JP2015030814A - ポリ乳酸及びその製造方法 - Google Patents

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千代志 野▲崎▼
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竜也 森田
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Abstract

【課題】本発明は、柔軟性と透明性を維持しつつ機械強度を高めることが出来き、熱履歴を最小限に抑え、着色や分子量低下といった熱劣化も防ぐことが出来るポリ乳酸を提供することを目的とする。
【解決手段】ラクチドの開環重合によって得られるポリ乳酸であって、数平均分子量が10万以上であり実質的に融点を示さないことを特徴とするポリ乳酸。前記ポリ乳酸は、超臨界流体存在下、ラクチドを開環重合させることにより得ることができる。
【選択図】なし

Description

加工の際の物性が安定し、透明で柔軟性に富むシート、フイルムまたは容器などのポリ乳酸製品を得ることができるポリ乳酸及びその製造方法に関する。
ポリ乳酸からなる成型品は汎用ポリスチレンに似て剛性は高いものの、反面脆いといった課題がある。このため、可塑剤や共重合などによる柔軟性の付与が広く検討されている(非特許文献1)。
また、溶融重合によって得られるポリ乳酸(以下PLAとも称す)は、その流動性から高分子量化には限界があるため強度向上には結晶化度を高める必要がある。しかしながら、一般にPLAは結晶化速度が遅いため、成形の際にプロセス上で形状が変化したり型離れが悪いなどの課題があり、結晶化促進剤や樹脂ブレンドが欠かせないが、結晶化促進剤や樹脂をブレンドすると、混錬による熱履歴によって着色が生じたり、性状が安定しないなどの課題を抱えている。更には、結晶化によって、特に樹脂シートの透明性が低下する(白化する)ことも、商品価値の低下に繋がっている。
例えば、特許文献1〜7には、非晶性PLA単独ではなく、結晶性PLAや他の樹脂との混合物としている組成物が開示されている。特許文献1、2では、光学純度が90%未満の低結晶性PLAとポリブチレンサクシネート樹脂(PBS)をブレンドして得られる生分解性樹脂組成物が開示され、分子量については、Mw50000−300000が好適と記載されている。特許文献3では、光学純度が50%未満のPLAと50%以上のPLAをブレンドして得られるポリ乳酸系組成物が開示されている。分子量については5万から100万が好適と記載されている。実施例の記載から、この分子量は重量平均分子量と推測される。特許文献4では、D,L−ランダム共重合体とブロック共重合体をブレンドして得られる組成物が開示されている。分子量については、重量平均分子量が5万以上と記載されている。特許文献5では、高結晶性PLAと低結晶性または非晶性PLAの混合物から得られるポリ乳酸が開示されている。実施例では、OP98%20wt%+OP54%80wt%のポリ乳酸をブレンドしている。分子量は92000である。特許文献6では、結晶性PLAが光学純度90%以上のものと90%未満のものの混合物で結晶核材を併用している。実施例ではネイチャーワークス社製のPLAを使用し、光学純度90%未満のものは4060D,5039Bである。特許文献7では、融点差が10℃以上のPLAもしくは非晶性PLAとからなるポリ乳酸繊維が開示されている。分子量は5万以上である。
いずれの場合も、得られる樹脂製品は結晶化を促進させるものとなるため、透明性が犠牲になってしまう。
本発明は、柔軟性と透明性を維持しつつ機械強度を高めることが出来き、熱履歴を最小限に抑え、着色や分子量低下といった熱劣化も防ぐことが出来るポリ乳酸を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、実質的に融点を示さない、高分子量のポリ乳酸を得ることができ、このポリ乳酸により上記課題が解決されることを見い出し本発明に至った。
即ち、本発明のポリ乳酸は、以下の通りである。
ラクチドの開環重合によって得られるポリ乳酸であって、数平均分子量が10万以上であり実質的に融点を示さないことを特徴とするポリ乳酸。
本発明によると、実質的に融点を示さないPLAで且つ分子量を高めることができ、柔軟性と透明性を維持しつつ機械強度を高めることが出来き、熱履歴を最小限に抑え、着色や分子量低下といった熱劣化も防ぐことが出来るポリ乳酸を提供することができる。
温度と圧力に対する物質の状態を示す一般的な相図である。 本実施形態において超臨界流体の範囲を定義するための相図である。 連続式の重合工程の一例を示す系統図である。 バッチ式の重合工程の一例を示す系統図である。
本発明のポリ乳酸は、ラクチドの開環重合によって得られるポリ乳酸であって、数平均分子量が10万以上であり実質的に融点を示さない。
数平均分子量が10万以上であり、実質的に融点しめさないポリ乳酸とすることにより、単一の樹脂であっても満足な特性を発現でき、混合による不均一や性状の不安定化がおこらない。
融点の測定は以下のように行った。
<融点>
装置:DSC(TAインスツルメンツ社製、Q2000)
試料5〜10mgをアルミ製の簡易密閉パンに充填したものを以下の測定フローに供した。
1回目 加熱:30℃〜220℃、5℃/min.、220℃到達後1分保持
冷却:温度制御なしで−20℃までクエンチ、−20℃到達後1分保持
2回目 加熱:−20℃〜200℃、5℃/min.
