JPH09192658A - 超純水製造装置 - Google Patents

超純水製造装置

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JPH09192658A
JPH09192658A JP720796A JP720796A JPH09192658A JP H09192658 A JPH09192658 A JP H09192658A JP 720796 A JP720796 A JP 720796A JP 720796 A JP720796 A JP 720796A JP H09192658 A JPH09192658 A JP H09192658A
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polisher
ultrapure water
wavelength
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JP720796A
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Shuichi Chino
秀一 知野
Minoru Nakamura
穰 中村
Masahiko Kogure
雅彦 木暮
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Nomura Micro Science Co Ltd
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Nomura Micro Science Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】超純水中のTOC濃度および溶存酸素濃度の増
加と機器の劣化とをほぼ防止する超純水製造装置を提供
すること。 【解決手段】一次純水から超純水を製造する超純水製造
装置において、180〜190nmの波長を有する紫外
線を発生する第1の紫外線照射装置と、190nmを越
える波長からなる紫外線を発生する第2の紫外線照射装
置と、膜脱気装置と、ポリッシャー装置とを流路に沿っ
て配置する、あるいはアニオン交換樹脂を充填した単床
式イオン交換装置と、180〜190nmの波長を有す
る紫外線を発生する紫外線照射装置と、膜脱気装置と、
ポリッシャー装置とを流路に沿って配置する、または1
80〜190nmの波長を有する紫外線を発生する紫外
線照射装置と、パラジウム触媒樹脂を充填した触媒樹脂
装置と、ポリッシャー装置とを流路に沿って配置するこ
とを特徴とする超純水製造装置による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶や半導体素子
を製造する電子工業、原子力発電所あるいは医薬品製造
工場等で広く利用される超純水を製造する超純水製造装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、液晶や半導体素子(LS
I)、あるいは医薬品の製造工程においては、イオン状
物質、微粒子、有機物、溶存ガスおよび生菌等の含有量
の極めて少ない超純水が用いられている。特に、電子工
業においては、LSIの集積度の増加に伴って超純水の
純度に対する要求は益々厳しくなってきており、特に、
超純水中のΤOCおよび溶存酸素の低減が大きな課題で
ある。
【0003】一般に、超純水の製造は、原水中の濁質成
分を除去する前処理システム、イオン状物質、微粒子、
有機物、溶存ガスおよび生菌等を除去する一次系システ
ムおよび一次系システムより得られた一次純水の精密仕
上げを目的とした二次系システムの組み合わせにより行
われている。
【0004】ところで、一次純水の精密仕上げを目的と
した二次系システムにおいては、超純水中の有機物濃度
を減少させるための処理方法として、イオン交換処理や
逆浸透法による膜処理の施された一次純水に紫外線を照
射して含有有機物を分解し、次いで、この分解した有機
物を混床式イオン交換装置により除去する方法が知られ
ている。また、被処理水である一次純水に照射する紫外
線として、180〜190nm(特に184.9nm)
