JP2015016685A - 画像記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写率が高い画像記録方法を提供する。
【解決手段】インクを第1の中間転写体1に付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、第1の中間転写体に形成された中間画像を第2の中間転写体6に転写する第1の転写工程と、第2の中間転写体に転写された前記中間画像を記録媒体9に転写する第2の転写工程と、を有する画像記録方法であって、第1の中間転写体と中間画像の付着力Fa、第2の中間転写体と前記中間画像の付着力Fb、記録媒体と前記中間画像の付着力Fcが、Fa<Fb<Fcの関係を満足する。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像記録方法に関する。
中間転写体にインクを付与することで中間画像を記録し、この中間画像を記録媒体に転写して画像を記録する方法(以下、「中間転写型画像記録方法」ともいう)が知られている。近年では、高速記録への需要の高まりに伴い、速い転写速度においても高いレベルの画質の画像が得られるような中間転写型画像記録方法が検討されている。
この中間転写型画像記録方法において、2つの中間転写体を使用し、一方の中間転写体に中間画像を形成し、他方の中間転写体へ一旦、中間画像を転写させた後に、中間画像を記録媒体へ転写する、2段転写方式の中間転写型画像方法が知られている。この方式を用いることで、中間転写体の大きさを小さくすることができ、装置全体を小型化することが可能である。
特許文献1には、第1の中間転写体から第2の中間転写体への転写時に静電転写を利用することで、第2の中間転写体から記録媒体に低圧力で中間画像を転写させる2段転写方式の中間転写型画像記録方法が記載されている。
特開平5−318714号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、インクが負に帯電している必要があり、インクに用いる材料に制限があった。即ち、様々な種類のインクについて、中間転写体に形成された中間画像を記録媒体に転写する際の転写率を向上することができない場合があった。
本発明は上記課題に鑑みなされたものである。すなわち、本発明は、インクに用いる材料の種類に依らず、高い転写率の画像を得ることができる2段転写方式の中間転写型画像記録装置を提供することを目的とする。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかる画像記録方法は、インクを第1の中間転写体に付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、前記第1の中間転写体に形成された前記中間画像を第2の中間転写体に転写する第1の転写工程と、前記第2の中間転写体に転写された前記中間画像を記録媒体に転写する第2の転写工程と、を有し、前記第1の中間転写体と前記中間画像の付着力Fa、前記第2の中間転写体と前記中間画像の付着力Fb、前記記録媒体と前記中間画像の付着力Fcが、Fa<Fb<Fcの関係を満足することを特徴とする。
本発明によれば、転写率が高い画像記録方法を提供することができる。
本発明の画像記録方法の第1の実施形態に係る画像記録装置の一例を示す模式図である。 図1に示す画像記録装置の記録処理手順を示すフローチャートである。 本発明の画像記録方法の第2の実施形態に係る画像記録装置の一例を示す模式図である。 図3に示す画像記録装置の記録処理手順を示すフローチャートである。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明の画像記録方法は、インクを第1の中間転写体に付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、第1の中間転写体に形成された中間画像を第2の中間転写体に転写する第1の転写工程と、第2の中間転写体に転写された中間画像を記録媒体に転写する第2の転写工程と、を有する。画像記録装置としては、インクを吐出するインク吐出部と、第1の中間転写体と、第2の中間転写体とを少なくとも有する。
更に、第1の中間転写体と中間画像の付着力Fa、第2の中間転写体と中間画像の付着力Fb、記録媒体と中間画像の付着力Fcが、Fa<Fb<Fcの関係を満足する。即ち、中間画像との付着力の大きさが、第1の中間転写体、第2の中間転写体、記録媒体の順に大きくなる。本発明の実施例においては、中間画像の付着力を、プローブタックテスターを用いて以下の方法で測定している。
先ず、測定試料として、直径5mmの円形に切り出した第1の中間転写体、第2の中間転写体及び記録媒体をそれぞれ用意し、これらの測定試料の上に、試験画像を形成する。そして、プローブタックテスター(製品名:タッキネステスターTK1、マルコム製)を用いて、直径5mmのプローブを加圧力20kg/cm、加圧時間0.1秒、引抜速度10mm/秒の条件で試験画像に押しつけ、試験画像を中間転写体及び記録媒体からプローブに転写させる。このとき、試験画像が測定試料から剥がされる際にかかる力を計測することで各測定試料と中間画像の付着力を測定する。
本発明の構成によって、転写率が高くなる理由について、本発明者らは以下のように推測している。第1の中間転写体から第2の中間転写体へ中間画像を転写させるためには、少なくとも第2の中間転写体と中間画像が付着する力で、第1の中間転写体から中間画像を引き剥がす必要がある。従って、中間画像と第1の中間転写体の付着力が、中間画像と第2の中間転写体の付着力よりも大きいと、中間画像を第2の中間転写体に転写し難く、第1の中間転写体上に転写残りが発生する。逆に、中間画像と第2の中間転写体の付着力が、中間画像と第1の中間転写体の付着力よりも大きいと、中間画像は第1の中間転写体から剥れて、第2の中間転写体に転写される。同様に、中間画像と記録媒体の付着力が、中間画像と第2の中間転写体の付着力よりも大きいと、中間画像は第2の中間転写体から剥れて、記録媒体に転写される。
本発明においては、更に、第1の中間転写体と中間画像の付着力Fa、第2の中間転写体と中間画像の付着力Fb、記録媒体と中間画像の付着力Fcが、9Fa/4<3Fb/2<Fcの関係を満足することが好ましい。
また、第1の中間転写体と中間画像の付着力Faが、0.5kg/cm以上3.0kg/cm以下であることが好ましく、第2の中間転写体と中間画像の付着力Fbが、1.0kg/cm以上5.0kg/cm以下であることが好ましい。
本発明において、中間画像との付着力の大きさを、第1の中間転写体、第2の中間転写体、記録媒体の順に大きくするための方法としては、例えば、下記(1)〜(6)の方法・手段を採用することができる。尚、(1)〜(6)の方法・手段は単独で用いても良く、複数の方法・手段を組み合わせても良い。
(1)表面硬度が、(第1の中間転写体の表面硬度)>(第2の中間転写体の表面硬度)<(記録媒体の表面硬度)の関係を満足するようにする。
第2の中間転写体と記録媒体表面の接触面積が大きい方が、中間画像と記録媒体の付着力が大きくなる。そして、転写時に同じ大きさの圧力を加えた場合には、第2の中間転写体の表面硬度が低い方が、中間転写体の変形量が大きくなり、記録媒体との接触面積が大きくなる。従って、中間画像と記録媒体との付着力を大きくするためには、第2の中間転写体の表面硬度を記録媒体の表面硬度より低くする。
この一方で、第1の中間転写体の表面硬度を第2の中間転写体の表面硬度をよりも高くする。これにより、第1の転写工程、即ち、第1の中間転写体から第2の中間転写体へ中間画像を転写する時に、第1の中間転写体の変形量が小さくなり第1の中間転写体と中間画像との接触面積を小さくすることができる。この結果、第2の中間転写体と中間画像の付着力に比べて、第1の中間転写体と中間画像の付着力を小さくすることができる。また、第1の中間転写体から第2の中間転写体への中間画像の転写では、2つの中間転写体間のニップにおける両方の中間転写体の変形量が大きくなると中間画像に歪みが生じる。そこで、第2の中間転写体の表面硬度を低くし、第1の中間転写体の表面硬度を高くすることにより、中間画像に生じる歪みを抑制することが出来る。
(2)第2の中間転写体の表面層の厚さを第1の中間転写体の表面層の厚さよりも厚くする。
2つの中間転写体が共通の支持部材と表面層を有し、かつ、2つの中間転写体の総厚さが一定の場合、第1の中間転写体の表面層よりも第2の中間転写体の表面層の厚さを厚くすると上記(1)と同様の理由により、中間画像と記録媒体との付着力を大きくすることができる。すなわち、第2の中間転写体よりも第1の中間転写体の表面層の厚さを薄くすると総厚さに占める支持部材の割合が大きくなる。これにより、第1の中間転写体の変形量を小さくして、第2の中間転写体と中間画像の付着力に比べて第1の中間転写体と中間画像の付着力を小さくすることができる。
(3)第1の転写工程において、第1の中間転写体から第2の中間転写体に中間画像を転写するときに加える圧力(第1の転写工程における転写圧力)を、第2の転写工程において、第2の中間転写体から記録媒体に中間画像を転写するときに加える圧力(第2の転写工程における転写圧力)よりも小さくする。
各転写圧力が上記関係を満足することで、上記(1)と同様の理由により、中間画像と記録媒体との付着力を大きくすることができ、第2の中間転写体と中間画像の付着力に比べて第1の中間転写体と中間画像の付着力を小さくすることができる。
(4)表面の算術平均粗さRaが、(第1の中間転写体のRa)>(第2の中間転写体のRa)>(記録媒体のRa)の関係を満足するようにする。
中間転写体および記録媒体では表面算術平均粗さRaを小さくした方が中間画像との接触面積を大きくして中間画像の付着力を大きくすることができる。従って、上記Raの関係を満足することで第1の中間転写体、第2の中間転写体、記録媒体の順に中間画像との付着力を大きくすることができる。また、このように第1の中間転写体の表面層の算術平均粗さRaを大きくすることにより、中間画像の保持性を高くして、中間画像がその表面を滑って動くのを抑制することが出来る。この結果、第1の中間転写体上での中間画像形成時のインクの動きを抑制しつつ、第1から第2の中間転写体へ高い転写率で中間画像を転写することが可能となる。
