JP2015026478A - 制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電装置の使用履歴を用いた劣化度の推定において使用期間中の使用履歴が使用できなくなった場合でも、精度良く劣化度を算出して劣化度に応じた蓄電装置の入出力を適切に制御する。
【解決手段】本発明の制御装置は、充放電を行う蓄電装置の使用期間中における使用環境毎の発生頻度を含む使用履歴を用いて蓄電装置の満充電容量の変化に基づく劣化度を推定し、劣化度に応じて蓄電装置の入出力を制御する。制御装置は、使用期間中の使用履歴が使用できなくなった場合に、蓄電装置の充放電履歴から算出される満充電容量と、蓄電装置の使用期間と満充電容量の変化との関係を予め規定した推定劣化情報とを用いて、蓄電装置の推定使用期間を算出し、推定劣化情報に応じて予め規定された使用環境毎の推定発生頻度に基づいて、劣化度を算出するための推定使用期間での推定使用履歴を生成する。
【選択図】図12

Description

本発明は、蓄電装置の劣化推定及び劣化に応じた入出力制御に関する。
特許文献1では、リチウムイオン二次電池を充電するときに、リチウム金属の析出を抑制するために、許容入力電流値を設定している。許容入力電流値は、二次電池の経年劣化を考慮し、電池の劣化度に応じて許容入力電流値を補正することができる。このとき、特許文献1では、充放電中の電圧値や電流値から算出される満充電容量や内部抵抗などの充放電履歴から劣化度を推定(算出)している。
一方、二次電池の劣化度を推定する方法として、特許文献2に記載のように、使用環境毎の電池負荷状態を示す二次電池の使用履歴(電池温度頻度や電池電圧(SOC)頻度、経過時間など)を用いて、劣化度を推定することができる。二次電池の使用履歴を用いた劣化度の推定は、センサによって検出される電圧値や電流値などの充放電履歴から劣化度を推定する場合に比べて、センサの検出誤差が抑制され、二次電池の劣化度を精度良く推定できる。
国際公開第2010/005079号パンフレット 特開2012−181066号公報
しかしながら、二次電池等の蓄電装置の使用期間中における過去から現在に至る電池温度頻度等の使用履歴が喪失されて使用できなくなったり、電池交換等によって使用履歴が使用できなくなったりした場合、使用履歴に基づいて蓄電装置の劣化度を推定することができない。このため、劣化度に応じた蓄電装置の入出力を適切に制御できないおそれがある。
そこで、本発明では、蓄電装置の使用履歴を用いた劣化度の推定において、使用期間中の使用履歴が使用できなくなった場合でも、精度良く劣化度を算出して劣化度に応じた蓄電装置の入出力を適切に制御することができる制御装置を提供することを目的とする。
本願第1の発明の制御装置は、充放電を行う蓄電装置の使用期間中における使用環境毎の発生頻度を含む使用履歴を用いて蓄電装置の満充電容量の変化に基づく劣化度を推定し、劣化度に応じて蓄電装置の入出力を制御する。制御装置は、使用期間中の使用履歴が使用できなくなった場合に、蓄電装置の充放電履歴から算出される満充電容量と、蓄電装置の使用期間と満充電容量の変化との関係を予め規定した推定劣化情報とを用いて、蓄電装置の推定使用期間を算出する。そして、推定劣化情報に応じて予め規定された使用環境毎の推定発生頻度に基づいて、劣化度を算出するための推定使用期間での推定使用履歴を生成することを特徴とする。
本願第1の発明によれば、蓄電装置の充放電履歴に基づいて算出される満充電容量と、推定劣化情報とを用いて、蓄電装置の推定使用期間を算出し、推定使用期間での推定使用履歴を算出する。このため、蓄電装置の使用期間中の実際の使用履歴が使用できなくなった場合でも、推定使用履歴を用いて精度良く劣化度を推定(算出)することができ、劣化度に応じた蓄電装置の入出力を適切に制御することができる。
制御装置は、蓄電装置の使用環境を計測する計測装置の計測結果を用いて推定使用履歴を更新し、計測結果が反映された推定使用履歴に基づいて劣化度を算出することができる。このように構成することで、推定された使用履歴に対して蓄電装置の使用環境の実測結果が反映され、蓄電装置の実使用における使用環境に応じて正確な劣化推定を行うことができる。
制御装置は、計測結果が反映される前の推定使用履歴と、計測結果に基づく使用環境毎の発生頻度を含む追加使用履歴とを比較し、互いの使用環境毎の発生頻度が所定値以上異なる場合に、追加使用履歴に基づいて推定使用履歴を生成し直すように構成することができる。このように構成することで、推定された使用履歴と、蓄電装置の実使用における使用環境の使用履歴との間の乖離を抑制し、実使用の使用環境に応じた劣化度を精度良く推定することができる。
具体的には、制御装置は、以下のように追加使用履歴を生成することができる。制御装置は、計測結果が反映される前の推定使用履歴と追加使用履歴とが所定値以上異なる場合に、蓄電装置の充放電履歴から算出される満充電容量と、追加使用履歴の使用環境毎の発生頻度に対応し、推定劣化情報と相違する蓄電装置の使用期間と満充電容量の変化との関係を予め規定した第1推定劣化情報とを用いて、蓄電装置の第1推定使用期間を算出することができる。そして、第1推定劣化情報に応じて予め規定された使用環境毎の推定発生頻度に基づいて劣化度を算出するための当該第1推定使用期間での第1推定使用履歴を生成することができる。
ここで、上記使用環境は、蓄電装置の温度、蓄電装置の充電容量、又は充電容量毎の温度とすることができ、上記使用履歴は、温度毎の発生頻度、充電容量毎の発生頻度、又は充電容量それぞれでの温度毎の発生頻度を含むことができる。
また、蓄電装置は、非水二次電池とすることができる。この場合、コントローラは、非水二次電池の入力を許容する最大の電流値である許容入力電流値を、劣化度に応じて低下させながら、非水二次電池の入力を制御するように構成することができる。
また、記制御装置は、使用履歴に基づく第1劣化度と、非水二次電池の充放電履歴に基づく第2劣化度とに応じて、許容入力電流値を低下させるように、非水二次電池の入力を制御することができる。
本願第2の発明の方法は、充放電を行う蓄電装置の使用期間中における使用環境毎の発生頻度を含む使用履歴を用いて蓄電装置の満充電容量の変化に基づく劣化度を算出し、劣化度に応じて蓄電装置の入出力を制御する制御方法である。制御方法は、使用期間中の使用履歴が使用できなくなったか否かを判別するステップと、使用期間中の使用履歴が使用できなくなった場合に、蓄電装置の充放電履歴から算出される満充電容量と、蓄電装置の使用期間と満充電容量の変化との関係を予め規定した推定劣化情報とを用い、蓄電装置の推定使用期間を算出するステップと、推定劣化情報に応じて予め規定された使用環境毎の推定発生頻度に基づいて、劣化度を算出するための推定使用期間での推定使用履歴を生成するステップと、生成された推定使用履歴を用いて劣化度を算出し、算出された劣化度に応じて蓄電装置の入出力を制御するステップと、を含む。本願第2の発明によれば、上記本願第1の発明と同様の効果を得ることができる。
実施例1における、電池システムの構成を示す図である。 実施例1における、充電容量に応じた正極電位および負極電位の変化を示す図である。 実施例1における、組電池の入力許容電力の制限処理を説明するための図である。 実施例1における、劣化度Dと劣化係数ηとの関係を示す図である。 実施例1における、組電池の使用期間中の電池温度(使用環境)毎の発生頻度を含む使用履歴の一例を示す図である。 実施例1における、電池温度毎の使用時間に対する満充電容量低下量(劣化度)の関係を劣化挙動マップの一例である。 実施例1における、使用履歴から算出された満充電容量低下量と現在の使用期間との関係を示す図である。 実施例1における、組電池の使用履歴を用いた劣化度Dの算出過程を説明するフローチャートである。 実施例1における、組電池の総使用期間と満充電容量の低下量の関係を規定した劣化挙動マップの一例である。 図9に示した所定の劣化挙動マップに対応する電池温度頻度の存在確率分布の一例を示す図である。 所定の劣化挙動マップ及び電池温度頻度の存在確率に基づいて算出された推定電池温度頻度(推定使用履歴)の一例を示す図である。 実施例1における、使用履歴の喪失又は使用不可による推定電池温度頻度(推定使用履歴)の生成処理を説明するフローチャートである。 実施例1における、組電池の充放電を制御する処理において、許容入力電流値を設定する処理を説明するフローチャートである。 実施例1における、推定電池温度頻度と追加使用履歴との比較例を示す図である。 実施例1における、追加使用履歴に基づく劣化挙動マップを用いた組電池の総使用時間の再算出例の一例を示す図である。 追加使用履歴に基づく推定使用期間に応じた新たに生成された推定電池温度頻度の一例を示す図である。 実施例1における、追加使用履歴に基づく推定使用履歴の更新(再生成)処理を説明するフローチャートである。 実施例2における組電池の充放電を制御する処理を示す図であり、使用履歴に基づく第1劣化度及び充放電履歴に基づく第2劣化度を用いて、許容入力電流値を設定する処理を説明するフローチャートである。 実施例2における、単電池(組電池)の内部抵抗と劣化度Dr(第2劣化度)との関係を示す図である。 実施例2における、充放電履歴に基づく劣化度Drに対して使用履歴に基づく劣化度Dを考慮した補正後の劣化度Dhの関係を示す図である。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1である電池システムについて説明する。図1は、本実施例の電池システムの構成を示す図である。本実施例の電池システムは、車両に搭載することができる。車両としては、ハイブリッド自動車や電気自動車がある。ハイブリッド自動車は、車両を走行させるための動力源として、後述する組電池に加えて、エンジン又は燃料電池を備えている。電気自動車は、車両を走行させるための動力源として、後述する組電池だけを備えている。