の波長を有する紫外線を用いることにより、効率的に含
有有機物の分解が達成されることも知られている(特開
平1−164488号公報)。
【0005】ところが、一次系システムにより有機物濃
度を極めて低濃度にまで減少させた被処理水である一次
純水を、180〜190nmの波長を有する紫外線を発
生する紫外線照射装置と混床式イオン交換装置とを有す
る二次系システムにおいて処理した際に、混床式イオン
交換装置を通過した被処理水中のTOC濃度と溶存酸素
濃度が、二次系システムにおいて処理する以前の一次純
水に比べて上昇するという問題が発生した。また、18
0〜190nmの波長を有する紫外線を発生する紫外線
照射装置の後段に膜脱気装置を配置した二次系システム
では、膜脱気装置の脱気膜の劣化が著しくなるという問
題が発生した。
【0006】すなわち、一次系システムにより有機物濃
度を極めて低濃度にまで減少させた一次純水を従来の二
次系システムにより処理する場合、得られた超純水中の
TOC濃度および溶存酸素濃度の増加や、二次系システ
ムを構成する機器、特に膜脱気装置の脱気膜やイオン交
換装置のイオン交換樹脂等の劣化が著しくなるという間
題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題を解決すべくなされたもので、超純水中のTOC濃
度および溶存酸素濃度の増加と機器の劣化とをほぼ防止
する超純水製造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述したように、一次系
システムにより有機物濃度を極めて低濃度にまで減少さ
せた一次純水を従来の二次系システムにより処理する場
合、混床式イオン交換装置を通過した被処理水中のTO
C濃度と溶存酸素濃度が、二次系システムにおいて処理
する以前の一次純水に比べて大きく上昇し、また、イオ
ン交換装置に充填されたイオン交換樹脂が劣化する。さ
らに、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生
する紫外線照射装置の後段に膜脱気装置を配置した二次
系システムでは、膜脱気装置の脱気膜の劣化が著しくな
る。
【0009】これらの問題について、本発明者らが鋭意
研究した結果、有機物濃度を極めて低濃度にまで減少さ
せた一次純水に対し、180〜190nmの波長を有す
る紫外線、特に、184.9nmに波長のピークを有す
る紫外線を紫外線照射装置により照射した場合、当該紫
外線照射装置出口において微量の過酸化水素(H
2 2 )がリークすることを見いだした。微量の過酸化
水素が生成する機構としては次式に示すように、水の紫
外線分解により生成したOΗラジカル(ヒドロキシラジ
カル)が一次純水中の微量な有機物と反応できず、OH
ラジカル同士が反応して生成する機構が提示される。
【0010】H2 O+hν→・OH ・OH+・OH→H2 2 そして、リークした過酸化水素が後段に設置されたポリ
ッシャー装置(イオン交換装置)内部のイオン交換樹脂
を酸化劣化させることによりイオン交換樹脂から微細な
樹脂の破片や有機物等が発生し、ポリッシャー装置(イ
オン交換装置)を通過した被処理水中のTOC濃度が、
二次系システムにおいて処理する以前の一次純水に比べ
て上昇したと推測することができるのである。また、リ
ークした過酸化水素がポリッシャー装置(イオン交換装
置)内部のイオン交換樹脂を酸化劣化させる際、一部の
過酸化水素が酸素と水とに分解されることにより、ポリ
ッシャー装置(イオン交換装置)を通過した被処理水中
の溶存酸素濃度が、二次系システムにおいて処理する以
前の一次純水に比べて上昇したと推測される。さらに、
180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する紫
外線照射装置の後段に膜脱気装置を配置した場合には、
リークした過酸化水素により膜脱気装置の脱気膜が急速
に酸化劣化したと推測することができるのである。
【0011】そこで、本発明に係る超純水製造装置は、
一次純水から超純水を製造する超純水製造装置におい
て、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生す