(5)表面温度が、(第1の中間転写体の表面温度)<(第2の中間転写体の表面温度)<(記録媒体の表面温度)の関係を満足するようにする。
中間転写体や記録媒体の表面温度を上げることにより中間転写体や記録媒体に接触した中間画像の温度が上昇するため、中間画像が軟化して中間転写体や記録媒体への付着力が上昇する。従って、上記表面温度の関係を満足することで、第1の中間転写体、第2の中間転写体、記録媒体の順に中間画像の付着力を大きくすることができる。
(6)第1の中間転写体の表面層がシリコーンゴムを含有する。また、第2の中間転写体の表面層をシリコーンゴムよりも中間画像の離型性に劣り、かつ、記録媒体よりも中間画像の離型性に優れる材料の層とする。
シリコーンゴムは表面自由エネルギーが小さく中間画像の離型性に優れるため、第1の中間転写体の表面層がシリコーンゴムを含有することにより、第1の中間転写体と中間画像の付着力を小さくすることができる。また、第2の中間転写体の表面層をシリコーンゴムよりも中間画像の離型性に劣る材料の層とすることにより、第1の中間転写体と比べて第2の中間転写体と中間画像の付着力を大きくすることができる。さら、に第2の中間転写体の表面層を記録媒体よりも離型性に優れる材料の層とすることにより、第2の中間転写体と比べて記録媒体と中間画像の付着力を大きくすることが出来る。第2の中間転写体の表面層の材料としては例えば、ウレタンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム等のゴム、アルミニウム、ステンレス等の金属、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂を挙げることができる。
また、図3を参照して後述するように、本発明の一実施形態として、記録媒体の表面および裏面にそれぞれ、第1および第2の中間転写体上の中間画像を記録媒体に同時に転写する記録装置がある。この記録装置であっても、上記(1)〜(6)の方法・手段を採用することにより、中間画像との付着力を、第1の中間転写体<第2の中間転写体<記録媒体とすることができる。すなわち、上記(1)〜(6)の方法・手段を採用することにより、第1の中間転写体と中間画像の付着力よりも、第2の中間転写体と中間画像の付着力の方が大きくなる。また、第2の中間転写体と中間画像の付着力よりも、記録媒体と中間画像の付着力の方が大きくなる。このため、上記と同様の理由により、第1の中間転写体上の中間画像を、効率的に第2の中間転写体に転写することができる。また、必然的に、第1の中間転写体と中間画像の付着力よりも、記録媒体と中間画像の付着力の方が大きくなる。従って、第1および第2の中間転写体上の中間画像を記録媒体に同時に転写する際には、中間画像は第1および第2の中間転写体から剥れて、記録媒体に転写されるものと考えられる。なお、上記(3)の「第2の中間転写体から記録媒体に中間画像を転写するときに加える圧力」とは、第1および第2の中間転写体上の中間画像を記録媒体に同時に転写する際に加える圧力を表す。
A.第1の実施形態
1.インクジェット記録装置
図1は、本発明の画像記録方法の第1の実施形態に係る画像記録装置の一例を示す模式図である。以下では、図1を参照して、本実施形態の画像記録装置を詳細に説明する。
図1において、第1の転写ドラム1は、インク離型性の表面層を有する第1の中間転写体である。この第1の転写ドラム1は軸13に支持され、図示していないドラム駆動装置によって、軸13を中心に矢印A方向に回転駆動可能となっている。第1の転写ドラム1の外周との対向位置には、A方向の上流側から下流側に向かって順に、処理液付与部2、インク付与部3、中間画像処理部4、およびクリーニング部5が配置されている。
そして、第2の転写ドラム6は、第2の中間転写体を構成する。この第2の転写ドラム6は第1の転写ドラム1と同様、軸13に支持され、図示していないドラム駆動装置によって、軸13を中心に矢印B方向に回転駆動可能である。第2の転写ドラム6の外周との対向位置には、B方向の上流側から下流側に向かって順に、転写部7、記録媒体分離部8およびクリーニング部5が配置されている。
更にインクジェット記録装置には、記録媒体9を記録媒体格納部(給紙カセット)10から転写部7へ搬送するための給紙搬送部11が設けられる。さらに、中間画像23が記録媒体9に転写された後に記録媒体9上の中間画像23を定着させるとともに、図示していない排紙トレイに記録媒体9を排紙する排紙搬送定着部12が配置されている。
以下では、図1の画像記録装置を構成する各部の構成について更に詳細に説明する。
(1)第1の転写ドラム1(第1の中間転写体)
図1に示すように、第1の中間転写体である第1の転写ドラム1は、アルミニウム製の支持部材14の周囲に、スポンジゴム製の圧縮層15が積層され、さらにその上にシリコーンゴム製の表面層16が積層されたものである。
支持部材14として使用される材料は、特にアルミニウムに限定されるわけではない。転写時の加圧に耐え得る剛性や寸法精度のほか、回転のイナーシャを軽減して制御の応答性を向上するため等について要求される特性を満たすものであれば良い。例えば、ニッケル、燐酸鉄等の金属や、アセタールのような強度に優れる熱硬化性樹脂、またはセラミック等によって成型されたものを用いることもできる。
スポンジゴム製の圧縮層15については、天然ゴム、クロロブレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム等を用いることができる。中間画像23を記録媒体9に転写するとき、中間画像の面内に均一に圧力が加わるための好ましい弾性特性を有し、かつ加えられる圧力の偏りを吸収し得るものであれば良い。また、目的に応じて、圧縮層15の層構成を変えても良い。
また、インク離型性の表面層16の材料についても、シリコーンゴムに限定されるものではない。後述する第2の転写ドラムの表面層よりも中間画像23との付着力が低いものであれば良く、適宜にその層構成を変えても良い。表面層16としては例えば、好ましい離型性および弾性特性を有するもの、表面硬度が高いもの、厚さが薄いものや、これらを組み合わせた構成とすることができる。なお、「離型性」とは、中間画像23が第1の転写ドラム1の表面に固着することなく除去可能である状態を示し、離型性が高いほど、第1の転写ドラム1と中間画像の付着力を小さくすることができる。また、クリーニング時の負荷の面からも離型性が高い方が有利である。
また、中間画像形成時の動きを抑制するために、表面層16は第2の中間転写体の表面層17よりも大きな算術平均粗さRaを有するものが好ましい。具体的には、第1の転写ドラム1の表面層の算術平均粗さRaは0.05μm以上5μm以下であることが好ましい。算術平均粗さRaが0.05μm未満であると中間画像の保持性が低下して中間画像23形成時のインクの動きを抑制できない場合がある。一方、算術平均粗さRaが5μmを超えると記録媒体9に転写された中間画像の画質が低下する場合がある。更に、第1の転写ドラムの表面層16に対してプラズマやUVなどで表面処理を行い、親水性を高めることで中間画像の保持性を高めることも出来る。
第2の転写ドラムよりも中間画像との付着力を小さくするために、第1の転写ドラムの表面硬度はA40以上A95以下であることが好ましく、また、表面層の厚さは20μm以上200μm以下であることが好ましい。
なお、第1の転写ドラム1に対しては、ヒータその他の温度調整手段を付加することができる。第1の転写ドラム1の表面温度を第2の転写ドラム6よりも低く設定することで中間画像との付着力が下がるので、室温以上120℃以下であることが好ましい。
(2)第2の転写ドラム6(第2の中間転写体)
第2の中間転写体である第2の転写ドラム6は、インク離型性の表面層17以外は第1の転写ドラム1と同じ構成を有している。表面層17は、中間画像23との付着力が、第1の転写ドラム1の表面層16と中間画像23の付着力よりも大きく、記録媒体9と中間画像23の付着力より小さい材料から構成されている。
上記のような性質を満たす材料としては、例えば、第1の転写ドラム1の表面層16の材料がシリコーンゴムの場合、表面層17の材料としてシリコーンゴム以外のウレタンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム等のゴムを挙げることができる。また、アルミニウム、ステンレス等の金属、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂などを挙げることができる。
表面層17と記録媒体9の接触面積が大きくなるほど、記録媒体9と中間画像の付着力は、表面層17と中間画像の付着力よりも大きくなり、第2の転写ドラム6から記録媒体9への中間画像の転写率は向上する。従って、例えば、表面層17としては、表面層16よりも表面硬度が低いもの、厚さが厚いもの、算術平均粗さRaが小さいものなどを用いることができる。具体的には、第2の転写ドラムの表面硬度はA60以下であることが好ましく、表面層の厚さは100μm以上であることが好ましい。これにより、表面層17は変形しやすくなり記録媒体9との接触面積が大きくなるため、中間画像の転写率は高くなる。
なお、第2の転写ドラム6に対しては、ヒータその他の温度調整手段を付加することができる。第2ドラムの表面温度は低すぎると付着力向上のための効果が少なくなり、高すぎると記録媒体への悪影響が大きくなることから、50℃以上180℃以下であることが好ましい。
(3)処理液付与部2
図1における処理液付与部2は、処理液容器18、処理液19、塗布ローラ20aおよび20bから構成されている。処理液付与部2は、処理液容器18内の処理液19を、第1の転写ドラム1へと塗布する。処理液付与部2は、第1の転写ドラム1上の矢印Aの方向に対して後述するインク付与部3の上流側に配置されている。
