JPH10180243A - 超純水製造装置 - Google Patents

超純水製造装置

Info

Publication number
JPH10180243A
JPH10180243A JP34375596A JP34375596A JPH10180243A JP H10180243 A JPH10180243 A JP H10180243A JP 34375596 A JP34375596 A JP 34375596A JP 34375596 A JP34375596 A JP 34375596A JP H10180243 A JPH10180243 A JP H10180243A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
treated
raw water
oxidizing agent
ultrapure water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34375596A
Other languages
English (en)
Inventor
Arihiro Nomura
有宏 野村
Masahiko Kogure
雅彦 木暮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nomura Micro Science Co Ltd
Original Assignee
Nomura Micro Science Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nomura Micro Science Co Ltd filed Critical Nomura Micro Science Co Ltd
Priority to JP34375596A priority Critical patent/JPH10180243A/ja
Publication of JPH10180243A publication Critical patent/JPH10180243A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)
  • Physical Water Treatments (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】超純水中の溶存酸素濃度の増加をほぼ防止し、
溶存酸素濃度が1μg/l以下の超純水を容易かつ経済
的に生成可能な超純水製造装置を提供すること。 【解決手段】 被処理水に対し真空脱気を実行する不活
性ガス添加型脱気装置と、前記真空脱気が実行された被
処理水に紫外線を照射する紫外線照射装置と、前記紫外
線が照射された被処理水に含まれる酸化剤を還元する還
元装置と、前記酸化剤を還元した被処理水からイオン成
分を除去するイオン交換装置とを具備した超純水製造装
置による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子や液晶
ディスプレイを製造する電子工業、原子力発電所あるい
は医薬品製造工場等で広く利用される超純水を製造する
超純水製造装置に係り、特に、溶存酸素濃度の極めて低
い超純水を安定してユースポイントに供給でき、経済的
にも優れる超純水製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体素子(LSI)や液晶
ディスプレイ(LCD)、あるいは医薬品の製造工程等
においては、イオン状物質、微粒子、有機物、溶存ガス
および生菌等の含有量の極めて少ない超純水が用いられ
ている。特に、電子工業においては、LSIの集積度の
増加に伴って超純水の純度に対する要求は益々厳しくな
ってきており、特に、超純水中の溶存酸素の低減が大き
な課題となっている。
【0003】一般に、超純水の製造は、原水中の濁質成
分を除去する前処理システム、イオン状物質、微粒子、
有機物、溶存ガスおよび生菌等を除去する一次系システ
ムおよび一次系システムより得られた一次純水の精密仕
上げを目的とした二次系システムの組み合わせにより行
われている。
【0004】ところで、一次純水の精密仕上げを目的と
した二次系システムにおいては、超純水中の有機物濃度
