JP2015022150A - フォトマスク関連基板の洗浄方法及びフォトマスク関連基板の製造方法 - Google Patents

フォトマスク関連基板の洗浄方法及びフォトマスク関連基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】UV照射による洗浄処理能力を維持したままで、フォトマスク関連基板表面のヘイズの原因となるNH4+,SO42−,NO2−,NO3−等のイオンの量を低減する方法を提供する。【解決手段】フォトマスク関連基板にUVを照射するUV照射工程を含むフォトマスク関連基板の洗浄方法であって、前記UV照射工程を酸素濃度が5%以上15%以下の酸素を含有する雰囲気で行う。その後に水素水等の機能水を用いて、メガソニック洗浄又は高圧ノズルを用いた湿式洗浄を行うことにより、UV照射工程で分解した有機物等の異物を除去する。【選択図】なし

Description

本発明は、半導体集積回路、CCD(集荷結合素子)、LCD(液晶表示素子)、磁気ヘッド等の微細加工に用いられる、石英ガラス等の透明基板に代表されるフォトマスク関連基板の洗浄方法、及び該洗浄方法を洗浄工程として含むフォトマスク関連基板の製造方法に関する。
種々の用途に用いられる半導体集積回路は、集積度の向上や電力消費量の低減のため、より微細な回路設計が行われるようになってきている。また、これに伴い、回路を形成するためのフォトマスクを用いたリソグラフィー技術においても、より微細な像を得るため、露光光源に、より短波長の光が使われるようになり、現在の最先端の実用加工工程では、露光光源は、KrFエキシマレーザー光(248nm)からArFエキシマレーザー光(193nm)に移行している。
リソグラフィー技術に用いられるフォトマスクとしては、露光光をほぼ完全に遮断する遮光部を持つバイナリーマスクや、光を減衰させつつ光透過部に対して光の位相を反転させ、露光光の回折による明暗のコントラスト低下を防止するハーフトーン位相シフトマスク等が実用化されている。これらは石英ガラス等の透明基板上にクロム化合物や金属シリサイド化合物からなる薄膜が形成されているフォトマスクブランクにレジストパターンを形成し、このパターンをエッチングマスクとして上記薄膜をエッチングすることによって作られており、その製造工程、特にそのうちの洗浄工程においてUV照射処理が行われている。
フォトマスク関連基板の湿式洗浄の前にUV照射を行うことによって、基板主表面及び端面の有機物除去により濡れ性の改善ができ、湿式洗浄を容易にすることが特許文献1に開示されている。
特開2005−221929号公報
しかし、現在の最先端の実用加工工程では、露光光源として、KrFエキシマレーザー光より高いエネルギーのArFエキシマレーザー光が使われるようになり、これによりKrFエキシマレーザー光の使用では見られなかったマスクダメージがフォトマスクに生じることが判明した。このマスクダメージの1つとしては、フォトマスクを連続使用した際にフォトマスク上に異物状の成長欠陥の発生が挙げられる。この成長欠陥は、ヘイズと呼ばれ、その例としては、高いエネルギーのレーザー光が照射されたマスクパターン表面における硫酸アンモニウム結晶等の成長が挙げられる。
また、石英ガラス等の透明基板に代表されるフォトマスク関連基板のUV照射処理においてUV照射したときに効果を十分得るためには、発生するオゾンの濃度を十分確保する必要がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、UV照射による洗浄処理能力を維持したままで、フォトマスク関連基板表面のヘイズの原因となる物質を低減することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、
フォトマスク関連基板にUVを照射するUV照射工程を含むフォトマスク関連基板の洗浄方法であって、前記UV照射工程を酸素濃度が5%以上15%以下の酸素を含有する雰囲気で行うフォトマスク関連基板の洗浄方法を提供する。
このようなフォトマスク関連基板の洗浄方法であれば、UV照射による洗浄処理能力を維持したままで、フォトマスク関連基板表面のヘイズの原因となるNH ,SO 2−,NO ,NO 等のイオンの量を低減することができる。
このとき、前記UVとして波長が200nm以下のものを用いることが好ましい。
