JP2015017753A - 空気調和機の制御装置および空気調和機の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定の快適指標に基づく個人差を補正する際の利用者による機器操作の手間を大幅に削減することが可能な空気調和機の制御装置および空気調和機の制御方法を提供する。
【解決手段】この制御装置100(空気調和機の制御装置)は、予測平均温冷感申告(PMV値)が設定された空調環境2に滞在する従業員グループごとの勤務シフト表51を記憶する勤務シフト記憶部13と、空調環境2に対する従業員グループごとの快適性補正テーブル52を従業員グループと関連付けて記憶する補正量記憶部14と、勤務シフト表51および快適性補正テーブル52に基づいて予測平均温冷感申告に基づく制御量Pを補正した状態で、空気調和機1の運転制御を行う空気調和機制御部11とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】この制御装置100(空気調和機の制御装置)は、予測平均温冷感申告(PMV値)が設定された空調環境2に滞在する従業員グループごとの勤務シフト表51を記憶する勤務シフト記憶部13と、空調環境2に対する従業員グループごとの快適性補正テーブル52を従業員グループと関連付けて記憶する補正量記憶部14と、勤務シフト表51および快適性補正テーブル52に基づいて予測平均温冷感申告に基づく制御量Pを補正した状態で、空気調和機1の運転制御を行う空気調和機制御部11とを備える。
【選択図】図1
Description
この発明は、空気調和機の制御装置および空気調和機の制御方法に関し、特に、所定の快適指標に基づいて空気調和機の運転制御を行う空気調和機制御部を備えた空気調和機の制御装置および空気調和機の制御方法に関する。
従来、所定の快適指標に基づいて空気調和機の運転制御を行う空気調和機制御部を備えた空気調和機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、空気調和を行う冷暖房手段と、リモコン(快適性入力部)を介して受け付けられた空調環境に対する利用者の「暑い」・「寒い」などの温冷感に基づいて冷暖房手段の運転制御を行う冷暖房制御手段(空気調和機の制御装置)とを備えた空気調和機が開示されている。この特許文献1に記載の空気調和機では、室内空間に設置されたセンサ類の検知結果に基づき現在の空調環境が有する快適度が常に把握されており、現在の快適度がその室内空間に設定された予測平均温冷感申告(PMV(Predicted Mean Vote)値)における中立(快適)状態に向かうように冷暖房手段が自動運転制御されるように構成されている。
ここで、予測平均温冷感申告(PMV値)とは、温熱環境(空調環境)の快適性を評価する1つの指標であり、国際標準化機構が定めた国際規格ISO−7730に記載されている演算式により算出される指標値を示す。評価対象となる温熱環境が有するPMV値は、「−3」(寒い)〜「+3」(暑い)までの数値として定量化され、中央の「0」(中立)は、暑くもなく寒くもない快適状態を示す。また、ISOの標準では、PMV値=0(ゼロ)は、その温熱環境に対して約95%の利用者(在室者)が快適さを感じる状態に対応している。したがって、理論上、PMV値=0が維持される室内空間においては、その場に居合わせた大多数(約95%)の利用者がその空調環境に不快さを感じず満足した状態にあるとISOでは解釈されている。
上記特許文献1では、冷暖房手段の運転制御中にリモコンを介して利用者(在室者)により入力された「暑い」・「寒い」などの温冷感に基づいて、室内空間の基準となる快適度(PMV値)が補正されるように構成されている。したがって、利用者の温冷感が入力された場合には、冷暖房制御手段は、入力された利用者の温冷感が反映された快適度を新たな基準として、新たに設定された快適度の基準における中立状態に向けて冷暖房手段の運転制御を継続するように構成されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載された空気調和機では、リモコンを介して入力された利用者の温冷感に基づく快適度(PMV値(所定の快適指標))を新たな基準として冷暖房手段の運転制御が継続されるため、たとえば、先の利用者が有する温冷感に基づく快適度の基準で空調環境が維持されていた状態で、先の利用者が室内空間から退出して先の利用者とは異なる温冷感を有する利用者がこの室内空間に入室した際、後の利用者がその空調環境に快適さを感じない場合には、後の利用者もリモコンを操作して自己の温冷感を手動入力する必要があると考えられる。したがって、複数の利用者による室内空間への入退室のたびに各人が温冷感を都度入力する必要があるため、利用者にとってはリモコンを介した入力操作自体が非常に手間になり、その結果、所定の快適指標に基づく利用者による機器操作の手間が大きくなるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、所定の快適指標に基づく個人差を補正する際の利用者による機器操作の手間を大幅に削減することが可能な空気調和機の制御装置および空気調和機の制御方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による空気調和機の制御装置は、所定の快適指標が設定された空調環境に滞在する1または複数の利用者ごとの滞在時間帯情報を記憶する第1記憶手段と、空調環境に対する1または複数の利用者ごとの温冷感情報を1または複数の利用者と関連付けて記憶する第2記憶手段と、滞在時間帯情報および温冷感情報に基づいて快適指標に基づく制御量を補正した状態で、空気調和機の運転制御を行う空気調和機制御部とを備える。
この発明の第1の局面による空気調和機の制御装置では、上記のように、空調環境に滞在する1または複数の利用者ごとの滞在時間帯情報および空調環境に対する1または複数の利用者ごとの温冷感情報に基づいて快適指標に基づく制御量を補正した状態で空気調和機の運転制御を行う空気調和機制御部を備えることによって、空調環境に滞在中の利用者に合わせた温冷感を空気調和制御に自動的に反映させることができるので、利用者にとっては空調環境滞在時に自己の温冷感を空気調和機側に都度入力する手間を掛けることなく自己の温冷感が自動的に反映された空調環境を享受することができる。その結果、所定の快適指標に基づく個人差を補正する際の利用者による機器操作の手間を大幅に削減することができる。
