まず、本実施形態の遊技機の概要について説明する。
本実施形態の遊技機は、種々の図柄を変動表示する表示手段と、当り又は外れの当否判定を行う当否判定手段と、操作が指示された場合に遊技者が操作することで、前記当否判定手段による判定結果に基づく演出が実行される少なくとも2つの操作手段とを備えた遊技機であって、前記操作手段のうち一の操作手段の操作が有効となる第1操作有効期間に該一の操作手段が操作された場合に、該一の操作手段と異なる他の操作手段の操作が有効となる第2操作有効期間が開始することを特徴とする。
本実施形態の遊技機は、例えば、図柄が変動する遊技中に操作が指示されたとき、遊技者の操作により当否の判定結果に基づく演出が実行される操作手段を少なくとも2つ備えている。一の操作手段は、第1操作有効期間にその操作が有効となる。ここで、「演出」とは、表示手段に出現する所定の表示の他、音声やランプの出力であってもよい。また、「演出の実行」とは、演出が開始することの他、実行中の演出が変化することも含む。
第1操作有効期間に一の操作手段が操作されたとき、第2操作有効期間が開始するので、一の操作手段とは異なる他の操作手段の操作が有効になる。そして、他の操作手段が操作された場合、例えば、先の演出が発展するような連続的な演出が実行される。これにより、遊技が単調になるのを防止して、遊技機の稼働率を高めることができる。
本実施形態において、前記第1操作有効期間には前記一の操作手段の操作が有効であることを意味する表示又は報知が行われ、前記第2操作有効期間には前記他の操作手段の操作が有効であることを意味する表示又は報知が行われることが好ましい。
本実施形態では、第1操作有効期間には一の操作手段の操作が有効であることを意味する表示が、例えば、表示手段に表示される。また、例えば、一の操作手段に内蔵された発光手段を点灯して操作が有効であることが報知されるようにしてもよい。
一方、第2操作有効期間には他の操作手段の操作が有効であることを意味する表示又は報知が行われるので、遊技者は、何れの操作手段の操作が有効となっているかを容易に認識することができる。これにより、遊技者が遊技に参加し易く、興趣の高い遊技機を実現することができる。
また、本実施形態において、前記一の操作手段が操作されたときに行われる演出の実行中に前記他の操作手段が操作された場合、該演出の実行が中止され、該他の操作手段が操作されたときに行われる演出が実行されることが好ましい。
本実施形態では、一の操作手段が操作されたときに行われる演出の実行中に他の操作手段が操作された場合、先の演出の実行が中止される。その代わりに、他の操作手段が操作されたときに行われる演出が実行されるので、複数の演出が迅速に進行し、遊技者が当否判定の結果を早期に知ることができるようになる。
また、本実施形態において、前記一の操作手段が操作されたときに行われる演出の実行中に前記他の操作手段が操作された場合、該演出の終了後に該他の操作手段が操作されたときに行われる演出が実行されることが好ましい。
本実施形態では、一の操作手段が操作されたときに行われる演出の実行中に他の操作手段が操作された場合でも、先の演出を終了まで実行することができる。その後、他の操作手段が操作されたときに行われる演出が実行されるので、操作手段の操作によって連続的な演出が実行可能になる。
また、本実施形態において、操作が指示される操作手段の数が増えるほど、当りの期待度が高くなることが好ましい。
本実施形態では、操作手段が2つ又は3つ以上あってもよいが、操作が指示される操作手段が増えるほど、当り期待度が高くなる。すなわち、他の操作手段の操作が指示される場合は、一の操作手段のみ操作が指示される場合より当りの期待度が高くなる。例えば、第3の操作手段は、当りの期待度が極めて高い場合にのみ、操作が指示されるようにすることで、操作手段を用いた様々な演出が実行可能になる。
[実施例1]
次に、図1を参照して、実施例1のパチンコ遊技機1を構成する部分について説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、矩形状の外枠2と、この外枠2に開閉可能に枢着された前面枠3および前扉5を備えている。前面枠3は、額縁状であり開口部に遊技盤4(図3参照)が取付け可能となっている。また、前扉5の中央部にはガラス板6が嵌め込まれており、外部より遊技盤4が視認可能となっている。
前扉5の上部左右両側にはスピーカ7が設けられている。スピーカ7は、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部である。また、前扉5の左右両側および上部には枠装飾LED8が設けられている。枠装飾LED8は、遊技の演出に連動してLEDが発光、点滅する装飾部である。
前扉5の下側には前面板9があり、その左端部は前面枠3に開放可能に枢着されている。前面板9には、発射機構を作動させるための発射ハンドル10、遊技球を貯留する上貯留皿11、下貯留皿12等が設けられている。
また、上貯留皿11の表面部分には、内蔵ランプが点灯したとき操作が有効となる左演出ボタン13及び中央演出ボタン14が設けられている。演出ボタン13、14は、操作が有効となったとき、遊技者が押下することにより演出を開始又は変化させることができる。演出ボタン13、14は、本発明の「操作手段」に相当する。
演出ボタン13、14は、大当り期待度や演出の内容等により、何れを操作させるかを使い分けることがある。例えば、通常の演出時には左演出ボタン13の操作が指示されるが、大当り期待度が極めて高い演出時には中央演出ボタン14の操作が指示される。
図2は、実施例1のパチンコ遊技機1の背面側の斜視図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、遊技盤4(図3参照)を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられている。この裏機構盤16の上部には、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示省略)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。
また、遊技球貯留タンク17から球を導出するタンクレール18の傾斜下端には、遊技球を払い出すための遊技球払出装置19が設けられている。さらに、裏機構盤16の隅部には、パチンコホール(遊技場)にある全遊技機を統括的に管理するホールコンピュータ(図4参照)に電気的に接続するための外部端子基板21が、端子基板ケース22に収納され、設けられている。
また、裏機構盤16の略中央には、遊技盤4の裏側に装着された透明の裏カバー23が備えられている。この裏カバー23内に、演出制御基板25を収納した透明の演出制御基板ケース25aと、液晶制御基板26を収納した透明の液晶制御基板ケース26aとが設けられている。
演出制御基板25と液晶制御基板26の間には、ボリュームスイッチ31が設けられている。つまみ部分を回転させることで10段階の音量設定が可能である。
液晶制御基板ケース26aの下方には、主制御基板24を収納した透明な主制御基板ケース24aが設けられている。主制御基板24は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御するものである。主制御基板24は、各種スイッチやセンサと接続されているため、これらの検知信号を受信して各種処理を行う。
また、主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27が設けられている。遊技店の店員がRAMクリアスイッチ27を押下しながら電源を投入することにより、RAM領域の記憶内容は消去され、パチンコ遊技機1は初期状態となる。
演出制御基板25は、主制御基板24から送信される各種制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいて、例えば、盤面装飾LED35或いは液晶表示装置36(図3参照)による演出を制御する。
主制御基板ケース24aの下方には、電源基板28を収めた透明な電源基板ケース28aと、払出制御基板29を収めた透明な払出制御基板ケース29aが配設されている。
さらに、発射ハンドル10に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた遊技球発射装置(図示省略)の後側に発射制御基板30が設けられている。
次に、図3を参照して、実施例1のパチンコ遊技機1の遊技盤について説明する。