このような波長のUVであれば、UV照射工程時に効率よくオゾンを発生させることができる。
また、前記フォトマスク関連基板は、石英ガラスを用いたものとすることが好ましい。
このように本発明は、石英ガラスを用いたフォトマスク関連基板を効果的に洗浄することができる。
また、前記フォトマスク関連基板として、表面にクロムを含む膜を有するフォトマスク関連基板を洗浄することが好ましい。
このように本発明では、表面にクロムを含む膜を有するフォトマスク関連基板を洗浄することができる。
さらに、前記UV照射工程の後に湿式洗浄処理を行う工程を含むことが好ましい。
このように湿式洗浄処理を行うことで、フォトマスク関連基板表面のヘイズの原因となるイオンの量をより低減することができる。
このとき、前記湿式洗浄処理を水素水を用いて行うことが好ましい。
このような湿式洗浄処理であれば、フォトマスク関連基板表面のヘイズの原因となるイオンの量をさらに低減することができる。
さらに、本発明は、前記フォトマスク関連基板の洗浄方法を用いた洗浄工程を含むフォトマスク関連基板の製造方法を提供する。
このような製造方法であれば、基板表面のヘイズの原因となるNH ,SO 2−,NO ,NO 等のイオンの量が低減されるため、フォトマスクとして連続使用した際にヘイズの発生しにくいフォトマスク関連基板を製造できる。
以上説明したように、本発明のフォトマスク関連基板の洗浄方法であれば、UV照射による洗浄処理能力を維持したままで、フォトマスク関連基板表面のヘイズの原因となるNH ,SO 2−,NO ,NO 等のイオンを低減することができる。また、このような洗浄方法を洗浄工程として含むフォトマスク関連基板の製造方法であれば、フォトマスクとして連続使用した際にヘイズの発生しにくいフォトマスク関連基板を製造できる。
本発明で用いることのできる洗浄装置の一例を示す概略図である。 本発明で用いることのできる洗浄装置におけるUV照射ユニットの一例を示す概略図である。 本発明で用いることのできる洗浄装置におけるUV照射ユニットの別の一例を示す概略図である。 本発明の実施例における雰囲気中のオゾン濃度と酸素濃度の関係性を示すグラフである。 本発明の実施例におけるフォトマスクブランク表面のNH ,SO 2−,NO ,NO と酸素濃度の関係性を示すグラフである。
フォトマスク関連基板は特にその洗浄工程において、基板表面の有機物分解や、親水化の改質等の濡れ性の改善のためにUV照射が用いられている。これは、UVの照射により雰囲気中の酸素ガスからオゾンガスを生成することで上記の洗浄能力を得ている。また、高濃度のオゾンガスを生成するには、酸素濃度は低い方が望ましい。
しかし、酸素濃度を低減しすぎると、生成されたオゾンの作用によりSO 2−,NO ,NO といったヘイズの原因となるイオンの量が増えてしまう。
そこで、本発明者は、有機物分解に対する洗浄能力を持つオゾン濃度を保ちつつ、基板上のヘイズの原因となるNH ,SO 2−,NO ,NO 等のイオンの量を低減するUV照射条件、特に酸素供給条件について検討した結果、UV照射工程の雰囲気における酸素濃度を一定の範囲に調節することで、UV照射による基板表面の有機物分解や濡れ性の改善等の洗浄処理能力を維持したまま、基板表面におけるヘイズの原因となるNH ,SO 2−,NO ,NO などのイオンの量を低減できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
フォトマスク関連基板にUVを照射するUV照射工程を含むフォトマスク関連基板の洗浄方法であって、前記UV照射工程を酸素濃度が5%以上15%以下の酸素を含有する雰囲気で行うフォトマスク関連基板の洗浄方法である。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明のフォトマスク関連基板の洗浄方法は酸素濃度が5%以上15%未満の酸素を含有する雰囲気で行うUV照射工程を有することを特徴とする。UV照射工程において雰囲気中の酸素濃度が5%未満では、SO 2−,NO ,NO 等のイオンの量が増えてしまい、基板表面にヘイズが発生してしまう。また、酸素濃度が15%より高い場合、基板表面の有機物分解及び濡れ性の改善に十分なオゾン濃度を得ることができない。