上記第1の局面による空気調和機の制御装置において、好ましくは、1または複数の利用者の空調環境に対する温冷感情報は、所定の快適指標に対する補正量として第2記憶手段に記憶されるように構成されており、空気調和機制御部は、滞在時間帯情報に基づいて特定された空調環境に滞在中の1または複数の利用者の温冷感情報に対応した補正量を制御量に付加することによって、空気調和機の運転制御を行うように構成されている。このように構成すれば、空調環境に滞在中の利用者を滞在時間帯情報に基づいて容易に特定することができるとともに、所定の快適指標が設定された空調環境に対して、特定された利用者に合わせた温冷感を加味した空気調和制御を容易に行うことができる。
上記第1の局面による空気調和機の制御装置において、好ましくは、1または複数の利用者は、各々が所定の勤務シフトに基づいて職務に従事する職務従事者を含み、第1記憶手段に記憶される滞在時間帯情報は、1または複数の職務従事者ごとの勤務シフト情報であり、空気調和機制御部は、勤務シフト情報および温冷感情報に基づいて快適指標に基づく制御量を補正した状態で、空気調和機の運転制御を行うように構成されている。このように構成すれば、所定の勤務シフトに基づいて職務に従事する職務従事者が滞在する空調環境において、空調環境に滞在中の職務従事者に合わせた温冷感を空気調和制御に自動的に反映させることができるので、職務従事者にとっては空調環境滞在時に自己の温冷感を空気調和機側に都度入力する手間を掛けることなく自己の温冷感が自動的に反映された空調環境を享受することができる。また、空気調和機側においても、各職務従事者の勤務シフト情報および温冷感情報に基づく効率的な空気調和制御を行うことができるので、所定の快適指標に基づく自動運転制御による省エネ効果を適切に得ることができる。
上記第1の局面による空気調和機の制御装置において、好ましくは、空調環境に対する利用者の温冷感の入力操作を受け付ける快適性入力部をさらに備え、利用者により快適性入力部を介して入力操作が行われた際に、第1記憶手段に記憶された滞在時間帯情報に基づいて快適性入力部を介して入力操作を行う1または複数の利用者が特定されるとともに、特定された1または複数の利用者の空調環境に対する温冷感情報が第2記憶手段に記憶されるように構成されている。このように構成すれば、快適性入力部を介して入力(登録)される1または複数の利用者ごとの温冷感情報を、この入力操作(登録操作)を行う1または複数の利用者と確実に関連付けて第2記憶手段に記憶(登録)させることができる。これにより、所定の快適指標が設定された空調環境に対して、利用者ごとの温冷感を空気調和制御に確実に反映させることができる。
この場合、好ましくは、温冷感情報が第2記憶手段に記憶されている状態で、空調環境に対する利用者の温冷感の入力操作が快適性入力部を介して再度受け付けられた場合、滞在時間帯情報に基づいて特定された利用者の温冷感情報に再度受け付けられた温冷感が反映された状態で第2記憶手段の記憶内容が更新されるように構成されている。このように構成すれば、利用者各人の温冷感が多少変化したり、利用者の人員構成が変更されて全体としての温冷感が多少変化した場合であっても、第2記憶手段に記憶(登録)される利用者の温冷感情報を利用者側の変更に対応させて常に最新の状態に更新することができる。
上記利用者の温冷感の入力操作を受け付ける快適性入力部をさらに備える構成において、好ましくは、1または複数の利用者の温冷感情報は、空調環境が有する複数の温湿度条件の各々に対応した温冷感情報の状態で快適性入力部を介して個別に入力操作されることによって第2記憶手段に記憶されるように構成されている。このように構成すれば、複数の温湿度条件の各々に対応して温冷感を細かく設定しておくことができるので、利用者各人の温冷感を空気調和制御に対して忠実に反映させることができる。
この発明の第2の局面による空気調和機の制御方法は、所定の快適指標が設定された空調環境に滞在する1または複数の利用者ごとの滞在時間帯情報を記憶するステップと、空調環境に対する1または複数の利用者ごとの温冷感情報を1または複数の利用者と関連付けて記憶するステップと、滞在時間帯情報および温冷感情報に基づいて快適指標に基づく制御量を補正した状態で、空気調和機の運転制御を行うステップとを備える。
この発明の第2の局面による空気調和機の制御方法では、上記のように、1または複数の利用者ごとの滞在時間帯情報および温冷感情報に基づいて快適指標に基づく制御量を補正した状態で空気調和機の運転制御を行うステップを備えることによって、空調環境に滞在中の利用者に合わせた温冷感を空気調和制御に自動的に反映させることができるので、利用者にとっては空調環境滞在時に自己の温冷感を空気調和機側に都度入力する手間を掛けることなく自己の温冷感が自動的に反映された空調環境を享受することができる。その結果、所定の快適指標に基づく個人差を補正する際の利用者による機器操作の手間を大幅に削減することができる。
本発明によれば、上記のように、所定の快適指標に基づく個人差を補正する際の利用者による機器操作の手間を大幅に削減することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態による制御装置100の構成について説明する。なお、制御装置100は、本発明の「空気調和機の制御装置」の一例である。
本実施形態による制御装置100は、図1に示すように、空気調和機1の運転制御を行う機能を有している。また、制御装置100が所定の制御量Pを常に出力しながら空気調和機1の運転制御を行うことによって、たとえば店舗内の空調環境2(二点鎖線で示す)が、ある決められた温湿度条件に保たれている。このような店舗においては、後述する勤務シフト表51(図4参照)に基づいて業務に携わる従業員が配置されている。ここで、従業員の人数は、勤務時間帯によっては一人の場合もあるし複数の場合もあるが、本実施形態においては、複数の従業員が1つの従業員グループを形成した状態で、複数の従業員グループが互いに異なる勤務時間帯において業務に携わる場合を想定している。なお、業務に携わる従業員は、本発明における「1または複数の利用者」および「職務に従事する職務従事者」の一例である。また、勤務シフト表51は、本発明の「滞在時間情報」および「勤務シフト情報」の一例である。