融点の観測は、2回目の昇温DSC曲線において、100℃から190℃を結んだベースラインに対し、吸熱ピークが0.5J/g以上である場合に融点を有するとした。即ち、実質的に融点を示さないとは、前記吸熱ピークが0.5J/g未満であることを言う。
ラクチドの開環重合によって得られるポリ乳酸が実質的に融点を示さないためには、ラクチドがD−ラクチド及びL−ラクチドを含有し、全ラクチド重量において、そのどちらかが25wt%から75wt%であることが好ましい。原料ラクチドがD−ラクチド及びL−ラクチドを含有し、全ラクチド重量において、そのどちらかが25wt%から75wt%であると、実質的に融点を有しない。従って結晶化が起こらないので、柔軟・透明性が高いポリ乳酸が得られる。
または、メソラクチドから得られるポリ乳酸は、結晶性を有しないため好適で、ラクチドが少なくともメソラクチドを含有していることが好ましい。
本発明において、ポリ乳酸の数平均分子量は10万以上であり、15〜80万であることが好ましい。
ポリ乳酸の数平均分子量が10万以上であると、高分子鎖の絡まりあいが増え、引っ張り強度など強度が向上する。
尚、数平均分子量は高い方が、前記強度の向上には有利であるが、数平均分子量が80万を超えると溶融粘度が高まり、加工上の困難が伴う場合があるため、実用的には数平均分子量は15万以上80万以下が好ましい。
ポリ乳酸の数平均分子量、重量平均分子量は、以下のように測定することができる。
<ポリマーの分子量>
GPC(Gel Permeation Chromatography)により以下の条件で測定した。
・装置:GPC−8020(東ソー社製)
・カラム:TSK G2000HXL及びG4000HXL(東ソー社製)
・温度:40℃
・溶媒:クロロホルム
・流速:1.0mL/分
濃度0.5重量%の試料を1mL注入し、上記の条件で測定したポリマーの分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用してトナーの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出する。
本発明のポリ乳酸を得る方法としては、超臨界流体存在下、ラクチドを開環重合させて得る方法が挙げられる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態のポリ乳酸は、超臨界流体を用いてラクチドを開環重合して得られる。
<<原材料>>
まず、上記のポリマーの生成に用いられるラクチドなどの原材料について説明する。本実施形態において、原材料とは、ポリマーを製造するもとになる材料であって、ポリマーの構成成分となる材料であり、少なくともラクチドを含み、更に必要に応じて適宜選択した重合触媒、開始剤、添加剤などの任意成分を含む。
<重合触媒>
重合反応に用いられる触媒は、反応を促進するものであれば特に限定されるものではないが、3級アミンなどの有機触媒や錫やチタン、アルミなどを含有する金属触媒が挙げられる。
有機触媒の例としては、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、ジアザビシクロノネン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)、ジフェニルグアニジン(DPG)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)、4−ピロリジノピリジン(PPY)、ピロコリン、イミダゾール、ピリミジン、プリン、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾール−2−イリデン(ITBU)などが挙げられる。
金属触媒としては、ジオクチル酸スズ、アルミニウムイソプロポキシド、ジブチルマグネシウム、テトライソプロピルチタネート、ジルコニウムイソプロポキシドなどが挙げられる。
触媒量については、触媒種や反応条件にもよるが反応させる全ラクチドの重量の50ppmから1%の範囲で使用することが出来る。尚、例えば成型加工時の熱履歴による分子量低下や着色を抑えるために、錫含有触媒などは、50ppmから1000ppmが好ましい。
<開始剤>
本実施形態において、得られるポリマーの分子量を制御するために、開環重合開始剤(開始剤)を用いることができる。開始剤としては、公知のものが使用でき、アルコール系であれば例えば脂肪族アルコールのモノ、ジ、又は多価アルコールのいずれでもよく、また飽和、不飽和のいずれであっても構わない。開始剤としては、具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等のモノアルコール;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール等のジアルコール;グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、エリスリトール、トリエタノールアミン等の多価アルコール;及び乳酸メチル、乳酸エチル等が挙げられる。1級または2級の単官能、2官能または3官能脂肪族アルコールが好ましい。
