JP2015026480A - 電極材料及び二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】活物質の利用率の向上を図ることができ、しかも、充放電サイクル特性に優れた二次電池を得るための電極材料を提供する。
【解決手段】二次電池用の電極材料は多孔質炭素材料から成り、多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値(|−d(TG)/dt|)が、360゜Cにおいて0を超える値を有し、且つ、290゜Cにおいて0.015以上の値を有する。
【選択図】 図1

Description

本開示は、電極材料及び二次電池に関する。
硫黄単体を正極活物質に用い、リチウム(Li)を負極活物質に用いたリチウム−硫黄二次電池の開発が進められている。リチウム及び硫黄の理論容量密度は、それぞれ、約3862mAh/グラム及び約1672mAh/グラムであり、非常にエネルギー密度の高い二次電池を得ることが可能であるとされている。しかしながら、現段階でリチウム−硫黄二次電池が実用化されていない理由として、
(1)硫黄の正極活物質としての利用率が低い。
(2)充放電サイクル特性に乏しい。
ことを挙げることができ、リチウム−硫黄二次電池の特徴である極めて大きな理論容量密度を十分に生かすことができていない。
その原因として、上記(1)に関しては、以下の理由が考えられる。即ち、放電時、正極内でリチウムイオンがS8硫黄と反応し、硫化物Li2xが生成される。この反応が進むと、xの値は、8から4,2,1と変化する。ここで、xの値が8,4,2のとき、硫化物Li2xには電解液に溶解する部分が生じる。そして、反応が進行し、溶解した硫化物がLi2S(即ちx=1)となったとき、この硫化物は電解液に不溶であり、析出して電極に損傷を与える。よって、現状では、x=2(理論容量密度:836mAh/グラム)近傍までしか、放電に供することができない。
また、上記(2)に関しても、硫黄(例えばS8硫黄)は電気抵抗値が10-30Ω・cm-1の絶縁物であること、及び、多硫化物が電解液中に溶出することが、原因と考えられる。但し、それだけではなく、充電時、電解液中に溶出した多硫化物が負極上で還元されて、更に短い硫黄鎖の多硫化物が生成し、この多硫化物が正極に移動して再び酸化されるというレッドクスシャトル反応により、カットオフ電圧に達せず、過充電状態に陥るといった問題もある。
特開2010−257689
L. Nazar et. al., Nature Materials,8, 500, 2009 M. Watanabe et.al., Chem. Commun., 47 , 8157-8159 (2011)
以上の問題を解決する方法として、硫黄を多孔質カーボン材料へインサーションする方法を挙げることができる。そして、これによって、硫黄成分の近傍に導電性物質を存在させることができ、電子移動をし易くすることができる。また、多孔質カーボン材料の空隙に硫黄を保持することができ、しかも、空隙内で硫黄とリチウムイオンとが反応するので、生成した硫化物が空隙から外に流出することを防ぐことができる。ここで、多孔質カーボン材料として、一般には、グラフェン層を有する中空構造のナノ炭素材料であるケッチェンブラックや、カーボンブラック、アセチレンブラックが用いられている(例えば、特開2010−257689参照)。また、その他の多孔質材料として、ロッド状ナノカーボン間隙に硫黄を保持した系(L. Nazar et. al., Nature Materials,8, 500, 2009 参照)、逆オパールカーボンに硫黄を保持した系(M. Watanabe et.al., Chem. Commun., 47 , 8157-8159 (2011) 参照)が知られている。しかしながら、実際には、導電性と最適な空隙(サイズ、容積)とを兼ね備えた多孔質カーボン材料の提案は数少なく、最適な空隙についても議論は少ない。
従って、本開示の目的は、活物質の利用率の向上を図ることができ、しかも、充放電サイクル特性に優れた二次電池を得るための電極材料、及び、係る電極材料を用いた二次電池を提供することにある。
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る二次電池用の電極材料は、
多孔質炭素材料から成り、
多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値(|−d(TG)/dt|)が、360゜Cにおいて0を超える値を有し、且つ、290゜Cにおいて0.016以上の値を有する。
上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る二次電池用の電極材料は、
多孔質炭素材料から成り、
多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値(|−d(TG)/dt|)が、ケッチェンブラックとS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値(|−d(TG)/dt|)KBが0になる温度において、0を超える値を有する。
上記の目的を達成するための本開示の第3の態様に係る二次電池用の電極材料は、
多孔質炭素材料から成り、
多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値(|−d(TG)/dt|)が、325゜Cにおいて0.01以上の値を有する。
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る二次電池は、多孔質炭素材料から成る電極を備えた二次電池であって、
多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値(|−d(TG)/dt|)が、360゜Cにおいて0を超える値を有し、且つ、290゜Cにおいて0.016以上の値を有する。
上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る二次電池は、多孔質炭素材料から成る電極を備えた二次電池であって、
多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値(|−d(TG)/dt|)が、ケッチェンブラックとS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値(|−d(TG)/dt|)KBが0になる温度において、0を超える値を有する。
上記の目的を達成するための本開示の第3の態様に係る二次電池は、多孔質炭素材料から成る電極を備えた二次電池であって、
多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値(|−d(TG)/dt|)が、325゜Cにおいて0.01以上の値を有する。
本開示の第1の態様〜第3の態様に係る二次電池用の電極材料及び二次電池にあっては、多孔質炭素材料とS8硫黄との混合物における熱的挙動が規定されている。即ち、熱が加えられても、多孔質炭素材料とS8硫黄との混合系から硫黄が離脱し難い。この結果から、この多孔質炭素材料は、その細孔内に活物質を確実に保持することが導出され、また、空隙内で生成した活物質の反応生成物が細孔から外に流出することを防ぐことができるので、活物質の利用率の向上を図ることができ、しかも、充放電サイクル特性に優れている。尚、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また、付加的な効果があってもよい。
