JP2015030830A - 耐熱透明帯電防止性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 透明性、耐熱性、帯電防止性に優れたポリエステル樹脂組成物を提供する。【解決手段】 ジカルボン酸構成単位とジオール構成単位とを有するポリエステル樹脂であって、ジカルボン酸構成単位及び/又はジオール構成単位が環状アセタール骨格を有する化合物に由来する単位を含むことを特徴とするポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂(b)、およびポリエーテルエステル化合物(c)から成る、透明性、耐熱性、帯電防止性に優れたポリエステル樹脂組成物に関するものである。【選択図】 なし
Description
本発明は、耐熱性、透明性、帯電防止性に優れたポリエステル樹脂組成物に関するものである。
従来よりポリエステルは、機械的、化学的性質、透明性、成形性に優れており、ボトル、フィルム、繊維、シート等、多岐に応用されている。しかし、一般にポリエステルを含む合成樹脂の多くは、本来電気を通さない絶縁性であるため、帯電しやすく、塵、ほこりが付着しやすい。加えて電子部品用途では、静電気に起因する電子部品の破損・劣化等が重要な問題となる。特に電子部品用トレー用途では、静電気から電子部品を保護するために表面固有抵抗値108〜1010Ωの帯電防止性能を必要とされる上、最近では帯電防止性能に加えて、目視による製品検査のための透明性や乾燥工程等に適応出来る耐熱性が要求されるケースがある。
一般に合成樹脂で作られたトレーではこれら全ての要求を満たすことが出来ないため、各種の帯電防止剤を合成樹脂製品に添加して使用することが公知である。この時使用される帯電防止剤には、樹脂を成形後、塗布・浸漬・吹きつけ等の成形品表面に帯電防止コートを施し帯電防止層を形成する塗布型と、あらかじめ樹脂に帯電防止剤を練り込んで成形する練り込み型とがある。前者の塗布型では、成形工程に加え、帯電防止層の塗布工程を必要とする上、トレーの賦形時に塗膜の破断や摩擦による塗膜の剥落等が起こるため信頼性に欠ける場合が多い。一方で後者の練り込み型は、一工程で製造可能であり、帯電防止効果の持続性の点でも優れているが、十分な帯電防止性能を付与するためには、大量に帯電防止剤を使用するため、耐熱性の低下を生じやすいという問題があった。
特許文献1では、ジオール単位中の5〜60モル%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であるポリエステル樹脂および導電性充填材を、該ポリエステル樹脂/導電性充填材が40〜99重量%/1〜60重量%の割合で含むポリエステル樹脂組成物とすることにより、帯電防止性、耐熱性、成形性に優れた樹脂組成物が得られるとの記載がなされている。
しかしながら、当該公報に開示されているポリエステル樹脂組成物は、金属系導電性充填材や非金属系導電性充填材、カーボン系導電性充填材、導電性ポリマーから任意に選択した導電性充填材を使用しているため、帯電防止性、耐熱性には優れるものの、透明性に乏しく、目視による製品検査が要求される電子部品用トレー材料としては不適であった。
本発明の目的は、前記のような状況に鑑み、耐熱性、透明性、帯電防止性に優れたポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ジオール成分に環状アセタール骨格を有する化合物を含む原料モノマーを重合して得られたポリエステル樹脂(a)、およびポリエーテルエステル化合物(c)を所定量含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物が、耐熱性、透明性、帯電防止性、二次加工成形性に優れることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ポリエステル樹脂(a)、およびポリエーテルエステル化合物(c)からなるポリエステル樹脂組成物であって、ポリエステル樹脂(a)が全ジオール構成単位中の、下記式(1):
または下記式(2):
で表される環状アセタール骨格を有するジオールに由来する構成単位の割合が10〜60モル%であるジオール構成単位と、ジカルボン酸構成単位からなるポリエステル樹脂
であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物である。
(式(1)、(2)において、R1 、R2 、およびR3はそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表す。)
また本発明は、前記ポリエステル樹脂組成物からなる押出成形体である。
更に本発明は、第1層と、前記第1層の少なくとも一方の面に設けられる第2層を含む樹脂積層体であって、前記第1層が熱可塑性樹脂からなる層であり、前記第2層がポリエステル樹脂組成物からなる層であることを特徴とする、樹脂積層体である。
前記、ポリエステル樹脂組成物からなる押出成形体及び/又は樹脂積層体は、表面の少なくとも一部にハードコート処理、反射防止処理、防汚処理、帯電防止処理、耐候性処理および防眩処理から選択されるいずれか一つ以上の処理を施してあってもよい。
であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物である。
(式(1)、(2)において、R1 、R2 、およびR3はそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表す。)
また本発明は、前記ポリエステル樹脂組成物からなる押出成形体である。
更に本発明は、第1層と、前記第1層の少なくとも一方の面に設けられる第2層を含む樹脂積層体であって、前記第1層が熱可塑性樹脂からなる層であり、前記第2層がポリエステル樹脂組成物からなる層であることを特徴とする、樹脂積層体である。
前記、ポリエステル樹脂組成物からなる押出成形体及び/又は樹脂積層体は、表面の少なくとも一部にハードコート処理、反射防止処理、防汚処理、帯電防止処理、耐候性処理および防眩処理から選択されるいずれか一つ以上の処理を施してあってもよい。
本発明によれば、耐熱性、透明性、帯電防止性に優れたポリエステル樹脂組成物が提供され、該ポリエステル樹脂組成物は、主に電子部品用途として用いられ、特に目視による製品検査のための透明性や乾燥工程等に適応出来る耐熱性を必要とする電子部品用トレー用途に好適に使用される。
以下で本発明について詳細に説明する。本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(a)、およびポリエーテルエステル化合物(c)からなり、前記ポリエステル樹脂(a)はジオール構成単位、ジカルボン酸構成単位の少なくとも一方に、環状アセタール骨格を有する構成単位を含むことを特徴とする。
本発明に用いるポリエステル樹脂(a)は、ジオール構成単位とジカルボン酸構成単位からなり、全ジオール構成単位中の10〜60モル%が式(1)または式(2)で表される環状アセタール骨格を有するジオールに由来するジオール構成単位と、ジカルボン酸構成単位からなるポリエステル樹脂である。