図3に示すように遊技盤4は、略正方形のパネルで形成され、その盤面上の遊技領域4aは、化粧板4bの前面にビス等で固定されるセンター飾り体34a、左部コーナー飾り体34b、右部コーナー飾り体34c等の部材によって区画形成されている。飾り体34a〜34cは、ポリカーボネート等の硬質樹脂材料を用いた射出成形によってそれぞれ一体成型で形成されている。
センター飾り体34aには、複数の盤面装飾LED35が配置されている。盤面装飾LED35は、各遊技における図柄の変動表示や予告表示に伴い発光色や発光態様を変化させ、演出を盛り上げる装飾部である。
遊技盤4の中央部には開口が形成され、この開口内に液晶表示装置36の表示画面が配置される。液晶表示装置36は、種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である。液晶表示装置36は、本発明の「表示手段」に相当する。
センター飾り体34aの右側には、人形の腕の形状をした可動役物37aが配置されている。また、液晶表示装置36の前面下方には下駄の形状の可動役物37b配置されている。可動役物37a、37bは、いずれも遊技における演出や大当り期待度に応じて動作する。
液晶表示装置36の下方には、第1特別図柄始動口38aおよび第2特別図柄始動口38bからなる始動入賞装置38が配置されている。遊技領域4aを流下する遊技球が第1特別図柄始動口38a、又は第2特別図柄始動口38bに入賞することにより抽選が行われ、後述する特別図柄表示装置43aにて特別図柄の変動表示がなされる。また、液晶表示装置36でも、特別図柄に対応した装飾図柄の変動表示が行われる。
第2特別図柄始動口38bは開閉部材を備えており、開閉部材が開放した場合、遊技球が入賞し易い状態となる。上記開閉部材は、後述する普通図柄の抽選に当選した場合に、所定回数、所定時間開放する。以下では、第2特別図柄始動口38bと開閉部材を合わせた装置を普通電動役物(普電)と称することがある。
始動入賞装置38の下方には、第1大入賞装置39aが配置されている。また、始動入賞装置38の右側には、第2大入賞装置39bが配置されている。大入賞装置39a、39bは、共に特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち大当りとなったときに所定時間開放される入賞装置である。遊技球が大入賞装置39a、39bの内部にある大入賞口(図示省略)に入賞することにより、多くの賞球を獲得することが可能となる。
遊技領域4aの右側下方には、特別図柄表示装置43aおよび普通図柄表示装置43bが配置されている。特別図柄表示装置43aは、2個の7セグメントLED(左及び中)から構成され、特別図柄始動口38a、38bへの入賞を契機として特別図柄を変動させ、抽選結果を表示する。なお、残り1個は(右)、特別図柄及び普通図柄の保留球数や、時短状態であることを表示する。
普通図柄表示装置43bは、複数のLEDからなる表示器であり、普通図柄用始動ゲート40aへの入賞を契機として普通図柄を始動させ、LEDの点灯により抽選結果を表示する。
遊技領域4aの左側には、普通図柄用始動ゲート40aや遊技球の流下方向を変化させる風車41、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。普通図柄用始動ゲート40aは、普通図柄の始動契機となる入賞装置である。遊技球が普通図柄用始動ゲート40aを通過することにより抽選が行われ、普通図柄表示装置43bにて、普通図柄が変動する。
また、第2大入賞装置39bの上方には、右普通図柄用始動ゲート40bが配置されている。これは、右打ちを行う遊技状態の場合の普通図柄用の始動ゲートであり、遊技者が右打ちをしているか否かを検知する役割も有する。
遊技領域4aの左側下方には、複数の一般入賞口42が配置されている。遊技球が一般入賞口42に入賞すると所定数の賞球の払出しが行われる。
遊技領域4aの最も左側には、発射機構により発射された遊技球を遊技領域4aに案内するため略上下方向に延びたガイドレール44が配置されている。ガイドレール44は、金属製の帯状の外内2本のガイドレール44a、44bで構成されている。
これら外内2本のガイドレール44a、44bの間で上下方向に延びた空間が、前記発射機構から発射された遊技球が通過する発射通路45を形成している。内側ガイドレール44bの上端には、発射球の発射方向(遊技領域4a側)への通過を許可すると共に戻り方向(発射通路45側)への通過を阻止する戻り球防止片46が配設されている。また、内側ガイドレール44bの最下部にはアウト球回収口47と、アウト球回収口47にアウト球を導入する球寄せ部48が形成されている。
図4は、パチンコ遊技機1の制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図4では信号を中継する中継基板や、本発明に関係のない一部の部材の構成を省略した。
この制御装置は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御する主制御基板24と、主制御基板24からコマンドを受けて演出の制御をする演出制御基板25を中心に構成される。電源基板28は、主制御基板24を初めとした各基板に接続され、外部電源から交流電圧24Vを受けて直流電圧に変換し、各基板に供給する。
主制御基板24は、その内部に、主制御基板側CPU241と、ROM242と、RAM243を備えている。主制御基板側CPU241は、いわゆるプロセッサ部であり、大当りを発生させるか否かの抽選処理、決定された変動パターンや停止図柄の情報から制御コマンド作成し、演出制御基板25に送信する等の処理を行う。主制御基板側CPU241は、本発明の「当否判定手段」に相当する。
ROM242は、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部である。また、RAM243は、主制御基板側CPU241の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27、始動入賞口センサ38c、大入賞口センサ39c、始動ゲート通過センサ40c、一般入賞口センサ42c、磁気センサ50、電波センサ51、振動センサ52が接続され、各センサの検知信号を受信可能となっている。
磁気センサ50は、パチンコ遊技機1に磁石等を近づけた場合に、磁気を検知するセンサである。また、電波センサ51は、パチンコ遊技機1に対し発せられた強い電波を検知するセンサであり、振動センサ52は、パチンコ遊技機1に対し与えられた強い振動を検知するセンサである。
また、主制御基板24には、特別図柄表示装置43a、普通図柄表示装置43bが接続され、主制御基板側CPU241が抽選処理により取得した乱数情報は、各図柄表示装置43a、43bに送信される。
さらに、主制御基板24には、パチンコ遊技機1の外部へ接続する端子を備えた外部端子基板21が接続されている。遊技における大当り、入賞数、ゲーム数等の各種情報は、主制御基板24から外部端子基板21を介してホールコンピュータに送信される。
さらに、主制御基板24には、払出制御基板29が接続されている。払出制御基板29には、下貯留皿満杯センサ12cおよび扉開放センサ32が接続されているため、これらのセンサが異常を検知すると、検知信号は払出制御基板29から主制御基板24に送信される。なお、払出制御基板29には、遊技球払出装置19と、発射制御基板30(さらに発射装置10aと接続)が接続している。
次に、演出制御基板25は、その内部に、演出制御基板側CPU251と、ROM252と、RAM253を備えている。演出制御基板側CPU251はいわゆるプロセッサ部であり、主制御基板24から送信された制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいた各種演出を制御する処理を行う。
ROM252は、一連の演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した記憶部である。また、RAM253は、演出制御基板側CPU251の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
演出制御基板25には、スピーカ7、枠装飾LED8、盤面装飾LED35、ボリュームスイッチ31、左演出ボタン13、中央演出ボタン14が接続されている。これにより、演出制御基板25は、例えば、スピーカ7の効果音や各LED等の動作を制御し、演出効果を高めている。
演出ボタン13、14は、遊技者が有効期間にこれらを押下げることで、検知信号が演出制御基板25に送信され、液晶表示装置36に表示される演出が開始又は変化する。