組電池10(蓄電装置に相当する)は、直列に接続された複数の単電池11を有する。単電池11としては、例えば、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池を用いることができる。組電池10を構成する単電池11の数は、組電池10の要求出力などを考慮して、適宜設定することができる。本実施例では、すべての単電池11を直列に接続して組電池10を構成しているが、組電池10は、並列に接続された複数の単電池11を含んでいてもよい。
例えば、単電池11の正極は、イオン(例えば、リチウムイオン)を吸蔵および放出できる材料で形成される。正極の材料としては、例えば、コバルト酸リチウムやマンガン酸リチウムを用いることができる。単電池11の負極は、イオン(例えば、リチウムイオン)を吸蔵および放出できる材料で形成される。負極の材料としては、例えば、カーボンを用いることができる。単電池11を充電するとき、正極は、イオンを電解液中に放出し、負極は、電解液中のイオンを吸蔵する。また、単電池11を放電するとき、正極は、電解液中のイオンを吸蔵し、負極は、イオンを電解液中に放出する。
監視ユニット21は、組電池10の端子間電圧を検出したり、各単電池11の電圧を検出する。監視ユニット21は、検出結果をコントローラ30に出力する。監視ユニット21は、複数の単電池11に対し、各単電池毎に電圧値それぞれを検出したり、直列に接続された所定数の単電池群を1ブロックとして電圧を検出することができる。1ブロックに含まれる単電池11の数は、任意に設定することができる。
電流センサ22は、組電池10に流れる電流を検出し、検出結果をコントローラ30に出力する。本実施例では、組電池10の正極端子と接続された正極ラインPLに電流センサ22を設けているが、これに限るものではない。電流センサ22は、組電池10に流れる電流を検出できればよく、電流センサ22を設ける電流経路上の位置は適宜設定することができる。例えば、組電池10の負極端子と接続された負極ラインNLに電流センサ22を設けることができる。なお、複数の電流センサ22を用いることもできる。
また、本実施例において、組電池10を充電しているときに電流センサ22によって検出された電流値として、負の値(IB<0)を用いている。また、組電池10を放電しているときに電流センサ22によって検出された電流値として、正の値(IB>0)を用いている。
温度センサ23は、組電池10の温度(電池温度)を検出する。温度センサ23は、検出結果をコントローラ30に出力する。温度センサ23は、組電池10の一箇所に設けることもできるし、組電池10のうち、互いに異なる複数の箇所に設けることもできる。複数の検出温度を用いる場合、組電池10の温度は、複数の検出温度のうちの最小値、最大値や複数の検出温度の中央値や平均値などを適宜用いることができる。
コンデンサCは、正極ラインPLおよび負極ラインNLに接続されており、正極ラインPLおよび負極ラインNLの間における電圧変動を平滑化する。
正極ラインPL及び負極ラインNLには、システムメインリレーSMR−B,SMR−Gがそれぞれ設けられている。システムメインリレーSMR−B,SMR−Gは、コントローラ30からの制御信号を受けることにより、オンおよびオフの間で切り替わる。
システムメインリレーSMR−Gには、システムメインリレーSMR−Pおよび電流制限抵抗Rが並列に接続されている。ここで、システムメインリレーSMR−Pおよび電流制限抵抗Rは、直列に接続されている。システムメインリレーSMR−Pは、コントローラ30からの制御信号を受けることにより、オンおよびオフの間で切り替わる。電流制限抵抗Rは、組電池10を負荷(具体的には、インバータ24)と接続するときに、コンデンサCに突入電流が流れることを抑制するために用いられる。
組電池10をインバータ24と接続するとき、コントローラ30は、まず、システムメインリレーSMR−B,SMR−Pをオフからオンに切り替える。これにより、電流制限抵抗Rに電流が流れることになる。
次に、コントローラ30は、システムメインリレーSMR−Gをオフからオンに切り替えた後に、システムメインリレーSMR−Pをオンからオフに切り替える。これにより、組電池10およびインバータ24の接続が完了し、図1に示す電池システムは、起動状態(Ready−On)となる。コントローラ30には、車両のイグニッションスイッチのオン/オフ(IG−ON/IG−OFF)に関する情報が入力される。コントローラ30は、イグニッションスイッチがオフからオンに切り替わることに応じて、電池システムを起動させる。
一方、イグニッションスイッチがオンからオフに切り替わったとき、コントローラ30は、システムメインリレーSMR−B,SMR−Gをオンからオフに切り替える。これにより、組電池10およびインバータ24の接続が遮断され、電池システムは、停止状態(Ready−Off)となる。
インバータ24は、組電池10から出力された直流電力を交流電力に変換して、交流電力をモータ・ジェネレータ(MG)25に出力する。モータ・ジェネレータ25としては、例えば、三相交流モータを用いることができる。モータ・ジェネレータ25は、インバータ24からの交流電力を受けて、車両を走行させるための運動エネルギを生成する。モータ・ジェネレータ25は、車輪と接続されており、モータ・ジェネレータ25によって生成された運動エネルギは、車輪に伝達される。これにより、車両を走行させることができる。
車両を減速させたり、停止させたりするとき、モータ・ジェネレータ25は、車両の制動時に発生する運動エネルギを電気エネルギ(交流電力)に変換する。インバータ24は、モータ・ジェネレータ25から出力された交流電力を直流電力に変換して、直流電力を組電池10に出力する。これにより、回生電力を組電池10に蓄えることができる。
なお、本実施例の電池システムでは、組電池10をインバータ24と接続しているが、これに限るものではない。具体的には、組電池10およびインバータ24の間の電流経路に、昇圧回路を設けることができる。昇圧回路を用いれば、組電池10の出力電圧を昇圧し、昇圧後の電力をインバータ24に出力することができる。また、昇圧回路を用いることにより、インバータ24の出力電圧を降圧し、降圧後の電力を組電池10に出力することができる。
コントローラ30は、メモリ31を有しており、メモリ31には、コントローラ30が特定の処理(特に、本実施例で説明する処理)を実行するための情報が記憶されている。本実施例では、メモリ31がコントローラ30に内蔵されているが、コントローラ30の外部にメモリ31を設けることもできる。
また、本実施例のコントローラ30は、タイマー32を備えることができる。タイマー32は、組電池10の使用期間(時間、年数)を計測したり、後述する組電池10の使用期間中における使用環境毎の存在時間を計測することができる。タイマー32もメモリ31同様に、コントローラ30の外部に設けたり、コントローラ30に内蔵することができる。
次に、本実施例の組電池10の充放電制御について説明する。図2は、組電池10のSOCに応じた正極電位および負極電位の変化を示す図である。
単電池11を充電すると、単電池11の電圧値VBが上昇する。図2に示すように、単電池11の電圧値VBは、正極電位および負極電位の差になるため、単電池11の充電が進むと、正極電位が上昇するとともに、負極電位が低下する。ここで、負極電位が基準電位(例えば、0[V])よりも低下すると、負極の表面にリチウム金属が析出してしまうことがある。
単電池11が通電状態にあるとき、過電圧が発生する。過電圧は、単電池11の内部抵抗に伴う電圧変化量であり、単電池11の通電を停止すれば、過電圧は低下する。単電池11を充電したとき、単電池11の電圧値VB(CCV:Closed Circuit Voltage)は、単電池11の開放電圧値(OCV:Open Circuit Voltage)に対して過電圧の分だけ上昇する。このため、過電圧によっては、負極電位が基準電位よりも低下してしまうおそれがある。
そこで、本実施例では、リチウム金属の析出を抑制するために、許容入力電流値を設定し、単電池11(組電池10)の入力電流値(充電電流値)が許容入力電流値を超えないようにしている。許容入力電流値とは、単電池11を充電するときに、許容される最大の電流値である。
許容入力電流値が上昇するときには、単電池11を充電するときの電流値を上昇させることができ、単電池11の入力性能を向上させることができる。一方、許容入力電流値が低下するときには、単電池11を充電するときの電流値を上昇させることができず、単電池11の充電が制限されやすくなる。
許容入力電流値は、以下に説明するように設定され、許容入力電流値の設定処理は、コントローラ30によって行われる。
組電池10の充放電履歴が無いとき、言い換えれば、組電池10の充放電を初めて行うとき、許容入力電流値Ilim[t]は、下記式(1)に基づいて算出される。
上記式(1)において、Ilim[0]は、充放電履歴が無い状態から充電したときにおいて、単位時間以内でのリチウム金属の析出を抑制できる最大の許容入力電流値である。許容入力電流値Ilim[0]は、実験などによって予め求めておくことができ、許容入力電流値Ilim[0]に関する情報は、メモリ31に記憶しておくことができる。
上記式(1)の右辺第2項は、電流値IB、電池温度TBおよびSOC(State of Charge)の関数Fとして表される。このため、電流値IB、電池温度TBおよびSOCを特定することにより、関数Fの値が算出される。ここで、電流値IB、電池温度TBおよびSOCとしては、時間tにおける値がそれぞれ用いられる。また、SOCとは、満充電容量に対する、現在の充電容量の割合を示す。