塗布ローラ20bは、第一の転写ドラム1に従動して回転する(従動回転)か、独立の塗布ローラ駆動手段(図示していない)によって回転制御可能となっている。また、塗布ローラ20aは、塗布ローラ20bに従動するか、独立の塗布ローラ駆動手段によって回転制御可能となっている。このように、2つの塗布ローラ20aおよび20bが回転することによって、処理液19は第1の転写ドラム1の表面に塗布される。処理液19の第1の転写ドラム1への塗布厚は、処理液19の濃度によっても異なるが、0.1μm以上10μm以下の範囲で設定することが好ましい。塗布した処理液の厚さが0.1μm未満であると、塗布ムラによる処理液とインクとの不均一な反応が生じる場合がある。一方、その厚さが10μmを超えると、凝集したインクが処理液表面を動くため、ビーディングを生じる場合がある。塗布ローラ20a及び20bは、処理液19との濡れ性が良い材料が好ましく、また、多孔質材料や表面凹凸材料、例えば、グラビアロール状のもの等、を用いることもできる。
さらに、処理液19の付与手段としては、上記のようなローラ形状に限定されず、第1の転写ドラム1へ処理液19を付与できる手段を適宜に用いることができる。具体的には、ブレードにより塗布量をコントロールする方法や、スプレーやインクジェット方式の記録ヘッドを用いて付与を行う方法等を用いることができる。
また、処理液付与部2は、図示しない離接制御装置により第1の転写ドラム1に離接制御が可能に構成されている。
(4)処理液19
以下では、本実施形態に用いる処理液19について詳細に説明する。処理液19とは、インクに含有され得る着色剤や樹脂等に対して、化学的に反応または物理的に吸着することで、インク全体の流動性の低下すなわち粘度上昇を生じさせるものをいう。また、インクを構成する組成物の固形分を凝集させることにより、局所的に流動性の低下すなわち粘度上昇を生じさせるものをいう。これにより、第1の転写ドラム1に付与されるインクを十分に保持することができる。この結果、第1の転写ドラム1上でインク滴同士が接触しても、ビーディングやブリーディングの発生が抑制された中間画像を形成することができる。
処理液19は、画像記録に使用するインクの種類によって適宜に選択される。例えば、染料インクに対しては高分子凝集剤を用いることが有効であり、顔料インクに対しては多価金属塩を使用することが有効である。多価金属塩とは、二価以上の多価金属イオンと、これら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成される。さらに、染料インクに対して、画像固定成分として金属イオンを高分子凝集剤と組み合わせて用いる場合には、インク中に、染料と同等色の顔料を混合させるか、色目に影響の少ない、白色もしくは透明色の微粒子を混合させると良い。
処理液19に使用できる高分子凝集剤としては、例えば、陽イオン性高分子凝集剤、陰イオン性高分子凝集剤、非イオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤等が挙げられる。また、多価金属塩を構成する多価金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+およびZn2+等の二価の金属イオンや、Fe3+およびAl3+等の三価の金属イオンが挙げられる。多価金属塩を構成する陰イオンとしては、Cl、NO 、SO 2−、I、Br、ClO 、RCOO(Rはアルキル基)等が挙げられる。また、使用するインクと逆性を持つ材料を処理液として用いることができる。例えば、インクがアニオン性もしくはアルカリ性であれば、その逆性であるカチオン性もしくは酸性材料を処理液として使用できる。
また、処理液19は上記材料に限らず、インクの流動性を低下させるものであれば、有機酸を使用するなど、上記材料以外の材料を含む構成としても良い。また、処理液19には、上述の多価金属塩等の金属塩と共に、水溶性有機溶剤を含有させることができる。
また、処理液19中に水溶性樹脂や水溶性架橋剤を添加することもできる。用いる材料としては上記材料と共存できるものであれば制限は無い。水溶性樹脂としてはポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等が好適に用いられる。水溶性架橋剤としては、反応性の遅いオキサゾリンやカルボジイミドが反応液安定性の面で好適に用いられる。この結果、中間画像23の記録媒体9への転写効率や耐擦過性を高めることができる。
また、第1の転写ドラム1への処理液19の均一な塗布を行うことを目的として、処理液19に界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤としては、水溶性のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の、各種の界面活性剤を用いることができる。
処理液19には、この他必要に応じて、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤を適宜に配合しても良い。また、本実施形態で使用する処理液19は無色であることがより好ましいが、記録媒体9上でインクと混合された際に、各色インクの色調を変えない範囲の淡色のものでも良い。
(5)インク付与部3
インク付与部3では、上述のような処理液付与部2によって処理液19が付与された第1の転写ドラム1上に、記録ヘッド21a〜21dによりインクを付与することにより処理液19とインクを反応させて中間画像23を形成する。記録ヘッド21a〜21dは、図示しない画像供給装置より送られてくる画像信号に応じて、少なくとも着色剤を含むインクの吐出を制御可能な複数のノズルからなる。このインク付与部3は描画ユニットを構成する。
図1において、インク付与部3は、矢印Aの方向に対して、第1の転写ドラム1上の処理液付与部2の下流側に配置されており、記録ヘッド21a、21b、21cおよび21dを含んで構成されている。なお、以下では記録ヘッド21a、21b、21cおよび21dを総じて記録ヘッドと呼ぶこともある。
記録ヘッドとしては、通電に応じインクを吐出するために利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換素子である発熱素子(吐出ヒータ)を有するノズルが配列されたものを用いる。また、記録ヘッドは、かかるノズルを第1の転写ドラム1の軸方向13(図1の紙面に垂直な方向)に配列させたライン型のものである。記録ヘッドは、図示しないインクタンクからインクの供給を受ける。記録ヘッドの発熱素子は、インクを付与するための画像信号に応じて発熱してインクの温度を上昇させ、バブルを発生させる。そして、発生したバブルが膨張することによって、記録ヘッドのノズルからインクが吐出される。
なお、記録ヘッドの構成としてはライン型のものに限られない。複数のノズル列を第1の転写ドラム1の円周方向または軸方向の所定範囲に配列させた所謂、シリアル型の記録ヘッドを用い、この記録ヘッドを軸方向に走査しながら順次、第1の転写ドラム1にインクを吐出しても良い。かかる記録ヘッドを用いる場合、第1の転写ドラム1の回転駆動は断続的に行われ、ヘッドの円周方向のノズル配列範囲または使用範囲を単位とした回転駆動と、記録ヘッドのシリアルスキャン時における駆動停止とを交互に繰り返すものとなる。
また、インクジェット記録ヘッドは、上記発熱素子を用いる形態に限らず、圧電素子を用いるものなど、インクを記録ヘッドのノズルから吐出可能なものであれば何れの吐出方式のものも使用できる。これらの記録ヘッドは、基本的に上述した記録ヘッド21a〜21dと同様の形態を有する。また、構成や吐出方式について上述と同様の変形例を採用することが可能であることは勿論である。
記録ヘッド21a、21b、21cおよび21dは、第1の転写ドラム1の円周方向に一定間隔を置いて配置されている。そしてそれぞれが異なる色のインクを付与し、カラーインク像を形成するように構成されている。図1の構成においては、記録ヘッド21a、21b、21cおよび21dが、それぞれ、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色のインクを付与するものとなっている。しかし、本実施形態におけるインク付与部3を構成するインクジェット記録ヘッドの数、第1の転写ドラム1に吐出されるインクの色順序、および使用されるインクの色相は、上記のものに限定されるものではない。
(6)インク
インク付与部3で使用するインクとしては、特に限定されるものではなく、一般的なインクを使用することができる。着色材としては、顔料や染料が挙げられるが、特に、耐水性、耐光性に優れている顔料を含有する顔料インクを用いることが好ましい。
また、処理液19として金属塩を含有したものを用いる場合には、インクおよび/または処理液19中に中間画像23の内部凝集力を強めるための水溶性樹脂や架橋剤等を添加したものを用いても良い。水溶性樹脂を加えることで、中間転写体や記録媒体と中間画像23との付着力の大きさを調節することが出来る。この場合、水溶性樹脂ならどのようなものでも使用できるが、例えば、重量平均分子量が1,000以上30,000以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは3,000以上15,000以下の範囲のものを使用する。具体的には、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体等から選ばれた少なくとも二つ以上の単量体(このうち少なくとも1つは親水性の重合性単量体)からなるブロック共重合体、或いは、ランダム共重合体、グラフト共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。或いは、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂も好ましく使用することができる。