演出制御基板25には、液晶制御基板26が接続されている。液晶制御基板26は、演出制御基板25からコマンドを受けて液晶表示装置36の表示制御を行うものである。
液晶制御基板26は、その内部に、液晶制御CPU261と、液晶制御ROM262と、液晶制御RAM263と、映像表示プロセッサVDP264と、画像データROM265と、VRAM266を備えている。
液晶制御CPU261は、いわゆるプロセッサ部であり、演出制御基板25から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な液晶制御データを生成する。また、そのデータを映像表示プロセッサVDP264に出力する。
液晶制御ROM262は、液晶制御CPU261の動作手順を記述したプログラムを格納した記憶部であり、液晶制御RAM263は、ワークエリアやバッファメモリとして機能する記憶部である。
映像表示プロセッサVDP264は、液晶表示装置36に表示する画像データの画像処理を行うプロセッサである。また、画像データROM265は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理を行うために必要な画像データを格納した記憶部であり、VRAM266は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理した画像データを一時記憶する記憶部である。
上記の構成により液晶制御基板26は、演出制御基板25から送信された液晶制御コマンドに基づき画像処理を行い、液晶表示装置36に演出画像や動画を表示している。
次に、図5A、5Bを参照して、実施例1の演出ボタン13、14を用いた演出例について説明する。
図5Aは、遊技の中で液晶表示装置36の画面中に表示される演出の例である。この演出は、遊技者が演出ボタン13、14を操作したとき開始又は変化し、最終的に大当りの期待度等が示唆されるというものである。
まず、図5A(a)に示すように、装飾図柄55が「6」のリーチ状態となったとき、画面中に左演出ボタン13の操作が有効であることを意味する演出ボタンマーク13’、操作指示マーク56、及び宝箱57が表示される。
画面左下は、保留表示領域58となっている。実線の丸は始動条件が保留されている状態であることを示し、破線の丸は保留されていない状態を示している。保留可能な始動条件の最大数は4個であり、ここでは、始動条件が2個保留されている状態である。
遊技に慣れている遊技者は、図5A(a)の表示を見たとき、左演出ボタン13を操作することで宝箱57が開き、アイテム等を獲得できる演出であると認識する。なお、遊技に慣れていない遊技者のため、操作指示マーク56を上下動させたり、画面中に「ボタンを押せ!」等のメッセージを表示することもある。
今回、遊技者が操作を指示された左演出ボタン13を操作すると、図5A(b)の表示に切替わる。図5A(b)の表示は、左演出ボタン13の操作により宝箱57が開き、新たな宝箱59が出現したことを示している。このとき、同時に「アツい?」とのメッセージが表示されるので、遊技者は大当りの可能性があると期待するようになる。
同時に、画面中に中央演出ボタン14の操作が有効であることを意味する演出ボタンマーク14’及び操作指示マーク56が表示される。これにより、遊技者は、中央演出ボタン14を操作することで宝箱59が開いて、何らかの結果が現れると予測する。
今回、遊技者が操作を指示された中央演出ボタン14を操作すると、図5A(c)の表示に切替わる。図5A(c)の表示は、中央演出ボタン14の操作により宝箱59が開き、宝箱59に豪華な宝物が入っていたことを示している。このとき、同時に「灼熱!」とのメッセージが表示されるので、遊技者は大当りの可能性が高い今回の図柄変動に期待するようになる。
このように、パチンコ遊技機1では、遊技者が演出ボタン13、14を操作する度に、徐々に変化する演出が実行可能であるので、遊技が単調とならない、興趣の高い遊技機となり、稼働率を向上させることができる。
なお、図5A(b)、図5A(c)に示している通り、装飾図柄55は「6」のリーチ状態を維持し、保留表示領域58の保留個数にも変化がない。すなわち、上記演出は、1回の図柄変動中に行われるものである。図柄を一度停止したように見せ、再度、図柄の変動を開始する、いわゆる擬似連続変動の中で上記演出を行ってもよい。
図5A(a)の状態で、遊技者が左演出ボタン13を操作しても、宝箱57が開かず、演出が終了してしまう場合がある。一方、図5A(b)のように、2つ目の演出ボタンマーク14’が出現する場合は、1つ目の演出ボタンマーク13’しか出現しない場合と比較して、大当りの期待度が高いときである。
また、図5A(b)の状態で遊技者が中央演出ボタン14を操作しても、宝箱59が開かず、演出が終了してしまう場合もある。中央演出ボタン14の操作が成功したときは、大当りの確定演出と定めてもよい。このようにした場合、演出ボタンマーク14’が出現した時点で、遊技者は大当りの可能性に期待して、興奮が高まるようになる。
遊技者が、最初に操作を指示された演出ボタン(例えば、左演出ボタン13)を操作したとき、所定の演出が開始するが、その演出の内容は、如何なるものであってもよい。また、この演出の実行中に、次の演出ボタン(例えば、中央演出ボタン14)の操作が指示され、遊技者がこれを操作することがある。
詳細は後述するが、上記の場合に実行中の演出を中止して、直ちに次の演出ボタンの操作による演出に切替えることができる(演出実行パターン1)。また、実行中の演出が全て終了した後、次の演出ボタンの操作による演出に切替えることもできる(演出実行パターン2)。
また、実行中の演出がある程度進行するか、全て終了するまで、次の演出ボタンの操作が指示されないようにしてもよい。このような場合には、2つの演出が強く関連する連続演出を行うことが好ましい。
遊技者によっては、演出ボタンの操作が指示されても、操作を行わない場合がある。例えば、図5A(a)の状態で、左演出ボタン13が所定時間、操作されなかった場合には、演出を終了させることができる。
一方、左演出ボタン13が所定時間、操作されなかった場合でも、その後に演出ボタンマーク14’を表示して、遊技者に中央演出ボタン14を操作させる機会を与えることもできる。これにつき、図5Bを参照して、説明する。
まず、図5B(a)には、上記の図5A(a)と同様、装飾図柄55が「6」のリーチ状態であって、演出ボタンマーク13’、操作指示マーク56、宝箱57、及び保留表示領域58が表示されている。
左演出ボタン13の操作が有効となる操作有効期間は、通常3〜7秒程度であるから、この期間に遊技者が左演出ボタン13を操作しない場合には、一度、演出ボタンマーク13’と操作指示マーク56が画面中から消え、図5B(b)の表示に切替わる。
図5B(b)の表示は、宝箱57に関して図5B(a)と同じであるが、画面中に演出ボタンマーク14’及び操作指示マーク56が出現したことを示している。これにより、遊技者は、中央演出ボタン14を操作すると宝箱57が開いて、何らかの結果が現れると予測する。
今回、遊技者が操作を指示された中央演出ボタン14を操作すると、図5B(c)の表示に切替わる。図5B(c)の表示は、中央演出ボタン14の操作により宝箱57が開き、宝箱57に豪華な宝物が入っていたことを示している。このとき、同時に「灼熱!」とのメッセージが表示されるので、遊技者は大当りの可能性が高い今回の図柄変動に期待するようになる。
このように、パチンコ遊技機1では、演出ボタンを操作しない場合にも、大当り期待度に応じて、遊技者に演出ボタンを操作させる演出が実行可能であるので、遊技が単調とならない、興趣の高い遊技機を実現することができる。
次に、図6を参照して、演出ボタンが2つある場合の演出の実行態様である演出実行パターン1及び演出実行パターン2について説明する。
(a)演出実行パターン1
まず、演出実行パターン1は、演出ボタンが操作されたときに開始する演出の実行中に、次の演出ボタンが操作された場合、先の演出の実行が中断されるという態様である。ここでは、最初に操作を指示されるのが左演出ボタン13、次に操作を指示されるのが中央演出ボタン14であるとする。
まず、装飾図柄の変動中に左演出ボタン13の操作が指示された場合、液晶表示装置36の画面中に演出ボタンマーク13’が表示される(図5A(a)参照)。これは、左演出ボタン13の操作が有効となる第1操作有効期間となったことを意味する。なお、左演出ボタン13の内蔵ランプを点灯させ、その操作が有効であることを報知してもよい。