る第1の紫外線照射装置と、190nmを越える波長か
らなる紫外線を発生する第2の紫外線照射装置と、膜脱
気装置と、ポリッシャー装置とを流路に沿って配置した
ことを特徴としている。
【0012】また、本発明に係る超純水製造装置は、一
次純水から超純水を製造する超純水製造装置において、
アニオン交換樹脂を充填した単床式イオン交換装置と、
180〜190nmの波長を有する紫外線を発生する紫
外線照射装置と、膜脱気装置と、ポリッシャー装置とを
流路に沿って配置したことを特徴としている。
【0013】さらに、本発明に係る超純水製造装置は、
一次純水から超純水を製造する超純水製造装置におい
て、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生す
る紫外線照射装置と、パラジウム触媒樹脂を充填した触
媒樹脂装置と、ポリッシャー装置とを流路に沿って配置
したことを特徴としている。
【0014】本発明においては、被処理水である一次純
水は、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生
する第1の紫外線照射装置に導入され、被処理水中に溶
存する有機物がほぼ完全に有機酸あるいは二酸化炭素に
まで分解される。次に、被処理水は、第1の紫外線照射
装置から190nmを越える波長を発生する第2の紫外
線照射装置に導入され、被処理水中に含まれる微量の過
酸化水素が酸素と水に分解される。次いで、被処理水
は、第2の紫外線照射装置から気体透過膜を装備した膜
脱気装置に導入され、第1の紫外線照射装置において発
生した二酸化炭素と第2の紫外線照射装置において発生
した酸素とが除去される。最後に、膜脱気装置において
脱ガスされた被処理水は、膜脱気装置からポリッシャー
装置に導入され、被処理水中のイオン成分が除去され
る。
【0015】また、本発明においては、被処理水である
一次純水は、アニオン交換樹脂、特に好ましくは強塩基
性アニオン交換樹脂を充填した単床式イオン交換装置に
導入され、被処理水中のアニオン成分が除去されるとと
もに、被処理水中のpHはアルカリサイドにシフトされ
る。次に、被処理水は、180〜190nmの波長を有
する紫外線を発生する紫外線照射装置に導入され、被処
理水中に溶存する有機物がほぼ完全に有機酸あるいは二
酸化炭素にまで分解される。また同時に、OΗラジカル
同士の反応により生成した過酸化水素は、被処理水のp
Ηがアルカリサイドにシフトしているために自己分解
し、酸素と水に変化する。次いで、被処理水は、気体透
過膜を装備した膜脱気装置に導入され、紫外線照射装置
により発生した酸素と二酸化炭素が除去される。最後
に、膜脱気装置において脱ガスされた被処理水は、ポリ
ッシャー装置に導入され、被処理水中のイオン成分が除
去される。
【0016】さらに、本発明においては、被処理水であ
る一次純水は、180〜190nmの波長を有する紫外
線を発生する紫外線照射装置に導入され、被処理水中に
溶存する有機物がほぼ完全に有機酸あるいは二酸化炭素
にまで分解される。次に、被処理水はパラジウムを担持
した触媒樹脂が充填された触媒樹脂装置に導入され、被
処理水中の過酸化水素がパラジウムを担持した触媒樹脂
媒表面上で紫外線照射装置において生成した水素と反応
して水に変化する。
【0017】H2 2 +H2 +Pd→2H2 O+Pd 最後に、被処理水はポリッシャー装置に導入され、被処
理水中のイオン成分が除去される。
【0018】本発明において処理の対象となる一次純水
は、通常、電気伝導度16MΩ・cm以上、0.2μm
以上の微粒子数100個/ml以下、TOC濃度5pp
b程度以下のものが主流である。
【0019】また、180〜190nmの波長を有する
紫外線を発生する紫外線照射装置としては、180〜1
90nm、とりわけ184.9nmの波長の紫外線を発
生するものであれば、殺菌波長である254nmの紫外
線を同時に発生していてもよい。上記紫外線照射装置と
しては特に制限は無いが、本発明においては、紫外線酸
化用低圧紫外線ランプを用いるのが好ましい。なお、こ
の紫外線による反応は以下に示した通りであり、(1)
一次純水より生成したOHラジカル(ヒドロキシラジカ
ル)により、(2)被処理水である一次純水中の有機物