制御装置100は、空気調和機1とは別個な制御機器として構成されており、内部には空気調和機1の運転制御に関する制御量Pなどを演算(算出)して出力する空調機運転制御部11を含む制御回路が組み込まれている。また、制御装置100は、図示しない箱状の筐体に収納されており、筐体の正面部には、従業員が操作可能な快適性操作パネル20が設けられている。また、制御装置100は、空気調和機1に専用の通信回線1aを介して接続されている。なお、空調機運転制御部11は、本発明の「空気調和機制御部」の一例である。また、快適性操作パネル20は、本発明の「快適性入力部」の一例である。
空気調和機1は、いわゆる蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置からなる。すなわち、空気調和機1は、図示しない圧縮機、四方弁、凝縮器(室外側熱交換器)、膨張弁および蒸発器(室内側熱交換器)が冷媒配管を介して一巡するように接続された冷凍サイクル装置として構成されている。そして、制御装置100からの指令に基づいて四方弁が冷房サイクル側または暖房サイクル側に切り替えられることにより、空気調和機1が冷房運転または暖房運転で運転されるように構成されている。また、このような冷凍サイクル装置においては、二酸化炭素冷媒などの自然冷媒や、オゾン層破壊係数がゼロの代替フロン冷媒が使用可能に構成されている。
ここで、本実施形態では、国際標準化機構の定める国際規格ISO−7730に記載された予測平均温冷感申告(PMV値)に基づいて空調環境2の温湿度条件が制御されるように構成されている。なお、予測平均温冷感申告(PMV値)は、本発明の「所定の快適指標」の一例である。
具体的には、図2に示すように、空気調和が行われる空調環境2(図1参照)が有する快適性のレベルが、利用者の感覚(温冷感)としての「寒い」(=PMV値換算で「−3」に相当)から「涼しい」、「やや涼しい」および「中立(快適)」(=PMV値換算で「0」に相当)を経て、反対側の「やや暖かい」、「暖かい」および「暑い」(=PMV値換算で「+3」に相当)までの数値範囲のいずれかの数値に該当する場合、制御装置100(図1参照)は、現時点で把握されている快適性のレベルから空調環境2が常に「中立」の状態に向かうように空気調和機1(図1参照)を運転制御するように構成されている。
たとえば、制御装置100側において現時点で把握されている快適性のレベルがPMV値換算で「−2」に対応する涼しい状態であった場合、制御装置100は、現在のPMV値である「−2」の状態から中立に相当する「0」の状態へと空調環境2をシフトさせるような制御量Pに基づいて空気調和機1の運転制御を行う。そして、空調環境2の温度(湿度)が徐々に上昇されて、所定時間経過後にPMV値が「0」近傍の値として検出された場合、制御装置100は、このPMV値≒0に対応する温湿度条件を極力維持するように空気調和機1の運転制御を継続する。
反対に、制御装置100側において現時点で把握されている快適性のレベルがPMV値換算で「+3」に対応する暑い状態であった場合、制御装置100は、現在のPMV値である「+3」の状態から中立に相当する「0」の状態へと空調環境2をシフトさせるような制御量Pに基づいて空気調和機1の運転制御を行う。そして、空調環境2の温度(湿度)が徐々に低下されて、所定時間経過後にPMV値が「0」近傍の値として検出された場合、制御装置100は、このPMV値≒0に対応する温湿度条件を極力維持するように空気調和機1の運転制御を継続する。
なお、空調環境2(図1参照)には、この予測平均温冷感申告(PMV値)に対応する温湿度条件が、空気調和の基準値として予め設定されている。また、空気調和が行われる空調環境2のPMV値が中立(快適)を意味する「0」であることは、理論上、空調環境2に対して約95%の従業員(利用者)が快適さを感じる状態に対応している。したがって、PMV値≒0に保たれた空調環境2は、その場に居合わせた大多数(約95%)の従業員(利用者)が空調環境2に不快さを感じずほぼ満足した状態にあると考えられている。
したがって、上記の制御手法を実現するために、制御装置100は、図1に示すように、PMV値算出部10と、空調機運転制御部11と、補正量算出部12と、勤務シフト記憶部13と、補正量記憶部14と、快適性操作パネル20とを備えている。また、空調環境2には、空調環境2の温湿度条件を検出するための複数のセンサ類3(破線で囲む)が所定箇所に設けられている。センサ類3には、室内温度センサ4、室内湿度センサ5、室内輻射温度センサ6および気流センサ7などが含まれており、センサ類3により、空調環境2のPMV値を把握(算出)するための環境側の要素が取得されるように構成されている。また、空調環境2のPMV値を把握(算出)するための人間側の要素としては、従業員の着衣量および活動量が挙げられる。この従業員の着衣量および活動量については、空調環境2の大きさ(広さ)や従業員数および従業員の年齢層などの情報に基づき、別途、制御装置100に対して設定されている。なお、勤務シフト記憶部13および補正量記憶部14は、それぞれ、本発明の「第1記憶手段」および「第2記憶手段」の一例である。
PMV値算出部10は、センサ類3による空調環境2の環境状態の検出結果(温湿度条件)および予め設定された従業員の着衣量および活動量などに基づいて、現在の空調環境2が有するPMV値を算出する役割を有している。なお、PMV値の算出式は、国際規格ISO−7730に記載されているので説明を省略する。また、空調機運転制御部11は、PMV値算出部10により算出された現在のPMV値に基づいて空気調和機1に対して運転制御を行う際の制御量Pを算出するとともに、算出された制御量Pに基づいて空気調和機1に対する運転指令(運転信号)を出力する役割を有している。なお、運転指令の内容としては、運転モード(冷房運転/暖房運転/送風運転/ドライ運転)、目標温度(乾球温度)、目標湿度(相対湿度)および送風機風量などが含まれる。