第1操作有効期間は、通常3〜7秒程度であり、この期間に遊技者が左演出ボタン13を操作しなければ、第1操作有効期間が終了する。この場合、演出ボタンマーク13’が画面中から消え、演出が開始しないまま、装飾図柄が停止する。
一方、第1操作有効期間に遊技者が左演出ボタン13を操作した場合には、所定の演出Aが開始する。この操作以降、今回の図柄変動中は左演出ボタン13の操作は無効になる(図中の網掛け部分)。
その後、液晶表示装置36の画面中に演出ボタンマーク14’が表示され(図5A(b)参照)、中央演出ボタン14の操作が有効となる第2操作有効期間が開始する。ここでも、中央演出ボタン14の内蔵ランプを点灯させ、その操作が有効であることを報知してもよい。
第2操作有効期間に遊技者が中央演出ボタン14を操作しなければ、第2操作有効期間が終了する。この場合、演出ボタンマーク14’が画面中から消え、演出が開始しないまま、装飾図柄が停止する。
一方、第2操作有効期間に遊技者が中央演出ボタン14を操作した場合には、直ちに所定の演出Bが開始する。すなわち、中央演出ボタン14の操作により、演出Aは実行途中であっても中断され、演出Bに切替わる。そして、演出Bがその終了まで実行される。なお、この操作以降、今回の図柄変動中は中央演出ボタン14の操作は無効になる(図中の網掛け部分)。
ここでは、演出A、演出Bが迅速に進行するようになるので、遊技者は、演出Bの内容を早く見ることができる。演出Bは、図5A(c)のように、今回の図柄変動が大当りか否かを示唆する演出であることが多い。従って、遊技者は、当否の判定結果を早期に知ることができる。
(b)演出実行パターン2
次に、演出実行パターン2について説明する。演出実行パターン2は、最初に操作を指示された演出ボタンが操作され、演出が開始すると、次の演出ボタンが操作された場合にも、先の演出が終了した後に新たな演出を開始するという態様である。ここでも、最初に操作を指示されるのが左演出ボタン13、次に操作を指示されるのが中央演出ボタン14であるとする。
まず、装飾図柄の変動中に左演出ボタン13の操作が指示された場合、液晶表示装置36の画面中に演出ボタンマーク13’が表示される。第1操作有効期間に遊技者が左演出ボタン13を操作しなければ、第1操作有効期間が終了する。この場合、演出ボタンマーク13’ が画面中からが消え、演出が開始しないまま、装飾図柄が停止する。
一方、第1操作有効期間に遊技者が左演出ボタン13を操作した場合には、所定の演出Aが開始する。なお、この操作以降、今回の図柄変動中は左演出ボタン13の操作は無効になる(図中の網掛け部分)。
その後、液晶表示装置36の画面中に演出ボタンマーク14’が表示され、中央演出ボタン14の操作が有効となる第2操作有効期間が開始する。第2操作有効期間に遊技者が中央演出ボタン14を操作しなければ、第2操作有効期間が終了する。この場合、演出ボタンマーク14’が画面中から消え、演出が開始しないまま、装飾図柄が停止する。
一方、第2操作有効期間に遊技者が中央演出ボタン14を操作した場合にも、所定の演出Bは直ちに開始しない。すなわち、中央演出ボタン14の操作に関する演出Bは、実行中の演出Aが終了した後に開始する。そして、演出Bがその終了まで実行される。なお、この操作以降、今回の図柄変動中は中央演出ボタン14の操作は無効になる(図中の網掛け部分)。
上述の演出実行パターン1のように、実行中の演出Aを中断して新たな演出Bを開始する場合、演出の内容によっては、結果のみが表示される不自然な演出となってしまう。しかし、演出実行パターン2のように、実行中の演出Aを全て見せてから新たな演出Bを開始することで、演出A、演出Bが連続的且つ違和感のない演出となる。
演出の内容によって、演出実行パターン1と演出実行パターン2を切替えてもよい。例えば、中断されると不自然になる連続的な演出の場合には、演出実行パターン2を採用することができる。
ここでは、左演出ボタン13が先に操作を指示され、中央演出ボタン14が後に操作を指示されたが、逆の順番であってもよい。演出ボタン13、14の操作機会に差を設け、操作機会が少ない演出ボタン(例えば、中央演出ボタン14)が先に指示された場合は、大当りの期待度が高くなるように設定してもよい。
以下では、図7を参照して、主制御側で行われる遊技管理処理について説明する。以下で説明する遊技管理処理は、電源投入処理が正常に終了した場合に、主制御側のメインループに対して実行されるタイマ割込み処理である。
まず、主制御手段(主制御基板24)は、タイマ管理処理を行う(ステップS10)。パチンコ遊技機1には、後述する特別図柄役物動作タイマ等の複数のタイマが用意されており、それぞれ遊技に関する時間を計時している。
主制御手段は、処理状態に応じて各種タイマを更新(タイマを減算)していくことで、多数のタイマを管理する。その後、ステップS20に進む。
ステップS20では、主制御手段は、入力管理処理を行う。これは、パチンコ遊技機1の各種センサに入力された情報を入賞カウンタに格納する処理である。その後、ステップS30に進む。
ステップS30では、主制御手段は、賞球管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38aや一般入賞口42に入賞した場合に行われる処理である。例えば、一般入賞口42の内部にある一般入賞口センサ42cが遊技球を検知し、球検知信号を主制御手段に送信する。
主制御手段は、上記信号を受信すると、払出制御基板29(さらには、遊技球払出装置19)に向けて所定個数の賞球の払出しを行うための制御信号を送信する。このとき、後述する大入賞口入賞無効フラグがオンしていれば、大入賞口への入賞による賞球払出しのための制御信号が送信されず、払出しは行われない。
その後、所定のタイミングで大入賞口入賞無効フラグをオフにセットする。なお、上記所定のタイミングとして、入賞数と排出数の一致が確認されたとき(電源断を含む)や特別遊技が終了したとき等を設定するのが好適である。
遊技球払出装置19は、上記制御信号を受信した場合に、上貯留皿11(上貯留皿11が満杯である場合には、下貯留皿12)に所定個数の賞球を払出す。その後、ステップS40に進む。
ステップS40では、主制御手段は、普通図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、普通図柄用始動ゲート40a又は右普通図柄用始動ゲート40bを通過した場合に行われる処理である。具体的には、普通図柄用始動ゲート40a、40bの内部にある始動ゲート通過センサ40cがゲートを通過した遊技球を検知して、球検知信号を主制御手段に送信する。
主制御手段は、上記信号を受信すると、普通図柄の抽選乱数を取得する。この抽選乱数は最大4個まで記憶可能であり、記憶した順に上記抽選乱数の当否を抽選する。
また、主制御手段は、普通図柄表示装置43bに制御信号を送信する。普通図柄表示装置43bでは、LEDの点滅による普通図柄の変動が行われ、普通図柄は、所定時間の経過後、抽選結果に応じて当り又は外れの態様を表示して停止する。その後、ステップS50に進む。
ステップS50では、主制御手段は、普通電動役物管理処理を行う。これは、普通図柄の抽選結果により普通電動役物の動作を制御する処理である。普通図柄管理処理(ステップS40)にて、普通図柄が当り態様で停止した場合には、主制御手段は、普通電動役物用ソレノイドに制御信号を送信し、所定時間、第2特別図柄始動口38bの開閉部材を開放する。
主制御手段は、上記所定時間が経過した場合、または所定時間経過前に第2特別図柄始動口38bに予め定められた上限数の遊技球が入賞した場合に、上記開閉部材を閉鎖するための制御信号を普通電動役物用ソレノイドに送信する。これにより、上記開閉部材は閉鎖する。その後、ステップS60に進む。
なお、普通図柄管理処理(ステップS40)にて、普通図柄が外れ態様で停止した場合には、上記開閉部材を開放することはなく、主制御手段は、何もせず普通電動役物遊技処理を終了する。
ステップS60では、主制御手段は、特別図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38a、または第2特別図柄始動口38bに入賞した場合に行われる処理である。
詳細は後述するが、始動入賞口センサ38cが遊技球を検出すると、始動入賞口センサ38cは、球検出信号を主制御手段に送信し、主制御手段で特別図柄の抽選が行われる。
主制御手段は、特別図柄表示装置43aに制御信号を送信する。特別図柄表示装置43aでは、7セグメントLEDによる特別図柄の変動が行われ、特別図柄が所定時間の経過後に抽選結果に応じて当り又は外れの態様で停止する。また、特別図柄の変動は、液晶表示装置36においても遊技者に確実に認識可能な装飾図柄で表示される。その後、ステップS70に進む。