また、上記のようなUV照射工程で濡れ性の改善を行うことにより、その後の工程として行うことのできる後述の湿式洗浄工程において、分解後の有機物等の異物の除去が容易になるだけでなく、湿式洗浄の乾燥処理において乾きムラを低減することができ、ヘイズの原因となるNH ,SO 2−,NO ,NO 等の表面残存イオンをより低減することができる。
また、上記UV照射工程はフォトマスク用の回路形成のためのレジスト塗布前に行うこともできる。レジスト塗布前に行うことによって、基板表面の濡れ性を改善させ、イオン量を低減することができ、特に化学増幅型レジストの現像後のパターンの裾引きやアンダーカットなどの形状の悪化を効果的に抑制し、現像性能を安定させることができる。
上記UV照射工程に用いるUVの光源の波長としては、酸素を活性化するのに十分なエネルギーを有しているものであればよいが、200nm以下の波長の光を用いるのが好ましく、より好ましくは175nm以下、特に好ましくは172nmである。UV照射光の波長を200nm以下とすることで、照射雰囲気中の酸素分子が光吸収する効率が急速に向上し、その結果、オゾンを効率よく発生させて雰囲気中のオゾン濃度を上昇させることができる。また、比較的小さな有機異物はUVを吸収して解離及び分解され、その後オゾンと反応して、揮発性反応生成物となり除去することができる。
このとき用いるUVランプとしては、低圧水銀ランプやエキシマUVランプ等を挙げることができ、エキシマUVランプが好ましい。
エキシマUVランプは、石英製ガラス管にキセノンガスを封入したランプでキセノンガスを高周波電力で励起、発光させるランプであり、175nm以下の波長を持つUVを照射することができる。このUVが酸素ガスに照射されると直接活性酸素が生成されるといわれており、同時に、高い濃度のオゾンが照射窓付近に発生し、そのオゾンを経由して活性酸素を生成する。この二つの反応により、低圧水銀ランプより多くの活性酸素を生成でき、活性酸素とUV自身のエネルギーにより、基板表面の有機物分解や、濡れ性の改善、特に親水化などの改質を行うことができる。
本発明で用いるフォトマスク関連基板は、フォトマスク用基板、そのフォトマスク用基板に1層以上の無機膜を成膜することにより得るフォトマスクブランク、そのフォトマスクブランクを加工してなるフォトマスク及び複数の無機膜を成膜してなるフォトマスクブランクを製造する途中工程のフォトマスクブランク製造中間体を含み、そのフォトマスクブランクにより加工する途中のフォトマスク製造中間体を含む。
フォトマスク用基板を具体的に述べると、石英ガラス、フッ化カルシウム等の露光光に対して透光性を持つ基板(透明基板)が挙げられる。
本願の洗浄方法を用いると、特に効果的に洗浄できるフォトマスク関連基板は、石英ガラス、石英ガラスを用いたフォトマスクブランク、またそのフォトマスク、及びそのフォトマスクブランク製造中間体、及びそのフォトマスク製造中間体である。
このようなフォトマスク関連基板として、表面にクロムを含む膜を有するフォトマスクブランク、またはそのフォトマスクブランク製造中間体がある。このクロムを含む膜としては、金属クロムや金属クロムに酸素、窒素、炭素のいずれかをすくなくとも含む膜、即ち、金属クロム、クロム酸化物、クロム窒化物、クロム炭化物、クロム酸化窒化物、クロム酸化炭化物、クロム窒化炭化物、クロム酸化窒化炭化物を含む膜を挙げることができる。
また、フォトマスク関連基板として、上記のフォトマスクブランク上に、典型的には電子線レジストを用いてパターン形成し、レジストパターンをエッチングマスクとしてドライエッチング又はウエットエッチングによってパターン転写したフォトマスク、あるいはその製造中間体を挙げることができる。
上記のフォトマスク関連基板から得られるフォトマスクとしては、バイナリーマスクでも、ハーフトーン位相シフトマスクでも、レベンソンマスクでも、前述した膜材料等によるパターンを有するものであれば、有用に適用し得る。
また、本発明では、上記UV照射工程の後に湿式洗浄処理を行う工程を含むことができる。湿式洗浄処理の方法としては、従来用いられている方法であれば特に限定されないが、被洗浄物の表面のSO 2−などのイオン量は低く抑制されることが好ましく、また、SO 2−源とならないように、製造中間体は極力硫酸イオンで汚染されない状態に洗浄されることが好ましい。表面の硫酸等の酸やアルカリ成分由来のイオンの残存量を低減させるためには、硫酸等の酸溶液を用いずに、水素水等の機能水を用いて、メガソニック洗浄又は高圧ノズルを用いた洗浄を行うことにより、UV照射工程で分解した有機物等の異物を除去することが好ましい。