また、ポリカプロラクトンジオールやポリテトラメチレングリコールのような末端にアルコール残基を有するポリマーを開始剤に使用することもできる。これにより、ジブロック共重合体や、トリブロック共重合体等が合成される。
開始剤の使用量は、目標とする分子量に応じて適宜調整すればよく、好ましくはラクチド100モル%に対して、0.1モル%以上5モル%以下である。不均一に重合が開始されるのを防ぐために、モノマーが重合触媒に触れる前にあらかじめモノマーと開始剤とをよく混合しておくことが望ましい。
<添加剤>
また、開環重合に際しては、必要に応じて添加剤を添加してもよい。添加剤の例としては、界面活性剤、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、無機粒子、各種フィラー、離型剤、可塑剤、その他類似のものがあげられる。必要に応じて重合反応後に重合停止剤(安息香酸、塩酸、燐酸、メタリン酸、酢酸、乳酸等)を用いることもできる。
界面活性剤としては、後述の超臨界流体に溶解し、かつ超臨界流体とラクチドの双方に親和性を有するものが好適に用いられる。このような界面活性剤を使用することで、重合反応を均一に進めることができ、生成物の分子量分布が狭くなり、粒子状のポリマーを得やすくなる等の効果が期待できる。界面活性剤を重合系に共存させる場合、超臨界流体に加えても、ラクチドに加えても良い。
<<超臨界流体>>
次に、図1及び図2を用いて本実施形態においてポリマーの製造に用いられる超臨界流体について説明する。図1及び図2は、温度と圧力に対する物質の状態を示す相図である。
物質が(1)の領域に存在する場合には超臨界流体となる。超臨界流体とは、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮しない流体のことである。
超臨界流体の状態で用いることができる物質としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化二窒素、窒素、メタン、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、エチレンなどが挙げられる。これらの中でも二酸化炭素は、臨界圧力が約7.4MPa、臨界温度が約31℃であって、容易に超臨界状態を作り出せること、不燃性で取扱いが容易であることなどの点で好ましい。これらの超臨界流体は、一種を単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。
<<重合反応装置>>
続いて、図3および図4を用いて、ポリ乳酸の製造に用いられる重合反応装置について説明する。図3および図4は、重合工程の一例を示す系統図である。まず、図3を用いて重合反応装置100について説明する。重合反応装置100は、ラクチドなどの原材料および超臨界流体を供給する供給ユニット100aと、供給ユニット100aによって供給されたラクチドを重合させる連続重合装置の一例としての重合反応装置本体100bとを有する。供給ユニット100aは、タンク(1,3,5,7,11)と、計量フィーダー(2,4)と、計量ポンプ(6,8,12)と、を有する。重合反応装置本体100bは、重合反応装置本体100bの一端部に設けられた混合装置9と、送液ポンプ10と、反応容器13と、計量ポンプ14と、重合反応装置本体100bの他端部に設けられた押出口金15と、を有する。なお、本実施形態において、超臨界流体とラクチド等の原材料あるいはポリマーを混合して、原材料等を溶解または溶融させる装置を「混合装置」と呼ぶこととする。本実施形態において、「溶融」とは、原材料あるいは生成したポリマーが超臨界流体と接触することで、膨潤しつつ可塑化、液状化した状態を意味する。また、「溶解」とは、原材料が超臨界流体中に溶けることを意味する。
供給ユニット100aのタンク1は、ラクチドを貯蔵する。貯蔵されるラクチドは粉末であっても液体の状態であっても良い。タンク3は、開始剤および添加剤のうち固体(粉末又は粒状)のものを貯蔵する。タンク5は、開始剤および添加剤のうち液体のものを貯蔵する。タンク7は、超臨界流体を貯蔵する。なお、タンク7は、混合装置9に供給される過程で、あるいは、混合装置9内で加熱または加圧されて超臨界流体となる気体(ガス)、または、固体を貯蔵しても良い。この場合、タンク7に貯蔵される気体または固体は、加熱または加圧されることにより、混合装置9内で図2の相図における(1)の状態となる。