(7)中間画像処理部4
次に、図1において、中間画像処理部4は、IRランプ22を含む。中間画像処理部4では、インク付与部3で形成された中間画像23から、水を含む溶剤成分を除去する。これにより、第2の転写ドラム6から記録媒体9へ中間画像を転写する場合に、より最適なインク粘着条件で転写を行うことができる。
中間画像処理部4には、インク中の溶剤、主にインク中の水分を蒸発または分離して除去するために、IRランプ22が設けられている。すなわち、中間画像処理部4は、記録媒体9へのインク凝集像である中間画像23の浸透性の相違を勘案して、IRランプ22の熱量を調節することにより中間画像23の記録媒体9への転写特性を制御する目的で設けられている。
なお、本実施形態では、IRランプ22を用いて中間画像23の乾燥を促進させているが、これ以外にもエアナイフなど、送風温度調節可能で中間画像23の転写特性を制御可能であるものを使用することができる。
(8)給紙搬送部11および転写部7
図1において、転写部7は、転写ローラ26を含む。また、給紙搬送部11は搬送ローラ27aおよび27bと、搬送ガイド28aおよび28bとを含んで構成される。転写部7では、給紙搬送部11の搬送ローラ27aおよび27bの回転に伴い搬送ガイド28aおよび28b間のガイド部を介して搬送された記録媒体9を、転写ローラ26によって第2の転写ドラム6に圧接する。このような制御を行うことで、第2の転写ドラム6上の中間画像23を記録媒体9の表面に転写させる。
転写ローラ26は、第2の転写ドラム6とのニップ部に記録媒体9を通過するように配置されており、ゴムローラや金属ローラ等で形成することができる。この転写部7に押圧制御装置(図示していない)を付加することで、第2の転写ドラム6に対する押圧およびその解除の制御が可能となるようにすることができる。
図1において、搬送ローラ27aおよび27bは矢印C方向に、転写ローラ26は矢印D方向に回転する。転写ローラ26は、第2の転写ドラム6に対する押圧状態では、記録媒体9を介して第2の転写ドラム6に従動して回転することができる。このような従動回転とするほか、独立の転写ローラ駆動手段(図示していない)によって回転制御可能としても良い。また、本実施形態においては、転写ローラ26は、転写時において記録媒体9を介し第2の転写ドラム6を線荷重20kg/cmで押圧するように構成されている。しかし、これに限定されるものではない。
(9)記録媒体分離部8
図1において、記録媒体分離部8は、分離爪29を含む。記録媒体分離部8では、記録媒体9の搬送タイミングに応じて分離爪29が稼動する。分離爪29は、上述の転写が終了すると、図示していない駆動装置によって駆動され、記録媒体9が第2の転写ドラム6から分離され、排紙搬送定着部12へと導かれる。
(10)排紙搬送定着部12
図1において、排紙搬送定着部12は、搬送ガイド28cおよび28dと、搬送定着ローラ30aおよび30bを含む。排紙搬送定着部12では、搬送ガイド28cおよび28d間に導かれた、中間画像が転写された記録媒体9を、赤外線ヒータを内蔵した搬送定着ローラ30aおよび30bにて加熱して転写像を定着させる。また、それらのローラ30aおよび30bの回転によって、記録媒体9を図示していない排紙トレイに送り、記録媒体9への記録を終了する。
搬送定着ローラ30aおよび30bには、公知の定着ローラを使用することができる。搬送定着ローラ30aおよび30bの温度が低すぎると中間画像の物性の変化が少ないため、記録媒体9への中間画像の定着性を向上させる効果がなくなる場合がある。一方、搬送定着ローラ30aおよび30bの温度が高すぎると記録媒体9が変形するなどの弊害が現れる。このため、搬送定着ローラ30aおよび30bの温度は30℃以上200℃以下程度とすることが好ましい。また、搬送定着ローラ30aおよび30bの材料は、金属やシリコーンゴム等とすることができる。なお、記録媒体9の剥離性を向上させるために、ローラ表面にシリコーンオイル等を塗布しても良い。
(11)クリーニング部5
図1において、クリーニング部5は、クリーニング液33、クリーニング液保持部材31、クリーニング液供給ローラ32aおよびクリーニングローラ32bを含む。クリーニング液保持部材31は、クリーニング液33を貯留・保持する。クリーニングローラ32bは、第1、第2の転写ドラム1、6とそれぞれ、当接しながら回転し、これによってクリーニング液33を塗布して第1、第2の転写ドラム1、6上のごみ等を取り除く。クリーニング液供給ローラ32aは、これらの中間にあってクリーニング液保持部材31からクリーニングローラ32bにクリーニング液33を供給する。
図1において、クリーニングローラ32bは、第1、第2の転写ドラム1、6に従動回転するものでも良いし、または図示していない駆動手段によって駆動制御可能なものでも良い。クリーニング液供給ローラ32aは、クリーニングローラ32bに従動回転するものでも良いし、または図示していない駆動手段によって駆動制御可能なものでも良い。何れにしても、クリーニング液供給ローラ32aおよびクリーニングローラー32bが回転することによって、クリーニング液33は、これらローラ間を介して第1、第2の転写ドラム1、6上にそれぞれ、塗布され、これらの転写ドラムのクリーニングが行われる。
なお、クリーニング部5は、転写ドラムの表面を適切にクリーニング可能なものであれば、その構成は図1に示したものに限定されない。また、クリーニング液31の種類も特に限定されるものではなく、例えば上記処理液で使用した界面活性剤、水溶性有機溶剤等を含む水溶液が好ましく使用可能である。
また、クリーニングローラ32bに対しても、転写部7と同様に押圧制御装置(図示していない)を付加することで、転写ドラムに対する押圧およびその解除の制御が可能となるようにすることができる。
2.画像記録方法
以下では、図1の画像記録装置による一連の記録動作を説明する。図2は、図1に示した実施形態に係る画像記録装置の記録処理手順を示すフローチャートである。
図2に示すように、画像記録装置の電源が投入され、記録開始が指示されると、まず開始処理を実行する(ステップS1)。この開始処理では、第1の転写ドラム1、第2の転写ドラム6の回転駆動のほか、それぞれの転写ドラムの内部、IRランプ22、搬送定着ローラ30aおよび30bに対するそれぞれのヒータをオンとする。そして、各部を所定温度に設定・調節する処理を行う。また、必要に応じて、記録媒体9の搬送系各部の位置設定等を行うことができる。さらに、後述するインク像形成動作に先立って転写ドラム表面のクリーニングを行うことが望ましい場合には、クリーニングローラ32bを第1および第2の転写ドラム1、6に押圧させることで、クリーニング液33の塗布および清浄化が行われるようにしても良い。
次に、コンピュータ等の画像供給装置からの画像信号を受け取る。そして、その信号に応じてインク用記録ヘッド3による吐出動作を規定するための記録データの生成およびメモリ領域への展開を行う(ステップS2)。
続いて、処理液塗布部2を構成する、塗布ローラ20bが第1の転写ドラム1に当接する。次いで、塗布ローラ20aが回転することにより処理液19が塗布ローラ20aを介して塗布ローラ20bへ塗布され、第1の転写ドラム1上に処理液19を均一に塗布する。第一の転写ドラム1が1回転し、第1の転写ドラム1上に処理液19が塗布された後、塗布ローラ20bは、第1の転写ドラム1から離接する。
次に、回転駆動されている第1の転写ドラム1に対し、上記展開した記録データに基づいてインク用記録ヘッド21a、21b、21cおよび21dを駆動することで吐出動作を行わせる。これにより、第1の転写ドラム1上の処理液19が塗布された領域にインクを吐出して中間画像23を形成する(ステップS3)。この際、インク用記録ヘッド3によって第1の転写ドラム1上に付与されたインクと、処理液付与部2によって先に付与されていた処理液との反応により迅速に凝集等が生じる。このため、第1の転写ドラム1上には凝集したインク等からなる中間画像23が形成される。図1の画像記録装置では、上述したように第1の転写ドラム1上へ効率良く中間画像23を形成することができる。しかも、この中間画像23を第2の転写ドラム6や記録媒体9上に転写しても、ビーディングやブリーディングのない高画質な中間画像23を形成することができる。そして、特に、この効果は高速記録を行う場合や、カラーインク像を形成する場合における複数色のインクの多重付与を行う場合において、さらに顕著となる。
その後、中間画像23は、中間画像処理部4で水分を含む溶剤が蒸発乾燥され、その後に行われる転写に対してより最適なインク条件となる。そして、中間画像23は、第1の転写ドラム1と第2の転写ドラム6が接触することによって両転写ドラム間に挟まれる。この時、中間画像23との付着力は、第1の転写ドラム1よりも第2の転写ドラム6の方が大きくなっているため、中間画像23は第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6に転写される(ステップS4)。また、この時に両方の転写ドラムに加える圧力が小さいと中間画像23と第2の転写ドラム6の接触面積が十分に得られなくなる場合がある。また、圧力が大きいと、中間画像23に歪みが発生する場合がある。従って、圧力は1.0kg/cm以上30.0kg/cm以下であることが好ましい。
一方、記録媒体9が給紙トレイ10から給紙搬送部11へ送られ、当該形成された中間画像23との位置が整合するように記録媒体9の搬送を行う(ステップS5)。すなわち、上述のようにして第1の転写ドラム1上に形成され、続いて第2の転写ドラム6に転写された中間画像23の先端位置と、記録媒体9とが転写位置であるニップ部で重なるように、搬送ローラ27aおよび27bによって、記録媒体9が転写部7に向かって搬送される。
