに接着する際などに生じる通過孔55aの変位を、後述するメカニズムにより、抑制することができる。よって、マスクパターンの位置精度を向上させることが可能となる。
ここで、本実施の形態の比較例として、図33に、調整フレームとして段差部28を持たない可動部材20X,20Yを用いた蒸着用マスクの断面構成を示す。上述したように、マスク本体を調整フレームに接着する際には、マスク本体55に張力を付加した状態で、マスク本体55を調整フレームに溶接(例えば電気抵抗またはレーザ等による)する。このとき、マスク本体55と可動部材20X,20Yの上面とが面内の全域Eにおいて均等に接触せず、浮き(非接触部分)などが生じ易い。このような場合、力を加えて強制的に浮きをなくし、可動部材20X,20Yとマスク本体55とを接触させることがあり、これによって通過孔55aが変位してしまうことがある。
そこで、本実施の形態では、可動部材21X,21Yがマスク本体55との対向面に段差部28を有することにより、可動部材21X,21Yのそれぞれと、マスク本体55との接触面積(溶接面積)を低減する。これにより、上記のような浮き(非接触部分)の発生を抑制することができ、マスク本体55を調整フレームに接着する際などに生じる通過孔55aの変位を抑制することができる。よって、マスクパターンの位置精度を向上させることが可能となる。
以下、本実施の形態のマスクパターンの実測結果を示す。この際、開口10aが900mm×900mm、厚みが12mmのベースフレーム10を用い、マスク本体55としては、厚み12mmのインバーよりなる箔に1つのパターン領域552を形成したものを用いた。このようなマスクパターンにおいて、パターン領域552の外縁の各点の位置を測定した。図35は、図33に示した可動部材を用いた場合のフレーム溶接直後の測定点の位置を表したものである。溶接前の基準値に対し、溶接後には位置ずれが生じており、そのずれ量(最大値)はX軸方向において約−7μm〜+7μm、Y軸方向において約−10μm〜+10μmであった。一方、図36は、本実施の形態の可動部材21X,21Yを用いた場合のフレーム溶接直後の測定点の位置を表したものである。ずれ量を、X軸方向において約−3μm〜+3μm、Y軸方向において約−5μm〜+5μmとなり、段差を設けない場合に比べ位置ずれ量を約50%も低減することができた。
上記第1〜第4の実施の形態に係る蒸着用マスクでは、上述したような位置調整が手動で行われてもよいし、以下に説明するような装置(位置調整装置)を用いて自動で行われてもよい。
[位置調整装置の例]
図37は、上述した各実施の形態の蒸着用マスクを作成するための位置調整装置(位置調整装置400)の構成を表したものである。位置調整装置400は、支持ベース401と、支持ベース401上に設けられたベースフレーム支持部404と、ベースフレーム支持部404の外側に配置された、調整機構40を操作する操作装置450とを備える。また、位置調整装置400は、操作装置450を駆動するモータドライバ405と、上部に配置されたカメラ420と、制御部410とを有する。
操作装置450は、矩形の支持ベース401の4辺の方向に沿って複数配列されている。また、支持ベース401上には、操作装置450の位置を変更可能にするガイド機構403が設けられている。ガイド機構403はガイドレールを有し、このガイドレールにより、各辺に沿って操作装置450の位置がそれぞれ変更可能とされ、操作装置450は所望の位置においてボルト等により固定できるようになっている。
図38は、1つの操作装置450を示す斜視図である。操作装置450は、減速機(例えば減速ギア)を備えたモータ451と、このモータ451の出力軸に取り付けられたレンチアダプタ452とを有する。レンチアダプタ452の端部は、上述の調整機構40の引きボルト41および押しボルト42に接続され得る。例えばレンチアダプタ452の端部に図示しない凹部が設けられ、引きボルト41および押しボルト42の各ヘッド41aおよび42a(図6AおよびB参照)が、そのレンチアダプタ452の端部の凹部に嵌合することで、操作装置450が調整機構40(図1参照)と接続される。
モータ451としては、例えばステッピングモータ、あるいはサーボモータが用いられる。一般的なステッピングモータは、減速ギアを搭載していることが多い。
減速機による減速比は、例えば1/60〜1/40程度、典型的には1/50に設定される。減速比1/50を有する操作装置450の場合、M3ボルトが使用される場合には、10μm/revolutionの駆動量を得ることができる。これにより、μmオーダの位置調整を容易に行うことができる。
なお、モータ451にはハンドル453も備えられ、人手により手動でハンドル453を回すことによって、操作装置450が調整機構40を駆動することもできる。
カメラ420は、支持ベース401により支持されたマスク装置100(図22参照)のうち、特にマスク本体55のパターン領域552を撮影することにより、マスクパターンの位置情報(実位置情報)を検出する。カメラ420は、X軸およびY軸に移動してもよい。
制御部410は、例えば予め記憶したマスク本体55の設計情報のうち、マスクパターンの位置情報である設計位置情報を少なくとも記憶する。また、制御部410は、カメラ420で検出された上記マスクパターンの実位置情報を取得し、この実位置情報と上記設計位置情報とに基づき、後述する所定の演算を実行する。