補正量算出部12は、後述する快適性操作パネル20(図3参照)を介して受け付けられた従業員グループごとに有する「暑い」・「寒い」などの温冷感に基づいて、PMV値算出部10により算出された現在のPMV値に対して加味される補正量Qを算出(選択)する役割を有している。
勤務シフト記憶部13には、予め管理者(使用者)側で作成された従業員グループごとの勤務シフト表51が記憶されている。勤務シフト表51には、図4に示すように、1日における各従業員グループの勤務時間帯が登録されている。たとえば、2013年2月3日(日曜日)では、午前9時から午後13時までが従業員グループAの勤務時間帯であり、午後13時から午後18時までが従業員グループBの勤務時間帯であり、午後18時から午後22時までが従業員グループCの勤務時間帯として登録(設定)されている。また、2013年2月4日(月曜日)においては、午前9時から午後13時までが従業員グループDの勤務時間帯であり、午後13時から午後22時までが従業員グループEの勤務時間帯として登録(設定)されている。
補正量記憶部14(図1参照)には、従業員グループA〜Eの各々に関連付けられて個別に作成された複数の快適性補正テーブル52が記憶されている。快適性補正テーブル52は、図5に示すように、従業員グループごとの快適性を補正するための補正量Qが予め設定されている。なお、快適性補正テーブル52は、本発明の「温冷感情報」の一例である。
たとえば、従業員グループAについては、温度24℃/50%RH(相対湿度)に保たれた空調環境2に対する温冷感は「快適」であるとして、PMV値に対する補正量Qは「0」に設定されている。また、温度23℃/48%RH(相対湿度)に保たれた空調環境2に対しては「やや涼しい」として、PMV値に対する補正量Qは「−1」に設定されている。したがって、この場合は、温度(湿度)をやや上昇させることで「快適」な状態を得たい意思を示している。反対に、温度26℃/53%RH(相対湿度)に保たれた空調環境2に対しては「やや暖かい」として、PMV値に対する補正量Qは「+1」に設定されている。したがってこの場合は、温度(湿度)をやや低下させることで「快適」な状態を得たい意思を示している。このように、快適性補正テーブル52は、空調環境2が有する複数の温湿度条件の各々に対応した補正量Qを複数有した状態で補正量記憶部14に記憶されている。なお、従業員グループB〜Eについても上記と同じ趣旨の内容が設定された快適性補正テーブル52が補正量記憶部14にそれぞれ記憶されている。
制御装置100(図1参照)では、勤務シフト記憶部13に勤務シフト表51が記憶され、かつ、補正量記憶部14に快適性補正テーブル52が記憶された状態で、空気調和機1に対して次のような運転制御が行われる。なお、以下に説明する運転制御が行われる前提として、空気調和機1に対する所定の運転制御が行われて空調環境2がPMV値≒0に対応する温湿度条件に保たれていたとする。
すなわち、本実施形態では、制御装置100は、空調環境2に滞在する従業員グループA〜Eの勤務シフト情報(滞在時間情報)が集約された勤務シフト表51(図4参照)、および、空調環境2に対する従業員グループA〜Eごとの快適性補正テーブル52(図5参照)に基づいて予測平均温冷感申告(PMV値)に基づく制御量Pを補正した状態で、空気調和機1の運転制御を行うように構成されている。これにより、各従業員グループの空調環境2に滞在する時間帯(勤務シフト)に合わせて滞在中の従業員グループが有する温冷感を空気調和制御に自動的に反映させる制御が行われるように構成されている。
この点について、具体例を挙げて説明する。たとえば、従業員グループA、BおよびCが、2013年2月3日(日曜日)の勤務シフト表51(図4参照)に基づいて業務を行う場合を考える。
まず、空調環境2は、午前9時まではPMV値≒0に対応する所定の温湿度条件に保たれていたとする。この状態では、PMV値≒0に対応する制御量Pに基づいて空気調和機1の運転制御が行われている。そして、午前9時から従業員グループAが空調環境2に滞在して業務を開始する。この際、従業員グループAの温冷感が登録(設定)された温冷感情報としての快適性補正テーブル52(図5参照)が制御装置100(図1参照)内部で参照されながら空気調和機1の運転制御が継続される。
たとえば、空調環境2の午前9時での温湿度条件が25℃/53%RHであった場合、図5に示すように、快適性補正テーブル52における同温湿度条件においては従業員グループAの温冷感として「やや暖かい」に対応した補正量Qとして「+1」が設定されている。したがって、図6に示すように、午前9時において空気調和機制御部11(図1参照)が把握する現在のPMV値が「0」から「+1」へと変更される。
これにより、補正量算出部12(図1参照)においては、変更されたPMV値(=+1.0)に基づいて空気調和機1に対して運転制御を行う際の新たな制御量Pが算出されるとともに、算出された新たな制御量Pに基づいて空気調和機1に対する運転指令が空調機運転制御部11から出力される。したがって、制御装置100は、変更された現在(午前9時)のPMV値である「+1.0」の状態から中立である「0」の状態へと空調環境2をシフトさせるような新たな制御量Pのもとでの運転制御を空気調和機1に対して行う。そして、時間経過とともに、従業員グループAにとって快適さ(PMV値≒0)を感じる温湿度条件へと近付けられる。なお、空気調和機1の運転内容については、その時点における温湿度条件に応じて、冷房運転、暖房運転、送風運転またはドライ運転などが適宜選択される。このように、本実施形態では、PMV値を「+1.0」から「0」に向けて遷移させるのに必要な新たな制御量Pは、勤務シフト表51に基づいて特定された空調環境2に滞在中の従業員グループAの快適性補正テーブル52に対応した補正量Qを制御量Pに付加した状態で空気調和機1の運転制御を行うように構成されている。
また、図4に示すように、午後13時を境に、従業員グループAと入れ替わるようにして従業員グループBが空調環境2に滞在して業務を開始する。この際、従業員グループBの温冷感が登録された温冷感情報としての快適性補正テーブル52(図5参照)が参照されながら空気調和機1の運転制御が行われる。たとえば、空調環境2の午後13時での温湿度条件に対して従業員グループBの温冷感として「やや涼しい」に対応した「−1」が設定されていたとする。この場合、図6に示すように、午後13時において空気調和機制御部11(図1参照)が把握する現在のPMV値が「0」から「−1」へと変更される。