を減少させるための処理方法として、イオン交換処理や
逆浸透法による膜処理の施された一次純水に紫外線を照
射して溶存有機物を分解し、次いで、この分解した有機
物を混床式イオン交換装置により除去する方法が知られ
ている。また、被処理水である一次純水に照射する紫外
線として、180〜190nm(特に184.9nm)
の波長を有する紫外線を用いることにより、効率的に溶
存有機物の分解が達成されることも知られており(特開
平1−164488号公報)、これらの技術は超純水中
の有機物濃度の減少に大きく寄与している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、一次系シス
テムにより、有機物濃度を極めて低濃度まで減少させた
被処理水である一次純水を、180〜190nmの波長
を有する紫外線を発生する紫外線酸化装置と混床式イオ
ン交換装置とを有する二次系システムにおいて処理した
際に、イオン交換装置を通過した被処理水中の溶存酸素
濃度が、二次系システムにおいて処理する以前の一次純
水に比べて上昇するという問題が発生した。すなわち、
一次系システムにより溶存酸素濃度を減少させるととも
に、有機物濃度を極めて低濃度まで減少させた一次純水
を従来の二次系システムにより処理する場合、得られた
超純水中の溶存酸素濃度の増加が著しくなるという問題
があった。
【0006】本発明は、上記従来の問題を解決すべくな
されたもので、超純水中の溶存酸素濃度の増加をほぼ防
止し、溶存酸素濃度が1μg/l以下の超純水を容易か
つ経済的に生成可能な超純水製造装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述したように、一次系
システムにより有機物濃度および溶存酸素濃度を低濃度
にまで減少させた一次純水を従来の二次系システムによ
り処理する場合、イオン交換装置を通過した被処理水中
の溶存酸素濃度が、二次系システムにおいて処理する以
前の一次純水に比べて大きく上昇する。
【0008】この問題について、本発明者らが鋭意研究
した結果、有機物濃度を極めて低濃度にまで減少させた
一次純水に対し、180〜190nmの波長を有する紫
外線、特に、184.9nmに波長のピークを有する紫
外線を紫外線酸化装置により照射した場合、当該紫外線
酸化装置出口において微量の過酸化水素(H2 2 )が
リークすることを見い出した。微量の過酸化水素が生成
する機構としては次式に示すように、水の紫外線分解に
より生成したOHラジカル(ヒドロキシラジカル)が一
次純水中の微量の有機物と反応できず、OHラジカル同
士が反応して生成する機構が提示される。
【0009】H2 O+hν→・OH ・OH+・OH→H2 2 また、一次純水中に溶存酸素が存在していると、180
〜190nmの波長を有する紫外線、特に、184.9
nmに波長のピークを有する紫外線を紫外線酸化装置に
より照射した場合、当該紫外線酸化装置出口において微
量の過酸化水素(H2 2 )がやはりリークすることを
見い出した。微量の過酸化水素が生成する機構としては
次式に示すように、水と酸素とが紫外線の照射により与
えられたエネルギーにより反応を起こして生成する機構
が提示される。
【0010】H2 O+1/2O2 →H2 2 そして、上述した機構により生成・リークした過酸化水
素の一部が、イオン交換装置に充填されたイオン交換樹
脂表面近傍において酸素と水とに分解されることによ
り、混床式イオン交換装置を通過した被処理水中の溶存
酸素濃度が、二次系システムにおいて処理する以前の一
次純水に比べて上昇したと推測される。したがって、イ
オン交換装置を通過した被処理水中の溶存酸素濃度を1
μg/l以下の極めて低い濃度にまで減少させるために
は、紫外線酸化装置に導入する被処理水に溶存する酸素
の量を可能な限り減少させるとともに、紫外線酸化装置
において被処理水中に生成した過酸化水素等の酸化剤
を、イオン交換装置に被処理水が供給される以前に被処
理水中より除去する必要がある。
【0011】そこで、本発明に係る超純水製造装置は、
被処理水に対し真空脱気を実行する不活性ガス添加型脱
気装置と、前記真空脱気が実行された被処理水に紫外線
を照射する紫外線照射装置と、前記紫外線が照射された
被処理水に含まれる酸化剤を還元する還元装置と、前記
