JP5236418B2 - 洗浄方法および洗浄液供給装置 - Google Patents
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Description
このようにすれば、より確実に洗浄液が滞留するのを防ぎ、気泡の発生を抑制することができ、洗浄装置へ気泡を含まない洗浄液を供給することが可能である。
このようにすれば、濾過フィルタで濾過した洗浄液は、洗浄装置への供給を停止しているときでも系外へと排出されるので、濾過した洗浄液が滞留するのを事実上なくすことができ、次回の供給時に微細な気泡が発生するのを抑制することができる。
このようにすれば、濾過した洗浄液を滞留させることはなく、しかも洗浄液を系外へ排出するための制御が極めて容易であり、作業を簡便化することができる。
このようにすることで、濾過した洗浄液中で発生した微細な気泡を、より効率よく排出管へと導くことができ、洗浄装置へ気泡を含んだ洗浄液が供給されるのを一層防止することができる。
このように、精密な洗浄を要するこれらに対して本発明の洗浄方法を適用すれば、市場の要求に応えて従来よりも異物の発生が少ないものを提供することができる。
微細な気泡による洗浄不良は、特に超純水によるリンス時に起こりやすく、超純水による洗浄において本発明を適用することによって、洗浄時に発生する微細異物の発生を強く抑制することができる。
このようなものであれば、濾過された洗浄液中で発生した微細な気泡は、排出管へ導かれやすく、洗浄装置へ気泡を含んだ洗浄液が供給されるのをより効果的に防止することができる。
被洗浄基板がこのようなものであれば、これらは極めて精密な洗浄が望まれているものであり、市場の要求に応えて従来よりも異物の発生が少ない洗浄されたものを提供することができる。
また、本発明の洗浄液供給装置であれば、濾過された洗浄液を洗浄装置へ供給することもできるし、系外へと排出することもでき、微細な気泡が含まれた洗浄液を洗浄装置へ供給するのを防止することが可能になる。したがって、基板の洗浄における微小な異物の発生を抑制し、精密な洗浄を行うことができる。
現在、特に半導体等の極めて微細なパターン形状を持つ製品のリソグラフィー加工に関するフォトマスク用透明基板、フォトマスクブランク、フォトマスクブランク製造中間体、フォトマスク等の洗浄では、極めて微細なパーティクルによる異物汚染も排除されることが望まれており、従来技術として挙げたような洗浄液の改良や乾燥方法の改良を含め、種々の提案がされてきている。
また、本発明者も、洗浄後の基板について0.08μm程度の極めて微細な異物による欠陥の検査を行ったところ、細心の注意を払って洗浄した場合にも、やはり微細異物の問題がかなりの頻度で突発的に発生することがあることを見出した。
まず、本発明の洗浄液供給装置について述べる。
(第一の実施形態)
図1に、本発明の洗浄液供給装置の一例の概略を示す。なお、洗浄液供給装置1よりも下流に配設された洗浄装置10、該洗浄装置のノズル11(ユースポイント)から噴射される洗浄液で洗浄される被洗浄基板12も併せて示している。
また、洗浄液が例えば超純水の場合、超純水を製造する装置には、UV殺菌等の処理で発生する可能性のあるガスを系外に排除するものが一般的に取り付けられているが、そのような脱気純水を利用することもできる。本発明において効果を特に有用に適用しうる洗浄液としては、被洗浄基板に洗浄液を適用した後、スクラブを用いた処理を伴わないような洗浄操作に用いる洗浄液一般であり、具体的には、超純水、ガス導入により伝導度を調整した超純水、水素水、オゾン水、希フッ酸水等を挙げることができる。
典型的には分岐はT型とし、フィルタハウジング5の側からくる配管と排出管7が直線上となるようにして、供給管6が下側に突出する形とする。
なお、上述の供給管6と排出管7の配置は、ハウジング2内の流路設計や、排出管7からの排出量の設定により、高さ方向の上下関係が逆転していても、滞留している洗浄液を排出管7の入口8bからほぼ完全に排出できるようにすることは可能である。