図1は、多孔質炭素材料とS8硫黄との混合品等のTG測定結果を示すグラフである。 図2は、多孔質炭素材料とS8硫黄との混合品等のTG測定結果に基づき、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値(|−d(TG)/dt|)を求めたグラフである。 図3は、多孔質炭素材料のX線回折強度の測定結果において、(100)面又は(101)面の回折強度ピークにおける半値幅を求める方法を説明するグラフである。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本開示を説明するが、本開示は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示の第1の態様〜第3の態様に係る電極材料及び二次電池、全般に関する説明
2.実施例1(本開示の第1の態様〜第3の態様に係る電極材料及び二次電池)
3.実施例2(実施例1の変形)、その他
[本開示の第1の態様〜第3の態様に係る電極材料及び二次電池、全般に関する説明]
以下、本開示の第1の態様に係る二次電池用の電極材料及び本開示の第1の態様に係る二次電池を纏めて、単に、『本開示の第1の態様』と呼ぶ場合があるし、本開示の第2の態様に係る二次電池用の電極材料及び本開示の第2の態様に係る二次電池を纏めて、単に、『本開示の第2の態様』と呼ぶ場合があるし、本開示の第3の態様に係る二次電池用の電極材料及び本開示の第3の態様に係る二次電池を纏めて、単に、『本開示の第3の態様』と呼ぶ場合があるし、本開示の第1の態様〜本開示の第3の態様を纏めて、単に、『本開示』と呼ぶ場合がある。
以上に説明した好ましい形態を含む本開示において、多孔質炭素材料は、ケイ素(Si)の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料としていることが好ましい。尚、このような原料を、便宜上、『ケイ素含有・植物由来原料』と呼ぶし、ケイ素含有・植物由来原料に基づき得られた多孔質炭素材料を、『ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料』と呼ぶ場合がある。多孔質炭素材料のケイ素(Si)の含有率は、5質量%未満、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下であることが望ましい。
あるいは又、以上に説明した好ましい形態を含む本開示において、多孔質炭素材料は、泥炭又は木質系材料(具体的には、例えば、大鋸屑やヤシ殻)を原料としていることが好ましい。尚、使用する木質系材料は、主に、薬用炭として用いられる。
ここで、多孔質炭素材料の原料として泥炭(ピートあるいは草炭とも呼ばれる)を用いる場合、多孔質炭素材料は、具体的には、泥炭に対して、不活性ガス中(窒素ガスやアルゴンガス等)若しくは真空中での高温熱処理といった処理を行うことで得ることができるし、更には、その後、賦活処理を行ってもよい。泥炭に対して、上記高温熱処理後の洗浄(各種ミネラル分を溶出させる)といった前処理を行ってもよい。泥炭を所望に応じて粉砕して所望の粒度としてもよいし、更には、分級してもよい。また、泥炭を予め洗浄してもよい。あるいは又、得られた多孔質炭素材料や賦活処理後の多孔質炭素材料を、所望に応じて粉砕して所望の粒度としてもよいし、分級してもよい。賦活処理の方法として、ガス賦活法、薬品賦活法を挙げることができるが、これらの賦活処理の方法については後述する。
木質系材料に賦活処理を行うことが好ましい。木質系材料を所望に応じて粉砕して所望の粒度としてもよいし、更には、分級してもよいし、賦活処理後、所望に応じて粉砕して所望の粒度としてもよいし、分級してもよい。賦活処理の方法として、後述するガス賦活法や薬品賦活法を挙げることができる。
更には、以上に説明した好ましい形態を含む本開示において、多孔質炭素材料は、窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、BJH法及びMP法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上であることが好ましい。
更には、以上に説明した好ましい形態を含む本開示において、多孔質炭素材料の、X線回折法による(100)面又は(101)面の回折強度ピークにおける半値幅が、回折角2θを基準として5度以下であることが好ましい。
X線回折法にあっては、X線源としてCu−Kα線(波長:0.15045nm)を用い、印可電圧を50kV、走査速度を5°/分とし、回折角2θが10°から60°までを測定する。回折強度測定結果の一例を図3に示すように、回折角2θが35°乃至40°の間で、回折強度が極小値を示す回折角を「A」として求め、回折角2θが50°乃至55°の間で、Aを起点として回折強度と接する直線をベースラインABとして求める。そして、ベースラインABから(100)面又は(101)面の回折強度ピークまでの回折強度(ピーク高さ)を「100」としたとき、回折強度が「50」の点Cを通り、ベースラインと平行な直線が、(100)面又は(101)面の回折強度ピークと交わる点「a」,「b」を求める。そして、点「a」,「b」に対応する回折角2θa,2θbを求め、更に、(2θb−2θa)を求める。この(2θb−2θa)の値が、(100)面又は(101)面の回折強度ピークにおける半値幅である。
多孔質炭素材料の、X線回折法による(100)面又は(101)面の回折強度ピークにおける半値幅の値を規定することで、導電性に優れた多孔質炭素材料を得ることができ、この多孔質炭素材料を電極として用いた二次電池にあっては、活物質の利用率の向上を図ることができ、しかも、充放電サイクル特性に優れている。
更には、以上に説明した好ましい形態を含む本開示の第1の態様〜第3の態様に係る二次電池において、電極によって正極が構成される形態とすることができる。更には、リチウム−硫黄二次電池から成り、電極は、硫黄又は硫黄化合物を担持する形態とすることができる。二次電池の構成、構造、それ自体は、周知の構成、構造とすればよい。硫黄として、S8硫黄を挙げることができるし、硫黄化合物として、不溶性硫黄、コロイダル硫黄、有機硫黄化合物(ジスルフィド化合物やトリスルフィド化合物等)を挙げることができる。また、正極の作製方法として、硫黄又は硫黄化合物、多孔質炭素材料及びその他の材料をスラリー化し、正極を構成する基材上に塗布する方法を挙げることができるし、あるいは又、液体浸透法、溶液浸透法、PVD法、CVD法等を挙げることもできる。
本開示にあっては、多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析する。ここで、和光純薬工業株式会社製のS8硫黄(製造元コード194−05712)を用いる。そして、多孔質炭素材料0.3000グラムとS8硫黄0.6000グラムをメノウ乳鉢で30分間、粉砕、混合した後、155゜Cで3時間加熱する。次いで、室温まで冷却した後、熱走査重量分析測定(TG測定)を、例えば、株式会社リガク製「Thermo Plus」を用いて行う。具体的には、窒素雰囲気中にて室温より550゜Cまで、昇温速度5゜C/分にてTG測定を行う。
尚、本開示の第1の態様〜第3の態様にあっては、二次電池用の電極材料や電極が、多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物から構成されていることを規定しているのではなく、多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したとき得られる数値が、本開示の第1の態様〜第3の態様の規定を満足するような多孔質炭素材料を、二次電池用の電極材料や電極として使用する旨を規定している。
本開示の第2の態様における「ケッチェンブラック」として、ライオン株式会社製、製品名「カーボン ECP」(製品名「ケッチェンブラックEC300J」の粉砕品)を用いればよい。
