JP2010117403A - フォトマスク関連基板の洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォトマスク用基板、フォトマスクブランク、フォトマスクおよびそれらの製造中間体から選ばれるフォトマスク関連基板を洗浄した場合に、簡便な方法で硫酸イオンに対する洗浄効率を上げることができる洗浄方法を提供する。
【解決手段】硫酸イオンにより汚染された、フォトマスク用基板、フォトマスクブランク、フォトマスクおよびそれらの製造中間体から選ばれるフォトマスク関連基板を純水により洗浄するとき、該洗浄に用いる純水に、予め、溶存気体を脱気する脱気工程を行うフォトマスク関連基板の洗浄方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、フォトマスク用基板、フォトマスクブランク、フォトマスクおよびそれらの製造中間体から選ばれるフォトマスク関連基板の洗浄方法に関し、特にフォトマスク関連基板の表面に付着した硫酸イオンの除去に関するものである。
IC、LSI又はVLSI等の半導体集積回路の製造をはじめとして、広範囲な用途に用いられているフォトマスクは、基本的には透光性基板(フォトマスク用基板)上に金属または金属化合物を含む薄膜による遮光膜を成膜したフォトマスクブランクの該遮光膜を、電子線フォトリソグラフィー法等を用いて、所定の遮光膜パターンに加工することにより得られる。
近年では半導体集積回路の高集積化等の市場要求に伴ってパターンの微細化が急速に進み、これに対して露光工程でのレジスト解像度を上げるために、露光波長の短波長化及びレンズの開口数の増大を図ることにより対応している。
上記半導体集積回路の製造等に使用するフォトリソグラフィー法では、回路パターンをフォトレジストに焼き付ける原図として、露光光に対して透明な基板上に金属化合物による遮光部を形成したフォトマスクが使用される。
しかし、フォトマスクが極めて微細なパターンの露光に用いられてくると、極めて微細な異物及びヘイズ(くもり)も欠陥となるので、フォトマスク及びそれを製造する材料は、極めて清浄であることが求められる。
フォトマスクは、露光光をほぼ完全に遮断する遮光部を持つバイナリーマスクや、光を減衰させつつ光透過部に対して光の位相を反転させ、露光光の回折による明暗のコントラスト低下を防止するハーフトーン位相シフトマスク等が実用化されているが、これらは石英やCaF等の透明基板上にクロム化合物や金属シリサイド化合物の遮光部を持つものである。
またフォトマスクは、上記のような透明基板に、上記の遮光膜材料の薄膜を成膜し、それに電子線リソグラフィー法等によりレジストパターンを形成し、エッチングにより遮光材料へパターンを転写するといった手順で製造されるが、上記の通り、極めて高い清浄度を求められることから、各工程においては厳密な洗浄が行われる。
ところが、露光光としてArFエキシマレーザー光のような高エネルギー線を使用すると、基板に残留していた硫酸イオンとアンモニウムイオンより硫酸アンモニウムの微結晶が生成し、これがパーティクルとなって欠陥としてカウントされる現象が見出され、問題となっている(例えば特許文献1参照)。
特開2005−202135号公報
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、フォトマスク用基板、フォトマスクブランク、フォトマスクおよびそれらの製造中間体から選ばれるフォトマスク関連基板を洗浄した場合に、簡便な方法で硫酸イオンに対する洗浄効率を上げることができる洗浄方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、硫酸イオンにより汚染された、フォトマスク用基板、フォトマスクブランク、フォトマスクおよびそれらの製造中間体から選ばれるフォトマスク関連基板を純水により洗浄するとき、該洗浄に用いる純水に、予め、溶存気体を脱気する脱気工程を行うことを特徴とするフォトマスク関連基板の洗浄方法を提供する(請求項1)。
このような本発明のフォトマスク関連基板の洗浄方法であれば、硫酸イオンにより汚染されたフォトマスク関連基板を純水で洗浄するとき、洗浄に用いる純水に、予め、溶存気体を脱気する脱気工程を行うので、洗浄液として脱気した純水を供給でき、例えば、大気中の二酸化硫黄等を原因としてフォトマスク関連基板の表面に付着した硫酸イオンを効率良く除去することが可能である。しかも簡便に行うことができる。