(式(1)、(2)において、R1 、R2 、およびR3はそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基を表す。)
前記式(1)または式(2)で表される環状アセタール骨格を有するジオールにおいて、R1 、R2は好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基又はこれらの構造異性体、例えば、イソプロピレン基、イソブチレン基である。R3 は好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はこれらの構造異性体、例えば、イソプロピル基、イソブチル基を表す。中でも前記環状アセタール骨格を有するジオールとしては、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン等が特に好ましい。
本発明に用いるポリエステル樹脂(a)を構成する、環状アセタール骨格を有するジオール以外のジオールに由来するジオール構成単位としては、特に制限はされないが、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテル化合物類;1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,3−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,4−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,5−デカヒドロナフタレンジメタノール、1,6−デカヒドロナフタレンジメタノール、2,7−デカヒドロナフタレンジメタノール、テトラリンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロドデカンジメタノール等の脂環式ジオール類;4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール(ビスフェノールZ)、4,4’−スルホニルビスフェノール(ビスフェノールS)等のビスフェノール類;前記ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物;ヒドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルベンゾフェノン等の芳香族ジヒドロキシ化合物;及び前記芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオキシド付加物に由来するジオール構成単位、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール等のイソソルビド部位を有するグリコールが例示出来る。例示したジオール単位は単独で使用する事もできるし、複数を併用する事もできる。中でも機械的性能、経済性等の面からエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、特にエチレングリコールが好ましい。
本発明に用いるポリエステル樹脂(a)を構成するジカルボン酸構成単位としては、特に制限はされないが、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸および2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、及びこれらのエステル形成性誘導体に由来するジカルボン酸構成単位が例示出来る。例示したジカルボン酸及び/又はこれらのエステル形成性誘導体は単独で使用することもできるし、複数を併用することもできる。中でもテレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルがより好ましい。
ポリエステル樹脂(a)における、全ジオール構成単位中の環状アセタール骨格を有するジオールに由来する構成単位の割合は、10〜60モル%が好ましく、より好ましくは10〜50モル%である。10モル%より小さい場合には、ポリエステル樹脂(a)が十分な耐熱性を示さない場合があり好ましくない。また60モル%より大きい場合には耐衝撃性が低下する場合があり、好ましくない。
ポリエステル樹脂(a)としては、全ジオール構成単位中の3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンに由来する構成単位の割合が10〜60モル%であり、エチレングリコールに由来する構成単位が40〜90モル%であるジオール構成単位と、全ジカルボン酸構成単位中のテレフタル酸に由来する構成単位の割合が50モル%以上であるジカルボン酸構成単位からなるポリエステル樹脂がより好ましい。ポリエステル樹脂(a)が上記ジオール構成単位とジカルボン酸構成単位を有することにより、本発明のポリエステル樹脂組成物は結晶性が低く成形性に優れ、耐熱性、機械的性能、経済性に優れたものとなる。ポリエステル樹脂(a)は、全ジカルボン酸構成単位中にテレフタル酸及び/又はそのエステル形成性誘導体に由来する構成単位を50モル%以上の割合で含有し、2,6-ナフタレンジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体に由来する構成単位を25〜50モル%の割合で含有することが、より好ましい。
本発明に用いるポリエステル樹脂(a)を製造する方法は特に制限はなく、従来公知の方法を適用することができる。例えば、エステル交換法、直接エステル化法等の溶融重合法、又は溶液重合法等が挙げられる。ポリエステル樹脂(a)には、一般に用いられる各種の添加剤を添加しても良く、添加剤としては、エステル交換触媒、エステル化触媒、エーテル化防止剤、熱安定剤、光安定剤等の各種安定剤、重合調整剤等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、以下に示すポリカーボネート樹脂(b)を含んでいてもよい。
ポリカーボネート樹脂(b)は、芳香族ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物とホスゲンとを界面重合法により得られるか、または、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸のジエステルとのエステル交換反応により作られる分岐していてもよい熱可塑性ポリカーボネート重合体である。本発明で使用されるポリカーボネート樹脂(b)を構成する芳香族ヒドロキシ化合物としては特に制限はないが、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(テトラブロモビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニルプロパン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アリールアルカン類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的性能、経済性等の面から、ビスフェノールAが特に好ましく、すなわちポリカーボネート樹脂(b)がビスフェノールAのポリ炭酸エステルであることが特に好ましい。