酸化剤を還元した被処理水からイオン成分を除去するイ
オン交換装置とを具備したことを特徴としている。
【0012】本発明においては、被処理水は、不活性ガ
ス添加型真空脱気装置において酸素および二酸化炭素等
の溶存気体が除去され、被処理水中の溶存酸素濃度はお
よそ0.8μg/l程度となる。次に、被処理水は、1
80〜190nmの波長を有する紫外線を照射する紫外
線酸化装置に導入され、被処理水中に溶存する有機物が
ほぼ完全に有機酸あるいは二酸化炭素にまで分解され
る。次いで、被処理水は、被処理水中の酸化剤を還元す
る還元装置に導入され、紫外線酸化装置より生成した過
酸化水素等の酸化剤が除去される。最後に、還元装置に
おいて処理された被処理水は、混床式イオン交換装置に
導入され、被処理水中のイオン成分が除去される。
【0013】本発明の超純水製造装置によれば、(a)
紫外線照射装置に導入する以前の被処理水中に存在する
酸素等の溶存気体を不活性ガス添加型真空脱気装置を用
いて予め低減するので、製造された超純水に含まれる溶
存気体の濃度を低減することが可能となる。また、
(b)紫外線照射装置に導入された被処理水を還元装置
を通過させてイオン交換装置に導入したことにより、紫
外線照射装置で生成した過酸化水素からの酸素の発生を
防止できるので、製造された超純水に含まれる溶存気体
の濃度を低減することが可能となる。さらに、(c)紫
外線照射装置に導入する以前の被処理中に存在する溶存
酸素を、不活性ガス添加型真空脱気装置を用いて予め低
減するので、紫外線照射装置において溶存酸素と水との
反応により生成する過酸化水素等の酸化剤の発生を防止
することができ、製造された超純水に含まれる溶存酸素
等の溶存気体の濃度を低減することが可能となる。した
がって、本発明の超純水製造装置によれば、上記(a)
〜(c)の相乗効果により、製造された超純水に含まれ
る溶存酸素の濃度を1μg/l以下にまで低減すること
が可能となる。
【0014】本発明において、被処理水から酸素や二酸
化炭素等の溶存気体を除去するための不活性ガス添加型
脱気装置としては特に限定されないが、上述したよう
に、不活性ガス添加型脱気装置における脱気効率は後段
の還元装置への負担を低減し、製造した超純水中の溶存
酸素濃度を1μg/l以下の極めて低い濃度にまで減少
させるための大きなポイントとなる。被処理水から溶存
酸素や二酸化炭素等の溶存気体を効果的に除去するため
には、不活性ガス添加型脱気装置内の真空度を35To
rr以下とし、不活性ガス添加型脱気装置に添加される
不活性ガスの体積流量比を被処理水の体積を基準として
0.001〜1.0とすることが望ましい。不活性ガス
添加型真空脱気装置内の真空度が35Torrを越える
と、最終的に得られる超純水の溶存酸素濃度を1μg/
l以下に保つことが困難となる。また、不活性ガス添加
型真空脱気装置に添加される不活性ガスの体積流量比が
被処理水の体積を基準として1.0を越えると、脱気効
率がほぼ頭打ちになるのに対してランニングコストのみ
が上昇し、不活性ガス添加型脱気装置に添加される不活
性ガスの体積流量比が被処理水の体積を基準として0.
001を下回ると、被処理水から溶存酸素や二酸化炭素
等の溶存気体を効率的に除去するのが困難となる。不活
性ガス添加型脱気装置に添加される不活性ガスとして
は、通常、窒素ガスあるいはアルゴンガス等が好適に用
いられる。
【0015】また、本発明において、紫外線照射装置と
しては、180〜190nmの波長の紫外線、とりわけ
184.9nmの波長の紫外線を発生するものが好まし
く、このとき、殺菌波長である254nmの紫外線を同時
に発生していてもよい。上記紫外線酸化装置としては、
特に制限されないが、本発明においては、低圧紫外線ラ
ンプ酸化装置を用いるのが好ましい。なお、この紫外線
による反応は以下に示した通りであり、(1)一次純水
より生成したOHラジカル(ヒドロキシラジカル)によ
り、(2)被処理水である一次純水中の有機物がカルボ
ン酸等の有機酸の段階まで酸化分解され、(3)さらに
一部は二酸化炭素にまで酸化分解されるというものであ
る。
【0016】(1)H2 O+hν→・OH (2)R−C+・OH→RCOOΗ (3)RCOOΗ+・OH→CO2 +H2 O また、被処理水中の溶存有機物が微量である場合あるい
は被処理水中に酸素が溶存している場合には、(4)O