制御部410は、典型的にはCPU、RAMおよびROM等のコンピュータにより構成されればよい。マスクパターンの設計位置情報は、この制御部410に有線または無線により接続された他の記憶デバイスに記憶されていてもよい。
操作装置450は、例えば支持ベース401の1辺のみに少なくとも1つ設けられていてもよいし、少なくとも2辺に少なくとも1つずつ設けられていてもよい。操作装置450の数および配置は、パターン領域552の形状や配列に応じて、適宜設定され得る。
上記のような位置調整装置400の使用時には、例えば図39に示したように、図1等に示した蒸着用マスク1が、ベースフレーム支持部404上に載置され、図示しない固定具等で固定される。そして、ガイド機構403での各操作装置450の位置が設定され、位置決めされる。この後、操作装置450のレンチアダプタ452が、調整機構40の引きボルト41および押しボルト42に接続される。尚、蒸着用マスク1が、上述した位置保持機構(図7A〜C等)を備えている場合、位置調整装置400による自動の位置調整が行われた後、その位置保持機構によって、調整後のマスクパターンの位置が保持される。
<適用例1>
次に、上記第1〜第4の実施の形態に係る蒸着用マスクの適用例1(表示装置の製造方法)について説明する。本開示の表示装置としては、例えば以下に説明するような有機EL素子を用いた有機EL表示装置(有機EL表示装置2)が挙げられる。
図40は、有機EL表示装置2の構成例を表したものである。有機EL表示装置2は、例えば上面発光方式(いわゆるトップエミッション方式)により、カラーの映像表示を行う表示デバイスである。この有機EL表示装置2では、例えば赤(R),緑(G),B(青)の3原色のサブピクセル(サブ画素2R,2G,2B)に加え、高輝度を示すサブピクセル(例えば白(W)のサブ画素2W)を含めた4色のサブ画素を用いて上記映像表示が行われる。これらのサブ画素2R,2G,2B,2Wは、駆動基板10上に例えばマトリクス状に配設され、いずれも発光素子として例えば有機EL素子2aを含んでいる。これらの有機EL素子2aは、封止基板20によって駆動基板10上に封止されている
図41Aおよび図41Bは、サブ画素2R,2G,2B,2Wの2次元配置例を表したものである。図41Aに示したように、例えば方形状または矩形状のサブ画素2R,2G,2B,2Wが2行2列の構成で配置されている。あるいは、図41Bに示したように、矩形状のサブ画素2R,2G,2B,2Wが、一軸方向に沿って配列した構成であってもよい。いずれの構成例においても、サブ画素2R,2G,2B,2Wの組が、一つの画素(ピクセル)Pを構成する。
各有機EL素子2aでは、第1電極101上に、画素間絶縁膜102、有機層103および第2電極104が積層されている。有機EL表示装置2では、これらの有機EL素子2aを覆うように保護膜105が形成され、この保護膜105上に、カラーフィルタ層106などを介して封止基板107が貼り合わせられている。有機層103は、図示しない正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子輸送層などを含む。これらのうち発光層は、例えばサブ画素毎に異なる色光を発する発光層(赤色発光層、緑色発光層、青色発光層あるいは白色発光層)であり、サブ画素毎に所定のパターンで塗り分けられている。カラーフィルタ層106は、サブ画素2Rに対応する領域に赤色フィルタ106Rを、サブ画素2Gに対応する領域には緑色フィルタ106Gを、サブ画素2Bに対応する領域には青色フィルタ106Bをそれぞれ有している。また、カラーフィルタ層106の各サブ画素間の領域には、ブラックマトリクス層106Mが設けられている。尚、このカラーフィルタ層106は、コントラスト等の観点から設けられていてもよいが、必ずしも設けられている必要はない。
このような構成の有機EL表示装置2の製造工程では、例えばまず、駆動基板100上に電極材料を例えばスパッタリング法を用いて成膜した後、例えばフォトリソグラフィ法を用いたエッチングによりパターニングして第1電極101を形成する。続いて、駆動基板100の全面に画素間絶縁膜102を成膜した後、パターニングすることにより、第1電極101上の領域を開口する。この後、第1電極101上に、有機層103を例えば真空蒸着法により形成する。その後、有機層103上に、第2電極を例えば全面に形成し、続いて保護膜105を成膜する。最後に、カラーフィルタ106を介して封止基板107を貼り合わせることにより、図1に示した有機EL表示装置を製造することができる。
上記製造過程において、有機層103(あるいは有機層103を構成する上述の各層の一部)を形成する際、上記実施の形態等において説明した蒸着用マスクのいずれかを用いることにより、サブ画素毎に有機層103をパターン形成することができる。上述のように、蒸着用マスクのパターン精度が向上することから、有機EL表示装置の高精細化を実現できる。また、上記第1および第2の実施の形態の蒸着用マスクを用いることにより、パネルの量産化にも有利となる。
<適用例2>