計量フィーダー2は、タンク1に貯蔵されたラクチドを計量して混合装置9に連続的に供給する。計量フィーダー4は、タンク3に貯蔵された固体を計量して混合装置9に連続的に供給する。計量ポンプ6は、タンク5に貯蔵された液体を計量して混合装置9に連続的に供給する。計量ポンプ8は、タンク7に貯蔵された超臨界流体を一定の圧力および流量で混合装置9に連続的に供給する。なお、本実施形態において連続的に供給するとは、バッチ毎に供給する方法に対する概念であって、開環重合させたポリマーが連続的に得られるよう供給することを意味する。即ち、開環重合させたポリマーが連続的に得られる限り、各材料は、断続的、或いは、間欠的に供給されても良い。また、開始剤および添加剤がいずれも固体の場合には、重合反応装置100は、タンク5および計量ポンプ6を有していなくても良い。同様に、開始剤および添加剤がいずれも液体の場合には、重合反応装置100は、タンク3および計量フィーダー4を有していなくても良い。
本実施形態において、重合反応装置本体100bの各装置は、原材料、超臨界流体、あるいは生成したポリマーを輸送する耐圧性の配管30によって、図3に示されたように接続されている。また、重合反応装置の混合装置9、送液ポンプ10、および反応容器13の各装置は、上記の原材料等を通過させる管状の部材を有している。
重合反応装置本体100bの混合装置9は、各タンク(1,3,5)から供給されたラクチド、開始剤、添加剤などの原材料と、タンク7から供給された超臨界流体とを連続的に接触させ、原材料を溶解させるための耐圧性の容器を有した装置である。混合装置9では、原材料と超臨界流体と接触することにより、原材料が溶融または溶解する。ラクチドを溶解した場合には流体相、溶融した場合には溶融相が形成されるが、均一に反応を進めるために、溶融相または流体相のいずれか一層が形成されていることが好ましい。また、超臨界流体に対して原材料の比率が高い状態で反応を進行させるために、ラクチドを溶融させることが好ましい。なお、本実施形態では、原材料および超臨界流体を連続的に供給することにより、混合装置9において、ラクチドなどの原材料と超臨界流体とを一定の濃度の比率で連続的に接触させることができる。これにより、原材料を効率的に溶解又は溶融させることができる。
混合装置9の容器の形は、タンク型でも筒型でもよいが、一端から原材料を供給し、他端から混合物を取り出す筒型が好ましい。混合装置9の容器には、計量ポンプ8によってタンク7から供給された超臨界流体を導入する導入口9aと、計量フィーダー2によってタンク1から供給されたラクチドを導入する導入口9bと、計量フィーダー4によってタンク3から供給された粉末を導入する導入口9cと、計量ポンプ6によってタンク5から供給された液体を導入する導入口9dとが設けられている。本実施形態において各導入口(9a,9b,9c,9d)は、混合装置9の容器と、各原材料または圧縮性流体を輸送する各配管とを接続する継手によって構成される。この継手としては、特に制限されず、レデューサー、カップリング、Y、T、アウトレットなどの公知のものが用いられる。また、混合装置9は、供給された各原材料および超臨界流体を加熱するためのヒータ9eを有している。更に、混合装置9は、原材料、超臨界流体などを攪拌する攪拌装置を有していても良い。混合装置9が攪拌装置を有する場合、攪拌装置としては、一軸のスクリュウ、互いに噛み合う二軸のスクリュウ、互いに噛み合う又は重なり合う多数の攪拌素子をもつ二軸の混合機、互いに噛み合うらせん形の攪拌素子を有するニーダー、スタティックミキサーなどが好ましく用いられる。特に、互いに噛み合う二軸又は多軸攪拌装置は、攪拌装置や容器への反応物の付着が少なく、セルフクリーニング作用があるので好ましい。
混合装置9が攪拌装置を有していない場合、混合装置9としては、耐圧配管が好適に用いられる。この場合、耐圧配管をらせん状としたり折り曲げたりして配置することで、重合反応装置100の設置スペースを削減したり、レイアウトの自由度を向上させたりすることができる。なお、混合装置9が攪拌装置を有していない場合、混合装置9内での各材料を確実に混合するため、混合装置9に供給されるラクチドは予め液化されていることが好ましい。
送液ポンプ10は、混合装置9で溶解又は溶融させた各原材料を反応容器13に送液する。タンク11は、有機触媒を貯蔵する。計量ポンプ12は、タンク11に貯蔵された有機触媒を計量して反応容器13に供給する。
