JPH09206740A - 超純水製造装置 - Google Patents

超純水製造装置

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JPH09206740A
JPH09206740A JP8020039A JP2003996A JPH09206740A JP H09206740 A JPH09206740 A JP H09206740A JP 8020039 A JP8020039 A JP 8020039A JP 2003996 A JP2003996 A JP 2003996A JP H09206740 A JPH09206740 A JP H09206740A
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JP
Japan
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water
ion exchange
treated
exchange device
bed type
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Withdrawn
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JP8020039A
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English (en)
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Shuichi Chino
秀一 知野
Minoru Nakamura
穰 中村
Tsugi Abe
嗣 阿部
Masahiko Kogure
雅彦 木暮
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Nomura Micro Science Co Ltd
Original Assignee
Nomura Micro Science Co Ltd
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)
  • Physical Water Treatments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】超純水中のTOC濃度および溶存酸素濃度の増
加と二次系システムを構成する機器の劣化とをほぼ防止
する超純水製造装置を提供すること。 【解決手段】一次純水から超純水を製造する超純水製造
装置において、180〜190nmの波長を有する紫外
線を発生する紫外線照射装置と、アニオン交換樹脂を充
填した単床式イオン交換装置と、膜脱気装置と、混床式
イオン交換装置とを流路に沿って配置したことを特徴と
する超純水製造装置および一次純水から超純水を製造す
る超純水製造装置において、180〜190nmの波長
を有する紫外線を発生する紫外線照射装置と、アニオン
交換樹脂を充填した単床式イオン交換装置と、不活性ガ
ス添加型真空脱気装置と、混床式イオン交換装置とを流
路に沿って配置したことを特徴とする超純水製造装置に
よる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶や半導体素子
を製造する電子工業、原子力発電所あるいは医薬品製造
工場等で広く利用される超純水を製造する超純水製造装
置に係り、特に一次純水を処理して純度の高い超純水を
製造する超純水製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、液晶や半導体素子(LS
I)、あるいは医薬品の製造工程においては、イオン状
物質、微粒子、有機物、溶存ガスおよび生菌等の含有量
の極めて少ない超純水が要求されている。特に、電子工
業においては、LSIの集積度の増加に伴って超純水の
純度に対する要求は益々厳しくなってきており、特に、
超純水中のΤOC濃度および溶存酸素の低減が大きな課
題である。
【0003】一般に、超純水の製造は、原水中の濁質成
分を除去する前処理システム、イオン状物質、微粒子、
有機物、溶存ガスおよび生菌等を除去する一次系システ
ムおよび一次系システムより得られた一次純水の精密仕
上げを目的とした二次系システムの組み合わせにより行
われている。
【0004】ところで、一次純水の精密仕上げを目的と
した二次系システムにおいては、超純水中の有機物濃度
を減少させるための処理方法として、イオン交換処理や