従来、硫酸イオン除去のために純水を加温する方法も用いられてきたが、本発明であれば、わざわざ硫酸イオンを加温せずとも、硫酸イオンを十分に除去可能である。
したがって、特には硫酸イオンを起因とするパーティクルの発生を著しく抑制することができ、高品質のフォトマスク関連基板を提供することが可能である。
特には、前記純水により洗浄するフォトマスク関連基板を、硫酸または硫酸塩を含有する材料で処理したものとすることができる(請求項2)。
このように、まず、純水により洗浄するフォトマスク関連基板を硫酸または硫酸塩を含有する材料で処理するので、フォトマスク関連基板の表面の有機物等をコストをかけずに効果的に洗浄することができる。
そして、このような硫酸または硫酸塩を含有する材料で処理したフォトマスク関連基板に対しても本発明の洗浄方法は有効であり、硫酸等の残渣によって基板表面に硫酸イオンが付着していても、その硫酸イオンを効率良く除去することが可能である。
このとき、前記純水による洗浄を行うとき、前記フォトマスク関連基板に純水をかけ流して洗浄するのが好ましい(請求項3)。
脱気工程を行った純水は、脱気後に空気あるいはその他の気体にふれる時間がなるべく短い状態で洗浄に使用されることが好ましい。そこで、このようなかけ流しによる洗浄を行えば、空気等にふれる時間も低減され、硫酸イオンを効率良く除去するという溶存気体の脱気によって得られる効果を有効に利用することができ、より洗浄効率を向上させることができる。
また、前記脱気工程を、気液分離膜を用いて行うのが好ましい(請求項4)。
このように、気液分離膜を用いて脱気工程を行うのであれば、パーティクルやイオンによって汚染を受けにくく、かつ効率的に多量の純水を脱気することができる。
そして、前記脱気工程を行い、前記洗浄に用いる純水の溶存酸素濃度を1ppm以下とするのが好ましい(請求項5)。
溶存気体の脱気状態の目安として、溶存酸素を指標とすることができる。通常、純水に特別の処理をしない場合には溶存酸素濃度は8ppm程度であるが、脱気工程を行って1ppm以下とすることにより、より効果的に硫酸イオンを除去することが可能である。
また、前記洗浄に用いる純水に、さらに、濾過フィルタを用いて異物を除去する異物除去工程を行うことができる(請求項6)。
このような濾過フィルタを用いた異物除去工程をさらに行えば、純水中に含まれる微細な異物を除去することができ、洗浄後の基板において、これらの異物を起因とする欠陥の発生も抑制することができる。
このような本発明のフォトマスク関連基板の洗浄方法によって、硫酸イオンで汚染されたフォトマスク関連基板に対して、前記純水による洗浄を行い、前記フォトマスク関連基板の表面に付着した硫酸イオンを除去することができる。しかも、効率良く簡便に除去することができる。
本発明のフォトマスク関連基板の洗浄方法であれば、大気中の二酸化硫黄等を原因としたり、硫酸等による処理を行った後のフォトマスク関連基板の表面に付着し、除去が難しい硫酸イオンを、簡便な方法によって効率的に除去することが可能である。
以下では、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
フォトマスクにArFエキシマレーザー光が照射されると、硫酸イオンで汚染されている場合、硫酸アンモニウムの微結晶が形成されて欠陥となる。この硫酸イオンの由来は必ずしも特定されていないが、フォトマスクの表面の硫酸イオン量は低く抑制されることが好ましく、また、硫酸イオン源とならないように、製造中間体は極力硫酸イオンで汚染されない状態に洗浄されることが好ましい。
一方、本発明者がこの硫酸イオンについて鋭意研究を行ったところ、雰囲気に含まれる酸性ガスの制御を行っているクリーンルーム内でも、石英基板を保管した場合には硫酸イオン量の増加は見られないものの、特には、クロム系材料膜や金属シリサイド系の膜を成膜したフォトマスク関連基板を保管した場合には、一旦清浄にしたものでも経時的に硫酸イオンが表面から観測されることが分かった。