ポリカーボネート樹脂(b)は、芳香族ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物とホスゲンとを界面重合法により得られるか、または、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸のジエステルとのエステル交換反応により作られる分岐していてもよい熱可塑性ポリカーボネート重合体である。本発明で使用されるポリカーボネート樹脂(b)を構成する芳香族ヒドロキシ化合物としては特に制限はないが、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(テトラブロモビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニルプロパン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アリールアルカン類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的性能、経済性等の面から、ビスフェノールAが特に好ましく、すなわちポリカーボネート樹脂(b)がビスフェノールAのポリ炭酸エステルであることが特に好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂(b)は、分岐構造を有していてもよく、このような分岐構造を有した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、フロログルシン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−3−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、α,α',α"−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等で例示されるポリヒドロキシ化合物、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−ブロムイサチンビスフェノール等を使用すればよい。
本発明に用いるポリカーボネート樹脂(b)の分子量は、通常の押出成形によりシートを製造出来ることが好ましく、ポリスチレン換算の重量平均分子量4 5 , 0 0 0〜 7 0 , 0 0 0 であることが好ましい。該重量平均分子量の範囲内において、ポリカーボネート樹脂基材の線膨張率は6 × 1 0 − 5 / ℃ 〜 8 × 1 0 − 5 / ℃ 範囲にある。ポリカーボネート樹脂(b)には、一般に用いられる各種の添加剤を含有しても良い。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、光拡散剤、難燃剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、染顔料等が挙げられる。上記したポリカーボネート樹脂(b)としては、市販の製品を使用することもできる。市販の製品として具体的には、商品名:ユーピロン S−3000(三菱ガス化学(株)製)が挙げられる。
本発明に用いるポリエーテルエステル化合物(c)は、ジカルボン酸単位とポリオキシアルキレンジオール単位からなる。また、ポリオキシアルキレンジオール以外のジオール単位を含んでもよい。これら各成分については、特に制限されないが、ジカルボン酸単位においては、脂肪族ジカルボン酸単位としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、イコサン二酸等の脂肪族ジカルボン酸から誘導される脂肪族ジカルボン酸単位が挙げられ、また芳香族ジカルボン酸単位としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸から誘導される芳香族ジカルボン酸単位が例示出来る。ポリオキシアルキレンジオール単位としては、1)エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等の脂肪族グリコール、2)シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の脂環族グリコール、3)p−キシリレングリコール等の芳香族炭化水素基を有するグリコールに、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加したポリオキシアルキレンジオールから誘導されるポリオキシアルキレンジオール単位が例示出来る。また、ポリオキシアルキレンジオール以外のジオール単位としては、炭素数2〜20の2価アルコールから誘導されるジオール単位であり、かかる2価アルコールとしては、1)エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6ヘキサンジオール等の脂肪族グリコール、2)シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の脂環族グリコール、3)p−キシリレングリコール等の芳香族炭化水素基を有するグリコールが例示出来る。
ポリエーテルエステル化合物(c)は、分子量が3000〜30000のものが好ましく、より好ましくは5000〜20000である。分子量が3000未満であると、ポリエステル樹脂組成物中においてポリエーテルエステル化合物が移動し易くなるため、耐久性が劣るようになる傾向を示し、逆に分子量が30000を超えると、ポリエステル樹脂組成物の成形条件の変更が必要となる場合があり、不利である。
上記したポリエーテルエステル化合物(c)としては、市販の製品を使用することもできる。具体的には、商品名:エレカット R02(竹本油脂(株)製)、TPAE−H151((株)ティーアンドケイ東華製)等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂組成物中の、ポリエステル樹脂(a)または、ポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂(b)を混合してなる樹脂混合物(d)の屈折率値は、1.53〜1.58の範囲であることが好ましい。さらに、ポリエステル樹脂(a)または樹脂混合物(d)の屈折率値と、ポリエーテルエステル化合物(c)の屈折率値との差が0.02以下であることが好ましい。ポリエステル樹脂(a)または樹脂混合物(d)の屈折率値および、ポリエーテルエステル化合物(c)の屈折率値との差を上記範囲とすることにより、透明性に優れたポリエステル樹脂組成物が得られ、ポリエステル樹脂組成物を押出成形して得られるフィルム、シートはHaze値が低く透明性に優れる。