反応容器13は、送液ポンプ10によって送液された溶解又は溶融させた各原材料と、計量ポンプ12によって供給された有機触媒とを混合して、ラクチドを連続的に開環重合させるための耐圧性の容器である。反応容器13の形状としては、タンク型でも筒型でもよいが、デッドスペースが少ない筒型が好ましい。反応容器13には、混合装置9によって混合された各材料を容器内に導入するための導入口13aと、計量ポンプ12によってタンク11から供給された有機触媒を容器内に導入する導入口13bとが設けられている。本実施形態において各導入口(13a,13b)は、反応容器13と、各原材料を輸送する各配管とを接続する継手によって構成される。この継手としては、特に制限されず、レデューサー、カップリング、Y、T、アウトレットなどの公知のものが用いられる。なお、反応容器13には、蒸発物を除去するための気体出口が設けられていても良い。また、反応容器13は、送液された原材料を加熱するためのヒータ13cを有している。更に、反応容器13は、原材料、超臨界流体などを攪拌する攪拌装置を有していても良い。反応容器13が攪拌装置を有する場合、原材料と生成されたポリマーの密度差によって、ポリマーが沈降することを抑制できるので、重合反応をより均一かつ定量的に進められる。反応容器13の攪拌装置としては、互いに噛み合うスクリュウや、2フライト(長円形)や3フライト(三角形様)などの攪拌素子、円板又は多葉形(クローバー形など)の攪拌翼をもつ二軸又は多軸のものがセルフクリーニングの観点から好ましい。あらかじめ触媒を含む原材料が充分に混合されている場合には、案内装置により流れの分割と複合(合流)を多段的に行う静止混合器も攪拌装置に応用出来る。静止型混合器としては、特公昭47−15526、同47−15527、同47−15528、同47−15533号公報などで開示されたもの(多層化混合器)、及び特開昭47−33166号公報に開示されたもの(ケニックス型)、及びそれらに類似する可動部のない混合装置が挙げられる。
反応容器13が攪拌装置を有していない場合、反応容器13としては、耐圧配管が好適に用いられる。この場合、耐圧配管をらせん状としたり折り曲げたりして配置することで、重合反応装置100の設置スペースを削減したり、レイアウトの自由度を向上させたりすることができる。
図3では、反応容器13が1個の例を示したが、2個以上の反応容器13を用いることもできる。複数の反応容器13を用いる場合、反応容器13毎の反応(重合)条件、すなわち温度、触媒濃度、圧力、平均滞留時間、攪拌速度などは、同一でもよいが、重合の進行にあわせて、それぞれ最適の条件を選ぶことが好ましい。なお、反応時間の増加や装置の煩雑化を招くため、あまり多くの容器を多段的に結合することは得策でなく、段数は1以上4以下、特に1以上3以下が好ましい。
一般的には、反応容器を1個だけで重合した場合、得られるポリマーの重合度や残存モノマー量が不安定で変動し易く、工業生産に適しないとされている。これは、溶融粘度数ポイズから数10ポイズ程度の原材料と、溶融粘度数1,000ポイズ程度の重合されたポリマーとが同一容器内に混在するための不安定さに起因するものと思われる。これに対し、本実施形態では、原材料と生成したポリマーとが超臨界流体に溶解又は溶融することによって系内の粘度差を小さくすることが可能となるため、従来の重合反応装置より段数を減らすことが可能となる。
計量ポンプ14は、反応容器13内のポリマー生成物Pを、ポリマー排出口の一例としての押出口金15から、反応容器13の外に送り出す。なお、反応容器13の内外の圧力差を利用することにより、計量ポンプ14を用いずにポリマー生成物Pを反応容器13内から送り出すこともできる。この場合、反応容器13内の圧力やポリマー生成物Pの送り出し量を調整するために、計量ポンプ14に変えて圧調整バルブを用いることもできる。
続いて、バッチ式の工程で用いられる重合反応装置200について説明する。図4の系統図において、重合反応装置200は、タンク21と、計量ポンプ22と、添加ポット25と、反応容器27と、バルブ(23,24,26,28,29)とを有している。上記の各装置は耐圧性の配管30によって図4に示したように接続されている。また、配管30には、継手(30a,30b)が設けられている。
タンク21は、超臨界流体を貯蔵する。なお、タンク21は、反応容器27に供給される供給経路あるいは反応容器27内で加熱、加圧されて超臨界流体となる気体(ガス)または固体を貯蔵しても良い。この場合、タンク21に貯蔵される気体または固体は、加熱または加圧されることにより、反応容器27内で図2の相図における(1)の状態となる。
計量ポンプ22は、タンク21に貯蔵された超臨界流体を、一定の圧力および流量で反応容器27に供給する。添加ポット25は、反応容器27内の原材料に添加される有機触媒を貯蔵する。バルブ(23,24,26,29)は、それぞれを開閉させることにより、タンク21に貯蔵された超臨界流体を、添加ポット25を経由して反応容器27に供給する経路と、添加ポット25を経由せずに反応容器27に供給する経路などとを切り換える。