転写部7では、記録媒体9の先端が第2の転写ドラム6と転写ローラ26とのニップ部に到達したと図示しないセンサーにより検知されると、転写ローラ26が駆動され記録媒体9を介して第2の転写ドラム6に押し当てられる。ここで、押圧制御装置によって所定の転写圧が生じ、第2の転写ドラム6上の中間画像23が記録媒体9に転写される(ステップS6)。第2の転写ドラム6の表面層17と記録媒体9の接触面積を大きくするために、この時に加える圧力は第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6に中間画像23を転写させる時に加える圧力よりも大きくする。加える圧力が小さいと中間画像23と第2の転写ドラム6の接触面積が十分に得られない場合がある。一方、加える圧力が大きいと中間画像23に歪みが発生する場合がある。従って、圧力は5.0kg/cm以上50.0kg/cm以下であることが好ましい。
そして、記録媒体9の先端が転写部7から排出されたことが図示しないセンサーによって検出されると同時に、分離爪29が駆動されて第2の転写ドラム6と記録媒体9の間に挿入される。これにより、記録媒体9が第2の転写ドラム6から分離する。そして、第2の転写ドラム6から分離した記録媒体9は、搬送ガイド28cおよび28dを通過し、搬送定着ローラ30aおよび30bによって熱が加えられて定着処理が行われた後、図示しない排紙トレイに導かれる。
以上の一連の中間画像23の形成、記録媒体9の搬送および転写が継続され、1枚の記録媒体9に対する記録が完了すると、終了処理が実行される(ステップS7)。具体的には、転写ローラ26および分離爪29を第2の転写ドラム6から離隔させる処理が行われる。また、クリーニングローラ32bを第1の転写ドラム1と第2の転写ドラム6に当接させ、クリーニング液33を塗布しながら、それぞれの転写ドラム1、6の表面をクリーニングする。そして、転写ドラム1、6が1回転すると、クリーニングローラ32bを転写ドラム1、6から離隔させる処理を実行する。さらに、後続の記録媒体9に対しても記録を続ける場合には、画像信号に応じた上記一連の中間画像23の形成、記録媒体9の搬送および転写動作を繰り返す。一方、記録動作を終了し電源を切る場合には、各ヒータの駆動および第1の転写ドラム1と第2の転写ドラム6の回転駆動のオフを行うようにすることができる。
B.第2の実施形態
1.画像記録装置
図3は、本発明の画像記録方法の第2の実施形態に係る画像記録装置の一例を示す模式図である。図3において、第1の転写ドラム1は、インク離型性の表面層を有する第1の中間転写体である。この転写ドラム1は軸13に支持され、図示していないドラム駆動装置によって、軸13を中心にして矢印A方向に回転駆動可能となっている。第1の転写ドラム1の外周部との対向位置には、A方向の上流側から下流側に向かって順に、処理液付与部2、インク付与部3、中間画像処理部4、転写部7、記録媒体分離部8およびクリーニング部5が配置されている。
そして、第2の転写ドラム6は、第2の中間転写体である。この転写ドラム6は第1の転写ドラム1と同様、軸13に支持され、図示していないドラム駆動装置によって、軸13を中心にして矢印B方向に回転駆動可能となっている。第2の転写ドラム6の外周部との対向位置には、B方向の上流側から下流側に向かって順に転写部7、記録媒体分離部8およびクリーニング部5が配置されている。
本実施形態の画像記録装置には、更に記録媒体9を記録媒体格納部(給紙カセット)10から転写部7へ搬送するための給紙搬送部11が設けられる。また、中間画像23が記録媒体9に転写された後に、記録媒体9上の中間画像23を定着させるとともに、図示していない排紙トレイに記録媒体9を排紙する排紙搬送定着部12が配置されている。
本実施形態の画像記録装置では、第1の転写ドラム1と第2の転写ドラム6が転写部7で接触している。これにより、第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6に中間画像23を転写できるようになっている。また、第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6への中間画像23の転写後に、第1の転写ドラム1上に更に中間画像23を形成できるようになっている。そして、記録媒体9が転写部7に搬送されることにより、第1の転写ドラム1上に形成された中間画像23と、第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6に転写された中間画像23を、記録媒体9の表面と裏面へ同時に転写させることが出来る。
第1の転写ドラム1、第2の転写ドラム6、処理液付与部2、処理液19、インク付与部3、およびインクの具体的な構成については、第1実施形態の画像記録装置と同様のものを用いることが出来る。また、中間画像処理部4、記録媒体分離部8、排紙搬送定着部12、およびクリーニング部5についても第1実施形態の画像記録装置と同様のものを用いることが出来る。
以下では、給紙搬送部11および転写部7について詳細に説明する。
(1)給紙搬送部11および転写部7
図3の転写部7では、給紙搬送部11の搬送ローラ27aおよび27bの回転に伴い、搬送ガイド28aおよび28a間のガイド部を介して記録媒体9を搬送する。そして、記録媒体9を、第1の転写ドラム1と第2の転写ドラム6で圧接されたニップ内を通過させる。このような制御を行うことで、第1の転写ドラム1上の中間画像23を記録媒体9の表面(一方の面)に、第2の転写ドラム6上の中間画像23を記録媒体9の裏面(他方の面)に同時に転写させる。
また、第1の転写ドラム1および第2の転写ドラム6の少なくとも一方に押圧制御装置(図示していない)を付加することで、転写部7を通過する記録媒体9に対する押圧およびその解除の制御を可能にすることができる。第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6へ中間画像23を転写させる時には、低圧力でも十分な接触面積が得られるので転写圧を低くした方が良い。転写圧を低くすることにより、画像の歪みを抑制することができる。本実施形態では、第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6への中間画像23の転写時の圧力として、10kg/cmの線荷重で押圧するように構成されている。一方、第1の転写ドラム1および第2の転写ドラム6から表面粗さが大きい記録媒体9へ中間画像23を転写させる時は、中間画像23を記録媒体9の表面に接触させるために、転写圧を高くした方が好ましい。また、本実施形態では、第1の転写ドラム1および第2の転写ドラム6から記録媒体9への中間画像23の転写時の圧力として、20kg/cmの線荷重で押圧するように構成されている。しかし、転写圧はこれらの値に限定されるものではない。
また、転写部7では、図示していない離接制御装置により、第1の転写ドラム1と第2の転写ドラム6を離接制御可能に構成することもできる。
2.画像記録方法
以下では、本実施形態の画像記録装置による一連の記録動作を詳細に説明する。図4は、図3に示した実施形態に係る画像記録装置の記録処理手順を示すフローチャートである。
図4に示すようにまず、記録開始処理(ステップS1)を行い、記録データの作成およびメモリ領域への展開(ステップS2)を行った後、第1の転写ドラム1上に中間画像23を形成する(ステップS3)。次に、第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6へ中間画像23を転写する(ステップS4)。この第2の転写ドラムへ中間画像23を転写する(ステップS4)までの記録手順は、第1実施形態の画像記録方法と同様である。
続いて、クリーニング部5によって、第1の転写ドラム1の表面をクリーニングした後、第1の転写ドラム1上に再び処理液R1を厚さ約1μmで塗布する。この後、裏面の各色の2値画像信号によって記録ヘッド21a、21b、21c、および21dからそれぞれ、顔料インクY1、M1、C1及びK1を吐出して第1の転写ドラム1上に中間画像23の形成を行う。この際、転写部7で第2の転写ドラム6に転写した中間画像23と位置が合うように、第1の転写ドラム1上に中間画像23を形成する。この後、中間画像処理部4のIRランプ22によって中間画像23の主溶剤である水分を蒸発させ、その後に行われる転写に対してより最適な条件とする(ステップS5)。
その後、転写部7で、搬送ローラ27aおよび27bにより、記録媒体9を給紙する(ステップS6)。そして、給紙された記録媒体9の表面(一方の面)と裏面(他方の面)に、第1の転写ドラム1上の中間画像23と第2の転写ドラム6上の中間画像23を、同時に転写して、印刷物を作成する(ステップS7)。この印刷物の作成時の転写圧は、第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6に中間画像23を転写させる時に加える圧力よりも大きくする。これにより、表面が粗い記録媒体9へ中間画像23を転写させる場合にも、第2の転写ドラム6の表面層17と記録媒体9の接触面積を大きくすることができる。
そして、記録媒体9の先端が転写部7から排出されたことが図示していないセンサーにより検出されると同時に、記録媒体分離部8の分離爪29が駆動する。そして、第1の転写ドラム1、第2の転写ドラム6と記録媒体9の間に分離爪29が挿入され、第1の転写ドラム1、第2の転写ドラム6から記録媒体9を分離する。第1の転写ドラム1、第2の転写ドラム6から分離した記録媒体9は搬送ガイド28c、28dおよび28eを通過する。この後、搬送定着ローラ30aおよび30bによって熱が加えられ定着処理が行われた後、排紙トレイ(図示せず)に導かれる。