上記表示装置(有機EL表示装置2)は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、映像として表示するあらゆる分野の電子機器に用いることができる。その際、例えば図42に示したようなモジュールとして、以下に挙げるようなスマートフォン、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどの電子機器に組み込まれる。図42において、駆動基板100には、例えば2次元配置されたサブ画素を含む有効画素領域110と、その周辺回路部として信号線駆動回路120および走査線駆動回路130等とが形成されており、その駆動基板100の一辺に、封止基板107から露出した領域210を有している。この領域210に、信号線駆動回路120および走査線駆動回路130の配線を延長して外部接続端子(図示せず)が形成されている。外部接続端子には、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)220が設けられている。
図43は、テレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有している。映像表示画面部300が、上記有機EL表示装置2により構成されている。
図44Aおよび図44Bは、デジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部470、表示部460、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有している。表示部420が、上記有機EL表示装置2により構成されている。
図45は、ノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有している。表示部530が、上記有機EL表示装置2により構成されている。
図46は、ビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有している。表示部640が、上記有機EL表示装置2により構成されている。
図47Aおよび図47Bは、携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。ディスプレイ740またはサブディスプレイ750が、上記有機EL表示装置2により構成されている。
図48Aおよび図48Bは、スマートフォンの外観を表したものである。このスマートフォンは、例えば、表示部810および非表示部(筐体)820と、操作部830とを備えている。操作部830は、非表示部820の前面に設けられていてもよいし(図48A)、上面に設けられていてもよい(図48B)。表示部810が、上記有機EL表示装置2により構成されている。
以上、実施の形態および適用例について説明したが、本開示内容はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態等では、蒸着用マスクは、有機EL表示装置の製造過程で用いられる例について説明した。しかし本開示の蒸着用マスクは、有機材料に限られず、例えば金属材料、誘電体材料等の蒸着工程に適用されてもよい。あるいは、蒸着用途だけでなく、露光用あるいは印刷用のマスクとして用いられてもよい。張力を付与した箔を枠体(フレーム)等に貼りつける工程を経て製造されるもののパターン位置調整に広く応用することが可能である。
また、上記実施形態等では、調整機構40として、1つの引きボルト41と1つの押しボルト42とを交互に(1組として)配置した構成について説明した。しかし、複数の引きボルト41が連続して配置され、また、複数の押しボルト42が連続して配置されてもよい。
更に、上記実施形態等では、可動部材(20X,20Y)を、ベースフレーム10の4辺の全てに沿って設けた例について説明したが、本開示の可動部材は、ベースフレーム10の少なくとも1辺に沿って設けられていればよい。例えば対向する2辺に2つの可動部材が設けられていてもよい。
加えて、上記実施の形態等(特に、第1,2,4の実施の形態)では、可動部材20X,20Yがベースフレーム10の各辺にそれぞれ設置された構成を例示したが、可動部材がして、枠状となるように一体成型されていてもよい。但し、材料や製造コスト等を考慮すると、可動部材は辺毎に(細長い形状で)それぞれ用意されることが多い。
また、上記実施形態等では、引きボルト41および押しボルト42を用いた調整機構40を例示したが、本開示の調整機構は、これに限定されず、他の機構、例えば圧電素子を用いたものであってもよい。
更に、上記実施の形態等では、位置保持機構(固定機構)としてボルト(固定ボルト)を用いたが、その他にも、例えばクランプ機構あるいは圧電素子などを用いることもできる。
なお、以上説明した各形態の特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。
本開示は以下のような構成もとることができる。
(1)
複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、
前記マスク本体を保持すると共に、前記マスク本体の前記通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、
前記調整フレームは、
枠状の基材と、
前記基材の少なくとも一辺に沿って設けられ、前記マスク本体の外縁部と接着されると共に、前記基材上において少なくとも一部が変形可能である可動部材とを有し、
前記可動部材の選択的な領域に1または複数の切り込みが設けられている
蒸着用マスク。