組電池10や単電池11のSOCは、公知の手法を用いて推定することができる。例えば、組電池10(単電池11)を充放電したときの電流値IBを積算することにより、組電池10(単電池11)のSOCを推定することができる。一方、OCVおよびSOCは、所定の対応関係にあるため、この対応関係を予め求めておけば、組電池10(単電池11)のOCVを測定することにより、OCVに対応したSOCを特定することができる。
充放電履歴が無い状態から時間tまで充電が継続されたとき、上記式(1)の右辺第2項の値は、単位時間当たりにおいて、許容入力電流値Ilimを減少させる量を示し、許容入力電流値Ilim[0]から減算される。一方、充放電履歴が無い状態から時間tまで放電が継続されたとき、上記式(1)の右辺第2項の値は、単位時間当たりにおいて、許容入力電流値Ilimを増加(回復)させる量を示し、許容入力電流値Ilim[0]に加算される。
上記式(1)の右辺第3項は、時間t、電池温度TBおよびSOCの関数Gとして表される。このため、時間t、電池温度TBおよびSOCを特定することにより、関数Gの値が算出される。ここで、電池温度TBおよびSOCとしては、時間tにおける値がそれぞれ用いられる。上記式(1)の右辺第3項の値は、組電池10を放置し続けているときに、単位時間当たりにおいて、許容入力電流値Ilimを増加(回復)させる量を示す。ここで、組電池10の放置とは、組電池10の充放電を停止している状態(非通電状態)である。
一方、組電池10の充放電履歴があるとき、言い換えれば、組電池10を充放電した後では、許容入力電流値Ilim[t]は、下記式(2)に基づいて算出される。
上記式(2)において、Ilim[t]は、時間t(今回)における許容入力電流値であり、Ilim[t−1]は、時間「t−1」(前回)における許容入力電流値である。上記式(2)の右辺第2項は、電流値IB、電池温度TBおよびSOCの関数fとして表される。
関数fは、電流値IB、電池温度TBおよびSOCに依存する。すなわち、上記式(2)の右辺第2項の値は、電流値IB、電池温度TBおよびSOCを特定することによって算出することができる。ここで、電流値IB、電池温度TBおよびSOCとしては、時間tにおける値がそれぞれ用いられる。
組電池10を充電したとき、上記式(2)の右辺第2項の値は、単位時間当たりにおいて、許容入力電流値Ilimを減少させる量(減少量)を示し、許容入力電流値Ilim[t−1]から減算される。上述したように、充電時の電流値IBは負の値となるため、許容入力電流値Ilimを減少させたときには、許容入力電流値Ilimが0[A]に近づく。
一方、組電池10を放電したとき、上記式(2)の右辺第2項の値は、単位時間当たりにおいて、許容入力電流値Ilimを増加(回復)させる量(回復量)を示し、許容入力電流値Ilim[t−1]に加算される。ここで、許容入力電流値Ilimを増加させたときには、許容入力電流値Ilimが0[A]から離れる。
上記式(2)の右辺第3項は、電池温度TBおよびSOCの関数gと、許容入力電流値Ilim[0],Ilim[t−1]とによって表される。また、上記式(3)に示すように、関数gは係数βとして表され、係数βは、電池温度TBおよびSOCに依存する。このため、係数β、電池温度TBおよびSOCの対応関係を示すマップを予め求めておくことにより、電池温度TBおよびSOCに対応した係数βを特定することができる。電池温度TBおよびSOCとしては、時間tにおける値がそれぞれ用いられる。
ここで、係数β、電池温度TBおよびSOCの対応関係を示すマップは、メモリ31に記憶しておくことができる。上記式(2)の右辺第3項の値は、組電池10を放置し続けたとき、単位時間当たりにおいて、許容入力電流値Ilimを増加(回復)させる量(回復量)を示す。上記式(2)の右辺第3項の値は、許容入力電流値Ilim[t−1]に対して加算される。
許容入力電流値Ilim[t]が0[A]であるときには、単電池11における負極活物質内のリチウムイオンが飽和状態となる。このため、「Ilim[0]−Ilim[t]」の値は、負極活物質内のリチウムイオンの量を示す。ここで、負極活物質中におけるリチウムイオンの量が減少することに応じて、上述した回復量を増加させることができる。
時間tにおける回復量は、時間「t−1」における回復量に依存し、時間「t−1」における回復量は、「Ilim[0]−Ilim[t−1]」で表される。ここで、上記式(2)の右辺第3項では、「Ilim[0]−Ilim[t−1]」の値を無次元化するために、「Ilim[0]−Ilim[t−1]」をIlim[0]で除算している。この除算した値に係数βを乗算することにより、単位時間当たりの回復量を得ることができる。
このように設定される許容入力電流値Ilim[t]を用いた本実施例の組電池10の充電電力の制限制御は、以下のように行うことができ、コントローラ30によって遂行される。
許容入力電流値Ilim[t]は、組電池10を充放電しているときや、組電池10を放置しているときに、所定の周期で算出される。すなわち、時間tおよび時間「t−1」の間隔に相当する所定時間が経過するたびに、許容入力電流値Ilim[t]が更新されることになる。ここで、許容入力電流値Ilim[t]は、組電池10の充電を制御するときだけに用いられる。
許容入力電流値Ilim[t]を算出した後、コントローラ30は、許容入力電流値Ilim[t]に基づいて、組電池10の入出力(充放電)を制御する。本実施例では、電力ベースの電池出力又は電池入力で組電池10の充放電(入出力)が制御され、コントローラ30は、許容入力電流値Ilim[t]に基づいて入力制限値Win[t]を設定し、設定された入力制限値Win[t]を用いて組電池10の入力電力を制御することができる。例えば、組電池10の入力を制御するときには、許容入力電流値Ilim[t]に基づいて入力制限値Win[t]が設定され、組電池10の入力電力が入力制限値Win[t]を超えないように、組電池10の入力電力が制御される。入力制限値Win[t]は、例えば、以下に説明するように設定することができる。
なお、組電池10の充放電電力の制限値についても、組電池10の放電時を正値とする一方で、充電時には負値で示す。つまり、出力制限値Woutは、0または正値であり(Wout≧0)、入力制限値Winは、0または負値である(Win≦0)。
図3は、リチウム析出抑制制御における組電池10の電流値IBと入出力電力との関係を示す図であり、組電池10の入力電力が許容入力電流値Ilim[t]に応じて制限される一例を示している。まず、コントローラ30は、許容入力電流値Ilim[t]に基づいて、入力電流制限値Itagを算出する。
入力電流制限値Itagは、入力制限値Win[t]を特定するための値である。具体的には、図3に示すように、コントローラ30は、許容入力電流値Ilim[t]を所定量だけ、0[A]の側にオフセットさせることにより、入力電流制限値Itagを算出する。これにより、入力電流制限値Itagは、許容入力電流値Ilim[t]よりも0[A]に近い値となり、組電池10の入力が制限されやすくなる。
このように、許容入力電流値Ilim[t]および入力電流制限値Itagの間にマージンを持たせることにより、電流値IBが許容入力電流値Ilim[t]を超えにくくすることができる。入力電流制限値Itagに基づいて、組電池10の入力を制御するときには、電流値IBが入力電流制限値Itagに到達したときに、組電池10の入力制限が開始される。ここで、制御遅れなどにより、電流値IBが入力電流制限値Itagを超えてしまっても、電流値IBが許容入力電流値Ilim[t]に到達することを抑制できる。
次に、コントローラ30は、入力電流制限値Itagに基づいて、入力制限値Win[t]を算出する。入力電流制限値Itagを設定すれば、入力制限値Win[t]を設定することができる。入力制限値Win[t]を設定したとき、コントローラ30は、組電池10の入力電力が入力制限値Win[t]以下となるように、モータ・ジェネレータ25のトルク指令を調整する。
例えば、入力制限値Win[t]は、下記式(4)に基づいて算出することができる。
上記式(4)において、SWin[t]は、組電池10の入力特性などを考慮して予め設定された入力制限値Winの上限値であり、図3に示したベース電力である。入力制限値SWin[t]に関する情報は、メモリ31に記憶しておくことができる。
入力制限値SWin[t]は、例えば、電池温度TBやSOCに応じて変更することができる。組電池10が高温になると、劣化を促進することが知られている。このため、高温時において入力制限値SWin[t]を高温になるに従って小さくなるように設定することができる。電池温度TBが高いときの充電は、充電効率が低下するとともに、充電効率低下に伴う温度上昇を考慮したことによるものである。
また、組電池10が低温時である場合、内部抵抗が増加する。このとき、大きな充電電流が流れると、組電池10の電圧値VBが上昇するため、組電池10及び通電部品の保護のために、低温時に大きな電流を流さないよう、電池温度TBが低くなるに従って入力制限値SWin[t]が小さくなるように設定することができる。
一方、組電池10のSOCが高くなると、充電効率の低下及び充電効率の低下に伴う反応熱による発熱などが生じる。これを抑制するために組電池10のSOCが高くなるに従って、入力制限値SWin[t]を小さく設定することができる。
このように入力制限値SWin[t]は、電池温度TBとSOCに応じて設定することができ、入力制限値SWin[t]と、電池温度TB(又は/及びSOC)との対応関係を予め求めておけば、電池温度TB(又は/及びSOC)を検出することにより、入力制限値SWin[t]を特定することができる。