これらのバルブ9a、9bは特に限定されるものではなく、例えば、エア駆動、電磁駆動等の駆動型開閉弁や、ニードルバルブ等種々のものを用いることができる。洗浄液の液量を制御できるものであれば良く、プログラム等により自動制御可能なものであれば好ましい。さらには、バルブ9a、9bが互いに連動して制御されるものを用いればより簡便である。所望のタイミング、液量で洗浄液を供給管6、排出管7を通して流すことができるものであれば良い。また、配設する数量も特に限定されない。
これによってハウジング2内の洗浄液中に含まれる気泡を排除できるため、最終的に、気泡を含む洗浄液が洗浄装置10へ供給されるのをより効果的に防止できる。また、気泡を起因とする濾過フィルタ4での濾過能力の低下や濾過フィルタ4からの発塵を抑制でき、洗浄の効率化を図ったり、洗浄後の基板におけるパーティクルの発生をより抑制することが可能である。
一方、洗浄液と気泡を完全に分離して気泡のみを系外へと排除するものを備えるのではなく、洗浄液と気泡を一体として、気泡を含む洗浄液ごと排除してしまうタイプのものを備えることもできる。
例えば上記の比重差を用いる気液分離器のタイプの場合、気泡のみを排除するのではなく、一定量の洗浄液と共に気泡を系外へと排除してしまうものとすることができ、洗浄液と気泡の完全な分離をするための装置の大きさは不必要となり、気液分離器は小型化することができる。
したがって、本発明の洗浄液供給装置であれば、洗浄後の基板に見られる微小な異物欠陥の発生を抑制することができ、生産性、歩留り高く基板を洗浄することが可能になる。
図2に、別の実施形態の本発明の洗浄液供給装置201を示す。図2の場合では、フィルタハウジング205の上面で供給管206および排出管207が直接接続されている。
このとき、図2(A)に示すように、例えば洗浄液供給装置201のハウジング202やフィルタハウジング205を水平に設置し、供給管206の入口208aの高さ位置と排出管207の入口208bの高さ位置が同じになるように供給管206と排出管207が接続されたものとすることができる。
図3に、さらに別の実施形態の本発明の洗浄液供給装置301を示す。
図3の場合では、フィルタハウジング305の側面に直接供給管306および排出管307が接続されている。この場合、やはり、排出管307の入口308bの高さ位置が供給管306の入口308aの高さ位置よりも高くなるように、それぞれ接続されているのが好ましい。
また、気泡排除管313は、ハウジング302の洗浄液入口303とは反対側の側面に接続されている。
また、その他の装置の構成要素等については特に限定されず、例えば従来品と同様のものとすることができる。
ここでは、図1の洗浄液供給装置1を用いた場合の洗浄方法について説明するが、使用する洗浄液供給装置はこれに限定されない。本発明の洗浄方法においては、洗浄液を濾過フィルタで濾過して異物を除去し、濾過後の洗浄液を供給管を通して洗浄装置に供給して被洗浄基板を洗浄するときに、少なくとも、濾過した洗浄液の洗浄装置への供給に先立ち、濾過した洗浄液を排出管を通して系外へ排出し、その後、濾過した洗浄液を供給管を通して洗浄装置に供給することが可能であれば良く、適切な洗浄液供給装置を用意して実施すれば良い。
より好ましくは、洗浄装置10へ洗浄液を供給するにあたって、バルブ9aを開として供給管6から濾過した洗浄液を供給するまで、そのまま排出管7を通して系外へ洗浄液を排出し続ける。したがって、フィルタハウジング5等の内部で洗浄液を滞留させることなく、微細な気泡の発生も抑制することができ、気泡の発生が抑制された洗浄液を洗浄装置10へ供給することが可能である。
これにより、微細な気泡が極めて抑制された洗浄液で被洗浄基板12を洗浄することができ、微細な気泡を起因とする微小欠陥、異物の発生を防ぐことが可能になる。