そこで、硫酸イオンによる汚染の少ないフォトマスクを得るためには、フォトマスクブランクの製造中間体を含め、製造工程の各段階で硫酸イオンを除去するための洗浄操作を行うことが好ましい。
この硫酸イオンは、一旦付着してしまうと除去しにくいことはよく知られている。例えば特開2004−53817号公報では、加温した純水による洗浄が効果的であることを開示しているが、本発明者の調査によると、洗浄水を加温すると硫酸イオンとは別の原因でパーティクル汚染を引き起こす場合が生じてしまう。
一方、フォトマスク関連基板の表面に付着した有機物等の異物を簡便に除去するには、硫酸または硫酸塩を含有する材料で処理するのが有効である。
そこで、本発明者は、大気中の二酸化硫黄などや、また、硫酸や硫酸塩を含有する材料で基板表面の処理を行って有機物等の異物の除去を行った後の残渣が、基板表面に付着している硫酸イオンの由来の例として考えられるとし、特に、上記硫酸等による処理後の純水による洗浄に着目した。
そして、試行錯誤の結果、純水中の溶存気体を前もって脱気し、該脱気した純水を用いて基板を洗浄することによって、基板表面の硫酸イオンを除去して低減することができることを見出し、本発明を完成させた。
以下では、本発明のフォトマスク関連基板の洗浄方法について、図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、本発明のフォトマスク関連基板の洗浄方法を実施するときに用いることができる純水を用いた洗浄システムについて説明する。
図1に、その洗浄システムの一例の概略を示す。なお、硫酸や硫酸塩を含有する材料でフォトマスク関連基板の表面処理・洗浄を施すための表面処理装置を併せて示す。
なお、フォトマスク関連基板とは、フォトマスク用基板、フォトマスクブランク、フォトマスクおよびそれらの製造中間体から選ばれるものである。
より具体的には、フォトマスクを製造するための石英、フッ化カルシウム等の露光光に対して透明なフォトマスク用基板およびそれから加工された基板が挙げられる。
また、遷移金属化合物、特にクロム、チタン、タングステン、タンタル、ニオブ等の金属酸化物、金属酸化窒化物、金属酸化炭化物、金属窒化物、金属窒化炭化物、金属炭化物、金属酸化窒化炭化物等の金属化合物系材料膜を透明基板上に成膜したフォトマスクブランク、またはその製造中間体を挙げることができる。
また、同様に、遷移金属とケイ素を含有する化合物、特にモリブデンやジルコニウム、タンタル、チタンを含有するケイ素酸化物、ケイ素酸化窒化異物、ケイ素酸化炭化物、ケイ素窒化物、ケイ素窒化炭化物、ケイ素酸化窒化炭化物等の遷移金属ケイ素化合物材料膜を透明基板上に成膜したフォトマスクブランクまたはその製造中間体を挙げることができる。
更に同様に、ケイ素酸化物、ケイ素酸化窒化異物、ケイ素酸化炭化物、ケイ素窒化物、ケイ素窒化炭化物、ケイ素酸化窒化炭化物等のケイ素化合物膜を透明基板上に成膜したフォトマスクブランクまたはその製造中間体を挙げることができる。
また、上記フォトマスクブランク上に、典型的には電子線レジストを用いてパターン形成し、レジストパターンをエッチングマスクとしてドライエッチングあるいはウェットエッチングによってパターン転写したフォトマスクあるいはその製造中間体の洗浄に対しても本発明の洗浄方法は好ましく適用し得る。
対象となるフォトマスクは、バイナリーマスクでも、ハーフトーン位相シフトマスクでも、レベンソンマスクでも、前述した膜材料等によるパターンを有するものであれば、有用に適用し得る。
図1に示すように、この洗浄システム1は、主に、フォトマスク関連基板を洗浄するのに用いる純水を製造する純水製造装置2、製造された純水中の溶存気体を脱気する脱気装置3、純水中の微細な異物を除去する濾過フィルタ4、純水をフォトマスク関連基板へ噴出するノズル(ユースポイント)を有している。
なお、図1では、脱気装置3を通してから濾過フィルタ4を経てユースポイントへ純水が供給されるように構成されているが、この脱気装置3と濾過フィルタ4の配置を逆にすることも可能である。
ここで、純水製造装置2は特に限定されず、例えば、フォトマスク関連基板の洗浄に用いる一般的な純水製造装置を用いることができる。典型的には、イオン交換装置、逆浸透装置、UV照射装置、脱泡装置を備えたものとすることができる。この純水製造装置2により、いわゆる超純水を製造することができる。