本実施例では、組電池10の電池温度TBとSOCに応じて設定される入力制限値SWin[t]を組電池10の入力制限値のベース電力(上限値)として、許容入力電流値Ilim[t]に基づいた入力制限値Win[t]を算出している。つまり、コントローラ30は、ベース電力(入力制限値SWin)を組電池10の電池温度TB又は/及びSOCに応じて更新しながら、組電池10の電池入力を制御する第1入力制御と、許容入力電流値Ilim[t]を組電池10の充電状態に応じて更新しながら、許容入力電流値Ilim[t]を用いて設定される入力制限値Win[t]に基づいて組電池10の電池入力を制御する第2入力制御と、を遂行する。このため、入力制限値SWin[t]が組電池10に対して許容される入力電力の最大値(上限値)であり、許容入力電流値Ilim[t]に基づいて設定される入力制限値Win[t]は、ベース電力である入力制限値SWin[t]を超えない範囲で、さらに大きく(絶対値として小さく)制限された入力制限値である。
上記式(4)において、Kp,Kiは、予め設定されたゲインを示す。Itag1,Itag2は、入力電流制限値を示し、上述した入力電流制限値Itagに相当する。上記式(4)では、入力電流制限値Itagとして、2つの入力電流制限値Itag1,Itag2を設定している。ここで、入力電流制限値Itag1,Itag2は、互いに等しくてもよいし、互いに異ならせてもよい。
なお、上述した説明では、入力電流制限値Itagを設定しているが、これに限るものではない。具体的には、入力電流制限値Itagを設定せずに、許容入力電流値Ilim[t]に基づいて、入力制限値Win[t]を設定することもできる。
本実施例によれば、上記式(2)に示すように、単位時間当たりの減少量や、単位時間当たりの回復量を考慮して、許容入力電流値Ilim[t]を設定している。これにより、現在までの単電池10の充放電履歴を考慮した許容入力電流値Ilim[t]を設定することができる。そして、許容入力電流値Ilim[t]に基づいて設定される入力制限値Win[t]を用いて、組電池10の電池入力を制御することにより、負極電位が基準電池よりも低下してしまうことを抑制できる。
ここで、上記式(1)、(2)は、単電池11の劣化を考慮しないときの許容入力電流値Ilim[t]を示しており、単電池11(組電池10)の劣化度が考慮されていない。そこで、単電池11が、使用(充放電)によって劣化することを考慮し、単電池11の劣化を考慮した許容入力電流値Ilim[t]を設定することができる。単電池11の劣化を考慮した許容入力電流値Ilim_d[t]は、下記式(5)に基づいて算出することができる。
上記式(5)において、ηは劣化係数を示す。上記式(1)、(2)に示す許容入力電流値Ilim[t]に劣化係数ηを乗算することにより、単電池11の劣化を考慮した許容入力電流値Ilim_d[t]を特定することができる。ここで、劣化係数ηは、予め設定しておき、劣化係数ηに関する情報をメモリ31に記憶しておくことができる。
劣化係数ηは、許容入力電流値Ilim[t]を電池の劣化度Dに応じて補正する補正係数であり、例えば、単電池11の劣化度を用いて算出することができる。
図4は、劣化係数ηと劣化度Dとの関係を示す図である。劣化係数ηとしては、例えば、1よりも小さい値を用いることができる。単電池11の劣化が進行すると、リチウム金属が析出しやすくなることがあるため、単電池11の入力を制限することが好ましい。1よりも小さい値である劣化係数ηを用いれば、許容入力電流値Ilim_d[t]を許容入力電流値Ilim[t]よりも小さくすることができ、単電池11の入力を制限することができる。許容入力電流値Ilim_d[t]に基づいて、単電池11(組電池10)の入力を制御することにより、リチウム金属の析出を抑制しやすくなる。
図4の例では、劣化係数ηは、劣化度Daまでは一定値の劣化係数η2(<1)とし、劣化度Daから劣化度Dbまでは劣化度に応じて徐々に値が低くなるように設定されている(η1<η2<1)。また、劣化度Db以降は、劣化係数ηを、劣化係数η1で一定値とすることができる。
図4の例において、製造初期(使用初期)から劣化度Daまでは、劣化係数η2で同一の値を用いている。これは、組電池が劣化度Daまでは一定の機能を維持できることを前提として使用されるためであり、同一の劣化係数を用いることで安定した制御を行う。そして、劣化度Da以降は、組電池10の劣化度合いに応じて、劣化係数ηを徐々に低く変化させ、劣化度Db以降は、組電池10の充放電制御の破綻を防止するために、図4に示すように、組電池10の劣化が進んでも劣化係数ηをη1のままに固定して下限ガードする。なお、劣化度Dと劣化係数ηとの対応関係は、実測値や実験による測定値などに基づいて決定することができ、また、図4の例に限らず、リチウム金属の析出を抑制するために劣化度Dと劣化係数ηとの対応関係を適宜設定することができる。
本実施例では、劣化係数ηが大きい値程、電池劣化が小さく、劣化係数ηが小さい値程、電池劣化が大きくなる対応関係に設定されており、上記式(5)における、単電池11の劣化を考慮した許容入力電流値Ilim_d[t]は、電池劣化が小さい程、大きい値の劣化係数ηが適用されて値が大きくなり、電池劣化が大きい程、小さな値の劣化係数ηが適用されて値が小さくなる。
次に、本実施例の単電池11(組電池10)の劣化度を算出する方法について詳細に説明する。劣化度Dは、単電池11の劣化状態を特定するパラメータであり、単電池11(組電池10)の使用履歴に応じた劣化度合いを示す。本実施例の劣化度Dは、例えば、単電池11の使用期間中の使用環境毎の発生頻度を含む使用履歴を用いて算出することができる。
上述したように、センサによって検出される電圧値や電流値などの充放電履歴を用いて、組電池10の内部抵抗の増加率などをリアルタイムに把握し、組電池10の劣化状態を推定することができる。例えば、使用期間(使用年数)と内部抵抗の増加傾向とを予め実験等で把握しておくことで、組電池10の劣化状態を把握することができる。
しかしながら、センサによって検出される電圧値や電流値などの充放電履歴には、センサ誤差が含まれる。このため、組電池10の充放電履歴を用いた劣化推定では、組電池10の劣化度を把握できないことがある。
一方で、組電池10の劣化度合いを推定する要素、言い換えれば、劣化に影響を及ぼす要因として、組電池10の使用環境下の電池温度、SOC(電圧)、経過時間がある。劣化に影響を及ぼす要因に応じた組電池10の使用頻度、例えば、使用期間中にどのような電池温度の環境下で使用されていたのか、どのようなSOC状態の環境下で使用されていなのかを示す電池負荷に関する使用履歴を用いることで、組電池10の劣化度合いを精度良く把握することができる。
なお、使用期間とは、製造初期の段階から現時点までの期間である。また、使用期間には、充放電動作を行っている状態(例えば、車両のイグニッションスイッチがオン状態)と充放電動作を行っていない状態(例えば、車両のイグニッションスイッチがオフ状態)のそれぞれが含まれる。充放電動作を行っていなくても、例えば、電池温度が高い状態やSOCが高い状態の環境下では、組電池10の劣化が促進されてしまうからである。
図5は、本実施例の組電池10の使用履歴の一例を示す図であり、横軸は温度、縦軸は各温度での存在時間である。図5の例では、使用環境毎の発生頻度として、電池温度毎の発生頻度で構成された組電池10の使用履歴が示されている。例えば、温度センサ23で所定期間毎に電池温度を計測し、組電池10が晒された電池温度毎の存在時間を、組電池10の使用履歴として蓄積することができる。使用期間中の組電池10の総使用期間(T_total)は、図5に示す各電池温度の存在時間を積算した値となる。
コントローラ30は、温度センサ23で検出された電池温度と、タイマー32で検出された電池温度での存在時間を、使用履歴としてメモリ31に記憶することができる。例えば、温度T1からT7を設定しておき、検出された電池温度に対応する温度を判別し、判別された温度にタイマー32に検出された時間[hour]を、積算して使用履歴を生成(更新)することができる。なお、各温度頻度は、所定の温度領域を有するように設定することができる。例えば、温度t1からt2の範囲は、電池温度T1とみなして温度頻度T1の存在時間に含まれるように使用履歴を構成することもできる。
図6は、組電池10の電池温度毎の使用時間に対する満充電容量低下量の関係を示す図である。図6において、横軸は、各電池温度での存在時間の平方根(√存在時間)であり、縦軸は、組電池10の満充電容量の容量維持率である。満充電容量の容量維持率とは、製造初期の満充電容量に対する現在の満充電容量の割合であり、「容量維持率=現在の満充電容量/製造初期の満充電容量」で算出することができる。つまり、製造初期の満充電容量の容量維持率を1とした場合、現在の満充電容量の低下量(劣化度)は、「1−現在の容量維持率」となる。
また、図6に示すように、使用時間に対する満充電容量の低下量は、電池温度毎に異なるため、使用時間に対する満充電容量の低下量の関係は、各電池温度毎に異なる劣化挙動マップとして保持することができる。なお、図6に示した各電池温度毎に異なる使用時間に対する満充電容量の低下の劣化挙動は、予め実験等によって求めておくことができる。
図6において、温度領域T2の存在時間(温度頻度)を図5に示した使用履歴から把握できるので、温度領域T2の劣化挙動マップに対して使用期間中の温度領域T2の存在時間の平方根から、温度領域T2の存在時間に対する組電池10の現在の容量維持率Cap(T2)を算出することができる。このとき、温度領域T2の存在時間に基づく組電池10の劣化度D2は、製造初期からの満充電容量低下量ΔCap(T2)で表すことができ、「劣化度D2(ΔCap(T2))=1−Cap(T2)」で算出することができる。他の各温度領域T1,T3,T4・・・に対応するそれぞれの劣化度D1,D3,D4・・・も、使用履歴及び予め求められた各電池温度毎の使用時間に対する満充電容量低下の劣化挙動に基づいて算出することができる。