逆浸透法による膜処理の施された一次純水に紫外線を照
射して溶存有機物を分解し、次いで、この分解した有機
物を混床式イオン交換装置により除去する方法が知られ
ている。また、被処理水である一次純水に照射する紫外
線として、180〜190nm(特に184.9nm)
の波長を有する紫外線を用いることにより、効率的に溶
存有機物の分解が達成されることも知られている(特開
平1−164488号公報)。
【0005】ところが、一次系システムにより有機物濃
度を極めて低濃度にまで減少させた被処理水である一次
純水を、180〜190nmの波長を有する紫外線を発
生する紫外線照射装置と混床式イオン交換装置とを有す
る二次系システムにおいて処理した際に、混床式イオン
交換装置を通過した被処理水中のTOC濃度と溶存酸素
濃度が、二次系システムにおいて処理する以前の一次純
水に比べて上昇するという問題が発生した。また、18
0〜190nmの波長を有する紫外線を発生する紫外線
照射装置の後段に膜脱気装置を配置した二次系システム
では、膜脱気装置の脱気膜の劣化が著しくなるという問
題が発生した。
【0006】すなわち、一次系システムにより有機物濃
度を極めて低濃度にまで減少させた一次純水を従来の二
次系システムにより処理する場合、得られた超純水中の
TOC濃度および溶存酸素濃度が増加し、また、二次系
システムを構成する機器、特に膜脱気装置の脱気膜やイ
オン交換装置のイオン交換樹脂等の劣化が著しくなると
いう間題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題を解決すべくなされたもので、超純水中のTOC濃
度および溶存酸素濃度の増加と二次系システムを構成す
る機器の劣化とをほぼ防止する超純水製造装置を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述したように、一次系
システムにより有機物濃度を極めて低濃度にまで減少さ
せた一次純水を従来の二次系システムにより処理する場
合、混床式イオン交換装置を通過した被処理水中のTO
C濃度と溶存酸素濃度が、二次系システムにおいて処理
する以前の一次純水に比べて大きく上昇し、また、イオ
ン交換装置に充填されたイオン交換樹脂が劣化する。さ
らに、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生
する紫外線照射装置の後段に膜脱気装置を配置した二次
系システムでは、膜脱気装置の脱気膜の劣化が著しくな
る。
【0009】これらの問題について、本発明者らが鋭意
研究した結果、有機物濃度を極めて低濃度にまで減少さ
せた一次純水に対し、180〜190nmの波長を有す
る紫外線、特に、184.9nmに波長のピークを有す
る紫外線を紫外線照射装置により照射した場合、当該紫
外線照射装置出口において微量の過酸化水素(H
2 2 )がリークすることを見いだした。微量の過酸化
水素が生成する機構としては次式に示すように、水の紫
外線分解により生成したOΗラジカル(ヒドロキシラジ
カル)が一次純水中の微量な有機物と反応できず、OH
ラジカル同士が反応して生成する機構が提示される。
【0010】H2 O+hν→・OH ・OH+・OH→H2 2 そして、リークした過酸化水素が後段に設置されたイオ
ン交換装置内部のイオン交換樹脂を酸化劣化させること
により、イオン交換樹脂から微細な樹脂の破片や有機物
等が発生し、イオン交換装置を通過した被処理水中のT
OC濃度が、二次系システムにおいて処理する以前の一
次純水に比べて上昇したと推測することができるのであ
る。また、リークした過酸化水素がイオン交換装置内部
のイオン交換樹脂を酸化劣化させる際、一部の過酸化水
素が酸素と水とに分解されることにより、イオン交換装
置を通過した被処理水中の溶存酸素濃度が、二次系シス
テムにおいて処理する以前の一次純水に比べて上昇した
と推測される。さらに、180〜190nmの波長を有
する紫外線を発生する紫外線照射装置の後段に膜脱気装
置を配置した場合には、リークした過酸化水素により膜
脱気装置の脱気膜が急速に酸化劣化したと推測すること
ができるのである。
【0011】そこで、本発明に係る超純水製造装置は、
一次純水から超純水を製造する超純水製造装置におい
て、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生す
る紫外線照射装置と、アニオン交換樹脂を充填した単床
式イオン交換装置と、膜脱気装置と、混床式イオン交換
装置とを流路に沿って配置したことを特徴としている。
また、本発明に係る超純水製造装置は、一次純水から超