各種元素の分析は、例えば、エネルギー分散型X線分析装置(例えば、日本電子株式会社製のJED−2200F)を用い、エネルギー分散法(EDS)により行うことができる。ここで、測定条件を、例えば、走査電圧15kV、照射電流10μAとすればよい。
以上に説明した好ましい形態を含む本開示においては、ケイ素含有・植物由来原料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリで処理を行うことで、ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料を得ることができる。酸又はアルカリでの処理によって、炭素化後のケイ素含有・植物由来原料中のケイ素成分を除去することができる。また、酸又はアルカリでの処理の後、賦活処理を施してもよいし、酸又はアルカリでの処理の前に賦活処理を施してもよい。ケイ素含有・植物由来原料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化することにより得られた材料であって、酸又はアルカリでの処理を行う前の材料を、『ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料前駆体』あるいは『炭素質物質』と呼ぶ。
本開示の第1の態様〜第3の態様に係る電極材料を製造する方法(以下、これらを総称して、単に、『本開示における電極材料の製造方法』と呼ぶ場合がある)において、上記のとおり、酸又はアルカリでの処理の後、賦活処理を施す工程を含めることができるし、賦活処理を施した後、酸又はアルカリでの処理を行ってもよい。また、このような好ましい形態を含む本開示における電極材料の製造方法にあっては、使用するケイ素含有・植物由来原料にも依るが、ケイ素含有・植物由来原料を炭素化する前に、炭素化のための温度よりも低い温度(例えば、400゜C〜700゜C)にて、酸素を遮断した状態でケイ素含有・植物由来原料に加熱処理(予備炭素化処理)を施してもよい。これによって、炭素化の過程において生成するであろうタール成分を抽出することが出来る結果、炭素化の過程において生成するであろうタール成分を減少あるいは除去することができる。尚、酸素を遮断した状態は、例えば、窒素ガスやアルゴンガスといった不活性ガス雰囲気とすることで、あるいは又、真空雰囲気とすることで、あるいは又、ケイ素含有・植物由来原料を一種の蒸し焼き状態とすることで達成することができる。また、本開示における電極材料の製造方法にあっては、使用するケイ素含有・植物由来原料にも依るが、ケイ素含有・植物由来原料中に含まれるミネラル成分や水分を減少させるために、また、炭素化の過程での異臭の発生を防止するために、ケイ素含有・植物由来原料をアルコール(例えば、メチルアルコールやエチルアルコール、イソプロピルアルコール)に浸漬してもよい。尚、本開示における電極材料の製造方法にあっては、その後、予備炭素化処理を実行してもよい。不活性ガス中で加熱処理を施すことが好ましい材料として、例えば、木酢液(タールや軽質油分)を多く発生する植物を挙げることができる。また、アルコールによる前処理を施すことが好ましい材料として、例えば、ヨウ素や各種ミネラルを多く含む海藻類を挙げることができる。
本開示における電極材料の製造方法にあっては、ケイ素含有・植物由来原料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化するが、ここで、炭素化とは、一般に、有機物質(本開示にあっては、ケイ素含有・植物由来原料)を熱処理して炭素質物質に変換することを意味する(例えば、JIS M0104−1984参照)。尚、炭素化のための雰囲気として、酸素を遮断した雰囲気を挙げることができ、具体的には、真空雰囲気、窒素ガスやアルゴンガスといった不活性ガス雰囲気、ケイ素含有・植物由来原料を一種の蒸し焼き状態とする雰囲気を挙げることができる。炭素化温度に至るまでの昇温速度として、限定するものではないが、係る雰囲気下、1゜C/分以上、好ましくは3゜C/分以上、より好ましくは5゜C/分以上を挙げることができる。また、炭素化時間の上限として、10時間、好ましくは7時間、より好ましくは5時間を挙げることができるが、これに限定するものではない。炭素化時間の下限は、ケイ素含有・植物由来原料が確実に炭素化される時間とすればよい。また、ケイ素含有・植物由来原料を、所望に応じて粉砕して所望の粒度としてもよいし、分級してもよい。ケイ素含有・植物由来原料を予め洗浄してもよい。あるいは又、得られたケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料を、所望に応じて粉砕して所望の粒度としてもよいし、分級してもよい。あるいは又、賦活処理後のケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料を、所望に応じて粉砕して所望の粒度としてもよいし、分級してもよい。炭素化のために使用する炉の形式、構成、構造に制限はなく、連続炉とすることもできるし、回分炉(バッチ炉)とすることもできる。
本開示における電極材料の製造方法において、上述したとおり、賦活処理を施せば、孔径が2nmよりも小さいマイクロ細孔(後述する)を増加させることができる。賦活処理の方法として、ガス賦活法、薬品賦活法を挙げることができる。
ガス賦活法とは、賦活剤として酸素や水蒸気、炭酸ガス、空気等を用い、係るガス雰囲気下、700゜C乃至1400゜Cにて、好ましくは700゜C乃至1000゜Cにて、より好ましくは800゜C乃至1000゜Cにて、数十分から数時間、多孔質炭素材料を加熱することにより、多孔質炭素材料の揮発成分や炭素分子により微細構造を発達させる方法である。尚、より具体的には、賦活処理における加熱温度は、多孔質炭素材料の原料の種類や仕様、ガスの種類や濃度等に基づき、適宜、選択すればよい。薬品賦活法とは、ガス賦活法で用いられる酸素や水蒸気の替わりに、塩化亜鉛、塩化鉄、リン酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、硫酸等を用いて賦活させ、塩酸で洗浄、アルカリ性水溶液でpHを調整し、乾燥させる方法である。
本開示における電極材料の製造方法にあっては、酸又はアルカリでの処理によって、炭素化後のケイ素含有・植物由来原料中のケイ素成分を除去する。ここで、ケイ素成分として、二酸化ケイ素や酸化ケイ素、酸化ケイ素塩といったケイ素酸化物を挙げることができる。このように、炭素化後のケイ素含有・植物由来原料中のケイ素成分を除去することで、高い比表面積を有するケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料を得ることができる。場合によっては、ドライエッチング法に基づき、炭素化後のケイ素含有・植物由来原料中のケイ素成分を除去してもよい。即ち、ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料の好ましい形態にあっては、原料として、ケイ素(Si)を含有するケイ素含有・植物由来原料を用いるが、ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料前駆体あるいは炭素質物質に変換する際、ケイ素含有・植物由来原料を高温(例えば、400゜C乃至1400゜C)にて炭素化することによって、ケイ素含有・植物由来原料中に含まれるケイ素が、炭化ケイ素(SiC)とはならずに、二酸化ケイ素(SiOx)や酸化ケイ素、酸化ケイ素塩といったケイ素成分(ケイ素酸化物)となる。尚、炭素化する前のケイ素含有・植物由来原料に含まれているケイ素成分(ケイ素酸化物)は、高温(例えば、400゜C乃至1400゜C)にて炭素化しても、実質的な変化は生じない。それ故、次の工程において酸又はアルカリ(塩基)で処理することにより、二酸化ケイ素や酸化ケイ素、酸化ケイ素塩といったケイ素成分(ケイ素酸化物)が除去される結果、窒素BET法による大きな比表面積の値を得ることができる。しかも、ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料の好ましい形態にあっては、天然物由来の環境融和材料であり、その微細構造は、ケイ素含有・植物由来原料中に予め含まれるケイ素成分(ケイ素酸化物)を酸又はアルカリで処理し、除去することによって得られる。従って、細孔の配列は植物の有する生体規則性を維持している。