最後に、ステップS70では、主制御手段は、特別電動役物管理処理を行う。これは、特別図柄の抽選結果により特別電動役物(大入賞装置39)の動作を制御する処理である。
詳細は後述するが、特別図柄が当り態様で停止した場合には、いわゆる大当りとなり、複数のラウンドからなる特別遊技が遊技者に付与される。後述するが、特別図柄管理処理(ステップS60)にて、特別図柄が外れ態様で停止した場合には、直ちに特別電動役物管理処理が終了となる。特別電動役物管理処理が終了すると、遊技管理処理も終了となる。
次に、図8を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別図柄管理処理について説明する。特別図柄管理処理では、主制御手段は、後述する特別図柄動作ステータス(変動待機中、変動中、確認時間中)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御手段は、始動口チェック処理1を行う(ステップS61)。これは、第1特別図柄始動口38aへの遊技球の入賞を判断し、大当り判定用乱数等を保留記憶エリアに格納し、必要に応じて保留先読みコマンドの作成等を行うものである。その後、ステップS62に進む。
ステップS62では、主制御手段は、始動口チェック処理2を行う。第2特別図柄始動口38bへの遊技球の入賞について、始動口チェック処理1と同様の処理を行う。その後、ステップS63に進む。
次に、主制御手段は、条件装置作動フラグがONか否かを判定する(ステップS63)。条件装置とは、大当り発生時に大当りを継続する条件が成立した場合に作動する装置である。
条件装置作動フラグがオンしている場合には、「YES」の判定となり、ステップS68に進む。一方、条件装置作動フラグがオンしていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS64に進む。すなわち、ステップS64以降は、大当りが発生していない通常遊技モードの場合の処理となる。
ステップS63の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定を行う(ステップS64)。特別図柄動作ステータス(以下、特図動作ステータスともいう)が「00H」、「01H」に設定されている場合は、特別図柄が「変動待機中」であることを意味するので、ステップS65に進む。
また、特図動作ステータスが「02H」に設定されている場合は、特別図柄が「変動中」であることを意味するので、ステップS66に進む。さらに、特図動作ステータスが「03H」に設定されている場合は、特別図柄の「確認時間中」であることを意味するので、ステップS67に進む。以下、各特図動作ステータスにおける処理ついて説明する。
まず、図9A、9Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動開始処理について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定(図8:ステップS64)にて、特図動作ステータスが「00H」、「01H」(共に変動待機中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、図9Aにおいて、主制御手段は、特図2保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS81)。特図2の保留球数が0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS82に進む。一方、特図2の保留球数が0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS86に進む(図9B参照)。
ステップS81の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特図1保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS82)。特図1の保留球数が0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS83に進む。一方、特図1の保留球数が0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS86に進む(図9B参照)。
ステップS82の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特図動作ステータスが00Hであるか否かを判定する(ステップS83)。後述するが、特別図柄確認時間中処理(図8:ステップS67)が実行された直後は、特図動作ステータスとして「01H」がセットされている。
特図動作ステータスが「00H」である場合には、「YES」の判定となり、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、特図動作ステータスが「00H」でない場合(「01H」である場合)には、「NO」の判定となり、ステップS84に進む。
ステップS83の判定が「NO」である場合、主制御手段は、客待ちデモコマンドを送信する(ステップS84)。「客待ちデモコマンド」は、特図1、特図2の保留球数が共に0、かつ特図動作ステータスが「01H」の場合に、主制御手段(主制御基板24)から副制御手段(演出制御基板25)に向けて送信される。その後、ステップS85に進む。
ステップS85では、主制御手段は、特図動作ステータスに00Hをセットする。このセットにより特別図柄変動開始処理は終了となるが、これ以後、特別図柄変動開始処理では、保留情報が発生しない限り、ステップS83の判定で「YES」となる処理を繰り返す。
ステップS81、ステップS82の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特図1又は特図2の保留球数を1減算する(図9B:ステップS86)。その後、ステップS87に進む。
ステップS87では、主制御手段は、保留減算コマンドを送信する。主制御手段は、副制御手段に向けて「保留減算コマンド」を送信するので、特別図柄表示装置43a(右側の7セグメントLED)の保留表示及び液晶表示装置36に表示された保留表示が1減算される。その後、ステップS88に進む。
ステップS88では、主制御手段は、特別図柄作動確認データをセットする。具体的には、特図1が変動を開始する場合は特別図柄作動確認データとして「00H」を、特図2が変動を開始する場合は「01H」をセットする。その後、ステップS89に進む。
ステップS89では、主制御手段は、保留記憶エリアをシフトする。最大保留数と同数ある保留記憶エリア1〜4は、保留球数の減算に伴い1だけシフトする。このとき、最新の保留情報が記憶される保留記憶エリア4については0をセットする。その後、ステップS90に進む。
ステップS90では、主制御手段は、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を行う。これは、特図に対応した当り乱数判定用テーブルを決定して乱数判定処理を行う、いわゆる、特図の抽選処理である。また、大当り判定フラグをワークエリアへ格納する処理も行う。その後、ステップS91に進む。
ステップS91では、主制御手段は、特別停止図柄作成処理を行う。ここでは、特図に対応した図柄テーブル選択テーブルを選択し、図柄判定用乱数値、大当り判定フラグを取得して特図の停止図柄を作成する。その後、ステップS92に進む。
ステップS92では、主制御手段は、遊技状態移行準備処理を行う。ここでは、大当り判定フラグがオンの場合に、大当り種別に応じた遊技状態移行テーブルを選択し、これを参照して各種バッファに値を格納する。その後、ステップS93に進む。
ステップS93では、主制御手段は、特図変動パターン作成処理を行う。これは、変動パターン振分けテーブルを選択し、変動パターン用乱数に基づいて特図の変動パターンを作成する処理である。その後、ステップS94に進む。
ステップS94では、主制御手段は、特図1又は特図2の変動中フラグをONにセットする。具体的には、これから変動することになる一方の特図の変動中フラグをオンとする。その後、ステップS95に進む。
ステップS95では、主制御手段は、装飾図柄指定コマンドを送信する。装飾図柄とは、液晶表示装置36で変動表示する図柄のことである。主制御手段(主制御基板24)は、「装飾図柄指定コマンド」を作成し、副制御手段(演出制御基板25)に向けて送信する。その後、ステップS96に進む。