そして、本実施例では、使用履歴の各温度頻度毎に算出された劣化度D1からD7それぞれを統合して、組電池10全体の使用履歴に基づく劣化度Dを算出する。組電池10全体の使用履歴に基づく劣化度Dは、各温度領域での劣化度D1からD7が組電池10の総使用時間に対する各存在時間の割合で存在するものみなすことができる。そこで、各温度領域での劣化度に総使用時間に対する存在時間の割合を重み付け値として乗算し、重み付け値が適用された各電池温度での劣化度それぞれを加算した値を、組電池10全体の劣化度Dとして算出することができる。例えば、下記の式(6)のように求めることができる。式(6)において、nは、各電池温度に付された番号(温度頻度の個数)である。
図7は、組電池10の満充電容量の維持率(低下量)と現在の使用期間との関係を示す図である。図7において、横軸は、組電池10の使用期間(年数)であり、縦軸は、容量維持率である。
図7に示すように、組電池10の現在の容量維持率及び使用期間をプロットすることができ、製造初期の容量維持率(=1)から使用期間が長くなるほど、容量維持率が低下していることが分かる。そして、製造初期の容量維持率と現在の容量維持率との差分(ΔCap)が、組電池10の劣化度となっていることが把握できる。つまり、劣化度Dは、現在の使用時間に対する組電池10の容量維持率の低下量、言い換えれば、製造初期の満充電容量に対する組電池10の満充電容量低下量を表しており、製造初期の満充電容量から劣化度D(ΔCap)を差し引くことで、現在の満充電容量を算出することができる。図7に示す使用期間に対する満充電容量の容量維持率の変化は、組電池10の使用履歴に基づく劣化挙動マップとなる。
図8は、本実施例の組電池10の使用履歴を用いた劣化度Dの算出過程を説明するためのフローチャートである。
まず、コントローラ30は、車両のイグニッションスイッチがオンされた後からオフされるまでの期間、組電池10の電池温度TBを温度センサ23から取得する。このとき、タイマー32は、各電池温度での存在時間を計測する。コントローラ30は、取得された電池温度TB及び電池温度に対応する存在時間を、メモリ31に記憶されている使用履歴に反映する。なお、車両のイグニッションスイッチがオフされた後からオンされるまでの間の期間の電池温度TB及び電池温度に対応する存在時間を、使用履歴に反映することもできる。
コントローラ30は、メモリ31に記憶されている使用履歴を読み出す(S101)。次に、コントローラ30は、図6に示した電池温度毎の使用時間に対する満充電容量の劣化挙動マップを用いて、各温度頻度の存在時間に対応する容量維持率をそれぞれ算出する(S102)。
コントローラ30は、製造初期の容量維持率と各温度頻度に対応する容量維持率それぞれの差分、すなわち、各電池温度の存在時間に基づく組電池10の劣化度D(Tn)を算出する(S103)。コントローラ30は、上記式(6)に基づいて、各電池温度での劣化度D(Tn)に総使用時間T_totalに対する存在時間の割合を重み付け値として乗算し、重み付け値が適用された各電池温度での劣化度D(Tn)それぞれを加算した値を、組電池10全体の劣化度Dとして算出する(S104)。コントローラ30は、算出された劣化度Dと組電池10の総使用時間T_totalとを関連付けてメモリ31に記憶する。
このように算出された使用履歴に基づく劣化度Dは、上述したように、図4で示した組電池10の劣化係数ηと対応関係にあり、コントローラ30は、劣化度Dを用いて劣化を考慮した許容入力電流値Ilim_d[t]を特定することができる。
図8に示した本実施例の使用履歴を用いた劣化度Dの算出処理は、例えば、車両のイグニッションスイッチがオフされた後からオンされるまでの期間に任意のタイミングで行うことができる。車両のイグニッションスイッチがオンされた後からオフされるまでの組電池10の入出力の制御は、車両のイグニッションスイッチがオンされる前に算出された劣化Dを用いることができる。車両のイグニッションスイッチがオフされる度に、更新された使用履歴に基づいて新しい劣化度Dを算出され、車両のイグニッションスイッチがオンされた後の組電池10の入出力制御は、イグニッションスイッチがオフされるまでの期間、直近に算出された劣化度Dを用いて行うことができる。
また、車両のイグニッションスイッチがオンされた後の組電池10の入出力制御において、コントローラ30は、随時取得される電池温度TB等を用いて使用履歴を更新することができるので、組電池10の入出力制御に伴って所定のタイミングでリアルタイムに劣化度Dを算出するように構成することもできる。
また、上記説明では、劣化度Dは、電池温度毎の発生頻度(温度頻度)を組電池10の使用環境として含む使用履歴を用いて算出しているが、他の使用履歴を用いてもよい。つまり、組電池10の使用環境は、組電池10の電池温度、組電池10のSOC(充電容量)、又はSOC毎の温度を含むことができる。したがって、使用履歴は、電池温度毎の発生頻度、SOC毎の発生頻度、又はSOCそれぞれでの電池温度毎の発生頻度を含むことができる。また、1つまたは複数の使用環境の各使用履歴それぞれで組電池10の劣化度を算出し、算出された各劣化度を統合して劣化度Dを求めるように構成することもできる。
組電池10の使用環境下の電池温度、SOC(電圧)、経過時間などの劣化に影響を及ぼす電池負荷に関する使用履歴を用いることで、組電池10の劣化度合い精度良く把握することができるが、組電池10の使用期間中における過去から現在に至る使用履歴が使用できなくなると、充放電履歴に基づく劣化度推定とは異なり、劣化度推定自体ができなくなってしまうおそれがある。
例えば、コントローラ30が部品交換されたり、メモリ31に記憶されていた使用履歴が消去されてしまったりすると、使用履歴が喪失されてしまう。また、組電池10が交換された場合、メモリ31に記憶されている今まで劣化度Dの算出のために使用していた使用履歴は、交換前の組電池10の使用履歴であるため、使用できなくなる。また、複数の組電池10が接続された電池システムにおいて、少なくとも1つ以上の組電池10が交換された場合、各組電池10での使用環境が異なってしまうので、今まで使用していた使用履歴が使用できなくなる。
そこで、本実施例では、組電池10の使用履歴を用いた劣化度の推定において、組電池10の使用期間中の使用履歴が使用できなくなった場合でも、精度良く劣化度を算出して劣化度に応じた組電池10の入出力制御を適切に行えるようにする。
具体的には、コントローラ30は、組電池10の使用期間中の使用履歴が使用できなくなったか否かを判断する。例えば、コントローラ30の部品交換や組電池10の交換などが行われた場合、コントローラ30は、初期化動作を行う。この初期化動作に基づいて今までの使用履歴が使用できなくなったことを判断することができる。また、メモリ31内の使用履歴が消失していれば、使用履歴が使用できなくなったものと判断することができる。
コントローラ30は、今までの使用履歴が使用できなくなったと判断した場合、組電池10の充放電履歴から算出される満充電容量と、組電池10の使用期間と満充電容量の変化との関係を予め規定した所定の劣化挙動マップ(推定劣化情報に相当する)とを用い、組電池10の推定使用期間を算出する。そして、所定の劣化挙動マップに応じて予め規定された使用環境毎の推定発生頻度に基づいて、劣化度Dを算出するための推定使用期間での推定使用履歴を生成する。
図9は、組電池10の総使用期間と満充電容量の変化の関係を規定した劣化挙動マップの一例であり、横軸は使用時間、縦軸は満充電容量である。図9に示す劣化挙動マップは、実験的な使用履歴又は組電池10の実使用の使用履歴に基づいて予め規定された劣化挙動マップである。例えば、図7に示した実使用での組電池10の満充電容量の維持率(低下量)と現在の使用期間との関係のように、縦軸を満充電容量として図9に示す劣化挙動マップを作成することができる。
また、予め規定された劣化挙動マップは、1つ又は複数用意することができる。コントローラ30は、複数の劣化挙動マップの中から予め取得可能なユーザ情報(走行地域や走行環境など)に基づいて、適切な劣化挙動マップを抽出することができる。また、1つの同じ劣化挙動マップを一律に適用することもできる。この場合、様々な使用環境に対応するために、劣化に影響を及ぼす要因である組電池10の使用環境下の電池温度等が厳しい条件での劣化挙動マップ(例えば、高温環境下での電池温度頻度が高い劣化挙動マップ)を適用するように構成することもできる。
図9の例において、C0は、製造初期の満充電容量であり、C1は、現在の組電池10の満充電容量である。現在の組電池10の満充電容量C1は、組電池10の充放電履歴から算出することができる。組電池10の満充電容量は、例えば、「満充電容量=100÷(SOC_e−SOC_s)×電流積算値」で算出することができる。SOC_sは、電流積算を開始する際の組電池10のSOCであり、SOC_eは、電流積算を終了した際の組電池10のSOCである。電流積算値は、放電電流を正の値、充電電流を負の値として、SOC_sが算出されたときからSOC_eが算出されるまでの間の組電池10の充放電電流の積算した値である。
コントローラ30は、今までの使用履歴が使用できなくなった場合に、電池診断等による所定の放電動作を行わせて現在の満充電容量を算出したり、商用電源等の外部電源からの外部充電によって現在の満充電容量を算出することができる。また、電池交換等を伴わずに今までの使用履歴のみが喪失された場合、満充電容量推定処理を行わずに、メモリ31に記憶されている直近に算出された既存の満充電容量を現在の満充電容量C1として用いることができる。