これにより、補正量算出部12(図1参照)においては、変更されたPMV値(=−1.0)に基づいて空気調和機1に対して運転制御を行う際の新たな制御量Pが算出されるとともに、算出された新たな制御量Pに基づいて空気調和機1に対する運転指令が空調機運転制御部11から出力される。したがって、制御装置100は、変更された現在(午後13時)のPMV値である「−1.0」の状態から中立である「0」の状態へと空調環境2をシフトさせるような新たな制御量Pのもとでの運転制御を空気調和機1に対して行う。そして、時間経過とともに、従業員グループBにとって快適(PMV値≒0)となる温湿度条件へと近付けられる。この場合も、空気調和機1の運転内容については、その時点における温湿度条件に応じて、冷房運転、暖房運転、送風運転またはドライ運転などが適宜選択されうる。
また、図4に示すように、午後17時を境に、従業員グループBと入れ替わるようにして従業員グループCが空調環境2に滞在して業務を開始する。この際、従業員グループCに対応した快適性補正テーブル52(図5参照)が参照されながら空気調和機1の運転制御が行われる。たとえば、空調環境2の午後17時での温湿度条件に対して従業員グループCの温冷感として「暖かい」に対応した「+2」が設定されていたとする。この場合、図6に示すように、午後17時において現在のPMV値が「0」から「+2」へと変更される。したがって、制御装置100は、変更された現在(午後17時)のPMV値である「+2.0」の状態から中立である「0」の状態へと空調環境2をシフトさせるような新たな制御量Pのもとでの運転制御を空気調和機1に対して行う。そして、時間経過とともに、従業員グループCにとって快適(PMV値≒0)となる温湿度条件へと近付けられる。
このように、制御装置100による空気調和機1の運転制御においては、従業員グループの温冷感に応じて空調環境2の温湿度条件を一時的に各従業員グループの快適性(温冷感)に合わせるような空気調和制御が行われる。なお、図6に示した一例では、従業員グループA〜Cの入れ替わりに応じて、都度、空調環境2の快適さが変更されるような制御例を図示しているが、たとえば、午後13時の時点で従業員グループAからBに入れ替わった際、その時点での温湿度条件が従業員グループBに対応する快適性補正テーブル52において「快適(補正量Q=0)」であった場合には、PMV値の変更は行われない。
また、快適性操作パネル20は、図3に示すように、予測平均温冷感申告(PMV値)に対応する温湿度条件が空気調和の基準値として設定された空調環境2に対して、従業員グループごとの温冷感を受け付ける機能を有している。
具体的には、快適性操作パネル20は、操作画面21を有しており、操作画面21には、従業員グループの温冷感に基づき現在の空調環境2を評価するための温感ボタンとして、「暑い」という温冷感を入力する際に押下されるボタン画像22と、「寒い」という温冷感を入力する際に押下されるボタン画像23とが設けられている。また、快適性操作パネル20(操作画面21)はタッチパネル式であり、従業員(従業員グループの代表者など)がボタン画像22またはボタン画像23に指などを触れて軽く押下することにより、ボタン画像22または23が押下された旨が受け付けられるように構成されている。
ここで、本実施形態では、従業員により快適性操作パネル20を介して入力操作を行うことによって、補正量記憶部14(図1参照)に予め記憶するための快適性補正テーブル52を作成することが可能に構成されている。すなわち、従業員により快適性操作パネル20を介した入力操作が行われた際、勤務シフト記憶部13(図1参照)に記憶された勤務シフト表51に基づいて快適性操作パネル20を介して入力操作を行った従業員グループが特定されるとともに、特定された従業員グループの空調環境2に対する快適性補正テーブル52が新規作成または最新の状態に更新されて補正量記憶部14に記憶されるように構成されている。
たとえば、従業員グループAの勤務時間中において、現在の温湿度条件(たとえば、26℃/53%RHとする)に調整された空調環境2が暑いと感じた場合にグループ構成員の誰かが代表で「暑い」を示すボタン画像22(図3参照)を1回押下したとする。この場合、まず、制御装置100内において勤務シフト表51(図4参照)が参照されることにより、ボタン画像22が押圧された時点での従業員グループAが特定されるとともに、操作画面21に設けられた従業員名表示部24には特定された従業員グループ名が「従業員グループA」のように表示される。そして、図5に示すように、現在の温湿度条件である26℃/53%RHに対応する補正量Qに「+1」が登録された状態となって補正量記憶部14に従業員グループAの快適性補正テーブル52が記憶(保存)されるように構成されている。また、快適性補正テーブル52は、入力時の空調環境2が有する温湿度条件に対応するように補正量Qが個別に入力されるように構成されている。
また、本実施形態では、予め作成済みの快適性補正テーブル52が補正量記憶部14に記憶されている状態で、空調環境2に対する従業員グループの温冷感の入力操作が快適性操作パネル20を介して再度受け付けられた場合、勤務シフト表51に基づいて特定された従業員グループの快適性補正テーブル52に、この再度受け付けられた温冷感が反映された状態で補正量記憶部14の記憶内容が更新されるように構成されている。したがって、制御装置100による空気調和制御が運用されている最中であっても、快適性補正テーブル52は、常に最新の状態で記憶されるようにも構成されている。
なお、ボタン画像22または23が押下されて温冷感が再度受け付けられた場合、PMV値のさらなる変更に基づいて空気調和機1の運転制御が継続される。したがって、空調環境2の温湿度条件が略安定するまでの所定期間(たとえば10分間)は、ボタン画像22または23が繰り返し押下されても温冷感が再度受け付けられない(快適性補正テーブル52への補正量Qの更新が反映されない)ように構成されている。本実施形態による制御装置100は、上記のように構成されている。