Hラジカル同士の反応により、あるいは(5)酸素と水
との反応により過酸化水素が同時に発生する。
【0017】(4)・OH+・OH→H2 2 (5) H2 O+1/2O2 →H2 2 本発明においては、上述したように、不活性ガス添加型
脱気装置において被処理水より酸素等の溶存気体を極力
除去するような構成となっているため、(5)の反応に
よる過酸化水素の発生をほぼ防止することが可能となっ
ており、還元装置に対する負荷も低減されるようになっ
ている。
【0018】さらに、本発明において、紫外線酸化装置
により発生した過酸化水素等の酸化剤を還元するための
還元装置としては、亜硫酸基等の還元基を表面に備えた
樹脂を内部に充填した形態の還元装置を好適に用いるこ
とができる。このとき、上記還元装置による反応は以下
に示した通りであり、(6)被処理水中に含まれる微量
の過酸化水素は亜硫酸基と反応して水を生成し、過酸化
水素からの酸素の生成は防止される。なお、酸化剤と
は、酸素を容易に与えたり水素を他の化合物から取り除
いたり電子を奪ったりする物質のことである。
【0019】 (6)(−SO3 )+H2 2 →(−SO4 )+H2 O このとき、亜硫酸基等の還元基を表面に備え還元装置に
充填する樹脂としては、過酸化水素等の酸化剤との反応
に際し分解等の変性を起こすことなく、過酸化水素等の
酸化剤を効率よく還元して酸素の生成を防止するものが
望まれる。例えば、アニオン交換樹脂を亜硫酸ソーダに
より処理することにより、SO3 型の反応基を表面に備
えた樹脂として得ることができる。さらに還元基として
は、亜硝酸、ギ酸あるいはシュウ酸等の反応基を用いる
ことも可能である。
【0020】また、被処理水中から二酸化炭素、有機酸
あるいは他のイオン成分を除去するためのイオン交換装
置としては、強塩基性アニオン交換樹脂および強酸性カ
チオン交換樹脂を充填した非再生型の混床式イオン交換
装置を好ましく用いることができる。イオン交換装置に
用いるアニオンおよびカチオン交換樹脂としては、新品
もしくはそれに類する破砕がなく、イオン交換性能が高
く、また溶出の無いものが望ましい。
【0021】本発明により得られた超純水は、ユースポ
イントに供給されて利用されることになるが、超純水の
水質は、電気伝導度18MΩ・cm以上、TOC濃度お
よび溶存酸素濃度はおよそ1μg/l以下にまで高めら
れる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しながら本発
明の実施例について詳細に説明する。なお、各図面にお
いて、同一の構成には同一の符号を付し詳細な説明は省
略する。また、本発明は、その要旨を逸脱しないなら
ば、本実施例に限定されるものではない。 図3は、本
発明の実施対象である一次純水を製造するための一次純
水製造装置の一実施例を示した図である。
【0023】図3において、符号1は、原水中の濁質成
分を除去するための膜前処理装置((株)クラレ、ML
−7101(0602))、符号2は逆浸透膜装置(東
レ(株)、SU−720)である。また、符号3および
6は混床式イオン交換装置であり、アニオン交換樹脂と
して強塩基性アニオン交換樹脂デュオライトΑ−113
plus(ローム&ハース社)を33lと、カチオン交
換樹脂として強酸性カチオン交換樹脂デュオライトC−
20(ローム&ハース社)とを23l使用し、これらを
予め再生してOΗ型とH型とに変換した後に混合充填し
たものである。なお、混床式イオン交換装置3および6
のイオン交換容量は0.9当量/l−Resinであ
る。また、符号4は逆浸透膜装置(日東電工(株)、N
TR−759・UP)であり、符号5は低圧紫外線ラン
プ酸化装置(千代田工販(株)、TDFL−4、照射量
0.25kWh/m3 )である。低圧紫外線ランプ酸化
装置5は、185nm付近の波長をピークとする紫外線を
発生する。
【0024】本実施例および本比較例は、このように構
成された一次純水製造装置を用いて製造された一次純水
を対象として実施された。
【0025】(実施例1および比較例1)図1は、本発
明の一実施例である超純水製造装置(二次系システム)
の構成を示した図である。
【0026】図1において、符号7は、水封式真空ポン
プ(二国機械工業(株)、25BET、250l/mi