がカルボン酸等の有機酸の段階まで酸化分解され、
(3)さらにー部は二酸化炭素にまで酸化分解されると
いうものである。
【0020】(1)H2 O+hν→・OH (2)R−C+・OH→RCOOΗ (3)RCOOΗ+・OH→CO2 +H2 O また、被処理水である一次純水中の溶存有機物が微量で
ある場合、(4)OHラジカル同士の反応により過酸化
水素が同時に発生する。
【0021】(4)・OH+・OH→H2 2 また、190nmを越える波長を発生する紫外線照射装
置としては特に制限はないが、本発明においては、主波
長が254nmの殺菌用紫外線ランプを好適に用いるこ
とができる。ここで、190nmを越える波長を発生す
る紫外線照射装置を使用する理由は、190nm以下の
波長の紫外線、特に184.9nmの波長を有する紫外
線を発生する紫外線照射装置を使用した場合、被処理水
中に過酸化水素が新たに発生するからである。なお、上
記紫外線による反応は以下に示した通りであり、(5)
被処理水中に含まれる微量の過酸化水素が酸素と水に分
解される。
【0022】(5)H2 2 +hν→O2 +H2 O また、紫外線照射装置により紫外線を照射した後に、被
処理水中からイオン成分を除去する場合、通常、ポリッ
シャー装置に被処理水を導入する。このとき使用される
ポリッシャー装置としては、被処理水中の二酸化炭素、
有機酸あるいは他のイオン成分を除去するために強塩基
性アニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂を充填した非
再生型の混床式イオン交換装置を好ましく用いることが
できる。イオン交換装置に用いるイオン交換樹脂として
は、新品もしくはそれに類する破砕が無く、イオン交換
性能が高く、また溶出のないものが望ましい。イオン交
換樹脂に要求される性能は、本発明で用いられる再生型
あるいは非再生型の単床式イオン交換装置に充填して用
いられる強塩基性アニオン交換樹脂についても同様であ
る。
【0023】本発明において、被処理水である一次純水
が、アニオン交換樹脂、好ましくは強塩基性アニオン交
換樹脂を充填した単床式イオン交換装置に導入される
と、被処理水中のアニオン成分が除去されるとともに、
被処理水中のpHはアルカリサイドにシフトされるが、
このとき被処理水のpHは8〜12程度になるように設
定される。
【0024】また、膜脱気装置に用いる脱気膜として
は、有効膜面積が大きく、脱気膜成分の溶出のないもの
が望ましい。
【0025】触媒樹脂装置に充填される触媒樹脂として
は、アニオン交換樹脂等の樹脂に触媒成分としてパラジ
ウムを担持したものが用いられるが、触媒活性を高める
目的から、より微細な細孔を有し表面積の大きな触媒樹
脂を用いることが好ましい。また、本発明により得られ
た超純水は、ユースポイントに供給されて利用されるこ
とになるが、超純水の水質は、電気伝導度18MΩ・c
m以上、TOC濃度および溶存酸素濃度は1ppb以下
にまで高められる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しながら本発
明の実施例について詳細に説明する。なお、各図面にお
いて、同一の構成には同一符号を付し詳細な説明は省略
する。また、本発明は、その要旨を逸脱しないならば、
本実施例に限定されるものではない。図4は、本発明の
実施対象である一次純水を製造するための一次純水製造
装置の一実施例を示した図である。
【0027】図4において、符号1は、市水中の濁質成
分を除去するための膜前処理装置(野村マイクロ・サイ
エンス(株)、NML−E)、符号2は逆浸透膜装置
(日東電工(株)、NTR−759・UP)である。ま
た、符号3および6は混床式イオン交換装置であり、ア
ニオン交換樹脂として強塩基性アニオン交換樹脂デュオ
ライトΑ−113plus(ローム&ハース社)を33
lと、カチオン交換樹脂として強酸性カチオン交換樹脂
デュオライトC−20(ローム&ハース社)とを23l
使用し、これらを予め再生してOΗ型とH型とに変換し
た後に混合充填したものである。なお、混床式イオン交
換装置3、6および11のイオン交換容量は0.9当量
/l−Resinである。符号4は、水封式真空ポンプ