本発明のポリエステル樹脂組成物中の、ポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂(b)の合計に対するポリエーテルエステル化合物(c)の割合は1〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜20重量%である。ポリエーテルエステル化合物が1重量%未満であると、十分な帯電防止性能を発揮しない傾向にあり、逆に30重量%を超えると、耐熱性が低下するだけではなく、押出成形時にロールへの貼り付きが生じやすくなり製造が困難になる上、強度が低下するため、二次加工成形に適さない。上記組成とすることにより、本発明のポリエステル樹脂組成物は耐熱性、帯電防止性、成形加工性に優れるという特長が得られる。
本発明におけるポリエステル樹脂組成物中の、ポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂(b)の合計に対するポリカーボネート樹脂(b)の割合としては、95重量%以下であることが好ましい。ポリカーボネート樹脂(b)の割合が95重量%以下である場合、透明性に優れたポリエステル樹脂組成物が得られ、ポリエステル樹脂組成物を押出成形して得られるフィルム、シートはHaze値が低く透明性に優れる。さらに、成形体のガラス転移温度が高くなりすぎることがなく、二次加工の成形加工性が良好となる。ポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂(b)の合計に対するポリカーボネート樹脂(b)の割合は、より好ましくは、85重量%以下であり、さらに好ましくは、65重量%以下である。
本発明におけるポリエステル樹脂組成物は、目的を阻害しない範囲内でポリエステル樹脂(a)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c)以外に他の樹脂や各種添加剤を含有してもよい。これらは単独で混合してもよいし、2種以上を併用して混合してもよい。
前記、他の樹脂としては、1,4−シクロヘキサンジメタノール変性PET、イソフタル酸変性PET、ポリブチレンテレフタレートが挙げられる。
前記、各種添加剤としては、例えば抗酸化剤、紫外線吸収剤、抗着色剤、抗帯電剤、離型剤、滑剤、染料、顔料、無機フィラー、樹脂フィラー等が挙げられる。
混合の方法は特に限定されず、全量コンパウンドする方法、マスターバッチをドライブレンドする方法、全量ドライブレンドする方法等を用いることが出来る。
混合の方法は特に限定されず、全量コンパウンドする方法、マスターバッチをドライブレンドする方法、全量ドライブレンドする方法等を用いることが出来る。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(a)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c)、必要に応じて前記各種添加剤、他の樹脂を混合、混練することで製造出来る。混合、混練には公知の技術、装置を用いることが出来、例えばタンブラー、高速ミキサー、ナウターミキサー、リボン型ブレンダー、ミキシングロール、ニーダー、インテンシブミキサー、単軸押出機、二軸押出機等の混合、混練装置を例示出来る。また、各種溶媒に溶解あるいは分散させた状態で、ゲートミキサー、バタフライミキサー、万能ミキサー、ディゾルバー、スタティックミキサー等の液体混合装置を用いて混合することも出来る。
本発明のポリエステル樹脂組成物の用途としては、粘着材、接着剤、塗料等といった形態で使用することができる。具体的には、特に限定されないが、パソコンやOA機器部品、自動車部品、電気・電子部品、機械部品等、特には半導体、メモリ、ハードディスク、磁気ヘッド、除電ロール、電子複写機の帯電電極等に使用することが出来る。
本発明のポリエステル樹脂組成物からなる成形体は、前記、ポリエステル樹脂組成物を、公知の技術により成形体に加工することによって得られる。本発明のポリエステル樹脂組成物からなる成形体としては、特に限定されないが、射出成形体、押出成形体、発泡成形体が挙げられる。射出成形体は射出成形法によって製造できる。発泡成形体の製造方法としては、具体的にはビーズ発泡、押出発泡、超臨界発泡といった公知の方法が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂組成物からなる押出成形体の厚みは、3μm〜5mmである。押出成形体は厚みによって、フィルムあるいはシートの形態となる。
本発明のポリエステル樹脂組成物からなる押出成形体は、特に限定されないが押出成形法によって製造することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物からなる押出成形体は、特に限定されないが押出成形法によって製造することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物からなる押出成形体のガラス転移温度は、100℃以上であることが好ましい。ポリエステル樹脂組成物のガラス転移温度が100℃以上であると、電子部品等の搬送用トレー等の用途に適した十分な耐熱性が得られる。
本発明のポリエステル樹脂組成物からなる押出成形体の、厚さ100μmにおけるHaze値は、10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下である。ポリエステル樹脂組成物からなる押出成形体のHaze値が10%以下であると、目視検査の際に高い透明性が要求される電子部品等の搬送用トレー等の用途に適する。
本発明の樹脂積層体は、第1層と、前記第1層の少なくとも一方の面に設けられる第2層を含む樹脂積層体であって、前記第1層が熱可塑性樹脂からなる層であり、前記第2層が、前記ポリエステル樹脂組成物からなる層であることを特徴とする樹脂積層体である。
本発明の樹脂積層体における前記第1層は、熱可塑性樹脂を含んでなる。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂(a)以外のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂(a)以外のポリエステル樹脂としては、具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートが挙げられる。アクリル樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル、スチレン-メタクリル酸メチル共重合樹脂が挙げられる。これらを単独で用いてもよく、複数を併用して用いてもよい。
本発明の樹脂積層体は、前記第1層と第2層とを公知の技術により積層成形することにより得られる。樹脂積層体の成形方法は、特に限定されないが共射出や共押出、ドライラミネートといった多層成形の方法や、延伸やブローといった配向を伴う成形方法が挙げられ、これらを組み合わせてもよい。上記成形方法で得られたポリエステル樹脂組成物からなる樹脂積層体において、使用する樹脂の種類および層構成(積層順、層の数)は用途により選択すれば良い。例えば、PETフィルムに耐熱性と帯電防止性を付与し、かつ透明性を維持するために、PETをコア層、ポリエステル樹脂組成物をスキン層に用いた2種2層の層構成(ポリエステル樹脂組成物層/PET樹脂層)および2種3層の層構成(ポリエステル樹脂組成物層/PET樹脂層/ポリエステル樹脂組成物層)とすることで、透明性、耐熱性、帯電防止性に優れた成形体が得られる。また、表面硬度を必要とする用途では、アクリル樹脂をスキン層に用いた2種2層の層構成(アクリル樹脂層/ポリエステル樹脂組成物層)および2種3層の層構成(アクリル樹脂層/ポリエステル樹脂組成物層/アクリル樹脂層)とすることで、透明性、耐熱性、帯電防止性、耐擦傷性に優れた成形体が得られる。