反応容器27には、重合を開始する前に予めラクチドおよび開始剤が収容される。反応容器27は、予め収容されたラクチドおよび開始剤と、タンク21から供給された超臨界流体と、添加ポット25から供給された有機触媒とを接触させて、ラクチドを開環重合させるための耐圧性の容器である。なお、反応容器27には、蒸発物を除去するための気体出口が設けられていても良い。また、反応容器27は、原材料および超臨界流体を加熱するためのヒータを有している。更に、反応容器27は、原材料、および超臨界流体を攪拌する攪拌装置を有している。原材料と生成したポリマーとの密度差が生じたときに、攪拌装置の攪拌を加えることで生成したポリマーの沈降を抑制できるので、重合反応をより均一かつ定量的に進められる。バルブ28は、重合反応終了後に開放されることにより反応容器27内のポリマー生成物Pを排出する。
<<重合方法>>
続いて、重合反応装置の一例として重合反応装置100を用いたラクチドの重合方法について説明する。まず、各計量フィーダー(2,4)および計量ポンプ6、計量ポンプ8を作動させ、各タンク(1,3,5,7)内のラクチド、開始剤、添加剤、超臨界流体を、各導入口(9a,9b,9c,9d)から、混合装置9の容器内に連続的に導入させる。なお、固体(粉末又は粒状)の原材料は、液体の原材料と比較して計量精度が低い場合がある。この場合、固体の原材料を前もって液体の状態にしてタンク5に貯蔵しておき、計量ポンプ6によって混合装置9の容器内に導入させても良い。各計量フィーダー(2,4)および計量ポンプ6、計量ポンプ8を作動させる順序は、特に限定されないが、初期の原材料が圧縮流体に接触せずに反応容器13に送られると、温度低下によって固化する恐れがあるため、先に計量ポンプ8を作動させることが好ましい。
各原材料および超臨界流体は、混合装置9の容器内に連続的に導入されるので、それぞれが連続的に接触する。これにより、混合装置9内で、ラクチド、開始剤、添加物などの各原材料が溶解又は溶融する。混合装置9が攪拌装置を有する場合には、各原材料および超臨界流体を攪拌しても良い。導入された超臨界流体が気体に変わることを避けるため、反応容器13の容器内の温度および圧力は、少なくとも上記超臨界流体の三重点以上の温度および圧力に制御される。この制御は、混合装置9のヒータ9eの出力あるいは超臨界流体の供給量を調整することにより行われる。本実施形態において、ラクチドを溶解又は溶融させるときの温度は、ラクチドの常圧での融点以下の温度であっても良い。これは、超臨界流体の存在下、混合装置9内が高圧となり、ラクチドの融点が常圧での融点よりも低下することによると考えられる。このため、ラクチドに対する超臨界流体の量が少ない場合であっても、混合装置9内でラクチドは溶解又は溶融する。
各原材料が効率的に溶解又は溶融するように、混合装置9で各原材料および超臨界流体に熱や攪拌を加えるタイミングを調整しても良い。この場合、各原材料と超臨界流体とを接触させた後、熱や攪拌を加えても、各原材料と超臨界流体とを接触させながら、熱や攪拌を加えても良い。また、より確実に溶解又は溶融させるため、例えば、あらかじめラクチドに融点以上の熱をかけてから、ラクチドと超臨界流体とを接触させても良い。上記の各態様は、例えば混合装置9が二軸の混合装置である場合には、スクリュウの配列、各導入口(9a,9b,9c,9d)の配置、混合装置9のヒータ9eの温度を適宜設定することにより実現される。
なお、本実施形態では、ラクチドとは別に添加物を混合装置9に供給しているが、ラクチドと共に添加物を供給しても良い。また、重合反応後に添加物を供給しても良い。この場合、反応容器13から得られたポリマー生成物Pを取り出した後に添加物を混錬しながら添加することもできる。
混合装置9で溶解又は溶融させた各原材料は送液ポンプ10によって送液され、導入口13aから反応容器13に供給される。一方、タンク11内の有機触媒は、計量ポンプ12によって計量され、導入口13bから反応容器13へ所定量供給される。有機触媒は室温でも作用しうるため、本実施形態では、有機触媒を混合装置9に供給することを避け、原材料を溶解又は溶融させた後、有機触媒を添加している。従来、超臨界流体を用いて開環重合性モノマーを開環重合する方法において、触媒を加えるタイミングについては検討されていなかった。本実施形態では、開環重合に際しては、有機触媒は、その活性の高さから、超臨界流体によってラクチドや開始剤等の原材料の混合物が十分溶解又は溶融した状態の反応容器13中の重合系に添加される。混合物が十分溶解又は溶融していない状態で、有機触媒を加えると、反応が不均一に進み反応系において粘度差が生じることから、生成物のポリマーを高分子量化することが困難となる場合がある。
送液ポンプ10によって送液された各原材料および計量ポンプ12によって供給された有機触媒は、必要に応じて反応容器13の攪拌装置によって充分に攪拌され、ヒータ13cにより所定温度に加熱される。これにより、反応容器13内で、有機触媒の存在下、ラクチドを開環重合する(重合工程)。