上述したとおり、ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料は、ケイ素含有・植物由来原料を原料とすることができる。ここで、ケイ素含有・植物由来原料として、米(稲)、大麦、小麦、ライ麦、稗(ヒエ)、粟(アワ)等の籾殻や藁、珈琲豆、茶葉(例えば、緑茶や紅茶等の葉)、サトウキビ類(より具体的には、サトウキビ類の絞り滓)、トウモロコシ類(より具体的には、トウモロコシ類の芯)、果実の皮(例えば、オレンジの皮、グレープフルーツの皮、ミカンの皮といった柑橘類の皮やバナナの皮等)、あるいは又、葦、茎ワカメを挙げることができるが、これらに限定するものではなく、その他、例えば、陸上に植生する維管束植物、シダ植物、コケ植物、藻類、海草を挙げることができる。尚、これらの材料を、原料として、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。また、ケイ素含有・植物由来原料の形状や形態も特に限定はなく、例えば、籾殻や藁そのものでもよいし、あるいは乾燥処理品でもよい。更には、ビールや洋酒等の飲食品加工において、発酵処理、焙煎処理、抽出処理等の種々の処理を施されたものを使用することもできる。特に、産業廃棄物の資源化を図るという観点から、脱穀等の加工後の藁や籾殻を使用することが好ましい。これらの加工後の藁や籾殻は、例えば、農業協同組合や酒類製造会社、食品会社、食品加工会社から、大量、且つ、容易に入手することができる。
ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料は、細孔(ポア)を多く有している。細孔として、孔径が2nm乃至50nmの『メソ細孔』、及び、孔径が2nmよりも小さい『マイクロ細孔』、及び、孔径が50nmを超える『マクロ細孔』が含まれる。具体的には、メソ細孔として、例えば、20nm以下の孔径の細孔を多く含み、特に、10nm以下の孔径の細孔を多く含んでいる。また、マイクロ細孔として、例えば、孔径が1.9nm程度の細孔と、1.5nm程度の細孔と、0.8nm〜1nm程度の細孔とを多く含んでいる。多孔質炭素材料において、BJH法による細孔の容積は0.4cm3/グラム以上であることが好ましく、0.5cm3/グラム以上であることが一層好ましい。
多孔質炭素材料において、窒素BET法による比表面積の値(以下、単に、『比表面積の値』と呼ぶ場合がある)は、より一層優れた機能性を得るために、好ましくは50m2/グラム以上、より好ましくは100m2/グラム以上、更に一層好ましくは400m2/グラム以上であることが望ましい。
窒素BET法とは、吸着剤(ここでは、多孔質炭素材料)に吸着分子として窒素を吸脱着させることにより吸着等温線を測定し、測定したデータを式(1)で表されるBET式に基づき解析する方法であり、この方法に基づき比表面積や細孔容積等を算出することができる。具体的には、窒素BET法により比表面積の値を算出する場合、先ず、多孔質炭素材料に吸着分子として窒素を吸脱着させることにより、吸着等温線を求める。そして、得られた吸着等温線から、式(1)あるいは式(1)を変形した式(1’)に基づき[p/{Va(p0−p)}]を算出し、平衡相対圧(p/p0)に対してプロットする。そして、このプロットを直線と見なし、最小二乗法に基づき、傾きs(=[(C−1)/(C・Vm)])及び切片i(=[1/(C・Vm)])を算出する。そして、求められた傾きs及び切片iから式(2−1)、式(2−2)に基づき、Vm及びCを算出する。更には、Vmから、式(3)に基づき比表面積asBETを算出する(日本ベル株式会社製BELSORP−mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第62頁〜第66頁参照)。尚、この窒素BET法は、JIS R 1626−1996「ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法」に準じた測定方法である。
a=(Vm・C・p)/[(p0−p){1+(C−1)(p/p0)}] (1)
[p/{Va(p0−p)}]
=[(C−1)/(C・Vm)](p/p0)+[1/(C・Vm)] (1’)
m=1/(s+i) (2−1)
C =(s/i)+1 (2−2)
sBET=(Vm・L・σ)/22414 (3)
但し、
a:吸着量
m:単分子層の吸着量
p :窒素の平衡時の圧力
0:窒素の飽和蒸気圧
L :アボガドロ数
σ :窒素の吸着断面積
である。
窒素BET法により細孔容積Vpを算出する場合、例えば、求められた吸着等温線の吸着データを直線補間し、細孔容積算出相対圧で設定した相対圧での吸着量Vを求める。この吸着量Vから式(4)に基づき細孔容積Vpを算出することができる(日本ベル株式会社製BELSORP−mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第62頁〜第65頁参照)。尚、窒素BET法に基づく細孔容積を、以下、単に『細孔容積』と呼ぶ場合がある。
p=(V/22414)×(Mg/ρg) (4)
但し、
V :相対圧での吸着量
g:窒素の分子量
ρg:窒素の密度
である。
メソ細孔の孔径は、例えば、BJH法に基づき、その孔径に対する細孔容積変化率から細孔の分布として算出することができる。BJH法は、細孔分布解析法として広く用いられている方法である。BJH法に基づき細孔分布解析をする場合、先ず、多孔質炭素材料に吸着分子として窒素を吸脱着させることにより、脱着等温線を求める。そして、求められた脱着等温線に基づき、細孔が吸着分子(例えば窒素)によって満たされた状態から吸着分子が段階的に着脱する際の吸着層の厚さ、及び、その際に生じた孔の内径(コア半径の2倍)を求め、式(5)に基づき細孔半径rpを算出し、式(6)に基づき細孔容積を算出する。そして、細孔半径及び細孔容積から細孔径(2rp)に対する細孔容積変化率(dVp/drp)をプロットすることにより細孔分布曲線が得られる(日本ベル株式会社製BELSORP−mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第85頁〜第88頁参照)。
p=t+rk (5)
pn=Rn・dVn−Rn・dtn・c・ΣApj (6)
但し、
n=rpn 2/(rkn−1+dtn2 (7)
ここで、
p:細孔半径
k:細孔半径rpの細孔の内壁にその圧力において厚さtの吸着層が吸着した場合のコア半径(内径/2)
pn:窒素の第n回目の着脱が生じたときの細孔容積
dVn:そのときの変化量
dtn:窒素の第n回目の着脱が生じたときの吸着層の厚さtnの変化量
kn:その時のコア半径
c:固定値
pn:窒素の第n回目の着脱が生じたときの細孔半径
である。また、ΣApjは、j=1からj=n−1までの細孔の壁面の面積の積算値を表す。