純水を製造する超純水製造装置において、180〜19
0nmの波長を有する紫外線を発生する紫外線照射装置
と、アニオン交換樹脂を充填した単床式イオン交換装置
と、不活性ガス添加型真空脱気装置と、混床式イオン交
換装置とを流路に沿って配置したことを特徴としてい
る。
【0012】本発明においては、被処理水である一次純
水は、180〜190nmの波長を有する紫外線を発生
する紫外線照射装置に導入され、被処理水中に溶存する
有機物がほぼ完全に有機酸あるいは二酸化炭素にまで分
解される。次に、被処理水はアニオン交換樹脂が充填さ
れた単床式イオン交換装置に導入され、被処理水中に含
まれる微量の過酸化水素がアニオン交換樹脂表面近傍に
おいて酸素と水とに分解される。次いで、被処理水は、
単床式イオン交換装置から気体透過膜を装備した膜脱気
装置に導入され、紫外線照射装置において発生した二酸
化炭素と単床式イオン交換装置において発生した酸素と
が除去される。最後に、膜脱気装置において脱ガスされ
た被処理水は膜脱気装置から混床式イオン交換装置に導
入され、被処理水中のイオン成分が除去される。
【0013】また、本発明においては、被処理水である
一次純水は、180〜190nmの波長を有する紫外線
を発生する紫外線照射装置に導入され、被処理水中に溶
存する有機物がほぼ完全に有機酸あるいは二酸化炭素に
まで分解される。次に、被処理水は、アニオン交換樹脂
が充填された単床式イオン交換装置に導入され、被処理
水中に含まれる微量の過酸化水素がアニオン交換樹脂表
面近傍において酸素と水とに分解される。次いで、被処
理水は、単床式イオン交換装置から不活性ガスを系内に
送入して脱気する不活性ガス添加型真空脱気装置に導入
され、紫外線照射装置において発生した二酸化炭素と単
床式イオン交換装置において発生した酸素とが除去され
る。最後に、不活性ガス添加型真空脱気装置において脱
ガスされた被処理水は、不活性ガス添加型真空脱気装置
から混床式イオン交換装置に導入され、被処理水中のイ
オン成分が除去される。
【0014】本発明において処理の対象となる一次純水
は、通常、電気伝導度16MΩ・cm以上、0.2μm
以上の微粒子数100個/ml以下、TOC濃度5pp
b程度以下のものが主流である。
【0015】また、180〜190nmの波長を有する
紫外線を発生する紫外線照射装置としては、180〜1
90nm、とりわけ184.9nmの波長の紫外線を発
生するものであれば、殺菌波長である254nmの紫外
線を同時に発生していてもよい。上記紫外線照射装置と
しては特に制限は無いが、本発明においては、紫外線酸
化用低圧紫外線ランプを用いるのが好ましい。なお、こ
の紫外線による反応は以下に示した通りであり、(1)
一次純水より生成したOHラジカル(ヒドロキシラジカ
ル)により、(2)被処理水である一次純水中の有機物
がカルボン酸等の有機酸の段階まで酸化分解され、
(3)さらに一部は二酸化炭素にまで酸化分解されると
いうものである。
【0016】(1)H2 O+hν→・OH (2)R−C+・OH→RCOOΗ (3)RCOOΗ+・OH→CO2 +H2 O また、被処理水である一次純水中の溶存有機物が微量で
ある場合、(4)OHラジカル同士の反応により過酸化
水素が同時に発生する。
【0017】(4)・OH+・OH→H2 2 本発明において、紫外線照射装置により発生した過酸化
水素を分解するための単床式イオン交換装置としては、
被処理水中の過酸化水素を除去するための強塩基性アニ
オン交換樹脂を充填した非再生型の単床式イオン交換装
置を好適に用いることができるが、被処理水中の過酸化
水素を除去する効果を有するものであれば特に限定はさ
れない。そして、単床式イオン交換装置に用いるアニオ
ン交換樹脂としては、新品もしくはそれに類する破砕が
無く、イオン交換性能が高く、また溶出のないものが望
ましい。
【0018】なお、上記の単床式イオン交換装置による
反応は以下に示した通りであり、(5)被処理水中に含
まれる微量の過酸化水素が酸素と水とに分解される。
【0019】(5)H2 2 →O2 +H2 O このとき、単床式イオン交換装置のアニオン交換樹脂は
分解等の変性をおこすことはなく、過酸化水素は効率的
に分解される。
【0020】被処理水から二酸化炭素や酸素等の溶存気
体を除去するための膜脱気装置は特に限定されないが、
膜脱気装置に用いる脱気膜としては、有効膜面積が大き
く、脱気膜成分の溶出のないものが望ましい。
【0021】また、被処理水から二酸化炭素や酸素等の
溶存気体を除去するための不活性ガス添加型真空脱気装
置としては、特に限定はされないが、不活性ガス添加型