ラクチドを開環重合させる際の温度(重合反応温度)の下限は、特に限定されないが、40℃、好ましくは50℃、より好ましくは60℃である。重合反応温度が40℃未満であると、ラクチド種によっては、超臨界流体による溶解または溶融に長い時間がかかったり、溶解または溶融が不十分であったり、有機触媒の活性が低くなったりする。これにより、重合時には反応速度が低下しやすくなり、定量的に重合反応を進めることができなくなる場合がある。
重合反応温度は、特に限定されないが、150℃以下が好ましい。重合反応温度は、より好ましくは、130℃以下である。重合反応温度が、150℃を超えると、開環重合の逆反応である解重合反応も平衡して起こりやすく、定量的に重合反応が進みにくくなる。なお、重合反応温度は、反応容器13に設けられたヒータ13cあるいは反応容器13の外部からの加熱等により制御される。
本実施形態において、重合反応時間(反応容器13内の平均滞留時間)は、目標とする分子量に応じて設定されるが、数平均分子量を10万以上とする場合には、他の条件にもよるが、通常、重合反応時間は、10分以上6時間以下である。
重合時の圧力、すなわち超臨界流体の圧力は、タンク7から供給された超臨界流体が図2の相図の(1)となる圧力である。超臨界流体の状態とすることで、ラクチドの溶解又は溶融が促進され、均一かつ定量的に重合反応を進めることができる。なお、二酸化炭素を超臨界流体として用いる場合、反応の効率化やポリマー転化率等を考慮すると、その圧力は、臨界圧力の7.4PMa以上である。また、二酸化炭素を超臨界流体として用いる場合、同様の理由により、その温度は25℃以上であることが好ましい。本実施形態において、超臨界流体の濃度は、超臨界流体にラクチドおよびラクチドから生成されるポリマーを溶解又は溶融させることが可能な濃度である限り、特に限定されない。
反応容器13内の水分量は、ラクチド100モル%に対して、4モル%以下、より好ましくは1モル%以下、更に好ましくは0.5モル%以下である。水分量が4モル%を超えると、水分自体も開始剤として寄与するため、分子量の制御が困難となる場合がある。重合反応系内の水分量を制御するために、必要に応じて、前処理として、ラクチド、その他原材料に含まれる水分を除去する操作を加えてもよい。
反応容器13内で開環重合反応を終えたポリマー生成物Pは、計量ポンプ14によって反応容器13の外へ送り出される。計量ポンプ14がポリマー生成物Pを送り出す速度は、超臨界流体で満たされた重合系内の圧力を一定にして、運転させ均一な重合品を得るために、一定とすることが好ましい。そのため、計量ポンプ14の背圧が一定となるように、反応容器13の内部の送液機構及び送液ポンプ10の送液量は制御される。同様に、送液ポンプ10の背圧が一定となるように、混合装置9内部の送液機構及び計量フィーダー(2,4)、及び計量ポンプ(6,8)の供給速度は制御される。制御方式は、ON−OFF型つまり間欠フィード型でもよいが、ポンプ等の回転速度を徐々に増減する連続又はステップ方式の方がより好ましいことが多い。いずれにせよこのような制御によって、均一なポリマー生成物を安定に得ることが出来る。
本発明のポリ乳酸は、生分解性も生かした再生医療、手術用癒着防止シート、医薬包装または農業などのマルチフイルムなどに応用できる。
以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。
なお、いわゆる当業者は以下に示す本発明の実施例について適宜変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正は本発明に含まれるものであり、以下の説明はこの発明の好ましい実施形態における例であって、本発明を限定するものではない。
特に明記しない限り、部は重量部を示す。(%は重量%を示す。)
実施例1〜10、及び比較例1〜5
1)樹脂の合成
図3の連続重合装置によって、表1に示される実施例・比較例のラクチド・開始剤部数となるよう重合させ、樹脂チップを得た。
尚、材料の仕込み・重合・チップ化については、次のように行った。
予め、表1に示される実施例・比較例のラクチドをタンク1内で120℃で溶融状態にしておき、ギヤポンプ(計量フィーダー2)を作動させて、タンク1内の溶融状態のラクチドを混合装置9に供給する。一方、タンク3には表1に示される実施例・比較例の開始剤を120℃で貯蔵しておき、ラクチドに対し表1に示される重量部となるよう混合装置9にギアポンプ(計量フィーダー4)を作動させて供給する。このとき混合装置9のシリンダー温度は120℃である。ベント孔(導入口9a)より二酸化炭素ガスを系内の圧力が15MPaになるように供給する。次に、タンク11内に重合触媒としてジオクタン酸錫をラクチドに対し0.05wt%となるよう計量ポンプ12を作動させて反応容器13の原料供給孔(導入口13b)へ供給する。反応容器13のシリンダー温度は原料供給部付近から先端部までを120℃に設定し、この容器内の反応物の滞留時間を20分とした。
反応器13の先端に計量ポンプ、押出口金を取り付け、ストランド状に押出し、チップを得た。計量ポンプ14の生成したポリマーの送り速度は、200g/minである。