(二国機械工業(株)、25BET、2500l/mi
n、25torr)16が接続され、充填材としてテラ
レットSタイプ(日鉄化工機(株)、充填径250m
m、充填層高2000mm)を充填して、窒素ガスと被
処理水との体積比率を、0.03:1とした窒素ガス添
加方式の真空脱気装置である。符号5は、低圧紫外線ラ
ンプ酸化装置(千代田工販(株)、ΤDFL−4、照射
量0.25kWh/m3 )であり、185nm付近の波
長をピークとする紫外線を発生する。また、符号7は、
水温を25℃に一定に保つためのプレート式熱交換装置
((株)日坂製作所、UX−016−HJ−8)、符号
8は、生成された一次純水を一且貯蔵するPVDF製の
一次純水タンクである。なお、ここでは、膜前処理装置
1が前処理システム、逆浸透膜装置2から一次純水タン
ク8までが一次系システムと区分される。本実施例およ
び本比較例は、このように構成された一次純水製造装置
を用いて製造された一次純水を対象として実施された。
【0028】(実施例1および比較例1)図1は、本発
明の一実施例である超純水製造装置(二次系システム)
の構成を示した図である。
【0029】図1において、符号9は、低圧紫外線ラン
プ酸化装置(千代田工販(株)、ΤDFL−4、照射量
0.25kWh/m3 )であり、185nm付近の波長
をピークとする紫外線が照射される。符号10は、紫外
線殺菌ランプ装置(アクアファイン社、MP−2−S
L、0.06kWh/m3 )であり、254nmの殺菌
波長を主波長とする紫外線を発生する。符号11は、有
効膜面積19,3m2 の脱気膜モジュール(へキスト・
インターナショナル東京(株)、リキーセル5PCΜ−
113)を充填し、ドライ真空ポンプ((株)宇野澤組
鐵工所、ΤS075、1500l/min、25tor
r)を装備した膜脱気装置である。符号12は、ポリッ
シャー装置であり、アニオン交換樹脂として強塩基性ア
ニオン交換樹脂デュオライトA−113p1us(ロー
ム&ハース社)を33l、カチオン交換樹脂として強酸
性カチオン交換樹脂デュオライトC−20(ローム&ハ
ース社)を23l使用し、これらを予め再生してOΗ型
とH型とに変換した後に混合充填した混床式イオン交換
装置となっている。この混床式イオン交換装置のイオン
交換容量は0.9当量/l−Resinである。
【0030】また、経路Aは、本発明の超純水製造装置
との比較のために、低圧紫外線ランプ酸化装置9におい
て185nm付近の波長をピークとする紫外線が照射さ
れた被処理水を、紫外線殺菌ランプ装置10と膜脱気装
置11とをバイパスしてポリッシャー装置12に供給す
るラインである。なお、低圧紫外線ランプ酸化装置9の
出口、ポリッシャー装置12の入口および出口における
被処理水中の過酸化水素濃度の測定には、連続式過酸化
水素濃度計(電気化学計器(株)、CHP−003)を
使用した。
【0031】膜前処理装置1に供給する原水として厚木
市水を使用し、一次系システムにより一次純水を生成し
た。得られた一次純水の平均水質は、電気伝導度18.
0MΩ・cm、ΤOC濃度1.1ppb、そして、溶存
酸素濃度1.3ppbであった。次いで、一次純水タン
ク8より一次純水を二次系システムに供給し、超純水を
経時的に連続して製造した(実施例1)。
【0032】また、低圧紫外線ランプ酸化装置9におい
て、185nm付近の波長をピークとする紫外線が照射
された被処理水を、経路Αにより紫外線殺菌ランプ装置
10および膜脱気装置11をバイパスしてポリッシャー
装置12に供給されたこと以外は、実施例1と全く同一
にして、超純水を経時的に連続して製造した(比較例
1)。なお、本実施例及び本比較例においては、低圧紫
外線ランプ酸化装置9の出口における被処理水中の過酸
化水素濃度は共に0.02ppmであった。
【0033】表1に、本実施例および本比較例におけ
る、ポリッシャー装置12の入口および出口での被処理
水の水質測定結果を示す。
【0034】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1においては低圧紫外
線ランプ酸化装置9の出口における被処理水中の過酸化
水素濃度が0.02ppmであったのに対し、ポリッシ