本発明のポリエステル樹脂組成物からなる押出成形体、樹脂積層体は、表面の少なくとも一部にハードコート処理を施すことが出来る。例えば、光エネルギーを用いて硬化させる感光性ハードコート塗料を用いることによりハードコート層を形成する。光エネルギーを用いて硬化させる感光性ハードコート塗料としては、1官能および/または多官能であるアクリレートモノマーおよび/またはオリゴマーからなる樹脂組成物に光重合開始剤が加えられた光硬化性樹脂組成物等が挙げられる。例えば、トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレート(c1)40〜80重量%と、(c1)と共重合可能な2官能および/または3官能のメタクリレート化合物(c2)20〜40重量%とからなる樹脂組成物100重量部に光重合開始剤(c3)が1〜10重量部添加された光硬化性樹脂組成物等が挙げられる。
上記、押出成形体、及び/又は樹脂積層体の表面にハードコート塗料を塗布する方法は特に制限されず、公知の方法を用いることが出来る。例えば、刷毛、グラビアロール、ディッピング、流し塗り、スプレー、インクジェット等が例示出来る。
本発明のポリエステル樹脂組成物からなる押出成形体、及び/又は樹脂積層体は、その表面の少なくとも一部に反射防止処理、防汚処理、帯電防止処理、耐候性処理および防眩処理のいずれか一つ以上を施すことが出来る。反射防止処理、防汚処理、帯電防止処理、耐候性処理および防眩処理の方法は特に制限されず、公知の方法を用いることが出来る。例えば反射低減塗料を塗布する方法、誘電体薄膜を蒸着する方法、帯電防止塗料を塗布する方法が例示出来る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によりその範囲を限定されるものではない。
本実施例及び比較例で使用した原料を以下に示す。
合成例1(ポリエステル樹脂(a1))
ジカルボン酸成分としてジメチルテレフタル酸、ジオール成分として3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンとエチレングリコールをそれぞれ45モル%、55モル%とした原料モノマーを、ジカルボン酸成分100モルに対し酢酸マンガン四水和物0.03モルの存在下、窒素雰囲気下で200℃まで昇温してエステル交換反応を行った。メタノールの留出量が理論量に対して90%以上に達した後、ジカルボン酸成分100モルに対し、酸化アンチモン(III)0.01モルとトリフェニルホスフェート0.06モルを加え、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に280℃、0.1MPa以下で重合を行った。適度な溶融粘度になった時点で反応を終了し、ポリエステル樹脂(a1)を得た。
合成例1(ポリエステル樹脂(a1))
ジカルボン酸成分としてジメチルテレフタル酸、ジオール成分として3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンとエチレングリコールをそれぞれ45モル%、55モル%とした原料モノマーを、ジカルボン酸成分100モルに対し酢酸マンガン四水和物0.03モルの存在下、窒素雰囲気下で200℃まで昇温してエステル交換反応を行った。メタノールの留出量が理論量に対して90%以上に達した後、ジカルボン酸成分100モルに対し、酸化アンチモン(III)0.01モルとトリフェニルホスフェート0.06モルを加え、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に280℃、0.1MPa以下で重合を行った。適度な溶融粘度になった時点で反応を終了し、ポリエステル樹脂(a1)を得た。
合成例2(ポリエステル樹脂(a2))
ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとテレフタル酸ジメチルをそれぞれ50モル%、ジオール成分として3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンとエチレングリコールをそれぞれ30モル%、70モル%とした原料モノマーに当該ジオール成分と等モルのエチレングリコールを加え、さらにジカルボン酸成分100モルに対し酢酸マンガン四水和物0.03モルの存在下、窒素雰囲気下で215℃まで昇温してエステル交換反応を行った。メタノールの留出量が理論量に対して80%以上に達した後、ジカルボン酸成分100モルに対し、酸化アンチモン(III)0.01モルとトリフェニルホスフェート0.06モルを加え、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に280℃、100Pa以下で重合を行った。適度な溶融粘度になった時点で反応を終了し、ポリエステル樹脂(a2)を得た。
ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとテレフタル酸ジメチルをそれぞれ50モル%、ジオール成分として3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンとエチレングリコールをそれぞれ30モル%、70モル%とした原料モノマーに当該ジオール成分と等モルのエチレングリコールを加え、さらにジカルボン酸成分100モルに対し酢酸マンガン四水和物0.03モルの存在下、窒素雰囲気下で215℃まで昇温してエステル交換反応を行った。メタノールの留出量が理論量に対して80%以上に達した後、ジカルボン酸成分100モルに対し、酸化アンチモン(III)0.01モルとトリフェニルホスフェート0.06モルを加え、昇温と減圧を徐々に行い、最終的に280℃、100Pa以下で重合を行った。適度な溶融粘度になった時点で反応を終了し、ポリエステル樹脂(a2)を得た。
ポリカーボネート樹脂(b):ユーピロン S−3000(三菱ガス化学(株)製)
ポリエーテルエステル化合物(c1):エレカット R02(竹本油脂(株)製)
ポリエーテルエステル化合物(c2):ペバックスMV2080(アルケマ(株)製)
カーボンブラック:ケッチェンブラックEC(ライオン(株)製)
ポリエーテルエステル化合物(c1):エレカット R02(竹本油脂(株)製)
ポリエーテルエステル化合物(c2):ペバックスMV2080(アルケマ(株)製)
カーボンブラック:ケッチェンブラックEC(ライオン(株)製)
<屈折率測定>