マイクロ細孔の孔径は、例えば、MP法に基づき、その孔径に対する細孔容積変化率から細孔の分布として算出することができる。MP法により細孔分布解析を行う場合、先ず、多孔質炭素材料に窒素を吸着させることにより、吸着等温線を求める。そして、この吸着等温線を吸着層の厚さtに対する細孔容積に変換する(tプロットする)。そして、このプロットの曲率(吸着層の厚さtの変化量に対する細孔容積の変化量)に基づき細孔分布曲線を得ることができる(日本ベル株式会社製BELSORP−mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第72頁〜第73頁、第82頁参照)。
ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料前駆体を酸又はアルカリで処理するが、具体的な処理方法として、例えば、酸あるいはアルカリの水溶液にケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料前駆体を浸漬する方法や、ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料前駆体と酸又はアルカリとを気相で反応させる方法を挙げることができる。より具体的には、酸によって処理する場合、酸として、例えば、フッ化水素、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウム等の酸性を示すフッ素化合物を挙げることができる。フッ素化合物を用いる場合、ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料前駆体に含まれるケイ素成分におけるケイ素元素に対してフッ素元素が4倍量となればよく、フッ素化合物水溶液の濃度は10質量%以上であることが好ましい。フッ化水素酸によって、ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料前駆体に含まれるケイ素成分(例えば、二酸化ケイ素)を除去する場合、二酸化ケイ素は、化学式(A)又は化学式(B)に示すようにフッ化水素酸と反応し、ヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)あるいは四フッ化ケイ素(SiF4)として除去され、多孔質炭素材料中間体を得ることができる。そして、その後、洗浄、乾燥を行えばよい。
SiO2+6HF → H2SiF6+2H2O (A)
SiO2+4HF → SiF4+2H2O (B)
また、アルカリ(塩基)によって処理する場合、アルカリとして、例えば、水酸化ナトリウムを挙げることができる。アルカリの水溶液を用いる場合、水溶液のpHは11以上であればよい。水酸化ナトリウム水溶液によって、ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料前駆体に含まれるケイ素成分(例えば、二酸化ケイ素)を除去する場合、水酸化ナトリウム水溶液を熱することにより、二酸化ケイ素は、化学式(C)に示すように反応し、ケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)として除去され、多孔質炭素材料中間体を得ることができる。また、水酸化ナトリウムを気相で反応させて処理する場合、水酸化ナトリウムの固体を熱することにより、化学式(C)に示すように反応し、ケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)として除去され、多孔質炭素材料中間体を得ることができる。そして、その後、洗浄、乾燥を行えばよい。
SiO2+2NaOH → Na2SiO3+H2O (C)
実施例1は、本開示の第1の態様〜第3の態様に係る電極材料及び二次電池に関する。
実施例1の二次電池用の電極材料は、多孔質炭素材料から成り、多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値(|−d(TG)/dt|)が、360゜Cにおいて0を超える値を有し、且つ、290゜Cにおいて0.016以上の値を有する。尚、以下の説明において、「多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値(|−d(TG)/dt|)」を、単に、『(|−d(TG)/dt|)PC』で表す。あるいは又、実施例1の二次電池用の電極材料は、多孔質炭素材料から成り、(|−d(TG)/dt|)PCが、ケッチェンブラックとS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値(|−d(TG)/dt|)KBが0になる温度(『所定の温度』と呼ぶ)において、0を超える値を有する。あるいは又、実施例1の二次電池用の電極材料は、多孔質炭素材料から成り、(|−d(TG)/dt|)PCが、325゜Cにおいて0.01以上の値を有する。
また、実施例1の二次電池は、多孔質炭素材料から成る電極を備えた二次電池であって、(|−d(TG)/dt|)PCが、360゜Cにおいて0を超える値を有し、且つ、290゜Cにおいて0.016以上の値を有する。あるいは又、実施例1の二次電池は、多孔質炭素材料から成る電極を備えた二次電池であって、(|−d(TG)/dt|)PCが、所定の温度において、0を超える値を有する。あるいは又、実施例1の二次電池は、多孔質炭素材料から成る電極を備えた二次電池であって、(|−d(TG)/dt|)PCが、325゜Cにおいて0.01以上の値を有する。
実施例1の二次電池用の電極材料を製造する方法にあっては、上述した実施例1の二次電池用の電極材料を、ケイ素含有・植物由来原料を400゜C乃至1400゜Cにて炭素化した後、酸又はアルカリでの処理を行うことで得る。
具体的には、ケイ素(Si)の含有率が5質量%以上であるケイ素含有・植物由来原料である籾殻を原料として、800゜Cにて窒素雰囲気下で炭素化する(焼成する)ことで、ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料前駆体を得ることができる。次いで、得られたケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料前駆体を48容積%のフッ化水素酸水溶液に一晩浸漬することで酸処理を行い、ケイ素成分を除去した後、水及びエチルアルコールを用いてpH7になるまで洗浄する。そして、最後に乾燥させることにより、ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料を得ることができた。その後、窒素雰囲気下にて900゜Cまで昇温し、水蒸気による賦活処理を行うことで、実施例1Aの多孔質炭素材料を得た。次いで、実施例1Aの多孔質炭素材料を、加熱処理を行う所望の温度まで5゜C/分で昇温し、所望の温度に達した後、所望の温度で1時間、保持することで、実施例1B、実施例1C、実施例1D、実施例1E及び実施例1Fの多孔質炭素材料を得ることができた。得られた実施例1A〜実施例1Fの多孔質炭素材料におけるケイ素(Si)の含有率は、1質量%以下であった。また、多孔質炭素材料は、窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、BJH法及びMP法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上であった。
所望の温度を、1000゜C(実施例1B)、1200゜C(実施例1C)、1300゜C(実施例1D)、1400゜C(実施例1E)、1500゜C(実施例1F)とした。そして、得られた多孔質炭素材料のXRD測定を株式会社リガク製X線回折装置(RINT−TTRII)を用いて行った。X線回折法による(100)面又は(101)面の回折強度ピークにおける半値幅の測定結果を、以下の表1に示す。
[表1]
所望の温度 半値幅
実施例1A 4.8度
実施例1B 1000゜C 4.8度
実施例1C 1200゜C 4.8度