したがって、例えば、バルブ9aを開として供給管6を通して洗浄装置10に洗浄液を供給し始めた後でも、同時に排出管7から洗浄液を排出し続けても良い。そして、所定時間排出し続けた後、バルブ9bを閉として洗浄液の排出を停止することができ、1枚の被洗浄基板を洗浄し終えて洗浄装置10への洗浄液の供給を停止し、次の被洗浄基板を洗浄する際に、再度先立ってバルブ9bを開として、排出管7から洗浄液を排出する。
この場合、洗浄工程で、洗浄液の使用開始直前に排出動作を入れる時間を取ることが必要となり、排出タイミングに対して供給タイミングが遅れないようにするために、洗浄時の供給の標準サイクルを作成して、そのプログラムに従い、各バルブ等を操作することが好ましい。自動的にバルブ9a、9bの開閉を制御すればより確実に所望のタイミングで洗浄液の供給および排出を行うことができる。当然、他のサイクルにおいてもこのようなバルブ9a、9bの自動化を図ることができる。
なお、当然、プログラムを用いずにマニュアルでこれらのバルブ9a、9b等の制御を行うことも可能である。
この操作によって、フィルタハウジング5内には、洗浄液の滞留がなくなるため、気泡の発生そのものが起こりにくくなる。また、この方法を採った場合、上述のような洗浄装置10への供給を開始したい時に、排出を行う時間分のタイムラグを生じるといった供給のタイミングに関する問題も起こらなくなる。したがって、特に、洗浄操作をマニュアルで行う場合には、この方法を採った方が簡単な装置で実施でき、操作性も良い。
一方、フィルタハウジングに、供給管および排出管を直接接続させた装置を用いるのであれば、図2(B)のように斜めに設置して、排出管の入口の方が重力方向に対して供給管の入口よりも高くなるよう設置することが好ましい。
特に、上述の洗浄工程中に排出管側のバルブを常に開にしておくような方法を採る場合には、使用開始時に上記排出管が供給管より上側になるように調整して排出を行えば、その後、供給管の入口が排出管の入口よりも上側になっても、本発明の効果を十分得ることができる。
また、被洗浄基板12についても特に限定されず、例えば、フォトマスク用透明基板、フォトマスクブランク、フォトマスクブランク製造中間体、フォトマスクに対して本発明の洗浄方法を適用することができる。
(実施例1)
スピン洗浄・乾燥機に洗浄液を供給し、フォトマスク基板を洗浄し、スピン乾燥可能な装置(洗浄装置)を用い、この装置に洗浄液を供給する洗浄液供給ラインに、装置の30cm手前に、図2の本発明の洗浄液供給装置201を装着した。このとき、供給管下流には洗浄装置の洗浄工程に連動して洗浄液を送るためのフッ素樹脂加工製エアオペレートバルブ(アドバンス社製)、排出管の下流には2つのストップバルブを設置した。
すなわち、本発明の洗浄方法を実施した。
準備した20枚の基板それぞれに対して上記洗浄操作を行った後、再び欠陥検査を行い、新たな位置に発生した欠陥を測定した。
これらは後述する比較例1と比べて少ない。特に0.08μm以上0.1μm未満のものに関して実施例1は比較例1に対して極めて少ない。本発明によって、微細な気泡を含む洗浄液で基板が洗浄されるのを防ぐことができたためと考えられる。
実施例1に用いた装置と比較して排出管を備えていない装置を用い、排出管からの洗浄液の排出がないこと以外は実施例1と全く同様に、欠陥の位置が特定されている上記クロム膜が成膜された基板20枚を超純水で洗浄した。すなわち、従来の洗浄方法によって洗浄を行った。そして、その後スピン乾燥し、新たな位置に発生した欠陥を測定した。
実施例1に比べて特に0.08μm以上0.1μm未満のものが増加した。
スピン洗浄・乾燥機に洗浄液を供給し、フォトマスク基板を洗浄、スピン乾燥可能な装置を用い、この装置に洗浄液を供給する洗浄液供給ラインに、装置の30cm手前に、図3のような、ハウジングに洗浄液入口と気泡排除管を持ち、濾過フィルタ下流側にユースポイントに洗浄液を送る供給管と、フィルタハウジング内に滞留した洗浄液を排出するための排出管を持つ洗浄液供給装置301を装着した。