ャー装置12の入口での被処理水中の過酸化水素濃度は
0.00ppmと減少している。一方、比較例1におい
ては、ポリッシャー装置12の入口での被処理水中の過
酸化水素濃度は、低圧紫外線ランプ酸化装置9の出口に
おける被処理水中の過酸化水素濃度0.02ppmと同
値であった。これは、実施例1では、紫外線殺菌ランプ
装置10に被処理水を通過させたために被処理水中の過
酸化水素が分解されたのに対し、比較例1では紫外線殺
菌ランプ装置10をパイパスさせたために被処理水中の
過酸化水素が分解されず、低圧紫外線ランプ酸化装置9
よりリークした過酸化水素がポリッシャー装置12の入
口まで到達したものと推測される。
【0035】その結果、実施例1では、ポリッシャー装
置12の入口と比較してポリッシャー装置12の出口に
おけるTOC濃度が著しく減少し、溶存酸素濃度の上昇
も防止されているが、比較例1では、ポリッシャー装置
12の出口におけるΤOC濃度および溶存酸素濃度は共
に実施例1に比べて高く、被処理水中への有機成分の溶
出と溶存酸素の増加が認められる。
【0036】これは、実施例1においては被処理水中の
過酸化水素が分解されたために、ポリッシャー装置12
は所定の性能を十分に発揮することができたが、比較例
1においては、被処理水中の過酸化水素濃度がポリッシ
ャー装置12の出口で0.00ppmと減少しているこ
とから明らかなように、低圧紫外線ランプ酸化装置9よ
りリークした過酸化水素がポリッシャー装置12中のイ
オン交換樹脂を酸化劣化させて有機物等を生成し、ま
た、ポリッシャー装置12中のイオン交換樹脂を酸化劣
化させる際に、被処理水中の過酸化水素がイオン交換樹
脂表面で酸素と水とを生成したため、処理水中のTOC
濃度および溶存酸素濃度を増加させたためと考えられ
る。
【0037】(実施例2および比較例2)図2は、本発
明の他の実施例である超純水製造装置(二次系システ
ム)の構成を示した図である。
【0038】図2において、符号13は、単床式イオン
交換装置であり、アニオン交換樹脂として強塩基性アニ
オン交換樹脂デュオライトA−113plus(ローム
&ハース社)56lを予め再生し、OH型に変換した後
に充填したものである。符号9、11および12は、そ
れぞれ低圧紫外線ランプ酸化装置、膜脱気装置およびポ
リッシャー装置であり、図1と全く同一のものである。
【0039】経路Bは、本発明の超純水製造装置との比
較のために、単床式イオン交換装置13をバイパスして
被処理水である一次純水を低圧紫外線ランプ酸化装置9
に供給するラインである。
【0040】そして、一次純水タンク8より一次純水を
この超純水製造装置(二次系システム)に供給し、超純
水を経時的に連続して製造した(実施例2)。
【0041】また、一次純水タンク8からの一次純水
を、経路Bにより単床式イオン交換装置13をバイパス
して低圧紫外線ランプ酸化装置9に供給したこと以外
は、実施例2と全く同一にして超純水を経時的に連続し
て製造した(比較例2)。
【0042】表2に、本実施例および本比較例におけ
る、ポリッシャー装置12の入口および出口での被処理
水の水質測定結果を示す。
【0043】
【表2】 なお、本実施例及び本比較例においては、低圧紫外線ラ
ンプ酸化装置9の出口における被処理水中の過酸化水素
濃度は、それぞれ0.00ppm、0.02ppmであ
った。
【0044】表2から明らかなように、実施例2におい
ては、ポリッシャー装置12の入口および出口での被処
理水中の過酸化水素濃度は0.00ppmであり、一
方、比較例1においては、ポリッシャー装置12の入口
での被処理水中の過酸化水素濃度は、低圧紫外線ランプ
酸化装置9の出口における被処理水中の過酸化水素濃度
0.02ppmと同値であった。これは、実施例2で
は、単床式イオン交換装置13に被処理水を通過させた
ために被処理水のpHがアルカリ側にシフト(本実施例
におけるpHは8.7、pHの測定は純水用pH計、東
亜電波工業(株)、FAR−101による)することか
ら、低圧紫外線ランプ酸化装置9で発生した過酸化水素
が自己分解したのに対し、比較例2では単床式イオン交
換装置13をバイパスしたために、低圧紫外線ランプ酸
化装置9に供給される被処理水のpHが中性付近であ