真空脱気装置内の真空度を35Torr以下とし、不活
性ガス添加型真空脱気装置に添加される不活性ガスの体
積流量比を被処理水の体積を基準として0.001〜
1.0とすることで、被処理水から二酸化炭素や酸素等
の溶存気体を効果的に除去することができる。不活性ガ
ス添加型真空脱気装置内の真空度が35Torrを越え
ると、最終的に得られる超純水の溶存酸素濃度を1pp
b以下に保つことが困難となる。また、不活性ガス添加
型真空脱気装置に添加される不活性ガスの体積流量比が
被処理水の体積を基準として1.0をこえると、脱気効
率がほぼ頭打ちになるのに対してランニングコストのみ
が上昇し、不活性ガス添加型真空脱気装置に添加される
不活性ガスの体積流量比が被処理水の体積を基準として
0.001を下回ると、被処理水から二酸化炭素や酸素
等の溶存気体を効果的に除去するのが困難となる。
【0022】不活性ガス添加型真空脱気装置に添加され
る不活性ガスとしては、通常、窒素ガス、アルゴンガス
等が好適に用いられる。
【0023】また、被処理水中から二酸化炭素、有機酸
あるいは他のイオン成分を除去するための混床式イオン
交換装置としては、強塩基性アニオン交換樹脂及びカチ
オン交換樹脂を充填した非再生型の混床式イオン交換装
置を好ましく用いることができる。混床式イオン交換装
置に用いるアニオン交換樹脂およびカチオン交換樹脂と
しては、新品もしくはそれに類する破砕が無く、イオン
交換性能が高く、また溶出のないものが望ましい。
【0024】本発明により得られた超純水は、ユースポ
イントに供給されて利用されることになるが、超純水の
水質は、電気伝導度18MΩ・cm以上、TOC濃度お
よび溶存酸素濃度は1ppb以下にまで高められる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しながら本発
明の実施例について詳細に説明する。なお、各図面にお
いて、同一の構成には同一符号を付し詳細な説明は省略
する。また、本発明は、その要旨を逸脱しないならば、
本実施例に限定されるものではない。図3は、本発明の
実施対象である一次純水を製造するための一次純水製造
装置の一実施例を示した図である。
【0026】図3において、符号1は、市水中の濁質成
分を除去するための膜前処理装置(野村マイクロ・サイ
エンス(株)、NML−E)、符号2は逆浸透膜装置
(日東電工(株)、NTR−759・UP)である。ま
た、符号3および6は混床式イオン交換装置であり、ア
ニオン交換樹脂として強塩基性アニオン交換樹脂デュオ
ライトΑ−113plus(ローム&ハース社)を33
lと、カチオン交換樹脂として強酸性カチオン交換樹脂
デュオライトC−20(ローム&ハース社)とを23l
使用し、これらを予め再生してOΗ型とH型とに変換し
た後に混合充填したものである。なお、混床式イオン交
換装置3および6のイオン交換容量は、0.9当量/l
−Resinである。符号4は、水封式真空ポンプ(二
国機械工業(株)、25BET、250l/min、2
5torr)15が接続され、充填材としてテラレット
Sタイプ(日鉄化工機(株)、充填径250mm、充填
層高2000mm)を充填して、窒素ガスと被処理水と
の体積比率を、0.03:1とした窒素ガス添加方式の
真空脱気装置である。符号5は、低圧紫外線ランプ酸化
装置(千代田工販(株)、ΤDFL−4、照射量0.2
5kWh/m3 )であり、185nm付近の波長をピー
クとする紫外線を発生する。また、符号7は水温を25
℃に一定に保つためのプレート式熱交換装置((株)日
坂製作所、UX−016−HJ−8)、符号8は、生成
された一次純水を一且貯蔵するPVDF製の一次純水タ
ンクである。なお、ここでは、膜前処理装置1が前処理
システム、逆浸透膜装置2から一次純水タンク8までが
一次系システムと区分される。本実施例および本比較例
は、このように構成された一次純水製造装置を用いて製
造された一次純水を対象として実施された。
【0027】(実施例1および比較例1)図1は、本発
明の一実施例である超純水製造装置(二次系システム)
の構成を示した図である。
【0028】図1において、符号9は、低圧紫外線ラン
プ酸化装置(千代田工販(株)、ΤDFL−4、照射量
0.5kWh/m3 )であり、185nm付近の波長を
ピークとする紫外線が照射される。符号10は、単床式
アニオン交換装置であり、アニオン交換樹脂として強塩
基性アニオン交換樹脂デュオライトΑ−113plus
(ローム&ハース社)を56l使用し、これらを予め再
生してOΗ型に変換した後に充填したものである。な
お、単床式イオン交換装置10のイオン交換容量は0.