コントローラ30は、今までの使用履歴が使用できなくなると、組電池10の現在の満充電容量を把握し、図9の劣化挙動マップに基づいて組電池10の推定使用期間を算出する。図9に示すように、充放電履歴に基づく組電池10の満充電容量C1から対応する組電池10の推定使用期間T_to1を算出することができる。
図10は、図9に示した所定の劣化挙動マップに対応する電池温度頻度の存在確率分布の一例を示す図である。上述したように、組電池10の総使用期間と満充電容量の変化の関係を規定した劣化挙動マップは、実験的な使用履歴又は組電池10の実使用の使用履歴に基づいて作成されているため、組電池10の使用期間中において各電池温度に晒される時間(存在時間)を予め把握することができる。
そこで、図10に示すように、図9に示した所定の劣化挙動マップに対応する電池温度頻度の存在確率を予め規定することができ、コントローラ30は、所定の劣化挙動マップから算出された推定使用期間T_to1と図10に示した電池温度頻度の存在確率P(推定発生頻度に相当する)に基づいて、推定使用期間T_to1での推定電池温度頻度(推定使用履歴)を生成する。
図11は、推定使用履歴の一例を示す図であり、各温度領域の存在時間は、P(n)×T_to1で算出することができる。図10及び図11に示すように、温度領域T3に対する存在確率がP3なので、温度領域T3の推定電池温度頻度は、P3×T_to1で算出される。同様に、温度領域T1,T2,T4・・・・の各推定温度頻度が、各温度頻度と推定使用期間T_to1との乗算で求めることができ、推定使用期間T_to1における各温度領域毎の推定発生頻度を含む推定使用履歴を生成することができる。
図12は、推定使用履歴を生成する処理を説明するフローチャートである。コントローラ30は、今までの使用履歴の喪失又は使用不可となっているか否かを判別する(S301)。上述のように、コントローラ30の部品交換やメモリ31内の使用履歴の消失、組電池10の交換などを判別して、今までの使用履歴が使用できなくなったか否かを判断する。
今までの使用履歴が使用できなくなったと判別された場合、コントローラ30は、組電池10の現在の満充電容量を取得又は算出する(S302)。コントローラ30は、電池診断等による所定の放電動作を行わせて現在の満充電容量C1を算出したり、メモリ31に記憶されている直近に算出された既存の満充電容量を現在の満充電容量C1を取得する。
コントローラ30は、メモリ31に記憶されている組電池10の総使用期間と満充電容量の変化の関係を予め規定した劣化挙動マップを用いて、組電池10の現在の満充電容量C1に対応する推定使用期間T_to1を算出する(S303)。
次に、コントローラ30は、推定使用期間T_to1を算出するために用いた劣化挙動マップに対応する電池温度頻度の存在確率分布を参照し、各電池温度頻度の存在確率を算出する(S304)。なお、存在確率は、予め決められた複数の各電池温度に対して存在確率分布から予め算出しておき、メモリ31に記憶しておくこともできる。
そして、コントローラ30は、推定使用期間T_to1と各電池温度頻度の存在確率Pに基づいて、推定使用期間T_to1での推定電池温度頻度を生成する(S305)。生成された推定電池温度頻度は、劣化度Dを算出するための推定使用履歴としてメモリ31に記憶される。
このように、組電池10の総使用期間と満充電容量の変化の関係を予め規定した劣化挙動マップ(推定劣化情報)を用いて、現在の満充電容量実測値に対応する推定使用期間を算出し、推定使用期間における推定使用履歴を算出する。このため、組電池10の使用期間中の実際の使用履歴が使用できなくなった場合でも、現在の満充電容量実測値に応じた推定使用履歴を用いて、精度良く劣化度Dを推定(算出)することができ、劣化度に応じた組電池10の入力を適切に制御することができる。
次に、本実施例の電池システムにおいて、組電池10の充放電を制御する処理について説明する。図13は、許容入力電流値Ilimを設定する処理を説明するフローチャートである。図13に示す処理は、コントローラ30によって実行される。
ステップS501において、コントローラ30は、電流センサ22の出力に基づいて、組電池10の電流値IBを検出する。また、コントローラ30は、温度センサ23の出力に基づいて、組電池10の温度TBを検出する。さらに、コントローラ30は、監視ユニット21の出力に基づいて、組電池10の電圧VBを検出する。ステップS502において、コントローラ30は、組電池10のSOCを推定する。SOCを推定する方法は、上述した通りである。
ステップS503において、コントローラ30は、組電池10の使用履歴を更新する。ステップS501で温度センサ23によって検出された電池温度TBと、タイマー32で検出された電池温度TBでの存在時間を、使用履歴としてメモリ31に記憶する。このとき、コントローラ30は、今までの使用期間中の組電池10の使用履歴又は使用履歴が使用できなくなった後の推定使用履歴に対して、検出された電池温度TBと電池温度TBでの存在時間を用いて更新する。
次に、コントローラ30は、ステップS504において、劣化度Dをメモリ31から取得し、劣化度Dを用いて、使用履歴に基づく組電池10の劣化係数ηを算出する(S505)。
ステップS506において、コントローラ30は、上記式(2)に基づいて、許容入力電流値Ilim[t]を算出する。許容入力電流値Ilim[t]は、組電池10を充放電しているときや、組電池10を放置しているときに、所定の周期で算出される。すなわち、時間tおよび時間「t−1」の間隔に相当する所定時間が経過するたびに、許容入力電流値Ilim[t]が更新されることになる。ここで、許容入力電流値Ilim[t]は、組電池10の充電を制御するときだけに用いられる。
ステップS507において、コントローラ30は、上記式(5)に基づいて、許容入力電流値Ilim_d[t]を算出する。ここで、上記式(5)に示す許容入力電流値Ilim[t]としては、ステップS506の処理で算出された許容入力電流値Ilim[t]が用いられる。また、劣化係数ηは、ステップS505で算出されたものが用いられる。
許容入力電流値Ilim_d[t]を算出した後、コントローラ30は、許容入力電流値Ilim_d[t]に基づいて、組電池10の入出力(充放電)を制御する。コントローラ30は、式(5)に示すように、許容入力電流値Ilim_d[t]に基づいて入力制限値(電力)Win[t]を設定し、組電池10の入力電力が設定された入力制限値Win[t]を超えないように、組電池10の入力を制御する。詳細については上述の通りである。
ここで、コントローラ30は、ステップS503において、組電池10の推定使用履歴を更新することができる。つまり、コントローラ30は、組電池10の使用環境を計測する温度センサ23等の計測装置の計測結果を用いて推定使用履歴に更新し、計測結果が反映された推定使用履歴に基づいて劣化度Dを算出する。このため、使用履歴喪失後は、推定された使用履歴に対して組電池10の使用環境の実測結果が反映され、組電池10の実使用における使用環境に応じて正確な劣化推定を行うことができる。
一方、推定使用履歴に組電池10の使用環境の実測結果が反映されるので、推定使用履歴での組電池10の使用期間が経過すればするほど、組電池10の実使用における使用環境に応じて正確な劣化推定を行うことができるようになるが、推定使用履歴が、組電池10の実使用における使用環境(電池温度頻度)と大きく相違している場合、劣化度Dを精度良く推定できない。つまり、推定使用履歴が、組電池10の使用環境の実測結果が反映さて実使用の環境下に近い使用履歴となるまで時間が掛かり、組電池10の実使用における使用環境(電池温度頻度)と乖離した劣化度Dが算出されることになる。
なお、使用履歴は、現時点から一定期間前までの所定期間内における実測結果を蓄積して生成することができる。つまり、使用履歴は、一定期間内に蓄積された電池温度の発生頻度で構成することができ、電池温度頻度が一定期間蓄積された後は、組電池10の使用環境の実測結果が反映される度に、一定期間よりも前の古い電池温度頻度が含まれないように、電池温度頻度を生成することができる。このように構成することで、使用環境の変化に応じて電池劣化を精度良く算出することができる。
また、一定期間内の電池温度頻度に限らず、製造初期から現時点までのすべての電池温度頻度を蓄積して生成することもできる。この場合、現時点から一定期間よりも前の古い電池温度頻度が、所定の割合で使用履歴に反映されるように使用履歴を生成することができる。過去の使用履歴も電池劣化に影響を及ぼすからである。
そこで、本実施例では、推定使用履歴と、その後の使用環境の実測結果とが所定以上乖離している場合、劣化度Dを算出するために生成した推定使用期間を生成し直すことで、組電池10の実使用の環境に適した劣化度Dを精度良く推定できるようにする。
図14は、推定使用履歴を構成する推定電池温度頻度と実測結果に基づく実測追加使用履歴との比較例を示す図である。なお、コントローラ30は、例えば、図13に示したステップS503において、推定使用履歴に計測結果を反映する処理に加え、計測結果が反映される前の推定使用履歴をメモリ31に保持しつつ、計測結果に基づく使用環境毎の発生頻度を含む追加使用履歴を別々に記憶することができる。
図14において、点線で示す温度頻度が使用環境の実測結果が反映される前の推定使用履歴であり、実線で示す温度頻度が、使用環境の実測結果のみに基づく追加使用履歴である。なお、横軸は電池温度、縦軸は存在時間である。