また、脱気装置3も特に限定されず、基本的には、脱気できるとともに純水の清浄度が守れる脱気装置であれば、何れのものを用いても良いが、図1に示すような純水の供給ライン中に容易に組み込むことができ、連続で脱気できるものが好ましい。
例えば、純水が直接減圧雰囲気中を通過することによって脱気が行われる真空脱気装置であれば、溶存酸素を0.5ppm程度まで低下させる程度に脱気することができる。また、槽内を減圧した状態で、超音波をかけつつ純水を通過させるものであれば、更に効率的に脱気することができる。
さらに、最も効率的に脱気可能なものとして、気液分離膜を備えた脱気装置が挙げられる。この気液分離膜による脱気装置の概略としては、例えば、図1に示すような、気液分離膜である中空糸膜6、該中空糸を囲う槽7、該槽内を減圧するための真空ポンプ8を備えたものが一例として挙げられる。この装置によって、槽7の内部の雰囲気を真空ポンプ8によって減圧するとともに、中空糸膜6の中に純水を流し、純水中から溶存気体を脱気することが可能である。
中空糸を用いるモデュールが市販されており、気液分離膜の材質としては、ポリオレフィン、フッ素化ポリオレフィン、シリコーン等が用いられている。条件に合わせてその都度適切なものを選択することができる。
このような気液分離膜を用いた装置によって、例えば溶存酸素濃度であれば、0.1ppm以下にも下げることが可能である。
そして、濾過フィルタ4は、純水中の微細な異物を取り除くことができるものであれば良く、特に限定されない。例えば市販のものを用いることができる。発塵等生じ難いものを適宜選択することができる。
このように、洗浄システム1は、以上のような各装置を経て、ユースポイントから被洗浄基板であるフォトマスク関連基板へ純水を供給するものであるが、上記の装置のみに限定されず、必要に応じてさらに適切な装置を追加することができる。例えば、この洗浄システム1を通過中に純水中に発生した微細な気泡を系外へと排除するために、気液分離器や間歇弁等を配置することも可能である。
なお、このような洗浄システム1により洗浄されるフォトマスク関連基板は、例えば、大気中の二酸化硫黄によって表面が硫酸イオンにより汚染されたものや、図1に示す表面処理装置5において、予め、硫酸等によりその表面を処理されたものである。表面処理装置5は特に限定されず、フォトマスク関連基板に対して通常行われる、硫酸または硫酸塩を含有する材料を用いた表面処理を行うことができるものであれば良い。
次に、本発明のフォトマスク関連基板の洗浄方法について説明する。
ここでは、図1に示す洗浄システム1を用いた洗浄方法について説明するが、本発明はこれに限定されない。
少なくとも、被洗浄基板であるフォトマスク関連基板が硫酸イオンにより汚染されており、脱気工程を行って溶存気体を脱気した純水を用いて洗浄を行えば良い。
一例として、フォトマスク関連基板の表面を硫酸や、硫酸塩を含有する材料で処理し、その残渣等により硫酸イオンに汚染されたものを脱気水を用いて洗浄することができ、必要であれば、さらに他の処理を追加することができる。例えば、硫酸等による処理を施し、従来のような単に純水による洗浄等を行った後、さらに脱気した純水による洗浄を行うこともできる。
以下では、上記のように硫酸等により処理した後に、脱気水を用いて洗浄を行った場合について説明する。しかしながら、この他、例えば、大気中の二酸化硫黄を原因として表面が硫酸イオンにより汚染されたフォトマスク関連基板を脱気水により洗浄する方法等も本発明として挙げられる。
まず、被洗浄基板であるフォトマスク関連基板を用意する。
このフォトマスク関連基板は上述したものが挙げられ、表面処理装置5によって、硫酸または硫酸塩を含有する材料で表面処理を施す。このように、硫酸等によって表面処理を施すことにより、例えば、レジスト膜の剥離や表面に付着した有機物等の除去を効率的に行うことが可能である。
そして、上記のような表面処理を施した後、洗浄システム1へフォトマスク関連基板を搬送し、後述する方法で洗浄液として用意した純水により仕上げ洗浄を行う。
以下では、洗浄システム1を用いた洗浄について述べる。
まず、純水製造装置2によって、イオン交換等を経ていわゆる超純水を用意する。
この後、製造された純水を脱気装置3に送り、純水中の溶存気体を脱気する(脱気工程)。この溶存気体の脱気方法は限定されないが、特には気液分離膜を用いて行うのが好ましい。