次に、図1、図3〜図5および図7を参照して、本実施形態による制御装置100によって空気調和機1の運転制御が行われる際の空調機運転制御部11の処理フローについて説明する。なお、以下では、空気調和機1(図1参照)が空調環境2(図1参照)に設定された予測平均温冷感申告(PMV値)に基づいて運転制御されている際の空調機運転制御部11の処理動作について説明を行う。
図7に示すように、まず、ステップS1では、空調機運転制御部11(図1参照)により、現在の日付および時刻情報が取得される。そして、ステップS2では、勤務シフト記憶部13(図1参照)に記憶された勤務シフト表51(図4参照)が参照されることにより、取得された日付および時刻情報に対応して空調環境2(図1参照)に滞在する従業員グループが存在するか否かが空調機運転制御部11により判断される。ステップS2において現在の日付および時刻情報に対応して空調環境2に滞在する従業員グループが存在しないと判断された場合は、本制御フローは終了される。なお、本制御フロー終了後は、所定の制御周期が経過した後に、再び、図7に示した本制御フローが実行される。
また、ステップS2において現在の日付および時刻情報に対応して空調環境2に滞在する従業員グループが存在すると判断された場合、ステップS3では、現在の日付および時刻情報に対応して空調環境2に滞在する従業員グループが空調機運転制御部11により特定される。たとえば、2013年2月3日(日曜日)の午前9時であった場合、勤務シフト表51に基づいて従業員グループAが空調環境2に滞在していることが特定される。
そして、ステップS4では、空調機運転制御部11により、現在の空調環境2のPMV値および温湿度条件(温度および相対湿度)が取得される。この場合、PMV値算出部10(図1参照)により現在のPMV値として「0」が取得されるとともに、温湿度条件として「温度23℃/48%RH(相対湿度)」が取得されたとする。その後、ステップS5において、特定されたいずれかの従業員グループが有する快適性補正テーブル52(図5参照)が参照されることにより、現在の空調環境2の温湿度条件に対応する従業員グループAの温冷感情報(補正量Q)が取得される。この場合、従業員グループAの快適性補正テーブル52においては、温度23℃/48%RHに保たれた空調環境2に対しては「やや涼しい」に対応した補正量Qとしての「−1」が取得される。
これにより、本実施形態では、ステップS6において、ステップS4で取得された現在の空調環境2のPMV値に対して、ステップS5で取得された温冷感情報に対応するPMV値の補正量Qが加算される。すなわち、ステップS4において取得されたPMV値の「0」に対して従業員グループAの温冷感としての「やや涼しい」に対応する補正量Qである「−1」が加算される。これにより、PMV値は、現在の「0」から「−1」へと変更される。
そして、ステップS7では、空調機運転制御部11の指令に基づき、補正量算出部12において、変更されたPMV値に基づく空気調和機1(図1参照)に対する新たな制御量Pが算出される。その後、ステップS8では、ステップS7で算出された新たな制御量Pに基づいて空気調和機1に対する補正運転制御が開始される。なお、本制御フロー終了後は、所定の制御周期が経過した後に、再び、図7に示した本制御フローが実行される。
次に、図1、図3〜図5および図8を参照して、本実施形態による制御装置100によって空気調和機1の運転制御が行われる際に、快適性操作パネル20が入力操作を受け付けた場合の空調機運転制御部11の処理フローについて説明する。
図8に示すように、まず、ステップS21では、快適性操作パネル20(図3参照)における温感ボタンとしてのボタン画像22(図3参照)またはボタン画像23(図3参照)が従業員(従業員グループの代表者)によって押下されたか否かが空調機運転制御部11(図1参照)により判断されるとともに、ボタン画像22またはボタン画像23が従業員(従業員グループの代表者)によって押下されたと判断されるまで、ステップS21の判断が繰り返される。
ステップS21において、ボタン画像22またはボタン画像23が従業員(従業員グループの代表者)によって押下されたと判断された場合、ステップS22では、空調機運転制御部11(図1参照)により、現在の日付および時刻情報が取得される。そして、ステップS23では、空調機運転制御部11により、勤務シフト記憶部13(図1参照)に記憶された勤務シフト表51(図4参照)が参照されることにより、取得された日付および時刻情報に対応して空調環境2(図1参照)に滞在する従業員グループが特定される。たとえば、現在の時刻が2013年2月4日(月曜日)の午後15時であった場合、勤務シフト表51に基づいて従業員グループE(図4参照)が空調環境2に滞在して業務を行っていることが特定される。
そして、ステップS24では、空調機運転制御部11により、現在の空調環境2の温湿度条件(温度および相対湿度)が取得される。そして、ステップS25では、快適性補正テーブル52(図5参照)が補正量記憶部14(図1参照)から呼び出されるとともに、ステップS24で取得された空調環境2の温湿度条件に対応する補正量Qに対して、ステップS21で従業員(従業員グループEの代表者)によって押下されたボタン画像22またはボタン画像23に対応する補正量へと変更される。たとえば、変更前の補正量Q=「0」であり、かつ、ボタン画像22が1回押圧された場合には、補正量Qは、「0」から「+1」へと変更される。
その後、本実施形態では、ステップS26において、補正量Qの変更が行われた快適性補正テーブル52が補正量記憶部14に上書き保存(再記憶)されることにより、本制御フローは終了される。なお、本制御フロー終了後は、所定の制御周期が経過した後に、再び、図8に示した本制御フローが実行される。
本実施形態では、上記のように、空調環境2に滞在するとともに各々が所定の勤務シフトに基づいて業務に携わる従業員グループA〜Eの勤務シフト表51、および、空調環境2に対する従業員グループA〜Eごとの快適性補正テーブル52に基づいて予測平均温冷感申告(PMV値)に基づく制御量Pを補正した状態で空気調和機1の運転制御を行う空気調和機制御部11を備える。これにより、空調環境2に滞在中の従業員グループに合わせた温冷感を空気調和制御に自動的に反映させることができるので、従業員グループにとっては空調環境2への滞在時に自己の「暑い」・「寒い」などの温冷感を制御装置100側に都度入力する手間を掛けることなくグループごとの温冷感が自動的に反映された空調環境2を享受することができる。その結果、予測平均温冷感申告(PMV値)に基づく個人差(グループに固有の温冷感)を補正する際の従業員による機器操作の手間を大幅に削減することができる。また、制御装置100側においても、各従業員グループの勤務シフト表51および快適性補正テーブル52に基づく効率的な空気調和制御を行うことができるので、予測平均温冷感申告に基づく自動運転制御による省エネ効果を適切に得ることができる。