すなわち、本発明の洗浄方法により洗浄を行う。
2、202、302…ハウジング、
3、303…洗浄液入口、 4、204…濾過フィルタ、
5、205、305…フィルタハウジング、
6、206、306…供給管、 7、207、307…排出管、
8a、208a、308a…供給管の入口、
8b、208b、308b…排出管の入口、
9a…供給管に配設されたバルブ、 9b…排出管に配設されたバルブ、
10…洗浄装置、 11…ノズル、 12…被洗浄基板、
13、313…気泡排除管、 14…気液分離器。
Claims (7)
- 洗浄液を洗浄装置に供給して被洗浄基板を洗浄する洗浄方法であって、
前記洗浄液を異物を除去するための濾過フィルタで濾過し、該濾過した洗浄液を供給管を通して前記洗浄装置に供給して被洗浄基板を洗浄するとき、
少なくとも、前記濾過した洗浄液の前記洗浄装置への供給に先立ち、前記濾過した洗浄液を排出管を通して系外へ排出し、その後、前記濾過した洗浄液を供給管を通して前記洗浄装置に供給し始めるまで、前記排出管から洗浄液を排出し続け、
そして、前記濾過した洗浄液を供給し始めた後、濾過した洗浄液を前記供給管を通して供給しながら、同時に前記排出管を通して排出し続け、
また、前記濾過した洗浄液の洗浄装置への供給を停止しているときも、濾過した洗浄液を前記排出管を通して排出し続け、
かつ、前記被洗浄基板の全てを洗浄し終えるまで、前記濾過した洗浄液を前記排出管を通して排出し続けることを特徴とする洗浄方法。 - 前記濾過した洗浄液を洗浄装置へ供給するとき、前記排出管の入口の高さ位置が、前記供給管の入口の高さ位置よりも高くなるようにすることを特徴とする請求項1に記載の洗浄方法。
- 前記被洗浄基板を、フォトマスク用透明基板、フォトマスクブランク、フォトマスクブランク製造中間体、フォトマスクのいずれかとすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄方法。
- 前記洗浄液を超純水とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の洗浄方法。
- 被洗浄基板を洗浄する洗浄装置に洗浄液を供給する洗浄液供給装置であって、
少なくとも、前記洗浄液から異物を除去するための濾過フィルタと、前記洗浄液を前記洗浄装置に供給するための供給管と、前記洗浄液を系外へ排出するための排出管と、前記供給管と排出管の各々に配設され前記洗浄液の液量を制御するためのバルブを備え、
前記濾過フィルタよりも下流側で前記供給管と前記排出管が接続されており、前記供給管と排出管の各々のバルブの開閉により、前記濾過フィルタで濾過された洗浄液を、前記洗浄装置へ供給および/または系外へ排出可能なものであり、
前記供給管と前記排出管の接続部において、排出管の入口の高さ位置が、供給管の入口の高さ位置よりも高いものであり、
さらには、前記濾過フィルタを有するフィルタハウジングと、該フィルタハウジングを囲うハウジングを備え、洗浄液が前記ハウジングから前記濾過フィルタを通して前記フィルタハウジング内へと流れるものであり、前記ハウジングには、少なくとも洗浄液中の気泡を系外へ排除するための気泡排除管が接続されているものであることを特徴とする洗浄液供給装置。 - 前記被洗浄基板は、フォトマスク用透明基板、フォトマスクブランク、フォトマスクブランク製造中間体、フォトマスクのいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の洗浄液供給装置。
- 前記洗浄液が超純水であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の洗浄液供給装置。
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