9当量/l−Resinである。符号11は、有効膜面
積19,3m2 の脱気膜モジュール(へキスト・インタ
ーナショナル東京(株)、リキーセル5PCΜ−11
3)を充填し、ドライ真空ポンプ((株)宇野澤組鐵工
所、ΤS075、1500l/min、25torr)
14を装備した膜脱気装置である。符号12は、混床式
イオン交換装置であり、アニオン交換樹脂として強塩基
性アニオン交換樹脂デュオライトA−113p1us
(ローム&ハース社)を33l、カチオン交換樹脂とし
て強酸性カチオン交換樹脂デュオライトC−20(ロー
ム&ハース社)を23l使用し、これらを予め再生して
OΗ型とH型とに変換した後に混合充填したものであ
る。この混床式イオン交換装置のイオン交換容量は、
0.9当量/l−Resinである。
【0029】また、経路Aは、本発明との比較のため
に、低圧紫外線ランプ酸化装置9において185nm付
近の波長をピークとする紫外線が照射された被処理水
を、単床式イオン交換装置10をバイパスして膜脱気装
置11に供給するラインである。なお、低圧紫外線ラン
プ酸化装置9の出口、混床式イオン交換装置12の入口
および出口における被処理水中の過酸化水素濃度の測定
には、連続式過酸化水素濃度計(電気化学計器(株)、
CHP−003)を使用した。また、TOC濃度および
溶存酸素濃度の測定には、オンラインTOC計(アナテ
ル社、A−1000S−20)および高感度溶存酸素計
(オービスフェア ラボラトリーズ、モデル2713)
を使用した。
【0030】膜前処理装置1に供給する原水として厚木
市水を使用し、一次系システムにより一次純水を生成し
た。得られた一次純水の平均水質は、電気伝導度18.
0MΩ・cm、ΤOC濃度1.1ppb、そして、溶存
酸素濃度1.3ppbであった。次いで、一次純水タン
ク8より、一次純水を流量1m3 /hで二次系システム
に供給し、超純水を経時的に連続して製造した(実施例
1)。
【0031】また、低圧紫外線ランプ酸化装置9におい
て、185nm付近の波長をピークとする紫外線が照射
された被処理水を、経路Αにより単床式イオン交換装置
10をバイパスして膜脱気装置11に供給したこと以外
は、実施例1と全く同一にして、超純水を経時的に連続
して製造した(比較例1)。なお、本実施例及び本比較
例においては、低圧紫外線ランプ酸化装置9の出口にお
ける被処理水中の過酸化水素濃度は共に0.02ppm
であった。
【0032】表1に、本実施例および本比較例におけ
る、混床式イオン交換装置12の入口および出口での被
処理水の水質測定結果を、表2に膜脱気装置11の出口
における溶存酸素濃度の月間平均値を示す。なお、溶存
酸素濃度の月間平均値は、高感度溶存酸素計からの連続
的な出力をすべて記録し、1か月単位で平均値をとるこ
とにより算出された。また、1か月は30日単位として
規定している。
【0033】
【表1】
【表2】 表1から明らかなように、実施例1においては低圧紫外
線ランプ酸化装置9の出口における被処理水中の過酸化
水素濃度が0.02ppmであったのに対し、混床式イ
オン交換装置12の入口での被処理水中の過酸化水素濃
度は0.00ppmと減少している。一方、比較例1に
おいては、混床式イオン交換装置12の入口での被処理
水中の過酸化水素濃度は、低圧紫外線ランプ酸化装置9
の出口における被処理水中の過酸化水素濃度0.02p
pmと同値であった。これは、実施例1では、単床式イ
オン交換装置10に被処理水を通過させたために被処理
水中の過酸化水素が分解されたのに対し、比較例1では
単床式イオン交換装置10をパイパスさせたために被処
理水中の過酸化水素が分解されず、低圧紫外線ランプ酸
化装置9よりリークした過酸化水素が混床式イオン交換
装置12の入口まで到達したからであると推測される。
また、実施例1においては、被処理水を単床式イオン交
換装置10に通過させているために、混床式イオン交換
装置12の入口におけるTOC濃度が比較例1と比べて
低減されている。
【0034】その結果、実施例1では、混床式イオン交
換装置12の入口と比較して混床式イオン交換装置12
の出口におけるTOC濃度が著しく減少し、溶存酸素濃
度の上昇も防止されているが、比較例1では、混床式イ
オン交換装置12の出口におけるΤOC濃度および溶存
酸素濃度は共に実施例1に比べて高く、被処理水中への
有機成分の溶出と溶存酸素の増加が認められる。
【0035】これは、実施例1においては被処理水中の
過酸化水素が分解されたために、混床式イオン交換装置
12は所定の性能を十分に発揮することができたが、比
較例1においては、被処理水中の過酸化水素濃度が混床