ポリエステル樹脂(a)、ポリカーボネート樹脂(b)、樹脂混合物(d)の屈折率は以下の方法により測定した。ポリエステル樹脂(a1)、ポリエステル樹脂(a2)、ポリカーボネート樹脂(b)(ユーピロン S−3000(三菱ガス化学(株)製)を、下記表1に示す重量比でドライブレンドして連続的に導入し、シリンダ温度240℃、吐出速度5kg/hで押し出した。その先に連結された温度240℃のTダイでシート状に押し出し、2本の鏡面仕上げロールで鏡面を転写しながら冷却し、フィルム(1)〜(8)を得た。この時ロールの設定温度はいずれも95℃とした。得られたフィルム(1)〜(8)について、日本分光(株)製M−220型自動波長走査型エリプソメータの3次元屈折率測定プログラムを使用し、X方向、Y方向Z方向のそれぞれの屈折率を測定し、この平均値を屈折率値とした。フィルムの屈折率の測定結果を下記表1に示す。
ポリエーテルエステル化合物(c)は、熱プレスにより160℃で成形して厚み1.0mmのシートとし、樹脂混合物(d)と同様の方法で屈折率を測定した。ポリエーテルエステル化合物(c1)として用いたエレカット R02(竹本油脂(株)製)の屈折率値は1.56であった。またポリエーテルエステル化合物(c2)として用いたペバックスMV2080(アルケマ(株)製)の屈折率値は1.50であった。
ポリエステル樹脂(a)、ポリカーボネート樹脂(b)、樹脂混合物(d)の屈折率は以下の方法により測定した。ポリエステル樹脂(a1)、ポリエステル樹脂(a2)、ポリカーボネート樹脂(b)(ユーピロン S−3000(三菱ガス化学(株)製)を、下記表1に示す重量比でドライブレンドして連続的に導入し、シリンダ温度240℃、吐出速度5kg/hで押し出した。その先に連結された温度240℃のTダイでシート状に押し出し、2本の鏡面仕上げロールで鏡面を転写しながら冷却し、フィルム(1)〜(8)を得た。この時ロールの設定温度はいずれも95℃とした。得られたフィルム(1)〜(8)について、日本分光(株)製M−220型自動波長走査型エリプソメータの3次元屈折率測定プログラムを使用し、X方向、Y方向Z方向のそれぞれの屈折率を測定し、この平均値を屈折率値とした。フィルムの屈折率の測定結果を下記表1に示す。
ポリエーテルエステル化合物(c)は、熱プレスにより160℃で成形して厚み1.0mmのシートとし、樹脂混合物(d)と同様の方法で屈折率を測定した。ポリエーテルエステル化合物(c1)として用いたエレカット R02(竹本油脂(株)製)の屈折率値は1.56であった。またポリエーテルエステル化合物(c2)として用いたペバックスMV2080(アルケマ(株)製)の屈折率値は1.50であった。
実施例、比較例にて得られたフィルムについて、以下の物性について評価した。評価結果を表2に示す。
<透明性評価>
全光線透過率はJIS K 7105、ASTM D1003に準じて、日本電色工業(株)製色差計COH―400にて測定した。Haze値5%以下のものを合格とした。
<透明性評価>
全光線透過率はJIS K 7105、ASTM D1003に準じて、日本電色工業(株)製色差計COH―400にて測定した。Haze値5%以下のものを合格とした。
<耐熱性評価>
(株)島津製作所製DSC/TA−50WSを使用し、フィルム片10mgを採取してアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス(30ml/min)気流中、昇温速度20℃/minで測定し、DSC曲線の転移前後における基線の差の1/2だけ変化した温度をガラス転移温度とした。ガラス転移温度が100℃以上のものを合格とした。
(株)島津製作所製DSC/TA−50WSを使用し、フィルム片10mgを採取してアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス(30ml/min)気流中、昇温速度20℃/minで測定し、DSC曲線の転移前後における基線の差の1/2だけ変化した温度をガラス転移温度とした。ガラス転移温度が100℃以上のものを合格とした。
<帯電防止性評価>
JIS C 2139に準じて、アドバンテスト(株)製デジタル超高抵抗/微少電流計R8340/8340Aを使用し、印加電圧500Vで測定した。表面固有抵抗値1×1013Ω未満のものを合格とした。
JIS C 2139に準じて、アドバンテスト(株)製デジタル超高抵抗/微少電流計R8340/8340Aを使用し、印加電圧500Vで測定した。表面固有抵抗値1×1013Ω未満のものを合格とした。
実施例1(フィルム(A))
軸径20mmの二軸押出機に連結されたTダイを有するフィルム押出装置を用いてポリエステル樹脂組成物フィルムを成形した。軸径20mmの二軸押出機にポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比45:45:10でドライブレンドして連続的に導入し、シリンダ温度210℃、吐出速度5kg/hで押し出した。その先に連結された温度210℃のTダイでシート状に押し出し、2本の鏡面仕上げロールで鏡面を転写しながら冷却し、フィルムを得た。この時ロールの設定温度はいずれも95℃とした。得られたフィルの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
軸径20mmの二軸押出機に連結されたTダイを有するフィルム押出装置を用いてポリエステル樹脂組成物フィルムを成形した。軸径20mmの二軸押出機にポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比45:45:10でドライブレンドして連続的に導入し、シリンダ温度210℃、吐出速度5kg/hで押し出した。その先に連結された温度210℃のTダイでシート状に押し出し、2本の鏡面仕上げロールで鏡面を転写しながら冷却し、フィルムを得た。この時ロールの設定温度はいずれも95℃とした。得られたフィルの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
実施例2(フィルム(B))
ポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比40:40:20でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
ポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比40:40:20でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
実施例3(フィルム(C))
ポリエステル樹脂(a1)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比80:20でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
ポリエステル樹脂(a1)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比80:20でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
実施例4(フィルム(D))