最後に、主制御手段は、変動開始時の各種設定を行う(ステップS96)。具体的には、乱数記憶エリア0に「00H」(消去)をセットする。また、特図動作ステータスを「02H」(変動中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(図8:ステップS64)にて、後述する特別図柄変動中処理(図8:ステップS66)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動開始処理を終了する。図8に戻り、その後、ステップS68に進む(後述する)。
主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定(ステップS64)にて、特図動作ステータスが「02H」(変動中)と判断された場合、特別図柄変動中処理(ステップS66)を行う。
特別図柄変動中処理については簡潔に説明すると、主制御手段は、特図の変動時間に関するタイマである特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定し、このタイマが0となった場合に、「変動停止コマンド」を副制御手段に向けて送信する。
また、変動停止時の各種設定を行うが、特図動作ステータスを「03H」(確認時間中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(ステップS64)にて、後述する特別図柄確認時間中処理(ステップS67)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動中処理を終了する。その後、ステップS68に進む(後述する)。
主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定(ステップS64)にて、特図動作ステータスが03H(確認時間中)と判断された場合、特別図柄確認時間中処理(ステップS67)を行う。
特別図柄確認時間中処理についても簡潔に説明するが、主制御手段は、特別図柄の変動が停止したときに、大当り時の設定、時短回数の減算、回数限定の確率変動であるST回数の減算等を行う。
特別図柄役物時間タイマが0となった場合、特図動作ステータスを01H(変動待機中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(ステップS64)にて、特別図柄変動開始処理(ステップS65)に分岐するようになる。その後、ステップS68に進む。
最後に、ステップS68では、主制御手段は、特別図柄表示データを更新する。具体的には、特別図柄表示装置43aの特別図柄を更新する。その後、特別図柄管理処理を終了する。
次に、図10を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別電動役物管理処理について説明する。特別電動役物管理処理において、主制御手段は、後述する特別電動役物動作ステータス(大当り開始処理、特別電動役物作動開始処理、特別電動役物作動中処理、特別電動役物作動継続判定処理、大当り終了処理)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御手段は、条件装置作動フラグがONか否かを判定する(ステップS71)。条件装置作動フラグがオンしている場合には、「YES」の判定となり、ステップS72に進む。一方、条件装置作動フラグがオンしていない場合には、「NO」の判定となり、この処理を終了する。すなわち、ステップS72以降は、大当りが発生した場合の処理となる。
ステップS71の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定を行う(ステップS72)。特別電動役物動作ステータス(以下、特電動作ステータスともいう)が「00H」に設定されている場合は、「大当り開始」時であることを意味するので、ステップS73に進む。
ステップS73の大当り開始処理では、今回の特別遊技(大当り遊技)の総ラウンド数等を設定する大当り開始時の各種設定が行われる。この処理の中で、特別電動役物動作ステータスが「01H」に設定される。また、「大当り開始インターバルコマンド」が演出制御基板25に送信される。
また、特電動作ステータスが「01H」に設定されている場合は、「特電作動開始中」であることを意味するので、ステップS74に進む。ステップS74の特別電動役物作動開始処理では、大当りの開始時かラウンド間かが判定された後、「大入賞口開放コマンド」が演出制御基板25に送信される。また、開放動作開始時の各種設定が行われ、特別電動役物動作ステータスが「02H」に設定される。
また、特電動作ステータスが「02H」に設定されている場合は、「特電作動中」であることを意味するので、ステップS75に進む。ステップS75の特別電動役物作動中処理では、主に大入賞口の最大入賞数がチェックされ、最大入賞数に達した場合に、「ラウンド間インターバルコマンド」が演出制御基板25に送信される。
さらに、開放動作終了時の各種設定が行われ、特別電動役物動作ステータスが「03H」に設定される。また、特電動作ステータスが「03H」に設定されている場合は、「特電作動継続判定中」であることを意味するので、ステップS76に進む。ステップS76の特別電動役物作動継続判定処理では、今回の特別遊技が最大ラウンド数に達するまで、連続回数カウンタを加算することでラウンド数がカウントされる。
最大ラウンド数に達していない場合には、継続時の各種設定が行われ、特別電動役物動作ステータスが「01H」に設定される。また、最大ラウンド数に達した場合には、終了時の各種設定が行われ、特別電動役物動作ステータスが「04H」に設定される。このとき、「大当り終了インターバルコマンド」が演出制御基板25に送信される。
また、特電動作ステータスが「04H」に設定されている場合は、「大当り終了中」であることを意味するので、ステップS77に進む。ステップS77の大当り終了処理では、上述の条件装置作動フラグや連続回数カウンタをリセットする大当り終了時の各種設定が行われる。
この処理の中で、特別電動役物動作ステータスは「00H」に設定される。これらの処理が終了した後、主制御手段は、特別電動役物管理処理を終了する。
以下では、図11を参照して、副制御側で行われるメイン処理について説明する。このメイン処理には、副制御手段(演出制御基板25)の起動時に行われる初期化処理が含まれる。
まず、副制御手段は、初期化処理を行う(ステップS101)。これは、主に、副制御手段の各種初期設定を行うものであり、起動時に一度だけ行われる。その後、ステップS102に進む。
次に、副制御手段は、メインループ更新周期となったか否かを判定する(ステップS102)。メインループとは、後述するステップS104〜S109までの処理であるが、その更新周期は16msである。
ステップS102に進んだとき更新周期の16msが経過すると、「YES」の判定となり、ステップS104に進む。一方、16ms経過する前の状態では、更新周期となっていないので、「NO」の判定となる。この場合には、ステップS103に進む。
ステップS102の判定が「NO」である場合、副制御手段は、各種ソフト乱数の更新処理を行う(ステップS103)。その後、ステップS102の判定が「YES」となるまでステップS102、S103の処理を繰り返す。このループの期間に、1ms周期のタイマ割込み処理(図12参照)が実行されるが、副制御手段は、この割込み処理回数をカウントして、上記の16msが経過したか否かを判定する。
ステップS102の判定が「YES」である場合、副制御手段は、LEDデータ更新処理を行う(ステップS104)。上述の通り、ステップS104〜S109はメインループの処理となるが、ここでは、枠装飾LED8、盤面装飾LED35のデータを更新することで、装飾LEDの発光態様を変化させる。その後、ステップS105に進む。
ステップS105では、副制御手段は、受信コマンド解析処理を行う。これは、受信した制御コマンドの種別を解析し、制御コマンドに応じた各種処理を実行するものである。その後、ステップS106に進む。
ステップS106では、副制御手段は、メインシナリオ更新処理を行う。具体的には、制御コマンドに応じた演出の各種設定を行う。その後、ステップS107に進む。
ステップS107では、副制御手段は、サウンド出力処理を行う。具体的には、シナリオに応じてスピーカ7からサウンドを出力させる。その後、ステップS108に進む。