また、本実施形態では、各従業員グループの空調環境2に対する快適性補正テーブル52は、予測平均温冷感申告(PMV値)に対する補正量Qとして補正量記憶部14に記憶されるように構成されており、勤務シフト表51に基づいて特定された空調環境2に滞在中の従業員グループの快適性補正テーブル52に対応した補正量Qを制御量Pに付加することによって、空気調和機1の運転制御を行うように空気調和機制御部11を構成する。これにより、空調環境2に滞在中の従業員グループを勤務シフトに基づいて容易に特定することができるとともに、予測平均温冷感申告が設定された空調環境2に対して、特定された従業員グループに合わせた温冷感を加味した空気調和機1の運転制御を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、空調環境2に対する従業員グループの温冷感の入力操作を受け付ける快適性操作パネル20をさらに備え、従業員グループにより快適性操作パネル20を介して入力操作が行われた際に、勤務シフト記憶部13に記憶された勤務シフト表51に基づいて快適性操作パネル20を介して入力操作を行う従業員グループが特定されるとともに、特定された従業員グループの空調環境2に対する快適性補正テーブル52が補正量記憶部14に記憶されるように構成する。これにより、快適性操作パネル20を介して入力(登録)される従業員グループごとの快適性補正テーブル52を、この入力操作(登録操作)を行う従業員グループと確実に関連付けて補正量記憶部14に記憶(登録)させることができる。これにより、予測平均温冷感申告が設定された空調環境2に対して、従業員グループごとの温冷感を空気調和制御に確実に反映させることができる。
また、本実施形態では、快適性補正テーブル52が補正量記憶部14に記憶されている状態で、空調環境2に対する従業員グループの温冷感の入力操作が快適性操作パネル20を介して再度受け付けられた場合、勤務シフト表51に基づいて特定された従業員グループの快適性補正テーブル52に再度受け付けられた温冷感が反映された状態で補正量記憶部14の記憶内容が更新されるように制御装置100を構成する。これにより、各従業員グループ内での温冷感が多少変化したり、従業員グループの人員構成が変更されて全体としての温冷感が多少変化した場合であっても、補正量記憶部14に記憶(登録)される従業員グループの快適性補正テーブル52を従業員グループ側の変更に対応させて常に最新の状態に更新することができる。
また、本実施形態では、各従業員グループの快適性補正テーブル52は、空調環境2が有する複数の温湿度条件の各々に対応した快適性補正テーブル52の状態で快適性操作パネル20を介して個別に入力操作されることによって補正量記憶部14に記憶されるように構成する。これにより、複数の温湿度条件の各々に対応して温冷感を細かく設定しておくことができるので、各従業員グループの温冷感を空気調和制御に対して忠実に反映させることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、複数人数の従業員が1つの従業員グループを形成した状態で、複数の従業員グループA〜Eが互いに異なる日付および勤務時間帯において業務に携わる場合に対して本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、各従業員グループの構成員が1人の場合においても本発明を適用することが可能である。つまり、勤務時間帯に応じて互いに異なる温冷感を有する従業員各人が有する快適度を、各々の従業員の勤務時間帯に応じて個別に補正しながら空調環境2の空気調和制御を行ってもよい。また、従業員グループの構成員が1人の場合や複数人数の場合が混在しているような勤務形態においても、本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、勤務シフト表51を勤務シフト記憶部13に記憶させるとともに、快適性補正テーブル52を補正量記憶部14に記憶させた例について示したが、本発明はこれに限られない。勤務シフト表51および快適性補正テーブル52を、同じ1つの記憶部(メモリ)に記憶させるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、ボタン画像22を1回押下して「暑い」という温冷感を入力した場合のPMV値の補正量Qを「+1」に設定するとともに、ボタン画像23を1回押下して「寒い」という温冷感を入力した場合のPMV値の補正量Qを「−1」に設定するように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、1回分の温感ボタン(ボタン画像22または23)に対応する補正量Qの増減幅は、上記した「+1.0」や「−1.0」以外であってもよい。よりきめ細かな制御を行う場合には、1回分の温感ボタンに対応する補正量Qの変更幅を、「±0.2」きざみなどとしてもよい。
また、上記実施形態では、快適性操作パネル20をタッチパネル式の操作画面21を用いて構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、利用者(従業員)の個人的な「暑い」・「寒い」などの温冷感を入力するための物理的な温感ボタンを有するリモコン装置や操作画面に隣接して配置された物理的な温感ボタンを用いて、本発明の「快適性入力部」を構成してもよい。