ポリエステル樹脂(a2)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比80:20でドライブレンドした以外は実施例1と同様にして物フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
ポリエステル樹脂(a2)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比80:20でドライブレンドした以外は実施例1と同様にして物フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
実施例5(フィルム(E))
ポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比64:16:20でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
ポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比64:16:20でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
実施例6(フィルム(F))
ポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比48:32:20でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
ポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比48:32:20でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
実施例7(フィルム(G))
ポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比32:48:20でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
ポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比32:48:20でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
実施例8(フィルム(H))
ポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比16:64:20でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
ポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比16:64:20でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であり、総合判定は合格であった。
比較例1(フィルム(I))
ポリエステル樹脂(a1)のみを使用し、シリンダ温度240℃、Tダイ温度240℃とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価の結果はそれぞれ良好であったが、帯電防止性評価の結果は不良であり、総合判定では不合格であった。
ポリエステル樹脂(a1)のみを使用し、シリンダ温度240℃、Tダイ温度240℃とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価の結果はそれぞれ良好であったが、帯電防止性評価の結果は不良であり、総合判定では不合格であった。
比較例2(フィルム(J))
ポリカーボネート樹脂)(b)のみを使用し、シリンダ温度250℃、Tダイ温度250℃とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価の結果はそれぞれ良好であったが、帯電防止性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
ポリカーボネート樹脂)(b)のみを使用し、シリンダ温度250℃、Tダイ温度250℃とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価の結果はそれぞれ良好であったが、帯電防止性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
比較例3(フィルム(K))
ポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)を重量比50:50でドライブレンドし、シリンダ温度240℃、Tダイ温度240℃とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価の結果はそれぞれ良好であったが、帯電防止性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
ポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)を重量比50:50でドライブレンドし、シリンダ温度240℃、Tダイ温度240℃とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価の結果はそれぞれ良好であったが、帯電防止性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
比較例4(フィルム(L))
ポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比25:25:50でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であったが、透明性評価、耐熱性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
ポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比25:25:50でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であったが、透明性評価、耐熱性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
比較例5(フィルム(M))
ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比80:20でドライブレンドし、シリンダ温度250℃、Tダイ温度250℃とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であったが、透明性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比80:20でドライブレンドし、シリンダ温度250℃、Tダイ温度250℃とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であったが、透明性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