(2)
前記切り込みは、前記可動部材の幅方向に沿って延在するように設けられている
上記(1)に記載の蒸着用マスク。
(3)
前記複数の切り込みは、前記可動部材の前記幅方向における両側に開口して設けられている
上記(2)に記載の蒸着用マスク。
(4)
前記切り込みの端部に連通して前記切り込みの幅よりも大きな径を有する孔が設けられている
上記(1)〜(3)のいずれかに記載の蒸着用マスク。
(5)
前記可動部材を前記基材に固定するための固定機構を更に有し、
前記固定機構は、前記切り込み同士の間に設けられている
上記(1)〜(4)のいずれかに記載の蒸着用マスク。
(6)
前記マスク本体には、複数の前記パターン領域が配置され、
前記切り込みは、前記可動部材のうちの前記パターン領域同士の間の領域に対向して設けられている
上記(1)〜(5)のいずれかに記載の蒸着用マスク。
(7)
前記調整フレームは、
前記基材上または前記基材と一体的に設けられ、前記可動部材を支持する支持部と、
前記可動部材に対し、前記支持部を介して一軸方向に沿って引っ張り力または押圧力を加える調整機構とを有する
上記(1)〜(6)のいずれかに記載の蒸着用マスク。
(8)
複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、
前記マスク本体を保持すると共に、前記マスク本体の前記通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、
前記調整フレームは、
枠状の基材と、
前記基材の少なくとも一辺に沿って設けられ、前記マスク本体の外縁部と接着されると共に、前記基材上において少なくとも一部が変形可能である可動部材とを有し、
前記可動部材は、前記パターン領域に近接して設けられている
蒸着用マスク。
(9)
複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、
前記マスク本体を保持すると共に、前記マスク本体の前記通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、
前記調整フレームは、
枠状の基材と、
前記基材の各辺に沿って設けられ、前記マスク本体の外縁部と接着されると共に、それぞれが前記基材上において少なくとも一部が変形可能である複数の可動部材とを有し、
前記複数の可動部材同士は互いに連結して設けられている
蒸着用マスク。
(10)
前記可動部材同士がボルトにより連結されている
上記(9)に記載の蒸着用マスク。
(11)
前記可動部材同士の各当接面が、互いに嵌合する形状を有する
上記(9)または(10)記載の蒸着用マスク。
(12)
前記可動部材同士の各当接面に嵌合する接続用部材を更に有する
上記(9)〜(11)のいずれかに記載の蒸着用マスク。
(13)
前記可動部材同士の各当接面のうちの少なくとも一方に、排液用の凹部を有する
上記(9)〜(12)のいずれかに記載の蒸着用マスク。
(14)
前記可動部材の前記基材側の面に、排液用の凹部を有する
上記(9)〜(13)のいずれかに記載の蒸着用マスク。
(15)
複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、
前記マスク本体を保持すると共に、前記マスク本体の前記通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、
前記調整フレームは、
枠状の基材と、
前記基材の少なくとも一辺に沿って設けられ、前記マスク本体の外縁部と接着されると共に、前記基材上において少なくとも一部が変形可能である可動部材とを有し、
前記可動部材の前記マスク本体との対向面に凹部を有する
蒸着用マスク。
(16)
前記凹部の前記マスク本体側の縁部分が曲面または傾斜面を有する
上記(15)に記載の蒸着用マスク。
(17)
第1電極を形成する工程と、
前記第1電極上に、発光層を含む有機層を蒸着用マスクを用いて形成する工程と、
前記有機層上に第2電極を形成する工程とを含み、
前記蒸着用マスクは、
複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、
前記マスク本体を保持すると共に、前記マスク本体の前記通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、
前記調整フレームは、
枠状の基材と、
前記基材の少なくとも一辺に沿って設けられ、前記マスク本体の外縁部と接着されると共に、前記基材上において少なくとも一部が変形可能である可動部材とを有し、
前記可動部材の選択的な領域に1または複数の切り込みが設けられている
表示装置の製造方法。
(18)
第1電極を形成する工程と、
前記第1電極上に、発光層を含む有機層を蒸着用マスクを用いて形成する工程と、
前記有機層上に第2電極を形成する工程とを含み、
前記蒸着用マスクは、
複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、
前記マスク本体を保持すると共に、前記マスク本体の前記通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、
前記調整フレームは、
枠状の基材と、
前記基材の少なくとも一辺に沿って設けられ、前記マスク本体の外縁部と接着されると共に、前記基材上において少なくとも一部が変形可能である可動部材とを有し、