図14に示すように、使用環境の実測結果が反映される前の推定使用履歴は、温度T3から温度T5の温度頻度(存在時間)が大きい分布となっているが、追加使用履歴は、温度T2から温度T4の温度頻度(存在時間)が大きい分布となっている。このような温度頻度のバラツキを標準偏差などの統計処理によって算出し、使用環境の実測結果が反映される前の推定使用履歴の電池温度頻度と追加使用履歴の電池温度頻度が所定値以上異なる場合、コントローラ30は、使用環境の実測結果のみで構成される追加使用履歴に基づいて推定使用履歴を生成し直すように、再生成処理を行う。
コントローラ30は、使用環境の実測結果が反映される前の推定使用履歴の電池温度頻度と追加使用履歴の電池温度頻度とが所定値以上異なる場合に、追加使用履歴の電池温度頻度に対応した劣化挙動マップを用いて、組電池10の充放電履歴から算出される満充電容量に対応する推定使用期間(第1推定使用期間に相当する)を算出する。
図15は、使用環境の実測結果のみで構成される追加使用履歴に基づく劣化挙動マップを用いた組電池10の総使用時間の再算出例の一例を示す図である。図15において、実線が追加使用履歴の電池温度頻度での劣化挙動マップ1(第1推定劣化情報に相当する)を示し、一点鎖線が、使用環境の実測結果が反映される前の推定使用履歴を算出した際に用いた劣化挙動マップ2を示している。横軸は使用時間、縦軸は満充電容量である。
図15に示すように、劣化挙動マップ1は、劣化挙動マップ2と相違しており、組電池10の現在の満充電容量C2に対応する組電池10の推定使用期間が異なる。図5の例では、劣化挙動マップ1は、劣化挙動マップ2に比べて、使用時間が長くても満充電容量が低下し難い劣化挙動となっている。つまり、同じ満充電容量C2に対して組電池10の現在までの総使用期間の推定値において、劣化挙動マップ1のT_to3が劣化挙動マップ2のT_to2よりも長い。
このように本実施例では、追加使用履歴の電池温度頻度に対応した組電池10の使用期間と満充電容量の変化との関係を予め規定した劣化挙動マップ1を用いて、組電池10の充放電履歴から算出される満充電容量に対応する推定使用期間を再度算出し、図10で示した電池温度頻度の存在確率分布と同様に、劣化挙動マップ1に応じて予め規定された電池温度頻度の存在確率分布に基づいて、劣化度Dを算出するための推定使用履歴(第1推定使用履歴に相当する)を再生成する。
図16は、追加使用履歴に基づく総使用時間及び劣化挙動マップ1の電池温度頻度の存在確率分布に応じて新たに生成された推定使用履歴の一例を示す図である。コントローラ30は、算出された推定使用期間T_to3と劣化挙動マップ1に応じて予め規定された各電池温度頻度の存在確率Pに基づいて、推定使用期間T_to3での推定電池温度頻度を生成することができる。再生成された推定電池温度頻度は、劣化度Dを算出するための推定使用履歴としてメモリ31に記憶される。
図17は、追加使用履歴に基づいて推定使用履歴の再生成処理を説明するフローチャートである。図17に示すように、再生成処理は、追加使用履歴が所定値以上蓄積されたことをトリガーに(S701)、コントローラ30は、使用環境の実測結果が反映される前の推定使用履歴の電池温度頻度と追加使用履歴の電池温度頻度が所定値以上異なるか否かを判別する(S702)。ステップS701において、追加使用履歴が所定値以上蓄積されていない場合、つまり、劣化挙動マップ2に基づいて生成された推定使用履歴に対して更新される使用環境の実測結果が、所定値以上反映されていない場合は、再生成処理を行わない。追加使用履歴を構成する使用環境の実測結果に基づく電池温度頻度が少ない場合、組電池10の実使用の環境を精度良く判別できないからである。
追加使用履歴が所定値以上蓄積され、かつ使用環境の実測結果が反映される前の推定使用履歴の電池温度頻度と追加使用履歴の電池温度頻度が所定値以上異なる場合、コントローラ30は、図12に示したステップS302と同様に、組電池10の現在の満充電容量C2を取得又は算出する(S703)。
コントローラ30は、メモリ31に記憶されている組電池10の総使用期間と満充電容量の変化の関係を予め規定した複数の劣化挙動マップの中から、追加使用履歴の電池温度頻度に対応する電池温度頻度の存在確率分布を有する劣化挙動マップ1を抽出する(S704)。
コントローラ30は、抽出した追加使用履歴の電池温度頻度に対応する劣化挙動マップ1を用いて、組電池10の現在の満充電容量C2に対応する推定使用期間T_to3を算出する(S705)。
次に、コントローラ30は、推定使用期間T_to3を算出するために用いた劣化挙動マップ1に対応する電池温度頻度の存在確率分布を参照し、各電池温度頻度の存在確率を算出する(S706)。
そして、コントローラ30は、算出された推定使用期間T_to3と各電池温度頻度の存在確率Pに基づいて、推定使用期間T_to3での推定電池温度頻度を生成する(S707)。再生成された追加使用履歴に応じた推定電池温度頻度は、劣化度Dを算出するための推定使用履歴としてメモリ31に記憶される(S708)。
また、本実施例では、今までの組電池10の使用期間中の使用履歴が使用できなくなった場合、現在の満充電容量実測値に応じた推定使用履歴を用いて、精度良く劣化度Dを推定(算出)することができ、推定された劣化度に応じて組電池10の入出力を適切に制御することができるので、その後の組電池10の電池異常判定や余寿命判定を精度良く行うことができる。例えば、満充電容量実測値から得られた推定使用期間と車両の実使用期間とを比較し、推定使用期間が実使用期間よりも大きい場合、電池異常と判定することができる。また、推定使用期間と予め設定された組電池10の使用期間上限値とを比較して、組電池10の余寿命(例えば、どのくらいの期間で使用ができなくなるか)を判定することができる。電池異常や余寿命の判定結果は、車両に搭載されるディスプレイ装置や警告ランプ等を通じてユーザに通知することができる。
(実施例2)
図18は、実施例2の組電池10の充放電を制御する処理を示す図であり、使用履歴に基づく第1劣化度及び充放電履歴に基づく第2劣化度を用いて、許容入力電流値を設定する処理を説明するフローチャートである。
本実施例では、組電池10の充放電履歴に基づく劣化度Drを用いた劣化係数ηにおいて、上記実施例1の使用履歴に基づく劣化度Dを考慮して、劣化係数ηを算出する。
図18に示すように、コントローラ30は、ステップS901において、電流センサ22の出力に基づいて、組電池10の電流値IBを検出する。また、コントローラ30は、温度センサ23の出力に基づいて、組電池10の温度TBを検出する。さらに、コントローラ30は、監視ユニット21の出力に基づいて、組電池10の電圧VBを検出する。ステップS902において、コントローラ30は、組電池10のSOCを推定する。
ステップS903において、コントローラ30は、図13のステップS503と同様に、組電池10の使用履歴を更新する。ステップS904において、コントローラ30は、組電池10の使用年数を算出する。組電池10の使用年数は、例えば、使用年数0年(製造初期段階)を基準とし、タイマー32による時間計測処理で取得することができる。使用年数に関する情報は、適宜メモリ31に記憶(更新)することができる。コントローラ30は、メモリ31から使用年数(例えば、年単位)を取得する。
ステップS905において、コントローラ30は、検出された電流値IBおよび電圧値VBに基づいて、単電池11の内部抵抗Rを算出する。内部抵抗Rを算出する方法は、例えば、単電池11の内部抵抗Rは、単電池11の電流値IBおよび電圧値VBを検出することにより、推定することができる。
具体的には、電流値IBおよび電圧値VBを検出し、電流値および電圧値を座標軸とした座標系に、検出した電流値IBおよび電圧値VBをプロットする。そして、複数のプロットに近似する直線を算出すれば、この近似直線の傾きを単電池11の内部抵抗(内部抵抗算出値)Rとして算出することができる。
ステップS906において、コントローラ30は、算出された内部抵抗Rを用いて劣化度Drを算出する。図19は、単電池11(組電池10)の内部抵抗と劣化度Drとの関係を示す図である。単電池11は劣化すると、内部抵抗Rが増加することが知られており、例えば、使用年数0年の製造初期の状態における内部抵抗R0を基準とし、使用年数に応じた内部抵抗Rの増加と劣化度Drとを相関させることができる。図19において内部抵抗Rに対して付与される数字は、組電池10の使用年数(使用期間)を示している。
図19の例において、内部抵抗Rが増加するにつれて、劣化度Drも増加するように、例えば、各使用年数毎の内部抵抗Rそれぞれに対し、劣化度Drを関連付けた劣化パラメータマップを作成することができる。
次に、コントローラ30は、ステップS907において、使用履歴に基づく劣化度Dをメモリ31から取得し、充放電履歴に基づく劣化度Drと使用履歴に基づく劣化度Dとの乖離(差分)に基づいて補正値D´を算出し、劣化度Drに補正値D´を加算して組電池10の補正後の劣化度Dhを算出する(S908)。このとき、コントローラ30は、劣化度Drと劣化度Dとが所定値以上乖離しているか否かを判別し、所定値以上乖離していると判別された場合に補正後の劣化度Dhを算出するように構成してもよい。
図20は、充放電履歴に基づく劣化度Drに対して使用履歴に基づく劣化度Dを考慮した補正後の劣化度Dhの関係を示す図である。補正後の劣化度Dhは、充放電履歴に基づく劣化度Drに対して補正値D´が上乗せ(又は差し引かれる)ことで算出される。
劣化度の補正値D´は、例えば、劣化度Drと劣化度Dとの差分に応じて算出することができる。上述のように充放電履歴に基づく劣化度Drは、センサによって検出される電圧値や電流値などにセンサ誤差が含まれるため、例えば、劣化が進んでいるにも関わらず、劣化度Drが低く(又は高く)推定されることがある。