り、このため低圧紫外練ランプ酸化装置9内で発生した
過酸化水素が自己分解しないために低圧紫外線ランプ酸
化装置9より過酸化水素がリークしてポリッシャー装置
12の入口まで到達したものと推測される。
【0045】その結果、実施例2では、ポリッシャー装
置12の入口と比較してポリッシャー装置12の出口に
おけるTOC濃度が著しく減少し、溶存酸素濃度の上昇
も防止されているが、比較例2では、ポリッシャー装置
12の出口におけるΤOC濃度および溶存酸素濃度は共
に実施例1に比べて高く、被処理水中への有機成分の溶
出と溶存酸素の増加が認められる。
【0046】これは、実施例2においては被処理水中の
過酸化水素が自己分解したために、ポリッシャー装置1
2は所定の性能を十分に発揮することができたが、比較
例2においては、被処理水中の過酸化水素濃度がポリッ
シャー装置12の出口で0.00ppmと減少している
ことから明らかなように、低圧紫外線ランプ酸化装置9
よりリークした過酸化水素がポリッシャー装置12中の
イオン交換樹脂を酸化劣化させて有機物等を生成し、ま
た、ポリッシャー装置12中のイオン交換樹脂を酸化劣
化させる際に、被処理水中の過酸化水素がイオン交換樹
脂表面で酸素と水とを生成したため、処理水中のTOC
濃度および溶存酸素濃度を増加させたためと考えられ
る。
【0047】(実施例3および比較例3)図3は、本発
明の他の実施例である超純水製造装置(二次系システ
ム)の構成を示した図である。
【0048】図3において、符号14は、樹脂担体にパ
ラジウムを担持した触媒樹脂(バイエル社、K633
3)を56l充填したパラジウム触媒樹脂装置である。
また、符号9および12は、それぞれ低圧紫外線ランプ
酸化装置およびポリッシャー装置であり、図1と全く同
一のものである。
【0049】経路Cは、本発明の超純水製造装置との比
較のために、低圧紫外線ランプ酸化装置9において18
5nm付近の波長をピークとする紫外線が照射された被
処理水を、パラジウム触媒樹脂装置14をバイパスして
ポリッシャー装置12に供給するラインである。
【0050】そして、一次純水タンク8より一次純水を
この超純水製造装置(二次系システム)に供給し、超純
水を経時的に連続して製造した(実施例3)。
【0051】また、一次純水タンク8からの一次純水
を、経路Cによりパラジウム触媒樹脂装置14をバイパ
スしてポリッシャー装置12に供給したこと以外は、実
施例3と全く同一にして超純水を経時的に連続して製造
した(比較例3)。
【0052】表3に、本実施例および本比較例におけ
る、ポリッシャー装置12の入口および出口での被処理
水の水質測定結果を示す。
【0053】
【表3】 なお、本実施例及び本比較例においては、低圧紫外線ラ
ンプ酸化装置9の出口における被処理水中の過酸化水素
濃度は、共に0.02ppmであった。
【0054】表3から明らかなように、実施例3におい
ては、ポリッシャー装置12の入口および出口での被処
理水中の過酸化水素濃度は0.00ppmであり、一
方、比較例3においては、ポリッシャー装置12の入口
での被処理水中の過酸化水素濃度は、低圧紫外線ランプ
酸化装置9の出口における被処理水中の過酸化水素濃度
0.02ppmと同値であった。これは、実施例3で
は、パラジウム触媒樹脂装置14に被処理水を通過させ
たために低圧紫外線ランプ酸化装置9内で発生した過酸
化水素が分解されたのに対し、比較例3では、パラジウ
ム触媒樹脂装置14をバイパスしたために低圧紫外線ラ
ンプ酸化装置9内で発生した過酸化水素が分解されず、
低圧紫外線ランプ酸化装置9よりリークした過酸化水素
がポリッシャー装置12の入口まで到達したものと推測
される。
【0055】その結果、実施例3では、ポリッシャー装
置12の入口と比較してポリッシャー装置12の出口に
おけるTOC濃度が著しく減少し、溶存酸素濃度の上昇
も防止されているが、比較例3では、ポリッシャー装置
12の出口におけるΤOC濃度および溶存酸素濃度は共
に実施例3に比べて高く、被処理水中への有機成分の溶
出と溶存酸素の増加が認められる。
【0056】これは、実施例3においては被処理水中の
過酸化水素が分解されたために、ポリッシャー装置12
は所定の性能を十分に発揮することができたが、比較例