前記可動部材は、前記パターン領域に近接して設けられている
表示装置の製造方法。
(19)
第1電極を形成する工程と、
前記第1電極上に、発光層を含む有機層を蒸着用マスクを用いて形成する工程と、
前記有機層上に第2電極を形成する工程とを含み、
前記蒸着用マスクは、
複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、
前記マスク本体を保持すると共に、前記マスク本体の前記通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、
前記調整フレームは、
枠状の基材と、
前記基材の各辺に沿って設けられ、前記マスク本体の外縁部と接着されると共に、それぞれが前記基材上において少なくとも一部が変形可能である複数の可動部材とを有し、
前記複数の可動部材同士は連結して設けられている
表示装置の製造方法。
(20)
第1電極を形成する工程と、
前記第1電極上に、発光層を含む有機層を蒸着用マスクを用いて形成する工程と、
前記有機層上に第2電極を形成する工程とを含み、
前記蒸着用マスクは、
複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、
前記マスク本体を保持すると共に、前記マスク本体の前記通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、
前記調整フレームは、
枠状の基材と、
前記基材の少なくとも一辺に沿って設けられ、前記マスク本体の外縁部と接着されると共に、前記基材上において少なくとも一部が変形可能である可動部材とを有し、
前記可動部材の前記マスク本体との対向面に凹部を有する
表示装置の製造方法。
1…蒸着用マスク、55…マスク本体、50…調整フレーム、10…ベースフレーム、10a…開口、20X,20Y…可動部材、21,30a…固定ボルト、23…切り込み、23a…孔、24a…当接領域、26…ボルト、27a…ねじ孔、27b,27c1,27c2,27d…凹部(排液用)28…段差部、30…支持部材、40…調整機構、41…引きボルト、42…押しボルト、552…パターン領域、55a…通過孔、553…外縁部、A…領域、C…連結部。


Claims (20)

  1. 複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、
    前記マスク本体を保持すると共に、前記マスク本体の前記通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、
    前記調整フレームは、
    枠状の基材と、
    前記基材の少なくとも一辺に沿って設けられ、前記マスク本体の外縁部と接着されると共に、前記基材上において少なくとも一部が変形可能である可動部材とを有し、
    前記可動部材の選択的な領域に1または複数の切り込みが設けられている
    蒸着用マスク。
  2. 前記切り込みは、前記可動部材の幅方向に沿って延在するように設けられている
    請求項1に記載の蒸着用マスク。
  3. 前記複数の切り込みは、前記可動部材の前記幅方向における両側に開口して設けられている
    請求項2に記載の蒸着用マスク。
  4. 前記切り込みの端部に連通して前記切り込みの幅よりも大きな径を有する孔が設けられている
    請求項1に記載の蒸着用マスク。
  5. 前記可動部材を前記基材に固定するための固定機構を更に有し、
    前記固定機構は、前記切り込み同士の間に設けられている
    請求項1に記載の蒸着用マスク。
  6. 前記マスク本体には、複数の前記パターン領域が配置され、
    前記切り込みは、前記可動部材のうちの前記パターン領域同士の間の領域に対向して設けられている
    請求項1に記載の蒸着用マスク。
  7. 前記調整フレームは、
    前記基材上または前記基材と一体的に設けられ、前記可動部材を支持する支持部と、
    前記可動部材に対し、前記支持部を介して一軸方向に沿って引っ張り力または押圧力を加える調整機構とを有する
    請求項1に記載の蒸着用マスク。
  8. 複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、
    前記マスク本体を保持すると共に、前記マスク本体の前記通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、
    前記調整フレームは、
    枠状の基材と、
    前記基材の少なくとも一辺に沿って設けられ、前記マスク本体の外縁部と接着されると共に、前記基材上において少なくとも一部が変形可能である可動部材とを有し、
    前記可動部材は、前記パターン領域に近接して設けられている
    蒸着用マスク。
  9. 複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、
    前記マスク本体を保持すると共に、前記マスク本体の前記通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、
    前記調整フレームは、
    枠状の基材と、