式イオン交換装置12の出口で0.00ppmと減少し
ていることから明らかなように、低圧紫外線ランプ酸化
装置9よりリークした過酸化水素が混床式イオン交換装
置12中のイオン交換樹脂を酸化劣化させて有機物等を
生成し、また、混床式イオン交換装置12中のイオン交
換樹脂を酸化劣化させる際に、被処理水中の過酸化水素
がイオン交換樹脂表面で酸素と水とを生成したため、処
理水中のTOC濃度および溶存酸素濃度を増加させたた
めと考えられる。
【0036】また、表2から明らかなように、実施例1
では、膜脱気装置11の出口における被処理水中の溶存
酸素濃度の月間平均値が、6か月(180日)に渡って
ほぼ一定であるのに対し、比較例1では4か月(120
日)経過以降、膜脱気装置11の出口における被処理水
中の溶存酸素濃度の月間平均値が上昇する傾向が認めら
れた。
【0037】これは、実施例1においては被処理水中の
過酸化水素が分解されたために、膜脱気装置11は所定
の性能を十分に発揮することができたが、比較例1にお
いては、低圧紫外線ランプ酸化装置9よりリークした過
酸化水素が膜脱気装置11中の脱気膜を酸化劣化させた
ために、膜脱気装置11における酸素除去効率が低下し
たからであると考えられる。
【0038】(実施例2および比較例2)図2に示した
ように、図1における膜脱気装置11を窒素ガス添加方
式の真空脱気装置4と交換した以外は同様の構成の超純
水製造装置(二次系システム)を用い、さらに、実施例
1および比較例1と同様の製造条件で超純水の製造を行
った。
【0039】すなわち、一次純水タンク8より、一次純
水を流量1m3 /hで二次系システムに供給し、超純水
を経時的に連続して製造した(実施例2)。
【0040】また、低圧紫外線ランプ酸化装置9におい
て、185nm付近の波長をピークとする紫外線が照射
された被処理水を、経路Aにより単床式イオン交換装置
10をバイパスして不活性ガス添加型真空脱気装置13
に供給したこと以外は、実施例2と全く同一にして超純
水を経時的に連続して製造した(比較例2)。なお、本
実施例及び本比較例においては、低圧紫外線ランプ酸化
装置9の出口における被処理水中の過酸化水素濃度は共
に0.02ppmであった。
【0041】表3に、本実施例および本比較例におけ
る、混床式イオン交換装置12の入口および出口での被
処理水の水質測定結果を示す。
【0042】
【表3】 表3から明らかなように、実施例2においては低圧紫外
線ランプ酸化装置9の出口における被処理水中の過酸化
水素濃度が0.02ppmであったのに対し、混床式イ
オン交換装置12の入口での被処理水中の過酸化水素濃
度は0.00ppmと減少している。一方、比較例2に
おいては、混床式イオン交換装置12の入口での被処理
水中の過酸化水素濃度は、低圧紫外線ランプ酸化装置9
の出口における被処理水中の過酸化水素濃度0.02p
pmと同値であった。これは、実施例2では、単床式イ
オン交換装置10に被処理水を通過させたために被処理
水中の過酸化水素が分解されたのに対し、比較例2では
単床式イオン交換装置10をパイパスさせたために被処
理水中の過酸化水素が分解されず、低圧紫外線ランプ酸
化装置9よりリークした過酸化水素が混床式イオン交換
装置12の入口まで到達したからであると推測される。
また、実施例2においては、被処理水を単床式イオン交
換装置10に通過させているために、混床式イオン交換
装置12の入口におけるTOC濃度が比較例2と比べて
低減されている。
【0043】その結果、実施例2では、混床式イオン交
換装置12の入口と比較して混床式イオン交換装置12
の出口におけるTOC濃度が著しく減少し、溶存酸素濃
度の上昇も防止されているが、比較例2では、混床式イ
オン交換装置12の出口におけるΤOC濃度および溶存
酸素濃度は共に実施例2に比べて高く、被処理水中への
有機成分の溶出と溶存酸素の増加が認められる。
【0044】これは、実施例2においては被処理水中の
過酸化水素が分解されたために、混床式イオン交換装置
12は所定の性能を十分に発揮することができたが、比
較例2においては、被処理水中の過酸化水素濃度が混床
式イオン交換装置12の出口で0.00ppmと減少し
ていることから明らかなように、低圧紫外線ランプ酸化
装置9よりリークした過酸化水素が混床式イオン交換装
置12中のイオン交換樹脂を酸化劣化させて有機物等を
生成し、また、混床式イオン交換装置12中のイオン交
換樹脂を酸化劣化させる際に、被処理水中の過酸化水素
がイオン交換樹脂表面で酸素と水とを生成したため、処
理水中のTOC濃度および溶存酸素濃度を増加させたた
めと考えられる。