このような洗浄方法によって洗浄されたフォトマスク関連基板は、UV照射により基板表面の有機物等の異物が除去されて、かつ、NH ,SO 2−,NO ,NO 等のイオンの量が低減されたものとなる。
上記洗浄方法を洗浄工程として含むフォトマスク関連基板の製造方法で用いる装置としては、例えば、図1に示されているようなフォトマスク関連基板PにUVを照射するUV照射工程を行うUV照射ユニット3と、UV照射工程の後にフォトマスク関連基板Pを湿式で洗浄する湿式洗浄工程を行う湿式洗浄ユニット4と、基板を搬送する搬送手段5とを有している洗浄装置1であることが好ましい。またさらに、UV照射工程の前に、フォトマスク関連基板Pの表面の異物をあらかじめ除去するための前処理工程を行う前処理ユニット2をもうけてもよい。
前処理ユニット2は、液体を用いた処理が可能なウエット処理ユニットや、気体を用いた処理が可能なエアーブローユニット等、前処理の方法に応じたものを、適宜選択することができる。
UV照射ユニット3は、設置床面に垂直に設けたランプハウス内に鉛直方向に配列されたランプを有し、被洗浄物であるフォトマスク関連基板Pをランプに対して上下方向に平行移動させる機構(基板移動機構)を有するものであることが好ましい。
このような装置1を用いてフォトマスク関連基板PにUVを照射させることによって、洗浄対象面内の清浄度及びその均一性を高めることができる。また、UV照射ユニット3では、異物を酸化分解し、その後最終薬液による処理を行うができるが、ここで用いられるUV照射ユニット3としては、フォトマスク関連基板の片側からのみUV光を照射するようにしてもよいが、両側からUV光を照射するようにしてもよい。例えば、図2に示されるUV照射室31の左右にUV照射ユニット30a,30bにランプハウス32及びUVランプ33を設けた縦型タイプで、基板搬送機構34で保持された基板Pを縦方向に処理し、分解された異物を自然落下させ、基板表面に残存させないタイプを使用することが望ましい。
このようなUV照射ユニット3では、UV照射室31内の基板P対向面に均一間隔で設けられた複数のガス供給部35a,35bから、酸素ガスを一定量含むエアーと不活性ガスの混合ガスをUV照射室31内に搬送された基板Pに向けて酸素濃度を調整しながら供給し、排気装置37a,37bによりガス排気経路部38a,38bを通じてガス排気部36から排出される構成とすることが好ましい。このような構成であれば、フォトマスク関連基板Pの洗浄後の表面の清浄度を容易に均一にすることができるため好ましい。
また、このようなUV照射ユニットは、図3に示されるようにUV照射室下部近傍に回転軸39a,39bを設けて、これらの回転軸を中心として、第1のUV照射ユニット30a側と第2のUV照射ユニット30b側を回動することで、UV照射室31内を左右に開放可能として、UVランプの交換等のメンテナンスを容易なものとした構成としてもよい。
上記洗浄装置1における湿式洗浄ユニット4は、従来の湿式洗浄に用いられているものを採用することができる。
また、基板Pを搬送する搬送手段5は、前処理ユニット2、UV照射ユニット3、湿式洗浄ユニット4の順に基板を搬送できるものであれば特に限定されない。例えば、上述のように、UV照射ユニット3を縦型タイプとし、上下方向に平行移動させる機構を設ける場合、搬送手段5を基板移動機構と一体化させてもよい。
本発明では、上記に例示される洗浄装置を用いて、次のように、フォトマスク関連基板の洗浄工程を行うことができる。
以下に、本発明の洗浄方法を洗浄工程として含むフォトマスク関連基板の製造方法を図1に示される洗浄装置1及び図2に示されるUV照射ユニット3を引用して説明する。
本発明のフォトマスク関連基板の製造方法の洗浄工程では、まず、前処理ユニット2で前処理を行うことが好ましい。
この前処理工程は、液体を用いたウエット処理や、気体を用いたガスブローで異物を除去する工程等、特に有機物からなる異物を除去する工程であれば、その方法は問わないが、純水のシャワー洗浄等の液を用いる湿式工程を用いると、フォトマスク関連基板が強く撥水性を示す場合はフォトマスク関連基板の表面ではじいてしまい、乾きムラ等が生じやすいため、純水等の液を用いない乾式工程が好ましい。