ステップS108では、副制御手段は、ソレノイド更新処理を行う。具体的には、大入賞装置39等に用いられているソレノイドの詳細な動作を設定する。その後、ステップS109に進む。
ステップS109では、副制御手段は、ノイズ対策用処理を行う。具体的には、周辺LSIがノイズの影響を受けていないかチェックする。この処理が終了すると、ステップS102に戻り、以降の処理を継続して実行する。
最後に、図12を参照して、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、演出制御側メイン処理(図11)に対して、1ms周期で実行される割込み処理である。
まず、副制御手段は、CPUレジスタの初期設定をする(ステップS111)。具体的には、ポートのリフレッシュ初期値の設定を行う。その後、ステップS112に進む。
ステップS112では、副制御手段は、出力処理を行う。具体的には、可動役物に用いられているソレノイドやモータの出力処理を行う。その後、ステップS113に進む。
ステップS113では、副制御手段は、演出ボタン入力状態更新処理を行う。具体的には、演出ボタン13、14の操作がされた場合に、入力状態を更新する。その後、ステップS114に進む。
ステップS114では、副制御手段は、スイッチ入力状態更新処理を行う。具体的には、ボリュームスイッチ31等の入力情報を確認し、その情報に応じた処理を行う。その後、ステップS115に進む。
ステップS115では、副制御手段は、液晶制御コマンド送信処理を行う。演出制御基板25は、例えば、演出用カウンタによって選択された演出用コマンドを液晶制御基板26に向けて送信する。その後、ステップS116に進む。
ステップS116では、副制御手段は、モータ更新処理を行う。具体的には、可動役物に用いられているモータの詳細な動作設定をする。その後、ステップS117に進む。
ステップS117では、副制御手段は、LEDデータ出力処理を行う。具体的には、必要なタイミングで枠装飾LED8、盤面装飾LED35を点灯、点滅させるLEDデータ出力を行う。その後、ステップS118に進む。
ステップS118では、副制御手段は、演出実行処理を行う。具体的には、図柄変動時の選択された演出や演出ボタン13、14の操作により開始又は変化する演出を実行する。その後、ステップS119に進む。
最後に、副制御手段は、メインループ更新周期用ワークを1インクリメントする(ステップS119)。これは、上述のメインループの処理(図11:ステップS104〜S109)の更新周期である16msをカウントするため、メインループ更新周期用ワークを1だけインクリメントする処理である。その後、タイマ割込処理を終了する。以上、本実施例のパチンコ遊技機1の一連の動作を説明した。
上記のように実施例1には、操作が指示された場合に遊技者が操作することで、演出が実行される2つの操作手段がある。ここで、操作手段のうち一の操作手段の操作が有効となる第1操作有効期間に該一の操作手段が操作された場合に、他の操作手段の操作が有効となる第2操作有効期間が開始する。従って、一の操作手段の操作による演出と他の操作手段の操作による演出が連続的に発生するので、遊技が単調になるのを防止することができる。
[実施例2]
次に、図13を参照して、実施例2のパチンコ遊技機1’を構成する部分について説明する。
パチンコ遊技機1’は、実施例1のパチンコ遊技機1と比較して、上貯留皿11’が異なるだけである。従って、同じ構成部分については符号を変更せず、異なる部分を中心に説明する。
上貯留皿11’の表面部分には、内蔵ランプが点灯したとき操作が有効となる左演出ボタン13、中央演出ボタン14、及び右演出ボタン15が設けられている。演出ボタン13〜15は、操作が有効となったとき、遊技者がボタンを押下することにより演出を開始又は変化させることができる。演出ボタン13〜15は、本発明の「操作手段」に相当する。
演出ボタン13〜15は、大当り期待度等により、何れを操作させるかを使い分けることがある。また、操作が指示される順番や組合せにより、大当り期待度や演出内容を変化させてもよい。
次に、図14を参照して、3つの演出ボタン13〜15を用いた実施例2の演出例について説明する。
図14は、遊技の中で液晶表示装置36の画面中に表示される演出の例である。この演出は、遊技者が演出ボタン13〜15を操作したとき開始又は変化し、最終的に大当りの期待度等が示唆されるというものである。
まず、図14(a)に示すように、装飾図柄55が「6」のリーチ状態となったとき、画面中に右演出ボタン15の操作が有効であることを意味する演出ボタンマーク15’、操作指示マーク56、及び主人公キャラクタ60が表示される。
画面左下は、保留表示領域58となっている。実線の丸は始動条件が保留されている状態であることを示し、破線の丸は保留されていない状態を示している。保留可能な始動条件の最大数は4個であり、ここでは、始動条件が3個保留されている状態である。
画面中に主人公キャラクタ60による「連続?」というセリフがあるが、「連続」とは、上述した擬似連続変動を示唆する言葉である。遊技に慣れている遊技者は、図14(a)の表示を見たとき、右演出ボタン15を操作することで図柄が一度停止し、再度、図柄の変動が開始する擬似連続変動が行われると予測する。
その後、遊技者が操作を指示された右演出ボタン15を操作すると、図14(b)の表示に切替わる。図14(b)の表示は、右演出ボタン15の操作により、装飾図柄55(中図柄)が擬似連続変動を意味する特定の図柄で停止したことを示している。
このとき、画面中央に左演出ボタン13の操作が有効であることを意味する演出ボタンマーク13’及び操作指示マーク56が表示される。また、主人公キャラクタ60が一回り大きく表示され、これに対峙する位置に敵キャラクタと予想される影61が出現する。
さらに、画面の上部に「次回、決戦?」と表示されるので、遊技者は、左演出ボタン13を操作することで、この後、主人公キャラクタ60と影61による決戦演出になると予測する。
その後、遊技者が操作を指示された左演出ボタン13を操作すると、図14(c)の表示に切替わる。図14(c)の表示は、左演出ボタン13の操作により、装飾図柄55が再変動し、「3」のリーチ状態となったことを示している。これは、擬似連続変動であるので、保留表示領域58の実線の丸は3個のままである。
また、このとき、画面中央に中央演出ボタン14の操作が有効であることを意味する演出ボタンマーク14’及び操作指示マーク56が表示される。そして、影61が正体を現し、敵キャラクタ61’となる。
さらに、画面の上部に「決戦だ!先制?」と表示されるので、遊技者は、中央演出ボタン14を操作することで、主人公キャラクタ60と敵キャラクタ61’による決戦演出が開始し、一方のキャラクタが先制攻撃を仕掛ける展開になると予測する。
その後、遊技者が操作を指示された中央演出ボタン14を操作すると、図14(d)の表示に切替わる。図14(d)の表示は、画面の上部に「先制攻撃!」とあるように、主人公キャラクタ60が敵キャラクタ61’に先制して斬りかかる演出を示している。これにより、遊技者は、大当りの可能性が高い今回の図柄変動に期待するようになる。
このように、パチンコ遊技機1’では、演出ボタン13〜15を操作する度に、徐々に変化していく演出を実行可能であるので、演出ボタンが2種類の場合と比較しても、さらに興趣の高い遊技機となり、稼働率を向上させることができる。
図14(a)の状態で、遊技者が右演出ボタン15を操作しても、これ以上演出が進行せず、終了してしまう場合がある。また、図14(b)まで演出が進行するが、遊技者が左演出ボタン13を操作しても、そこで演出が終了してしまう場合もある。
図14(c)のように3つ目の演出ボタンマーク14’が出現するのは、大当り期待度が非常に高いときである。すなわち、2つ目の演出ボタンマーク13’が出現する場合は、1つ目の演出ボタンマーク15’しか出現しない場合と比較して、大当り期待度が高く、3つ目の演出ボタンマーク14’が出現する場合は、2つ目の演出ボタンマーク13’まで出現して終了する場合と比較して、さらに大当り期待度が高い。
演出ボタン13〜15が所定時間、操作されなかった場合には、演出を終了してもよい。ここでも、実施例1(図5B参照)と同様に、遊技者に前回と異なる演出ボタンを操作させる機会を与えてもよい。
また、通常は、図14の演出例のように右演出ボタン15、左演出ボタン13、中央演出ボタン14の順番に操作させるようにし、大当り期待度に応じて、演出ボタンの操作順を変更するようにしてもよい。また、演出の展開、ストーリーに応じて、演出ボタンの操作順を変更することもできる。