以上の一連の中間画像23の形成、記録媒体9の搬送および中間画像23の転写が継続され、1枚の記録媒体9に対する記録が完了すると、終了処理が実行される(ステップS8)。具体的には、分離爪27を第1の転写ドラム1と第2の転写ドラム6から離隔させる処理が行われる。また、クリーニングローラ32bを第1の転写ドラム1と第2の転写ドラム6の表面に当接させ、クリーニング液31を塗布しながら、それぞれの転写ドラム1、6の表面をクリーニングする。そして、転写ドラム1、6が1回転すると、クリーニングローラ32bを転写ドラム1、6から離隔させる処理を実行する。更にこの後、後続の記録媒体9に対しても画像記録を続ける場合には、画像信号に応じた上記一連の中間画像23の形成、記録媒体9の搬送および中間画像23の転写動作を繰り返す。一方、記録動作を終了し電源を切る場合には、各ヒータの駆動および第1の転写ドラム1と第2の転写ドラム6の回転駆動のオフを行う。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。また、以下の説明において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。また、使用したインクおよび処理液等は、いずれも水で調整して総量が100部となるようにした。
また、以下の実施例および比較例では、第1および第2の中間転写体1、6ならびに記録媒体9のそれぞれと、中間画像23の付着力はマルコム製プローブタッキネステスターで測定した。測定条件は、加圧力20kg/cm、加圧時間0.1秒、引抜速度10mm/秒とした。実施例1〜6および比較例1〜3、5〜8では、記録媒体9と中間画像の付着力は、3.5kg/cmであった。記録媒体9としては、日本製紙株式会社製、オーロラコート(登録商標)を使用した。
第1及び第2の転写ドラムの表面硬度はデュロメータ(テクロック製)を用いて測定した。
第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6への転写時および第2の転写ドラム1から記録媒体9への転写時の圧力は、圧力測定センサ(I−SCAN ニッタ製)により測定した。具体的には、このセンサを第1及び第2の転写ドラム1、6の間、および第2の転写ドラム6と記録媒体9の間に挟んで圧力を加えることで測定した。
(実施例1)
(1)顔料インクの調製
先ず、下記に述べるようにして、それぞれ、顔料とアニオン性化合物とを含む、ブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローの各色の顔料インクを調製した。
(a)顔料インクK1の作製
<顔料分散液の作製>
下記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させた。
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体 1.5部
(酸価260、重量平均分子量5,000)
・モノエタノールアミン 1.0部
・ジエチレングリコール 5.0部
・イオン交換水 残部
この溶液に、カーボンブラック(MCF88、三菱化学株式会社製)を10部、イソプロピルアルコール1部を加え、30分間、プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理をした。
・分散機:サンドグラインダー(五十嵐機械製造製)
・粉砕メディア:ジルコニウムビーズ、1mm径
・粉砕メディアの充填率:50%(体積比)
・粉砕時間:3時間
さらに、上記の分散液の遠心分離処理(12,000rpm、20分間)を行って粗大粒子を除去して、黒色の顔料分散液とした。
<インクの調製>
上記顔料分散液を使用し、下記の組成比を有する成分を混合し、ブラックの顔料インクK1とした。このインクの表面張力は、34mN/mであった。
・顔料分散液 30.0部
・グリセリン 10.0部
・エチレングリコール 5.0部
・2−ピロリドン 5.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1.0部
・イオン交換水 残部
(b)顔料インクC1の作製
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化学株式会社製)10部を、ピグメントブルー15に代えた。これ以外は、顔料インクK1と同様の方法で、シアン色の顔料インクC1を調製した。
(c)顔料インクM1の作製
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化学株式会社)10部を、ピグメントレッド7に代えた。これ以外は、顔料インクK1と同様の方法で、マゼンタ色の顔料インクM1を調製した。
(d)顔料インクY1の作製
顔料インクK1の調製の際に使用したカーボンブラック(MCF88、三菱化学株式会社)10部を、ピグメントイエロー74に代えた。これ以外は、顔料インクK1と同様の方法で、イエロー色の顔料インクY1を調製した。
(2)処理液R1の作製
下記組成の成分を混合溶解した後、さらに、ポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルター(商品名:フロロポアフィルター、住友電気工業株式会社製)にて加圧濾過し、処理液R1を得た。
・ジエチレングリコール 10.0部
・塩化カルシウム・2水和物 10.0部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.5部
・イオン交換水 残部
(3)第1の転写ドラム
第1の転写ドラムの表面層には、シリコーンゴムを使用した。この転写ドラムの表面に、大気圧プラズマ照射装置(キーエンス製、ST−7000)を用いて、下記条件にて転写ドラムの表面改質を行った。
・照射距離 :5mm
・プラズマモード:High
・処理速度 :20mm/sec。
プローブタッキネステスターにより、中間画像と、プラズマ処理を施したシリコーンゴム(第1の転写ドラムの表面層)の付着力を測定したところ、1.0kg/cmであった。また、中間画像形成時のインクの動きを抑制するために、第1の転写ドラムの表面層の算術平均粗さを0.5μm、表面硬度をA90、厚みを100μmとした。
(4)第2の転写ドラム
第2の転写ドラムの表面層にはニトリルゴムを使用した。中間画像とニトリルゴム(第2の転写ドラムの表面層)の付着力を測定したところ1.8kg/cmであった。第2の転写ドラムの表面層の算術平均粗さを0.1μm、表面硬度をA40、厚みを250μmとした。
従って、本実施例では、第1の中間転写体と中間画像の付着力Fa、第2の中間転写体と中間画像の付着力Fb、記録媒体と中間画像の付着力Fcは、
Fa<Fb<Fc
9Fa/4<3Fb/2<Fc・・・式(1)
の関係を何れも満足している。
第1の転写ドラムの表面硬度よりも第2の転写ドラムの表面硬度の方が小さく、第1の転写ドラムの厚みよりも第2の転写ドラムの厚みの方が厚くなっている。また、第1の転写ドラム表面の算術平均粗さよりも第2の転写ドラム表面の算術平均粗さの方が小さくなっている。
本実施例では、図1の画像記録装置を用いて、画像記録を行った。なお、本実施例で用いた各色のインク吐出用記録ヘッド21a〜21dはそれぞれ、1200dpiの記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周波数10kHzとした。また、1ドットあたりの吐出量は、それぞれ4plのヘッドを使用した。なお、転写ドラムの外周の回転速度は100mm/秒とした。そして、以下のようにして画像を記録した。
先ず、第1の転写ドラム1上に、厚さ約1μmの処理液R1を塗布した後、インクジェット記録ヘッド21a〜21dによりそれぞれ、顔料インクY1、M1、C1、及びK1を順次、描画して、第1の転写ドラム1上に中間画像23を得た。続いて、次工程のIRランプ22により、第1の転写ドラム1上の中間画像23から主溶剤である水分を蒸発させた。その後、第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6を加熱しない状態で(室温で)、第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6に中間画像23を転写した。なお、第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6への転写時に加えた圧力は10kg/cmであった。
この後、転写部7で、搬送ローラ27a及び27bにより給紙された記録媒体9に、第2の転写ドラム6を加熱しない状態で(室温で)、第2の転写ドラム6上の中間画像23を転写して、印刷物を作成した。尚、第2の転写ドラム6から記録媒体9への転写時に加えた圧力は20kg/cmであった。
さらに、その印刷物は、加熱温度150℃の、搬送定着ローラ30aおよび30bを通過することで、定着画像とした。
その後、中間転写体の表面を観察することで転写率を算出した。転写率は、第1の中間転写体1上に形成した中間画像23の面積のうち、記録媒体9へ転写した中間画像23の面積の割合をパーセンテージで表したものである。
(実施例2)
本実施例では、実施例1で記載した処理液R1、顔料インクK1、C1、M1およびY1を用い、図1の構成の画像記録装置を使用した。ただし、第1の転写ドラム1の表面層にはプラズマ処理を施したシリコーンゴムを、第2の転写ドラム6の表面層にはプラズマ未処理のシリコーンゴムを用いた。第2の転写ドラム6は、内部に設置したヒータによって表面層の温度を60℃に制御した。60℃における、第2の転写ドラム6の表面層を構成するシリコーンゴムと中間画像の付着力を測定したところ、1500g/cmであった。なお、第1の転写ドラム1は実施例1と同じものを同じ転写条件に設定したため、第1の転写ドラム1の表面層と中間画像23の付着力は、1.0kg/cmであった。
本実施例では、実施例1と同様にして第1の転写ドラム1上に中間画像23の形成を行ったところ、第1の転写ドラム1上に高画質な中間画像23が形成された。さらに、IRランプ22によってインクの主溶剤である水分を蒸発させた。その後、第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6に中間画像23を転写した。なお、第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6への中間画像23の転写時に加えた圧力は10kg/cmであった。