このうち、乾式工程としては、気体を用いたガスブローで行うのが好ましく、特に、エアー又はN等を用いた不活性ガスによるブローを行うのが好ましい。前記気体によるガスブローを行うときに被洗浄物であるフォトマスク関連基板をブローに対して相対的に回転又は前後に揺動すると、均一性よくブローできる。この時、さらにフォトマスク関連基板の表面を、例えば0.01μmのフィルターを内蔵したクリーンエアーガンによって0.3MPaの圧力で乾燥窒素を吹き付ける等して除電することによって、異物除去能を高めることができる。
このとき、清浄な気体を供給するため、フィルターを介してブローするのがよく、特に0.01μm以下のフィルターを介して、0.05〜0.7MPaの圧力により、10〜120L/min.の流量で行えばよい。
さらに、上記気体はブロー前に気体中の酸性ガス、アルカリ性ガス、有機ガスを除去することが好ましく、そのような場合にもフィルターを用いることができる。フィルターとしてはアニオン、カチオンを除去するフィルター及び、活性炭をフィルターとして用いることが好ましい。
その他に前処理工程としては、例えば超音波ドライクリーナーを用いて行ってもよい。超音波ドライクリーナーを用いると排気の問題が少なく、除去したパーティクルの再付着を低減することができる。
次に、UV照射ユニット3で、UV照射工程を行う。この工程では、雰囲気を酸素濃度が5%以上15%以下の酸素を含有するものとする。
このようにUV照射することによって表面の有機物が除去され、被洗浄物の表面は濡れ性が改善され親水性となる。
ガス供給部35a,35bから供給されるガスの総導入量は、10〜150(L/min.)であることが好ましい。総導入量をこのような量としてガス供給を行えば、UV照射室31内で発生したオゾン含有ガスが基板導入部(開口部)から漏れる心配もなく、装置内部の気流を乱す恐れもないので好ましい。ガスとしては所定の酸素濃度となるものであれば特に限定されず、不活性ガスとして窒素を酸素に混合したガス又は空気と窒素の混合ガスを用いてもよい。
また、ガス排気経路部38a,38bを通ってガス排出部36から排出されるガスの排出量は、上述したガスの総導入量に比例することとなるが、ガス総導入量の1.1〜3.0倍であることが好ましく、さらに好ましくは1.5〜2.0倍である。このような排出量とすれば、排気装置37a,37bの極近傍の開口部から基板搬送機構が装置内に入る構成とした場合にも、上記開口部より引き込まれた外部雰囲気が装置内へと進入することによる装置内の気流の乱れが生じることもない。
基板P表面への紫外線照射量は、単位面積当たり10mJ/cm以上であることが好ましい。UV照射を行う際のオゾン発生量はUV照射量に比例し、照射量が高ければ洗浄効果を上げることもできるが、10mJ/cm以上であれば、指定の酸素存在下でUVオゾン洗浄を行う際、十分な洗浄能力を確保するためのオゾン濃度が得られ、基板P表面に十分なオゾンを行き渡らせることができる。また、紫外線照射量を過度に上げ過ぎないよう、上限値としては、単位面積当たり41.5mJ/cm2以下の照射量とすることが好ましい。
UV照射工程の後には、湿式洗浄ユニット4で湿式洗浄が行われることが好ましい。
湿式洗浄の方法としては、前述の通りである。フォトマスク関連基板Pの表面のSO 2−をはじめとするイオン量は低く抑制されることが好ましく、また、SO 2−源とならないように、特に製造中間体は極力SO 2−で汚染されない状態に洗浄されることが好ましい。表面の硫酸等の酸やアルカリ成分由来のイオンの残存量を低減させるためには、硫酸等の酸溶液を用いずに、水素水等の機能水を用いて、メガソニック洗浄又は高圧ノズルを用いた洗浄を行うことにより、UV照射工程で分解した異物を除去することが好ましい。
このような洗浄工程を含むフォトマスク関連基板の製造方法であれば、UV照射により基板表面の有機物等の異物が除去されて、かつ、イオン量が低減されており、連続使用をしてもヘイズ等のマスクダメージが発生しにくい良好なフォトマスク及びその製造中間体を得ることができる。
上記フォトマスク関連基板の製造方法で得られる、石英ガラス等の透明基板に代表されるフォトマスク関連基板は、半導体集積回路、CCD(集荷結合素子)、LCD(液晶表示素子)、磁気ヘッド等の微細加工に用いられるものとして、好適に用いることができる。
以下、実施例、比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載によって限定されるものではない。
(実施例・比較例)