尚、表1に示す実施例及び比較例で用いた開始剤A〜Dは以下に示す化合物である。
開始剤 A: 1−ドデカノール
B: 1,2−プロパンジオール
C: 1,6−ヘキサンジオール
D: 1,2,6−ヘキサントリオール
2)評価方法
<ポリマーの分子量>
GPC(Gel Permeation Chromatography)により以下の条件で測定した。
・装置:GPC−8020(東ソー社製)
・カラム:TSK G2000HXL及びG4000HXL(東ソー社製)
・温度:40℃
・溶媒:クロロホルム
・流速:1.0mL/分
濃度0.5重量%の試料を1mL注入し、上記の条件で測定したポリマーの分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用してトナーの数平均分子量(Mn)を算出した。
<融点>
装置:DSC(TAインスツルメンツ社製、Q2000)
試料5〜10mgをアルミ製の簡易密閉パンに充填したものを以下の測定フローに供した。
1回目 加熱:30℃〜220℃、5℃/min.、220℃到達後1分保持
冷却:温度制御なしで−20℃までクエンチ、−20℃到達後1分保持
2回目 加熱:−20℃〜200℃、5℃/min.
融点の観測は、2回目の昇温DSC曲線において、100℃から190℃を結んだベースラインに対し、吸熱ピークが0.5J/g以上である場合に融点を有するとした。
シートの製作:
シート厚みが0.2mmとなるようにギャップを設けて、190度で熱圧延する。
200mm*100mmの試験片を作製する。
得られたシートについて以下のように評価した。
透明性、着色は目視観察により、以下のレベル比較を行い評価した。
透明性 3: 曇り感じない
2: 僅かに曇り
1: 曇り
着色 3: 着色感じない
2: 僅かに黄色
1: 黄色い
引張強度は、ISO527に従い、伸びを計測し、以下のように評価した。
引裂強度 3: 50%伸びる
2: 20%伸びる
1: 10%も伸びないで切れる
折曲強度は、両端を掴み折り曲げ、割れを観察し、以下のように評価した。
折曲強度 2: 割れない
1: 割れる
Figure 2015030814
1 タンク
2 計量フィーダー
3 タンク
4 計量フィーダー
5 タンク
6 計量ポンプ
7 タンク
8 計量ポンプ
9 混合装置
10 送液ポンプ
11 タンク
12 計量ポンプ
13 反応容器
14 計量ポンプ
15 押出口金
21 タンク
22 ポンプ
23 バルブ
24 バルブ
25 添加ポット
26 バルブ
27 圧力容器
28 バルブ
100 重合反応装置
200 重合反応装置
特開2006−233217号公報 特開2005−179578号公報 特開平11−323113号公報 特開2007−063500号公報 特開平11−302521号公報 特開2002−146170号公報 特開平07−310236号公報
(株)技術情報協会「生分解プラスチックの改質技術と成形加工における課題と対策」2004年1月30日 第1版 第2刷発行

Claims (8)

  1. ラクチドの開環重合によって得られるポリ乳酸であって、数平均分子量が10万以上であり実質的に融点を示さないことを特徴とするポリ乳酸。
  2. 前記ポリ乳酸の数平均分子量が15−80万であることを特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸。
  3. 前記ラクチドがD−ラクチド及びL−ラクチドを含有し、全ラクチド重量において、そのどちらかが25wt%から75wt%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリ乳酸。
  4. 前記ラクチドが少なくともメソラクチドを含有していることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のポリ乳酸。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のポリ乳酸の製造方法であって、超臨界流体存在下、ラクチドを開環重合させて得られることを特徴とするポリ乳酸の製造方法。
  6. 前記超臨界流体が、二酸化炭素であることを特徴とする請求項5に記載のポリ乳酸の製造方法。
  7. 前記ラクチドの開環重合が、開始剤として、1級または2級の単官能、2官能または3官能脂肪族アルコールを用いたことを特徴とする請求項5又は6に記載のポリ乳酸の製造方法。
  8. 前記ラクチドの開環重合が、150℃以下の温度で行われることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載のポリ乳酸の製造方法。
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