また、上記実施形態では、ボタン画像22またはボタン画像23を押下することによって利用者(従業員)の「暑い」または「寒い」などの温冷感を受け付けるように快適性操作パネル20を構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、快適性操作パネル20にマイクロフォンを設けておき、制御装置100側で利用者(従業員)の「暑い」、「暖かい」、「涼しい」または「寒い」などの発声内容を音声認識する方法を利用して、利用者(従業員)の温冷感を受け付けるように構成してもよい。また、たとえば、快適性操作パネル20にカメラ(撮像部)を設けておき、利用者(従業員)の身振り手振り(ジェスチャー)を画像認識した結果に基づいて利用者(従業員)の温冷感を判別可能に受け付けるように構成してもよい。また、センサ類3のひとつとして空調環境2にカメラ(撮像部)を設置しておき、利用者(従業員)の暑さ寒さに関連する行動や身振り手振りを画像認識した結果に基づいて利用者(従業員)の温冷感を判別可能に受け付けるように構成してもよい。また、マイクロフォンやカメラなどを組み合わせて用いることによって利用者(従業員)の温冷感を受け付けるように本発明の「快適性入力部」を構成してもよい。
また、上記実施形態では、店舗内の空調環境2に対して空気調和機1による空気調和を行う場合に本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限られない。特定の職務従事者が勤務するオフィスビルなどの建築物内における空調環境2に対して、本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置を使用して空気調和機1を構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、空気調和機1は、吸収式冷凍機であってもよい。
また、上記実施形態では、説明の便宜上、空調機運転制御部11の空気調和機1の運転に関する制御処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、空調機運転制御部11の処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
1 空気調和機
2 空調環境
3 センサ類
10 PMV値算出部
11 空調機運転制御部(空気調和機制御部)
12 補正量算出部
13 勤務シフト記憶部(第1記憶手段)
14 補正量記憶部(第2記憶手段)
20 快適性操作パネル(快適性入力部)
22、23 ボタン画像
51 勤務シフト表(滞在時間帯情報、勤務シフト情報)
52 快適性補正テーブル(温冷感情報)
100 制御装置(空気調和機の制御装置)
2 空調環境
3 センサ類
10 PMV値算出部
11 空調機運転制御部(空気調和機制御部)
12 補正量算出部
13 勤務シフト記憶部(第1記憶手段)
14 補正量記憶部(第2記憶手段)
20 快適性操作パネル(快適性入力部)
22、23 ボタン画像
51 勤務シフト表(滞在時間帯情報、勤務シフト情報)
52 快適性補正テーブル(温冷感情報)
100 制御装置(空気調和機の制御装置)
Claims (7)
- 所定の快適指標が設定された空調環境に滞在する1または複数の利用者ごとの滞在時間帯情報を記憶する第1記憶手段と、
前記空調環境に対する前記1または複数の利用者ごとの温冷感情報を前記1または複数の利用者と関連付けて記憶する第2記憶手段と、
前記滞在時間帯情報および前記温冷感情報に基づいて前記快適指標に基づく制御量を補正した状態で、空気調和機の運転制御を行う空気調和機制御部とを備える、空気調和機の制御装置。 - 前記1または複数の利用者の前記空調環境に対する前記温冷感情報は、前記所定の快適指標に対する補正量として前記第2記憶手段に記憶されるように構成されており、
前記空気調和機制御部は、前記滞在時間帯情報に基づいて特定された前記空調環境に滞在中の前記1または複数の利用者の前記温冷感情報に対応した前記補正量を前記制御量に付加することによって、前記空気調和機の運転制御を行うように構成されている、請求項1に記載の空気調和機の制御装置。 - 前記1または複数の利用者は、各々が所定の勤務シフトに基づいて職務に従事する職務従事者を含み、
前記第1記憶手段に記憶される前記滞在時間帯情報は、前記1または複数の職務従事者ごとの勤務シフト情報であり、
前記空気調和機制御部は、前記勤務シフト情報および前記温冷感情報に基づいて前記快適指標に基づく制御量を補正した状態で、前記空気調和機の運転制御を行うように構成されている、請求項1または2に記載の空気調和機の制御装置。 - 前記空調環境に対する前記利用者の温冷感の入力操作を受け付ける快適性入力部をさらに備え、
前記利用者により前記快適性入力部を介して入力操作が行われた際に、前記第1記憶手段に記憶された前記滞在時間帯情報に基づいて前記快適性入力部を介して前記入力操作を行う前記1または複数の利用者が特定されるとともに、特定された前記1または複数の利用者の前記空調環境に対する前記温冷感情報が前記第2記憶手段に記憶されるように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気調和機の制御装置。 - 前記温冷感情報が前記第2記憶手段に記憶されている状態で、前記空調環境に対する前記利用者の温冷感の入力操作が前記快適性入力部を介して再度受け付けられた場合、前記滞在時間帯情報に基づいて特定された前記利用者の前記温冷感情報に再度受け付けられた温冷感が反映された状態で前記第2記憶手段の記憶内容が更新されるように構成されている、請求項4に記載の空気調和機の制御装置。
- 前記1または複数の利用者の前記温冷感情報は、前記空調環境が有する複数の温湿度条件の各々に対応した前記温冷感情報の状態で前記快適性入力部を介して個別に入力操作されることによって前記第2記憶手段に記憶されるように構成されている、請求項4または5に記載の空気調和機の制御装置。
- 所定の快適指標が設定された空調環境に滞在する1または複数の利用者ごとの滞在時間帯情報を記憶するステップと、
前記空調環境に対する前記1または複数の利用者ごとの温冷感情報を前記1または複数の利用者と関連付けて記憶するステップと、
前記滞在時間帯情報および前記温冷感情報に基づいて前記快適指標に基づく制御量を補正した状態で、空気調和機の運転制御を行うステップとを備える、空気調和機の制御方法。
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