n、25Torr)8が接続され、充填材としてテラレ
ットSタイプ(日鉄化工機(株)、充填径250mm;
充填層高4000mm)を充填して、窒素ガスと被処理
水との体積比率を0.03:1とした窒素ガス添加方式
の真空脱気装置である。符号9は低圧紫外線ランプ酸化
装置(千代田工販(株)、TDFL−4、照射量0.2
5kWh/m3 )であり、185nm付近の波長をピー
クとする紫外線を発生する。符号10は酸化剤を還元す
る物質を56l充填した還元装置であり、酸化剤を還元
する物質として強塩基性アニオン交換樹脂デュオライト
A−113plus(ローム&ハース社)を亜硫酸ソー
ダにて予め再生してSO3 型に変換した樹脂を充填した
ものでめる。また、符号11は混床式イオン交換装置で
あり、アニオン交換樹脂として強塩基性アニオン交換樹
脂デュオライトA−113plus(ローム&ハース
社)を33lと、カチオン交換樹脂として強酸性カチオ
ン交換樹脂デュオライトC−20(ローム&ハース社)
を23l使用し、これらを予め再生してOH型とH型と
に変換した後に混合充填したものである。なお、混床式
イオン交換装置11のイオン交換容量は0.9当量/l
−Resinである。
【0027】はじめに、膜前処理装置1に供給する原水
として厚木市水を使用し、一次系システムにより一次純
水を生成した。得られた一次純水の平均水質は、電気伝
導度18.0MΩ・cm、TOC濃度1.1μg/l、
溶存酸素濃度8000μg/lであった。次いで、混床
式イオン交換装置6より一次純水を流量1.6m3 /h
で二次系システムに供給し、超純水を経時的に連続して
製造した(実施例1)。 また、比較のために、図1に
おいて、窒素ガス添加型の真空脱気装置7に対して窒素
ガスを一切添加せず、窒素ガスと被処理水との体積比率
を0:1としたこと以外は、実施例1と全く同−にし
て、超純水を経時的に連続して製造した(比較例1)。
すなわち、混床式イオン交換装置6より、一次純水を流
量1.6m3 /hで二次系システムに供給し、超純水を
経時的に連続して製造した。
【0028】表1は、実施例1および比較例1におい
て、窒素ガス添加方式の真空脱気装置7、還元装置10
および混床式イオン交換装置11の出口で測定された被
処理水中の溶存酸素濃度を示すものである。なお、各出
口における被処理水中の溶存酸素濃度は高感度溶存酸素
計(オービスフェア ラボラトリーズ、モデル360
0)を用いて測定された結果である。
【0029】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1においては、真空脱
気装置7の出口における被処理水中の溶存酸素濃度が
0.7μg/lであったのに対し、比較例1において
は、真空脱気装置7の出口における被処理水中の溶存酸
素濃度が7.1μg/lであった。また、混床式イオン
交換装置11の出口における被処理水中の溶存酸素濃度
は実施例1および比較例1で各々0.4μg/lおよび
5.8μg/lであった。
【0030】これは、実施例1では、被処理水である一
次純水を混床式イオン交換装置6より真空脱気装置7に
通水したために被処理水中の溶存酸素濃度が1μg/l
以下にまで低減されたのに対し、比較例2では真空脱気
装置7に窒素ガスを添加しなかったため被処理水中の溶
存酸素を1μg/l以下にまで除去することができず、
混床式イオン交換装置11の出口にまで残留していた溶
存酸素が到達したからであると考えられる。その結果、
実施例1では、混床式イオン交換装置11の出口におけ
る溶存酸素濃度の上昇が防止され、製造された超純水中
の溶存酸素濃度が1μg/l以下にまで減少している
が、比較例1では、混床式イオン交換装置11の出口に
おける溶存酸素濃度が実施例1と比較して高く、溶存酸
素濃度が1μg/l以下の超純水を製造する目的を達成
することが不可能であった。
【0031】(比較例2)図2に示したように、図1に
おける還元装置10と混床式イオン交換装置11との位
置を互いに交換したこと以外は、実施例1と全く同一に
して超純水を経時的に連続して製造した(比較例2)。
【0032】表1から明らかなように、上記実施例1に
おいては、真空脱気装置7の出口における被処理水中の
溶存酸素濃度は0.7μg/lであり、混床式イオン交
換装置11の出口での被処理水中の溶存酸素濃度は0.