最後に、図15を参照して、3つの演出ボタン13〜15がある場合の演出の実行態様である演出実行パターン1’及び演出実行パターン2’をについて説明する。
(a)演出実行パターン1’
まず、演出実行パターン1’は、演出ボタンが操作されたときに開始する演出の実行中に、次の演出ボタンが操作された場合、先の演出の実行が中断されるという実行態様である。ここでは、右演出ボタン15、左演出ボタン13、中央演出ボタン14の順に操作が指示されるとする。
装飾図柄の変動中に右演出ボタン15の操作が指示された場合、液晶表示装置36の画面中に演出ボタンマーク15’が表示されるが(図14(a)参照)、これは、右演出ボタン15の操作が有効となる第1操作有効期間となったことを意味する。なお、右演出ボタン15の内蔵ランプを点灯させ、その操作が有効であることを報知してもよい。
第1操作有効期間は、通常3〜7秒程度であり、この期間に遊技者が右演出ボタン15を操作しなければ、第1操作有効期間が終了する。この場合、演出ボタンマーク15’が画面中から消え、演出が変化しないまま、装飾図柄が停止する。
一方、第1操作有効期間に遊技者が右演出ボタン15を操作した場合には、所定の演出Xが開始する。この操作以降、今回の図柄変動中は右演出ボタン15の操作は無効になる(図中の網掛け部分)。
その後、液晶表示装置36の画面中に演出ボタンマーク13’が表示され(図14(b)参照)、左演出ボタン13の操作が有効となる第2操作有効期間が開始する。第2操作有効期間に遊技者が左演出ボタン13を操作しなければ、第2操作有効期間が終了する。この場合、演出ボタンマーク13’が画面中から消え、演出が変化しないまま、装飾図柄が停止する。
一方、第2操作有効期間に遊技者が左演出ボタン13を操作した場合には、直ちに所定の演出Yが開始する。すなわち、左演出ボタン13の操作により、演出Xが実行途中であっても中断され、演出Yに切替わる。なお、この操作以降、今回の図柄変動中は左演出ボタン13の操作は無効になる(図中の網掛け部分)。
その後、液晶表示装置36の画面中に演出ボタンマーク14’が表示され(図14(c)参照)、中央演出ボタン14の操作が有効となる第3操作有効期間が開始する。第3操作有効期間に遊技者が中央演出ボタン14を操作しなければ、第3操作有効期間が終了する。この場合、演出ボタンマーク14’が画面中から消え、演出が変化しないまま、装飾図柄が停止する。
一方、第3操作有効期間に遊技者が中央演出ボタン14を操作した場合には、直ちに所定の演出Zが開始する。すなわち、中央演出ボタン14の操作により、演出Yが実行途中であっても中断され、演出Zに切替わる。そして、演出Zがその終了まで実行される。なお、この操作以降、今回の図柄変動中は中央演出ボタン14の操作は無効になる(図中の網掛け部分)。
ここでは、演出X、演出Y、演出Zが迅速に進行するようになるので、遊技者は、演出Zの内容を早く見ることができる。今回、1回の図柄変動中に演出ボタン13〜15の操作により演出が2回変化するので、演出ボタンが2つの場合と比較して、より多種多様な演出が実行可能となる。
さらに、演出Zは、図14(d)のように、今回の図柄変動が大当りか否かを示唆する演出であることが多い。従って、遊技者は、当否の判定結果を早期に知ることができる。
(b)演出実行パターン2’
次に、演出実行パターン2’について説明する。演出実行パターン2’は、最初に操作を指示された演出ボタンが操作され、演出が開始すると、次の演出ボタンが操作された場合にも、先の演出が終了した後に新たな演出を開始するという態様である。ここでも、右演出ボタン15、左演出ボタン13、中央演出ボタン14の順に操作が指示されるとする。
まず、装飾図柄の変動中に右演出ボタン15の操作が指示された場合、液晶表示装置36の画面中に演出ボタンマーク15’が表示される。第1操作有効期間に遊技者が右演出ボタン15を操作しなければ、第1操作有効期間が終了する。この場合、演出ボタンマーク15’が 画面中からが消え、演出が変化しないまま、装飾図柄が停止する。
一方、第1操作有効期間に遊技者が右演出ボタン15を操作した場合には、所定の演出Xが開始する。なお、この操作以降、今回の図柄変動中は右演出ボタン15の操作は無効になる(図中の網掛け部分)。
その後、液晶表示装置36の画面中に演出ボタンマーク13’が表示され、左演出ボタン13の操作が有効となる第2操作有効期間が開始する。第2操作有効期間に遊技者が左演出ボタン13を操作しなければ、第2操作有効期間が終了する。この場合、演出ボタンマーク13’が画面中から消え、演出が変化しないまま、装飾図柄が停止する。
一方、第2操作有効期間に遊技者が左演出ボタン13を操作した場合、所定の演出Yが直ちに開始しない。すなわち、左演出ボタン13の操作に関する演出Yは、実行中の演出Xが終了した後に開始する。なお、この操作以降、今回の図柄変動中は左演出ボタン13の操作は無効になる(図中の網掛け部分)。
その後、液晶表示装置36の画面中に演出ボタンマーク14’が表示され、中央演出ボタン14の操作が有効となる第3操作有効期間が開始する。第3操作有効期間に遊技者が中央演出ボタン14を操作しなければ、第3操作有効期間が終了する。この場合、演出ボタンマーク14’が画面中から消え、演出が変化しないまま、装飾図柄が停止する。
一方、第3操作有効期間に遊技者が中央演出ボタン14を操作した場合、所定の演出Zが直ちに開始しない。すなわち、中央演出ボタン14の操作に関する演出Zは、実行中の演出Yが終了した後に開始する。そして、演出Zがその終了まで実行される。なお、この操作以降、今回の図柄変動中は中央演出ボタン14の操作は無効になる(図中の網掛け部分)。
上述の演出実行パターン1’のように、実行中の演出を中断して新たな演出を行う場合、演出の内容によっては、結果のみが表示される不自然な演出となってしまう。しかし、演出実行パターン2’のように、実行中の演出Xを全て見せてから新たな演出Yを実行し、演出Yを全て見せてから最後の演出Zを実行することで、演出X、演出Y、演出Zが一連のストーリーをもった連続的な演出となる。
演出の内容によって、演出実行パターン1’と演出実行パターン2’を切替えてもよい。例えば、中断されると不自然になる連続的な演出の場合には、演出実行パターン2’を採用することができる。
実施例2によれば、パチンコ遊技機1’には、操作が指示された場合に遊技者が操作することで、演出が実行される3つの操作手段がある。ここで、操作手段のうち第1の操作手段の操作が有効となる第1操作有効期間に該第1の操作手段が操作された場合に、第2の操作手段の操作が有効となる第2操作有効期間が開始する。また、第2操作有効期間に該第2の操作手段が操作された場合に、第3の操作手段の操作が有効となる第3操作有効期間が開始する。従って、3つの操作手段の操作による演出が連続的に発生するので、遊技が単調になるのを防止することができる。
上記の実施例は、本発明の一例であり、これ以外にも本発明を実施することができる種々の変形例が考えられる。
操作手段は、4つ以上あってもよい。例えば、操作手段が4つあるとき、第1の操作手段の操作が有効となる第1操作有効期間に該第1の操作手段が操作された場合に、第2の操作手段の操作が有効となる第2操作有効期間が開始する。また、第2操作有効期間に該第2の操作手段が操作された場合に、第3の操作手段の操作が有効となる第3操作有効期間が開始する。そして、第3操作有効期間に該第3の操作手段が操作された場合に、第4の操作手段の操作が有効となる第4操作有効期間が開始する。
演出ボタンマークの表示態様は、どのようなものであってもよい。例えば、大当り期待度や演出の内容により、演出ボタンマークを大きく表示したり、色彩を変化させてもよい。なお、演出ボタンの連打や長押しの場合には、演出ボタンマークの表示態様を変化させたり、「連打せよ!」等の文字を併せて表示させるようにしてもよい。
実施例1、2の演出(図5A、5B、14)は、リーチ等の図柄変動中に行われていたが、図柄が停止する前の予告演出や、図柄が大当りの態様で揃った後に行われる再抽選の演出であってもよい。
演出ボタンの操作により開始する演出は、液晶表示装置36に表示されるものに限られず、演出ボタンを操作する度に点灯するLEDの数を増やす演出や、スピーカから言葉(例えば、「ア」、「タ」、「リ」等)を出力する演出であってもよい。
以上、本実施形態としてパチンコ遊技機について説明したが、本発明は、これに限らず、演出選択手段を備えた雀球式遊技機、アレンジボール機、封入式遊技機、回胴式遊技機、遊技球が遊技媒体となる回胴式遊技機(いわゆる、パロット機)等にも適用可能である。