気液分離膜である中空糸膜6の中に純水を流し、膜に沿って通過させ、このとき、槽7の内部の雰囲気を真空ポンプ8によって減圧することにより、中空糸膜6の中を通過する純水中から溶存気体を脱気することが可能である。
このように気液分離膜を用いて溶存気体を脱気すれば、例えば、常態では8ppm程度含有する溶存酸素濃度を、真空ポンプ8として水流式のものを用いて減圧すれば1ppm以下、さらには、オイルポンプ等の高性能のものを用いれば一層減圧することができ、溶存酸素濃度を0.1ppm以下にまで下げることが可能である。しかも、パーティクル等の汚染を受けにくく、効率良く多量の純水の脱気処理を施すことができる。
そして、特に脱気状態を溶存酸素濃度で制御した場合、0.1ppm以下とすることによって、硫酸イオンを著しく除去することができる。
また、上記のような気液分離膜を用いた脱気方法の他、純水を、雰囲気を減圧した槽内を通過させたり、さらに超音波をかけつつ減圧した槽内を通過させることによっても脱気することが可能である。
また、これらの脱気方法を組み合わすことも可能である。
次に、脱気した純水を濾過フィルタ4を用い、純水中に含まれる微細な異物を除去する(異物除去工程)。これによって、この微細異物を起因とするパーティクルの発生を抑制することが可能である。濾過フィルタ4を用いた従来と同様の異物の除去方法を行うことができる。
なお、図1に示すように脱気工程後に異物の除去のための濾過工程を行うのが好ましいが、この順序に限定されるわけではなく、逆の順としてもよい。
以上のようにして、少なくとも、予め、溶存気体を脱気した純水をノズルに供給し、該ノズルから噴射することにより、先に硫酸等による処理を施したフォトマスク関連基板の洗浄を行う。
このとき、フォトマスク関連基板に直接純水をかけ流せば、脱気されてノズルから噴射される純水を、空気あるいはその他の気体に触れる時間が短い状態で基板に噴射し、洗浄を行うことができる。つまり、脱気後、溶存気体の量が少ないままの状態で基板を洗浄することが可能である。したがって、脱気することによって得られる硫酸イオンの除去の効果を一層高めることができる。
この純水のかけ流しによってフォトマスク関連基板の洗浄を行う場合、30秒〜20分程度のかけ流しで行うことが好ましく、より好ましくは2分から20分である。
なお、当然、直接ノズルからかけ流す洗浄方法に限定されず、例えば、槽内に純水を噴出し、貯めた純水中に浸すことによりフォトマスク関連基板の洗浄を行っても良い。
以上のような本発明の洗浄方法によって、硫酸等により表面処理を行ったフォトマスク関連基板の表面に付着した硫酸イオンを効率良く除去することが可能である。しかも洗浄液としての純水に脱気工程を前もって行うだけで良いので極めて簡単である。
これにより、表面に存在する硫酸イオンを起因として、硫酸アンモニウム等のパーティクルの発生を抑制することができ、高品質のフォトマスク関連基板を提供することが可能になる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
(実施例1)
テスト基板として以下のものを用意した。
152mm角の石英基板に最表面が酸化窒化クロム膜である遮光膜が成膜されたフォトマスクブランクを用い、硫酸洗浄を行った後、アンモニア水を添加した水素水(pH10)を用いて洗浄し、更に脱気処理していない純水でリンスした基板を用意した。更にこれを4カ月間、樹脂性ブランク容器に収納し、クリーンルームで保管した。
図1の洗浄システム1を用いて基板の洗浄を行う。
純水製造装置とノズルを備えたスピン洗浄乾燥器の間に、脱気装置および濾過フィルタをつないだ純水供給ラインを用いた。
なお、脱気装置として、DIC社製SEPAREL EF−040P(中空糸材質:ポリ−4メチルペンテン)を用いた。
真空ポンプによる雰囲気の減圧を行ったところ、スピン乾燥機ノズルから得られる純水の酸素含有量は0.01ppm(東亜ディーケーケー社製DO−32Aを用いて測定)であり、水温は30℃であった。
また、濾過フィルタはインテグリス社製クイックチェンジPlus1500(孔径0.02〜0.05μm)を使用した。
このような洗浄システム1を用い、本発明の洗浄方法を実施した。