4μg/lにまで減少している。一方、比較例2におい
ては、真空脱気装置7の出口における被処理水中の溶存
酸素濃度が0.7μg/lであったのに対し、低圧紫外
線ランプ酸化装置9の後段に設置された混床式イオン交
換装置10の出口における被処理水中の溶存酸素濃度は
6.1μg/lと上昇していた。これは、比較例2で
は、低圧紫外線ランプ酸化装置9の後段に混床式イオン
交換装置10を接続したため、低圧紫外線ランプ酸化装
置9において生成した過酸化水素等の酸化性物質(酸化
剤)が混床式イオン交換装置10に充填されたイオン交
換樹脂の表面近傍にて酸素と水とに分解したためである
と考えられる。また、低圧紫外線ランプ酸化装置9の後
段に配置された混床式イオン交換装置10より生成した
溶存酸素は、還元装置10においてほとんど除去するこ
とができないため、還元装置10の出口における溶存酸
素濃度は4.8μg/lであった。
【0033】したがって、実施例1では、混床式イオン
交換装置11の出口における被処理水(超純水)中の溶
存酸素濃度の上昇が防止されているが、比較例2では、
混床式イオン交換装置11の出口における溶存酸素濃度
の上昇を防止することができず、かつ、還元装置10に
おいて被処理水中の溶存酸素を効率的に除去することが
できないため、還元装置10の出口における溶存酸素濃
度の増加が認められる結果となった。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
紫外線照射装置に導入する以前の被処理水中に存在する
酸素等の溶存気体を不活性ガス添加型真空脱気装置を用
いて予め低減するので、被処理水に由来し、製造された
超純水に含まれる溶存酸素の濃度を低減することが可能
となる。また、紫外線照射装置に導入された被処理水を
還元装置を通過させてイオン交換装置に導入したことに
より、紫外線照射装置で生成した酸化剤、特に過酸化水
素からの酸素の発生を防止できるので、製造された超純
水に含まれる溶存酸素の濃度を低減することが可能とな
る。さらに、紫外線照射装置に導入する以前の被処理中
に存在する溶存酸素を、不活性ガス添加型真空脱気装置
を用いて予め低減するので、紫外線照射装置において溶
存酸素と水との反応により生成する過酸化水素等の酸化
剤の発生を防止することができ、製造された超純水に含
まれる溶存酸素等の溶存気体の濃度を低減することが可
能となる。
【0035】したがって、超純水中の溶存酸素濃度の増
加をほぼ防止し、溶存酸素濃度が1μg/l以下の超純
水を容易かつ経済的に生成可能な超純水製造装置を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る超純水製造装置(二次系システ
ム)の構成を示した図である。
【図2】比較例2に係る超純水製造装置(二次系システ
ム)の構成を示した図である。
【図3】本発明の実施対象である一次純水を製造するた
めの1次純水製造装置の一実施例を示した図である。
【符号の説明】
1……膜前処理装置 2……逆浸透膜装置 3……
混床式イオン交換装置 4……逆浸透膜装置 5……低圧紫外線ランプ酸化装
置 6……混床式イオン交換装置 7……真空脱気装置 8……水封式真空ポンプ 9……低圧紫外線ランプ酸
化装置 10……還元装置 11……混床式イオン交換装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理水に対し真空脱気を実行する不活
    性ガス添加型脱気装置と、前記真空脱気が実行された被
    処理水に紫外線を照射する紫外線照射装置と、前記紫外
    線が照射された被処理水に含まれる酸化剤を還元する還
    元装置と、前記酸化剤を還元した被処理水からイオン成
    分を除去するイオン交換装置とを具備したことを特徴と
    する超純水製造装置。
  2. 【請求項2】 前記脱気装置内の真空度は35Torr
    以下であり、前記脱気装置に添加される不活性ガスの体
    積流量比は被処理水の体積を基準として0.001〜
    1.0であることを特徴とする請求項1に記載の超純水
    製造装置。
  3. 【請求項3】 前記紫外線照射装置より発生する紫外線
    は180〜190nmの波長を有することを特徴とする
    請求項1に記載の超純水製造装置。
  4. 【請求項4】 前記還元装置は、還元反応を実行する反
    応基を表面に具備した樹脂からなる還元基担持物質を具
    備したことを特徴とする請求項1に記載の超純水製造装
    置。
  5. 【請求項5】 前記反応基は亜硫酸基であることを特徴
    とする請求項1に記載の超純水製造装置。
JP34375596A 1996-12-24 1996-12-24 超純水製造装置 Pending JPH10180243A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34375596A JPH10180243A (ja) 1996-12-24 1996-12-24 超純水製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34375596A JPH10180243A (ja) 1996-12-24 1996-12-24 超純水製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10180243A true JPH10180243A (ja) 1998-07-07