3においては、被処理水中の過酸化水素濃度がポリッシ
ャー装置12の出口で0.00ppmと減少しているこ
とから明らかなように、低圧紫外線ランプ酸化装置9よ
りリークした過酸化水素がポリッシャー装置12中のイ
オン交換樹脂を酸化劣化させて有機物等を生成し、ま
た、ポリッシャー装置12中のイオン交換樹脂を酸化劣
化させる際に、被処理水中の過酸化水素がイオン交換樹
脂表面で酸素と水とを生成したため、処理水中のTOC
濃度および溶存酸素濃度を増加させたためと考えられ
る。
【0057】以上から明らかなように、本発明の超純水
製造装置においては、超純水を製造する過程で生成した
過酸化水素に起因する各種の障害、特に、超純水中のT
OC濃度および溶存酸素濃度の上昇やイオン交換装置の
イオン交換樹脂等の機器の劣化をほぼ防止できることは
明らかである。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
過酸化水素を含有する被処理水(一次純水)を、190
nmを越える波長を発生する紫外線照射装置またはパラ
ジウム触媒樹脂装置に通過させ、あるいは被処理水のp
Hをアルカリ側にシフトさせた後、被処理水を180〜
190nmの波長を有する紫外線を発生する紫外線照射
装置に通過させるので、超純水の製造過程で生成する過
酸化水素を分解、除去することが可能となる。このた
め、被処理水中に生成した過酸化水素に起因するイオン
交換樹脂の劣化および酸素の発生をほぼ防止できるの
で、超純水中のTOC濃度および溶存酸素濃度の増加と
イオン交換装置のイオン交換樹脂および膜脱気装置の脱
気膜等の機器の劣化とをほぼ防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である超純水製造装置(二次
系システム)の構成を示した図である。
【図2】本発明の他の実施例である超純水製造装置(二
次系システム)の構成を示した図である。
【図3】本発明の他の実施例である超純水製造装置(二
次系システム)の構成を示した図である。
【図4】本発明の実施対象である一次純水を製造するた
めの一次純水製造装置の一実施例を示した図である。
【符号の説明】
1………膜前処理装置 2………逆浸透膜装置 3………混床式イオン交換装置 4………真空脱気装
置 5………低圧紫外線ランプ酸化装置 6………混床式イ
オン交換装置 7………プレート式熱交換装置 8………一次純水タ
ンク 9………低圧紫外線ランプ酸化装置 10………紫外
線殺菌ランプ装置 11………膜脱気装置 12………ポリッシャー装置 13………単床式イオン交換装置 14………パラジ
ウム触媒樹脂装置 15………ドライ真空ポンプ 16………水封式真空
ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/42 C02F 1/42 A 1/44 1/44 J 1/70 1/70 Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次純水から超純水を製造する超純水製
    造装置において、180〜190nmの波長を有する紫
    外線を発生する第1の紫外線照射装置と、190nmを
    越える波長からなる紫外線を発生する第2の紫外線照射
    装置と、膜脱気装置と、ポリッシャー装置とを流路に沿
    って配置したことを特徴とする超純水製造装置。
  2. 【請求項2】 一次純水から超純水を製造する超純水製
    造装置において、アニオン交換樹脂を充填した単床式イ
    オン交換装置と、180〜190nmの波長を有する紫
    外線を発生する紫外線照射装置と、膜脱気装置と、ポリ
    ッシャー装置とを流路に沿って配置したことを特徴とす
    る超純水製造装置。
  3. 【請求項3】 一次純水から超純水を製造する超純水製
    造装置において、180〜190nmの波長を有する紫
    外線を発生する紫外線照射装置と、パラジウム触媒樹脂
    を充填した触媒樹脂装置と、ポリッシャー装置とを流路
    に沿って配置したことを特徴とする超純水製造装置。
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