石英ガラスを材質とする1辺が152cm(6インチ)の正方形、厚み約6mm(0.25インチ)の基板に膜厚70nmのクロムと酸素と窒素からなる膜が成膜されたフォトマスクブランクを用意し、窒素と酸素の混合ガス中で流量10L/minの空気と窒素ガスの流量を調節することによって酸素濃度をかえて172nmの波長のUVランプを用いて単位面積当たり18mW/cmでUVを3分間照射した。このとき、雰囲気中のオゾン濃度を荏原実業(株)製のオゾン濃度計EG2001Bを用いて測定した。その結果を図4にしめす。
その後、フォトマスクブランクに以下の処理を行った。
1.水素水+MS(メガソニック): 180sec
2.DIW(脱気水 溶存酸素10%以下): 60sec
3.スピン乾燥: 1500rpm/30sec
上記の処理の後、イオンクロマトグラフィでCr表面のNO ,NO ,SO 2−,NH の量を測定した。具体的な条件は、下記のとおりである。
清浄な洗浄を施した石英セルに100mlの超純水を入れ、ヒータで温めながら80℃に保温した。この状態の超純水中に評価対象試料を浸漬し、120分間の浸漬の後に取り出した。そして、浸漬後の超純水を抽出液として、DEONEX製イオンクロマト分析機ICS−3000により各イオン量の測定を行った。尚、陰イオン測定には、同社製IonPac AS11−HCを、陽イオン測定には、同社製IonPac CS12Aを用いた。測定されたイオン量は単位換算して、抽出液1リットル中に含まれる各イオンの重量μg(μg/L)で表した。その測定値とUV照射工程時の酸素濃度の測定値との関係性をまとめた。その結果を図5に示す。
これよりUV照射工程において雰囲気中の酸素濃度を5%以上15%以下とすることによってオゾン濃度が十分高く、基板表面のNO ,NO ,SO 2−,NH を十分低減できることがわかった。
上記の結果から、本発明のフォトマスク関連基板の洗浄方法であれば、ヘイズの原因となるNH ,SO 2−,NO ,NO 等のイオンの量を低減できることが明らかになった。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…洗浄装置、 2…前処理ユニット、 3…UV照射ユニット、
4…湿式洗浄ユニット、 5、5a、5b、5c、5d…搬送手段、
30a…第一のUV照射ユニット、 30b…第二のUV照射ユニット、
31…UV照射室、 32…ランプハウス、 33…UVランプ、
34…基板搬送機構、35a、35b…ガス供給部、 36…ガス排出部、
37a、37b…排気装置、 38a、38b…ガス排気経路部、
39a、39b…回転軸、 P…フォトマスク関連基板。

Claims (7)

  1. フォトマスク関連基板にUVを照射するUV照射工程を含むフォトマスク関連基板の洗浄方法であって、前記UV照射工程を酸素濃度が5%以上15%以下の酸素を含有する雰囲気で行うことを特徴とするフォトマスク関連基板の洗浄方法。
  2. 前記UVとして波長が200nm以下のものを用いることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスク関連基板の洗浄方法。
  3. 前記フォトマスク関連基板は、石英ガラスを用いたものとすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフォトマスク関連基板の洗浄方法。
  4. 前記フォトマスク関連基板として、石英基板の表面にクロムを含む膜を有するフォトマスク関連基板を洗浄することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のフォトマスク関連基板の洗浄方法。
  5. 前記UV照射工程の後に湿式洗浄処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のフォトマスク関連基板の洗浄方法。
  6. 前記湿式洗浄処理を水素水を用いて行うことを特徴とする請求項5に記載のフォトマスク関連基板の洗浄方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のフォトマスク関連基板の洗浄方法を用いた洗浄工程を含むことを特徴とするフォトマスク関連基板の製造方法。
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