そこで、本実施例では、充放電履歴に基づく劣化度Drと使用履歴に基づく劣化度Dとの差分値に対し、劣化度の補正値D´を予め対応付けておく。そして、差分値が大きければ、補正値D´を大きくして劣化度Drに対する劣化推定を大きく補正する。また、差分値が小さければ、補正値D´を小さくして劣化度Drに対する劣化推定を小さく補正する。なお、充放電履歴に基づく劣化度Drと使用履歴に基づく劣化度Dとの差分値と劣化度の補正値D´とは、図7に示した実測値や実験などに基づいて予めマップとして設定しておくことができる。
ステップS909において、コントローラ30は、ステップS908で算出された劣化度Dhを用いて、組電池10の劣化係数ηを算出する。劣化係数ηは、図4に示した劣化度Dと劣化係数ηとの関係を用いて算出することができる。
なお、差分値が所定値以内の乖離である場合、補正値D´を反映しないで充放電履歴に基づく劣化度Drのみを用いて劣化係数ηを算出してもよい。
ステップS910において、コントローラ30は、図13のステップS506と同様に、上記式(2)に基づいて、許容入力電流値Ilim[t]を算出する。また、ステップS911において、コントローラ30は、図13のステップS507と同様に、上記式(4)に基づいて、許容入力電流値Ilim_d[t]を算出する。ここで、許容入力電流値Ilim_d[t]を求めるための劣化係数ηは、ステップS909で算出された値が用いられる。
許容入力電流値Ilim_d[t]を算出した後、コントローラ30は、許容入力電流値Ilim_d[t]に基づいて、組電池10の入出力(充放電)を制御する。コントローラ30は、式(5)に示すように、許容入力電流値Ilim_d[t]に基づいて組電池10の入力制限値(電力)Win[t]を設定し、組電池10の入力電力が、設定された入力制限値Win[t]を超えないように、組電池10の電池入力を制御する。
このように本実施例では、組電池10の劣化推定を複数の手法で行い、使用履歴に基づいて算出される第1劣化度と、充放電履歴に基づいて算出される第2劣化度とを比較し、たがいの劣化度が所定値以上乖離している場合は、劣化係数ηを算出するための劣化度を他方の劣化度との乖離度合いに応じて補正し、補正された劣化度Dhに応じて許容入力電流値を低下させるように、組電池10の入力を制御する。
つまり、本実施例では、許容入力電流値Ilim[t]を更新する際に、組電池10の劣化状態に応じて劣化係数η(<1)を適用して許容入力電流値Ilim[t]を低下させながら組電池10の充電(電池入力)を制御しつつ、充放電履歴に基づく劣化度(第2劣化度に相当する)と、使用履歴に基づく劣化度(第1劣化度)とに応じて、許容入力電流値Ilim[t]を低下させるときの低下率(劣化係数η)を変更する。このように構成することで、充放電履歴に基づく劣化度Drが低く推定された場合でも、使用履歴に基づく劣化度Dに応じて組電池10の劣化度を精度良く推定することができる。
なお、上記説明では、使用履歴に基づいて算出される第1劣化度Dと、充放電履歴に基づいて算出される第2劣化度Drとを比較し、互いの劣化度が所定値以上乖離している場合は、劣化度Drを補正して劣化度Dhを算出する態様について説明したが、劣化度Dを補正して劣化度Dhを算出するようにしてもよい。つまり、劣化係数ηを算出するための劣化度Dを他方の劣化度Drとの乖離度合いに応じて補正し、補正された劣化度Dhに応じて許容入力電流値を低下させるように、組電池10の入力を制御することができる。
また、上記説明では、充放電履歴に基づく組電池10の劣化推定方法として、組電池10の内部抵抗Rを用いた劣化推定を一例に説明したが、満充電容量、OCV(SOC変動に対する単電池11のOCV変動)などに基づいて算出される充放電履歴に基づく劣化推定を行うこともできる。
例えば、単電池11は劣化すると、満充電容量が小さくなるので、満充電容量が低下するにつれて、劣化度が増加するように、各使用年数毎の満充電容量それぞれに対し、劣化度を関連付けた劣化パラメータマップを作成することができる。また、SOCの変動幅に対するOCV変動の割合が増加するにつれて、劣化度が増加するように、各使用年数毎のSOCの変動幅に対するOCV変動の割合それぞれに対し、劣化度を関連付けた劣化パラメータマップを作成することができる。
なお、上述した実施例1,2において、車両に搭載された組電池10の劣化推定及び入力制御の一例を示したが、これに限るものではない。すなわち、リチウム金属の析出を抑制するために、リチウムイオン二次電池の充電を制御するシステムであれば、本発明を適用することができる。
また、組電池10を構成する単電池11としてリチウムイオン二次電池を例示したが、ニッケル水素二次電池などの他の二次電池においても、使用環境毎の発生頻度を含む使用履歴に基づいて劣化度を推定することができる。この場合、本発明を適用することで、組電池10の使用期間中の実際の使用履歴が使用できなくなった場合でも、推定使用履歴を用いて精度良く劣化度を推定(算出)することができる。
10:組電池
11:単電池
21:監視ユニット
22:電流センサ
23:温度センサ
24:インバータ
25:モータ・ジェネレータ
30:コントローラ
31:メモリ
PL:正極ライン、NL:負極ライン
C:コンデンサ
SMR−B,SMR−G,SMR−P:システムメインリレー
R:電流制限抵抗

Claims (8)

  1. 充放電を行う蓄電装置の使用期間中における使用環境毎の発生頻度を含む使用履歴を用いて前記蓄電装置の満充電容量の変化に基づく劣化度を推定し、前記劣化度に応じて前記蓄電装置の入出力を制御する制御装置であって、
    前記使用期間中の使用履歴が使用できなくなった場合に、
    前記蓄電装置の充放電履歴から算出される満充電容量と、前記蓄電装置の使用期間と満充電容量の変化との関係を予め規定した推定劣化情報とを用いて、前記蓄電装置の推定使用期間を算出し、
    前記推定劣化情報に応じて予め規定された使用環境毎の推定発生頻度に基づいて、前記劣化度を算出するための前記推定使用期間での推定使用履歴を生成することを特徴とする制御装置。
  2. 前記蓄電装置の使用環境を計測する計測装置の計測結果を用いて前記推定使用履歴を更新し、前記計測結果が反映された前記推定使用履歴に基づいて前記劣化度を算出することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記制御装置は、前記計測結果が反映される前の前記推定使用履歴と、前記計測結果に基づく前記使用環境毎の発生頻度を含む追加使用履歴とを比較し、互いの前記使用環境毎の発生頻度が所定値以上異なる場合に、前記追加使用履歴に基づいて前記推定使用履歴を生成し直すことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記制御装置は、前記計測結果が反映される前の前記推定使用履歴と前記追加使用履歴とが前記所定値以上異なる場合に、前記蓄電装置の充放電履歴から算出される満充電容量と、前記追加使用履歴の使用環境毎の発生頻度に対応し、前記推定劣化情報と相違する前記蓄電装置の使用期間と満充電容量の変化との関係を予め規定した第1推定劣化情報とを用いて、前記蓄電装置の第1推定使用期間を算出し、
    前記第1推定劣化情報に応じて予め規定された使用環境毎の推定発生頻度に基づいて、前記劣化度を算出するための前記第1推定使用期間での第1推定使用履歴を生成することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記使用環境は、前記蓄電装置の温度、前記蓄電装置の充電容量、又は前記充電容量毎の温度であり、
    前記使用履歴は、前記温度毎の発生頻度、前記充電容量毎の発生頻度、又は前記充電容量それぞれでの温度毎の発生頻度を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の制御装置。
  6. 前記蓄電装置は、非水二次電池であり、
    前記制御装置は、前記非水二次電池の入力を許容する最大の電流値である許容入力電流値を、前記劣化度に応じて低下させながら、前記非水二次電池の入力を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の制御装置。
  7. 前記制御装置は、前記使用履歴に基づく第1劣化度と、前記非水二次電池の充放電履歴に基づく第2劣化度とに応じて、前記許容入力電流値を低下させることを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
  8. 充放電を行う蓄電装置の使用期間中における使用環境毎の発生頻度を含む使用履歴を用いて前記蓄電装置の満充電容量の変化に基づく劣化度を算出し、前記劣化度に応じて前記蓄電装置の入出力を制御する制御方法であって、
    前記使用期間中の使用履歴が使用できなくなったか否かを判別するステップと、
    前記使用期間中の使用履歴が使用できなくなった場合に、前記蓄電装置の充放電履歴から算出される満充電容量と、前記蓄電装置の使用期間と満充電容量の変化との関係を予め規定した推定劣化情報とを用いて、前記蓄電装置の推定使用期間を算出するステップと、
    前記推定劣化情報に応じて予め規定された使用環境毎の推定発生頻度に基づいて、前記推定使用期間での推定使用履歴を生成するステップと、
    生成された前記推定使用履歴を用いて前記劣化度を算出し、算出された前記劣化度に応じて前記蓄電装置の入出力を制御するステップと、
    を含むことを特徴とする制御方法。
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