Family

ID=18363995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34375596A Pending JPH10180243A (ja) 1996-12-24 1996-12-24 超純水製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10180243A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001038364A (ja) * 1999-08-02 2001-02-13 Kurita Water Ind Ltd 超純水製造供給装置の抗菌方法及び抗菌装置
JP2010117403A (ja) * 2008-11-11 2010-05-27 Shin-Etsu Chemical Co Ltd フォトマスク関連基板の洗浄方法
JP2013220394A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Chugoku Electric Power Co Inc:The 純水の導電率低減方法および装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001038364A (ja) * 1999-08-02 2001-02-13 Kurita Water Ind Ltd 超純水製造供給装置の抗菌方法及び抗菌装置
JP2010117403A (ja) * 2008-11-11 2010-05-27 Shin-Etsu Chemical Co Ltd フォトマスク関連基板の洗浄方法
JP2013220394A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Chugoku Electric Power Co Inc:The 純水の導電率低減方法および装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2677468B2 (ja) 純水の製造方法及び装置
US5073268A (en) Process and system for purifying pure water or ultrapure water
JP2008173637A (ja) 超純水製造方法および超純水製造装置
CN109906206B (zh) 水处理方法及装置
TWI732969B (zh) 水處理方法及水處理裝置
JPH07284799A (ja) 超純水製造装置
JP5441714B2 (ja) 純水の製造方法およびその装置、オゾン水製造方法およびその装置、並びに洗浄方法およびその装置
JP5512357B2 (ja) 純水製造方法及び装置
JP4635827B2 (ja) 超純水製造方法および装置
US5190627A (en) Process for removing dissolved oxygen from water and system therefor
JP4978275B2 (ja) 一次純水製造プロセス水の処理方法及び装置
JPH10180243A (ja) 超純水製造装置
JPH1199394A (ja) 水中の有機物除去方法
JPH05115B2 (ja)
JPH1157753A (ja) Toc成分の除去方法及び装置
JP2001179252A (ja) 酸化性物質低減純水製造方法及び装置
JPH11226569A (ja) 水中の有機物除去装置及び超純水製造装置
EP0427191A1 (en) Process for removing dissolved oxygen from water and system therefor
JPH09192658A (ja) 超純水製造装置
JP2008260017A (ja) 超純水製造方法及び超純水製造装置
JP2008173617A (ja) 水処理装置および水処理方法
JP3856493B2 (ja) 超純水製造装置
JP5512358B2 (ja) 純水製造方法及び装置
JPH07241598A (ja) 水処理装置
JP2000308815A (ja) オゾン溶解水の製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051124

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20051206

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20060201

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20060228

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02