そして、転写部7において、第2の転写ドラム6の中間画像23が、搬送ローラ27a及び27bにより給紙された記録媒体9に転写されることで印刷物を作成した。なお、第2の転写ドラム6から記録媒体9への転写時に加えた圧力は20kg/cmであった。
(実施例3)
本実施例では、両面印刷を行うために図3に示す、第1の転写ドラム1と第2の転写ドラム6の間を記録媒体9が搬送されるように構成した画像記録装置を使用した。
本実施例において、実施例1で記載した処理液R1と、顔料インクK1、C1、M1およびY1、第1の転写ドラム1、第2の転写ドラム6を用いて中間画像の形成を行った。ただし、本実施例で用いた各色インク吐出用記録ヘッド21a〜21dは、1200dpiの記録密度を有し、駆動条件としては、駆動周波数10kHzとした。また、1ドットあたりの吐出量は、それぞれ4plのヘッドを使用した。なお、第1および第2の転写ドラム1、6は実施例1と同じものを同じ転写条件に設定したため、第1の転写ドラム1の表面層と中間画像23の付着力は、1.0kg/cmであった。また、第2の転写ドラム6の表面層と中間画像23の付着力は、1.8kg/cmであった。
まず、第1の転写ドラム1上に処理液R1を厚さ約1μm塗布した後、各色の2値画像信号によって記録ヘッド21a、21b、21c、および21dから顔料インクY1、M1、C1及びK1を吐出した。これにより、第1の転写ドラム1上に中間画像23の形成を行った。さらに、転写ドラム1上の中間画像23を、次工程のIRランプ22によってインクの主溶剤である水分を蒸発させた。
その後、第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6を加熱しない状態で(室温で)、第1の転写ドラム1と第2の転写ドラム6のニップ部において第1の転写ドラム1の中間画像23を、第2の転写ドラムに転写した。なお、転写時に加えた圧力は10kg/cmであった。
続いて、クリーニング部5によって、第1の転写ドラム1の表面をクリーニングした後、第1の転写ドラム1上に、再び処理液R1を厚さ約1μm塗布した。次に、転写部7で第2の転写ドラム6に転写した中間画像23と位置が合うように、裏面の各色の2値画像信号によって記録ヘッド21a、21b、21c、および21dから顔料インクY1、M1、C1及びK1を吐出した。これにより、第1の転写ドラム1上に、中間画像23の形成を行った。さらにIRランプ22によって、インクの主溶剤である水分を蒸発させた。
その後、搬送ローラ27aおよび27bにより、記録媒体9を給紙した。転写部7において、第1の転写ドラム1上の中間画像23と、第2の転写ドラム6上の中間画像23を、給紙された記録媒体9の表面と裏面に同時に転写して印刷物を作成した。なお、転写時に加えた圧力は20kg/cmであった。
続いて、その印刷物には、加熱温度150℃の、搬送定着ローラ30aおよび30bを通過することで、定着画像を形成した。
(実施例4)
本実施例では、実施例1で記載した処理液R1、顔料インクK1、C1、M1およびY1を用い、図1の構成の画像記録装置を使用した。
第1の転写ドラムの表面層にはフッ素ゴムを使用した。実施例1と同様、株式会社マルコム社製、プローブタッキネステスターにより、中間画像とフッ素ゴム(第1の転写ドラムの表面層)の付着力を測定したところ、1.4kg/cmであった。また、表面層の算術平均粗さを0.5μm、表面硬度をA90、厚みを100μmとした。
第2の転写ドラムの表面層には実施例1において第2の転写ドラムに用いたニトリルゴムを使用した。中間画像とニトリルゴム(第2の転写ドラムの表面層)の付着力を測定したところ1.8kg/cmであった。
従って、本実施例では、中間画像との付着力は、第1の転写ドラム、第2の転写ドラム、記録媒体の順で大きくなっている。しかしながら、上記式(1)の関係を満たさない条件とした。
本実施例では、実施例1と同様にして第1の転写ドラム1上に中間画像23の形成を行い、第2の転写ドラム、記録媒体へ順に中間画像を転写させて印刷物を作成した。
(実施例5)
本実施例においても、実施例1で記載した処理液R1、顔料インクK1、C1、M1およびY1を用い、図1の構成の画像記録装置を使用した。
第1の転写ドラム1の表面層には、実施例1の第1の転写ドラム1と同じものを使用した。中間画像との付着力は1.0kg/cmである。
第2の転写ドラム6の表面層には算術平均粗さを0.1μm、表面硬度をA40、厚み250μmスチレンブタジエンゴムを使用した。中間画像とスチレンブタジエンゴム(第2の転写ドラムの表面層)の付着力を測定したところ2.5kg/cmであった。
従って、本実施例では、中間画像との付着力は、第1の転写ドラム、第2の転写ドラム、記録媒体の順で大きくなっている。しかしながら、上記式(1)の関係を満たさない条件とした。
本実施例では、実施例1と同様にして第1の転写ドラム1上に中間画像23の形成を行い、第2の転写ドラム、記録媒体へ順に中間画像を転写させて印刷物を作成した。
(実施例6)
本実施例では、実施例1で記載した処理液R1、顔料インクK1、C1、M1およびY1を用い、図1の構成の画像記録装置を使用した。
第1の転写ドラム1の表面層には、実施例1で使用した第2の転写ドラム6と同じニトリルゴムを使用した。中間画像との付着力は1.8kg/cmである。
第2の転写ドラム6の表面層には、実施例5で使用した第2の転写ドラム6と同じスチレンブタジエンゴムを用いた。中間画像との付着力を測定したところ2.5kg/cmであった。
従って、本実施例では、中間画像との付着力は、第1の転写ドラム、第2の転写ドラム、記録媒体の順で大きくなっている。しかしながら、上記式(1)の関係を満たさない条件とした。
本実施例では、実施例1と同様にして第1の転写ドラム1上に中間画像23の形成を行い、第2の転写ドラム、記録媒体へ順に中間画像を転写させて印刷物を作成した。
(比較例1)
本比較例では図1の構成の画像記録装置を使用し、実施例1で記載した処理液R1と、顔料インクK1、C1、M1およびY1とを用いた。ただし、第1の転写ドラム1と第2の転写ドラム6の表面層を入れ替えた。すなわち、第1の転写ドラム1の表面層にはニトリルゴムを使用し、第2の転写ドラム6の表面層にはプラズマ処理を施したシリコーンゴムを使用した。従って、中間画像23との付着力は、第1の転写ドラム1が1.8kg/cm、第2の転写ドラム6が1.0kg/cmとなり、第1の転写ドラム1より第2の転写ドラム6の方が小さくなっている。
本比較例では、実施例1と同様にして第1の転写ドラム1上に中間画像23の形成を行い、第1の転写ドラム1上に高画質な中間画像23を形成することができた。さらに、IRランプ22によってインクの主溶剤である水分を蒸発させた。その後に、第1の転写ドラム1上の中間画像23を、第2の転写ドラム6に接触させた。しかし、第2の転写ドラム6に中間画像23はほとんど転写されず、第1の転写ドラム1に残ったままであった。
(比較例2)
本比較例では図1の構成の画像記録装置を使用し、実施例1で記載した処理液R1と、顔料インクK1、C1、M1およびY1と、第1転写ドラム1の表面層を用いた。ただし、第2の転写ドラム6の表面層には硬度A95、厚み250μmのニトリルゴムを使用した。すなわち、本比較例では、第1の転写ドラム1より第2の転写ドラム6の表面硬度が大きくなっている。このため、中間画像23との付着力は、第1の転写ドラム1が1.0kg/cm、第2の転写ドラム6が0.86kg/cmとなり、第1の転写ドラム1より第2の転写ドラム6の方が小さくなっている。
本比較例ではまず、実施例1と同様にして、第1の転写ドラム上に中間画像23の形成を行い、第1の転写ドラム1上に高画質な中間画像23を形成した。さらに、IRランプ22によって、インク中の主溶剤である水分を蒸発させた。その後に、第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6上に中間画像23を転写した。更に、第2の転写ドラム6から記録媒体9へ中間画像23を転写した。しかし、第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6に中間画像23はほとんど転写されず、第1の転写ドラム1上に残ったままであった。
(比較例3)
本比較例では図1の構成の画像記録装置を使用し、実施例1で記載した処理液R1と、顔料インクK1、C1、M1およびY1と第1の転写ドラム1を用いた。ただし、第2の転写ドラム6の表面層には硬度A40、厚み50μmのニトリルゴムを使用した。すなわち、本比較例では、第1の転写ドラム1より第2の転写ドラム6の表面層の厚みが薄くなっている。このため、中間画像23との付着力は、第1の転写ドラム1が1.0kg/cm、第2の転写ドラム6が0.91kg/cmとなり、第1の転写ドラム1より第2の転写ドラム6の方が小さくなっている。
本比較例では、実施例1と同様にして、第1の転写ドラム上に中間画像23の形成を行い、第1の転写ドラム1上に高画質な中間画像23を形成した。さらに、IRランプ22によって、インク中の主溶剤である水分を蒸発させた。第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6上に中間画像23を転写した。更に、第2の転写ドラム6から記録媒体9へ中間画像23を転写した。しかし、第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6に中間画像23はほとんど転写されず、第1の転写ドラム1上に残ったままであった。
(比較例4)
本比較例では図1の構成の画像記録装置を使用し、第2の転写ドラム6から記録媒体9に中間画像23を転写する時に加える圧力を1kg/cmとした。これ以外は、実施例1と同じ条件に設定した。このため、中間画像23との付着力は、第1の転写ドラム1が1.0kg/cm、第2の転写ドラム6が1.8kg/cmとなり、第1の転写ドラム1より第2の転写ドラム6の方が大きくなっている。しかし、記録媒体9と中間画像23の付着力は、第2の転写ドラム6と中間画像23の付着力よりも小さくなった。