【0045】以上から明らかなように、本発明の超純水
製造装置においては、超純水を製造する過程で生成した
過酸化水素に起因する各種の障害、特に、超純水中のT
OC濃度および溶存酸素濃度の上昇やイオン交換装置の
イオン交換樹脂等の機器の劣化をほぼ防止できることは
明らかである。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
過酸化水素を含有する被処理水(一次純水)を、アニオ
ン樹脂を充填したイオン交換装置に通過させるので、被
処理水中のTOC濃度を低減させると共に、超純水の製
造過程で生成する過酸化水素を分解、除去することが可
能となる。したがって、被処理水中に生成した過酸化水
素に起因する脱気膜やイオン交換樹脂等の劣化および酸
素の発生をほぼ防止できるので、超純水中のTOC濃度
および溶存酸素濃度の増加とイオン交換装置のイオン交
換樹脂および膜脱気装置の脱気膜等の機器の劣化とをほ
ぼ防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である超純水製造装置(二次
系システム)の構成を示した図である。
【図2】本発明の他の実施例である超純水製造装置(二
次系システム)の構成を示した図である。
【図3】本発明の実施対象である一次純水を製造するた
めの一次純水製造装置の一実施例を示した図である。
【符号の説明】
1………膜前処理装置 2………逆浸透膜装置 3………混床式イオン交換装置 4………真空脱気装
置 5………低圧紫外線ランプ酸化装置 6………混床式イ
オン交換装置 7………プレート式熱交換装置 8………一次純水タ
ンク 9………低圧紫外線ランプ酸化装置 10………単床
式イオン交換装置 11………膜脱気装置 12………混床式イオン交換
装置 13………水封式真空ポンプ 14………ドライ真空
ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/20 C02F 1/20 A 1/42 1/42 A 1/44 1/44 J (72)発明者 木暮 雅彦 神奈川県厚木市岡田2丁目9番8号 野村 マイクロ・サイエンス株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一次純水から超純水を製造する超純水製造
    装置において、180〜190nmの波長を有する紫外
    線を発生する紫外線照射装置と、アニオン交換樹脂を充
    填した単床式イオン交換装置と、膜脱気装置と、混床式
    イオン交換装置とを流路に沿って配置したことを特徴と
    する超純水製造装置。
  2. 【請求項2】一次純水から超純水を製造する超純水製造
    装置において、180〜190nmの波長を有する紫外
    線を発生する紫外線照射装置と、アニオン交換樹脂を充
    填した単床式イオン交換装置と、不活性ガス添加型真空
    脱気装置と、混床式イオン交換装置とを流路に沿って配
    置したことを特徴とする超純水製造装置。
  3. 【請求項3】前記不活性ガス添加型真空脱気装置内の真
    空度が35Torr以下であり、前記不活性ガス添加型
    真空脱気装置に添加される不活性ガスの体積流量比が被
    処理水の体積を基準として0.001〜1.0であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の超純水製造装置。
JP8020039A 1996-02-06 1996-02-06 超純水製造装置 Withdrawn JPH09206740A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999055622A1 (en) * 1998-04-24 1999-11-04 United States Filter Corporation Apparatus and process for removing strong oxidizing agents from liquids

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WO1999055622A1 (en) * 1998-04-24 1999-11-04 United States Filter Corporation Apparatus and process for removing strong oxidizing agents from liquids

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