上述の4カ月間保管したテスト基板2枚を用い、それぞれについて、スピン洗浄乾燥機に装着し、純水(出口温度30℃)を、毎分1Lで10分間、テスト基板上に供給してかけ流し洗浄を行った。なお、脱気装置において、真空ポンプを用いて減圧を行った。
更に引き続き、1000rpmで30秒間スピン乾燥を行った。
乾燥された基板は、それぞれ、すぐに純水100mlを入れた石英セルに入れて完全に水中に沈め、90℃で60分イオン抽出を行った。更に、ここで得た抽出液をイオンクロマトグラフィー(日本ダイオネクス社製DX−500)により抽出液に含まれる硫酸イオンの定量を行った。
得られた定量値を、他のイオンのデータと共に表1に示す。
Figure 2010117403
表1に示すように、2枚のテスト基板の結果(実施例1−1、実施例1−2)は、硫酸イオンに注目すると、実施例1−1では69.36(ng/枚)、実施例1−2では67.29(ng/枚)であった。
(比較例1)
テスト基板2枚を用い、実施例1で用いた純水供給ラインの脱気装置がないこと、従って、脱気工程を行わないこと以外は、全く同じ装置を用い、実施例1で行った純水洗浄・乾燥と同じ条件で処理した。すなわち、従来方法と同様に、単に、脱気は行わず、異物の除去をした純水により、基板の洗浄を行った。また、処理された基板は引き続き実施例1で用いたものと同じ条件でイオン抽出を行い、硫酸イオンの定量を行った。
なお、このときのスピン乾燥機ノズルから得られる純水の酸素含有量は8ppm程度であった。
得られた定量値を、他のイオンのデータと共に表1に示す。
表1に示すように、2枚のテスト基板の結果(比較例1−1、比較例1−2)は、硫酸イオンに注目すると、比較例1−1では163.13(ng/枚)、比較例1−2では138.20(ng/枚)であった。
実施例1、比較例1からわかるように、本発明の洗浄方法のように、脱気を行った純水を用いて洗浄を行ったテスト基板では、硫酸イオンの量が脱気を行わなかった純水に対して大きく低下していることが確認され、また、この効果は硫酸イオンに対して特異的であることが示された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明のフォトマスク関連基板の洗浄方法を実施することができる洗浄システムの一例の概略を示す概略図である。
符号の説明
1…洗浄システム、 2…純水製造装置、 3…脱気装置、
4…濾過フィルタ、 5…表面処理装置、 6…中空糸膜、
7…槽、 8…真空ポンプ。

Claims (6)

  1. 硫酸イオンにより汚染された、フォトマスク用基板、フォトマスクブランク、フォトマスクおよびそれらの製造中間体から選ばれるフォトマスク関連基板を純水により洗浄するとき、
    該洗浄に用いる純水に、予め、溶存気体を脱気する脱気工程を行うことを特徴とするフォトマスク関連基板の洗浄方法。
  2. 前記純水により洗浄するフォトマスク関連基板を、硫酸または硫酸塩を含有する材料で処理したものとすることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスク関連基板の洗浄方法。
  3. 前記純水による洗浄を行うとき、前記フォトマスク関連基板に純水をかけ流して洗浄することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフォトマスク関連基板の洗浄方法。
  4. 前記脱気工程を、気液分離膜を用いて行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のフォトマスク関連基板の洗浄方法。
  5. 前記脱気工程を行い、前記洗浄に用いる純水の溶存酸素濃度を1ppm以下とすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のフォトマスク関連基板の洗浄方法。
  6. 前記洗浄に用いる純水に、さらに、濾過フィルタを用いて異物を除去する異物除去工程を行うことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のフォトマスク関連基板の洗浄方法。
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