まず、各色の2値画像信号によって記録ヘッド21a、21b、21c、および21dからそれぞれ、顔料インクY1、M1、C1及びK1を吐出して第1の転写ドラム1上に中間画像23を形成した。この結果、実施例1と同様に、第1の転写ドラム1上に高画質な中間画像23を形成した。さらに、IRランプ22によって、インク中の主溶剤である水分を蒸発させた。第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6上に中間画像23を転写した。更に、第2の転写ドラム6から記録媒体9へ中間画像23を転写した。しかし、第2の転写ドラム1から記録媒体9に中間画像23はほとんど転写されず、第2の転写ドラム6上に残ったままであった。
(比較例5)
本比較例では図1の構成の画像記録装置を使用し、第2の転写ドラム6の表面層の算術平均粗さを10μmとした。これ以外は、実施例1と同じ条件に設定した。このため、中間画像23との付着力は、第1の転写ドラム1が1.0kg/cm、第2の転写ドラム6が0.82kg/cmとなり、第1の転写ドラム1より第2の転写ドラム6の方が小さくなっている。
まず、各色の2値画像信号によって記録ヘッド21a、21b、21c、および21dからそれぞれ、顔料インクY1、M1、C1及びK1を吐出して第1の転写ドラム1上に中間画像23を形成した。この結果、実施例1と同様に、第1の転写ドラム1上に高画質な中間画像23を形成した。さらに、IRランプ22によって、インク中の主溶剤である水分を蒸発させた。第1の転写ドラム1から第2の転写ドラム6上に中間画像23を転写した。更に、第2の転写ドラム6から記録媒体9へ中間画像23を転写した。しかし、第2の転写ドラム6に中間画像23は一部しか転写せず、大部分が第1の転写ドラム1に残ったままであった。
(比較例6)
本比較例では図1の構成の画像記録装置を使用し、実施例2で記載した処理液R1と、顔料インクK1、C1、M1およびY1と、第1の転写ドラム1の表面層と、第2の転写ドラム6の表面層を用いた。ただし、第1の転写ドラム1の表面層の温度を、内部に設置したヒータによって60℃に制御した。すなわち、本比較例では、第1の転写ドラム1の表面層の温度を、第2の転写ドラム6の表面層の温度よりも高く設定した。このため、中間画像23との付着力は、第1の転写ドラム1が1.95kg/cm、第2の転写ドラム6が1.8kg/cmとなり、第1の転写ドラム1より第2の転写ドラム6の方が小さくなっている。
まず、各色の2値画像信号によって記録ヘッド21a、21b、21c、および21dからそれぞれ、顔料インクY1、M1、C1及びK1を吐出して第1の転写ドラム1上に中間画像23を形成した。この結果、実施例1と同様に、第1の転写ドラム1上に高画質な中間画像23を形成した。さらに、IRランプ22によって、インク中の主溶剤である水分を蒸発させた。その後、第1の転写ドラム1上の中間画像23を、第2の転写ドラム6に接触させた。しかし、本比較例では、第2の転写ドラムに中間画像23はほとんど転写せず、第1の転写ドラム1上に残ったままであった。
(比較例7)
本比較例では図1の構成の画像記録装置を使用し、実施例1で記載した処理液R1と、顔料インクK1、C1、M1およびY1と、第2の転写ドラム6の表面層を用いた。ただし、第1の転写ドラム1の表面層を、シリコーンゴムから第2の転写ドラム6に用いたニトリルゴムに入れ替えて中間画像23の形成を行った。したがって、中間画像23との付着力は、第1の転写ドラム1と第2の転写ドラム6で同じの1.8kg/cmとなった。
まず、各色の2値画像信号によって記録ヘッド21a、21b、21c、および21dからそれぞれ、顔料インクY1、M1、C1及びK1を吐出して第1の転写ドラム1上に中間画像23を形成した。この結果、実施例1と同様に、第1の転写ドラム1上に高画質な中間画像23を形成した。さらに、IRランプ22によって、インク中の主溶剤である水分を蒸発させた。その後、第1の転写ドラム1上の中間画像23を、第2の転写ドラム6に接触させた。しかし、本比較例では、中間画像23との付着力は、第2の転写ドラム6と第1の転写ドラム1で同じである。このため、中間画像23の約半分が第2の転写ドラム6に転写され、残り半分が第1の転写ドラム1に残る、いわゆる泣き別れ現象が起こった。
(比較例8)
本比較例では図3の構成の画像記録装置を使用し、実施例3で記載した処理液R1と、顔料インクK1、C1、M1およびY1とを用いた。ただし、第1の転写ドラム1と第2の転写ドラム6の表面層を入れ替えた。すなわち、第1の転写ドラム1の表面層にはニトリルゴムを使用し、第2の転写ドラム6の表面層にはプラズマ処理を施したシリコーンゴムを使用した。従って、中間画像23との付着力は、第1の転写ドラム1が1.8kg/cm、第2の転写ドラム6が1.0kg/cmとなり、第1の転写ドラム1より第2の転写ドラム6の方が小さくなっている。
まず、各色の2値画像信号によって記録ヘッド21a、21b、21c、および21dからそれぞれ、顔料インクY1、M1、C1及びK1を吐出して第1の転写ドラム1上に中間画像23を形成した。この結果、実施例1と同様に、第1の転写ドラム1上に高画質な中間画像23を形成した。さらに、IRランプ22によって、インク中の主溶剤である水分を蒸発させた。その後、第1の転写ドラム1上の中間画像23を、第2の転写ドラム6に接触させた。本比較例では、第2の転写ドラム6に中間画像23はほとんど転写されず、第1の転写ドラム1に残ったままであった。続いて、クリーニング部5によって、第1の転写ドラム1の表面をクリーニングした後、第1の転写ドラム1上に再び、中間画像23を形成した。そして、IRランプ22によって、インク中の主溶剤である水分を蒸発させた。
その後、搬送ローラ27aおよび27bにより記録媒体9を給紙した。次に、転写部7において、第1の転写ドラム1上の中間画像23と、第2の転写ドラム6上の中間画像23をそれぞれ、給紙された記録媒体9の表面と裏面に同時に転写して印刷物を作成した。
下記表1に、実施例と比較例で使用した第1および第2の転写ドラムの条件と、記録媒体9への中間画像23の転写率の評価結果を示す。なお、表1の第1の転写ドラムにおける「圧力」は、第1の転写ドラムから第2の転写ドラムへ中間画像を転写する時の圧力であり、第2の転写ドラムにおける「圧力」は、第2の転写ドラムから記録媒体へ中間画像を転写する時の圧力である。また、表1における転写率の評価基準は以下の通りである。
AA:転写率が95%以上であった
A:転写率が80%以上95%未満であった
B:転写率が50%以上80%未満であった
C:転写率が50%未満であった。
なお、表1中の温度欄の「RT」は室温であることを表す。また、実施例3における転写率は、記録媒体9の表面および裏面における中間画像23の転写率を表す。比較例8における転写率は、記録媒体9の裏面における中間画像23の転写率を表す。
実施例1〜6の印刷物の作成後に確認したところ、第1の転写ドラムおよび第2の転写ドラム上にはインク残りがない、又は、少なかった。さらに、実施例1〜6において、上述の各工程を繰り返しても、第1の中間転写体から第2の中間転写体、第2の中間転写体から記録媒体へと高画質画像を転写できることを確認した。
1 第1の転写ドラム
2 処理液付与部
3 インク付与部
4 中間画像処理部
5 クリーニング部
6 第2の転写ドラム
7 転写部
8 記録媒体分離部
9 記録媒体
10 記録媒体格納部(給紙カセット)
11 給紙搬送部
12 排紙搬送定着部
13 軸
14 支持体
15 圧縮層
16、17 表面層

Claims (8)

  1. インクを第1の中間転写体に付与して中間画像を形成する中間画像形成工程と、
    前記第1の中間転写体に形成された前記中間画像を第2の中間転写体に転写する第1の転写工程と、
    前記第2の中間転写体に転写された前記中間画像を記録媒体に転写する第2の転写工程と、
    を有する画像記録方法であって、
    前記第1の中間転写体と前記中間画像の付着力Fa、前記第2の中間転写体と前記中間画像の付着力Fb、前記記録媒体と前記中間画像の付着力Fcが、
    Fa<Fb<Fc
    の関係を満足することを特徴とする画像記録方法。
  2. 前記第1の中間転写体と前記中間画像の付着力Fa、前記第2の中間転写体と前記中間画像の付着力Fb、前記記録媒体と前記中間画像の付着力Fcが、
    9Fa/4<3Fb/2<Fc
    の関係を満足することを特徴とする請求項1に記載の画像記録方法。
  3. 前記第1の中間転写体と前記中間画像の付着力Faが、0.5kg/cm以上3.0kg/cm以下である請求項1又は2に記載の画像記録方法。
  4. 前記第2の中間転写体と前記中間画像の付着力Fbが、1.0kg/cm以上5.0kg/cm以下である請求項1〜3の何れか1項に記載の画像記録方法。
  5. 前記第1の中間転写体の表面硬度が、前記第2の中間転写体の表面硬度よりも大きく、かつ、
    前記記録媒体の表面硬度が、前記第2の中間転写体の表面硬度よりも大きい請求項1〜4の何れか1項に記載の画像記録方法。
  6. 前記第1の転写工程において、前記第1の中間転写体から前記第2の中間転写体に前記中間画像を転写するときに加える圧力が、前記第2の転写工程において、前記第2の中間転写体から前記記録媒体に前記中間画像を転写するときに加える圧力よりも小さい請求項1〜5の何れか1項に記載の画像記録方法。
  7. 前記第1の中間転写体の表面の算術平均粗さRa、前記第2の中間転写体の表面の算術平均粗さRa、前記記録媒体の表面の算術平均粗さRaが、
    Ra>Ra>Ra
    の関係を満足する請求項1〜6の何れか1項に記載の画像記録方法。
  8. 前記第1の中間転写体が支持部材と表面層を有し、
    前記表面層が、シリコーンゴムを含有する請求項1〜7の何れか1項に記載の画像記録方法。
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