比較例6(フィルム(N))
ポリエステル樹脂(a2)のみを使用し、シリンダ温度240℃、Tダイ温度240℃とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価の結果はそれぞれ良好であったが、帯電防止性評価の結果は不良であり、総合判定では不合格であった。
ポリエステル樹脂(a2)のみを使用し、シリンダ温度240℃、Tダイ温度240℃とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。透明性評価、耐熱性評価の結果はそれぞれ良好であったが、帯電防止性評価の結果は不良であり、総合判定では不合格であった。
比較例7(フィルム(O))
ポリエステル樹脂(a2)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比50:50でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であったが、透明性評価、耐熱性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
ポリエステル樹脂(a2)、ポリエーテルエステル化合物(c1)を重量比50:50でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であったが、透明性評価、耐熱性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
比較例8(フィルム(P))
ポリエステル樹脂(a1)、カーボンブラック〔ライオン(株)製、商品名:ケッチェンブラックEC〕を重量比90:10でドライブレンドし、シリンダ温度240℃、Tダイ温度240℃とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であったが、透明性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
ポリエステル樹脂(a1)、カーボンブラック〔ライオン(株)製、商品名:ケッチェンブラックEC〕を重量比90:10でドライブレンドし、シリンダ温度240℃、Tダイ温度240℃とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であったが、透明性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
比較例9(フィルム(Q))
ポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c2)を重量比40:40:20でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であったが、透明性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
ポリエステル樹脂(a1)、ポリカーボネート樹脂(b)、ポリエーテルエステル化合物(c2)を重量比40:40:20でドライブレンドした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚みは100μmであった。耐熱性評価、帯電防止性評価の結果はそれぞれ良好であったが、透明性評価の結果は不良であり、総合判定は不合格であった。
Claims (11)
- さらに、ポリカーボネート樹脂(b)を含み、ポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂(b)の合計に対するポリカーボネート樹脂(b)の割合が95重量%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 前記、式(1)または式(2)で表される環状アセタール骨格を有するジオールが、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン又は5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサンである、請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 環状アセタール骨格を有するジオール単位以外のジオール単位が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれる1種以上のジオールに由来するジオール単位である、請求項3に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 前記、ジカルボン酸構成単位が、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、2,6-ナフタレンジカルボン酸、及び2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルからなる群から選ばれる1種以上の化合物に由来するジカルボン酸構成単位である、請求項3または4に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 全ジカルボン酸構成単位中の、2,6-ナフタレンジカルボン酸及び/又は2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルに由来するジカルボン酸構成単位の割合が25〜50モル%である、請求項3〜5のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
- ポリエステル樹脂(a)またはポリエステル樹脂(a)とポリカーボネート樹脂(b)を混合してなる樹脂混合物(d)の屈折率値が1.53〜1.58の範囲であり、ポリエステル樹脂(a)または樹脂混合物(d)の屈折率値と、ポリエーテルエステル化合物(c)の屈折率値との差が0.02以下である、請求項3〜6のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
- 請求項3〜7のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物からなる押出成形体。
- 第1層と、前記第1層の少なくとも一方の面に設けられる第2層を含む樹脂積層体であって、前記第1層が熱可塑性樹脂からなる層であり、前記第2層がポリエステル樹脂組成物からなる層であることを特徴とする、樹脂積層体。
- 表面の少なくとも一部にハードコート処理、反射防止処理、防汚処理、帯電防止処理、耐候性処理および防眩処理から選択されるいずれか一つ以上の処理を施したものである請求項8に記載の押出成形体。
- 表面の少なくとも一部にハードコート処理、反射防止処理、防汚処理、帯電防止処理、耐候性処理および防眩処理から選択されるいずれか一つ以上の処理を施したものである請求項9に記載の樹脂積層体。
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