実施例1D 1300゜C 3.9度
実施例1E 1400゜C 3.9度
実施例1F 1500゜C 3.0度
実施例2A 4.8度
実施例2C 4.9度
また、各実施例における多孔質炭素材料とS8硫黄との混合品のTG測定結果を図1に示し、併せて、S8硫黄及びケッチェンブラック(ライオン株式会社製、製品名「カーボン ECP」)のTG測定結果を図1に示す。尚、このケッチェンブラックを、[KB]で表す場合がある。更には、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値(|−d(TG)/dt|)PC等を図2に示す。図2から、290゜C以上において、実施例の(|−d(TG)/dt|)PCの値は、ケッチェンブラック[KB]の(|−d(TG)/dt|)KBの値よりも、高いことが判る。そして、実施例1、後述する実施例2における各多孔質炭素材料の(|−d(TG)/dt|)PCの値は、以下の表2、表3、表4に示すように、360゜Cにおいて0を超える値を有し、且つ、290゜Cにおいて0.016以上の値を有する。あるいは又、所定の温度(具体的には365゜C)において、0を超える値を有する。あるいは又、325゜Cにおいて0.01以上の値を有する。
[表2]
所望の温度 (|−d(TG)/dt|)PC
360゜Cにおける値 290゜Cにおける値
実施例1A 900゜C 0.001 0.020
実施例1B 1000゜C 0.005 0.025
実施例1C 1200゜C 0.011 0.023
実施例1D 1300゜C 0.015 0.032
実施例1E 1400゜C 0.011 0.028
実施例1F 1500゜C 0.010 0.027
実施例2A 0.004 0.017
実施例2B 0.004 0.017
実施例2C 0.016 0.016
8硫黄 0 0
ケッチェンブラック[KB] 0 0.015
[表3]
所望の温度 (|−d(TG)/dt|)PC
所定の温度(365゜C)における値
実施例1A 900゜C 0.003
実施例1B 1000゜C 0.004
実施例1C 1200゜C 0.019
実施例1D 1300゜C 0.008
実施例1E 1400゜C 0.014
実施例1F 1500゜C 0.008
実施例2A 0.002
実施例2B 0.002
実施例2C 0.012
[表4]
所望の温度 (|−d(TG)/dt|)PC
325゜Cにおける値
実施例1A 900゜C 0.020
実施例1B 1000゜C 0.020
実施例1C 1200゜C 0.019
実施例1D 1300゜C 0.020
実施例1E 1400゜C 0.020
実施例1F 1500゜C 0.020
実施例2A 0.013
実施例2B 0.012
実施例2C 0.016
また、各多孔質炭素材料の細孔等の測定結果を、以下の表5に示す。尚、表5中、「窒素BET法」、「MP法」及び「BJH法」は、窒素BET法による比表面積の値(単位:m2/グラム)、MP法による細孔の容積の値(単位:cm3/グラム)、及び、BJH法及による細孔の容積の値(単位:cm3/グラム)を意味する。また、全細孔容積の単位は「cm3/グラム」である。比表面積及び細孔容積を求めるための測定機器として、BELSORP−mini(日本ベル株式会社製)を用い、測定条件として、測定平衡相対圧(p/p0)を0.01〜0.99とした。そして、BELSORP解析ソフトウェアに基づき、比表面積及び細孔容積を算出した。メソ細孔及びマイクロ細孔の細孔径分布は、上述した測定機器を用いた窒素吸脱着試験を行い、BELSORP解析ソフトウェアによりBJH法及びMP法に基づき算出した。測定に際しては、試料の前処理として、200゜Cで3時間の乾燥を行った。
[表5]
所望の温度 窒素BET法 全細孔容積 MP法 BJH法
実施例1A 900゜C 1472 1.18 0.646 0.733
実施例1B 1000゜C 1489 1.16 0.646 0.686
実施例1C 1200゜C 1445 1.15 0.624 0.674
実施例1D 1300゜C 1438 1.19 0.589 0.780
実施例1E 1400゜C 1326 0.96 0.627 0.550
実施例1F 1500゜C 1268 1.07 0.502 0.717
実施例2A 909 1.29 0.118 1.04
実施例2B 882 1.36 0.103 1.13
実施例2C 1921 1.43 0.90 0.84
ケッチェンブラック[KB] 924 1.82 0.28 1.53
多孔質炭素材料等に基づき電極を作製し、更に、リチウム−硫黄二次電池を試作した。ここで、電極によって正極が構成され、電極は硫黄を担持する。
8硫黄、実施例1の多孔質炭素材料及びその他の材料を用いて、リチウム−硫黄二次電池の正極を試作した。具体的には、以下の表6に示す配合のスラリーを調製した。
[表6]
質量%
8硫黄 60
多孔質炭素材料 27
[KB] 3
PVA 10
より具体的には、上記の配合品(正極材料)、具体的には、S8硫黄、各種の多孔質炭素材料、及び、ケッチェンブラックを乳鉢内で混合し、157゜Cで3時間、加熱することで、S8硫黄を溶融させ、細孔内に挿入した。その後、結着剤として機能するポリビニルアルコール(PVA)を3質量%、溶解したN−メチルピロリドン(NMP)溶液を用いて、表6に示すとおり、PVAの濃度が固形分の10質量%となるように添加し、更に、溶媒としてNMPを加えて濃度を調整し、混錬することで、スラリー状とした。そして、アルミニウム箔上に混錬品を塗布し、120゜Cで3時間、熱風乾燥させた。次いで、温度80゜C、圧力580kgf/cm2の条件下、ホットプレス装置を用いてホットプレスし、正極材料の高密度化を図り、電解液との接触における損傷発生を防止し、また、抵抗値の低下を図った。その後、直径15mmとなるように打ち抜き加工を施した後、60゜C、3時間の真空乾燥を行い、水分及び溶剤の除去を行った。こうして得られたアルミニウム箔を除いた正極の部分(正極材料層)の厚さは50μmであり、質量は3ミリグラム〜5ミリグラムであり、密度は約0.6グラム/cm3であった。次いで、こうして得られた正極を用いて、2016型コイン電池から成るリチウム−硫黄二次電池を組み立てた。具体的には、アルミニウム箔及び正極材料層から成る正極、電解液、厚さ1.0mmのリチウム箔、ニッケルメッシュを積層して、2016型コイン電池から成るリチウム−硫黄二次電池を組み立てた。尚、電解液として、0.5モルLiTFSI/0.4モルLiNO3を、ジメチルエーテルと1,3ジオキシサンの混合溶媒(容積比1/1)に溶解したものを50マイクロリットル使用した。
リチウム−硫黄二次電池の充放電試験の条件を以下の表7のとおりとした。
[表7]
電流 :0.05C(正極1cm2当たり0.057ミリアンペア)
カットオフ:放電時1.5ボルト(但し、定電流放電)
充電時3.5ボルト(但し、定電流/定電圧充電)
そして、リチウム−硫黄二次電池の製造後、放電を行い放電容量密度を求め、次いで、充電を行い充電容量密度を求めた。実施例1Aの多孔質炭素材料を用いて得られた二次電池における充放電容量密度(単位:ミリアンペア/硫黄1グラム)を求めた結果を、以下の表8に示す。尚、表8において、比較例1は、多孔質炭素材料の代わりに、ライオン株式会社製のケッチェンブラック、製品名「カーボン ECP」を使用した二次電池である。
[表8]
Figure 2015026480
表8から、実施例1A、後述する実施例2A、実施例2B、実施例2Cの二次電池の放電容量密度は、比較例1の二次電池の放電容量密度よりも高い値を示した。尚、実施例1B〜実施例1Fの多孔質炭素材料を用いて、実施例1と同様の二次電池を試作し、充放電を行い、充放電容量密度を求めた結果、いずれの二次電池も、比較例1の二次電池の放電容量密度よりも高い値を示した。