    前記基材の各辺に沿って設けられ、前記マスク本体の外縁部と接着されると共に、それぞれが前記基材上において少なくとも一部が変形可能である複数の可動部材とを有し、
    前記複数の可動部材同士は互いに連結して設けられている
    蒸着用マスク。
  10. 前記可動部材同士がボルトにより連結されている
    請求項9に記載の蒸着用マスク。
  11. 前記可動部材同士の各当接面が、互いに嵌合する形状を有する
    請求項9に記載の蒸着用マスク。
  12. 前記可動部材同士の各当接面に嵌合する接続用部材を更に有する
    請求項9に記載の蒸着用マスク。
  13. 前記可動部材同士の各当接面のうちの少なくとも一方に、排液用の凹部を有する
    請求項9に記載の蒸着用マスク。
  14. 前記可動部材の前記基材側の面に、排液用の凹部を有する
    請求項9に記載の蒸着用マスク。
  15. 複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、
    前記マスク本体を保持すると共に、前記マスク本体の前記通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、
    前記調整フレームは、
    枠状の基材と、
    前記基材の少なくとも一辺に沿って設けられ、前記マスク本体の外縁部と接着されると共に、前記基材上において少なくとも一部が変形可能である可動部材とを有し、
    前記可動部材の前記マスク本体との対向面に凹部を有する
    蒸着用マスク。
  16. 前記凹部の前記マスク本体側の縁部分が曲面または傾斜面を有する
    請求項15に記載の蒸着用マスク。
  17. 第1電極を形成する工程と、
    前記第1電極上に、発光層を含む有機層を蒸着用マスクを用いて形成する工程と、
    前記有機層上に第2電極を形成する工程とを含み、
    前記蒸着用マスクは、
    複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、
    前記マスク本体を保持すると共に、前記マスク本体の前記通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、
    前記調整フレームは、
    枠状の基材と、
    前記基材の少なくとも一辺に沿って設けられ、前記マスク本体の外縁部と接着されると共に、前記基材上において少なくとも一部が変形可能である可動部材とを有し、
    前記可動部材の選択的な領域に1または複数の切り込みが設けられている
    表示装置の製造方法。
  18. 第1電極を形成する工程と、
    前記第1電極上に、発光層を含む有機層を蒸着用マスクを用いて形成する工程と、
    前記有機層上に第2電極を形成する工程とを含み、
    前記蒸着用マスクは、
    複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、
    前記マスク本体を保持すると共に、前記マスク本体の前記通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、
    前記調整フレームは、
    枠状の基材と、
    前記基材の少なくとも一辺に沿って設けられ、前記マスク本体の外縁部と接着されると共に、前記基材上において少なくとも一部が変形可能である可動部材とを有し、
    前記可動部材は、前記パターン領域に近接して設けられている
    表示装置の製造方法。
  19. 第1電極を形成する工程と、
    前記第1電極上に、発光層を含む有機層を蒸着用マスクを用いて形成する工程と、
    前記有機層上に第2電極を形成する工程とを含み、
    前記蒸着用マスクは、
    複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、
    前記マスク本体を保持すると共に、前記マスク本体の前記通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、
    前記調整フレームは、
    枠状の基材と、
    前記基材の各辺に沿って設けられ、前記マスク本体の外縁部と接着されると共に、それぞれが前記基材上において少なくとも一部が変形可能である複数の可動部材とを有し、
    前記複数の可動部材同士は連結して設けられている
    表示装置の製造方法。
  20. 第1電極を形成する工程と、
    前記第1電極上に、発光層を含む有機層を蒸着用マスクを用いて形成する工程と、
    前記有機層上に第2電極を形成する工程とを含み、
    前記蒸着用マスクは、
    複数の通過孔からなるパターン領域を含むマスク本体と、
    前記マスク本体を保持すると共に、前記マスク本体の前記通過孔の位置を調整可能な機構を有する調整フレームとを備え、
    前記調整フレームは、
    枠状の基材と、
    前記基材の少なくとも一辺に沿って設けられ、前記マスク本体の外縁部と接着されると共に、前記基材上において少なくとも一部が変形可能である可動部材とを有し、
    前記可動部材の前記マスク本体との対向面に凹部を有する
    表示装置の製造方法。

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