以上のとおり、実施例1の二次電池用の電極材料及び実施例1の二次電池にあっては、多孔質炭素材料とS8硫黄との混合物における熱的挙動が規定されている。即ち、熱が加えられても、多孔質炭素材料とS8硫黄との混合系から硫黄が離脱し難い。それ故、この多孔質炭素材料は、その細孔内に活物質を確実に保持することができ、しかも、空隙内で活物質の反応生成物が細孔から外に流出することを防ぐことができるので、活物質の利用率の向上を図ることができ、しかも、充放電サイクル特性に優れている。
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2においては、多孔質炭素材料を泥炭及び木質系材料(具体的には、大鋸屑)を原料としている。
実施例2にあっては、泥炭に対して不活性ガス中(窒素ガスやアルゴンガス等)若しくは真空中での高温熱処理といった処理、更には、このような処理の後の酸洗浄処理(各種ミネラル分を溶出させる)といった前処理を行うことで得られた多孔質炭素材料に賦活処理を行うことで、実施例2Aの多孔質炭素材料を得た。賦活処理をガス賦活法とした。具体的には、管状型窒素雰囲気炉を使用し、賦活剤として水蒸気を用い、水蒸気雰囲気下、900゜Cにて、3時間、賦活処理を行った。更には、この実施例2Aの多孔質炭素材料を、1400゜Cまで、5゜C/分で昇温し、1400゜Cに達した後、この温度に1時間、保持することで、実施例2Bの多孔質炭素材料を得た。
また、大鋸屑に対して賦活処理を行うことで、多孔質炭素材料を得た。賦活処理をガス賦活法とした。具体的には、管状型窒素雰囲気炉を使用し、賦活剤として水蒸気を用い、水蒸気雰囲気下、900゜Cにて、3時間、賦活処理を行い、実施例2Cの多孔質炭素材料を得た。
得られた実施例2A、実施例2Cの多孔質炭素材料のX線回折法による(100)面又は(101)面の回折強度ピークにおける半値幅の測定結果を表1に示す。また、得られた実施例2A、実施例2B及び実施例2Cの多孔質炭素材料の(|−d(TG)/dt|)PCの値を表2、表3、表4に示し、細孔等の測定結果を表5に示す。
実施例2にあっても、実施例1と同様の方法に基づき電極を作製し、更に、リチウム−硫黄二次電池を試作した。実施例2A、実施例2B、実施例2Cの多孔質炭素材料を用いて、実施例1と同様の二次電池を試作し、充放電を行い、充放電容量密度(単位:ミリアンペア/硫黄1グラム)を求めた結果を、上述した表8に示す。
以上、好ましい実施例に基づき本開示を説明したが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。実施例にあっては、多孔質炭素材料の原料として、籾殻を用いる場合について説明したが、他の植物を原料として用いてもよい。ここで、他の植物として、例えば、藁、葦あるいは茎ワカメ、陸上に植生する維管束植物、シダ植物、コケ植物、藻類及び海草等を挙げることができ、これらを、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。具体的には、例えば、多孔質炭素材料の原料であるケイ素含有・植物由来原料を稲の藁(例えば、鹿児島産;イセヒカリ)とし、多孔質炭素材料を、原料としての藁を炭素化して炭素質物質(ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料前駆体)に変換し、次いで、酸処理を施すことで得ることができる。あるいは又、多孔質炭素材料の原料であるケイ素含有・植物由来原料を稲科の葦とし、多孔質炭素材料を、原料としての稲科の葦を炭素化して炭素質物質(ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料前駆体)に変換し、次いで、酸処理を施すことで得ることができる。また、フッ化水素酸水溶液の代わりに、水酸化ナトリウム水溶液といったアルカリ(塩基)にて処理して得られた多孔質炭素材料においても、同様の結果が得られた。尚、多孔質炭素材料の製造方法は、実施例1と同様とすることができる。
あるいは又、多孔質炭素材料の原料であるケイ素含有・植物由来原料を茎ワカメ(岩手県三陸産)とし、多孔質炭素材料を、原料としての茎ワカメを炭素化して炭素質物質(ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料前駆体)に変換し、次いで、酸処理を施すことで得ることができる。具体的には、先ず、例えば、茎ワカメを500゜C程度の温度で加熱し、炭化する。尚、加熱前に、例えば、原料となる茎ワカメをアルコールで処理してもよい。具体的な処理方法として、エチルアルコール等に浸漬する方法が挙げられ、これによって、原料に含まれる水分を減少させると共に、最終的に得られる多孔質炭素材料に含まれる炭素以外の他の元素や、ミネラル成分を溶出させることができる。また、このアルコールでの処理により、炭素化時のガスの発生を抑制することができる。より具体的には、茎ワカメをエチルアルコールに48時間浸漬する。尚、エチルアルコール中では超音波処理を施すことが好ましい。次いで、この茎ワカメを、窒素気流中において500゜C、5時間、加熱することにより炭化させ、炭化物を得る。尚、このような処理(予備炭素化処理)を行うことで、次の炭素化の際に生成されるであろうタール成分を減少あるいは除去することができる。その後、この炭化物の10グラムをアルミナ製の坩堝に入れ、窒素気流中(10リットル/分)において5゜C/分の昇温速度で1000゜Cまで昇温する。そして、1000゜Cで5時間、炭素化して、炭素質物質(ケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料前駆体)に変換した後、室温まで冷却する。尚、炭素化及び冷却中、窒素ガスを流し続ける。次に、このケイ素含有・植物由来・多孔質炭素材料前駆体を46容積%のフッ化水素酸水溶液に一晩浸漬することで酸処理を行った後、水及びエチルアルコールを用いてpH7になるまで洗浄する。そして、最後に乾燥させることにより、多孔質炭素材料を得ることができる。
尚、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
[A01]《電極材料:第1の態様》
多孔質炭素材料から成り、
多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値が、360゜Cにおいて0を超える値を有し、且つ、290゜Cにおいて0.016以上の値を有する二次電池用の電極材料。
[A02]《電極材料:第2の態様》
多孔質炭素材料から成り、
多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値が、ケッチェンブラックとS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値が0になる温度において、0を超える値を有する二次電池用の電極材料。
[A03]《電極材料:第3の態様》
多孔質炭素材料から成り、
多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値が、325゜Cにおいて0.01以上の値を有する二次電池用の電極材料。
[A04]多孔質炭素材料は、ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料としている[A01]乃至[A03]のいずれか1項に記載の二次電池用の電極材料。
[A05]多孔質炭素材料は、泥炭又は木質系材料を原料としている[A01]乃至[A03]のいずれか1項に記載の二次電池用の電極材料。
[A06]多孔質炭素材料は、窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、BJH法及びMP法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上である[A01]乃至[A05]のいずれか1項に記載の二次電池用の電極材料。
[A07]多孔質炭素材料の、X線回折法による(100)面又は(101)面の回折強度ピークにおける半値幅が、回折角2θを基準として5度以下である[A01]乃至[A06]のいずれか1項に記載の二次電池用の電極材料。
[B01]《二次電池:第1の態様》
多孔質炭素材料から成る電極を備えた二次電池であって、
多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値が、360゜Cにおいて0を超える値を有し、且つ、290゜Cにおいて0.016以上の値を有する二次電池。
[B02]《二次電池:第2の態様》
多孔質炭素材料から成る電極を備えた二次電池であって、
多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値が、ケッチェンブラックとS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値が0になる温度において、0を超える値を有する二次電池。
[B03]《二次電池:第3の態様》
多孔質炭素材料から成る電極を備えた二次電池であって、
多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値が、325゜Cにおいて0.01以上の値を有する二次電池。
[B04]多孔質炭素材料は、ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料としている[B01]乃至[B03]のいずれか1項に記載の二次電池。
[B05]多孔質炭素材料は、泥炭又は木質系材料を原料としている[B01]乃至[B03]のいずれか1項に記載の二次電池。
[B06]多孔質炭素材料は、窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、BJH法及びMP法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上である[B01]乃至[B05]のいずれか1項に記載の二次電池。
[B07]多孔質炭素材料の、X線回折法による(100)面又は(101)面の回折強度ピークにおける半値幅が、回折角2θを基準として5度以下である[B01]乃至[B06]のいずれか1項に記載の二次電池。
[B08]電極によって正極が構成される[B01]乃至[B07]のいずれか1項に記載の二次電池。
[B09]リチウム−硫黄二次電池から成り、
電極は、硫黄又は硫黄化合物を担持する[B01]乃至[B08]のいずれか1項に記載の二次電池。

Claims (16)

  1. 多孔質炭素材料から成り、
    多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値が、360゜Cにおいて0を超える値を有し、且つ、290゜Cにおいて0.016以上の値を有する二次電池用の電極材料。
  2. 多孔質炭素材料から成り、
    多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値が、ケッチェンブラックとS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値が0になる温度において、0を超える値を有する二次電池用の電極材料。
  3. 多孔質炭素材料から成り、
    多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値が、325゜Cにおいて0.01以上の値を有する二次電池用の電極材料。
  4. 多孔質炭素材料は、ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料としている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の二次電池用の電極材料。
  5. 多孔質炭素材料は、泥炭又は木質系材料を原料としている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の二次電池用の電極材料。
  6. 多孔質炭素材料は、窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、BJH法及びMP法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の二次電池用の電極材料。
  7. 多孔質炭素材料の、X線回折法による(100)面又は(101)面の回折強度ピークにおける半値幅が、回折角2θを基準として5度以下である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の二次電池用の電極材料。
  8. 多孔質炭素材料から成る電極を備えた二次電池であって、
    多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値が、360゜Cにおいて0を超える値を有し、且つ、290゜Cにおいて0.016以上の値を有する二次電池。
  9. 多孔質炭素材料から成る電極を備えた二次電池であって、
    多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値が、ケッチェンブラックとS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値が0になる温度において、0を超える値を有する二次電池。
  10. 多孔質炭素材料から成る電極を備えた二次電池であって、
    多孔質炭素材料とS8硫黄を質量比1:2で混合した混合物を熱分析したときに得られる、温度をパラメータとした質量の値の微分値の絶対値が、325゜Cにおいて0.01以上の値を有する二次電池。
  11. 多孔質炭素材料は、ケイ素の含有率が5質量%以上である植物由来の材料を原料としている請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の二次電池。
  12. 多孔質炭素材料は、泥炭又は木質系材料を原料としている請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の二次電池。
  13. 多孔質炭素材料は、窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、BJH法及びMP法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上である請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の二次電池。
  14. 多孔質炭素材料の、X線回折法による(100)面又は(101)面の回折強度ピークにおける半値幅が、回折角2θを基準として5度以下である請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の二次電池。
  15. 電極によって正極が構成される請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の二次電池。
  16. リチウム−硫黄二次電池から成り、
    電極は、硫黄又は硫黄化合物を担持する請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の二次電池。
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